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Title パラフェニレンジイソシアネート系ポリウレタンの構造と物性及びその応用
Author(s) 笠崎, 敏明
Citation (2003-03-31)
Issue Date 2003-03-31
URL http://hdl.handle.net/10069/6901
Right
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
パラフェニレンジイソシアネート系ポリウレタンの構造と物性
及びその応用
第1章 緒論
1.1 本研究の目的
ポリウレタンは、ドイツのOttoBayer1)によって発明されて以来、
高機能性材料として、軟質・硬質フォームをはじめ、エラストマー、
塗料、接着剤、合成・人工皮革、塗膜防水材、シーリング材などの
建築土木章材、あるいは弾性繊維にいたるまでその用途は多岐にわ
たっている。
ポリウレタンは、ウレタン結合を含むポリマーの総称であり、そ
の構造に、ウレタン結合の他に、イソシアネートと活性水素から生
成されるウレア結合、ビウレット結合、アロハネート結合などの極
性基及びポリオールなどの活性水素化合物に含まれるエーテル基や
エステル基などを含む。ポリマーの中で、ポリウレタンは、多種多
様な分子設計が出来る材料として有用であり、様々応用展開が期待
できる。その中で、ポリウレタンエラストマーは、プラスチックの
強度とゴムの弾性を共に必要とされる分野に応用され、強靱性、耐
摩耗性、耐薬品性、耐荷重特性の特徴を共に兼ね備えている。
一般に用いられるポリウレタンエラストマーは、イソシアネート
と鎖延長剤から生じるウレタン基あるいはウレア基からなるハード
セグメントとポリオールからなる屈曲性の高いソフトセグメントよ
り構成されている。ハードセグメントは、室温より非常に高い融点
を持ち、水素結合によって凝集し、物理架橋として作用する。ソフ
トセグメントは、エーテル基、エステル基、カーボネート基などを
含み、室温以下のガラス転移を持つセグメントで弾性要素として働
く。ポリウレタンエラストマーの優れた力学特性は、ハードセグメ
ント中に含まれるジイソシアネートと鎖延長剤の種類に大きく依存
し、ハードセグメントとソフトセグメントのドメイン分布の存在や
一1一
凝集構造により、大きく影響する。
イソシアネートとしてパラフェニレンジイソシアネート(P PD
l)を使用すると、トリレンジイソシアナート(T D l)、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MD I)などからでは、得られない高
度の耐熱性、高機能性エラストマーが期待できる。この性能は、P
P D lが、ベンゼン環にイソシアネート基が直接対称位に結合して
おり、かつ他の側鎖がないという化学的構造に起因している。この
性能に要求されるイソシアネート原料として、ナフチレンジイソシ
アネート(1,5-NDl)やトリジンジイソシアネート(TOPl)
が現在使用されているが、1,5-N D lやT OD lと比べて少量の
使用量でこれらと同等または、それ以上の性能が期待できる。
P P D l系ポリウレタンエラストマーの特徴としては、従来のポ
リウレタンの特性に加えて更に
①②③④
耐熱性が優れている。
低温領域を含め温度による物性変化が小さい。
引き裂き強度が優れている
反発弾性が優れている
などの性質をもち、各種ベルト、ロール、キャスター、ソリッドタ
イヤ、トナーブレード、オイルシール、防振ゴムなどの産業資材、
機械部品などに利用できる。
本研究では、ポリウレタンエラストマーの高機能性及び耐熱性の
向上を目的として、イソシアネートとして、PPD l(パラフエニ
レンジイソシアネート)を取り上げ、このイソシアネートからなる
ポリウレタンエラストマーの相構造と力学特性、及び耐熱性の関係
を調べた。また、このウレタンを使用した応用についても評価した。
応用としては、伝導ベルト、アクチュエーターなどを取り上げた。
伝導ベルトに関しては、複合体としての歯付きベルトでの耐熱特性
の研究、及びポリウレタン単体ベルトにおける耐引き裂き性、耐摩
耗性について研究した。また、アクチュエーターに関しては、ソフ
トマテリアルであるエラストマーの特性を生かしたポリウレタンに
おける電場応答性とポリウレタンの分子構造との関係を研究した。
一2一
.2 既存の研究
.2.1 P P D lの化学
ポリウレタン産業の誕生以来、性能を向上すべくいろいろなイソ
シアネートが研究された。実験室的には、イソシアネートの合成の
歴史は古く、その最初は、1894年、Wurtzにより、アルキル硫酸
とシアン酸カリの反応で脂肪族イソシアネートが合成されたことに
遡る。
P PD lとC H D1(シクロヘキサンジイソシアネート)の合成
法は、191・3年2)に発表されており、一歴史的には古い公知の方法
である。しかしながら有機ジイソシアネートが工業的に用いられる
ようになったのは、1937年以降のことである。実験的には、古
くから知られているカルボン酸アジドを経るCurtius転位法、ヒド
ロキサム酸のLossen転位法、酸アミ.ドのHofmann転位法及び複分解
による方法など種々の方法があるが、工業的にはHentscheIによっ
て見出されたアミンのホスゲン化法3)が一般的である。
本研究で用いるP P D lは、1950年代頃より、断続的に商業
生産が試みられてきた。AKZ O社は、1980年代に、P PD1、
C H D Iをホスゲンを用いずHofmann転位法で製造する技術を開発
した4)。デュポン社も、ホスゲン化法により、商業的供給を可能と
した。また、国内では、日本曹達㈱によって、冷熱二段ホスゲン法
によりパラフェニ・レンジアミンを反応させた後、晶析法により高純
度のP P D Iを得る製造法が報告されている5)。
P P D Iの反応性について、Frishらによって、ウレタン形成、ウ
レア形成、トリマー化形成における反応性が、TabIe16)に示すよう
に、各種イソシアネートと比較し研究されている。
MD lを1とした場合のP P D lの相対的反応性を、Fig.1~3
に示す6)。ウレタン形成反応時(50。C,トルエン中におけるブチ
ルアルコールとの反応の場合)では、
PPD l=MDl=ND l=CHDI=I PDI:HMD I =1. 85=1=0.37=0.28:0. 15:0. 13
一3一
CHD l
HMD l
I
,
h~・;~~/i7FI~~tF・e;4')~/7;h- h. I PD I ; 4 )7l~rlJv4 ):/7;h- h
~;~/i7 Fl ~+SljL/ ~l :/~;4 ')~/7;h- h
Table I Reaction rates of catalyzed diisocyanate reactions6).
Reaction Canditions
Urethane Urea C clotrimeri5!ation
roxyl coupanents iocyaJaate ily8 t
n-BuOH 0.12 role l~l
R(NCO)2 O.06 Iaole k8 Il
T 12 ~ - 0.0OQ2 role l
H20 0.12 mole l~l R(NCO)2 0.12 mole kg~l
DABCO 0.004 mole l~1 R(NCO)2 0.28 mole kg~l Polycat 41 0.0025 mole l~l
・ent Taluene Cellosolve aeetate Butyl acet:ate
,erature , ac 50 50 40
Reaction R8te and Act:ivarien Energies
roc anates kexp (A) AE t~ a l IDole~11Rin~1 keal nin
kexp (A) , AE t~ a 1 Iole~Imin~1 kcal min kexp (A) t~ bE a l Inole~Imin~1 Inin kcal
'henylene 9.12(8.~6rl08 1.8 Il 76 O.43(5.95xlo3) 19 ' 6.19 O . 0675 (6 . 34xl07) 53 12 . 87
i~taphthalene l.81 9.2 o.29 29 ~ ' ~)iphenyl-:hane 4.93 3.4 0.20 42 o . 045 79 Lns~yelohexane- l.40(1.57xl012) Il 9 17.78 O 002(1 4lxl06) 3623 13.12 O.OOll(2.O5xl04) 3247 IO 37
Ppharcne o . 73 22 . 8 O . OO 1 8O89 o . OO06 6374 :hylene'b i8 0.64 26.0 O . OO 1 8226 o . O006 6 374 :lohexyl
・~2:dibutyltin dilaurate ,BCO: diazabicyclo(2.2.2)oatane
tlycat 41: N ,1(1 .N"-tris(dinethylaminoprapyl)hexahydratriazine
rl
~ i
D'
~b ~,
,,f
20
lo
o
P /
d'
l
/
l
d'
a"~ ll /
Q, l l
/ /// _.._ l
q l
l/A _ l
6 -l l
[R(NCO]2] - O.O6 g [n-BuO,t] * O.al2 g
tT-]2t - 0.0002 g
_ dD~
,Rolellegt
molelll malell .
O
Cl
A
A
- C]~
PPD:
,1DI
CttDI
IPDI
il,1DI
,1DI
,:l
o
Fig. 1
lo
*i~. .i~.
Second order plot for reaction
and n-butanol in toluene 6).
15
of diisocyanates
-4-
5
0 0
β
〇一〇5ひ旦
一- 鴛
Oo
ノーφ戸
7,Pd’
lR‘闘CO,2DO・12gm。1e/kg3
〔髄20】=O・12gmole/13
1D瓦BCO!暑0.OO4g皿01e!1.
畠 ・1 ロー一鵬 1 100 200 Tim馬皿iれ
● PPDエ
O MDI
■ CHDI
口 IP肛
△ ㎜1
▲ 四D:
口___口
300
F塘.2 Second order plot f旋)r reaction of d五sOcyanates
andwaterincel16solveacetate6).
ウレア形成反塔時(50。C,セ自ソルブアセデート中における水と
の反応の場合).では、
PP・Dl=NDl=MDl.’=CHDI=I PDl:HMbl・ =2.15:1.45=1:0.01=一〇.005:0.0’05
1.5
Loマリ
望
=ヨ
!ハサo
oりoo o.5
oo
● PPDl O,MDl ⊆) ■ CHDl ノ ” . 口 IPDI
,’ ! △ HMDl σ , ,’ ,ヂ ,’ 4 6 ノ「 ずず ず ’ノo
♂6.榊一.、一一..一.......昏.....一...二哩=二二二訂
丁加繋踊二“.
Fig,3 ,』血erj喀ation reaction of(hi80cyanates血1bロ敏l aceta㊥6).
一5一
トリマー化反応時では、
PPDI=MD置=CHDl:l PDl=HMDl =1.5=1=0.024=0.013:0.013
P PD Iのウレタン化及びウレア化速度は、MD lの約2倍であり、
高反応性イソシアネートと報告されている。
Moorら7)によって、P PD口の反応性とプレポリマーの安定性が
報告されている。P P D lの特性の1つに加工性が良いことがあげ
られる。PPD lは、分子構造上対称であるが、各イソシアネート
の反応性は異なる。TabIe2に、4一メトキシー1一ブタノールを標準
反応物として、P P D lの2つのイ’ソシアネート基の反応速度比が
報告されている。他のイソシアネートに比べP PD lが最も反応速
度比が大きい。また、Cooperら8)によっても反応速度データが報告
されている。
Table2 Relative reactivity of isocyan.ate groups7)・
lsocyanate k1/k2(。C)
PPDl
蘭Dl
NDl
HDl
12.1(25)
3.2(30)
3.5(30)
2.0(40)
また、Singhら9)は、P P D lから高性能な熱可塑性ポリウレタン
及びキャスタブルポリウレタンエラストマーが得られることを報告
している。その中でP PD lモノマーの特徴として、その蒸気圧は、
TDlと同様であり、2つのイソシアネートは、反応性が大きく異
なり、プレポリマーを合成する際に適切であると述べている。
.2、2 P PD I系ポリウレタンの物性
.2.2、1 P P D l系ウレタンプレポリマーの特性
ポリウレタンエラストマーの合成方法はいくつかあるが、本研究
一6一
に関連する注型タイプのウレタン系エラストマーは、それぞれFiξ.
4(a),4(b)に示すようなプレポリマー法やワンショット法により合成さ’れる10)。
PolyoI
Polyesteror HO OH polyether
OCN NCO OCN NCO
D鉱s・cy㎝ate D五s㏄yanate
H O O H 口l P・1yesterρr l目 OC喪 ’N{一〇一P・lyetheトO_C_N 一・ NCO Urethane Urethane 9「OUP group
PREPOLYMER
Ch垣駐ext㎝i・・ 」 ・ C㎞ncx甑画。n with did with d圭面nc
Polyu「ethanewi出 . ・ P・1皿rethanewith urethanehnkages urealinkages
Fig.4(a)Prepolymermute fbr the fbmation ofa poly皿ethane elastomerlo).
巨亟]・ Diisocya孕ate 十 Chain exten(ier
(inpresence・fcatalysts,’
e.9.staflflous octoate with
triethylene dian盛ne)
Finalpolyurethane.elastomer
Fig.4(b)One shot pmcess fbr poly皿ethane elastomer preparationlo).
一7一
Moor、Whelchel7)は、PPDlとポリ(オキシテトラメチレン)グ
リコール(PTMG;Mn=2000)からなるウレタンプレポリマ騨について、報告している。P P D iの蒸気圧曲線(Fig.5)は、
高い温度においてはT D lと同等であり.・低温ではT Dしより若干
低い。Table3に示すように固体のP P D lと溶融P PD lより合
成され’たプレポリマーの性質に差がないことより、プレポリマーの
合成時にはi、高い蒸気圧を避けるために固体のPPD匿をポリオー
ルに投入するべきだと結論している。また、得られたプレポリマー
は、極めて安定であり、70。Cの環境下において、1週間では粘度
はほとんど上昇しない。(Fig,6)
100
軌 』 0
ロ
0
α
切=甕\。」器$ヒ」。8>
0.OOOl
・Fig.5
ロ もロ ロ オロぴ ヌをロ
Temperature/。C
Viapor騨essure ofPPDI,MDI a皿dTDI7)・
Table3 Prepolymerproperties,moltenvs.solidPPDI7).
RT Solld 斜OOC Moiten
Formulation:
PTMEG200(mdes) (temp.)
PPDI(moles)
Prepolymer:・
ゆb NCO
Viscosity at250C(cp)
1.00
602.06
3.7329,240
1.00
802.06
3.8029,784
一8一
100000
(も)
≧噌ωOO切博〉
{0000
70。C
1000 q.1
Room Temperature
1 10 100Day5
Fig卜6 PPDL‘PTM:G prepolymer stabili仁y7).
また、技術資料11)より、P P D l系プレポリマーの以下のような特
徴が報告されている6
①TQDI系、NDl系イソシアネート末端プレポリマーと比
搾て粘度が低く.10ヶ20。C偉い液温で洋型が可能である。 ’また、比較的粘度が低いため、脱泡が容易である。・
②注型温度での液安定性が良好で、75。C前後の液温ならば窒
素雰囲気下で48時商は、ほとんど変化がない。
1.2.2.2 P P D I系ポリウレタンエラストマーの特性
ポリウレタンエラストマーは》タフさと柔軟性を兼ね備えたポリ
マーである。これはζポリウレタンを構成するハードセグメントと
ソフトセグメントによるもので相分離に起因する。相分離の現象は、
いくつかの要因、例えばハードブ自ックとして使われうイソシアネ
ートの対称性に起因する。P PD lは、左右対称のイソシアネート
であり}、ジオールやジアミンとの組み合わせで、非常にコンパクト
一9一
なハードセグメントを形成し、その高い分子間力によって、優れた
相分離を生じると期待される。
Frishら6)は、.ポリエーテル系として、PTMG(Mn=100
0)を用い、ジイソシアネートとして、PPD l、CHD I、MDl、一N D Iを用いてプレポリマーを合成し、1,4-B Dで鎖延長さ
せたポリウレタンエラストマーの物性を報告している。MD Iと比
較すると、一般に物性レベルが高く、高温時(15qIC)の強度に
優れる。(Table4,Fig.7)
Table4 C6mposition and proP今rties ofpolyetherpoly皿ethanes6)・
COMPOS工丁工ON:
Prepolymer - POTMG 1000: diisocyanat:e at l:2
Extender - 1,4-BD (95% theoretica1)
Diisocyanates
Diis・cyanate,%
NCOContent,%
T-12,%
MDr PPD工
31.94 23.10
5.70 6.36
一 層
CHD工 NDI
23.76 28.27
6.34 5.79
0.oo37 _
PROPERTIES:
Density, g/ml
Shore Hardness:AD
S仁ress, MPa:
At100ZElo喀ationAt 300%ElongationTensile St:rength
Elongation,%
Tear Resistance, KN/mGravesSplit
Bashore Rebound, %
Compression Set, % (700C,22Hrs.)
ユ.12
83735.65
10.04
26.41
563
64.0921.ゴ6
54
25
1.14
48
Q」4
13.12
17.31
33.19
512
98.7620.14
58
31
1●21 . 1●14
70
9『}
12.16
14.5322126
565
83.3537.47
60
.37
【J7948.96
13.69
22.87
800
55.1611.38
46
32
POTM(}=PTMG、\
一10一
的皇\㎝口Φ臼Joo
30
i20
10・
1 20
,幽5
彊圏4
工
贈■劃園■輻3m
Temp.: 1 = 一20;
1田
溜
1123 4 5
PPD工
2=25;3=70;
闘
量雪
翫ll
l 2 3 4 5 1 2
CHD工 、・ 04=121;・5自150C.
ムこエ しえ ス エロロ をヒめロ
1ゴ㎎就㎜
34 5ND工
Fig㌧7 Sセess.propeτties at300%ofpolyeUIer polyurethanes
atvarious temperab皿es6).
ポリエステル系として、アジペート系ポリオール(Mn=2000)
’を用い、ジイソシアネートとして、P PD l・CH D L MD l・
を用いてプレポリマーを合成し、アミン系触媒の存を下で・1・4-
B Dで鎖延長させたポリウレタンエラストマーの物性の比較におい
て、MD l系と比較して、P P D I系は、高硬度、高モジ耳ラスで
伸び、引裂強度に優れている。圧縮永久歪は、1,4-B DにTM P
をブレンドした鎖延長剤を用いることにより・改良されると報告さ
れている。(Table5,Fig.8)
一11一
Table 5 Composition and properties of polyurethanes6). COur OS IT ION :
Prepolymer - PAG : Diisocyanate at l
Extender - 95Z Theoretical
i2
l 4-BD HQEE TMP / l 4 -BD
Dil! socyanates MDI PPD I CHD I MDI PPDI CHD I MDI PPDI CHDI
Diisocyanate, ~ 19 . Ol 13 . 06 13 . 48 18 . 26 12 . Sl 12 . 92 19 . Ol 13 . 06 13 . 48
NCO Content, Z 3 . 31 3 . 56 3.s4 3 . 31 3.s6 3 . s4 3 . 31 3 . 56 3 . 54
Dabco 33LV, ~ o . 025 O . 013 O . 025 O . 024 O . 012 O . 024 o . 025 O . 025 o .025
PROPERTIES : Density, g/ml l . 21 l . 16 l . 13 l . 25 l . 16 l . 14 l . 19 l . 13 l . Il
Shore Hardness: A ss 80 80 82 84 86 s5 67 78
D IS 30 30 33 36 3s 15 20 28
Stress, MPa: ' At 100~ Elongatiou At 300~ Elongation Tensile Strength
2 . 08
3 . 64
32 . 70
4 . lO
7.57 37 . 21
S . 83
ll , 15
29.87
4 . 73
9 . 20
34 . 6s
5 . 59
ll . 33
43 . 29
7 . 61
15 . 13
28 . 70
l.72 3 . 18
27 . 94
2 . 63
4 . 24
39 . 68
4 9
3~
. 40 .27 . 56
Elongation. ~ 591 822 713 '5 9 O 730 63s 577 698 720
Tear Resistance, KN/m: Graves Split 47 . 8
18 . 7
82.5 60 . 8 94 . 6
71 . 6
74 . o
36 . 4
93.s 58 . 7 68 . 6
47 . l
38 . 2
ll . 6
49 .O 30 . 5
78 45
.6
.4
Bashore Rebound, c 39 46 48 42 48 51 26 38 48
Compression Set, Z 57 65 56 36 21 33 12 12 33 (700C, 22 Hrs.)
CU
~ ¥ COQ,
Sd JJ C13
Fig. 8
30
20
lO
o
l,
1234 1234 1234 - CHD I MDI PPDI Temp. : I * -20; 2 = 25; 3 * 70; 4 * 1210c
Stress properties at 3000/0 of polyeser polyurethanes
at various temperatures6).
- 12 -
Mooreら7)は、ポリエーテル系ウレタンプレポリマーに使用するジ
オール系鎖延長剤の影響を報告している。ここでは、MD Iと1,4
-B Dからなるポリウレタンを標準として、引張強度と伸びを比較し
ている。鎖延長剤とイソシアネー.トの組み合わせで破断エネルギー
に大きな差が生じている。p p b lは、1,4』B Dとの組み合わせ
で、非常に良い結果が得られている。(Fig.9)
Mooreらは、また、
PPD置とPTMG(Mn=・2
000)と組み
合わせた熱可塑
ポリウレタンの
BashOre弾性を報告している。
Fig.10に示すよ
うに、PPDlシステムがMDlシステムと比 F嬉9
べて、Bashore
弾性が非常に優
れていることが
わかる。この高
い弾性率により
、優れた耐摩耗
性ところがり特
性が得られる。’
Demarestと
Mooreらによる研究12・13γによ
ると、弾性とこ
れら特性の間に
2.5
.2 5 1 5
1 α
(O.「“OO貯己Σ)>90二山と①o」ロ①≧蜀一①匡
’
ン
、γ此{:.
イ
⊃D
董臨
芋
.7
翻BDO囲CHDM圃HQEE圏∈thacure
O PPDl MDl. ・ NDl TODl Isocyahate
Comp鱒son ofchain extenders with isocyanate7)・
80
75
、 70
65屡.§6Q
累 55
50
45
40
Fi昏10
0.9 - 0.95 , ’1 1.05 、 意.1
1ndexResili“nceofPPDLPTM(}comparedto
MDIIPTMG7).
一13一
は、強い関係があることが報告されている。劣化摩耗性と弾性との
つながりについては、良く知られており、Mareiとlzvozchikovによ
る研究がある14・15)。’
Jamesら16)は、耐加水分解性について、P P D置、MD l及びT
D I系ポリウレタンを沸騰水につけて比較している。ジオールで鎖
延長したP P D l系エラストマーは、MD l/1,4-B D系エラス
トマーと同等の耐加水分解性を示した。
Hepburn17)らは、ポリカプロラクトンジオールとイソシアネート
としてP P D1を含む5種類のイソシアネ』トを用いてプレポリマ
[を合成し、一1,4-BDで鎖延長させたポリウレタンエラス「トマー
の一140・C~230。Cまでの温度領域での動的粘弾性を報告して,
いる。CH D l>P PD l>MD l>T D l>HMD l系の順に貯
蔵弾性率のゴム弾性領域が高温側にシフトし、・ハrドセグメントの
効果により、P PD lが高温特性に優れることを示した。
古川ら18)は、パラキシリレンジイソシアネート(PXD l)、メ
タキシリレンジイソシアネート(MXD l)、PPD l・MD lを用
いたP TMG系ポリウレタンの熱的特性を報告している。Fig、11にガラス転移温度とハードセグメントの融点を示す。融解温度は・
…Φ50を山Il」↓
/
/
TX・33
/ TM船
/TP・33
.TD・33
A
E』O£Oで一』山t
./
/
TX-48
/T
/TP・48
TD-48
B一100.50 0 50100150206250 ・100・50 0 50100150206250 Temperat“re(℃) Temperature(℃)
Fig.11 DSC themograms ofPUEs with d五socyanate7).
一14一
P X D l系、P P D i.系で高い値を示し、分子対称性に優れたPX
D l系l P P D l系がMX D I系、MP l系に比べ優れた耐熱性を1’示し、 ハードセグメントの凝集力が増した事を示唆している。
石田ら19)は、.ポリオールとしてP TMG、鎖延長剤として、1,
4-B Pを使用したP P’D l系ポリウレタンに関して固体13C-NM
Rによる相分離構造を解析しており、スピン格子緩和時間により結
晶領域とゴム状領域について報告している。
P PD l系ポリウレタンエラストマー1ま、・その極めて対称的な享
体構造を持つジイソシアネートぞ昂ることより、相分離したハ門ド
セグメントを形成し、これによ.り、優れた熱時の機械的特性が得ら
れると報告されている。ポリウレタンエラストマーは、ソフトセグ
メントとハードセグメントからなるブロックポリマーであり、耐熱
性は、本質的に各セグメントの化学構造により起因する。.
熱的特性については、高温での物性低下の問題(物性の温度依存
性)と長時間熱にさらされた状態での問題(熱安定性)の二づに分
けられる。.物性の温度依存性、すなわちポリウレタンエラストマー
.の機械的強度・酎荷重性・耐摩耗性が高海(80◎C以キ)になる≧
著しく低下する現象は、ポリマーの基本構造、特に!¥rドセグメン
トの凝集の低下に起因すると考えられる。熱安定性の問題は、ポリ・
マーd)酸化劣化が熱により促進されるためであり、ソフトセグメン
トの選択や耐熱老化防止剤の添加によりある程度改善できる。TabIe
620)にポリウレタエラスト
’Ester(N2)マーに用いられるポリエーテ m )\ Es断(air),ル系、ポリエステル系、ポリ・ 一 \、 E出er一(N2) 00.8’ のカーボネート系などの長鎖ポ 茶 、 、 、 、 e o.6 、 、リオールの種類とその特性を 叉 、 、 、 、 、示す。 qα4 、 、 、 と 、 、 ポリエーテル系及びポリエ 喜α2 、 ヤヤ 恥er(血) 日ステル系ポリウレタンの窒素
及ぴ空気雰囲気下における1
30・℃での応力の経時変化が
.0 20 40 60” 80 Time(hours) 班g421nteτmittent stress relaxation of polyester
狐dp・1yetheruτeth餌esat130。C21)・
一15一
報告されており、Fig.12に示すようにポリエステル系に比べてポ
リエーテル系は応力の低下が大きい21)。
Table6 Ef艶ct of polyol on polyurethane property20)
Po I yurethane property
Lin弓arpolyol ・Structure (Environment)
Cold Water『 Oil Heat
、 .Polypエopylene g取co1 で㎝ヒ剛.一 ◎ ◎ △ △■
Polyethylene創yGo1 〔一㎝ビα襲一ひ1調 . ◎ × △ ○
Poly・tetrame血ylene glycol
EO/PO
〔一(鳴)・一司買
険剛.e照呵.◎・◎
◎O
△△
O△
一THF/ EOTHF/PO
〔一(。襲)刈惰1缶咄煽.
卜く㎝周.酔慰〕.◎◎
O◎
△△
.O・.△
Polymerpolyo1 〔{恥劉4㌍‘ン1脚り, ◎ ◎ △・ △.
Polyethylene adipate:PEA’〔一(邸)!6。c㈱.o。。一L ・ △ △ ◎’ ◎
Polydie;hylene adipate:PDA〔一(㈱二〇(田、)竃ooc(鳴〕4coひ]-、 △ × ◎ ○.
PolypτqPylene adΦate:PPA 『鯉瓢㎝)・明. △ △ ◎ ◎
Polytetramethylene ad‡pat目:PBA〔一(嘩)・。・α備)・c・・一1. ◎ O ◎ ◎
Po専hexa皿eUエylene adipate:PHA い(α{ヤ)・ooc(αも)400円. △ O ◎ ◎
Po加eopen仕Lyleneεしdipate:PNA’ 〔一㎝!c(鮒、α{tooc(面4㎝一]. △ O 一〇 ◎
Cqpolyester;P(E/D)A 巳 △ × ◎ ◎
Copolyeミter;P(E/但)A △ △曙 ◎ ◎
Copolyeste1;P(E/鳴)A ◎ O ◎ ◎
Copolyester;P(E/N)A ◎ 、O ◎.
◎
Polycaprolactone 、〔一(㎝・)・G。か〕. ◎ .O ◎ ◎
Polyhexa血6thylene caIbonate .〔一(㎝・)‘㏄司、 △・ ’◎ ◎ ◎
Sihconepolyo1〔一SI(勾・一昏玉 、◎ ◎ × ◎
肱thurら22)は』ポリエーテル系ポリウレタン1;おけも、ポリ(才
キシェチレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール、ポリ(オ
キシテ.トラメチレン)ジオールの熱酸化劣化を報告している。.酸化の
ブロセス’は、ラジカル連鎖により進行し、エーテル結合の隣炭素に
影響する。側鎖にメチル基を持うポリオキシプロピレンジオールで
は、約80。C室熱酸化劣化が起ごり、ポリオキシェ』チレン系やポリ
オキシテトラメチレン系よりも酸化されやすいと示されている。
古川5解)は、ノナンジオールとメチルオクタンジオールからなるポ
.リカーボネートジオ」ル用いたT D l系ポリウ’レタンについて報告
している。ポリカプロラクトン系及びポリテトラメチレン系に比べ
一16一
熱安定性に優れたポリウレタンエラストマーが得られることを示し
ている。
また、MD l系ポリウレタンのポリオール成分の影響について、
120。C熱老化試験おける引張強度の保持率をFig.13に示す23)。
0 0 ・ 0 0 0
2 ■ 0 8 6 4
「⊥ 「⊥
(撰) ‘一切¢o」りの=望おト}o=2,ゼお一〇配
20
N-980,N-982.
P TM G
Bみ・
P C L
H A
00 20 40
Time(days)
Fig.13 』nsile streng磁ofther血aユagedMDI-polyuret五ane at120℃23).
PTMG:Polyむetramethylene glycol
’PCL:P・lycapr・lact・n・
BA :Polybutylene adipate-
HA :Polyhexamethylene adipate
N-980,N-982:Polycarbonate
ノ
代表的なポリオールに関して、ソフトセグメントを構成するポリオ’
一ルの熱安定性は・ポリカーボネート系>水リエステル系>ポリエ
ーテル系の順となり・、ポリカーボネート系は熱安定性に優れる。
一17一
1.2i3 P P D I系ポリウレタンの応用
ポリウレタンエラストマーは、ゴムとプラスチックの中間領域を
埋める材料として、プラ久チックの強度とゴムの弾性を共に必要と
される分野に応用され、強靭性、耐摩耗性、耐薬品性、耐荷重特性
の特徴を共に兼ね備え、工業部品としてベルト、ロ」ル、ギヤー、
ソリッドタイヤなど種々の用途に使用されている。Fig.14にポリウ
レタンエラストマーと他材料と比較した場合のヤングモジュラスを
示す25)。Fig.15にポリウレタンエラストマーの硬度範囲と製品用途
の関係を示す26)。
106
MPo
10
4一 5 3甲 5 2一
〇 nU nU
1 4ーー -
“ーの三弓o∈。。b5。>
101
10
5 steet
0 囲5 oluminium
5 poしyester6
4 PUReしostomers
縷1醸二.灘
5 3
灘、” に
轍 ”
鵬i由12團難 匪亜亜 ^・、
polycqrbonote
團olethtene驚綜
灘匡
孕 艶■’灘嚢
A曙 一 21 w^竃
山5
2
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〇 一E…か雛蒙 ロ_奎 =M
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寺=. デ5 轟.蝦 o』 ≒豊■■,
聯韻、、挑写蕗
』コ」
I II lI ll ・ ~
o ゐ竣軸
1 1’ 一 轟’
翼 .
Fig.14 Ybunぎs modulus ofmaterials25).
1)TPR=thermoPlastic mbber(EPDM+poly♪ropylene)2)Copolyesterニpolybutylene terephthalate-polytetraoxymethylene
3)TPE=themloPlastic ela呂tomers,styrene-butadiene block copolymers and partially
polypropylene
一18一
,<一一一一一 Rubber 一→
Polyurethane ela8tomer’1←一
Seals,Gaskets,belts
Bush,Packings-Gears :
ヨ
: :
Sealant8 Solid tires ㎝extile parts・
Printing rolls Rolls(paperma面neン
stealmachine)
M三llable type PUiFluorocarbgn
i Polypropylene・ 1 ’
1 ,
ThemoPla6tic type PU
CastingtypePU
Plastics 一一→
: :
l
P・1yst罪ene i
Polyamide i
Acrylics i
.Pheno互CS
0102030・405060’708090 .507090100110120130140150 ShoreA ’ Rock諦el1R 45・565 585 Shore DFig.15 Relationships between applications and hardness
ofp61】η皿e血ane elastomers26).
P PD I系ポリウレタンエラストマーの応用は、Clockら27)によ一
って報告されている。可能性のある応用例をTable7に示す。ソリ
ッドタイヤにおいて・Table8に示す串う参条件で試験が行われた。 、
アジペート系ポリエステルP P D置ポリウレタンは、摩耗がわずか
であり、実用試験では、この応用に対しては、ヒステリシスが低ぐ
優れた耐引裂性をもつアジペ「ト系ポリエステルP.P D lポリウレ
タンが最適であると報告されている。又、別の用途として、ポンプ
ダィヤフラムのサィクルテストが報告されているムこのダィヤフ’ラ
ムは、Fig.,16に示すように油圧駆動のスラリーポンプに使用される。
この製品のサィクルテスト結果をTable9に示す。P PD l系ポ’リ
ウレタンは、従来の水硬化タイプのポリエステル系N D lに比べて
3倍の寿命を示すと報告されている。
一19一
Table 7 Potential PPDI applications27).
Product Sea I s/Gaskets
Hydrocyo I ones
Rol I s
T i res/Whee I s
Pump parts
Perf ormance requ i rements
Low compression set ( E I evated temperature)
Cut & Tear resistance
Hydro lyt i c stab i I ity
Abras ion resi stance
L ow
Cut
hysteres i s
& Tear resistance
'Good dynamics
Cut & Tear resistance Fat i gue resistance
Hydro lyt i c stab i I ity
Abrasion resi stance
Table 8 Tire niodel27).
l nput Output
T i re d imensions T i re def I eot i on
O D. , l. D. ,Width Ro I I i ng res i stance
Material propert i es Load at b I owout fa i l ure
Durometer tan 6 Average contact pressure Dynam i c modu I us Max i mum a I I owab I e contaot pressure Therma I conduct i v i ty Surface tetrlperatures
Test conditions Load, Speed, Amb i ent temperature
T i re model ( Example )
12 x3 Tlre . 1 800Lbs . 35 Mph Ad i pate-po I yester PTMG-pO I yether lppD I /1 , 4-BD /TD I /MBCA
Durometer, Shore A 93-94 95
Def I eot ion, I nches o. 056 O. 048
Tan 6 o. ol o o. 032
Load fa i I ure 3926 1 586
Contact pressure, psi 51 9 557
Max imum recommended contact pressure 804 900
20 -
織麟・1
Figユ5 Pump dia芸}hr鼠gm
75A Pollyeste以PPDL/polyol lbend』驚7).
Table9 Eield t蕊t ofpumゑdiaphragm27).
ノ1)1融ゆhr貧gm oom事)O$i t l Qn
Durom就鮮(Shore A)
cyG l豊sセo f撤臼ur礁
W就馴cro捻$link黛dpolyest融r/纏Dl
AdlP菰t鋤Qly鋒s癬煙Dl/PQiyolo聴d
75
75
1,000,000
3説OOO,OOO
P P D l系ポリウレタンの応用面に関して.語いくつかの事例が特
許に見られる。日本ポリウレタンエ業㈱では、耐熱性と圧縮永久歪
、が要求される建設機械用油圧シリンダ}パッキン用途のような、複
数の性能が同時に要求される厳しい用途搾使用できる熱可塑性ポリ
一2i一
ウレタン樹脂組成物を報告している。また、チューブ及び時計バン
ド用樹脂として、P PD l系熱可塑性ポリウレタンとポリエステル
系エラストマーから成るポリウレタン系複合樹脂が報告されている
28・29・30)。その他では、フィルムや弾性繊維に利用できる弾性回
復性、耐熱性に優れたポリウレタンの報告31)、ベルトでは、3一メ
チルー1,5一ペンタンジオールアジペート系ポリオールとP PD I
からなる混練型ポリウレタンを用いることにより、伝達ロスの小さ
い動力伝達用ゴムベルトが報告されている32)。機能的な応用として
は、高分子液晶への検討が行われており、P P D lから得られる主
鎖型サーモ・トロピック液晶ポリウレタンは、T D Iを用いて得られ
るポリウレタンに比べて熱的特性に優れると報告されている33)。
一22一
1、3 本研究の概要
本研究では、ポリウレタンエラストマーの高機能性及び耐熱性の
向上を目的として、イソシアネートとして、PPD l(パラフェニ
レンジイソシアネート)を取り上げ、このイソシアネートからなる
ポリウレタンエラストマーの相構造と力学特性、及び耐熱性の関係
をまとめた。また、このウレタンエラストマーを使用した応用につ
いても評価した。本研究の内容は、本論文は5章に分かれており、
各章の概要は以下の通りである。一
第1章では、緒論として、本研究の目的を述べるとともに、その
背景について、既存の研究として、イソシアネートであるP P D l
の化学、P P D l系ポリウレタンエラストマーの物性及び本研究の
概要を述べた。
第2章では、P PD lとPC(ポリカーボネートジオール)から
なるウレタンプレポリマーと各種鎖延長剤により、ウレタンエラス
トマーを合成し、鎖延長剤によるハードセグメント構造の変化が、
力学特性、モルフォロジー、耐熱性に与える影響を述べた。
第3章では、P P D I系ポリウレタンエラストマーの熱劣化挙動
に関して、円柱ウレタン試料の表面から内部に至る劣化状態を、赤
外吸収スペクトル、動的粘弾性、示差走査熱量計、X線回折により、
解析した。,
第4章及び第5章では、P P D l系ポリウレタンエラストマーの
応用について述べた。第4章では、伝導ベルトでの応用を評価した。
複合体としての歯付きベルトでの耐熱特性、耐寒特性及びポリウレ
タン単体ベルトとしての丸ベルトにおける耐引き裂き性、耐摩耗性
について述べた。第5章では、ソフトマテリアルであるエラストマ
ーの特性を生かしたポリウレタンにおける機能性高分子材料として
の電場応答性と構造との関係を述べた。
第6章では、第2章から第5章に記載した結果に基づき、本研究
の総括を行った。
一23一
~i~ I ~:(D~-_~~~t
1)
2)
3)
4)
5)
6)
7)
8)
9) 1 o)
1
1
1
1
1
1
1
1
1)
2)
3)
4) 5)
6)
7)
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4~F,f~spg - 2 5 4 O 5
3 O) El:~~7l~.'1J r~L・i7 :/I~i~a~). : 4~F7f~:F9 -4 O 8 6 O
4~F7F~~F9-4 O 8 6 1
3 1 ) ~:~~~~~~~~). : ~~F,f~:F7 1 9 6 7 6 2
3 2) ~b~;1~i~~~. : 4~F7F~:FI 0-3 8 O 3 1
3 3) =~F~:~E4b~f~~*~. : 4~F7F~:F5 1 7 O 8 6 O
'b
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