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安全な医療システムの構築をめざして ー共同行動に期待すること
平成24年11月25日 医療安全全国フォーラム
日本医師会 常任理事 高杉 敬久
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安全な医療システムの構築をめざして<本日のアウトライン>
1. 医療安全推進者養成講座
2. 医療安全推進者ネットワーク(Medsafe.Net)
3. 医療安全対策委員会
4. 共同行動に期待すること
日本医師会 高杉敬久 提供
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1. 医療安全推進者養成講座
• 日本医師会では、医療機関における組織的な安全管理体制の推進確立を図ることを目的として、安全管理に対する知識と技術を身につけた人材を育成・養成する「日本医師会医療安全推進者養成講座」を開設している
• 平成13年度の開講から今年度で12年目を迎え、平成24年度は4月15日に開講
• 平成18年度からE-Learning方式
• 1年間を通じて9教科を学習
• 受講者延べ人数は約7,800名
日本医師会 高杉敬久 提供
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平成24年度は452名が受講中(職種別受講者数)
職種 受講者数 割合
医師・歯科医師 89 19.7%
看護職員 155 34.3%
病院・診療所事務員 58 12.8%
医師会苦情・相談受付窓口業務担当者 12 2.7%
その他 138 30.5%
合 計 452 100.0%
日本医師会 高杉敬久 提供
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平成24年度は452名が受講中(年代別受講者数)
年代 受講者数 割合
29歳以下 33 7.3%
30~39歳 134 29.6%
40~49歳 163 36.1%
50~59歳 101 22.3%
60~69歳 20 4.4%
70歳以上 1 0.2%
合計 452 100.0%
日本医師会 高杉敬久 提供
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学習カリキュラム
• 第1教科 医療安全対策概論
• 第2教科 医療コミュニケーション論
• 第3教科 事故防止職場環境論
• 第4教科 具体事例から学ぶ医療事故対応
• 第5教科 医療事故の分析手法論
• 第6教科 医療施設整備管理論
• 第7教科 医療安全と医療経営
• 第8教科 医事法学概論
• 第9教科 医療現場におけるコーチング術
先日(11/15)公開
4/15開始、以降毎月15日に1教科ずつ公開
日本医師会 高杉敬久 提供
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修了証の発行
医療安全推進者養成講座受講者のうち、下記のような一定の要件をいずれも満たした方に対し、日本医師会長名で「医療安全推進者養成講座修了証」を発行
☆全教科の演習問題(毎回20問)に
☆締切期限内に回答を送信し、
☆各教科の回答が6割以上(12問以上)正解している方
(期限後の回答送信は一切出来ない) 日本医師会 高杉敬久 提供
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講 習 会
• 1年間の受講期間中に1回の「講習会」を開催
• 平成24年度は11月10日に医療安全推進者養成講座の一環としての「講習会」を開催
• 講座受講者以外も講習会だけの参加は可能
<次第>
「我が国の医療安全施策の動向」 厚生労働省 宮本哲也
「医療安全支援センターの役割と医療機関の連携」
東大大学院医学系研究科
松浦知子
「レポートシステムの位置づけと活用」 名古屋大学医学部附属病院 長尾能雅
「医療事故の真実と教訓~ジャーナリストの眼から見た医療安全の考え方~」
江戸川大学メディアコミュニケーション学部
隈本邦彦
日本医師会 高杉敬久 提供
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講習会でのkey word (長尾能雅 講師)
• 情報の遮断がリスクを爆発させる
=情報の共有がリスクを軽減させる
• 医師の報告が少ない
=病院が重要な情報を把握できていない
• 報告がスピーディになればなるほど猶予が得られる
• 報告があるから連携が取れる
• 高いリスクと信頼の中で一枚のレポートが命を救う
日本医師会 高杉敬久 提供
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講習会でのkey word (隈本邦彦 講師)
• 事故は単独の原因では起きない
• 数多くある要因のうち、どれか一つでも欠けていれば事故が防げた、ということが多い
• 医療安全は年間2万人以上の患者の命を救う可能性のある前向きで有意義な医療行為
• 対策は原因指向が原則
• 正直申告が大切
• 人は自分の好きな人は訴えない
日本医師会 高杉敬久 提供
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2.医療安全推進者ネットワーク(Medsafe.Net)
日本医師会 高杉敬久 提供
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共同行動のHPにリンク
日本医師会 高杉敬久 提供
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コンテンツ
• スペシャリストに聞く
• 医療安全をとりまく動向・ここに注目!
• ほっと情報・ほっと商品
• 医療事件判決紹介コーナー (毎月2例の判例を弁護士による評釈を加えて紹介)
など
日本医師会 高杉敬久 提供
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共同行動フォーラムのご案内も掲載
日本医師会 高杉敬久 提供
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医療の質・安全学会学術集会のご案内も掲載
日本医師会 高杉敬久 提供
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3. 医療安全対策委員会
平成22年3月「医療事故削減戦略システム」~事例から学ぶ医療安全~
日本医師会 高杉敬久 提供
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共同行動のHPでもご紹介いただきました
日本医師会 高杉敬久 提供
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• 日本医師会の会内委員会の1つである医療安全対策委員会は平成22年3月に「医療事故削減戦略システム」を作成し、全会員に配布した。
• 「医療事故削減戦略システム」は“医療安全全国共同行動”における、有害事象を可能な限り低減させるという取り組みを、診療所などの小規模な医療施設でも効果的に実行するための手がかりを念頭に企画されたものである。
日本医師会 高杉敬久 提供
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重点項目別事例から学ぶ医療安全
1. 緊急時の迅速対応
2. 薬剤の誤投与防止
3. 採血・注射の安全な実施
4. 検査と処置の安全な実施
5. 見落としを防ぐ
6. 手術の安全な実施
7. 感染防止対策
8. 医療機器の安全な操作と管理
9. 転倒・転落の防止 日本医師会 高杉敬久 提供
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個人で行う医療安全対策
1. 個人医師の医療安全に対する実施策
2. 診療録の記載方法
3. タイムアウトの導入と効果
4. 診療所におけるインシデントレポート
日本医師会 高杉敬久 提供
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地域で行う医療安全対策
1. 地域医師会の医療安全に対する方策
2. コンサルテーションシステム
3. 医師対象の相談窓口の設置
4. 研修会開催、参加証の授与
日本医師会 高杉敬久 提供
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オンライン掲載中
日本医師会のホームページ →患者の安全確保対策室 →マニュアル に、PDFファイルで掲載しているので ダウンロードして広くご活用いただきたい。
http://dl.med.or.jp/dl-med/anzen/data/jikosakugen.pdf
日本医師会 高杉敬久 提供
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平成24年3月「医療安全の推進と新しい展開について」
日本医師会 高杉敬久 提供
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平成22~23年度
医療安全対策委員会の取り組み
• 各委員の所属医師会においてテーマを決め、平成22年度にパイロットスタディを開始
• テーマは「医療事故削減戦略システム」
の項目を中心に選択
• 平成22年度の結果をもとに新たにテーマを決め、23年度に行動開始
日本医師会 高杉敬久 提供
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取り組みの一例
(北海道)転倒・転落アセスメントスコアシート
(岩手県)インシデント・アクシデントレポートの収集結果
(茨城県)静脈採血の自己点検表改善率
(東京都)インシデント・アクシデントレポートの収集結果
(愛知県)静脈採血、院内感染予防対策のチェックリスト活用後の改善度
(大阪府)東住吉区三師会会員及び区民へのアンケート調査結果
(兵庫県)「医療事故削減戦略システム」9項目の見直し
(広島県)多職種連携による医療安全の推進
(香川県)インシデント・アクシデントレポートの収集結果
(鹿児島県)「薬剤の誤投与防止」「医療機器の安全な操作と管理」の実践
日本医師会 高杉敬久 提供
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愛知県医師会院内感染チェックリストの調査による効果が高かった項目
第一次調査実施率
第二次調査実施率
変化
腕時計・指輪を外してから手洗いを実施 69.4% 89.0% +19.6
結核などの空気感染が想定されるときはN95マスクを使用
47.8% 64.8% +17.0
共有タオルは使わず手指はペーパータオル又は温風でよく乾燥させる
74.6% 89.0% +14.4
器材洗浄で使用するスポンジ・ブラシ等は使用後に消毒と乾燥を確実に実施
74.9% 87.7% +12.8
次の患者や同一患者に次の処置を行う前に必ず手洗いを実施
81.3% 91.8% +10.5
飛沫感染が想定される患者への1m以内の接近・接触時はサージカルマスクを使用
77.6% 88.1% +10.5
感染性があるものに接触時には同一患者でも他の部位に触れる前に手袋を交換
83.1% 93.2% +10.1
日本医師会 高杉敬久 提供
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今後に向けて(1)
(岩手県)「医療安全いわて公開フォーラム」は、医療安全に対し、患者側、医療側相互の理解を深めるために重要な会と考える。平成23年度は中断したが、平成24年度は医療安全推進週間に合わせ実施したい。
(茨城県)静脈採血の自己点検表による調査は、3回目には満足できるほどの改善が見られた。今後も2~3か月に一度の教育確認を継続的に実施することが重要である。
(愛知県)静脈採血、院内感染予防対策のチェックリストにより第一次調査と第二次調査を行ったところ、全体を通して第二次調査で実施率は上昇した。チェックリストの施行は当然なことを繰り返し認識することと、基本動作の繰り返しが医療従事者の安全対策に資することが確認された。
日本医師会 高杉敬久 提供
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今後に向けて(2)
(広島県)今回の「広島県四師会共同フォーラム」では医師・歯科医師・薬剤師・看護師の連携を課題にしたが、今後はリハビリテーション療法士、臨床工学技士、介護福祉士まで連携の対象として拡充していきたい。さらに市民を巻き込んだ会に育てる必要がある。
(香川県)全県的な取り組みを行ったことにより、県医師会員のなかでインシデント・アクシデント報告への関心が高まり、中小医療機関での医療安全についての啓発ができた。診療所からの報告を促すために、これまでの集計結果や事例に対する有用な改善策などを提示したい。
日本医師会 高杉敬久 提供
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• 医療安全の講演会や講習会は中小医療機関を対象に開かれているが、病院の安全管理のための委員会に相当する機能の立ち上げや報告システムの構築を行う課題が残されている。
• 集計されたデータの解析や得られた結果のフィードバックによる問題点の共有などは医師会に与えられた任務となる。
• 医療安全には医師、看護師、技師など全員の参画を目指す必要があり、医師会には医療安全への強力なリーダーシップが要求される。この報告書を参考にして、各医師会で医療安全対策の確立と普及を毎年拡大していただけることを期待したい。
今後に向けて(3)
日本医師会 高杉敬久 提供
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平成24~25年度医療安全対策委員会の方針
会長からの諮問
「成果が見える医療安全をめざして」
第1回 平成24年7月23日 第2回 平成24年9月7日 第3回 平成24年11月29日
・・・
今後2年間かけて検討
上原鳴夫先生から共同行動についてご講演いただきました
日本医師会 高杉敬久 提供
日本医師会 高杉敬久 提供 31
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平成24~25年度医療安全対策委員会メンバー
委員長 北原 光夫
副委員長 松原 謙二(大阪府)
水谷 匡宏(北海道) 西田 芳矢(兵庫県)
小原 紀彰(岩手県) 今川俊一郎(愛媛県)
岡 治道(埼玉県) 阿南 茂啓(大分県)
松本 賢治(東京都) 川原 裕一(鹿児島県)
細川 秀一(愛知県) 後信(日本医療機能評価機構)
日本医師会 高杉敬久 提供
各地の医師会・関係団体等とジョイントして47都道府県でフォーラムを開催していきたい
病院だけでなく、診療所にも役に立つ情報・取り組みが多いので、今後もこのような活動を継続していただきたい
4. 共同行動に期待すること
日本医師会 高杉敬久 提供 33
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ご清聴ありがとうございました
日本医師会 高杉敬久 提供