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- Sendai Polytechnic College - 1
基本的な素子だけで複雑な識別をおこなう電子回路
Electronic Circuit with Complicated Identification Function Only by Basic Elements
宮島 廣美鹿児島大学工学部
電気電子工学科教授
Nov. / 14 / 2008
寺村 正広川内職業能力開発短期大学校
電子技術科講師
2- Sendai Polytechnic College -
研究の背景 1従来の識別
規定範囲の識別
上限値,下限値との比較
比較器
複雑な識別
二項目の測定
一方 (a1, a2) の測定値
他方 (b1, b2) の識別範囲が変化
OKNG NG規定範囲の識別
OK複雑な識別の例
a1 a2
b1
b2OK
3- Sendai Polytechnic College -
研究の背景 2複雑な識別の問題点
回路が複雑
演算素子(マイクロプロセッサ)
AD, DA 変換
プログラムや識別範囲のメモリ
膨大なプログラム
検証作業(単体テスト,システムテスト)
信頼性の確保
演算素子の負荷が増大
新たな機能のための作業
4- Sendai Polytechnic College -
提案する識別方法
生物の情報処理を参考にした識別神経細胞(ニューロン)
神経回路網(ニューラルネットワーク)
ソフトウェアが不要細胞の結合荷重(シナプス荷重)
簡単な回路構成抵抗や演算増幅器
CPU, メモリなど不要
AD, DA 変換も不要
5- Sendai Polytechnic College -
神経細胞モデルの動作
N
W1
W2X2
X1
f (x)θ
神経細胞の工学モデル
f (x) = 1
f (x) = 0
X1
X2
神経細胞の識別動作
x = W1X1 + W2X2 -θ
f (x) = 1 if x > 0
f (x) = 0 otherwise
6- Sendai Polytechnic College -
神経回路網の動作 1神経回路網
ニューラルネットワーク
階層構造
隠れ層,出力層
曲線に折れ線近似
神経回路網の構造
f (x) = 1
f (x) = 0
X1
X2
神経回路網の識別動作
X2
X1
隠れ層 出力層
H1
H2
O1f (x)
f (x) = 0
f (x) = 0
H1
H2
7- Sendai Polytechnic College -
神経回路網の動作 2
X2
X1
H1
H2
H3
O1
f (x) = 1
f (x) = 0X1
X2
神経回路網の識別動作
m1 m2
8- Sendai Polytechnic College -
神経回路網の各層の役割
隠れ層ニューロン
平面上に直線を生成
1 ニューロンで 1 直線
荷重で傾きと切片を調整
出力層ニューロン
隠れ層ニューロンの出力から領域を生成
領域内では ’1’ を出力
領域外では ’0’ を出力
9- Sendai Polytechnic College -
応 用 例
二項目を測定して識別
シリンダとピストンの組み合わせの識別
片方の測定値で,もう片方の許容範囲が変化
測定位置で許容誤差が異なる識別
針や円錐形の良否識別
計測位置に応じて必要な精度が変化
蓄電池に残された電力の容量推定
放電電流と端子電圧
放電電流によって電圧が非線形に変化
10- Sendai Polytechnic College -
二項目を測定して識別する例
一方の測定値
残りの測定値の許容範囲が変化
ネットワークの構造隠れ層ニューロン 4 個出力層ニューロン 1 個
神経回路網の識別例
ff ((xx) = 0) = 0X1
X2
ff ((xx) = 0) = 0
ff ((xx) = 1) = 1
m1 m2識別に用いる神経回路網の構造
11- Sendai Polytechnic College -
識別電子回路
単一神経細胞モデルの回路
荷重,加算,比較の回路
回路網に応じて相互接続
N
W1
W2X2
X1
f (x)θ
+_
X1X2
θ
f (x)
W1
W2
神経細胞モデルの電子回路
12- Sendai Polytechnic College -
識別実験システム
2 項目の識別実験システム
インターフェース
センサ1
センサ2
識別
ニューラル
ネットワーク回
路
識別ニューラル
ネットネットワーク回路
変位センサ
13- Sendai Polytechnic College -
識別実験結果
AB
C
D
E
F
G
H
0
2
4
6
8
3 4 5 6 7 8 9
X (mm)
Y (m
m)
: ’0’: ’1’
6.1
6.2
6.3
6.4
6.5
6.2 6.3 6.4 6.5
G
2.1
2.2
2.3
2.4
2.5
6.2 6.3 6.4 6.5
C
2 項目の識別実験の結果 点CとG付近の識別結果
14- Sendai Polytechnic College -
測定位置で許容誤差が異なる識別例
円錐形や針の良否識別
X1
X2
f (x) = 0
X1
X2
f (x) = 1f (x) = 0
円錐形の測定例円錐形の識別例
15- Sendai Polytechnic College -
蓄電池に残された電力の容量
蓄電池の放電特性
放電電流で端子電圧が変化
定式化は困難
識別が困難
従来の識別方法
充放電を積分電池側と機器側にCPU誤差の蓄積
端子電圧だけで識別精度に問題
蓄電池の放電特性例
PXL12023
16- Sendai Polytechnic College -
容量識別神経回路網 1
非線形な放電特性
直線の組み合わせ
放電特性に近似した折れ線で識別
電圧
電流
80%
残容量 80% の識別ネットワーク残容量 80% の折れ線近似
17- Sendai Polytechnic College -
容量識別神経回路網 2
電圧と電流を入力
各残容量2 ニューロンで近似
1 ニューロンで出力
推 定100 ~ 80%, 111180 ~ 60%, 011160 ~ 40%, 001140 ~ 20%, 000120 ~ 0%, 0000
電圧
電流
80%
60%
40%
20%
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
O1
O2
O3
O4
残容量識別回路のモデル
18- Sendai Polytechnic College -
残容量識別実験
電子負荷装置
一定電流で放電
コンピュータ実験時間 40 時間
測定値の記録
負荷装置の制御
電流をパラメータ
残容量の理論値
放電開始 100%放電終止 0%
電子負荷 電圧
電流インターフェース
ニューラル
ネット
ワーク回
路
残容量の識別実験システム
コンピュータ
19- Sendai Polytechnic College -
残容量識別実験結果
0
20
40
60
80
100
0:00 6:00 12:00 18:00 24:00 30:00 36:00
時間[hour]
残存
容量
[%]
0.5A
0.115A
0.1A 0.05A
PXL12023室温 20℃
実際の容量推定容量
放電電流0.05A ~ 3A
推定誤差最大 –6.72%二乗平均誤差4.42%
異なる電流でも精度良く推定
残容量の識別実験結果
20- Sendai Polytechnic College -
提案手法の特徴
複雑な形状の領域の識別定式化やプログラミングが困難
線形な折れ線で近似して識別
簡単な回路構成共通した回路設計
接続方法を変更するだけで多種の識別
ソフトウェアが不要
複数の識別領域にも対応入力数,神経細胞数,および層数を調整
21- Sendai Polytechnic College -
実用化に向けた課題
集積回路化の問題
荷重に相当する素子
荷重精度と推定精度
荷重の設定
インターフェース回路
センサと識別回路の間
用途に応じたインターフェースが必要
22- Sendai Polytechnic College -
想定される用途従来の機器の機能向上
電池の残容量表示
検査設備の機能向上検査時間の短縮
1 回の識別は 500ns 程度
理論的には毎秒 2,000,000 回の識別
検査設備のコストダウン
様々な識別重さの組み合わせ
サイズの組み合わせ
測定位置で精度を変化
23- Sendai Polytechnic College -
企業様への期待
集積回路化について共同研究
本技術の応用
機器のメーカ
従来製品の機能向上
検査機器の性能向上
検査設備のユーザ
検査方法の改善
検査工程の省力化
24- Sendai Polytechnic College -
問い合わせ先など
知的財産権の問い合わせ鹿児島大学産学官連携推進機構産学官連携部門
准教授 中武 貞文
TEL: 099 – 285 – 8492 FAX: 099 – 285 – 8495mail:
技術に関する問い合わせ川内職業能力開発短期大学校
電子技術科 寺村 正広
TEL: 0996 – 22 – 2121FAX: 0996 – 22 – 6612mail:teramura@sendai–pc.ac.jp
知的財産権発明の名称: 識別装置及び残存容量推定装置
出 願 番 号: 特願 2008 – 084851出 願 人: 鹿児島大学
発 明 者: 宮島廣美,寺村正広