4
図1 チャンバー内での実験概念図 対象機器の仕様 対象機器 機器仕様 消費電力 アンビエント照明(LED) 20W LED 灯×2 44W アンビエント照明(HF) 45W 蛍光灯×2 95W ノートパソコン Intel(R)Core(TM)i5-3360M 2.80GHz(OS:Windows 8) 10W( 最大70W) デスクトップ パソコン Intel(R)Core(TM)i5-3470 3.20GHz(OS:Windows 8 pro) 21W( 最大113W) 液晶ディスプレイ 23 型ワイド 32W( 最大40W) 複合機(旧型) 連続複写速度( 毎分50 枚印刷) 1.5kW 以下 複合機(新型) 連続複写速度( 毎分40 枚印刷) 1.5kW 以下 表面発熱の測定項目 測定項目 測定機器 測定位置 室内温湿度 温湿度計 室中央( ) 室内温度分布 T 型熱電対 12 ( ②~⑦の前後) 表面温度 サーモカップルシート 及び赤外線カメラ 機器の各表面 床吹出し風速 微風速計 床面(⑧) 電力量 クランプ電力計 コンセント及び配電盤( ) 吸込み発熱体 壁表面 (暗幕設置) し口 発熱体 コンセン業務用ビルを対象とする液冷空調システムの開発 (第4報)機器単体の発熱性状把握のためのチャンバー測定実験 Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings (Part4) Measure experiment for heating characteristics of single equipment in the chamber 学生会員 ○吉冨 透悟(東京大学大学院) 学生会員 孝 根(東京大学大学院) 樋山 恭助(山口大学) 正会員 関根賢太郎(大成建設) 技術フェロー 松縄 堅(日建設計総合研究所) 技術フェロー 加藤 信介(東京大学生産技術研究所) Togo YOSHIDOMI *1 , Hyokeun HWANG *1 , Kyosuke HIYAMA *2 Kentaro SEKINE *3 , Katashi MATSUNAWA *4 , Shinsuke KATO *5 *1 Graduate School of The University of Tokyo, *2 Yamaguchi University , *3 TAISEI Corporation *4 Nikken Sekkei Research Institute, *5 Institute of Industrial Science, The University of Tokyo This study aims to understand the internal heat generation characteristics of office equipment in commercial buildings, to evaluate the effects of thermal radiation and convection heating element on the indoor space. In this paper, we report on the results of measurement of the amount of heat generated from the surface or a fan of equipment, when single typical internal heat generation equipment is operated in constant temperature and humidity conditions in the chamber. As a result, the amount of heat generated from the surface is 35-58% of the total heating value of the device with a fan. 1. はじめに 液冷空調システムでは、室内の各発熱源からの効果的な 熱回収を行うために、各発熱機器の発熱性状を把握した 上でそれぞれの機器の特徴に即した熱回収方法をとるこ とが重要である。また、熱回収を行った際に発熱源近傍 の環境に影響を与えるため、機器周囲で実現される環境 に関して分布を考慮した詳細な検討が必要である。オフ ィス内の様々な発熱機器に関して、発熱量を放射と対流 に分離する検討は行われている 1) が、周囲への影響や表 面の発熱の分布を考慮した検討はなされていない。 本研究は、業務用ビルでのオフィス機器の内部発熱特 性を把握し、発熱体が周囲の空間に及ぼす対流や放射に よる熱的影響を評価することを目的とする。本報では、 一定の温湿度条件で代表的な内部発熱機器を単体で運転 した際の、機器の表面・ファンからの発熱量を測定した 結果について報告する。続報においてこの結果を利用し たシミュレーションを行う。 2. 実験概要 対象機器から室内空間へと放出される熱量は次式(1のように、機器表面からの発熱量と排気による排熱量の 和となる。本報では、機器の全体発熱量(電力量)と表 面からの放熱量に対して調べる。ただ、照明器具は可視 光となる電力もあるので、発光効率を考慮した全体発熱 量を評価する。 空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2013.9.25〜27(長野)} -29- 第3巻 G-30

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図1 チャンバー内での実験概念図

表1 対象機器の仕様 対象機器 機器仕様 消費電力

アンビエント照明(LED) 20W LED灯×2本 44W

アンビエント照明(HF) 45W 蛍光灯×2本 95W

ノートパソコン Intel(R)Core(TM)i5-3360M 2.80GHz(OS:Windows 8)

10W(最大70W)

デスクトップ パソコン

Intel(R)Core(TM)i5-3470 3.20GHz(OS:Windows 8 pro)

21W(最大113W)

液晶ディスプレイ 23型ワイド 32W(最大40W)

複合機(旧型) 連続複写速度(毎分50枚印刷) 1.5kW以下

複合機(新型) 連続複写速度(毎分40枚印刷) 1.5kW以下

表2 表面発熱の測定項目 測定項目 測定機器 測定位置

室内温湿度 温湿度計 室中央(①)

室内温度分布 T型熱電対 12点(②~⑦の前後)

表面温度 サーモカップルシート 及び赤外線カメラ 機器の各表面

床吹出し風速 微風速計 床面(⑧)

電力量 クランプ電力計 コンセント及び配電盤(⑨)

・ ①

②・ ・③

④・ ・⑤

⑥・ ・⑦

吸込み口

発熱体

壁表面 (暗幕設置)

吹出し口

発熱体

コンセント・

業務用ビルを対象とする液冷空調システムの開発

(第4報)機器単体の発熱性状把握のためのチャンバー測定実験

Development of the Liquid Cooling Air-conditioning System for Commercial Buildings

(Part4) Measure experiment for heating characteristics of single equipment in the chamber

学生会員 ○吉冨 透悟(東京大学大学院) 学生会員 黄 孝 根(東京大学大学院)

正 会 員 樋山 恭助(山口大学) 正 会 員 関根賢太郎(大成建設)

技術フェロー 松 縄 堅(日建設計総合研究所) 技術フェロー 加藤 信介(東京大学生産技術研究所)

Togo YOSHIDOMI*1, Hyokeun HWANG*1, Kyosuke HIYAMA*2

Kentaro SEKINE*3, Katashi MATSUNAWA*4, Shinsuke KATO*5

*1 Graduate School of The University of Tokyo, *2 Yamaguchi University, *3 TAISEI Corporation

*4 Nikken Sekkei Research Institute, *5 Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

This study aims to understand the internal heat generation characteristics of office equipment in commercial buildings,

to evaluate the effects of thermal radiation and convection heating element on the indoor space. In this paper, we report on

the results of measurement of the amount of heat generated from the surface or a fan of equipment, when single typical

internal heat generation equipment is operated in constant temperature and humidity conditions in the chamber. As a result,

the amount of heat generated from the surface is 35-58% of the total heating value of the device with a fan.

1. はじめに

液冷空調システムでは、室内の各発熱源からの効果的な

熱回収を行うために、各発熱機器の発熱性状を把握した

上でそれぞれの機器の特徴に即した熱回収方法をとるこ

とが重要である。また、熱回収を行った際に発熱源近傍

の環境に影響を与えるため、機器周囲で実現される環境

に関して分布を考慮した詳細な検討が必要である。オフ

ィス内の様々な発熱機器に関して、発熱量を放射と対流

に分離する検討は行われている 1)が、周囲への影響や表

面の発熱の分布を考慮した検討はなされていない。

本研究は、業務用ビルでのオフィス機器の内部発熱特

性を把握し、発熱体が周囲の空間に及ぼす対流や放射に

よる熱的影響を評価することを目的とする。本報では、

一定の温湿度条件で代表的な内部発熱機器を単体で運転

した際の、機器の表面・ファンからの発熱量を測定した

結果について報告する。続報においてこの結果を利用し

たシミュレーションを行う。

2. 実験概要

対象機器から室内空間へと放出される熱量は次式(1)

のように、機器表面からの発熱量と排気による排熱量の

和となる。本報では、機器の全体発熱量(電力量)と表

面からの放熱量に対して調べる。ただ、照明器具は可視

光となる電力もあるので、発光効率を考慮した全体発熱

量を評価する。

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2013.9.25 〜 27(長野)} -29-

第3巻

G-30

)()( afanfanpequipns TTVCATTQ … (1)

ここに、Q:発熱体の総発熱量(W), α:総合熱伝達率(W/m²K),

Ts:発熱体の表面温度(℃), Tn:室内の環境温度(℃),

Ta:室内の空気温度(℃), Tfan:発熱体の排気温度(℃),

Aequip:発熱体の表面積(m2), Vfan:発熱体の排気風量(m3/s),

Cp:空気の定圧比熱(J/kg·K) , ρ:空気の密度(kg/m3)

)/()( rcrracn TTT … (2)

ここに、Tn:室内の環境温度(℃),

Ta:室内の空気温度(℃), Tr:暗幕の温度(℃),

αc:対流熱伝達率(W/m²K), αr:放射熱伝達率(W/m²K)

表面での発熱量の計算に使用される環境温度 Tnは式

(2)で表現できる 2)。ここに周囲の表面温度 Trは室温

Taと同様と仮定して、Tn=Taとする。この仮定の下、室内

温度と機器の平均表面温度の測定結果を用いて、(1)式の

第一項により機器表面からの発熱量を算出する。αc, αrは

発熱体の表面で分布し、CFD と放射連成シミュレーショ

ンなどによる解析で推定可能であるが、ここでは αに対

する経験値として 9.2W/m²K を与えて算出する。

3. 実験方法

3.1 表面発熱の測定(測定1)

本実験は、測定条件を一定に保って、機器単体の発熱

量を測定するために、恒温室で実験を行った。図 1 に恒

温室内の実験概念図を示し、図中の番号は表2と図5で

の測定位置である。恒温室の換気方式は、床全面吹出し、

天井全面吸込み方式であり、壁は放射の影響を最小限に

抑えるために放射カーテン(暗幕)を設置した。また、

機器表面から発生する上昇流が恒温室内気流によって、

さまたげられないようにするため恒温室の吹出し風速を

約 0.04m/s で一定に維持させた。

恒温室の温湿度条件は、26℃、50%の条件で行う。表

2に測定項目、測定機器、測定位置を示し、表3に機器

の運転条件における測定ケースを示す。

3.2 ファン排熱量の測定(測定2)

また、排気ファンをもつ機器のうちノートパソコン(以

下ノートPC)とデスクトップパソコン+液晶ディスプレ

イ(以下デスクトップPC+液晶)に関しては、ファン排

気からの発熱量の測定を測定1と同条件のもとで行った。

図1に測定方法概念図と測定点を示し、表3に測定項目

を示す。風量の測定は、微風量の排気に対し漏れと抵抗

をできるだけ小さくするため、定常運転時のPCのファン

からの排気を一定時間ビニール袋に捕集し、その後集め

た空気の体積を積算流量計で測定する方法をとった。フ

ァン吹出し温度は、排気口とビニール袋をつなぐフード

内に配置した熱電対によって吹出し直後の空気温度を測

定し、各点の平均をとったものを使用した。

表3 表面発熱の測定ケース

ケース 対象機器 運転条件

Case1 アンビエント照明(LED) 連続運転

Case2 アンビエント照明(HF) 連続運転

Case3-1 ノートパソコン

CPU使用率(50%)

Case4-1 CPU 使用率(100%)

Case5-1 デスクトップパソコン+ 液晶ディスプレイ

CPU使用率(50%)

Case6-1 CPU使用率(100%)

Case7 複合機(旧型)

待機運転

Case8 連続運転 (カラーコピー)

Case9 複合機(新型)

待機運転

Case10 連続運転 (カラーコピー)

図2 ファン排熱量の測定方法

デスクトップPC本体(背面) ノートPC(背面)

図3 ファン排気温度の測定点

表4 ファン排熱量の測定項目 測定項目 測定機器 測定位置

室内温湿度 温湿度計 室中央(①)

室内温度分布 T型熱電対 12点(②~⑦の前後)

ファン吹出し温度

T型熱電対 3点(ノートPC)、

5点(デスクトップPC)

ファン風量 ビニール袋で捕集したのち 積算流量計で測定

-

電力量 クランプ電力計 コンセント及び配電盤(⑨)

表5 ファン排熱量の測定ケース

ケース 対象機器 運転条件

Case3-2 ノートパソコン

CPU使用率(50%)

Case4-2 CPU 使用率(100%)

Case5-2 デスクトップパソコン+ 液晶ディスプレイ

CPU使用率(50%)

Case6-2 CPU使用率(100%)

図4 運転時の室内温・湿度範囲

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2013.9.25 〜 27(長野)} -30-

測定1と同様に、恒温室内の温湿度は26℃、50%、気

流は約0.04m/sで維持した。表5に測定ケースを示すが、

各ケースの運転条件は測定1と同じとしている。

なお、複合機は本体内のファンの数が多く風量の測定

が困難だったため、風量の測定は行っていない。

4. 実験結果 4.1 表面発熱の測定 恒温室の温湿度条件は、実験条件及び空調機の運転状況

に影響を受ける。図 2 に機器運転中の室内温湿度変化を

示す。機器の発熱量が非常に大きい複合機以外は、温度

は平均値より±0.4℃、相対湿度は±3%の範囲に収まっ

ており、安定した条件下であることを確認した。

(1)室内温度分布

図 3 に各対象機器設置時の恒温室内の温度分布を高さ

別に測定した結果を示す。これは室内空気が静止してい

る時に生じるサーマルプリュームの性状を示すものと思

われる。上下部の温度差は、ファンがないLED とHF は

平均 0.2、0.1℃となる。ファンがある機器の場合、ノー

トPC では 0.2℃、デスクトップPC+液晶では 0.4℃、旧

型複合機では 2.6℃、新型複合機では 2.3℃の温度差とな

る。また、デスクトップPC+液晶の場合は、ファンの稼

働状況によって中部と上部の温度が大きく影響を受ける

ことが確認された。

(2)電力量と表面温度

表 4 に各機器の電力量を測定した結果と表面温度の結

果を示す。電力量の場合、一定な条件で測定が行われた

ので、時間に応じた電力量の変化はほとんどなく、一定

に維持された。複合機の待機モードの場合は旧型と新型

が各 15W と 1W であり、発熱量は非常に小さい。

各機器の表面温度は、赤外線カメラで測定した結果と

表面積により平均表面温度で算出した。複合機の待機モ

ードでは、発熱量が非常に小さく表面温度と室温の温度

差がほとんどなかったので、計算が困難であった。

(3)表面からの発熱量

表面からの発熱量は、気流が十分に小さいと仮定する

ことで、上記の式(1)の右辺第一項から α(9.2W/m²K)

及び表面温度と環境温度の差を用いて概算できる。環境

温度は機器発熱の影響を受けない室内下部の温度を用い

て計算した。照明器具の場合、投入電力量に比べてLED

灯良く一致しているが、蛍光灯は 21.1W 小さくなった。

LED は発熱箇所が単純な形状であるため、発熱量全体の

測定が容易であった。一方、蛍光灯は機器の形状が複雑

で入れ子状になっており、奥の隠れた部分は熱画像を撮

影できなかったため形状を単純化して表面積・平均表面

温度を計算した。その結果、表面積が実際より小さく算

出されており、表面からの発熱量が小さく算出されてい

ると考えられる。また、ノート PC では AC アダプタ部

からの発熱が表面発熱量のうち 12%(CPU50%)、29%

(Case1) アンビエント照明(LED) (Case2) アンビエント照明(HF)

(Case3-1)ノートパソコン[CPU使用率50%]

(Case4-1)ノートパソコン[CPU使用率100%]

(Case5-1) デスクトップパソコン+液晶ディスプレイ[CPU使用率50%]

(Case6-1) デスクトップパソコン+液晶ディスプレイ[CPU使用率100%]

(Case8)複合機(旧型)[運転モード] (Case10)複合機(新型)[運転モード]

図5 運転時の室内温度分布(図1参照)

(Case1) アンビエント照明(LED)

(Case2) アンビエント照明(HF)

(Case4-1)ノートパソコン[CPU使用率100%]

(Case6-1) デスクトップパソコン+液晶ディスプレイ[CPU使用率100%]

図6 表面温度分布の測定結果

空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集{2013.9.25 〜 27(長野)} -31-

(CPU100%)となった。

4.2 ファン排熱の測定

(1) ファン排熱量の測定

ファンからの排熱量は、上記の式(1)の右辺第二項か

ら、測定した流量と温度差を用いて算出した。室内空気

温度は機器発熱の影響を受けない室内下部の温度を用い

て計算した。デスクトップ PC+液晶は、CPU50%時と

CPU100%時で流量の差が小さいが、ファン吹出し温度と

室内空気温度の差が大きいためファン排熱量自体は大き

くなっている。

(2) ファン排熱のある機器の全発熱量

ファン排熱のある機器の場合の全発熱量を表8に示す。

測定1と測定2の室内温湿度の誤差の補正のため、消費

電力の比(測定1の消費電力に対する測定2の消費電力

の割合)でファン排熱量を除すことにより補正を行った。

全発熱量に対する機器表面からの発熱量は、ノート PC

は 44%(CPU50%)、35%(CPU100%)、デスクトップPC

+液晶は 54%(CPU50%)、58%(CPU100%)となった。

CPU 使用率が大きい場合に、ノート PC はファン排熱が

増加し、デスクトップPC+液晶は表面からの発熱が増加

する結果となった。

(3) 投入電力と発熱量の測定値の差

Case3~6 では投入電力に対して表面、ファンからの発

熱量が小さくなっている。表面発熱量が小さくされた要

因として、総合熱伝達率を 9.2W で一定と仮定している

ことにより、機器周囲の上昇流による対流熱伝達量の増

加分が少なく見積もられている可能性があることが考え

られる。ファン発熱量が小さく算出された要因として、

Case3~6 でビニール袋・フードの抵抗により風量が小さ

く算出されたこと、またCase3~6 で吹出し直後の温度を

測っているため、ファンの仕事が吹出し後に室内で熱に

変わった分は計測されていないことが考えられる。

5. まとめ 本報では、チャンバー内での放射と対流の影響が小さ

い安定化した条件で内部発熱機器を運転し、機器表面か

ら放出される発熱量を表面からの発熱と排気による排熱

に分けて測定した。ケース間の比較の上では自然な結果

が得られたが、測定誤差・計測方法に関しては更なる検

討を必要とする。

続報では、本測定の結果を対流・放射連成シミュレー

ションの境界条件として活用することで、発熱体からの

排熱の特徴を放射と対流に分離して分析を行う。

参考文献

1) Experimental results for heat gain and radiant/convective split from equipment in buildings, MH Hosni, BW Jones, H Xu - ASHRAE Transactions, 1999 2)李時桓,加藤信介:日本建築学会環境系論文集 Vol.76 No.666,pp.289-295,2011.3.

謝辞 本研究は、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)「戦略的省エネルギー技術革新プログラム/実用化開発/業務用ビル液冷空調システムの開発」によるものである。関係各位に謝意を表する。

表6 表面発熱の測定結果

投入電力量[W] 力率[%] 表面積

[m2] 平均表面温度[℃]

室内温度[℃]

表面からの発熱量[W]

Case1 45(39)* 100 0.838 30.5 25.4 39.0

Case2 96(84)* 100 0.935 34.0 26.7 62.9

Case3-1 49 52 0.406

30.6 27.0 13.0

Case4-1 48 52 31.2 26.7 16.5

Case5-1 98 93 0.697

31.6 25.8 37.4

Case6-1 105 93 32.4 25.8 42.3

Case7 15 57 3.416

- - -

Case8 627 98 34.5 26.9 240.5

Case9 1 23 3.230

- - -

Case10 617 86 34.4 27.0 221.6 *投入電力量×(1-固有エネルギー消費効率/定義上最大値)=発熱する電力量

(固有エネルギー消費効率:蛍光灯は88lm/W, LED灯は90lm/W)

(Case3-2)ノートパソコン

[CPU使用率50%]

(Case4-2)ノートパソコン

[CPU使用率100%]

(Case5-2) デスクトップパソコン+液晶ディスプレイ[CPU使用率50%]

(Case6-2) デスクトップパソコン+液晶ディスプレイ[CPU使用率100%]

図7 ファン排気測定点ごとの温度変動

表 7 ファン排熱量の測定結果

消費電力[W]

力率[%]

測定1の消費電力に対する割合

[%]

流量[m3/h]

ファン吹出温度[℃]

室内空気温度[℃]

ファンからの放熱量[W]

Case5-2 44 53 91 1.99 48.1 26.1 14.5

Case6-2 36 52 75 2.17 49.5 26.6 16.3

Case7-2 80 92 81 9.35 35.2 26.9 25.7

Case8-2 98 93 93 9.36 36.8 25.4 34.9

*空気比熱 : 1.007kJ/(kg・K), 空気密度 : 1.176kg/m3として算出

表8 ファンをもつ機器の全発熱量

消費電力

[W] 表面からの発熱量[W]

ファンからの放熱量(補正後)[W]

発熱量合計[W]

Case3-1,2 49 13.0 16.0 29.0

Case4-1,2 48 16.5 21.7 38.2

Case5-1,2 98 37.4 31.6 69.0

Case6-1,2 105 42.3 33.0 75.3

*ファンからの放熱量は測定1と測定2の消費電力の比で補正している

42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52

0:00 0:20 0:40 1:00 1:20

温度

(℃)

経過時間

1

2

3

平均

42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52

0:00 0:20 0:40 1:00

温度(℃

経過時間

1

2

3

平均

30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40

0:00 0:20 0:40 1:00 1:20 1:40

温度(℃

経過時間

1

2

3

4

5

平均

30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40

0:00 0:20 0:40 1:00

温度

(℃)

経過時間

1

2

3

4

5

平均

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