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あなたが将来にわたって大事にしたいことはなんでしょうか。成し遂げたいことはなんでし ょうか。心が揺さぶられることはなんでしょうか。働く場を選ぶこと、他の誰でもないあなた自身の選択です。だからこそ、あなたの原点を見 つめ直してほしい。ここでは、厚生労働省の職員をつなぐ5つのエンジンと、それぞれの政策に携わる職員が 抱く想いを掲載します。私たちの仕事は、大きく変動する時代の中で、現状から課題を抽出し、最善策を打ち出 すこと。常に冷静で論理的な思考が求められます。一方でその奥に、譲れない想いがある。あなたの原点と、共鳴するものはあるでしょうか。
想 いを、ともに 。〜 厚 生 労 働 省 の 原 動 力 〜
命を見つめる児童虐待
長時間労働生活保護
Object ive 1
100年先をデザインする
介護保険労働政策
年金
Object ive 2
当たり前の日常を支える
感染症対策医療保険雇用保険
Object ive 3
「声なき声」を聴く障害者福祉
難病能力開発
Object ive 4
世界を牽引する社会保障制度海外人材育成
ICT政策
Object ive 5
第 1章
3 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018
想 いを、ともに。〜厚 生 労 働 省 の 原 動 力〜 命を見 つ める第 1章
想いを、ともに。〜厚生労働省の原動力〜
第1章
保護者からの暴力や育児放棄などにより、罪なき子どもが命を落とす痛ましい事件が後を絶ちません。孤立、貧困、予期しない妊娠・・・その原因・背景は複雑に絡み合っており、単純に整理することは困難であるからこそ、悲劇を防ぐにはどうしたらよかったのか、一人ひとりの声なき声から学ぶことが求められます。 今の私は、困難な状況にいる子ども達に直接手を差し伸べることができるという訳ではありません。しかしながら、地域全
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 極めて崇高な理念です。しかし、決して当たり前ではありません。この世界でこれを享受し、そしてこれまで享受できた人類がどれほどいるでしょうか。世界の多くにとってこれは未だ「理想」に過ぎず、脆く、儚い理念であるかもしれません。 しかし、厚生労働省はこの崇高な理念を「現実」とするため、この70年間取り組み続けてきました。理念の根幹は維持しながら、ときに変革し、精緻にコントロールしていく。こうし
体で子ども達を見守るネットワークの構築、必要な支援につなげるための全家庭に対する訪問支援の実施など、子ども達の周りにいる人々が、子ども達とその家族に手を差し伸べる仕組みをつくることにより、一人でも多くの子ども達を救い、悲しみの連鎖を断っていくことはできる、そんな想いで日々仕事に向かい合っています。 全ての子ども達の笑顔、温かな未来のために。そんな使命感とやりがいのある仕事に一緒に取り組んでみませんか。
て先人たちはこの「現実」を、並々ならぬ努力で守り抜いてきたのです。 私の使命は、このバトンを引き継ぎ、今も、そして100年後もこの理念を「現実」とし続けることだと思っています。 厚生労働省の仕事は、理念を掲げるだけでは務まりません。制度の先に命があり、未来の命へとつながっています。この「現実」を守り、そして新たに形づくらなくてはならない。こうした使命感と責務を日常の中で片時も忘れたことはありません。
全ての子ども達の笑 顔 、温かな未 来のために
今の命を、1 0 0 年 後の命を想う
近藤 有希子
子ども家庭局 家庭福祉課 虐待防止対策推進室 室長補佐
児童虐待防止対策に従事。全ての子どもが
健やかに育成されるよう、児童相談所や市
町村の体制強化、里親委託の推進など、児
童虐待の発生予防、早期発見・早期対応から
自立支援まで切れ目ない支援に取り組んで
いる。
Yukiko Kondo
原田 自由
社会・援護局 保護課 係長
生活保護法の改正に従事。生活保護受給
者 の 生 活を支え、その自立を支 援 するた
め、医療や就労、住まいといった多角的な
政 策 的アプローチでその改 革に挑 戦して
いる。
Yor iyuki Harada
高橋 亮
労働基準局 労働条件政策課 課長補佐
長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方
を実現するための働き方改革関連法案の
作成を担当。法律の条文作成や関係者へ
の説明などに奔走している。
Ryo Takahashi
今、この瞬間にも新たな命が生まれ、そして多くの命が失われていく。手を差し伸べれば、救えた命はいくつもあったかもしれない。かけがえのない命の火を消さないために。挑戦は続く。
日本人は勤勉だとしばしば言われます。ディテールまでこだわった世界最高水準のものづくりなどはその現れだと思います。この高い職業倫理は大事にしなければならない価値観だと思いますし、これまでの日本の経済成長は勤勉で長時間労働を厭わない方々に支えられてきました。 一方で、過労死の問題、育児と仕事との両立の問題など勤勉さのひずみのようなものが顕著になってきているのもまた事実です。
「働く」ということは、様々な側面を持っています。「稼ぐ手段」「自己実現」「経済成長」・・・人や時代によって大きく異なりますが、一人ひとりにとっても国にとっても大きな意味を持ちます。ただ、過労死のような悲劇は決して起こしてはなりません。 「働く」ということを国としてどうデザインするか、高い感性とバランス感覚が求められる仕事です。ぜひ皆さんとこのミッションに取り組んでいきたいと思います。
「 働く」ということを考える
5 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018 6
7 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018 8
「年を重ねて介護が必要になっても、住み慣れた地域で、自分らしい生活を送りたい」。この素朴な願いを叶える仕組みを整え、将来にわたり維持していくことが今の仕事です。 今後、介護を必要とする高齢者は増えていく一方、人口そのものは減っていきます。しかし、ロボットやAIなど明るい材料もあります。変化し続ける社会の中で、何を守り、何を変えるべきなのかを良く見極め、必要な制度見直しを続けていかなければなりません。 私たちは評論家ではなく、政策担当者です。そして相手は
生身の人間です。それだけに、理屈だけでなく気持ちも大切にする、全体最適を気にしながらも高齢者一人ひとりの暮らしに心を配る、データを見るだけでなく数多くの当事者の意見を聞く。その上で、地に足のついた解決策を立案する。それが厚生労働省の仕事だと思います。 褒められることは少ないけれど、やりがいはものすごく大きい。そのような仕事に従事させてもらっていることに日々感謝しています。
一 人ひとりの気 持ちと暮らしに心を配る
公的年金制度は、老齢、障害など人生の様々な場面で訪れる「リスク」に備える社会保険制度です。将来の年金給付水準の見通しを示す財政検証や、その後の政策立案に当たっては、少子高齢化の影響、老若男女の働き方・家族構成の変化、日本経済の見通しなど、様々な要素を勘案しなければなりません。人々の生き方(働き方、家庭の築き方、死に方など)が100年前からどれほど変化したかを考えれば、100年後には「生きていく上でのリスク」自体が変化している可能性もあります。 年金自体は、現金給付により人の生活を支えるものですが、
その制度の在り方を考えるときには、年金受給者と被保険者の、お金だけでは測れない多様な生き方に思いを致します。人が人生に失望しないために必要なものは、お金、愛、生きがい、あとは何でしょう。 長い、一度しかない人生で、自分のことだけ考えて生きていくことに疑問を感じたことはないですか。人の苦しみを想像し、同時に、冷静な視点で、日本社会の現在と将来の課題に対峙する。責任は重いけれども、この職場でしか得られないものがあると思います。
日本の未 来を見 据えつつ、人の人 生をおもう
尾崎 守正
老健局 企画官
介護保険制度の改正や、介護報酬改定に
従事。高齢者が尊厳を持って、その有する
能力に応じ自立した生活を営むことができ
るよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援
が包括的に確保される環境の整備を進め
ている。
Morimasa Ozaki
千田 崇史
政策統括官付 労働政策担当参事官室 係長
省の労働政策をとりまとめる立場として、働
き方 改 革の実 行、人 生100年 時 代を見 据
えた労働政策の在り方の検討(社会人の学
び直し等)に取り組んでいる。
Takashi Chida
想いを、ともに。〜厚生労働省の原動力〜
第1章100年先の世界を考える。子どもの世代、孫の世代まで国家を存続させ、いつまでも安心して
暮らせるように。社会的基盤をデザインしよう。まだ見ぬ、その手にバトンをつなぐために。第 1章 想 いを、ともに。〜厚 生 労 働 省 の 原 動 力〜 10 0年 先をデ ザ インする
松本 夏実
年金局 年金課 主査
国 民年金制度などの改正に従事。保険料
拠出に応じた給付を保障しつつ、所得再分
配機能をも果たす公的年金制度について、
人々の働き方や社会の変化に応じた改革
の検討を行っている。
Natsumi Matsumoto 戦後70年間、私たちの祖父母、親の世代は、高度経済成長のなかで、この国の社会保障制度・雇用環境を発展・確立させてきました。現在の私たちの安定した暮らしは、こうした基盤のもとに成り立っています。 誰もが安心して育ち、働き、暮らし、老いていくことができる-50年、100年先も日本がそんな国であり続けるかどうか-それはこれからの私たちにかかっています。 今後ますます人口減少・少子高齢化が進む中、2025年以降は、若い世代の減少がより顕著になると言われています。
107歳-2007年に生まれた子どもの半分が到達することが期待される年齢です。70代、80代になっても働き続け、100年近く生きることが普通の時代になれば、学び、働き、引退するというライフサイクルに対する社会や個人の考え方は変容していくでしょう。 こうした変化を見据えながら、この国の将来や国民一人ひとりの生活の安心・人生の充実のために、これからの社会保障・労働政策をデザインする。難解ですが、やりがいのあるミッションです。
1 0 0 年 先の社 会 保 障・労 働 政 策をデザインする
9 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018 10
東日本 大 震 災の際、サプライチェーンの寸 断が問 題になったことが記憶にある方もいるでしょう。様々な業種が複雑に関係しあっている現代社会では、その一部が寸断されると社会機能が停滞し、水、食べ物、電気といった「当たり前の日常」を失います。世界的に人や物の移動が活発な現代では、感染症が世界中に広がることで、感染症による被害に加え、天災よりも深刻な社会機能の停滞を及ぼす可能性があります。 まるでパニック映画のようですが、厚生労働省では、この
「厚労省の仕事のやりがいや魅力ってなんですか?」そんなことを問われた時、いつも悩みます。もし、この質問をしてきた人が、まだ「家族を支える立場」になったことがなかったら、この「感覚」は、うまく伝わるだろうか・・・。 例えば、自分は今、雇用保険制度を担当しています。現場には、毎日のように、職を失い、次の職を求めて雇用保険を受給する人が訪れています。家族を支えている人も多い。自分が同じ立場だったら…、家族を支える立場にありながら、
ような場合に備え、政府全体、自治体、民間企業と連携し、限られた人員で業務を遂行する計画の作成や訓練、薬・ワクチンの備蓄などを行っています。国家の危機管理を担うことは非常に責任が重いですが、その分やりがいも大きいです。 ただ、感染症対策は、国家規模のものばかりではなく、実は国民一人一人が小まめに手洗いや咳エチケット等をすることが効果的です。「当たり前の日常」を守るためには日頃の心がけが重要であることも忘れてはいけません。
今、職を失ったら…。そんなことを考えるだけで、胸が締め付けられるような感覚になります。「最高に合理的な制度を作り、最高に効率的に運用しなくては」そんな思いに強く駆られます。 この、「胸が締め付けられるほどの使命感」が、厚労省の仕事には溢れている。これこそが、やりがいであり魅力。 そう思っているのですが、この「感覚」、少しは伝わるでしょうか…。
危 機 管 理は一 人ひとりの日頃の心がけから
胸が締め付けられるほどの使 命 感
この国の人々の日々の暮らしのために尽くす。厚生労働省の使命はとてもシンプルで、極めて普遍的なものだと思っています。 必要な医療サービスを誰もが受けられるよう、国民みなで負担を分かち合う「国民皆保険」の仕組みを維持することもその一つ。病を得る苦しみに、社会全体で向き合うというコンセンサスは、世界にも類を見ぬこの国の社会的財産です。先人達がかたちづくり、50年以上の長きにわたって受け継いできたこの仕組みを、いかに守り、伝えていくか。
社会に不可欠な仕組みであることに異論はないとしても、著しい少子高齢化の下、ただ座していては制度の維持は叶いません。 我々がなすべきは、今と将来の課題を直視し、負担と財源の問題に正面から向き合うこと。地方行政の現場と緊密に連携し、緻密に制度を練り上げること。過去から現在に至る人々の思いを礎に、現在と未来をつなぐ難解な連立方程式の解を探すこと。 そこに困難は多く悩みも尽きませんが、進むべき方向への確信は、揺るぎません。
佐藤 純
田中 広秋
健康局 結核感染症課 課長補佐
職業安定局 雇用保険課 課長補佐
エボラ 出 血 熱 か ら インフルエンザ ま で、
様々な感染症に対し、予防策、治療法の開
発、国際協力等を行っている。
雇用保険は、離職して、次の職を探してい
る方々の生活を支える制度。だが、実はそ
れだけでなく、労働移動やリカレント教育等
の雇用政策全般を支えている。この制度の
担当として、日々、様々な課題に取り組んで
いる。
「 医 療 保 険のある社 会 」を、未 来に伝えるJun Sato
Hiroaki Tanaka
荻田 洋介
保険局 国民健康保険課 課長補佐
「国民皆保険」を支える国民健康保険制度
を将 来にわたり持 続 可 能なものとするた
め、財源確保(消費税等)と制度の運営体
制の見直し(財政の都道府県単位化)を両
輪とする改革に取り組んでいる。
Yosuke Ogita
当たり前を当たり前にすることは、そう容易いことではない。当たり前を守るために汗をかいても、ありがたがられることはほとんどない。それでも、意義のある仕事。ほかの誰でもない、我々が向き合おう。
第 1章 想 いを、ともに。〜厚 生 労 働 省 の 原 動 力〜 当たり前の日常 を支える想いを、ともに。〜厚生労働省の原動力〜
第1章
「パラリンピックをなくしたい」 著書『五体不満足』などで知られる乙武洋匡さんの主張です。まず、オリンピックとパラリンピックを統合する。そして、柔道やレスリングが体重による「階級別」になっているように、例えば100m走なら、一般の部に加え、車いすの部や義足の部、視覚障害の部といった「種目別」とする。つまり、障害のある選手もない選手も、アンフェアにならない範囲で同じ競技のそれぞれの種目に参加するという考えです。 このような考えを日々の生活に重ね合わせたとき、こうした
「この国に大切な人がいる」。これが私の原動力。大切な人、かけがいのない暮らしを守りたい。入省以来、この想いにまっすぐに働いてきました。 誰もがいつも順風満帆とは限りません。病気や障害、子育て、介護等、誰かの支えが必要なときは誰にでもあります。様々な課題を抱え、生活に困窮する人もいます。仕事や学校でつまずき、心や体の具合を悪くしてしまう人もいます。逆境で育ち、夢を持てない子どももいます。生活に追われ、自信を持てず、誰にもSOSを出せず、途方に暮れる人の姿が日本に
厚生労働省で扱う分野には、数の論理では片付けられないものがあります。難病はその最たるものです。難病は、患者数が極めて少なく、原因が不明で、治療法が確立していないために、長期の療養を必要とする疾病。遺伝子レベルの変異が一因であるものが少なくなく、人類の多様性の中で、一定の割合で発症することは避けられません。国民の誰もが難病を発症する可能性がある。だからこそ、難病を抱えた患者や家族の方々を社会全体で支えていくことが、我が国の社
「種目」の数は無数にのぼるといえます。障害の種類や重さは千差万別であり、社会の側にも様々な障壁があるからです。 しかし、福祉サービスなどの支援、技術革新、周囲の理解や配慮といった環境さえ整えば、わざわざ「種目」を分けずに済むケースも多いはず。 私はこうした「種目」の垣根を一つひとつ取り除いていきたいと考えています。その先に思い描くのは、障害があってもなくても当たり前に暮らせる社会です。
はあります。貧困は「自己責任」でしょうか?現実を見れば、そうはいえないと思います。 厚生労働行政には、人々が生きる上で直面する困難に思いを致し、必要な支援を「届ける」血の通った仕組みづくりが求められます。生活困窮者自立支援制度の創設等、厚生労働省は、新たな時代の支え合いを支える仕組みづくりに挑戦してきました。この仕事は、人材を基盤とする日本の未来を拓く鍵になると信じています。
会においてふさわしいことです。 生活者として、医療や福祉の受け手として、働く者として、患者を支える親や家族として―。様々な角度から思いを巡らせ、難病を抱えながらも、この国で、安心して、生きがいや希望をもって暮らせる社会をつくること。それが厚生労働省のミッションであり、私がいま持てる力のすべてを注ぐ仕事です。
米田 隆史
社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 課長補佐
障害のある方の福祉や保健医療をより良く
するための業務に従事。障害のある方やそ
の家族が「ふつう」に日常生活を送ったり、
社会参加を果たすことができる社会の仕組
みづくり・雰囲気づくりに取り組んでいる。
パラリンピックを「なくした」後に
この国に大 切な人がいる
難 病を抱えた患 者や家 族を社 会 全 体で支える
Takafumi Yoneda
第 1章
想いを、ともに。〜厚生労働省の原動力〜
第1章想 いを、ともに。〜厚 生 労 働 省 の 原 動 力〜 「 声なき声 」を聴 く
大比良 祐子
健康局 難病対策課 課長補佐
難病の克服を目指し、病態解明・治療法開
発のための研究を推進するとともに、難病
に関する正しい知識の普及、身近で適切な
医療が受けられる体制の整備、医療費助成
による経済支援、生活や就労などの相談支
援等を進めている。
Yuko Ohira
「誰もが活躍できる社会」。口に出すことは簡単だ。この国には、まだ活躍ができていない多くの力がある。市場原理の社会で、弱い声を聴くのは誰か。多数派に属せば楽かもしれないこの世の中で、小さい声を聴くのは誰だろうか。
佐藤 雅明
人材開発統括官付人材開発総務担当参事官室 係長
人材開発施策全般の企画立案に従事。す
べての人が能力を存分に発揮し、いきいき
と働くことのできるよう、働く人の未 来 へ
の挑戦にしっかり寄り添う人づくりに挑戦
している。前部署では、生活困窮者自立支
援制度の改正に従事。
Masaaki Sato
11 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018 12
いまやスマートフォンは当たり前のものとなり、AIやIoTといった言葉をニュースで耳にしない日はありません。日々新しい情報通信技術(ICT)が生まれ、今まででは考えられないような劇的な変化が私たちの生活にも起きています。 医療や介護の分野も、少しずつ変化しつつあります。しかし、少子高齢化が進む日本では、世界に先駆けてイノベーションを進めていかなければなりません。医療や介護の現場でデバイスを用いてデータを共有する、AIが過去の知見
を結集し、医師に提案する。最先端の技術を活用し、安全・安心が担保された上でよりよいサービス提供が行われ、健康立国を実現していく。こうしたことは絵空事ではなく、厚労省が本気で実現しようとしている姿です。 最先端の分野だからこそ、それに関わるチャレンジは試行錯誤も多く、前に進めていくことに困難さも伴いますが、今までにない可能性を秘めています。こうしたチャレンジに、皆さんと取り組んでいきたいと思っています。
古川 弘剛
山本 駿介
老健局 総務課 課長補佐
政策統括官付 情報化担当参事官室 係長
介護保険制度の改革に従事。高齢化とい
う世界共通の不安を安心と希望に変える
ため、制度のバージョンアップに悪戦苦闘
している。
厚 生 労 働 省内の情 報 政 策のとりまとめに
従事。マイナンバー制度の施行や医療・介
護分野におけるICT導入に向け、尽力して
いる。
日本の社会保障は世界で戦うための最高の武器である。2017年までドイツの首都ベルリンにある日本国大使館で勤務した3年間の私の確信です。日本の社会保障が、私のドイツ語力以上に、私の人間的な魅力以上に、ドイツ人を私に惹き付けました。幾度となく文化の壁を打ち破り、人間関係を円滑にし、そして私を輝かせました。新聞・ネットなどのメディアに取り上げられること数知らず、大学などの講演会に招待されること数知らず。 明治維新の時分、文明開化の号令の下で、西洋医学を志
し、社会システムの近代化を目指して人々はドイツを目指しました。そんな時代にドイツから学んだ医療保険制度。20世紀末に、世界に先駆けて導入したドイツに次いで、制度化した介護保険制度。常に日本はドイツから多くを学んできました。そのドイツが今、日本の社会保障に強く関心を寄せ、その未来を注視していることを肌で感じました。 世界に類のない少子高齢化、これを乗り越える社会システム、とりわけ社会保障に世界が注目しています。
社 会 保 障を武 器に世 界で戦う
I C Tというフロンティア
Hirotaka Furukawa
Shunsuke Yamamoto
横田 和也
人材開発統括官付 海外人材育成担当参事官室
技能移転に関する国際協力業務に従事。
国内制度の整備とともに外国政府とも協力
して、適切な技能移転が行われるように取
り組んでいる。
Kazunar i Yokota
第 1章想 いを、ともに。〜厚 生 労 働 省 の 原 動 力〜 世 界を牽 引 する
「課題先進国、日本」―そんな呼ばれ方をして久しいが、進んでいるのは課題だけだろうか?厚生労働省の選択は、各国の注目を浴びている。活躍の舞台は国内だけではない。世界がこれから直面する困難に、道標を示そう。
想いを、ともに。〜厚生労働省の原動力〜
第1章
近年、アジア諸国は目覚ましいスピードで成長しています。多くの日本企業がアジア諸国に進出し、国境を越えた様々な経済活動が展開されています。それらの国から実習生を受入れ、日本の技術を学んでいただき、母国の更なる発展に役立ててもらう「人づくり」を通じた国際協力を行っています。 この1年間で10を超える国を訪れ、相手国の政府と意見交換を重ねて、互いの協力体制について取決めを結んできました。国によって国内の制度、文化、発展度合いは異なり
ますが、共通して日本での実習に対する熱が感じられました。単に技術面だけではなく、企業文化や雇用環境を含め、日本はアジア諸国から注目を浴び、その範を示すことが求められています。 より良い、他国に誇れる労働市場・雇用環境を作っていくために、厚生労働省は大きな役割を担っています。その一端を担う仕事に、多くの方に目を向けていただければと思います。
他 国にも誇れる労 働 政 策の立 案を
13 厚生労働 省 総合職 入省 案内 2 018 14