3
[善露光毒読売プル]が切換できる MO㌻FET単段アンプの製作 i●電流出力用に擬似後面開放スピーカも製作 詳言誉/// i蔦:∴ :∴∴∴ :∴: ∴∴∵∴ ∴∴∴∴ ∴∴ :一 :∴ ∴∴∴∴∴∴∴一∴ 1 寂-〈 ∴一∴ ∴∴ l ま; ∴∴ :∴∴ ∴∴ ∵∴ 、醤 幾繕 ∴∴∴ 一三軽重/ ∴∴ 筆,(\\ ∴∴ ∵∴一∴ 亀 流 出カ ア ン に作 った 後 面 SP シス テム ∴∴/ ∴: /薗 ∴∴∴ 一∴/i ∴∴∴ 蓋表意器\ ●本機 の外観 と ’嵐 ∴々//-( プ の アス ト用 :∴∴∴ /’抽斗、喜喫 ㌻/‾↓ このアンプは1992年に製作した もので,第1-3図が当時の全回路 図および諸特性です.本誌2000年 7月号「D-NFBアンプの実験」に記 述のあるFETシングルOTLアン プはこれと同じもので D-NFBア ンプとは別に掲載しだいというお話 もいただいていました.しかし,回 路の特徴である浮動電源を使ったソ 「ス接地回路(逆立ちアンプ),および 定電流素子をパラレル・フィードし たシングル・アンプはすでに藤井秀 56L T 。B.。2F 26 10㌦ 1000 2SK405 (か ぎl∴ 」塵 pp sN g × 葦. く> 8 一〇- S2 _讐 N X 雪、 e g 24W3 ロ:) さく くブ ⊂) 2SJl15 G 8 +10〟 10的 56Ki 1000 200n 2000 10041 Sl 〈第1図〉電圧一電流出力,シンクループッシュプルが蘭単に切換えられるFET-OTLアンプ 62 ∴国書 ∴∴∴:∴ ∴∴「∴ ∴一∴一一 1 ㌔言三三 \;/-i/・-\\ ∴∴ ∴.「ヽ「∴ ∴∴ 夫氏が発表されており,今となって は新味もなく,乗り気にはなれませ んでした 今回はこれに電流出力機能を加え る改造(といっても非常に簡単)をし, さらに電流出力アンプ用の簡易なス ピーカ・システムを加えてご紹介し たいと思います. 松本豊作氏の電流駆動に関する説 得力のある解説がものぐさな私の行 動のエネルギー源になって,新たに 興味の持てる課題ができました. 回路決定の経緯 1つは当時実験していたシング ル・アンプにPP用OPTを使う回 路がもとになっています.第4図の ような回路を改良型ロフテイン・ホ ワイト・アンプと名付けて試作をし ており,E。2の必要なビーム管の代 わりにFETを使う検討を始めてい ました.シングルOTL回路の構成 は第5図のようになります. もうlつは,終段に反転増幅回路 の必要なD-NFBアンプの実験を FETのA級PPアンプで行って ジオ技術

MO㌻FET単段アンプの製作...FETのA級PPアンプで行って ラ ジオ技術 おり,通常の接地電源を使用したソ ース接地回路の雑音の多きに閉口し

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Page 1: MO㌻FET単段アンプの製作...FETのA級PPアンプで行って ラ ジオ技術 おり,通常の接地電源を使用したソ ース接地回路の雑音の多きに閉口し

[善露光毒読売プル]が切換できる

MO㌻FET単段アンプの製作i●電流出力用に擬似後面開放スピーカも製作

野 呂 伸 一

詳言誉 /// ∴ i蔦:∴ :∴∴∴

:∴:∴∴∵∴

∴∴∴∴∴∴

:一 一 :∴ ∴ ∴∴∴∴∴∴∴一∴

1

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、醤 幾 繕 議 ∴∴∴ 一三軽重/ ∴∴

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亀流 出カ アン

に作 った後面

S P システム

∴∴/∴:

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∴ ∴ ∴

蓋表 意 器 \、  ●本機 の外観 と’嵐

∴々//-(詰  プのアス ト用   ?

:∴∴∴

/’抽斗、喜喫㌻/‾↓

このアンプは1992年に製作した

もので,第1-3図が当時の全回路

図および諸特性です.本誌2000年

7月号「D-NFBアンプの実験」に記

述のあるFETシングルOTLアン

プはこれと同じもので D-NFBア

ンプとは別に掲載しだいというお話

もいただいていました.しかし,回

路の特徴である浮動電源を使ったソ

「ス接地回路(逆立ちアンプ),および定電流素子をパラレル・フィードし

たシングル・アンプはすでに藤井秀

56 L T 上 蒜  。B .。2 F  2 6

10㌦ 100 0   2 S K 4 0 5 +

(か

ぎ l∴ 」塵

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56 K i 1000 200n 2000 10041

③④ ②

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⑤    ①

〈第1図〉電圧一電流出力,シンクループッシュプルが蘭単に切換えられるFET-OTLアンプ

62

∴国書∴∴∴:∴ ∴∴「∴

∴一∴一一翰 1㌔言三三\;/-i/・-\\

∴∴   ∴.「ヽ 「∴ ∴∴

夫氏が発表されており,今となって

は新味もなく,乗り気にはなれませ

んでした

今回はこれに電流出力機能を加え

る改造(といっても非常に簡単)をし,

さらに電流出力アンプ用の簡易なス

ピーカ・システムを加えてご紹介し

たいと思います.

松本豊作氏の電流駆動に関する説

得力のある解説がものぐさな私の行

動のエネルギー源になって,新たに

興味の持てる課題ができました.

回路決定の経緯

1つは当時実験していたシング

ル・アンプにPP用OPTを使う回

路がもとになっています.第4図の

ような回路を改良型ロフテイン・ホ

ワイト・アンプと名付けて試作をし

ており,E。2の必要なビーム管の代

わりにFETを使う検討を始めてい

ました.シングルOTL回路の構成

は第5図のようになります.

もうlつは,終段に反転増幅回路

の必要なD-NFBアンプの実験を

FETのA級PPアンプで行って

ラ ジオ技術

Page 2: MO㌻FET単段アンプの製作...FETのA級PPアンプで行って ラ ジオ技術 おり,通常の接地電源を使用したソ ース接地回路の雑音の多きに閉口し

おり,通常の接地電源を使用したソ

ース接地回路の雑音の多きに閉口し

て,共通ソースを接地し,各ドレイ

ンに浮動電源を接続する回路(逆立

ちアンプ)に変更したことがもとに

なっています.真空管アンプ派から

見ればドレイン接地自体がすでに

逆立ち状態ですから,.正しくは(逆立

ちの逆立ちアンプ)かもしれません.

以上2つに加えて接地点を変更で

きる工夫をし,回路は完成しした.

9年間使用後の感想

欠点は低インピーダンス・ドライ

ブしないと,まともな音がしないこ

とです.測定上では周波数特性がほ

どほどに伸びていても,出力インピ

ーダンス5knのCDプレーヤ直結

は不可でした.出力インピーダンス

lkn以下のプリアンプが必要です.

アンプなんてこれで十分,と思わせ

るのも大きな欠点です(?).

それ以外は,ACアンプでもあり,

非に安定で故障もなく,私の標準ア

ンプとして活躍中です.

また通常の使用の場合はOdBア

10

8

6

1

2

(求)掛やトも抑達

.4-∴∴(0  8

 

 

(幽P)時人常時▲

①.d i① ii①

i⑤ ●●

18

①.③,⑥プッご

①.⑤シングル

プル

L岳8

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●・l

③Ⅵ5

18 il■

10  2  4 6 8m O 2  4 6 8lk∴2∴∴4 6 810k 2 i∴4 6 8100k 2  4 1M周波数(Hz)

〈第2図〉モードを切り換えたときの周波数特性

ンプでもまったくゲイン不足を感じ

ない,ということも実感しました(私

のプリアンプはソース・ポロワ1段のみ

です).

おすすめレンジは,

シングル① 3極管シングルの華や

●●● I

シ /●

IX

● 淵

〃 ● ” ○ 3  1

●■ (…‡フl i

l I

II

/ ′

一一一一 - ′

2   4 6 81  2   4  0 810   2

出力(W)

JAN.2002

‾‾‾l

I

鼻ドレイン接地

2SJllS(rd≫80)

▲〈第5図〉シングルOTLアンプの基本

構成 VRの位置で電圧出力

型から竃流出力型へ変化する

1〈第3図〉シングルとPPの2つの

モードで接地方式切換ス

イッチS,を切換えたと

きのひずみ率特性

一〇一はシングル

ー×-はプッシュ

シングル→RL8¢プッシュ→RL40

かな感じに近い.フルレ

ンジ・スピーカ向き.最

適の2次ひずみ量か

(?).

プッシュプル① すべてを無難に再

生しスピーカを選ば

ない低ひずみ,高

D.F.

プッシュプル⑤ アナログ音源のボ

ーカル向き.低ひず

み,低D.F.

電流アンプへの改造

電流アンプといっても基準負荷の

10倍程度の出力インピーダンスを

目指します.スピーカ・ユニットの

インピーダンス上昇を考慮すれば,

100倍ないと筋金入りの電流アンプ

とはいえないかも知れませんが,と

だんに複雑になりそうなので,いま

B +2   E

  +

入力

∈ 二

ノ ヽ

ート

B

〈第4図〉改良型ロフテイン・ホワイト・アンプ

63

Page 3: MO㌻FET単段アンプの製作...FETのA級PPアンプで行って ラ ジオ技術 おり,通常の接地電源を使用したソ ース接地回路の雑音の多きに閉口し

なお,綿は長い管のどの位置に置

いても,不思議なことに特陸は変わ

らないので,管の一部に共振があれ

ば その位置に置くのがよいと思い

ます.

音質はガラツと変る

これだけ音質の変化が出る試聴は

久しぶりです.電流出力(S3:OFF/

ポジション⑤/PP)の場合,音の輪

郭がはっきりした非常にソリッドな

音で臨場感があり,低音がよく出ま

すが,やや潤いにかけるようです.

ここでシングル動作にすると,やや

柔らかい音になりますが,臨場感が

減少します.最初予想していた高域

寄りの華やかな音とはまったく逆

の,中低域のしっかりした腰の据わ

った音がします.

電圧出力(S3:ON/ポジション

(D/PP)に切りかえると,全体がお

となしくまとまり,ソフトな聴きや

すい音になります.しかし音の輪郭

が不鮮明になって,1枚ベールがか

かった感じになり,低音が不足しま

す.ただし,スピーカ・システムを

常用のメーカー製3ウェイに切りか

えると,いつもの端正な音となりま

す.スピーカ・システムが電流出力

に向いてる(ただしスピーかユニット

は電圧駆動向けにできているでしょう)

〈第9図〉

後面開放的特性を狙ったSPシステムのイン

ピーダンス特性

(c)ベヽhIもヽ、

08 6 i

O

i i 1

--0 - ユ ニ ット単 体

i i i

一 一◎- 5 0 c m パ イプ 取 付 け +ポ リエ ステル 綿 2 5 g

6 3 (l

1

1 i ヽ-. I 乱ヽ

I ノ  ーヽ

ノ●ヽ

I ヽヽ

ヽ←●」_

b

40  60  80 100 120 140 160 180 200 220

周波数(Hz)

i シ ン グ ル /R L = 8 0 プ ッ シ ュ プ ル /R L = = l

ポ ジ シ ョ ン r。 (n ) D .F . ゲ イ ン 重。 (0 ) D .F . ゲ イ ン

① 0 .7 2 -1 1 .1 0 .8 5 0 .3 4 1 1 .9 0 .9 4

(② 0 .8 9 9 .0 1 .1 1 0 .4 0 1 0 .0 1 .1 8

③ 1 .3 6 5 .9 1 .5 9 0 .6 4 6 .3 1 .6 5

④ 2 .4 6 3 .3 2 .7 6 1 .1 8 3 .4 2 .8 0

類 (D 4 .8 0 1 .7 4 .3 5 2 .1 5 1 .9 4 .3 0

改 良 部 分

⑤ S 。:O N 7 1 0 .1 1 9 .8 1 3 0 0 .1 3 1 0 .7

⑤ S 3 :O F F 9 8 0 .0 8 2 4 .6 2 5 1 0 .0 7 8 2 .9 4

〈第1表〉各ポジションでの出力インピーダンス,D.F.ゲイン特旺改良後は⑤はなし

場合には,圧倒的なライブ感のある

電流出力に魅力を感じました.

ここで真空管OTLアンプ(本誌

2001年10月号掲載)に切り替え,無帰

還(出力インピーダンスは40偶でFET

アンプの電流出力PPよりやや低い)で

、黒「::みました.輪郭の鮮明

ま,ソリッドとは対極

の艶やかな美しい音がます.真空管

アンプの音です.ただし,高域に偏

∴∴ .∴ ∴ ∴議 畿 題 詞 国

∴∴     ∴∴ ∴ ∴ ∴∴ ∴ ∴ :

i//粁 /::∴ 「 ∴ ∴ ∴∴∴:∴.窪

一 一 一  ∴  ∴一 ∴ 一 ∴  一 ∴ ∴ :∴

∴∴ :∴ ∴  ∴ ∴ ∴∴∴

∴一i i一

熊 笹,。

:∴∴∴∴

∴  一 一 ∴ ∴   ∴∴ ∴ ∴ 「

∴ . ∴ ∴∴∴ ∴ ∴    ∴∴∴:   ∴  ∴∴∴ :∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴ ∴∴:∴∴∴

∴ ∴-‾\霊草

∴∴∴  ∴ :

一∴ ∴         ∴∴

承∴

   :∴∴子∴∴∴   __““- ∴∴∴

一∴∴一∴e ス ピー カ を入 れ た筒 の 中 に綿 パ ック を入れ て イ ン ピ べ

∴∵:ンスの 山谷 をつぶ した (第 9 図参 照) 〇〇〇〇〇〇〇〇  一‾ ∴∴∴∴∴∴∴  … ∴

JAN.2002

り気味で,低域はややおとなしくな

りました.このアンプでもスピー

カ・システムのせいか,制動(NFB)

をかけると,とたんにライブ感が消

失します.

電流駆動の可能性の高さを

感じる

入門用の簡単なアンプとスピー

カ・システムのコンビで ずいぶん

と楽しむことができました.どちら

かに偏らず気軽にいろいろやってみ

るのに最適です.このままでも音の

レベルは予想外に高く,電流駆動の

可能性も感じさせます.

いまのところ欠点の克服(f。付近の

制動)に注目が集まっていますが長

所である中高域での電流ひずみの少

なさを実測データで示すことが,こ

れからの普及への近道ではないか,

と考えます.

65