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鋼管杭の機械式継手 平成 28年 5月 ハイメカネジ® 建技審証第 1101号 建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術) 概要書 一般財団法人 土木研究センター

継手部(JFE-HITEN780)が、鋼管本体(SKK)と …‹¼管杭の機械式継手 平成28年5月 ハイメカネジ 建技審証第1101号 鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ

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Page 1: 継手部(JFE-HITEN780)が、鋼管本体(SKK)と …‹¼管杭の機械式継手 平成28年5月 ハイメカネジ 建技審証第1101号 鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ

鋼管杭の機械式継手

平成 28年 5月

ハイメカネジ®建技審証第1101号

鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ®

平成 28年 5月 10日~平成 33年 5月 9日

審査証明有効期間

技術保有会社/お問合せ先

建材センター 建材開発部 土木技術室 03-3597-4520JFE スチール株式会社

主な実績

 施工時間に厳しい制約がある工事等を中心に、これまでに 90 件あまり(継手数約 6,300 Set)の採用実績があります。

技術の適用範囲

 ハイメカネジ®の適用範囲を以下に示します。これは、載荷試験や施工実績等から適用が可能であることを確認した範囲であり、この範囲以外での適用可能性を否定するものではありません。

(2)耐久性 継手部(JFE-HITEN780)が、鋼管本体(SKK)と同

等以上の耐久性(耐腐食性)を有することを確認しました。

(3)施工性 継手施工作業時に特殊な機材や技能が不要であり、かつ

溶接接合と比較して短時間で施工可能であることを確認しました。

溶接試験体の腐食減厚量の分布

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

一般財団法人 土木研究センター本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

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鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ®技術の概要

 ハイメカネジ®は、鋼管杭の現場用のネジ継手です。 鋼管杭の現場における継杭作業は、溶接接合によって行われることが一般的です。しかし、溶接接合による場合、①施工時間が比較的長く、鋼管杭の外径あるいは板厚が大きいほどこの傾向が顕著となる、②雨天・強風時等の荒天下での作業が困難である、③品質確保に当たっては、入念な管理および技量の高い溶接工を必要とする、等の課題があります。これに加え、最近では、溶接工の不足も指摘されるようになってきており、溶接に代わる技術の開発が望まれておりました。 ハイメカネジ®は、予め工場にて鋼管杭に取付けられた上で施工現場に納入されます。現場での継杭作業は、ハイメカネジ付き鋼管杭を回転させて嵌合させ、逆回転防止ピンを挿入して嵌合確認をするだけで完了です。 ハイメカネジ®の材料には、じん性・加工性に優れたJFEスチール独自の高張力鋼(JFE-HITEN780 国土交通大臣認定:MSTL-0220)を使用しています。 適用できる鋼管杭の寸法は、外径318.5mmから1,200mmまでとなっており、幅広い構造物へ適用できます。

(1)施工性に優れた構造ハイメカネジ®には、差込式多条平行ねじ構造を採用しています。これによって、少ない回転数(例えば、φ800×t9の鋼管の場合で1回転)で継手の接続作業ができるとともに、ねじ山のかじりなどによる施工トラブルも生じにくい構造となっています。

(2)施工時間の大幅短縮作業に必要な時間は1箇所当たり10分程度です。

(3)鋼管に対して全強圧縮力・引張力・曲げモーメント・せん断力に対し、鋼管杭本体と同等以上の強度が確保されます。なお、ねじりに対しては全強ではありませんので、施工時に杭体にねじりトルクを作用させる場合には、ねじりトルクの制限値以下として下さい(表-1参照)。

(4)容易な施工管理溶接継手のような非破壊試験が不要で、逆回転防止ピンの挿入確認をもって施工検査が完了となります。

技術の特徴

(1)継手の強度7件の力学試験により、継手部が鋼管本体と同等以上の圧縮・引張・曲げ・せん断強度を有することを確認しました。

審査証明の結果

表-1 ハイメカネジ®製品表

曲げ試験状況施工手順

ハイメカネジ®の構成

接合後

雌継手 雄継手

回転バンド レバーブロック 施工機械

荷重変位関係の例

Page 3: 継手部(JFE-HITEN780)が、鋼管本体(SKK)と …‹¼管杭の機械式継手 平成28年5月 ハイメカネジ 建技審証第1101号 鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ

鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ®技術の概要

 ハイメカネジ®は、鋼管杭の現場用のネジ継手です。 鋼管杭の現場における継杭作業は、溶接接合によって行われることが一般的です。しかし、溶接接合による場合、①施工時間が比較的長く、鋼管杭の外径あるいは板厚が大きいほどこの傾向が顕著となる、②雨天・強風時等の荒天下での作業が困難である、③品質確保に当たっては、入念な管理および技量の高い溶接工を必要とする、等の課題があります。これに加え、最近では、溶接工の不足も指摘されるようになってきており、溶接に代わる技術の開発が望まれておりました。 ハイメカネジ®は、予め工場にて鋼管杭に取付けられた上で施工現場に納入されます。現場での継杭作業は、ハイメカネジ付き鋼管杭を回転させて嵌合させ、逆回転防止ピンを挿入して嵌合確認をするだけで完了です。 ハイメカネジ®の材料には、じん性・加工性に優れたJFEスチール独自の高張力鋼(JFE-HITEN780 国土交通大臣認定:MSTL-0220)を使用しています。 適用できる鋼管杭の寸法は、外径318.5mmから1,200mmまでとなっており、幅広い構造物へ適用できます。

(1)施工性に優れた構造ハイメカネジ®には、差込式多条平行ねじ構造を採用しています。これによって、少ない回転数(例えば、

φ800×t9の鋼管の場合で1回転)で継手の接続作業ができるとともに、ねじ山のかじりなどによる施工トラブルも生じにくい構造となっています。

(2)施工時間の大幅短縮作業に必要な時間は1箇所当たり10分程度です。

(3)鋼管に対して全強圧縮力・引張力・曲げモーメント・せん断力に対し、鋼管杭本体と同等以上の強度が確保されます。な

お、ねじりに対しては全強ではありませんので、施工時に杭体にねじりトルクを作用させる場合には、ねじりトルクの制限値以下として下さい(表-1参照)。

(4)容易な施工管理溶接継手のような非破壊試験が不要で、逆回転防止ピンの挿入確認をもって施工検査が完了となります。

技術の特徴

(1)継手の強度7件の力学試験により、継手部が鋼管本体と同等以上の圧縮・引張・曲げ・せん断強度を有することを確認

しました。

審査証明の結果

表-1 ハイメカネジ®製品表

曲げ試験状況施工手順

ハイメカネジ®の構成

接合後

雌継手 雄継手

回転バンド レバーブロック 施工機械

荷重変位関係の例

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鋼管杭の機械式継手

平成 28年 5月

ハイメカネジ®建技審証第1101号

鋼管杭の機械式継手 ハイメカネジ®

平成 28年 5月 10日~平成 33年 5月 9日

審査証明有効期間

技術保有会社/お問合せ先

建材センター 建材開発部 土木技術室 03-3597-4520JFE スチール株式会社

主な実績

 施工時間に厳しい制約がある工事等を中心に、これまでに 90 件あまり(継手数約 6,300 Set)の採用実績があります。

技術の適用範囲

 ハイメカネジ®の適用範囲を以下に示します。これは、載荷試験や施工実績等から適用が可能であることを確認した範囲であり、この範囲以外での適用可能性を否定するものではありません。

(2)耐久性 継手部(JFE-HITEN780)が、鋼管本体(SKK)と同

等以上の耐久性(耐腐食性)を有することを確認しました。

(3)施工性 継手施工作業時に特殊な機材や技能が不要であり、かつ

溶接接合と比較して短時間で施工可能であることを確認しました。

溶接試験体の腐食減厚量の分布

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)概要書

一般財団法人 土木研究センター本概要書は、一般財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術、道路保全技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。一般財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html