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株式会社リコー
顧客提供価値メッセージとして "EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES" を掲げ、 デジタル活用による新たな価値創造へと向かっている株式会社リコー。そのために現在進められているのが、社員の「共創」を促進する働き方変革です。これを実現するにはコミュニケーション基盤の刷新も必要になると判断。これまで Lotus Notes/Domino の DB とメールで行われていた情報共有を、Microsoft Office 365 へと移行しつつあります。 その中でも特に積極的に活用されているのが Microsoft Teams です。カスタム リストなどを活用したリアルタイムかつアジャイルな情報共有を実現すると共に、Teams の会議機能を活用することで会議のあり方も大きく変えているのです。Notes DB の棚卸しも進められており、業務のあり方や働き方を根本から変革していくことが目指されています。
社員の創造性を高めるために求められた横方向のつながりを重視したコミュニケーション基盤1936 年の創業以来、世の中にイノベーションをもたらす製品やサービスを提供し、顧客と共に成長を続けてきた株式会社リコー (以下、リコー )。創業者の市村 清 氏による「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」という創業の精神 (三愛精神 ) を基盤とした「リコーウェイ」を企業活動の理念、価値観に据え、顧客の仕事や暮らしをより良くする新しい考え方や新しい方法を生み出しながら、常に進化を続けています。2018 年 3 月の時点で、連結対象となるグループ企業数は 222 社を数え、連結売上高は
2 兆円を突破。グループ全体で約 10 万人の社員が活動を展開しています。
「しかしいまリコーのビジネスは、大きな転換期にさしかかっています」と語るのは、株式会社リコー
デジタル推進本部 セキュリティ統括部で部長を務める鈴木 弘之 氏。これまでの主力製品だった複写機 /複合機といった「オフィス プリンティング」はコモディティ化が進んできたため、ビジネス モデルを製造販売からサービス型へと転換することが、経営上の重要課題になっていると説明します。
顧客提供価値メッセージにも "EMPOWERING DIGITAL WORKPLACES" を掲げ、テクノロジーとサービスのイノベーションによって、オフィスから現場、社会へと広がる顧客のワーク プレイスをダイナミックに変革していくことを目指していると言います。「このようなビジネス形態の変化には不安も感じますが、サービス化による新たな価値の提供は今後の成長にとって避けて通れません。このシフトにおいてどのような立ち位置を確立するのかが、今のリコーには問われているのです」。
ビジネス形態の変化に対応するためには、今までの延長線上にある「改革」ではなく、リコーグループの常識や前例にとわれることなく、環境変化に対応して新たに作り出す「変革」として取り組まなければならないと鈴木 氏。そして一人ひとりがイキイキと働き、個人及びチームとして最大限のパフォー
お客様株式会社リコー
製品とサービス・ Microsoft Teams・ Exchange Online・ Office 365・ FastTrack for Office 365
業界製造
組織の規模非常に大規模 (従業員数 10,000 人以上 )
国Japan
2018年 11月掲載
事業モデルを転換するため「共創」を促進する働き方変革に着手、そのコミュニケーション基盤として Microsoft Teams を積極活用
株式会社リコー
マンスを発揮し、新たな価値を生み出し続けなければならないと語ります。「リコー グループの社員ひとりひとりがイキイキと働き、すべての社員が最適なワーク ライフ マネジメントを実現する。これによって共創を推進していく必要があります」。
そのために求められたのが、新たなコミュニケーション基盤の確立でした。
「これまでのコミュニケーション基盤は 1994 年から導入が始まった Lotus Notes/Domino 上に
構築されており、この上で文書共有やメールなどが利用されていました」と言うのは、株式会社リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部 Open
Communication Project Team グループリーダーの小林 寛樹 氏。約 12
万の Notes DB が存在し、Notes DB へのリンクをメールに記載してやり取りするという情報共有が一般的になっていたと語ります。「その結果、メールを読んで処理するといったことが業務時間の多くを占めるようになり、創造的な業務を阻害する要因になっていました」。
グローバル、セキュリティ、将来性を評価し Office 365 を採用、全社展開は 3 つのステップで推進このような問題を解決するためにリコーが採用したのが、Microsoft Office
365 でした。2017 年 8 月から導入を開始し、2018 年 2 月には日本国内約
4 万人へのアカウント配布を完了。Exchange Online、SharePoint Online、Skype for Business、Office ProPlus、One Drive、そして Teams を一気に使い始めるのです。
それではなぜ Office 365 が選ばれたのでしょうか。小林 氏は大きく 3 つの理由があると説明します。
第 1 はグローバル展開が容易なことです。リコー グループは、北米地域、欧州地域、アジア/パシフィック/中国地域、そして日本の 4 極体制でグローバル ビジネスを展開しており、これらすべてで同一ツールを利用できることが前提条件となりました。
第 2 はセキュリティです。Office 365 であれば、社内のユーザー認証で使用している Active Directory とシームレスに連携でき、クラウド サービスとしての高いセキュリティも確保できます。また契約の中には顧客データの扱いについても明記されており、エンタープライズでも安心して使えると判断されました。
第 3 は将来性です。マイクロソフトは Office 365 などのクラウドに積極的な投資を行っており、今後の取り組みについても、マイクロソフトがコミッ
“ リコーはビジネス モデルをサービス型へと大きく転換しつつあります。そのためには組織のあり方や働き方も、大きく変わらなければなりません”
鈴木 弘之 氏:デジタル推進本部 セキュリティ統括部 部長 株式会社リコー
株式会社リコーデジタル推進本部セキュリティ統括部部長鈴木 弘之 氏
リコーにおける Teams 活用によるコミュニケーション変革。以前は Notes DB へのリンクをメールで伝達していたため、リアルタイムでの情報共有が困難でした。現在では Teams のカスタム リストなどを活用することで、リアルタイムかつアジャイルな情報共有を実現。疑問点などがあれば、チャットや Web 会議ですぐに相談できます。
商談支援の進捗を、チーム作成時に生成されるサイトで進捗リストを共有Teams 利活用事例
Before:進捗リストは個別作成・個別管理、ウォーターフォール型で進捗・差し戻し
A 案件(xx 大学)
B 案件(xx 電機)
B さんA さん C さん D さん
問題・同時に編集すると競合文書になるので、バケツ リレー形式でリストを更新する必要がある・各自進捗リストを維持・管理し、情報に不整合 が発生
ポイント・同時に編集しても競合文書にならない・不明な点は Teams 上のグループチャットや Web 会議で解決 (差し戻し不要)
改善・共同編集でマージ不要、競合文書にならない・最新状況を共有、いつでもダウンロード可能
A 案件(xx 大学)
B 案件(xx 電機)
A さん
A さん
C さん
B さん
D さん
起票
B さん
状況
C さん
状況更新
更新
更新更新
更新
更新
内容修正
B さん
クローズ
D さん
A さん
起票
B さん
状況更新
A さん
状況更新
内容修正
Cさん
継続
D さん
担当者がそれぞれ進捗リストをバケツ リレー形式でマージ
全体管理用リストにマージ個別の進捗リストを作成・更新
商談支援SE
案件ごとに 1 つのリストを共同編集
After:Teams を用いたアジャイル型の情報共有に変革、不明な点はチャットや Web 会議で相談
共同編集によりマージの手間がなくなり、各自のタイミングで最新の情報に更新不明な点はチャットや Web 会議で随時相談し解決
Web 会議 チャット
起票 状況更新 状況更新 クローズ
起票 状況更新 状況更新 継続
株式会社リコー
トメントを表明しています。また、サード ベンダーとの連携も積極的に行われており、拡張性も十分だと評価されたのです。
これらの理由に加え、鈴木 氏は「リコーのお客様も Office 365 に対する高い関心をお持ちです」と指摘。顧客が求めるものを自ら経験し、そのノウハウを提供できるようになることも、これからのリコーにとって重要な取り組みになると言います。「市場で人気があるだけではなく、エコ システムも広がっているため、リコー独自の周辺ソリューションを作り上げることも容易です。このような特長も大きな評価ポイントとなりました」。
Office 365 を導入した後の社内展開は、「知る」「使う」「使い倒す」という、大きく 3 つのステップで進められていると説明するのは、株式会社リコー
デジタル推進本部 セキュリティ統括部 Open Communication Project
Team シニアスペシャリストの新妻 拓 氏です。
まずステップ 1 の「知る」では展開推進責任者と事務局を定め、国内グループ企業とリコー社内部門に対する説明会を実施。働き方変革や Office
365 展開、展開推進管理者の役割について説明が行われました。また同様の内容の「初期キーマン教育」も、26 回開催されています。
次にステップ 2 の「使う」では、ユーザーがお互いに助け合う場として「Office
365 ナレッジ共有サイト」を提供。その一方で活用促進イベントを月に
1 回の頻度で開催し、ワークショップも隔週のペースで行われています。
そしてステップ 3 の「使い倒す」では、「リクール」というペンギンのマスコットキャクターを制作し、毎日ブログで情報を発信しています。「リクールを起用した社内ポスターや、サイネージによる情報発信、ノベルティ グッズの配布なども行っています。また 2018 年 2 月のリコーグループの創立記念イベントは、Skype for Business で全国に同時中継されました」 (新妻 氏 )。
株式会社リコーデジタル推進本部セキュリティ統括部O p e n Co m m unic a t io n Project Teamグループリーダー小林 寛樹 氏
株式会社リコーデジタル推進本部セキュリティ統括部O p e n Co m m unic a t io n Project Teamシニアスペシャリスト新妻 拓 氏
株式会社リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部 セキュリティ戦略グループ前田 恵里 氏
これと並行してネットワークの増強にも着手。大容量通信を見越したキャパシティをインターネット回線や WAN 回線で確保すると共に、無線 LAN
の収容数を約 10 倍に拡大。さらに最新の認証方式や通信暗号化方式の採用も行われています。
情報共有のあり方を大きく変革したTeams、わずか数か月で約 2 万サイトが誕生Office 365 の各種機能の中でも、特に重視されているのが、Teams の活用です。「活用促進イベントやワークショップでも、Teams による働き方変革が主なテーマになっています」と語るのは、株式会社リコー デジタル推進本部 セキュリティ統括部 セキュリティ戦略グループの前田 恵里 氏。2018 年 4 月には Teams 活用を促進するための「Teams Week」を開催するほか、Teams で出した「お題」に対して Teams ステッカーで解答を募る「Teams ステッカー グランプリ」、Teams 活用を他の人にも広げてもらう「Teams アンバサダー プログラム」などが行われていると説明します。「これらのイベントでは、できるだけ気軽に参加してもらうことが重要です。そのため参加方法を明確にすると共に、PowerPoint のアニメーションやリクールを活用した、ポップな情報発信を心掛けています」。
このような一連の取り組みの企画には、マイクロソフトのカスタマー サクセス マネージャー (CSM) や FastTrack センターのメンバーも参画。Teams
アンバサダーのアイデアや、マニュアル制作の支援、移行方法や展開方法に関する情報提供などが行われました。またマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) やプレミア サービスも活用。「これらのサポートを受けたことも、短期間での展開に役立っています」と新妻 氏は語ります。
実際に、Teams を活用するユーザーは急速な勢いで増えています。2018
年 9 月時点で Teams の利用率は 75% に達しており、国内だけで約 2 万サイトが立ち上げられているのです。これらのサイトのうち 4 割は、毎日更新されています。これは日本国内では最大級の規模となります。コミュニケーションのあり方も、大きく変化しつつあります。
「たとえば、商談支援の進捗を共有する場合、以前は案件ごとに個別に進
“ 新たなコミュニケーション基盤として Office 365 を採用した理由は大きく 3 点あります。グローバル展開が容易なこと、高いセキュリティ、そして将来性の高さです”
小林 寛樹 氏:デジタル推進本部 セキュリティ統括部 Open Communication Project Team グループリーダー
株式会社リコー
株式会社リコー
捗リストを作成し、それを Notes に登録してメールを使ったバケツ リレー方式で伝達していました」と新妻 氏。そのためリアルタイムでの情報共有は難しかったと振り返ります。それに対して現在は、Teams でカスタム リストを作成し、それにリアルタイムで関係者がアクセスすることで、アジャイル型の情報共有が実現されています。「Teams 上のリストは複数ユーザーで同時に編集できるため、常に最新情報を共有できます。また不明な点や困りごとは、いつでもチャットや Web 会議で相談できます」。
Teams によって会議の開催方法も変化したと指摘するのは小林 氏です。「最近では Teams での会議をデフォルトで設定する人が増えています。また Outlook のカレンダーに Teams 会議のリンクを貼ることもでき、これも非常に便利です」。
さらに鈴木 氏は、自席から動かずに Teams 会議に参加することも増えていると言います。「Teams 会議ならロケーション フリーなので、会議室に
お客様事例についてのお問い合わせ本お客様事例は、インターネット上でも参照できます。https://customers.microsoft.com/ja-jp/本お客様事例に記載された情報は制作当時 (2018 年 10 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本お客様事例は情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。製品に関するお問い合わせは次のインフォメーションをご利用ください。■インターネット ホームページ https://www.microsoft.com/ja-jp/■マイクロソフト カスタマー インフォメーションセンター 0120-41-6755(9:00 ~ 17:30 土日祝日、弊社指定休業日を除く )※電話番号のおかけ間違いにご注意ください。*その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。*製品の仕様は、予告なく変更することがあります。予めご了承ください。
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SE
“ Teams によってコミュニケーションのあり方は大きく変化しました。カスタム リストを作成し、それにリアルタイムで関係者がアクセスすることで、アジャイル型の情報共有を実現しています”
新妻 拓 氏:デジタル推進本部 セキュリティ統括部 Open Communication Project Team シニアスペシャリスト
株式会社リコー
移動する必要がありません。そのため過密なスケジュールの中でも、すべての会議に参加できるようになりました」。
Teams 活用に関しては、今後もフォローアップ活動を続け、利用者をさらに拡大していくと鈴木 氏。Office 365 をインストールした携帯電話を配布し、いつでも Teams から電話をかけられる環境も整備しつつあります。
「目指しているのは、既存業務を残したままインフラだけを更新する "Lift
& Shift" ではなく、業務のあり方や働き方を根本から見直していく "業務プロセス改革 " です。Teams を中心としたコミュニケーション スタイルの変革はその第一歩です。これからもオフィス空間の変革や組織および制度変革、マネジメント スタイルの変革などを通じて、社員の意識変革を推進していきたいと考えています」 (鈴木 氏 )。