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スマートフォンアプリによる環境情報の記録・発信を支援する取り組み
㈱ウイングベース福本 塁
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Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
はじめに
2Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
市民活動
環境情報自分たちの生活環境を維持するために活用
自分たちの生活環境を維持するための活動※特に自発的で公益に資するもの
環境
情報 3
ちょっと自己紹介
4Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
1 9 8 2 年 東 京生まれ
2 0 0 2 年 河 川・森林におけるアクティビティに興味を持つ水質調査や植生調査を我流でやり始め市民活動に本格的に参加。深 刻 な 若 者 不 足 と、情 報 の 発 信 力 が 弱 い ことを実感。
2 0 0 4 年 大 好きな水域が治水工事で消失の危機に。形成過程を明らかにするため、まじめに研究し始める。目的によっては市 民 の デ ー タ は 精 度 が 怪 し い という指摘があることを知る。
2 0 0 5 年 大 学院に進学したので、グローバルな課題に取り組む。水質と人間活動を G I S や 統 計解析を活用して定量的に検討する。水 質 の 時 間 変 動 に 悩 ま さ れ る 。
2 0 0 6 年 研 究対象地の住民や行政と一緒に研究するスキームを構築する。流域内 7 0 地 点を多 地 点 同 時 観 測 、採水し研究室で分析をする。研究の成 果 を 住 民 に フ ィ ー ド バ ッ ク することで、市民活動が一歩進んだものに!研究の姿勢として、心 あ る 市 民 活 動 を 支 え る 知 見 を 付 与 することが重要と認識
2 0 0 7 年 G I S の エ ンジンを開発する I T 企 業 に就職。
2 0 0 8 年 携 帯 電 話 の G P S 機 能 に目を付け、若者向けに市民活動が楽しくなるツールの開発を行う。また F O S S 4 G の 取り扱いを市民向けにカスタマイズし始める。
2 0 1 1 年 地 域に根ざしたシンクタンクを目指して株式会社ウイングベースを設立自然環境保全・防災・医療の3分野における I T を 活 用した研究開発と普及啓発活動に従事。
⇒このあたりで、本日お話する内容のルーツが生まれました。
2 8 歳
2 5 歳
2 4 歳
2 3 歳
2 2 歳
2 1 歳
1 9 歳
現地調査
整理解析 5
取り組みの背景
6Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
市⺠活動のステップ(⽔質調査の場合)STEP1 情報を取得・記録する
STEP2 解析・考察する
STEP3 発信する
取り組みの背景
7Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
市⺠活動のステップ毎の課題(⽔質調査の場合)STEP1 情報を取得・記録する
⇒調査地点の緯度・経度を調べるのが面倒⇒初めて水質測定する人は比較するものがない
STEP2 解析・考察する⇒メモを表やグラフに再作成、ルーチンになると面倒⇒初めて水質測定する人はどのようにしてよいかわからない
STEP3 発信する⇒地図やグラフなどを作成するのは難易度が高い⇒ポスターやチラシ印刷、Webサイトを構築し発信するには時間や労力がかかる
事例紹介
8Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
具 体 的 な 事 例 を 通 し な が ら 取 り 組 み を ご 紹 介 し ま す 。
W a t e r V o i c e i 地 震
O p e n G r e e n M a p 大 槌の宝ものを発信しよう!
事例紹介1 W a t e r V o i c e
9Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
水質調査
W a t e r V o i c e
⾝近な⽔環境の全国⼀⻫調査を事例に調査がおもしろくなるしかけとしてスマートフォンアプリを製作開始。
メインの開発期間は約6ヶ⽉。
事例紹介1 W a t e r V o i c e
10Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
W a t e r V o i c e
事例紹介
11Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
⽔環境の現地調査⽀援ツールとして以下の課題にアプローチ
課題
緯度経度を調べるのが⼤変
データ⼊⼒が難しい
地図作成が難しい
解決策
GPSで⾃動取得
アプリで簡単なGUI
⾃動で地図作成
情報発信の遅延 データ登録直後に情報発信
ターゲット スマホの取り扱い 水環境の知識わかもの 得意 少ない
既に活動している方 不得意 多い
役割分担
事例紹介1 W a t e r V o i c e
12Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
起 動 画 ⾯ 最寄りの河川名表⽰
現在、どの流域にいるかどの川が近くか
を判定
事例紹介1 W a t e r V o i c e
13Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
⽔質項⽬の⼊⼒
写真を撮影
ヒトコトメモ
登録⼊⼒しやすいGUI
事例紹介1 W a t e r V o i c e
14Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
同じ川の⽔質を⾒ることができます
すぐに反映ほかのデータも
⾒れるからおもしろい。
事例紹介1 W a t e r V o i c e
15Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
クライアント
現在位置から流域判定
事例紹介1 W a t e r V o i c e
16Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
⾃動解析も可能
事例紹介1 W a t e r V o i c e
17Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
Live E!と絡めるなら・・・
調査する際に、流域内の降⾬が過去1週間どのくらいあったのかを表⽰する機能の実装。
現在開発中の機能
1.流域判定の対象を全国に拡⼤
2.河川(または流域)と時期(または団体名)を選ぶだけで地図画像とURL、QRコードが作成される機能→Web発信が不得意な団体が若者に情報発信⽀援。
18Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
樹木調査
O p e n G r e e n M a p
事例紹介2 O p e nG r e e nM a p
都市部(板橋区)の樹⽊調査を⾏うのに、専⾨知識のない⼈でも楽しめるようなしかけとして軽い気持ちで開発。
メインの開発期間は4⽇。
事例紹介2 O p e nG r e e nM a p
19Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
O p e n G r e e n M a p
20Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
都市の樹⽊調査⽀援ツールとして以下の課題にアプローチ
課題
初めての⼈は⾯⽩くない
解決策
⾒栄え重視でアプリ化
⾒た⽬に変化があると、ちょっとしたゲーム感覚で楽しくなる!
ターゲット スマホの取り扱い 樹木の知識わかもの 得意 少ない
事例紹介2 O p e nG r e e nM a p
21Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
項⽬を⼊⼒
写真を撮影
登録⾃由に⼊⼒
正しくなくてもOK
事例紹介2 O p e nG r e e nM a p
22Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介2 O p e nG r e e nM a p
23Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
防災分野事例紹介3 i地震
i 地 震
地震がおこったとき「○○市 震度○」と速報で流れますが、同じ地域内でも、地盤や建物の種類・⾼さによって「ゆれ」は全く異なります。そこで、スマートフォンを地震計にして、その差分を明らかにし、市⺠へ耐震化や不燃化といった取り組みの普及啓発を促すために開発。
開発元は防災科学技術研究所&⽩⼭⼯業株式会社(地震計を製造している会社)になります。
事例紹介3 i地震
24Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
i 地 震
25Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
防災分野の地震対策⽀援ツールとして以下の課題にアプローチ
課題
安価な地震計がない
地震速報のゆれは場所によって異なる
⾝近な場所の地震リスクがよくわからない
解決策
スマートフォン地震計
いろんな場所で測定
設置時にきちんと解説する
ターゲット 地震災害の意識 対策実施済の割合一般市民 高い 少ない民間企業 高い 少ない
危機感の正常化
事例紹介3 i地震
揺れると測定
26Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
測定後にサーバーへ⾃動登録
事例紹介3 i地震
無線LANと電源に接続して壁or床に固定
地震波を測るモードでStarat
27Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介3 i地震
ゆれマップでゆれの確認
28Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
教育分野事例紹介4 大槌の宝ものを発信しよう!
大槌の宝ものを発信しよう!
震災を乗り越える際の気持ちが⾵化してしまわないように、⼤槌のこどもたちが世界中の⼈たちに向けて、⼤槌の宝ものを⾒つけ、レポートし、環境情報とあわせて発信していく活動を⽀援するために開発。
メインの開発期間は7⽇。
サイエンスコンテストにてデモ機を2台出展しますので是非ご覧ください!
29Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介4 大槌の宝ものを発信しよう!
大槌の宝ものを発信しよう!
30Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介4 大槌の宝ものを発信しよう!メ イ ン 画 面
使 い 方 紹 介① 写 真 を 読 み 込 む ボ タ
ン で す 。 モ ニ タ ー に 大
き く 表 示 さ れ ま す 。
➁ タ イ ト ル を 入 力 で き
ま す 。
③ 写 真 を 読 み 込 む と 撮
影 時 間 の 気 象 情 報 を 表
示 し ま す 。
④ 宝 も の タ グ ボ タ ン で
す 。 カ チ ン と い い 音 が
鳴 り ま す 。
⑤ レ ポ ー ト 画 面 を カ メ
ラ ロ ー ル に 保 存 し ま す 。
⑥ 音 声 を 録 音 、 再 生 が
で き ま す 。 フ ァ イ ル は
i P a d に 保 存 さ れ ま す 。
①
➁③
④ ⑤ ⑥
31Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介4 大槌の宝ものを発信しよう!STEP1大槌で楽しく遊んで写真を撮影する。
カ メ ラ ト ル 描 く大槌の宝もの
S T E P 2屋内で写真を選んでメッセージを加える。
STEP3インターネットから世界へ発信する。
32Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
事例紹介4 大槌の宝ものを発信しよう!以下のURLでこどもたちの作品を確認できます。http://cf4ee.nenv.k.u‐tokyo.ac.jp/drupal6/?q=otsuchi_takara01※末尾の数字が活動班に対応しており、01~05まで閲覧可能です。
最後に
33Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
市民が科学者になる日
34Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
流域スケールにおける人間活動が水質に与える影響
位置情報から
流域界作成
土地利用データ
土地利用データを
流域界でくりぬく
水質と土地利用
の統計解析
フィールドで
水質調査複数種の水質
市民が科学者になる日
35Live E! シンポジウム2012東京大学本郷キャンパス工学部2号館241講義室
こうしてつくったもや研究の成果は、いろんな人がいろんな目的で利用できるように、「相互運用性」を高めた形で実装し世の中に公開していくと、論文とはまた違った意味で、社会に大きく貢献できるのかなと考えています。
研究者があれこれ見つけた新しい事実を地域で活動している市民が自分の地域用に使ってみる。その結果を研究者へフィードバックしたり、研究者が考察をサポートしたり。
そんな協働や交流が当たり前にできる時代がくればいいなと夢見て今後も取り組んでいきたいと思います。