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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さる
かに
さるかに
むかし、 ある 山(やま) の ふもと に、
一(いつ) ぴき の かに が いました。
ぽかぽか と あたたかい 春(はる) の 日(ひ) の
こと です。 かに は ちかく の 川(かわ) の
ほとり を、 のんびり さんぽして いました。
すると、 だれ が おとして いった の か、
草(くさ)むら に 大(おお)きな にぎりめし が
ごろん と ひとつ、 おちて いました。
「これ は、 いい もの を みつけた よ。」
Notas:
3
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
そこ へ、 さる が やって きました。
くいしんぼう の さる は、 にぎりめし を みる と、
ほしく なりました。
「かに さん。 にぎりめし より、 おれ が ひろった かき の
たね の
ほう が、 いい よ。 にぎりめし は たべちゃえば なく なって
しまう けど、 かき の たね は 土(つち) に うめて そだて
れば、
いくら でも おいしい み が なって、 たべられる から ね。」
さる の はなし を きく と、 かに は 「なるほど」 と
おもいました。 そして、 にぎりめし を かき の たね と
とりかえる と、 いえ に かえって 土 の なか に
うめました。
4
Leyendo Hiragana - Historias para niños
はやく め を だせ かき の たね
ださぬ と はさみ で ほじくる ぞ
かに は うた を うたい ながら、 せっせと
水(みず) や こやし を やりました。
ほじくられて は たまりません。 かき の
たね は、 小(ちい)さな め を だしました。
はやく 木(き) に なれ かき の なえ
ならぬ と はさみ で ちょんぎる ぞ
め を だす と、 かに が うたいました。
きられて は たまりません。 かき の
なえ は、 すくすく 大きな
木 に なりました。
Notas:
さるか
に
5
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
はやく み が なれ 赤(あか)く なれ
ならぬ と ねもと で ぶっきる ぞ
かに が また うたう と、 かき の 木 は、
たくさん 赤い み を つけました。
6
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
かに は おおよろこび で、 かき の み を とって
たべよう と しました が、 木 に のぼれません。
そこ へ、 さる が やって きました。
「これ は みごと だ。 たくさん なった な。
どれ、 たべさせて もらおう。」
さる は するする 木 に のぼる と、
おいしく うれた かき の み を、
むしゃむしゃ たべ はじめました。
「さる さん。 じぶん ばかり たべて いないで、
わたし に も とって ください な。」
かに が はさみ を ふりふり いう と、
「うるさい な。 そんなら これ でも くえーー」
そう いって、 まだ 青(あお)い かたい かき の
み を、 かに に なげつけました。
Notas:
7
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
ぐじゃっ。
かたい かき の み は、 せなか に
あたって、 かわいそうに かに は
つぶれて しまいました。
すると、 しんだ かに の
おなか から 小さな 子(こ)がに たち が、
なん 十(じっ) ぴき と うまれて、
かさこそ かさこそ でて きました。
8
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
「かあさん が、 しんじゃった よ。」
「かあさん が、 さる に
ころされちゃった よ。」
子がにたち は、 小さな はさみ を
ふりあげ、 なみだ を ながし ながら
ないて いました。
Notas:
9
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
「どう した。 どう した。 なぜ ないて いる ん だ
ね。」
ぶーんと、 大きな はち が とんで きて、
たずねました。
「かあさん が、 さる に ころされちゃった ん だ よ。」
子がに たち が いう と、
「どう した。 どう した。 なぜ ないて いる ん だ。」
こんど は ころころ くり が ころがって きて、
いいました。
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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
「あの さる は ずるくて、 わるさ ばかり して いる ん
だ。
なんとか しなければ な。」
くり が いう と、 ぺったん ぺったら うし の ふん が、
やって きました。
「さる を こらしめる ん なら、 おれ も てだすけ する
よ。」
「ようし。 みんな で さる の いえ へ いこう。」
はち と くり と うし の ふん が、 こえ を あげる と、
どしん どしん と じめん が ゆれて、
石(いし)うす が やって きました。
「おれ も なかま に いれて くれ。」
石うす は 大きな こえ で、 いいました。
Notas:
11
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
子がに たち は、 かしゃかしゃ
はさみ を ならして、 すすみます。
その あと に、 くり と 石うす が、
つづきます。
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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
「さる は いない ぞ。 るす だ ぞ。
いえ の なか は、 いろり の 火(ひ) が
とろとろ もえて いる だけ だ。」
みんな で 草(くさ)むら に かくれて
まって いる と、 ようす を み に
いった はち が、 もどって きて
いいました。
「しめた ぞ。 それ なら いえ の なか に
みんな で かくれて、 さる が
かえって くる の を まつ ん だ。」
大きな 石うす が さくせん を
たてました。
Notas:
13
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
くり は、 いろり の はい の なか に
もぐりこみました。
はち は、 みそ の おけ の なか に かくれました。
こがに たち は、 ぞろぞろ 水 の かめ の
なか に、 はいって いきました。
うし の ふん は、 いえ の でぐち に
ぺたん と ねころびました。
さいご に、 石うす が、
よいこらしょ と てんじょう の
はり の うえ に
のぼって いきました。
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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
「おお、 きゅうに さむく なって きた なあ。」
さる は ゆうがた に なって、 いえ に
もどって きました。
おしり が つめたい ので、 いろり の 火 を
かきまわして、 おしり を あぶりました。
その とき です。
ぱぱーん!
くり が はぜて、 さる の おしり に
とびつきました。
「あち、 あちちちち......」
さる は とびあがって、 やけど に きく
みそ を ぬろう と、 いそいで みそ の
はいった おけ の ふた を あけました。
Notas:
15
Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
すると、 おけ の なか に かくれて いた
はち が とびだして きて、
ぷすっ!
と、 はり で さる の おでこ を
さしました。
「あいたたた......」
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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるか
に
さる は おでこ と おしり を おさえ ながら、 水 で
ひやそう と、 水がめ の ふた を あけました。
「かあさん の かたき だ。 それっ!」
こんど は 子がに たち が はさみ を ふり
あげて、 さる の からだ に とびつきました。
Notas:
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Leyendo Hiragana - Historias para niños
さるかに
「なに を する。 なに を する ん だーー」
さる は、 子がに たち を ふりはらおう と しました。
けれども、 子がに たち は はなれません。
ところ かまわず、 はさみで さる の からだ を
つまみました。
「いたい。 いたい。 たすけて くれーー」
さる は なきごえ を あげて、
にげまわりました。
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さるか
に
やっと の こと で、 こがに たち を ふりはらう と、 さ
る は
ころげる ように いえ から でて いこう と しました。
ところが、 でぐち の ところ で、 うし の ふん を ふみ
つけ、
つるりん と すべって ひっくりかえって しまいました。
「いたた、 いたた......。 おれ の いえ は どう なって
いる ん だ......」
Notas: