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平成19年 No. 360 ○平成20年度入試に向けた本学の キーコンセプトについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 ○平成18年度決算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 平成18年度収支改善への取組結果について ・・・・・5 ○成績優秀学生35人を表彰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 5人の教員に「医学部Teacher of the Year 2006」 ・・・10 ○国家試験の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 -八王子だより- ○教員採用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 ○平成19年度杏会定期総会を開催 ・・・・・・・・・・・・13 ○日本臨床モニター学会で臨床工学科の2研究が 記念賞などを受賞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 ○学生が図書館をもっと多く利用するために ・・14 -三鷹だより- ○医学部生化学教室 永松教授のグループが インスリン分泌のメカニズムを解明・・・・・・・・・15 ○永松教授第27回日本医学会総会で講演 ・・・・・・15 ○再びJICA国際協力「メキシコ子宮頸がん プロジェクト」に参加 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 ○総合周産期センター助産師らが表彰・・・・・・・・・16 ○ナイチンゲール生誕記念講演会・・・・・・・・・・・・・17 活躍する卒業生 社会科学部卒業 峰崎暁広さん ・・・17 -KRだより- ○KRLの近況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 ○初代外国語学部長 伊藤清司先生を偲ぶ ・・・・19 -文化・スポーツ- ○宮古島トライアスロン大会報告・・・・・・・・・・・・・20 ○外国語学部の藤田さん 中国語スピーチコンテストで2位入賞 ・・・・・・・21 ○北島研究会が八王子学生天国に参加・・・・・・・・・21 ○別科校外研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 ○ふれあい看護体験参加者からお礼状・・・・・・・・・22 ○防災週間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ○5月の理事会・評議員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 ○学園関係著作物の紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 ○公的役職者の紹介 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 ○各種助成金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 ○寄付金・物件寄付申込者芳名 ・・・・・・・・・・・・・・・25 その他・教職員メディア情報 www.kyorin-u.ac.jp 会報 6月・7月 合併号

No.360 6・7月号

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Page 1: No.360 6・7月号

平成19年

No. 360

○平成20年度入試に向けた本学のキーコンセプトについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2○平成18年度決算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2○平成18年度収支改善への取組結果について ・・・・・5○成績優秀学生35人を表彰・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9○5人の教員に「医学部Teacher of the Year 2006」・・・10○国家試験の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11-八王子だより-○教員採用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13○平成19年度杏会定期総会を開催 ・・・・・・・・・・・・13○日本臨床モニター学会で臨床工学科の2研究が記念賞などを受賞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14○学生が図書館をもっと多く利用するために ・・14-三鷹だより-○医学部生化学教室永松教授のグループがインスリン分泌のメカニズムを解明・・・・・・・・・15○永松教授第27回日本医学会総会で講演 ・・・・・・15○再びJICA国際協力「メキシコ子宮頸がんプロジェクト」に参加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16○総合周産期センター助産師らが表彰・・・・・・・・・16

○ナイチンゲール生誕記念講演会・・・・・・・・・・・・・17○活躍する卒業生 社会科学部卒業 峰崎暁広さん ・・・17-KRだより-○KRLの近況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

○初代外国語学部長 伊藤清司先生を偲ぶ ・・・・19-文化・スポーツ-○宮古島トライアスロン大会報告・・・・・・・・・・・・・20○外国語学部の藤田さん中国語スピーチコンテストで2位入賞 ・・・・・・・21○北島研究会が八王子学生天国に参加・・・・・・・・・21○別科校外研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22○ふれあい看護体験参加者からお礼状・・・・・・・・・22○防災週間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23○5月の理事会・評議員会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23○学園関係著作物の紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24○公的役職者の紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24○各種助成金 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24○寄付金・物件寄付申込者芳名・・・・・・・・・・・・・・・25その他・教職員メディア情報

www.kyorin-u.ac.jp

会報

6月・7月

合併号

Page 2: No.360 6・7月号

― 2 ―

入試広報キーコンセプトは《正しい大学》に決まりました

志願者の減少に対処するため、杏林大学は今年度、

日本能率協会の学校法人経営支援センター上席研究員

である野口淑さんに入試広報についての指導をお願い

し、2つの委員会を発足しました。1つは計画立案のた

めの委員会。学長、4学部学部長、4学部の入試関連委

員、及び広報関連部署職員等がメンバーです。今年の

入試では志願者1万人を目標にしていますので、この委

員会の名称を一万人委員会としました。2つめは計画の

実施に当たる入試プロジェクト委員会で、各学部の入

試関連委員と事務部門の委員から構成されています。

野口さんの提案に沿って一万人委員会で立案したプ

ロジェクトは、社会的な知名度獲得のための強力な広

告戦略と学園をあげての高校訪問を2本の柱としてい

ます。4学部共通の大学のキーコンセプトを作って、

新聞広告と電車広告によって大学のイメージを社会に

浸透させ、各学部の特色を明確に打ち出して学園の教

職員で共有して受験生に訴えます。周辺の1都3県を中

心に、進学相談会等で接触した受験生に対しては、オ

ープンキャンパスや入試説明会への参加を促して連絡

を保ち出願に結びつけるようフォローします。

野口さんは、私をはじめ4学部長及び何人かの各学

部の教員と面談し、大学の目指すものや各学部の教育

への取り組みを把握して、杏林大学にふさわしいキー

コンセプトとして「正しい大学」を提案されました。

杏林大学が大学としての本来の姿勢をもっているとの

高い評価をいただいたわけですが、自分のことを「正

しい」と外部に対して公言してよいものだろうか、マ

イナスのイメージで捉えられないだろうか、などとの

思いもぬぐえませんでした。そこで一万人委員会で議

論した結果、杏林大学では「正しい大学」をこう考え

ているという意味を込めて 杏林辞典―私たちはこう

考える―という言葉を添えました。組織の中にいると

不完全なところが目立ちます。間違えることもあるの

で「正しい」という意味が問われます。

野口さんの本学に対する評価は、教員が学生の教育

を第一に考えていることや教育の改善への強い熱意を

持っていることなどが基になっているようです。例え

ば、「資格の取得だけを目指すのではない」、「多くの

視点で立体的に見る大学」、「言葉とコミュニケーショ

ンを学ぶ大学」などのフレーズが「正しい大学」の具

体的なイメージとして、広告を展開する中で説明され

ることになっています。

紆余曲折はあろうともお互いに切磋琢磨して、結果

として「正しい大学」であるように、フィードバック

してゆくこと、これからの杏林大学の努力目標でもあ

ると考えています。

学長 長澤 俊彦

平成18年度決算

前年度比で18.3億円増加となった。

支出面では、人件費は看護師の欠員等による補充に

より増加した。教育研究経費については、前年度比で

減少した。特に緊急性の要しない改修等は中止、また

は延期とした。医療経費については主に消耗品が約5.8

億円前年度比で減少した。また薬品費、診療材料費は

薬価改定、購入価の値引き等により減少した。医療経

費全体では前年度比で10.5億の減少となった。

次年度繰越支払資金(平成18年度末現預金)は前年

度末より18.5億円の減少となった。

主に収入面では、学納金収入は平成16年度医学部、

平成17年度より保健学部、総合政策学部、外国語学部

の学費改定を実施したことにより、全体では前年度比

で増加した。

補助金収入は文部科学省に申請した補助金の9件の

うち3件が不採択となったが、私立大学等経常費補助

金は交付条件(配点係数、圧縮率等)が年々厳しい状

況の中、配点係数が上がったことで前年度比では増加

となった。また、医療収入は収支改善に向けて「プロ

ジェクト20」を立ち上げ、精力的に取り組んだ結果、

本学校法人の平成18年度決算が、平成19年5月28日に開催された理事会・評議員会において承認されました

ので学校法人会計基準に定めている計算書類、資金収支計算書総括表(表1)、消費収支計算書総括表(表2)、

貸借対照表(表3)の概要をご説明いたします。

1.結論

1)資金収支の状況(表1参照)

経理課長 難波 明

Page 3: No.360 6・7月号

― 3 ―

科   目 18年度 17年度 増 減 科   目 18年度 17年度 増 減学生生徒等納付金収入 8,035 7,964 71 人件費支出 16,304 15,812 492手数料収入 380 410 △ 30 教育研究経費支出 2,211 2,238 △ 27寄付金収入 464 541 △ 77 医療経費支出 10,867 11,926 △ 1,059補助金収入 2,093 2,013 80 管理経費支出 2,688 2,857 △ 169資産運用収入 564 507 57 借入金等利息支出 447 458 △ 11資産売却収入 0 2,002 △ 2,002 借入金等返済支出 1,137 1,052 85事業収入 319 283 36 施設関係支出 2,616 2,019 597医療収入 24,280 22,448 1,832 設備関係支出 1,253 3,403 △ 2,150雑収入 464 439 25 資産運用支出 1,780 2,673 △ 893前受金収入 1,414 1,313 101 その他の支出 2,894 3,736 △ 842その他の収入 5,379 4,800 579 資金支出調整勘定(△) △ 2,396 △ 2,766 370資金収入調整勘定(△) △ 5,442 △ 5,152 △ 290 次年度繰越支払資金 11,137 12,988 △ 1,851前年度繰越支払資金 12,988 18,828 △ 5,840 資金支出の部合計 50,938 56,396 △ 5,458資金収入の部合計 50,938 56,396 △ 5,458

(表1)資金収支計算書総括表収入の部 (単位:百万円) 支出の部 (単位:百万円)

2)消費収支の状況(表2参照)

科   目 18年度 17年度 増 減 科   目 18年度 17年度 増 減学生生徒等納付金 8,035 7,964 71 人件費 16,563 16,004 559手数料 380 410 △ 30 教育研究経費 3,817 3,868 △ 51寄付金 627 601 26 医療経費 13,084 13,793 △ 709補助金 2,093 2,013 80 管理経費 3,437 3,531 △ 94資産運用収入 564 507 57 借入金等利息 447 458 △ 11資産売却差額 0 2 △ 2 資産処分差額 27 49 △ 22事業収入 319 283 36 徴収不能額 18 26 △ 8医療収入 24,280 22,448 1,832 ③消費支出の部合計 37,393 37,729 △ 336雑収入 464 445 19①帰属収入合計 36,762 34,673 2,089 当年度消費支出超過額(②-③) 3,010 5,297基本金組入額(△) △ 2,379 △ 2,241 △ 138 前年度繰越消費支出超過額 43,818 38,997②消費収入の部合計 34,383 32,432 1,951 基本金取崩額 9 476

翌年度繰越消費支出超過額 46,819 43,818

※1 当年度帰属収支差額(①-③) △ 631 △ 3,056 2,425

(表2)消費収支計算書総括表消費収入の部 (単位:百万円) 消費支出の部 (単位:百万円)

3)貸借対照表の状況(表3参照)

帰属収入では、学納金、医療収入等の増加により収

入全体では前年度より20.8億円の増加となった。

消費支出では、人件費が増加となったが教育研究経

費、医療経費、管理経費等の減少により支出全体で前

年度より3.3億円の減少となった。

従って、当年度の帰属収支差額(帰属収入-消費支

出)は6.3億円の支出超過(※1)となった。

財政状況は、前年度末より総資産額は減少となっ

たが、負債総額も減少となった。

自己資金(正味資産)は平成18年度末で6.3億円の減

少となった。

資産の主な減少は現金預金で新外科病棟などの建

設、設備費、教育研究機器備品等を充当したこと、負

債の減少は借入金の返済及び未払金の減少である。自

己資金は消費収支状況(帰属収支差額)がマイナスと

なった影響で減少する結果となった。

Page 4: No.360 6・7月号

― 4 ―

資   産   の   部 負   債   の   部科   目 18年度 17年度 増 減 科   目 18年度 17年度 増 減

固  定  資  産 69,198 69,605 △ 407 固  定  負  債 21,687 25,637 △ 3,950有 形 固 定 資 産 60,615 61,178 △ 563 長 期 借 入 金 15,847 20,056 △ 4,209その他の固定資産 8,583 8,427 156 退職給与引当金 5,840 5,581 259

流  動  資  産 16,083 17,501 △ 1,418 流  動  負  債 8,261 5,505 2,756現 金 預 金 11,137 12,988 △ 1,851 短 期 借 入 金 4,209 1,137 3,072未 収 入 金 4,341 3,943 398 未  払  金 2,273 2,645 △ 372その他の流動資産 605 570 35 その他の流動負債 1,779 1,723 56

資産の部合計 85,281 87,106 △ 1,825 負債の部合計 29,948 31,142 △ 1,194注)増減の△表示はマイナスの場合に表示しております。 基    本    金    の    部

基    本    金 102,152 99,782 2,370消  費  収  支  差  額  の  部

翌年度繰越消費支出超過額 △ 46,819 △ 43,818 △ 3,001負 債・基本金・消 費収 支 差 額 の 部 合 計

85,281 87,106 △ 1,825

(表3)貸借対照表  平成19年3月31日(単位:百万円) (単位:百万円)

2.今後の対応

3.消費収支計算書を企業会計的に経営分析した場合(表4参照)

以上のように、平成18年度の決算は資金面(資金収

支計算書)では新外科病棟建設・設備費などの支払い

により、前年度末より減少となり、経営面(消費収支

計算書)では帰属収支差額が△6.3億円(※1)となる

厳しい結果となった。しかしながら、平成18年度は病

院を中心として収支改善の取り組みが精力的に実行さ

れ、前年度帰属収支差額が△30.5億円から大幅に改善

することができました。(前年度比△24.2億円)

収支改善には、「収入を伸ばし、支出を抑える」こ

とは言うまでもありません。しかし本学の収入源は限

られています。一方、支出は教職員の人件費、施設、

設備の維持、管理費など、その多くが固定的です。支

出を抑えるには、この財政面に大きく影響を及ぼす消

費支出(人件費、教育研究経費、医療経費、管理経費)

を更に見直していくこと、そして、消耗品、光熱水費、

旅費交通費、委託費等を削減、節減していくことが必

要です。

平成19年度も新外科病棟建設・設備費、また大学部

門ではアメニティ向上事業など多額の資金を必要とす

る計画が組み込まれています。昨年と同様引き続き厳

しい財務状況ではございますが、今年度も全学を挙げ

て収支改善に取り組み、教育、研究の向上に努め、診

療機能の充実を図っていく方針でありますので、教職

員皆様方のご理解、ご協力をお願いいたします。

1)説明

学校法人は利益追求を目的としていないため、学校

法人会計基準に基づいて作成された計算書は、大変、

解りづらいものとなっています。この計算書は企業会

計的に作成したもので、企業では経営成績を示す計算

書となっています。どこの部門で利益が上がったのか、

赤字となってしまったのかを検証して分析をすること

で、その原因を探り、収支改善を図っております。

2)科目の説明

①売上総収入

本来、売上総収入から仕入れ(材料費等)を除いた

額の売上総利益を計上することになるが、学校法人

では仕入れに該当する算定は困難のため本表では、

仕入れ(材料費等)は一般管理費に計上し、ここで

は営業活動(教育研究活動)から得た収入とした。

(本表では…学納金、手数料、寄付金、補助金、事

業収入、医療収入)

②一般管理費

人件費及び一般諸経費を示すもの。(減価償却額を

含む。)

(本表では…人件費、教育研究経費、医療経費、管

理経費)

③営業利益(①-②)

営業活動の成果を表し、営業損益の利益を示すもの。

④営業外収入

営業活動以外で発生する収入。

(本表では…資産運用収入、雑収入、資産売却差額)

⑤営業外費用

営業活動以外で発生する費用。

(本表では…借入利息、資産処分差額、徴収不能額)

⑥営業外収支(④-⑤)

営業活動以外の成果を示すもの。

⑦経常利益(③+⑥)

Page 5: No.360 6・7月号

営業活動と営業外活動の成果を表し、経営成績を示

すもの。

3)本表の説明

平成18年度の①売上総収入は357億3千4百万円、②

一般管理費は369億1百万円となり③営業利益(①-②)

は11億6千7百万円の赤字となりました。一方、この赤

字をカバーする⑥営業外収支(④-⑤)では5億3千6

百万の黒字となりましたが⑦経常利益(③+⑥)では

6億3千1百万円の赤字決算となりました。但し、平成

17年度と比較致しますと24億2千5百万円の収支改善が

実現できました。

平成19年度も引き続き教職員皆様のお力を借りて、

営業利益を上げることに積極的に取り組み、また、営

業外収益の獲得にも全力をあげて努力していかなけれ

ばなりません。教職員皆様のご協力をお願いします。

※事業報告はあんずNETに掲載しています。

― 5 ―

科    目 18年度決算 17年度決算 増 減①売上総収入 35,734 33,719 2,015

学生生徒等納付金 8,035 7,964 71手数料 380 410 △ 30寄付金 627 601 26補助金 2,093 2,013 80事業収入 319 283 36医療収入 24,280 22,448 1,832

②一般管理費 36,901 37,196 -295人件費 16,563 16,004 559教育研究経費 3,817 3,868 △ 51医療経費 13,084 13,793 △ 709管理経費 3,437 3,531 △ 94

③営業利益(①-②) △ 1,167 △ 3,477 2,310④営業外収入 1,028 954 74

資産運用収入 564 507 57雑収入 464 445 19資産売却差額 0 2 △ 2

⑤営業外費用 492 533 -41借入金利息 447 458 △ 11資産処分差額 27 49 △ 22徴収不能額 18 26 △ 8

⑥営業外収支(④-⑤) 536 421 115⑦経常利益(③+⑥) △ 631 △ 3,056 2,425

(表4) (単位:百万円)

平成18年収支改善への取り組み結果について

平成17年度決算で30億円を超える赤字を計上したこ

とを受け、病院では昨年6月に病院経営検討会議を設置

し、「杏林大学病院経営改善プロジェクト20」を策定し

収支改善に取り組みました。また、事務部門では、昨

年の10月部課長会を開催し、収支改善への取り組みと

して、①共通項目と②部署の取り組み内容を説明し、

スタートいたしました。

12月末日には、事務部門の進捗状況として、各担当、

各部署の取り組みをあんずNET及び学園広報誌「あん

ず」にも掲載させていただきました。

このたび、病院及び事務部門の平成18年度の主な取

り組み結果を取り纏めましたので、ご報告いたします。

その結果、平成18年度事務部門の取り組みで、収入

増加、支出削減を合わせると、金額がわかっているだ

けでも、1億4千2百万円となります。病院の収支改善の

取り組みと比較しますと、金額は僅かかもしれません

が、職員が一丸となって取り組んだ成果です。平成19

年度は黒字にするという意識を持って取り組みたいと

思っております。ご理解、ご協力のほどお願いいたし

ます。

なお、平成19年度の事務部門各部署の取り組み計画

は、後日、あんずNETに掲載予定です。

総務部長 後藤 義次

【平成18年度収支改善への取り組み(病院部門)】の結果病院の収支改善を目的として病院経営検討会議を設置し、「杏林大学病院、経営改善プロジェクト20」を策定し

改善に取組んだ。1.外来患者、入院患者の増加 11.健診部門強化2.各診療科の経営収支向上  12.病棟連絡会議の開催3.各診療科の特色の明確化         13.地域連携システムの確立4.地域連携の促進             14.補助金増額確保5.DPCの周知徹底            15.薬剤購入費の削減6.クリニカルパスの導入・積極的利用    16.材料購入費の削減7.手術件数の増加             17.ピンク伝票(外注品請求書)購入の見直し8.透析センター活性化           18.業務委託費の削減9.内視鏡室の活性化           19.光熱・水道経費の削減10.外来部門の強化             20.収支改善評価システムの導入

Page 6: No.360 6・7月号

1.平成18年度医療収入増加について収入増加への取り組みと成果は次のとおりです1)病棟別平均在院日数

2)外来患者数、入院患者数の増加

3)外来収入、入院収入、全収入の増加

4)手術件数の増加

5)DPC対策

6)クリニカルパスの導入

平成18年度 平成17年度 前年度比較

24,214,897,164円 22,660,036,983円 6.86%増加

2.平成18年度支出削減について1) 薬剤購入費の削減2) 材料購入費の削減購入金額の削減在庫の整理 病棟・外来・手術部の定数配置を見直す。

3) 業務委託費 → 委託内容、費用の見直しA.保守・清掃委託費B.医事・クラーク、看護助手経費C.検査業務委託

― 6 ―

【平成18年度収支改善への取り組み(事務部門)】の結果

1. 学納金適正な学納金の検討

2.外部資金の獲得①経常費補助金

②寄付金募集活動の推進

3.資産の有効活用

【収入の増加】 項 目 進捗状況 又は取り組み結果 収入増 又は対応等

Ⅰ 共通項目

①看護専門学校:平成19年度入学生より適用。②医学部:平成20年度入学生より適用。

①財務情報(財産目録等)をHPに公開。①交付条件(学校配点・圧縮率)が年々下がる厳しい状況であったが、18年度から不明確であった経費区分(病院⇔医学部)を明確にしたこと等で、本来は圧縮率が下がった影響は△2億円以上であったが、学校配点が上がったことで前年度より増加となる。②新外科病棟△2千万円、杏林大学教育研究募金△2億であった。活動として全学保護者は11月、医学部同窓会は1月に実施した。結果は、合わせて117件。業者は値引き交渉との兼ね合いもあり、協力要請の結果は厳しい状況であった。

①三鷹:大学院講堂・会議室を学会等に有料にて提供。八王子:簿記検定試験会場に教室を利用し、手数料の収入を図る。

①入学料、授業料を改定。②入学料を改定。

①増額措置はされたが、金額は不明。①圧縮率(全大学対象)は87%→76%に減少したが、学校配点(杏林大学)は54点→71点に上がった。全体の金額:前年度より8千万円の増加。

②目標額は予算計上額の達成であったが、結果は△2億2千万円と及ばなかった。

①三鷹:利用案内をあんずNETに掲載した。三鷹:平成18年度18件で472,500円の増収。八王子:平成18年度1件で26,000円の増収。

【支出の削減】項 目 進捗状況 又は取り組み結果 支出削減 又は対応等

1.人件費の削減・業務委託費の削減・業務を見直し効率化を図る。2.電話代・光熱水費等の削減

3.備品・消耗品の削減①コピー・印刷経費削減を図る。

①不必要な業務の廃止、業務の標準化・平準化を中心に見直しを各部署に依頼中。

①一般電話から携帯電話にかける際の料金割引の導入。

②各部署の協力により節水・節電ステッカーを貼り、全学挙げて運動を展開した。また、省エネ運動として冷暖房・蛍光灯などこまめにスイッチオン・オフの徹底。

①パフォーマンスチャージ料金の値引き交渉を実施。

①各部署に継続依頼。

①現在、導入に向けてNTTコミュニケーションズ、ソフトバンク及び電通工業と調整中。

②電力使用量の削減(前年比)。三鷹:平成17年比、マイナス128,080kw、率にして0.5%削減。

①パフォーマンスチャージ料金値引き交渉の結果、前年比約15%引きとなった。

Page 7: No.360 6・7月号

②遊休資産の活用を図る。

4.講座研究費・個人研究費・支給方法の見直し・有効活用の検討。5.借り上げ寮経費・入居率を引き上げ、負担減を図る。

6.食堂経費・光熱水費補助の見直し等運営費削減を図る。

7.通勤交通費・通勤交通費の支給方法検討

②有効資産の売却先業者を選定し、ルール化した。また、あんずNETでリサイクル物品の情報を公開。

①19年度より保健学部教室統合に伴う減額。

①空き部屋情報等を把握し、問い合わせに即答できる体制を確立。また、看護学科生・看護専門学校生の病院実習中に入居受け入れ可能とした。②寮(9棟)の清掃・害虫駆除等の年間保守契約の見直しにより、同契約を解除し必要に応じて実施(年2回程度)。

委託業者に、食堂の経営状態を確認し、光熱水費補助のあるべき方策を検討中。

利用状況に合わせた支給方法を検討、模索中。

― 7 ―

②リサイクル物品5点、預かり物品17点。

①引き続き、あるべき方策を検討中。

①入居率は、平成17年度84.1%から平成18年度85.1%になり、1%アップした。これにより、年額で約350万円負担減となる。

②契約解除により(1847万円の削減-年2回の清掃・害虫駆除費用240万円=1607万円)、年額で約1600万円の経費削減となる。

本 部(広報・企画調査室)①TV/映画撮影施設提供

(経理課)①経常費補助金の獲得を目指す②寄付金(募金関係)の獲得(用度・管財課)①外部資金(寄付金)の獲得

②資産の有効活用(不要となった資産の売却)

(総務課)①通門証発行手数料の見直し

病 院①DPCレセプトの精緻化②室料見直し③初診特別料金見直し

【収入の増加】 項 目 進捗状況 又は取り組み結果 収入増 又は対応等

Ⅱ 部署の取り組み

①平成18年度は1件の申請も無かった。19年度に入り2件申し出ている。

共通項目の2.外部資金の獲得①経常費補助金 ②寄付金募集活動の推進に詳細記載。

①取引業者へ協力要請を随時行ったが、物品の値引きも同時であったことから結果は数業者に留まる。②不要となった資産ではあるが、売却可能な物は業者へ売却することが有効と考え、業者を選定しルール化した。

①作成手数料1件200円を300円に引き上げた。

①DPCレセプトが出来高レセプトよりマイナスにならないか確認。マイナスの事例はDPCの選択を検討。②2-6A病棟の特別療養環境室料の値上げ。③保険外併用療養費の初診特別料金(紹介状なしの初診時)の値上げ。

(参考) 19年度2件で24万円の増収。

①数値目標なし

②数値目標なし

①申請者が11件で1100円の増収。

①日々継続的な検証を行い、平成18年5月から平成19年3月までの間で約3千万円増収に転じている。②平成18年10月より実施した結果、約489万円の増収。③2,100円から3,150円変更届を行い、平成19年4月より実施。

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本 部(広報・企画調査室)①広報誌あんず・ホームページ経費削減

②講演会緒経費削減

(用度・管財課)①印刷製本費の削減

②遊休資産の活用

(施設課)①光熱水費(水道・電気)の削減(総務課)①郵便費用の削減

②「学園だより」の発行部数検討

(人事課)①郵送費用の削減

病 院①コピー用紙の削減

八王子(事務部全体)①余剰在庫、事務用品の管理②節電・節水

(教務課)①シラバスの簡素化

(キャリアサポートセンター)①平成18年度予算に係る就職参考資料、求人関係費用、就職活動費、就職情報誌掲載費、研修及び出張費等の削減を実施(入学センター)①発送手段の見直し

(総合政策学部・外国語学部のスタッフルーム)①購読紙の見直し

【支出の削減】 項 目 進捗状況 又は取り組み結果 支出削減 又は対応等

①あんずは発行部数・表紙のカラー印刷・用紙・完全データ支給等により、HPは委託業者を1社に纏めて経費の削減を図る。

②自治体等との共催で会場費を削減。また講師の謝金について各回5千円減額を実施。

①複数社による相見積もりは、削減効果は顕著であるが、現状では指定業者による件数が多いため効果はあまり無かった。引き続き継続する。②共通項目の3.資産の有効活用に詳細記載。

共通項目 支出の削減2.電話代・光熱水費等の削減に詳細記載。

①料金後納郵便を導入し、「ゆうパック」の割引制度を受ける。②原則各部署1部の配布とし、529部から167部に削減。

①休職者への送付物のまとめ送付、証明書発行依頼者の送料負担の導入。

①裏紙の再利用②患者案内文書の見直し

①物品購入前に、各部署の在庫を調査する。

②K棟廊下の蛍光灯の間引きを実施。1時間以上の離席時のパソコンの電源オフ。節電・節水シールの貼付。

①ページ数を削減し、簡易版の講義案内に変更。

①予算削減目標を、平成18年9月末で43.4%、平成19年3月末で84.2%とした。

①速達郵便の必要性の有無、宅配便のメール便の活用

①総合政策学部・外国語学部スタッフルームの購読紙を削減。図書館での活用を図る。

①平成18年11月号からの3号で27万円を削減。HPは従来各学部で依頼していたものを1社に纏めて、作業を効率化させ、委託コストを圧縮。②八王子会場4回・調布会場3回計7回で約17万円、講師料減額で12万円、合計29万円削減。

①数値目標はなし

①平成19年2月から実施し、2月は43,000円、3月は45,780円、合計で88,780円割引できた。②結果、1回あたりの削減額は3,420円となる。

①人事係・厚生係で互いに声かけを実施。また発行依頼者への返信用封筒・切手を本人負担に変更実施。

①指示実施表のコピーは裏紙を使用し、月間で約1万枚削減。②患者配布用の案内文書等を両面コピーに変更し、約1万枚削減。

①各部署の事務用品担当者とメーリングリストで情報交換を行い、余剰在庫を有効活用。②蛍光灯142本設置のうち54本を間引いた。また、平成18年10月から全棟で止水栓を絞る。

①文系2学部で約200ページ、約20万円の削減。

①結果、平成18年度予算総額7,467,000円に対し、平成18年9月末で△3,243,000円(43.4%)、平成19年3月末で△6,286,000円(84.2%)削減。

①急がない発送物は、メール便(ヤマト均一A4版80円)を利用。

①総合政策学部:7紙から5紙に。外国語学部:4紙から1紙に削減。削減対応としては、図書館の新聞を活用。

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平成19年度成績優秀学生【入学時奨励金支給者】

学 部 学 科 学年 氏 名 出身学校医学部 医学科 1 大倉 幸和 江戸川学園取手高等学校保健学部 臨床検査技術学科 1 e比良 幸子 私立錦城高等学校

健康福祉学科 1 松永 陽子 神奈川県立相模原高等学校看護学科 1 安田 早希絵 都立北多摩高等学校臨床工学科 1 田中 秀星 青森県立田名部高等学校救急救命学科 1 小野 英理子 神奈川県立多摩高等学校

総合政策学部 総合政策学科 1 岡野 友哉 水戸桜ノ牧高等学校企業経営学科 1 上杉 麻友 東京農業大学第三高等学校

外国語学部 英語学科 1 藤原 由希子 秋田県立大館鳳鳴高等学校東アジア言語学科 1 伊藤 いづみ 横浜市立東高等学校応用コミュニケーション学科 1 杉野 伸明 広島県立広島高等学校

― 9 ―

平成19年度奨励金受給者に対する表彰式が、5月23

日(水)と翌24日(木)に八王子キャンパスと三鷹キ

ャンパスでそれぞれ行われ、保健学部、総合政策学部、

外国語学部の受給者29人と、医学部の受給者6人の合

わせて35人の学生一人一人に長澤俊彦学長より通知書

が手渡されました。

この奨励制度では、各学部各学科の入学試験で最も

優秀な成績を修めた1年生11人には「入学時奨励金」と

して20万円を、また2年生以上の在学生のうち前年度

の学業成績が各学年の各学部各学科で最上位の者一人

ずつ、合わせて24人に「在学生奨励金」として10万円

を給付することになっています。

表彰式で長澤学長は「成績優秀学生に選ばれた皆さ

ん、おめでとうございます。大学関係者の期待が込め

られた給付金であることを心に留め、勉学に資してく

ださい。そして在学生の代表として、今後も一層学業

に励み有意義な学生生活を送ってください。」と激励

し、各々の学生に決定通知書を手渡しました。

平成19年度成績優秀学生35人を表彰

【在学生奨励金支給者】

学 部 学 科 学年 氏 名 出身学校医学部 医学科 2 勝田 賢 都立日比谷高等学校

3 永井 健太郎 独協学園独協高等学校4 平野 良男 都立上野高等学校5 小松 由莉江 雙葉学園雙葉高等学校6 新保 えり子 雙葉学園雙葉高等学校

保健学部 臨床検査技術学科 2 中川 美緒 茨城県立水戸第三高等学校3 平田 雅子 都立南多摩高等学校4 笠原 由香里 東京電子専門学校(編入)

保健学科 2 規矩 智千絵 都立三鷹高等学校3 西田 万紀子 城西大学薬学部(編入)4 山本 奈央美 長野県立上田高等学校

看護学科 2 須永 香葉 神奈川県立鎌倉高等学校3 竹村 香織 私立カリタス女子高等学校4 小柳 あすか 都立荏原看護専門学校(編入)

臨床工学科 2 下田 隼人 私立前橋育英高等学校

Page 10: No.360 6・7月号

総合政策学部 総合政策学科 2 柳澤 史 富山県立富山中部高等学校3 吉田 美紀 栃木県立鹿沼高等学校4 嘉月 悠 都立豊多摩高等学校

企業経営学科 2 星野 勝也 群馬県立沼田高等学校外国語学部 英語学科 2 柴田 麻衣 都立向丘高等学校

東アジア言語学科 2 菅澤 美子 千葉県立銚子高等学校応用コミュニケーション学科 2 目黒 夏美 東海大学菅生高等学校外国語学科 3 田野倉 美和 神奈川県立橋本高等学校

4 日e 知里 東京成徳短期大学(編入)

― 10 ―

医学部で実施している「学生による授業評価」に基

づき、5人の教員が「医学部Teacher of the Year 2006」

に選出され、4月24日(火)の医学部教授会で表彰式

が行われました。

受賞したのは金井好克教授、後藤 元教授、韮澤融

司教授、山口芳裕教授、矢島正純准教授の5人です。

「学生の授業評価」は授業のわかりやすさや教員の

熱意などを学生が5段階評価で行うもので、学生から

の評価が最も高い教員5人を「Teacher of the Year」

として毎年表彰しています。

5人の教員に「医学部Teacher of the Year 2006」表彰

受賞にあたって救急医学 山口 芳裕

Teacher of the Yearなんて柄にもありませんが、お選びいただいたことを大変光栄に思います。私が若きヒポ

クラテスたちに伝えたいことは、患者を傷つけた運命、さらには死を免れ得ない運命と闘うに足る、十分な武器

(知識と技術)を身につけて欲しいということです。闘いの場には君ただ一人で立たなければなりません。願わ

くば、観客席から罵声ではなく、歓声を浴びる光栄に浴さんことを。「力量に欠ける人ほど、運命はより強くそ

の力を発揮する」そうですから(マキャヴェッリ『政略論』)。患者を巻き込んだ運命に打ち勝つタフな医師にな

っていただきたい。そのために、私はこれからもできる限りのお手伝いをさせていただくつもりです。

産科婦人科学 矢島 正純

このたびはこのような賞を頂戴し、光栄に存じます。大学に居りますと医療のほかに教壇に立って教えるとい

う仕事があります。私は常々、医師は教師のようなものだと思っております。「専門的知識のない人に対して如

何にわかりやすく教えてわからせるか」は医師にとっても教師にとっても重要な責務だと思います。その話しを

聞いて「ああ、なるほどな」と思うことによって学生は「進歩」し、患者さんは「納得」し命を預けようという

気になってくださいます。どちらも「先生」と呼ばれる所以かと思いますが、患者さんに対しても良きTeacher

of the Yearになれるよう精進したいと思っています。

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― 11 ―

■医師国家試験の結果

第101回医師国家試験は平成19年2月17、18、19日の

3日間にわたって実施され、その結果が3月29日に発表

された。杏林大学からは、新卒者93人、既卒者12人、

計105人が受験した。合格者は、新卒者85人(合格率

91.4%)、既卒者2人(16.7%)の計87人で、全体の合格

率が82.9%と残念ながら全国平均(87.9%)を下回った。

国公私立大学80校における順位は全体で69位(昨年62

位)、新卒者で56位(昨年53位)と後退した。しかし

私立大学29校における順位は全体で19位(昨年19位)、

新卒者で14位(昨年17位)と昨年並に留まった。

医師国家試験結果の推移(表)をみると、第98回、

99回では全体、新卒とも全国平均を上回っていたのに

対し、過去2回は全国平均を下回っている。この原因

として既卒者の成績が著しく不振で全体の足を引っ張

っていること、今回の国試の合格基準となった一般問

題61%以上、臨床問題66%以上は、卒業条件である

60%以上より高いこと、過去の好成績に教員、学生と

もに慢心したことが考えられる。これらの反省に基づ

き、教務委員会内に国家試験対策小委員会を立ち上げ、

既卒対策を含むさまざまな対策によって再び上位復帰

を図りたい。

最後に、今回の医師国家試験に向けて、指導を惜し

まなかったM6担任の方々、模擬試験等で資金援助を

頂いた杏会と同窓会、並びに手続き等でお世話になっ

た学生係、教務係の皆さんに感謝致します。

(教務部長 伊藤 泰雄)

国家試験の結果

【医師国家試験推移表】

全  体 新  卒 既  卒

杏林大学 全国 杏林大学 全国 杏林大学 全国

受験者 合格者 合格率 合格率 M6在籍者 受験者 合格者 合格率 合格率 受験者 合格者 合格率 合格率 全体 新卒

96 14.3 101 88 87.1% 90.5% 94 87 81 93.1% 94.4% 14 7 50.0% 55.7% 15 16

97 15.3 112 94 83.9% 90.4% 101 99 91 91.9% 94.8% 13 3 23.1% 49.7% 24 21

98 16.3 105 94 89.5% 88.4% 91 87 85 97.7% 92.9% 18 9 50.0% 46.4% 9 3

99 17.2 92 85 92.4% 89.4% 85 83 80 96.4% 93.4% 9 5 55.6% 56.3% 8 7

100 18.2 97 85 87.6% 90.0% 90 90 84 93.3% 93.9% 7 1 14.3% 57.3% 19 17

101 19.2 105 87 82.9% 87.9% 93 93 85 91.4% 92.3% 12 2 16.7% 48.4% 19 14

実施回数

実施年月

私立医科大学の中での順位

■保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、社会福祉士、救急救命士国家試験の結果

表に示したように、保健師国家試験の全国平均

(全国新卒既卒合計の合格率)は例年になく高く

(99.0%)、本学の新卒者及び既卒者20名が全員合格し

た。看護師国家試験においても、新卒者で97.5%(2

名不合格)、既卒者(11名)で100%、総数において

も全国平均を上回り97.8%と高い合格率を示した。

また、助産師国家試験は昨年、1名の不合格者を出

したが、新卒者、既卒者ともに本年度は全員合格し

た。

本年度の臨床検査技師国家試験も、ここ数年来の

傾向と同様に基本的出題が多く、全国平均は昨年よ

り2%高く、74.7%であった。本学新卒者の合格率

(91.8%)は昨年より7.5%、新卒全国平均より3%上

回り、ここ数年間で最も良い成績であった。また、

社会福祉士国家試験では新卒者が5名中2名(40%)

合格し、全国平均を上回ってはいるものの昨年度

(80%)より大きく合格率が後退した。また、救急

救命士国家試験は昨年、全員合格であったが本年度

は4名が不合格(81.8%)となり、全国平均(86.6%)

も下回った。

以上述べたように、本年度は各国家試験において

かなり良い成績を収めたが、これも各課程委員会の

先生方の熱心なご指導の賜であります。しかし、教

職員共通の願いである「合格率100%」を達成したの

は保健師、及び助産師国家試験だけであり、現在、

全員合格に向けて具体的対策を立案し、実行に移し

ている。

(教務部長 丘島 晴雄)

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― 12 ―

■看護師国家試験の結果(看護専門学校)

平成19年2月25日に第96回看護師国家試験が行わ

れ、3月27日に結果が発表されました。今年度は既

卒者を含む100名が受験し合格率は94.0%でした。新

卒者は93名が受験し合格率95.7%、既卒者は7名が受

験し合格率は71.4%でした。

全国の受験生50766名、合格率は90.6%でした。学

生からは「簡単だった。」という声が多く聞かれま

したが、一般問題・状況設定問題の合格ラインが

72.1%(昨年65.0%)と高く、全国的にも合格率は上

がりませんでした。一般問題・状況設定問題の合格

ラインは相対評価のため問題のレベルにより変動す

ることを認識しておく必要があります。必修問題は

しっかり学習していれば対応できた妥当な問題で、

一般問題、状況設定問題は本当に基本的な知識を問

う問題やアセスメント能力が求められる問題でし

た。また、AED等社会状況を反映した問題も出題さ

れました。

国試で問われる臨床的な判断やアセスメント能力

は確かな知識のもとに導かれ、対象の変化に応じた

臨機応変の対応は、臨地実習での学びが大きいと考

えています。学習習慣を身につけて基礎知識を確か

なものにできるよう1年次から学習課題の提示や確

認テスト、模擬試験を実施し、学年に応じて夏期講

座の開催や補講、面接指導を行うなど対策を講じて

きましたが、更に国家試験対策の充実を図り取り組

んでいく必要を感じています。また、臨地実習での

実践を通してアセスメント能力や柔軟な思考を育て

られるよう指導し、看護師国家試験の合格率100%

を目指したいと考えます。

最後に、日頃より本校の教育にご尽力いただいて

おります皆様方にお礼申し上げ、今後も引き続きご

指導を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

(国家試験対策委員 五味 明子)

区        分 受 験 者(人) 合 格 者(人)合 格 率(%)臨床検査技術学科 新卒 60(68) 56(57) 93.3(83.8)

臨床検査技師 保健学科 新卒 38(21) 34(18) 89.5(85.7)国家試験 新卒合計 98(89) 90(75) 91.8(84.3)

全国(新卒) 3,158(3,218) 2,803(2,806) 88.8(87.2)全国(全体) 4,023(4,071) 3,004(2,968) 74.7(72.9)

保健師国家試験(看護学科)新卒 83(103) 83(83) 100(80.6)

全国(全体) 11,140(10,395) 11,029(8,182) 99.0(78.7)

助産師国家試験(看護学科)新卒 6(8) 6(7) 100(87.5)全国 1,621(1,600) 1,529(1,570) 94.3(98.1)

看護師国家試験(看護学科)新卒 80(95) 78(86) 97.5(90.5)全国 40,504(48,914) 37,111(43,211) 91.6(88.3)

社会福祉士国家試験(保健学科)新卒 5(5) 2(4) 40.0(80.0)全国 30,974(43,701) 7,778(12,222) 25.1(28.0)

臨床検査技術学科 新卒 8(11) 8(11) 100(100)救急救命士 保健学科 新卒 14(15) 10(15) 71.4(100)国家試験 合計 22(26) 18(26) 81.8(100)

全国 2,404(1,967) 2,081(1,786) 86.8(90.8)※( )は、昨年度実績、救急救命士については、昨年3月実施結果。

Page 13: No.360 6・7月号

― 13 ―

八王子だより八王子だより

平成19年度教員採用状況

杏林大学卒業生の平成19年度教員採用状況を以下に

報告いたします。

保健学部出身の養護教諭採用者は、新卒者既卒者・

正式採用臨時採用合わせて総計34名で、昨年度よりも

減少しました。

その内訳は、新卒者で正式採用されたのは、保健学

科が6名、看護学科が1名、臨時採用は保健学科が14名、

看護学科が3名です。既卒者で正式採用されたのは、

保健学科が6名、看護学科が2名、臨時採用は保健学科

が4名(看護学科は不明)となっています。両学科合

わせて、新卒者の正式採用は7名、臨時採用は4名、既

卒者の正式採用は8名、臨時採用は4名です。新既卒者

合わせた正式採用者は15名、臨時採用は21名です。今

年の特徴は、正式採用が少くなかったことです。しか

し、既卒者で不明分があるので、それが明らかになれ

ば正式・臨時ともに増えていくと思われます。

一方、普通教諭の採用状況は、外国語学部の新卒者

から英語教諭として、私立高校専任に1名の他、公立

高校に1名、私立高校に2名が臨時採用されました。既

卒者では1名が公立中学の国語教諭に正式採用されま

した。(6月末判明分)

(教職課程委員会 外国語学部教授 諏訪内 敬司)

平成19年度杏会定期総会を開催

6月9日(土)午後、八王子キャンパス3学部(保健学部、

総合政策学部、外国語学部)の杏会定期総会と、この

総会に合せて今年度も講演会などのご父母を対象とし

た諸行事を開催いたしました。

八王子キャンパスでは、例年この催しは一大行事と

なっており、当日は小雨模様の中でしたが、220名を

超えるご父母がキャンパスを訪れ、教職員などの関係

者が誘導、案内などの対応に追われる忙しい一日の中

で、計画した行事を滞りなく終了することができまし

た。

諸行事は外国語学部E棟の教室で、午後1時から樋田

孝史事務部長の司会により開始され、最初に長澤俊彦

学長の現況報告を含めた挨拶が行われました。この中

で長澤学長は昨年度から取り組んでいる学生アメニテ

ィ計画の進捗状況に触れ①食堂(ホール杏)の全面改

修の完了②バスターミナル移設の完了③遊歩道の第1

期工事分が完了したことなどを報告しました。流行し

ていた麻疹の本学の状況についても、長澤学長は「発

熱者の報告は受けているが、幸いにも今日(6/9)現

在、本学では麻疹に罹患している学生はいない」と報

告されました。

続いて総合政策学部の岩隈道洋講師が、「インター

ネットの落とし穴~家庭と学生の個人情報から」と題

した講演を行いました。その中で岩隈講師は主にプラ

イバシーの権利と自己情報コントロール権の違いや、

個人情報保護法が事業者に求めている責務のポイント

(保有個人データの範囲・第三者提供の禁止など)に

ついて解りやすく説明され、社会の側でも過剰反応・

過少反応がそれぞれあることも指摘しました。家庭で

も学生生活・日常生活における個人情報について話し

合い、家族でお互いに気をつける習慣を作るきっかけ

になれば良いと思います、と結ばれました。

その後、武田耕一キャリアサポートセンター長より

平成18年度の各学部における就職実績の報告が行われ

た後に、学部ごとの会場に移り、それぞれ杏会総会と

学部説明会が実施されました。杏会総会では、平成18

年度の事業報告・決算報告・監査報告、役員改選と新

会長・副会長選任、平成19年度の事業計画・予算審議

などが何れの学部杏会とも原案どおり承認され、学部

説明会と合せて予定どおり進行しました。

午後4時からはガーデン丘(学生食堂)で3学部合同

の懇親会が開催されました。和やかな歓談の中にチア

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― 14 ―

日本臨床モニター学会で臨床工学科の2研究が記念賞などを受賞

4月13-14日に名古屋で開催された第18回日本臨床

モニター学会総会において、保健学部臨床工学科三谷

博子講師らの研究「乳幼児突然死症候群(SIDS)検

出のための無拘束型モニタリングの基礎的検討」が、

本学会第1回大会長である奥秋晟(福島県立医科大・

麻酔科)先生を記念した奥秋記念賞を受賞しました。

今回の大会では同じく同学科の嶋津秀昭教授の研究

「痛みの評価法に関する実験的検討」が本大会の会長

賞を受賞しました。

総会では基礎医学、麻酔科・呼吸器科などの臨床医

学からコメディカル領域までのモニターに関わるあら

ゆる分野の研究者が一同に会し、それぞれの研究成果

を発表する場として毎年1回開催されますが、同じ大

学学科の教員が同時に受賞することは大変めずらしい

ことです。

(保健学部臨床工学科講師 三谷 博子)

ーリーディング部の演技や吹奏楽部の演奏が披露され

懇親会に花を咲かせ、一層の盛り上がりとなりました。

その他にも写真部、書道部の学生たちが作品展示に

協力してくれ、こちらも日頃の活動をご父母が熱心に

鑑賞していました。

最後に、この総会の準備や当日の八王子駅での案内、

誘導及び構内の案内、駐車場の整理などにお手伝いを

頂きました教職員及び関係者皆様のご協力に対し感謝

をいたします。

(八王子事務部庶務課 冨樫 憲弥)

1.図書、雑誌の利用促進について学生の資料の借り方を見ておりますと、「先生が講義で推薦したから」あるいは「先生がレポート作成の参考書に挙げたから」と思われるケースが多くあります。自ら学習意欲を持って図書館の中を歩き回り、資料を積極的に探すタイプは、残念ながら少数です。講義、ゼミ、読解力演習などで図書館の資料を積極的に活用するようぜひご指導くださいますようお願い致します。図書館には全国紙も揃っています。

2.図書の推薦についてご承知の通り、アメリカの大学では、学部レベルの教科書が非常に充実しています。わが国でも良い教科書の類がだんだん増えてきました。「いきなり各論」的な専門的な図書は、学生にとって利用しにくいという難点があります。学生の図書館利用率を高めるためも、講義やゼミを行うにあたって基本的なテキスト、入門書、新書、その他必要な書籍を図書館にご推薦して下さいますようお願い致します。

3.データベース等について図書館には日本語や外国語のデータベースが入っています。学生に活用するようご指導頂ければと思います。学生が利用しやすい日本語データベースは、以下の通りです。

「マガジンプラス」(紀要、一般雑誌の書誌事項)「日経BP記事検索」(日経の雑誌全文)「ヨミダス文書館」(読売新聞全文)「聞蔵II」(朝日新聞記事全文)「CiNii」(学協会論文・紀要)「D1-Law.com」(法律・判例)「主要法律雑誌DVD」(判例・法学系文献全文)(以上、無料)「日経テレコン21」(有料)(地方紙・業界紙を含む新聞の全文)

昨年、図書館でご利用できるデータベースについての概要をお配りしましたが、必要な先生方には、再配布しますのでお申し付けください。もし、学生向けの良いデータベースをご存知でしたら図書館にご推薦ください。検討致します。

これまで同様、英語のニュースが2万媒体以上から取れるLEXIS/NEXIS等の利用講習会を実施します。講習会の日程は後日お知らせ致します。恐れ入りますが、学部生のみならず院生にも講習会に参加するようご指導いただければ幸いです。無論、先生がたのご参加も大歓迎です。

4.図書館ツアーの開催例年、4月から6月ごろ、プレゼミやゼミや講義クラス単位などで、図書館ツアーを実施しています。本学年度は既に20組以上のプレゼミなどのご参加をいただいております。図書館ツアーは随時行えますので、ご希望の日時をお知らせください。

5.文献複写の利用杏林大学図書館にない雑誌文献の他大学への複写依頼の多くは、少数の学生と特定の先生方に偏っています。「マガジンプラス」や「CiNii(サイニイ)」というデータベースを利用すると、どういう雑誌にどのような論文・記事があるかわかります。これをもとにして図書館を通じて他大学へ複写の依頼をすることができます。レポートや卒業論文を執筆する学部学生や大学院生にとって大変便利な仕組みですので、講義やゼミ、読解力演習など

で他大学所有の文献利用につき一言ご説明いただければ幸いです。

学生諸君の視野を広げたり、知識を高めたり、卒業後の活躍の準備をしっかりするためにも、図書館の利用につきご指導のほどお願い致します。

学生が図書館をもっと多く利用するために

人文・社会科学図書館 分館長 斎藤 元秀

教員各位

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私達(医学部生化学 永松信哉教授と今泉美佳准教

授ら)は膵β細胞でのインスリン分泌機構をイメージ

ング解析法により解明し、米国の科学雑誌『The

Journal of Cell Biology』5月21日号に報告した。

(http://www.jcb.org/cgi/content/abstract/177/4/695)

食事の摂取により血中グルコース濃度が上昇すると

膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞からインスリン

が2相性(初期相と第2相)に分泌される。特に2型糖

尿病は分泌初期相の低下が引き金となって発症するこ

とから、分泌初期相のメカニズムの解明が強く望まれ

ていた。私達は全反射蛍光顕微鏡(Total Internal

Reflection Fluorescence Microscopy)を用いて膵β細胞

内インスリン貯蔵顆粒のイメージング解析を行なった

結果、分泌初期相では形質膜蛋白質であるシンタキシ

ン1A上にドッキングしているインスリン顆粒からイ

ンスリン分泌がおこり、第2相ではシンタキシン1Aと

の相互作用なしに分泌されることを発見し、インスリ

ン分泌初期相の詳細なメカニズムを初めて明らかにし

た。

実際、2型糖尿病モデル動物であるGKラットではシ

ンタキシン1Aが低下していることから、シンタキシ

ン1Aの発現・機能異常による分泌初期相の低下が2型

糖尿病発症の直接の引き金になっていると考えられ

る。この発見は、従来とは異なった新規の糖尿病薬、

治療法の開発に直結するものであり、今後の研究の展

開が強く期待される。

なお、この研究は本学細胞生理学教室の赤川公朗教

授、藤原智徳講師、臨床検査医学教室の渡邊卓教授、

解剖学教室の川上速人教授、秋元義弘准教授との共同

研究であり、本学の研究者が一丸となって成し遂げた

成果である。

(医学部生化学准教授 今泉 美佳)

医学部生化学教室 永松教授のグループがインスリン分泌のメカニズムを解明

第27回日本医学会総会が2007年4月6日から8日まで

大阪で開催され、医学部生化学教室の永松信哉教授が

糖尿病をテーマにしたシンポジウム「糖尿病はどこま

でわかったか―原因遺伝子と発症メカニズム―」の中

で、「インスリン開口分泌と糖尿病」と題した講演を

行いました。

永松教授は講演で、膵β細胞からのインスリン分泌

の分子機構を明らかにすることは、糖尿病におけるイ

ンスリン分泌不全の病態生理を解明する上でも重要な

課題であることを説明し、全反射蛍光顕微鏡(TIRF

顕微鏡)によるインスリン分泌の可視化画像解析法を

用いて解明されたインスリン分泌の分子機構の最新の

知見(Cell 129:359-70, 2007; J. Cell Biol. 177:695-705,

2007)を発表しました。

糖尿病患者は地球規模で増加し、2025年には3億人

を超えると推定されており、その予防法や革新的治療

法の確立が急がれています。従来法とは異なる画像解

析法を用いたインスリン分泌分子機構解明へのアプロ

ーチは新しい糖尿病薬、治療法の開発に直接つながる

大変画期的な研究であり、講演は注目を集め、活発な

質疑応答も行われました。

今回、永松教授が4年に1度の日本医学会総会におい

て、日本の糖尿病学の5人の代表者の一人に選ばれ講

演したことは、本学の糖尿病基礎研究が日本をリード

していることを如実に示しているものと思われます。

(医学部生化学准教授 今泉 美佳)

永松信哉教授(生化学教室)第27回日本医学会総会で講演

三鷹だより三鷹だより

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昨年9月に引き続き、今年も病理学教室の坂本穆彦

教授とともにメキシコ合衆国子宮頸がんプロジェクト

に参加しました。このプロジェクトは今年が4年目で

最終年度にあたりますが、今回はメキシコ保健省が音

頭をとって南部州のうちゲレロ州(アカプルコ)、べ

ラクルス州(ベラクルス)プエブラ州(プエブラ)の

各地を訪問して各地で用意された診断が難しい症例の

検討会を行いました。坂本穆彦教授はわが国の婦人科

領域の病理診断学における権威のお一人であり、前回

に引き続きメキシコの参加者のみならず私自身もたい

へん勉強になりました。

今後、メキシコ人医師の受け入れや病理学教室から

数人の医師・技師の訪墨が予定されており、今やメキ

シコの婦人科学・病理学の領域では「杏林大学」の名

が大いに広まったといっても過言ではありません。今

年は日本大使や保健省の要人にも面会いただき、坂本

教授から対外協力を行う際の人選の方法として日本の

関連学会との連携を提唱され、大使もJICAに検討を

約束されるなど政治戦略的にも実りの多い訪問でし

た。

(産婦人科准教授 矢島 正純)

再びJICA国際協力「メキシコ子宮頸がんプロジェクト」に参加して

総合周産期母子医療センターが第4回村松志保子助

産師顕彰会特別賞を受賞致しました。

助産師の職能団体である日本助産師会は、助産師独

自の職能団体として今年80周年を迎えた実績のある団

体です。その日本助産師会と関連の深い村松志保子助

産師顕彰会特別賞を受賞することは、大変意義深いこ

とです。これは、明治・大正時代に女医から産婆とな

り、母子の保健衛生に先駆的な働きをした村松志保子

を顕彰し、現代の助産師などの功績を称えるものです。

この賞は、地域医療に長年貢献してきたり、産科医と

連携してチーム医療で妊産婦ケアを行なったり、助産

師外来など施設で助産師の専門性を発揮している助産

師や団体などに送られます。医学部付属病院総合周産

期母子医療センターの助産師は、助産師外来の功績が

認められ特別賞を受賞致しました。

周産期医療は、今まさに危機的状況にあります。産

科医不足に加え、出産できる施設の減少、そして出産

の約半数を行なっているクリニックには助産師が殆ど

勤務していない状況にあります。このような中でオー

プンシステムや院内助産院等様々な試みがされていま

す。私たちはこれまでも母児同室等母子や家族のため

に、助産師ができること、やるべきことを実践してき

ました。そして、正常経過の妊婦のケアを助産師が行

なう助産師外来を平成16年に開始しました。利用者も

年々増加し、利用者満足度調査でも、満足していると

いう回答がほとんどです。

今後は、正常分娩のケアも助産師が中心となって提

供し、産婦やご家族のニーズに応えていけるようにす

ると共に、総合周産期センターの対象であるハイリス

ク妊産褥婦のケアの質も向上させていくため、助産師

が一丸となって取り組んでいきます。

村松志保子助産師顕彰会特別賞を励みとし、次のステ

ップを目指していきたいと思います。

(総合周産期母子医療センター師長 砥石 和子)

総合周産期母子医療センター村松志保子助産師顕彰会特別賞を受賞

メキシコ大使と

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5月12日(土)看護の日に、看護専門学校ではナイ

チンゲール生誕記念講演会を実施しました。テーマは、

「看護の専門性とこれから求められる看護」で、講師に

精神看護専門看護師である河野伸子氏を迎えました。

「手に職を持つという漠然とした理由」で看護学校に

入学されてから、専門看護師を目指されるに至った経

緯、現在の役割や仕事内容、これからの看護について

等お話いただきました。

河野氏は外科病棟の看護師としての経験を重ね、医

療処置的な技術は修得できても「心」を理解して関わる

ことの難しさに悩み、「人の心がわかる知識と技術を

身につけたい」と大学・大学院で学ばれ、現在は精神

専門の病院で看護を実践されています。

講演では専門看護師の6つの役割に基づいた日々の

活動を紹介されました。特に患者様との関わりの実際

では、患者様をせかさず根気強い働きかけで、徐々に

患者様が心を開いていく様子が伝わり、専門的な知識

や技術を実践に活用することでよりよい看護が提供で

きること、それが看護者自身のやりがいに_がること

に気づかされました。これから求められる看護につい

ては、看護実践をする際のよりどころとなる理論の活

用や倫理的な視点から患者の権利を擁護し、自己決定

を支えることが大切であること、そのためには「for

the patientからfrom the patientへ」を強調されました。

ますます質の高い看護が求められる時代、未来の看護

を担う学生達にとってとても有意義な時間でした。

(看護専門学校副校長  大木 順子)

ナイチンゲール生誕記念講演会

活躍する卒業生

峰崎 暁広(社会科学部平成6年卒)株式会社 クラソンズ・ジャパン(宝石輸入・卸・小売会社)

没頭する事・・・・

私は、平成6年に社会科学部(現総合政策学部)を

卒業致しました。現在は、t島屋東京店の宝飾品売場

にショップを設け、関東エリアのt島屋全店舗に商品

を提供する会社の役員をしております。私どもの会社

は、バゲス・マリエラ(Bagues Masriera)というス

ペイン王室ご用達のブランドの日本総代理店を致して

おります。この商品は七宝技術を用いた宝飾品で、非

常に特殊な技法を用いていることから、今ではそのほ

とんどがアンティーク・ジュエリーでしか見られなく

なりました。ヨーロッパ各地の美術館に展示されるほ

どの逸品で、今回私どもが日本で扱った商品はニュー

ヨークのメトロポリタン美術館にも出展されました。

この美術館に出展するにはこの美術館に在籍する学芸

員全員の賛同が必要とされ、今回ガウディ、ピカソ、

ダリといった周知のアーティストのほかにアメリカで

知られるべきアーティストとしてマリエラが選ばれ、

私どもから9点の出展となりました。

また、スペインを訪問する国賓には必ず記念品とし

てプレゼントされますので、日本の皇后陛下がスペイ

ンを訪問された際にもスペイン王室より贈られまし

た。このブランドを主力商品として、来年の秋には関

西エリアのt島屋にも出店し、全国展開を計画してい

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る為、日々奔走しております。

話しは変わりますが、私の大学生活は本当に楽しい

思い出ばかりです。特にゼミやサークル活動、アルバ

イトなど、毎日が大変充実しておりました。今でもゼ

ミの仲間とは会う機会が多く、心の支えとなっており

ます。また、当初よりサービス業に興味がありました

ので、有名フランス料理店で卒業までアルバイトをし

ておりました。このアルバイトで培った本格的な接客

やサービスは、現在の仕事に大変役立っております。

在学生の皆さんには大学生活の4年間で誰にも負けな

いと言えるような事をしていただきたいと思います。

学業、サークル、アルバイト、恋愛、なんでも結構で

す。とにかく途中で投げ出さずに没頭することです。

ある上場企業では、大卒の新入社員が3年以内に

30%近くも退職するそうです。もちろん入社当時は夢

と希望を持って入社したはずです。新入社員に対する

指導や、経営面で企業側に問題があるというよりも、

新入社員が抱く会社への「理想」と「現実」とのギャ

ップに要因があるように思います。

私は社会人としての成功への近道は「楽しい仕事を

する」か「楽しく仕事をする」のどちらかだと思いま

す。残念な事に「楽しい仕事」が簡単に見つかるほど

社会は甘くありません。自分の本意でなくてもまず、

「楽しく仕事をする」という発想転換をしてみること

が大切なのではないでしょうか。私は、金融関係の会

社に内定を頂いておりました。しかし、父の体調が悪

くなり、急遽、父の経営する会社に入社致しました。

心の準備も知識も無いままに宝飾品売り場に立ち、販

売活動をスタートしたのです。入社して5年は本当に

大変な毎日でした。自分に与えられた使命で逃げる事

が許されない状況の中、無我夢中で仕事をこなしまし

た。知識が増え、販売成果が上がり、様々な場面に直

面する中で自信もつき、充実感を味わううちに「楽し

く仕事をする」事ができるようになったように思いま

す。ですから在学生のみなさんには「楽しい仕事」を

求めて早々に諦めるのではなく、目の前にある仕事の

中に楽しみを見出すまでしばらく没頭してほしいと思

います。

私どもの会社は小規模ですが、大企業よりも社員と

の距離が近く一人ひとりの声を直接聞く事ができま

す。私は経営者としてはまだまだ未熟ですが、この利

点を活かし、社員一人ひとりの「理想」を「現実」に

近づける会社を目指したいと考えております。

KRLの近況

KRだよりKRだより

KRL設立以来、あんず誌上にいただいていたKRLだより が

消えて久しくなりますが、KRLが転換期を迎えた今再び誌面を

拝借いたします。

(株)ケイ・アール・ロジスティックス(KRL)は、設立以

来7年間、松田理事長はじめ杏林学園皆様のご理解とご協力をい

ただきながら、会社設立の趣旨である「患者、学生、教職員の

ニーズを的確に把握して各種のサービスを提供しつつ学園に対

し還元をする」を目標に、財政面では過去18億円を還元してき

ました。そしてこのたび、杏林学園の財務状況改善のため、学

園からKRLへ委託されていた多くの業務(保守・修理、メッセ

ンジャー、警備、リネン、物流管理等)が4月1日以降学園によ

る直接管理となって移管されました。この影響は以下に示して

おりますが、将来の対策として大幅な収入増、経費減を実現す

べく取り組んでおり、具体的には、直営店舗(ローソン、売店、

介護ショップ、カフェ及び理美容室)の売上げ・利益を5%増や

すとともに、生命・損害保険、自販機、駐車場、借上げ寮管理

等受託事業においてより改善すべく諸施策を実行しております。

これら目標の達成には学園関係者のご協力が不可欠であります

ので切にお願い申し上げます。

一方、新規事業開拓のため開発部をスタートさせ、開発部最

初の成果として6月からある病院(150床)での売店運営を開始

しました。

また経費を削減するために全項目についてゼロベースから見

直しておりますが、経費のうち最も比率の高い人件費について

は役員給与の15%カットを手始めに、ボーナスの引き下げ、人

員削減そして事務所経費の効率化に着手しました。

次の数字はKRLの経営状況の過去・現在そして当面の目標

です。

第8期上半期 第8期下半期見通し 1年後目標

(千円/月平均) (18/10/1~19/3/31) (19年4月以降) (20年4月)

売 上 高 223,816 65,117 70,000

売上総利益 38,431 29,427 31,000

一般管理費: 34,460 29,784 29,000

営業利益 3,971 ▲ 357 2,000

この7年間順調に発展してきたKRLにとりまして設立以来始め

て経験する試練でありますが、会社の目的は「Go i n g

Concern」=会社の存続であり、社員一人ひとりが採算意識を持

って仕事へ取り組むことによって「ピンチをチャンスに」、KRL

にとりましては変革の絶好の機会であると考えております。

良い会社、信頼される企業は自分たち一人ひとりがつくり上

げるものと自覚して、KRL設立の原点であります杏林学園への

財政支援と患者、学生、教職員の要望に応えるサービスを提供

出来るよう努力いたしますので杏林学園の皆様の変わらぬご支

援をお願い申し上げます。

(代表取締役 村田 晋一)

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本学外国語学部の開設にご尽力なされ、初代学

部長をお勤めになった伊藤清司先生が、6月16日

ご逝去なさいました。83歳でした。

昨年8月、長野に来ているから、という電話を

頂戴して早速甲府から車で別荘へ伺うと、今回先

生は、奥様と小学生のお孫さんを伴っておいでで、

すこしお痩せになったようでしたが、すこぶるお

元気で、その日ご自分で補修したというベランダ

の箇所を示されました。森の中のレストランで夕

食をご馳走になりながら、楽しい時間を過ごさせ

ていただき、又伺うことを約してお別れしました

が、これが最後になろうとは夢だにしないことで

した。

10月であったと思いますが、急に歩くのが困難

になったというお電話を頂きました。白血病のよ

うなもので、いまアメリカから次の抗癌剤が届く

のを待っている状態であり、また治療が始まると

あまり人に会えなくなるかもしれない、というこ

とでした。

その後、八王子キャンパスの「イノシシに注意」

の看板を映し込んだ近影やら、第一期生卒業記念

の枝垂桜の写真やら用意して見ていただこうと思

っていましたが、結局果たせませんでした。

いま先生の年譜を拝見しますと、慶應義塾大学

在学中に応召、陸軍輜重兵学校に入学されていま

す。ガソリンが十分になく、トラックを九段坂の

上に押し上げては、下りながら運転の練習をさせ

られたという話は、この頃のことです。

敗戦、卒業後、一旦郷里の岩手県に奉職したの

ち上京、29歳で大学院に進まれ、今日に至る中国

と日本の説話の比較研究が始まったわけですが、

「私は書斎にいる父の背中を見て育った」とご子

息が述懐されるように、研究三昧のご一生だった

と思います。先生は、勉強に疲れた時にするとい

う、太極拳の「ショワイショウ」という動作に似

た、左右の腕を激しく振りながら肩を叩く運動を

見せてくれたことがありました。

慶應義塾の教授を退任されて、1988年わが外国

語学部をまさに手作りの感で開設され、学部長と

して運営にあたられました。実に真摯に話を聞い

てくださり、電話でも老若隔てない丁寧な応対は、

こちらが恐縮するくらいでした。

外国語学部の、形式ばらない自由な雰囲気は、

先生がおつくりになったものとおもいます。

6月18日夜、お線香を上げにご自宅に伺うと、

まるで眠るが如く、生前と同じく慈愛に満ちた大

変安らかなお顔をされていました。難しいご病気

と闘いながら、女医である奥様のご看病を得て、

先生はどんなにか心強かったことでしょうか。帰

りがけ、先生の書斎を拝見すると整頓された机の

上には、書きかけだという原稿がいくつも、封筒

に入って置かれていました。最後まで執筆の意欲

をお持ちだったということでした。

生前のご指導に感謝申し上げるとともに、心か

らご冥福をお祈り申し上げます。

〈外国語学部 教授 中村 信幸〉

初代外国語学部長 伊藤清司先生を偲ぶ

Page 20: No.360 6・7月号

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路面に雨が残っているバイクレースでは集団走行で

転倒者も続発しました。

しかも大会は午後から快晴となり雨、雷、炎天下の

予想外の超過酷な条件となりました。

医療班は競技終了間際が最も忙しくなり、ぎりぎり

完走者もしくは途中で足切りになった選手に熱中症、

低体温、低血糖、脱水、けいれんなどの症例が多く発

生しました。バイクによる転倒では上肢の骨折、打撲、

擦過傷などが頻発します。

大会当日ドクターは朝5時ごろから活動を開始して、

夜11時まで救護と応援、最後に救護機材の撤収作業と、

ドクターにとっても一日がかりの鉄人レースでありま

した。

0:00を越えた頃にやっと打ち上げ反省会が行なわ

れ、冷えたオリオンビールの旨いこと!

この一杯がまた来年も参加したいと思わせてくれま

す。

宮古島トライアスロン大会

第23回全日本トライアスロン宮古島大会(別名鉄人

レース)は2007年4月22日に沖縄県宮古島で開催され

ました。参加11カ国1398人がエントリーして、スイム

(海での水泳)3km、バイク(自転車で島2周)155km、

最後はフルマラソン42.195kmを一人で総合200.195km

を走破する、最も過酷なスポーツ競技大会です。その

ため医療スタッフ、設備、システムの整備は早くから

行なわれ、豊富な経験を元に医療チームは編成されて

きました。にもかかわらず、過去に溺死例なども経験

したため現在では再編成され、より高度な遠隔医療の

実践場でもあります。

医療救護部の総責任者は杏林大学医学部出身の砂川

伊弘先生(79年卒、宮古島市砂川内科院長)です。

本学からは医療救護ボランティアとして10回以上の

参加を数える安部学先生(82年卒、目白第2病院長)、

仲宗根竜也先生(那覇市)と小生(80年卒)が参加し

ました(さらに宮古島の全ての医療機関以外に、島外

から25名のドクターが参加)。

特筆すべきは同窓の伊藤尚真先生(94年卒、目白第

2病院副院長)が選手として参加、2回目の出場で368

位と大健闘、見事完走されました、10時間58分の好タ

イムに一同驚き。

大会は朝7:30スイムスタートで最後のマラソン終了

は夜の9:00であり、約15時間の長丁場でした。案の

定、大会当日は早朝から雷雨となり過酷な条件下での

スタートになり、早速水泳レース中に溺水の選手が発

生したため救急搬送されました。

文化・スポーツ文化・スポーツ

医学部整形外科非常勤講師 林 光俊

卒業生の健闘

バイク(自転車)競技で力走する伊藤先生

医療救護スタッフ、左から仲宗根先生、安部先生、砂川先生、筆者

Page 21: No.360 6・7月号

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外国語学部4年生の藤田さん「世界大学生中国語スピーチコンテスト」で2位

5月13日(日)にJR八王子駅北口ユーロードで学生

天国が開催されました。学生天国とは、八王子学生委

員会という八王子市内の大学に通う学生達の組織が実

施する合同学園祭です。今年は3回目で、市内にある

大学のサークルやゼミなどが、展示、模擬店、ダンス

や演奏などのパフォーマンスなど様々な形で参加して

いました。

この学生天国で、私のゼミは、HIV/エイズに関す

る情報提供を行いました。今年で2回目の参加なので

すが、昨年と同様に、ゼミで作ったHIV/エイズクイ

ズに答えてもらったあとに、HIV/エイズに関するパ

ンフレットとコンドームを配布しました。

また、今年は、HIV/エイズに関するシミュレーシ

ョンゲームや水を使ったHIV感染の疑似体験、コンド

ームの正しい装着方法のデモンストレーションも行い

ました。3年生が中心となり企画・準備を行い、当日

は2~4年生30人が参加しました。天気にも恵まれ、多

くの方にHIV/エイズに関する情報を提供することが

できたと思います。

今回の企画を行うに当たり、八王子市保健所、日本

エイズ財団、(株)オカモト、(株)相模ゴム工業、

(株)不二ラテックスから協賛をいただきました。あ

りがとうございました。

(総合政策学部准教授 北島 勉)

北島研究会が八王子学生天国に参加

第6回「漢語橋」世界大学生中国語スピーチコンテ

スト東京エリア予選大会(第3回桜美林大学中国語ス

ピーチコンテスト中・上級の部同時開催)が6月3日に

桜美林大学で開かれ、外国語学部4年の藤田由香利さ

んが第2位に入賞しました。

優勝者は8月に北京で行なわれる50数カ国からの代

表と競う本大会に出場できるというもので、藤田さん

はあと一歩及びませんでしたが、立派な成績を残しま

した。

一次審査を経て出場した7人のうち、杏林生は3名

(4年2名、3年1名)。その他は麗澤大学2名、慶応大学1

名、桜美林孔子学院1名でした。出場者はスピーチの

ほかに、中国に関する知識を問う中国語での質疑応答、

その場で題を与えられての1分間スピーチ、中国文化

技芸の披露の4種目の総合力で競い合いました。杏林

生3名は内容的にも表現もたいへん優れたもので、初

参加の杏林大学の存在を一気に知らしめるものとなり

ました。

同日行なわれた「初級の部」には60名近くがエント

リー(本学からは5名が応募)し、一次審査合格の25

名が出場。本学の外国語学部の2年生も1名出場し、入

賞はなりませんでしたが、基本に忠実な好感のもてる

よいスピーチで、存在感を示してくれました。

1回目の大会から審査員を務め、今年の4月からは本

学で教鞭をとっている塚本慶一教授は、杏林生のでき

ばえについて「今まで出場しなかったのが不思議なほ

ど、しっかりした基礎力と覇気を持った学生たちです。

今後の発展が楽しみです。」と語っておられました。

参加した学生たちは、この活動を通じて大いに力を

伸ばし、また更なる努力目標を得て意欲に燃えていま

す。後に続こうという後輩たちの声も聞かれます。今

後の一層の成果を期待したいと思います。

(外国語学部教授 塚本 尋)

左から、塚本慶一先生、藤田由香利さん、村田萌さん(3年)、池田尚弘君(4年)、嶋崎雄輔君(2年)

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別科校外研修今年の校外研修には留学生22名、引率者2名が参加し、山梨県立リニア見学センター及び葛野川発電所を見学し

ました。国内最大級の揚水式発電所である葛野川発電所ではその高い技術に驚かされるとともに、ダムの壮大な

景観を目の当たりにし、留学生たちは思い思いに写真を撮っていました。また、昼食は日本三奇橋の一つ、猿橋

の袂にある老舗「大黒屋」で頂きました。昔から多くの旅人が行き交った場所です。人と歴史と自然、それぞれ

の大切さを感じる旅となりました。(外国語学部講師 嵐 洋子)

見学に行こう 廉 雪晨

6月8日、留学生たちは朝9時に学校に集まってバス

に乗って見学に行った。1時間ぐらいかかって山梨県

立リニア見学センターに着いた。

2階の展示室で、今進められているリニアの実験の

様子や歴史、中央エクスプレスの計画などいろいろな

ことを知った。3階の展望室でリニアの試験中の状況

や「走行表示モニター」で速度等のお知らせも見られ

るし、そのフロアからリニアを目の前で見ることもで

きる。最後にセンターの外で写真撮影用のリニア模型

といっしょにきれいな写真をとった。そしてリニアの

実物大模型に入り車内の雰囲気を体験できた。とても

よかった。

ふれあい看護体験参加者からお礼状

5月11日に付属病院で東京都・東京都看護協会共催事業の一環として「ふれあい看護体験」が実施されまし

た。この看護体験に参加した2人の高校生から看護体験の感想と感謝のお礼の手紙が寄せられましたので一部

抜粋して紹介します。

見学させていただいた産科では、新しい生命を見守る職場で多くの方々のお話を伺い、看護師や助産師の仕事の大変さや、やりがいなどを実感として理解することができ、大変勉強になりました。助産師の方の数が多く、患者さん一人一人に対して丁寧に接していらっしゃる中、患者さんからの信頼も厚いように感じました。また事務職の方の多さが働きやすさに繋がっているとお伺いしました。患者さんに安心感を与え、また職員の方々にとっても働きやすい環境だと思いました。平成19年5月22日東京都立上水高等学校   河田 優子

内科を見学させていただき、多くの方々のお話を伺い、ご指導を受け、看護の仕事の内容や大変さ、やりがいなどを実感として理解することができ、大変勉強になりました。内科は特に患者さんの症状がさまざまで、一人ひとりに合った看護をすることがとても大変だと感じました。患者さんにとって入院することは淋しく不安なことですが、それを感じさせない温かな看護でした。そのような看護の中で、看護師の方々がどんなに忙しくても笑顔を絶やさないことが今も一番印象に残っています。平成19年5月22日東京都立上水高等学校   新井 佳那

残念ながら私は車に酔ってしまったのでいい思い出

もあるしよくない思い出もあるが、いろいろな経験が

できた。だからもしよかったらみなさんも見学に行こ

う。

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9月1日の「防災の日」は、今から84年前の大正12

年に全壊家屋棟数約57万6千棟、死者約14万2千人と

いう関東大震災が発生した日です。

この日を中心として防災週間が定められ、全国的

に防災に関する様々な行事が実施されるようになり

ました。

突然、大きな地震に襲われたとき、私たちは適切

な行動がとれるでしょうか。

平成7年1月17日、多くの人々の大切な命と貴重な

財産を奪った阪神・淡路大震災も人々の記憶から薄

れつつありますが、防災週間をとらえて、各職場の

身の回りの「安全」再確認をしましょう。

平成15年7月26日に発生した「宮城県北部を震源

とする地震」では、家具類の転倒や落下物による負

傷者が約5割を占めました。また平成15年9月26日に

発生した「十勝沖地震」においても、家具類の転倒

や落下物による負傷者が多数発生しました。

これらの地震災害から、地震時における受傷事故

を防止するための貴重な教訓として「1、まず身の

安全を確保する。2、あわてず落ち着いて行動する。」

の2点があげられます。

東京都では、平成18年3月に南関東地域における

直下地震の切迫性や阪神・淡路大震災の教訓を踏ま

えた被害の想定を行いました。その中で三鷹市が最

も被害を受けると予想される、多摩直下地震の調査

結果が次のとおり発表されました。

=防災週間=8月30日(木)~9月5日(水)

項   目 東  京  都 三  鷹  市

建 物 被 害全壊棟数 約5万2千棟 全壊棟数    878棟半壊棟数 約30万3千棟出火件数 932件 出火件数 13件

火 災 被 害 焼失面積 約81.3k㎡ 焼失面積   3.61k㎡焼失棟数 約29万3千棟 焼失棟数  11,034棟

人 的 被 害死 者 3,365人 死  者    41人負 傷 者 85,889人 負 傷 者   1,701人帰宅困難者 約392万人 帰宅困難者 18,686人

社会生活上の被害エレベーター閉じ込め台数 7,714台 エレベーター閉じ込め台数 50台

[想定条件]

・ 気象条件:冬の夕方18時、風速6m/s

・ 規  模:マグニチュード7.3、震度6強

以上、三鷹市内を含め近隣においても相当の被

害が予想されるため、杏林大学病院についても、

災害時拠点病院として早期の診療体制を確保して

総力を挙げて負傷者の受け入れ態勢をとることと

なります。

又、9月1日(土)は、杏林学園三鷹キャンパス

の総合防災訓練を予定しています。実施時間、内

容等については別途通知致します。

(総務部 田代 良定)

*東京都防災会議地震部会「首都直下地震による被害想定」平成18年3月

議案・報告

5月の理事会・評議員会

・平成18年度事業報告書について

・平成18年度決算について

・ CTスキャナー(教育研究機器)の更新について

・浙江工業大学及び杭州師範大学との学術交流協定の締結について[報告]

・ 学事報告(入学者数・国家試験結果)[報告]について

・杏林学園職員就業規則の一部改正について

平成19年5月28日(月)

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疫学的手法を用いた調査研究は、公衆衛生学分野のみならず臨床各科におけるいわゆる臨床研究でも日常茶飯に取り組みがなされるものであり、すべての医師にとって、疫学に関する正しい知識の習得は必須事項ともいえるものである。本書は、コンパクトではあるが、疫学的手法を用いた研究を実際にこれから実施しようと企画している人の立場にたって、必要事項や注意点をできるだけ網羅的に、かついろいろな角度からかなり掘り下げて記したものである。標題に示されるごとく、疫学に関する理論的記述と併せて、実践的立場からの事例研究や演習問題も盛り込み、読者の理解を得やすくすることに配慮を施してある。疫学の入門書かつ実用書としてぜひ活用していただければと思う。

学園関係著作物の紹介

疫学の理論と実践編著 高島 豊

医学部衛生学公衆衛生学教授著者 照屋浩司 保健学部教授 ほか出版 杏林書院定価 1,500円+税発行 2007年4月20日

公的役職の紹介

氏名 所属・職階 機関名 役職名 任 期副島 昭典 保健学部

臨床工学科教授透析療法合同専門委員会 透析技術認定士認定試験委員 H18.6~3年間

厚生労働省 医療技術参与 H19.1~3年間環境省 重金属の健康影響に関する総合

研究 主任研究者(再任)H19~3年間

環境省 カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会委員(再任)

H19.4~1年間

林 光俊 医学部財団法人日本オリンピック委員会 H19年度

非常勤講師

各種助成金

平成19年度消防防災科学技術研究推進制度

氏  名 所属・役職 研究課題 助成金額

山口芳裕 医学部救急医学・教授 心肺蘇生中の心電図解析に基づく抽出波形の早期認知システムの開発

(19年度委託額)18,999,500円

H19年度日本オリンピック委員会強化スタッフ(バレーボール)

ソ連から独立間もないカザフスタンに筆者が初代日本国大使として駐在した1993年から1998年までの、大使館事務所と公邸の立ち上げや生身の外交官としての生活の苦労話、セミバラチンスク核実験場やバイコヌール宇宙基地など各地への視察、カザルバーエフ大統領の初訪日、カザフスタンの歴史や政治経済事情、日本との関係をとりまとめた部分(第1章から第4章)と2006年9月に再訪した記録をまとめた部分(第5章)から成り、10年の間にカザフスタン(大鷲に例えられている)は中央アジアの重要な国(日本にとっては資源大国)に成長して世界に向かって飛び立ったと結んでいる。

初代大使が見たカザフスタン著者 松井 啓

総合政策学部客員教授出版 めるくまーる定価 1,800円+税発行 2007年6月頁数 224ページ

このコーナーは皆さまからの情報提供により構成されています。 広報・企画調査室 [email protected]

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寄付金・物件寄付申込者芳名

教育研究寄付金金40,000円 寺本憲司様金40,000円     磯田雄一様金40,000円     平岡靖隆様金200,000円 森 周二様

名前のみ掲載      長澤俊彦様匿名寄付 15件

新外科病棟建設寄付金金100,000円      川r哲也様金200,000円      小林正資様金100,000円      小関真市様金100,000円      多田 渉様金200,000円      平岡 隆様金100,000円      内田徹也様金1,000,000円     関 英雄様金150,000円 古谷孝男様金200,000円 金 英哲様金50,000円       佐久間祝子様

金150,000円 田渕啓樹様金1,000,000円 東芝メディカルシステムズ株式会社様名前のみ掲載

笠置 康様佐賀和雅様平形明人様竹内医院様

角田内科医院様光製薬株式会社様

株式会社クラヤ三星堂様一般寄付金(教室分)匿名寄付金12件  12,500,000円(産婦人科学、外科学、耳鼻咽喉科学、整形外科学、第一内科学、第三内科学、泌尿器科学、病理学)一般寄付金(教室分)匿名寄付金9件   5,000,000円(高齢医学、小児科学、第二内科学、精神神経科学、産婦人科学、外科学、形成外科学)

◆寄付金申込者芳名(4・5月分)

このたびは本学園の募金事業等にご理解をいただき、多大なるご支援を賜り誠にありがとうございます。皆様からのご寄付はご芳志に沿って、有効に活用させていただきます。

◆物品寄付申込者芳名    (平成19年4・5月分)

シュレッダー 1台 (看護専門学校第二校舎2F) 医学部付属看護専門学校30回生卒業生一同様姿見 1枚 (八王子校舎K棟1~2Fの踊場) 保健学部25期卒業生一同様

名前のみ掲載 ユニオンメディカル株式会社様

学生デザインの杏林大学グッズが完成

アメニティ検討委員会は八王子キャンパスの学生生活がより楽しくより充実したものになるように改善していくために、学生や教職員から寄せられたさまざまな提案を実現させるために活動をしています。その活動の一つが「学生によるイベント企画の実施とグッズの制作」

で、今回兼ねてから準備していた学生デザインによる、タオルとクラッチバッグが完成し、7月2日より八王子キャンパスのK-Shopで販売を開始しました。タオルはグリーンとピンクの2種類で、「あんず」をモチーフにした

可愛らしいキャラクターがデザインされています。クラッチバッグはホワイトとブラックの2色で、ロゴと大学名がシルバーでデザインされたお洒落なものです。大学生の間では教科書など入れるのに便利なクラッチバッグが、本学グッズとしてやっと登場しました。6月27日に完成品の披露が行われ、タオルをデザインした外国語学

部4年生の山岸未菜さんとクラッチバッグをデザインした同学部4年生の小野田晃浩さんに、アメニティ検討委員会委員長の外国語学部・黒田有子教授より感謝状が送られました。

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発 行  平成 19 年 7 月 20 日

あんず編集委員会

東京都三鷹市新川6- 20 -2

連絡先  TEL 0422-(44)-0611 広報・企画調査室

このコーナーは皆さまからの情報提供により構成されています。広報・企画調査室 [email protected]

教職員メディア情報 新聞・雑誌・テレビなどマスコミの取材を受け、テレビに出演したりあるい

は記事に掲載された教職員の皆さまを各号でご紹介します。

よむ・き

く・みる・

4月26日産経新聞

胎児の命、守りたい NPO法人「円ブリオ基金」 妊娠相談など実施

赤ちゃんポスト設置について他国の例を挙げてコメント

日経WagaMaga塗り絵が様変わり ゲーム機・PCで脳トレ

古賀教授監修の塗り絵、ストレス解消や認知症の予防に役立つと紹介

5月16日

NIKKEI NET

六条大麦を原料とした麦茶の香りにリラックス効果が期待!!-カゴメ、杏林大学との共同研究-六条大麦を原料とした麦茶の香りにリラックス効果が期待できたとコメント

佐藤善宣

医学部教授

古賀良彦

医学部教授

豊島典雄

総合政策学部教授

5月30日NHKラジオ第一放送

「くらしの健康相談」

消化器内科に関する電話相談を行う

脳卒中センターJapan Medicine

3月23日号

変わる脳卒中医療(第2回) チーム医療の効果をデータで裏付け

開設以来の当センターでの実績と取り組みを脊山助教が紹介

5月28日

東京FM放送

松岡利勝・農水相の自殺松岡利勝・農水相の自殺の安倍内閣と7月の参院選挙への影響について二回解説

6月9日

SANSPO.COM

軽症うつ病 ささいなことでイライラ危険

軽症うつ病の原因などを解説

6月5日栃木テレビ

7月の参議院議員選挙について

7月の参院選挙の政策的争点と与野党の選挙戦略について二回解説

6月4日~7月23日

NHK教育

「知るを楽しむこの人この世界:日本語のカタチとココロ」

日本語の構造や日本語の持つおもしろさを独自の視点で解説する

金田一秀穂

外国語学部教授

高橋信一

医学部教授

6月7日

産経新聞

正論 国際政治の潮流に逆行するロシア

ロシアに対して欧州各国で広がる不信感や国際的批判を解説

7月7日

産経新聞

正論 小池防衛相は国防の根幹に取り組め

日本周辺の危機に防衛省はどう対応すべきか

田久保忠衛

杏林大学客員教授

6月19日産経新聞

胃がんの元凶 ピロリ菌 予防や治療前進へ道ピロリ菌発生メカニズムの一端が解明されたことを受け、今後の胃がん予防と治療を解説

6月9日

SANSPO.COM

週刊読売ウィークリー

6月17日号

病院の実力:全国201病院肺がん手術実績

本院は年間(2006年)68件もの手術を実施したと紹介杏林大学病院

軽症うつ病 ささいなことでイライラ危険

うつ病、単極性うつ病の説明と治療方法の紹介

田島 治

保健学部教授

ITmedia

エンタープライズ

Windows Live@eduを採用する国内の大学も「Windows Live@edu」を本学が採用決定。在学生・卒業生が自宅や携帯からも使えるメールアドレスが持てるようになる他、在学生・卒業生のコミュニケーションが活発になる。

杏林大学

6月20日

産経新聞

体の悩み聞いて効く 声帯ポリープ

声帯ポリープの症状・検査・治療法について解説

甲能直幸

医学部教授

6月20日

ニッケイ新聞

ブラジル憲法「犯罪人引渡禁止規定」理解のために

ブラジルの現行刑法などを解説

佐藤美由紀

総合政策学部准教授