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JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
JVO ALMAアーカイブの天体同定 (I)
江口 智士
福岡大学理学部物理科学科
2015年 9月 10日
共同研究者
白崎 裕治, ザパート・クリストファー, 大石 雅寿,水本 好彦, 川崎 渉, 小林 剛志, 小杉 城治 (国立天文台)
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
1. ALMAアーカイブ
Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA)→南米チリにある世界最大の電波望遠鏡公募制に基づいた観測→観測提案者のデータ占有期間は 12ヶ月
占有期間後は日米欧の地域センターから一般公開(随時)→ALMAアーカイブ1つの観測データは複数の巨大な tarファイルに分割
ビジビリティーデータ (生データ・構成済みデータ)、多次元 FITS画像FITS画像を見るために複数の巨大 tarファイルをダウンロードする必要がある
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
2. JVO ALMAアーカイブ
国立天文台 Japanese Virtual Observatory (JVO)によるALMAデータの配信サービス
VOインターフェースに準拠←様々な波長のデータを統一的・横断的に取り扱うための世界共通規格
ウェブ・ブラウザを用いて ALMAの FITS画像・スペクトルを対話的に閲覧することが可能
ALMAWebQL (図 1)巨大な tarファイルを手元にダウンロードしなくて良いデスクトップ・アプリ “Vissage”と連携することで、より詳細な解析が可能世界初かつ唯一のシステム
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
3. ALMAWebQL
図 1: ALMAWebQLのスクリーンショット
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
4. 天体検索インターフェース
図 2: JVO ALMAアーカイブ・ページのスクリーンショット
データへのアクセス方法座標を入力天体名をリストから選択
天体名はプロポーザル中で定義された名称のまま
NGC番号のような通名非常にマイナーな名称天体名として不完全便宜的な連番
が混在している
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
5. モチベーション
検索インターフェースの改善案
まちまちな命名ルールを通名に統一する
NASA/IPAC Extragalactic Database (NED)や SIMBADのような天体データベースと連携させる
実現すれば…
データを見つけやすくなる
天体種別からデータを検索できる
「静止系である周波数を観測したデータ」のような探し方ができる
世界でも類のないデータ配信サービスの誕生!
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
6. キーワード
Project Code プロポーザルに対して一意に割り当てられるID (ALMA本家で割り当て)
Project Code Title プロポーザルの内容を一言でまとめたもの
Dataset ID JVO側で公開データ (画像 FITS)ごとに一意に割り当てた ID
▷Note
1回の観測で複数のDataset IDが生成される
1つの Project Codeに対して複数のDataset IDが対応
データベース間の関係性を管理する別のデータベースが必要 (本研究)
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
7. Project CodeとProject Code Title
図 3: Project Codeと Project Code Titleの例
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
8. データ収集 (1)
図 4: JVO ALMAアーカイブおよび SIMBADとのデータ交換手順
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
8. データ収集 (2)
図 5: JVO ALMAアーカイブの Dataset IDの詳細情報ページのスクリーンショット
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
9. データ収集 (3)
図 6: SIMBADの座標検索結果のページのスクリーンショット
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
10. Dataset IDとSIMBAD天体との対応付け
Project Code Title(図 3)、図 5の赤枠および図 6の赤枠を図 7に従って比較して対応天体を決定
図 7: SIMBAD対応天体を見つける際の判定フロー
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
11. BladeRunner
各データベースからデータの取得 (図 4)と対応天体の決定 (図 7)をすばやく行えるよう、”BladeRunner”というシンプルな Javaアプリを作成
図 8: BladeRunnerのスクリーンショット
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
12. 結果—統計
2015年 8月 31日時点のデータを集計
全Dataset ID数 : 4,410件
SIMBAD天体が見つかったDataset ID数 : 3,918件
重複を除いた SIMBAD天体数 : 934件
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
13. 結果—離角の分布
図 9: ALMA FITS画像の視野中心から SIMBAD天体までの離角の分布
ALMAのポインティング精度Relative 0′′.6
Absolute 2′′
van Kempen, F., et al., 2012, ALMA Newsletter, No.9
全Datasetのうち 2/3がALMAの絶対ポインティング精度 2′′の中に入っている
全体で見ると大きな間違いはしてなさそう
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
14. 結果—天体種別内訳 (Dataset IDベース)
天体種別 個数 割合 (%)
銀河団 46 1銀河 1,198 31
LINER, AGN, Blazar, QSO, 星形成銀河 874 22星団 17 < 1
恒星, WD, NS, BH, 褐色矮星 701 18原始星 142 4
系内・系外惑星 2 < 1分子雲, 星雲, 超新星残骸, 星間物質 639 16
各種線源 253 6不明 4 < 1
表 1: Dataset IDベースで見た天体種別の内訳
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
15. 結果—天体種別内訳 (SIMBAD天体ベース)
天体種別 個数 割合 (%)
銀河団 22 2銀河 395 42
LINER, AGN, Blazar, QSO, 星形成銀河 180 19星団 4 < 1
恒星, WD, NS, BH, 褐色矮星 173 19原始星 30 3
系内・系外惑星 1 < 1分子雲, 星雲, 超新星残骸, 星間物質 54 6
各種線源 63 7不明 1 < 1
表 2: SIMBAD天体ベースで見た天体種別の内訳
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
16. 結果—まとめ
分子雲や星間物質はひとつの領域を何度も観測している→広い天域をモザイキングしている?
銀河は他のものに比べると繰り返し観測の回数がやや少ない
Meankins, S., et al. 2014, Proc. SPIE, 9149, 914926←2012年–2014年 4月の間に ALMAアーカイブを使って書かれた論文の統計
「AGNや銀河など」が約 5割、「星間物質や星形成」が約 5割
活用されていない「AGNや銀河など」のデータが多数or/and 最近になって「AGNや銀河など」のデータが急速に増加?
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
17. JVOポータルへの組み込み
本研究の成果は既に JVOポータルへ反映されている
図 10: 本研究の成果を JVOポータルに反映させたところ
JVO ALMA アーカイブ モチベーション 方法 結果 Future Work
18. Future Work
1つのDataset IDに 1つの SIMBAD天体を対応付け→空間分解されて視野内に複数の対応天体がある状況に未対応→BladeRunnerで「視野」を取り扱うような改良
天体種別に「主要なもの 1つ」だけでなく複数の種別を取り扱えるような改良
SIMBADの空間情報と JVOの空間情報は別個の情報としてブラウザ上に表示、人間の頭の中で再構成→1つのウィンドウに重ねてプロットされる改良
精度の保証はどうするか?