6
転圧機械の種類と締固めの関係について 土木研究所 寒地土木研究所 正会員 ○山田 同上 国際会員 西本 同上 国際会員 佐藤 厚子 1.はじめに 締固めは,施工後の盛土の品質に大きな影響を及ぼす.特に,近年の豪雨,地震等による盛土崩壊におい て,締固め不良が盛土の被災要因の一つとして指摘されている. 盛土の締固めは,一般に,転圧機械を用いて施工される.転圧機械には,数多くの機種,規格があり,施 工に際しては,現場条件,盛土材料に適した機種,規格を選択することが,良好な締固め施工を行うために は重要である 1)2) .しかし,どの転圧機械が,どの材料に適しているかについて,詳細に示されたものは,筆 者の知る限りでは見受けられないようである.そのため,転圧機械の選択は,現場の技術者が経験等により 行っているのが実情である.したがって,現状の締固め施工は,必ずしも材料に適した転圧機械で施工され ているとは限らない. そこで,本研究では,6 機種の転圧機械を用いて,様々な材料に対して締固めを行い,転圧回数と締固め 度の関係を測定した.その結果より,材料に適した転圧機械の選択方法の検討を行った. 2.実験方法 試験施工により,各転圧機械で締固めを行い,転圧回数と締固め度の変化を測定した.材料,および転圧 機械は,試験施工現場の近傍の,実際の盛土施工で使用されるものを用いた.試験施工に用いた転圧機械は, 振動ローラ,コンバインドローラ,ハンドガイドローラ,タイヤローラ,ランマ,ブルドーザの 6 機種であ る.北海道内の全 72 件で実施した.表-1 には,試験施工を行った箇所の土質分類を示す. 3,転圧機械の特徴 3)4)5)6) 表-2 に,転圧機械の締固め能力に関連する緒元について, 一般値で示す.なお,表-2 中の「起振力(kN)」とは,強 制振動を伴って転圧することができる機械において,振動を 発生させるために機械が起こす遠心力の最大値のことをいう. 「線圧力(N/m)」とは,転圧部位が鋼製ローラの場合,鋼 製ローラにかかる荷重をローラ幅で除した数値で接地圧 力を示した.それ以外の接地圧力は「面圧力(kN/m 2 )」と した. 振動ローラは,大型の転圧専用機械である.今回の試験施工で用いた規格の重量は 1012t であり,強制 振動を伴って転圧することができる機械である.また,強制振動の起振力は 160280kN となっており,強 制振動する転圧機械としては,比較的大きな値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で最 大となっている. コンバインドローラは,中型の転圧専用機械である.一般に,前輪に鋼製ローラ,後輪に空気タイヤを装 着している.今回の試験施工で用いた規格の重量は 34t であり,強制振動を伴って転圧することができる 機械である.強制振動の起振力は,2025kN となっており,強制振動する転圧機械としては,比較的小さな 表-1 試験施工箇所の土質分類 件数 43 {G6 砂礫 GS28 細粒分まじり礫 GF9 29 S11 礫質砂 SG6 細粒分まじり砂 SF12 72 礫質土〔G砂質土〔SRelationship between type of compaction equipment and compaction results Mitsuru YAMADA, Satoshi NISHIMOTO and Atsuko SATO Civil Engineering Research Institute for Cold Region 北海道支部 技術報告集 地盤工学会 5 平成24 2 於札幌 1

地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

転圧機械の種類と締固めの関係について

土木研究所 寒地土木研究所 正会員 ○山田 充

同上 国際会員 西本 聡

同上 国際会員 佐藤 厚子

1.はじめに

締固めは,施工後の盛土の品質に大きな影響を及ぼす.特に,近年の豪雨,地震等による盛土崩壊におい

て,締固め不良が盛土の被災要因の一つとして指摘されている.

盛土の締固めは,一般に,転圧機械を用いて施工される.転圧機械には,数多くの機種,規格があり,施

工に際しては,現場条件,盛土材料に適した機種,規格を選択することが,良好な締固め施工を行うために

は重要である 1)2).しかし,どの転圧機械が,どの材料に適しているかについて,詳細に示されたものは,筆

者の知る限りでは見受けられないようである.そのため,転圧機械の選択は,現場の技術者が経験等により

行っているのが実情である.したがって,現状の締固め施工は,必ずしも材料に適した転圧機械で施工され

ているとは限らない.

そこで,本研究では,6 機種の転圧機械を用いて,様々な材料に対して締固めを行い,転圧回数と締固め

度の関係を測定した.その結果より,材料に適した転圧機械の選択方法の検討を行った.

2.実験方法

試験施工により,各転圧機械で締固めを行い,転圧回数と締固め度の変化を測定した.材料,および転圧

機械は,試験施工現場の近傍の,実際の盛土施工で使用されるものを用いた.試験施工に用いた転圧機械は,

振動ローラ,コンバインドローラ,ハンドガイドローラ,タイヤローラ,ランマ,ブルドーザの 6 機種であ

る.北海道内の全 72 件で実施した.表-1 には,試験施工を行った箇所の土質分類を示す.

3,転圧機械の特徴 3)4)5)6)

表-2 に,転圧機械の締固め能力に関連する緒元について,

一般値で示す.なお,表-2 中の,「起振力(kN)」とは,強

制振動を伴って転圧することができる機械において,振動を

発生させるために機械が起こす遠心力の最大値のことをいう.

「線圧力(N/m)」とは,転圧部位が鋼製ローラの場合,鋼

製ローラにかかる荷重をローラ幅で除した数値で接地圧

力を示した.それ以外の接地圧力は「面圧力(kN/m2)」と

した.

振動ローラは,大型の転圧専用機械である.今回の試験施工で用いた規格の重量は 10~12t であり,強制

振動を伴って転圧することができる機械である.また,強制振動の起振力は 160~280kN となっており,強

制振動する転圧機械としては,比較的大きな値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で最

大となっている.

コンバインドローラは,中型の転圧専用機械である.一般に,前輪に鋼製ローラ,後輪に空気タイヤを装

着している.今回の試験施工で用いた規格の重量は 3~4t であり,強制振動を伴って転圧することができる

機械である.強制振動の起振力は,20~25kN となっており,強制振動する転圧機械としては,比較的小さな

表-1 試験施工箇所の土質分類

件数43

礫        {G} 6砂礫      {GS} 28細粒分まじり礫 {GF} 9

29砂       {S} 11礫質砂     {SG} 6細粒分まじり砂 {SF} 12

72

礫質土〔G〕

砂質土〔S〕

合 計

Relationship between type of compaction equipment and compaction results

Mitsuru YAMADA, Satoshi NISHIMOTO and Atsuko SATO

Civil Engineering Research Institute for Cold Region

北海道支部

技術報告集

地盤工学会

5

平成24

2 号

市 於 札 幌1月年

yokohm
テキストボックス
-103-
Page 2: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で 2 番目の値となっている.

ハンドガイドローラは,小型の転圧専用機械である.今回の試験施工で用いた規格の重量は 0.5~0.6t であ

り,強制振動を伴って転圧することができる機械である.強制振動の起振力は 9~12kN となっており,強制

振動する転圧機械としては,小さな値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で最小となっ

ている.

タイヤローラは中~大型の転圧専用機械であり,今回の試験施工で用いた規格の重量は 3~15t である.強

制振動機能は無いが,タイヤ空気圧とバラストを調整することにより,接地圧力を調整して転圧することが

できる.接地圧力は,面圧力で示される機械の中で最大となっている.

ランマは,小型の転圧専用機械である.今回の試験施工で用いた規格の重量は 0.05~0.07t であり,試験施

工で用いた 6 機種の中で最も軽い.強制振動機能は無いが,内蔵されたスプリングにより,転圧板を打ち出

し,打撃によりたたいて締固めを行う.接地圧力は,面圧力で示される機械の中で 2 番目の値となっている.

ブルドーザは,敷き均し等に用いられるクローラ式の建設機械であり,現場条件によっては転圧にも用い

られる.今回の試験施工で用いた規格の重量は 7~13t となっている.強制振動機能は無い.接地圧力は,面

圧力で示される機械の中で最小となっている.

4.実験結果と考察

図-1 に,転圧機械ごとに,締固め度と転圧回数の関係を示す.図-1 より,コンバインドローラにおける 1

件を除き,転圧回数の増加に伴い,締固め度も増加する傾向が見受けられた.

図-2 には,転圧機械ごとに,締固め度 85%,および 90%を満たす平均転圧回数について,礫質土,砂質土

に分けたものを,実験結果より求め,示す.ただし,締固め度が 90%に達していないデータについては,締

固め度と転圧回数の関係を示すグラフにおいて,グラフを直線延伸し,締固め度 90%を満たす転圧回数を求

めた.

図-2 より,コンバインドローラ,ハンドガイドローラ,タイヤローラ,ブルドーザでは,礫質土と砂質土

の平均転圧回数に,大きな差は見受けられなかった.これら 4 機種は,礫質土と砂質土のどちらにも,同程

度の締固め効果を発揮するものと考えられる.

ランマは,礫質土と砂質土の平均転圧回数に差が見受けられ,締固め度 85%で砂質土,締固め度 90%で礫

質土に効果があるように見受けられる.しかし,試料数が十分でないため確定することはできず,今後,試

料数を増やし詳細に再検討する必要がある.

振動ローラは,締固め度 90%を満たす平均転圧回数で,礫質土において平均転圧回数が小さくなる傾向が

見受けられた.振動ローラは,強制振動を伴って転圧することができる機械である.強制振動には,土の粒

子を揺すぶって粒子の移動を容易にし,高い締固めを得る効果がある.この強制振動による締固め効果が,

表-2 転圧機械の締固め能力に関連する緒元表(一般値)

面圧力

(kN/m2)線圧力

(N/m)※2

振動ローラ 11t 級 10~12 有り 160~280 鋼製ローラ - 2.4~3.0コンバインドローラ 3t 級 3~4 有り 20~25 鋼製ローラ ※3 - 1.4~1.6ハンドガイドローラ 600kg 級 0.5~0.6 有り 9~12 鋼製ローラ - 0.3~0.7タイヤローラ 3t 級~13t 級 3~15 無し - 空気タイヤ 200~500 -ランマ 60kg 級 0.05~0.07 無し - 転圧板 80~160 ※4 -ブルドーザ 8t 級~12t 級 7~13 無し - クローラ 20~60 -※1 起振力:振動を発生させるために機械が起こす遠心力の最大値.※2 線圧力:鋼製ローラの接地圧力について,ローラに掛かる荷重をローラ幅で除した数値で示した.※3 コンバインドローラは,鋼製ローラと空気タイヤを装着しているが,転圧能力に関して支配的な鋼製ローラを記載  した.※4 ランマの接地圧力は,打撃の力を転圧板の面積で除して算出した.

転圧部位

接地圧力

機 種 規 格重量(t)

強制振動の有無

起振力(kN)※1

yokohm
テキストボックス
-104-
Page 3: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

(a)振動ローラ (b)コンバインドローラ

(d)タイヤローラ

(f)ブルドーザ

(c)ハンドガイドローラ

図-1 締固め度と転圧回数

転圧回数(回)

締固

め度

(%)

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

音別

更別1

更別2

更別3

更別6

更別8

更別10

チエトイ1

音更然別

常呂川2

留萌

芦別2

豊富3

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

更喜苫内

剣淵川3

常呂川1

根室

稚内1

釧路1

稚内2

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

比布2

比布5

比布8

浦臼2

夕張太2

苫小牧川3

更別4

更別5

更別11

川西2

剣淵川1

鵡川2

鵡川4

第二幹川

赤平2

赤平4

釧路3

豊富5

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

比布1

比布4

比布7

苫小牧川1

十勝太2

芦別1

芦別3

芦別4

芦別5

豊富1

豊富2

浦幌

釧路2

豊富4

稚内3

(e)ランマ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

比布3

比布6

比布9

夕張太3

常呂川3

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

浦臼1

夕張太1

苫小牧川2

更別7

更別9

チエトイ2

川西1

十勝太1

桜庭

剣淵川2

鵡川1

鵡川3

赤平1

赤平3

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2

3.7

1.5

5.5

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2.4

4.6

2.4

4.4

0

1

2

3

4

5

6

7

8

2.3

4

2.9

4.4

0

1

2

3

4

5

6

7

8

3.4

5.1

3.5

5.3

0

1

2

3

4

5

6

7

8

4.7

7

3.8

6.8

0

1

2

3

4

5

6

7

8

(a)振動ローラ

(d)タイヤローラ (c)ハンドガイドローラ

図-2 締固め度 85%,90%を満たす平均転圧回数(礫質土,砂質土分け)

転圧

回数

(回

礫質土(N=10) 砂質土(N= 3)

2.2

(e)ランマ

(b)コンバインドローラ

(f)ブルドーザ

2.3 2.8

4.7

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

締固め度 85%を満

たす平均転圧回数

締固め度 90%を満

たす平均転圧回数

礫質土(N= 3) 砂質土(N= 2)

礫質土(N=10) 砂質土(N= 5)

礫質土(N= 7) 砂質土(N= 7)

礫質土(N=10) 砂質土(N= 8)

礫質土(N= 3) 砂質土(N= 4)

yokohm
テキストボックス
-105-
Page 4: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

特に礫質土で有効に作用したと考えられる.今後,礫質土に対する強制振動の有効性について,より詳細に

検討する必要があると考えられる.

図-3 に,同一材料に異なる機械で転圧を行った箇所について,転圧回数と締固め度の関係を示す.図-4

には,締固め度 85%,および 90%を満たす転圧回数を図-3 より求め,示す.表-3 には,各箇所の材料特性,

転圧条件を示す.

図-4 より,比布,常呂川では,ランマの転圧回数が,タイヤローラ,ハンドガイドローラ,振動ローラ,

ブルドーザに比べ,最も少なかった.ランマは,打撃によりたたいて締固めを行うことにより,軽量な割に

大きな接地圧力で転圧することができる.また,打撃により振動が発生し,土の粒子を揺すぶって粒子の移

動を容易にし,締固めを高める効果が発現していると考えられる.さらに,ランマは,他の機械が 1 回の通

過で,1 回(前輪又は後輪のみ),もしくは 2 回(前後輪)の転圧しかできないのに対し,高速の繰り返し打

撃により,1 回の機械の通過で約 20 回程度の転圧を行うことができる.以上の理由より,ランマは他の機械

より転圧回数が少なかったと考えられる.

常呂川,チエトイ,更別では,振動ローラの転圧回数は,ブルドーザ,コンバインドローラ,ハンドガイ

ドローラに比べ,少ない傾向が見受けられた.振動ローラは,他の機械に比べ,強制振動が強く,接地圧力

も高いため,少ない転圧回数で必要な締固め度を満たすことができたと考えられる.

赤平では,コンバインドローラの転圧回数は,ハンドガイドローラにくらべ,少ない傾向が見受けられた.

コンバインドローラはハンドガイドローラに比べ,強制振動が強く,接地圧力も高いため,少ない転圧回数

で必要な締固め度を満たすことができたと考えられる.

十勝太では,コンバインドローラとタイヤローラは,ほぼ同じ転圧回数となった.二つの機械の転圧は,

同程度の締固め効果を得られると考えられる.

(a)比布 (b)常呂川

(d)更別

(e)赤平

(c)チエトイ

図-3 締固め度と転圧回数(同一材料に異なる機械で転圧した箇所)

転圧回数(回)

締固

め度

(%)

(f)十勝太

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

タイヤローラ

ハンドガイドローラ

ランマ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

ブルドーザ

振動ローラ

ランマ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

振動ローラ

コンバインドローラ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

振動ローラ

ハンドガイドローラ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

コンバインドローラ

ハンドガイドローラ

80

85

90

95

100

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

コンバインドローラ

タイヤローラ

yokohm
テキストボックス
-106-
Page 5: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

5.まとめ

本報告では,6 機種の転圧機械で様々な材料を締め固め,転圧回数と締固め度の関係を測定した.その結

果,以下の事がわかった.

①コンバインドローラ,ハンドガイドローラ,タイヤローラ,ブルドーザは,礫質土と砂質土のどちらの材

料に対しても,同程度の締固め効果を発揮することができる.

0123456789

ランマ タイヤローラ ハンドガイドローラ

01

23

45

67

89

振動ローラ ハンドガイドローラ

0123456789

ランマ 振動ローラ ブルドーザ

01

23

45

67

89

振動ローラ ハンドガイドローラ

01

234

567

89

コンバインドローラ タイヤローラ0

12

3

45

6

78

9

コンバインドローラ ハンドガイドローラ

図-4 締固め度 85%,90%を満たす転圧回数(同一材料に異なる機械で転圧した箇所)

転圧

回数

(回

(a)比布 (b)常呂川

(d)更別

(e)赤平

(c)チエトイ

(f)十勝太

表-3 材料特性と転圧条件(同一材料に異なる機械で転圧した箇所)

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

自然含水比

Wn(%)土質分類名

最大乾燥密度(ρdmax)

最適含水比

Wopt(%)

コーン指数

qc(kN/m2)転圧機械 規格

転圧回数

ランマ 60kg級 2,4,6回タイヤローラ 3t級 2,4,6回

ハンドガイドローラ 600kg級 4,6,8回ランマ 60kg級 1,2,3回

振動ローラ 11t級 2,4,6回ブルドーザ 8t級 2,4,6回振動ローラ 11t級

コンバインドローラ 3t級振動ローラ 11t級 2,3,4回

ハンドガイドローラ 600kg級 3,4,5回コンバインドローラ 3t級ハンドガイドローラ 600kg級コンバインドローラ 3t級

タイヤローラ 11t級十勝太

比布

箇所名

常呂川

更別

転圧条件材料特性

19666.2細粒分まじり砂質礫

GS-F1.994 7.8

2,3,4回

27.2細粒分質礫質砂

SFG1.527 21.8 1466

チエトイ 6.12砂質礫

GS1.962 5.5 -

2,4,6回

7.90砂質礫

GS2.089 7.5 -

赤平 14.6粘性土質砂質礫

GCsS1.918 13.1 -

- 2,3,4回11.6シルト質砂質礫

GMS1.97 10.1

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

締固め度 85%を満たす転圧回数 〃 90% 〃

yokohm
テキストボックス
-107-
Page 6: 地盤工学会 北海道支部 転圧機械の種類と締固めの …(kN/m 値となっている.接地圧力は,線圧力で示される機械の中で2 番目の値となっている.

②礫質土を締め固めるには,振動ローラが適している.

③強制振動が強く,接地圧力が高い転圧機械ほど,少ない転圧回数で必要な締固め度を満たす.

6.おわりに

本報告では,材料分類が礫質土と砂質土の 2 種類にとどまっており,今後,さらに試料数を増やし,より

詳細な材料分類で検討を行う予定である.また,同一材料に対する異なる機械での転圧では,同一材料に 6

種類全ての機械で転圧を行うことができておらず,今後,6 種類全ての機械で試験施工を行い,より詳細な

転圧機械の比較検討を行い,材料に適した転圧機械の選定方法の提案を目指したい.

【参考文献】

1)日本道路協会:道路土工盛土工指針(平成 22 年度版),2010.4

2)日本建設機械化協会:建設機械施工ハンドブック(改訂 3 版),2007.2

3)酒井重工業(株)HP:http://www.sakainet.co.jp/index.htm

4)コマツ建機販売(株)HP:http://www.komatsu-kenki.co.jp/

5)キャタピラージャパン(株)HP:http://japan.cat.com/

6)三笠産業(株)HP:http://www.mikasas.com/

yokohm
テキストボックス
-108-