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ひび割れ注入施工要領書
(TSクラックフィラーひび割れ注入工法)
ひび割れ注入工法研究会
TSCF-S001
- 1 -
― 目 次 ―
1.TSクラックフィラーひび割れ注入工法説明 ・・・・・・・・・・・ P-2
2.注入圧力の区分 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P-2
3.配合例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P-3
4.安全衛生管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P-3
5.使用材料・機材 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P-4
6.注入工法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P-5~18
6-1 TS-type1 (TS注入ノズル式注入) ・・・・・・・・・・ P-5~7
6-2 TS-type2 (穿孔式低圧注入) ・・・・・・・・・・・・ P-8~10
6-3 TS-type3H (注入専用アンカープラグ式高圧注入) ・・・ P-11~14
6-4 TS-type3S (注入専用アンカープラグ式高圧注入) ・・・ P-15~18
- 2 -
1.TSクラックフィラーひび割れ注入工法説明
1) TS-type1 ( TS 注入ノズル式注入 )
コンクリート表面をキズ付けずに確実にひび割れ内部まで充填が可能であり、注入
ノズルを直接ひび割れに押し当てるだけで注入ができる。注入後の仕上がりもほと
んど目立たないため打ち放しコンクリート面の施工に適した工法である。
2) TS-type2 ( 穿孔式低圧注入 )
ひび割れ表面が目詰り(ホコリ、エフロレッセンス等)している場合やひび割れの深
さが概ね 250㎜~400㎜程度の施工箇所、注入治具等が取付けられない箇所等(凹凸
面、斫り処理表面等)に適した工法である。また穿孔には水循環式無振動ダイヤモン
ドビットドリルを仕様としているため切削クズで目詰りを起こさないため確実に注
入できる。
(最小穿孔径φ4mm)
3) TS-type3H ( 注入専用アンカープラグ高圧注入 )
ひび割れが発生した柱、壁、スラブ、梁等のひび割れの深さが 300㎜以上かつ片
側面からしか注入が出来ない状況や一度に多量の注入量を使用する不具合部等(コ
ンクリート内部のジャンカ・構造体に生じた隙間等)の補修や補強が必要な箇所へ
の工法である。
4)TS-type3S (注入専用アンカープラグ式高圧注入)
ひび割れが発生した柱、壁、スラブ、梁・基礎等のひび割れ深さが 600㎜以上や
コンクリート厚が 1.0m以上あり且つ施工が困難である躯体内部の不具合等(コンク
リート内部のジャンカ・構造体に生じた隙間・背面へのアクセス等)の補修や補強
が必要な箇所への工法である。
2.注入圧力の区分
低圧注入圧力は 1Mpa 以下とし高圧注入圧力は 2Mpa以上とする。
(低圧注入は最大 2Mpa、高圧注入は最大 32.5Mpsaを用いた注入ポンプを使用)
- 3 -
3.配合例
表-1 配合例
【練り混ぜ方法】
① 必要量の粉体(超微粒子セメント)を計量器で計量する。 同様に水とも計量する。
② 練り混ぜ用の容器に水、表面張力低減材、粉体を投入した後に電動撹拌機で練り混
ぜる。撹拌時間は 3分以上とする。
③ 練り混ぜ不良がないことを確認する。
4.安全衛生管理
1) 現場周辺の住民やビル、マンション、病院、学校の改修工事等の騒音・振動などの
環境問題も配慮した注入工法である。
2) 注入施工時には保護メガネ、保護マスク、ゴム手袋、カッパ(ヤッケ)の着用する。
※誤って注入材が目に入った場合は速やかに多量の水で洗顔した後、専門医の診断
を受ける。
水粉対比
(%)
超微粒子セメント
(㎏)
表面張力低減材
(g)
水
(ℓ)
練り上がり量
(ℓ)
50 15 0.57 7.5 16.5
57 15 0.57 8.55 17.25
- 4 -
5.使用材料と機材
1) 使用材料
2) 使用機材
ひび割れ注入材
(TS クラックフィラー)
水循環式無振動ドリル
特殊止栓用シリコンチップ
足踏み注入ポンプ
(注入ノズル)
(TS 注入ノズル)
(穿孔式注入ノズル)
特殊目止めシール止栓用キャップ
TSクラックフィラー
(高流動超微粒子セメント注入材)
ロングビットドリル ハンドタイプ
(水循環式ドリル)
高圧注入ポンプ
(最大吐出圧力:32.5 Mpa)
注入専用アンカープラグ
(高圧注入用)
(φ10 mm)
(φ8 mm)
Q&A - 6
(目止めシール材)
ロングビットドリル
(水循環式ドリル)
- 5 -
6.注入工法
6-1 TS-type1 ( TS 注入ノズル注入 )
6-1-1 フローチャート
①注入口用テープ貼付け
②目止めシール
③水注入
④TSクラックフィラー注入
(高流動超微粒子セメント注入材)
⑤養 生
(24時間以上)
⑥目止めシール撤去
⑦施工完了
- 6 -
6-1-2 施工手順
① 注入口用テープ貼付け
4~5 箇所/m に注入口用テープをひび割れと鉛直に貼付ける。
② 目止めシール
目止めシール材(Q&A-6)をひび割れに沿って刷毛で目止めシールする。
※水や注入材を注入した時に目止め材の表面がひび割れに沿って滲むのが目視で確認
できる。
③ 水注入
直接ひび割れにノズル先端部を押し当て足踏みポンプで注入を行っていく。
※ ひび割れ内部の洗浄と注入材の流動性を促す。
④ TSクラックフィラー注入
計量器を使用して粉体・表面張力低減材・水を規定の配合比で計量する。3分以上電
動撹拌機で練り混ぜる。
直接ひび割れにノズル先端部を押し当て足踏みポンプで注入する。
隣の注入口から注入材が流出してきたら、特殊急結セメントで止栓して次の注入口
より注入を行っていく。
⑤ 養生期間
注入後 24 時間以上。
⑥ 目止めシール材撤去
目止めシール材を皮スキまたはスクレーパー等で撤去する。
⑦ 施工完了
- 7 -
6-1-3 手順図
①施工前 ②注入口用テープ貼付
け
③目止めシール
④注 入 ⑤水注入 ⑥TSクラックフィラー注入
(断面図) (断面図)
⑦目止めシール撤去 ⑧施工完了
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6-2 TS-type2 ( 穿孔式低圧注入 )
6-2-1 フローチャート
①穿 孔
②目止めシール
③水注入
⑤養 生
(24時間以上)
⑥目止めシール撤去
⑦仕上
⑧施工完了
④TSクラックフィラー注入
(高流動超微粒子セメント注入材)
( 使用穿孔機 )
・ロングビットドリル ハンドタイプ(LBDH)
- 9 -
6-2-2 施工手順
① 穿 孔
ロングビットドリル ハンドタイプ (LBDH)(穿孔径:φ4mm またはφ5mm、穿孔ピッ
チ:3~5箇所/m)でひび割れに直接または千鳥穿孔する。
② 目止めシール
穿孔した孔は目止め材が入らないように特殊目止めシール止栓用キャップを挿入し
栓をする。目止めシール材(Q&A-6)を規定の配合で水と練混ぜて 3~5mm 程度の厚み
に盛り上げてハケ等で縁を撫でる。
※水や注入材を注入した時に目止め材の表面がひび割れに沿って滲むのが目視で確認
できる。
③ 水注入
穿孔した孔にノズル先端を差し込んで軽く打込み足踏みポンプで注入する。
※ひび割れ内部の洗浄と注入材の流動性を促す。
④ TSクラックフィラー注入
計量器を使用して粉体・表面張力低減材・水を規定の配合比で計量する。3分以上電
動撹拌機で練り混ぜる。
穿孔した孔にノズル先端を差し込んで軽く打込み足踏みポンプで注入する。
隣の注入口から注入材が流出してきたら特殊止栓用シリコンチップで止栓して次の
注入孔より注入を行っていく。
⑤ 養生期間
注入後 24 時間以上。
⑥ 目止めシール材撤去
目止めシール材を皮スキまたはスクレーパー等で撤去する。
⑦ 仕上
注入口の孔は補修用モルタルを充填して金ゴテ等で平滑に仕上げる。
⑧ 施工完了
- 10 -
6-2-3 手順図
①施工前 ②穿 孔 ③目止めシール
④注 入 ⑤水注入 ⑥TSクラックフィラー注入
⑦目止めシール撤去 ⑨施工完了
(断面図) (断面図)
⑧仕上
- 11 -
6-3 TS-type3H LBDH (注入専用アンカープラグ式高圧注入)
6-3-1 フローチャート
①穿 孔
(穿孔径:φ9.0 またはφ10.5)
②注入専用アンカープラグ取付け
③目止めシール
④水注入
⑥養 生
(24時間以上)
⑦注入専用アンカープラグ撤去
⑧目止めシール撤去
⑨仕上
⑤TSクラックフィラー注入
(高流動超微粒子セメント注入材)
⑩施工完了
( 使用穿孔機 )
・ロングビットドリル ハンドタイプ (LBDH)
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6-3-2 施工手順
① 穿 孔
ロングビットドリル ハンドタイプ(LBDH)を使用して穿孔径φ9.0 (φ10.5)㎜ で 3~
4箇所/mのピッチでひび割れに直接または千鳥穿孔する。
② 注入専用アンカープラグ取付け
注入専用アンカープラグφ8(φ10)㎜をレンチ等で抜けないように締付け固定する。
③ 目止めシール
目止めシール材(Q&A-6)を規定の配合で水と練混ぜて 3~5 ㎜程度の厚みに盛り上げて
ハケ等で縁を撫でる。
※水や注入材を注入した時に目止め材の表面がひび割れに沿って滲むのが目視で確認
できる。
④ 水注入
高圧注入ポンプで水を注入する。
※ひび割れ内部の洗浄および注入材の流動性を促す。
⑤ TSクラックフィラー注入
計量器を使用して粉体・表面張力低減材・水を規定の配合比で計量する。3分以上電動
撹拌機で練り混ぜる。
高圧注入ポンプ(最大吐出圧:32.5Mpa)で TSクラックフィラーを注入する。
⑥ 養 生
注入後の養生は 24時間以上とする。
⑦ 注入専用アンカープラグ撤去
レンチ等で注入専用アンカープラグを緩めて全て抜き取る。
⑧ 目止めシール撤去
目止めシールは皮スキまたはスクレーパー等で撤去する。
⑨仕上
注入専用アンカープラグの撤去後の孔は補修用モルタルを金ゴテ等で平滑に仕上げる。
⑩ 施工完了
- 13 -
6-3-3 手順図
①施工前 ②穿 孔 ③注入専用アンカープラグ
取り付け
④目止めシール ⑤注 入
⑥水注入 ⑦TSクラックフィラー注入 ⑧注入専用アンカープラグ
撤去
(断面図) (断面図)
- 14 -
⑨目止めシール撤去 ⑩仕上 ⑪施工完了
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6-4 TS-type3S LBD (注入専用アンカープラグ式高圧注入)
6-4-1 フローチャート
①穿 孔
穿孔径:φ9.0 またはφ10.5
最大穿孔深さ:約 9.0m
②注入専用アンカープラグ取付け
③目止めシール
④水注入
⑥養 生
(24時間以上)
⑦注入専用アンカープラグ撤去
⑧目止めシール撤去
⑨仕上
⑤TSクラックフィラー注入
(高流動超微粒子セメント注入材)
⑩施工完了
( 使用穿孔機 )
・ロングビットドリル (LBD)
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6-4-2 施工手順
① 穿 孔
ロングビットドリル(LBD)を使用して穿孔径φ9.0(φ10.5)㎜ で 3~4 箇所/m のピッ
チでひび割れに直接穿孔または千鳥穿孔する。(最大穿孔深さ:約 9.0m)
② 注入専用アンカープラグ取付け
注入専用アンカープラグφ8(φ10)㎜をレンチ等で抜けないように締付け固定する。
③ 目止めシール
Q&A-6を規定の配合で水と練混ぜて 3~5㎜程度の厚みに盛り上げてハケ等で縁を撫で
る。
※水や注入材を注入した時に目止め材の表面がひび割れに沿って滲むのが目視で確
認できる。
④ 水注入
高圧注入ポンプで水を注入する。
※ひび割れ内部の洗浄および注入材の流動性を促す。
⑤ TSクラックフィラー注入
計量器を使用して粉体・表面張力低減材・水を規定の配合比で計量する。3分以上電
動撹拌で練り混ぜる。
高圧注入ポンプ(最大吐出圧:32.5Mpa)で TSクラックフィラーを注入する。
⑥ 養 生
注入後の養生は 24時間以上とする。
⑦ 注入専用アンカープラグ撤去
レンチ等で注入専用アンカープラグを緩めて全て抜き取る。
⑧ 目止めシール撤去
目止めシールは皮スキまたはスクレーパー等で撤去する。
⑨ 仕上
注入専用アンカープラグの撤去後の孔は補修用モルタルを金ゴテ等で平滑に仕上げる。
⑩ 施工完了
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6-4-3 手順図
①施工前 ②穿 孔 ③注入専用アンカープラグ
取り付け
④目止めシール ⑤注 入
⑥水注入 ⑦TSクラックフィラー注入 ⑧注入専用アンカープラグ
撤去
(断面図) (断面図)
※ひび割れ深さ:600 ㎜以上 ※ひび割れ深さ:600 ㎜以上
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⑨目止めシール撤去 ⑩仕上 ⑪施工完了