4
24 14 27 22 26 14 20 徳洲会オンコロジープロジェクトは12月17日、肺がんをはじめとする呼 吸器疾患の診療レベルの向上を目指し、大阪市内で第6回肺がん研究会 を開催する。徳洲会呼吸器部会の第4回症例検討会を中心に、国内外の 最新の肺がん治療のエビデンスを得る機会として、ゲスト講師を招 しょう 聘、一 般講演や特別講演を行う予定だ。 同プロジェクト事務局は現在、症例検討会の演題や同研究会への参加 者を募集。とくに演題に関しては積極的な応募を呼びかけており、演題 テーマは肺がんなど呼吸器悪性腫瘍や非腫瘍性の呼吸器疾患一般までと 幅広い。徳洲会グループ病院で呼吸器診療に携わっている医療従事者で あれば誰でも応募が可能。また研究会への参加も幅広い職種からの申し 込みを受け付けている。 演題応募の締め切りは11月26日、研究会への参加の締め切りは12月9日。 ■■■■■■■ 第6回肺がん研究会 ■■■■■■■ 日時: 12 月17 日(土)午後1 時半開始 会場: 堂島ホテル(大阪市北区) プログラム: 【第 1 部午後 1 時半〜】 ○徳洲会呼吸器部会「第 4 回症 例検討会」(座長:千葉西総合病院の岩瀬彰彦・呼吸器内科部長、八 尾徳洲会総合病院の瓜生恭章・内科部長) 【第 2 部午後 4 時半〜】 ○一般講演(演者:未定、座長:未定)、○特 別講演(演者:近畿大学医学部呼吸器外科学の光冨徹哉・主任教授、 座長:和泉市立病院の福岡正博総長) ※ 参加費は無料。宿泊・交通費は各自負担。第 2 部からの途中参加可能。 申込み・問い合わせは徳洲会グループオンコロジープロジェクト事務局 (未来医療研究センター内☎ 03-3263-4801)まで。 呼吸器部会を開催 第4回症例検討会の演題募集 徳洲会オンコロジープロ・第6回肺がん研究会 NPO法人TMATは、中米カリブ海を北上した大型ハリケ ーン「マシュー」により甚大な人的・物的被害を受けたハ イチ共和国に先遣隊を派遣した。発災から間もない10 月8日に日本を発ち、現地では国際医療支援団体である 認定NPO法人A MDAと合同で活動。最も被害の大きな ハイチ西部を中心に、医療ニーズの調査や訪問先で遭 遇した患者さんへの診療活動を行った。 先遣隊は髙力俊策医師(隊長、湘 南藤沢徳洲会病院外科部長)と西村 浩一看護師(松原徳洲会病院)。 ハイチ市民保安庁が7日夜、死者 数が800人を超えたと発表(ハイチ 政 府 発 表 は 約300人)。TMATは 翌8 日、緊急災害対策本部を設置し先 遣隊派遣を決定した。同日出発した 2人は現地時間9日朝に首都ポルト ープランス市に到着。情報収集や物資調達を開始した。 今回の派遣は当初より、ハイチ支部をもつAMDAの 協力を得て合同での活動を計画。10日から医師、歯科 医師、看護師、調整員ら5人のAMDAメンバーと、被 害の大きな西部の北側沿岸にあるジェレミー市を目指 しながら被災地を順次調査。訪れ た街の避難所では外傷処置や内科 疾患の診察など十数人を診療した。 「ジェレミー市に到着すると壊れた 建物や折れた木々が目立ち、ハリケ ーンの猛威を感じました」 (髙力医師) 11日はジェレミー市内を調査し国 立病院や避難所などを訪問。国立 病院ではコレラ対策として隔離病棟 を設置するなど対応が取られていた。また、この日開 催されたWHO(世界保健機関)とPAHO(全米保健機 構)によるWEBミーティングにTMATが招 しょう へい され、日本 で後方支援に当たっていた野口幸洋・事務局員兼ロジ スティクス統括(一般社団法人徳洲会主任)と石田亜紗 子隊員(湘南鎌倉総合病院国際医療 支援室)が参加。コレラ対策が一番 のニーズとアナウンスがあった。 外傷系医療のニーズは高くなく、 コレラへの対応が優先事項であるこ となどから、TMATは先遣隊派遣をも って活動を終了。12日にポルトープ ランス市を出発、14日早朝に無事帰 国した。 19 19 JCI認証 JCI 認証の認定証を掲げる(左から)中津川 JCI 事務 局責任者、篠崎院長、近藤副院長、前川・事務局長 全職員の力で JCI 認証の本審査に合格 サーベイ中の様子(写真は中央材料室) ハリケーンの爪痕が残 るジェレミー市内 調査のため訪れた街 で患者さんを診療 ジェレミー市の国立病 院を視察する髙力医師 (右)と西村看護師 ハイチに先遣隊派遣 大型ハリケーンで被害甚大 NPO法人TMAT 命だけは平等だ 平成 28 10 17 日 月曜日│ No. 1053 月曜日 10 17 発行:一般社団法人徳洲会 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-3262-3133 制作:一般社団法人徳洲会 編集室 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:news@tokushukai.jp No. 1053 17/OCT. 2016 ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL

JCI認証 湘南藤沢徳洲会病院が取得...JCI認証を取得した徳成績でクリア。今までには1項目もないという好 徳洲会グループはこれ 病院は昨夏にモックサー取得している。湘南藤沢の4病院がJCI認証を南部徳洲会病院(沖縄県)幌東徳洲会病院(北海道)、ートセンター

  • Upload
    others

  • View
    6

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: JCI認証 湘南藤沢徳洲会病院が取得...JCI認証を取得した徳成績でクリア。今までには1項目もないという好 徳洲会グループはこれ 病院は昨夏にモックサー取得している。湘南藤沢の4病院がJCI認証を南部徳洲会病院(沖縄県)幌東徳洲会病院(北海道)、ートセンター

診したい』、『今までサー

ベイしてきたなかで最高

のタイムアウト(手術開

始時に患者さんや手術部

位、術式などを確認する

こと)』とのコメントを

いただき、とても嬉しか

ったです」と審査終了時

のエピソードを紹介。

近藤副院長は今後につ

いて「現在は国内の法令

が設置を義務付ける委員

会と、JCIが求める委

員会のそれぞれを開いて

いるのですが、役割や機

能は重なる部分が多いた

め、整理して無駄をなく

していきたい」と話す。

なお、JCI認証は世

界標準の第三者評価であ

ることなどから、医療ツ

ーリズム(医療サービス

の享受を主な目的とした

海外旅行)などで訪日す

る外国人に対し、高い訴

求力をもつ。JCI認証

取得とともに徳洲会グル

ープは外国人患者さんへ

の対応強化を進めている。

湘南藤沢病院は1年半

前にJCI事務局を設置

したのと同時に国際医療

支援室を開設。現在、英

語とドイツ語に対応して

いる。同時通訳システム

を導入し中国語、英語、

韓国語は24時間対応が可

能だ(医療通訳は除く)。

今後、外国人患者受入れ

医療機関認証制度(JM

IP)の認証取得も目指

し、国内に在住する外国

人の方も含めて、より多

くの患者さんの受け皿と

なっていきたい考えだ。

近藤副院長は「本審査

が近づくにつれて院内の

盛り上がりを感じました。

『やらなければならない』

という責任感や一生懸命

さが、職員の間に広がっ

たことが合格の決め手だ

と思います」と個々の職

員の頑張りをたたえる。

八木沼正子・看護部長

は「患者さんのためにな

るなら良いことは何でも

取り入れる。この積極性

は徳洲会の良さのひとつ

です。JCIプロジェク

トを進めるなかで、日々、

見た目にも院内がきれい

になり、各部署の業務の

見える化が進みました。

これにより多職種が連携

し同じ方向に向かってい

く土台ができあがりまし

た」と手応えを示す。

中津川副主任は「本審

査のサーベイヤー(審査

員)から『自分が病気に

なったら、この病院を受

バーとして活動し、同院

JCI事務局および国際

医療支援室の責任者を務

める中津川恵副主任らが

プロジェクト全体をマネ

ジメントした。

好成績での認証取得の

背景には、徳洲会のグル

ープメリットがある。2

012年に湘南鎌倉病院

がJCI認証を取得した

のを皮切りに、順次、取

り組みを水平展開して取

得病院を増やしてきた。

知見やノウハウを共有す

ることで、着実に審査に

備えることができた。

「ようやく迎えた本審査

でしたので、失敗は許さ

れませんでした。こうし

たなか、湘南鎌倉病院の

JCIプロジェクトリー

ダーである権藤学司副院

長、田中江里副院長をは

じめ各カテゴリのリーダ

ーらによる“鎌倉サーベ

イ”という名の予行演習

を本審査の1カ月前に実

施、的確な指摘をいただ

きました」(前川俊輔・

事務局長)

々や患者さんに貢献して

いきたい」と話す。

同院は3年前から認証

取得に向けた取り組みを

開始。各部門の業務手順

書など必須文書の整備や

同手順書に基づく業務の

遂行、JCIが求める施

設基準をクリアするため

の措置などを講じてきた。

近藤哲理副院長(呼吸

器内科医師)がプロジェ

クトリーダーとなり、14

あるカテゴリごとに数人

ずつのコアメンバーを選

定。全職員の1割に当た

る約100人がコアメン

洲会4病院を含め、初受

審の結果としては過去最

高の成績だ。認証期間は

8月27日から3年間。

同院の篠崎伸明院長(一

般社団法人徳洲会専務理

事)は「JCI認証の取

得を通じて、医療の質や

医療安全の向上・改善に

継続的に取り組むための

仕組みやプログラムを、

当院にインストール(実

装)できたと捉えていま

す。認証取得は病院が一

丸となった結果です。世

界標準の病院としてスタ

ートラインに立った気分

です。次のステージに進

み、より一層、地域の方

ベイ(模擬審査)を受審、

今年8月22日から26日に

かけて本審査を受けた。

JCI認証は患者安全

や品質改善など14カテゴ

リ・1160項目からな

る評価基準をもつ第三者

評価。高いハードルが設

定されていることから、

院内体制の整備など認証

取得に向けたプロセスを

通じ、病院の質の向上に

大きく寄与する。

審査では「適合」が1

140項目、「部分適合」

が20項目で、「不適合」

は1項目もないという好

成績でクリア。今までに

JCI認証を取得した徳

徳洲会グループはこれ

までに、湘南鎌倉総合病

院(神奈川県)、葉山ハ

ートセンター(同)、札

幌東徳洲会病院(北海道)、

南部徳洲会病院(沖縄県)

の4病院がJCI認証を

取得している。湘南藤沢

病院は昨夏にモックサー

徳洲会オンコロジープロジェクトは12月17日、肺がんをはじめとする呼吸器疾患の診療レベルの向上を目指し、大阪市内で第6回肺がん研究会を開催する。徳洲会呼吸器部会の第4回症例検討会を中心に、国内外の最新の肺がん治療のエビデンスを得る機会として、ゲスト講師を招

しょう

聘、一般講演や特別講演を行う予定だ。同プロジェクト事務局は現在、症例検討会の演題や同研究会への参加者を募集。とくに演題に関しては積極的な応募を呼びかけており、演題テーマは肺がんなど呼吸器悪性腫瘍や非腫瘍性の呼吸器疾患一般までと幅広い。徳洲会グループ病院で呼吸器診療に携わっている医療従事者であれば誰でも応募が可能。また研究会への参加も幅広い職種からの申し込みを受け付けている。演題応募の締め切りは11月26日、研究会への参加の締め切りは12月9日。

■■■■■■■ 第6回肺がん研究会 ■■■■■■■日時:12 月 17 日(土)午後 1 時半開始会場:堂島ホテル(大阪市北区)プログラム:【第1部午後1時半〜】○徳洲会呼吸器部会「第 4 回症例検討会」(座長:千葉西総合病院の岩瀬彰彦・呼吸器内科部長、八尾徳洲会総合病院の瓜生恭章・内科部長)【第 2部午後 4時半〜】○一般講演(演者:未定、座長:未定)、○特

別講演(演者:近畿大学医学部呼吸器外科学の光冨徹哉・主任教授、座長:和泉市立病院の福岡正博総長)※参加費は無料。宿泊・交通費は各自負担。第 2部からの途中参加可能。申込み・問い合わせは徳洲会グループオンコロジープロジェクト事務局(未来医療研究センター内☎ 03-3263-4801)まで。

呼吸器部会を開催第4回症例検討会の演題募集徳洲会オンコロジープロ・第6回肺がん研究会

NPO法人TMATは、中米カリブ海を北上した大型ハリケーン「マシュー」により甚大な人的・物的被害を受けたハイチ共和国に先遣隊を派遣した。発災から間もない10月8日に日本を発ち、現地では国際医療支援団体である認定NPO法人A

ア ム ダ

MDAと合同で活動。最も被害の大きなハイチ西部を中心に、医療ニーズの調査や訪問先で遭遇した患者さんへの診療活動を行った。

先遣隊は髙力俊策医師(隊長、湘南藤沢徳洲会病院外科部長)と西村浩一看護師(松原徳洲会病院)。ハイチ市民保安庁が7日夜、死者数が800人を超えたと発表(ハイチ政府発表は約300人)。TMATは翌8日、緊急災害対策本部を設置し先遣隊派遣を決定した。同日出発した2人は現地時間9日朝に首都ポルトープランス市に到着。情報収集や物資調達を開始した。今回の派遣は当初より、ハイチ支部をもつAMDAの協力を得て合同での活動を計画。10日から医師、歯科医師、看護師、調整員ら5人のAMDAメンバーと、被害の大きな西部の北側沿岸にあるジェレミー市を目指

しながら被災地を順次調査。訪れた街の避難所では外傷処置や内科疾患の診察など十数人を診療した。「ジェレミー市に到着すると壊れた建物や折れた木々が目立ち、ハリケーンの猛威を感じました」(髙力医師)11日はジェレミー市内を調査し国立病院や避難所などを訪問。国立病院ではコレラ対策として隔離病棟

を設置するなど対応が取られていた。また、この日開催されたWHO(世界保健機関)とPAHO(全米保健機構)によるWEBミーティングにTMATが招

しょう

聘へい

され、日本で後方支援に当たっていた野口幸洋・事務局員兼ロジスティクス統括(一般社団法人徳洲会主任)と石田亜紗子隊員(湘南鎌倉総合病院国際医療支援室)が参加。コレラ対策が一番のニーズとアナウンスがあった。外傷系医療のニーズは高くなく、

コレラへの対応が優先事項であることなどから、TMATは先遣隊派遣をもって活動を終了。12日にポルトープランス市を出発、14日早朝に無事帰国した。

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は国際的な医療機能評価であるJCI認証を取

得した。徳洲会グループで5施設目、全国では19施設目の取得だ。徳洲会は医療

の質や医療安全の向上を目指し、基幹病院を中心に取得を推進。病院一丸となっ

てJCIプロジェクトを進めた結果、初受審の徳洲会病院としては過去最高の成

績で審査に合格した。これを新たなスタートラインと位置付ける同院は、多言語

など国際化への対応強化を図りながら、より一層、患者さんに貢献していく考えだ。

湘南藤沢徳洲会病院が取得

徳洲会5施設目

全国で19施設目

JCI認証

JCI 認証の認定証を掲げる(左から)中津川JCI事務局責任者、篠崎院長、近藤副院長、前川・事務局長

全職員の力でJCI認証の本審査に合格

サーベイ中の様子(写真は中央材料室)

ハリケーンの爪痕が残るジェレミー市内

調査のため訪れた街で患者さんを診療

ジェレミー市の国立病院を視察する髙力医師(右)と西村看護師

ハイチに先遣隊派遣大型ハリケーンで被害甚大

NPO法人TMAT

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❶ 平成 28 年10 月17日 月曜日 │ No.1053

月 曜 日10 月17日

発行:一般社団法人徳洲会  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階  TEL:03-3262-3133制作:一般社団法人徳洲会 編集室  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:[email protected]

No.105317/OCT. 2016

ALL LIVING

BEINGS ARE CREATED EQUAL

Page 2: JCI認証 湘南藤沢徳洲会病院が取得...JCI認証を取得した徳成績でクリア。今までには1項目もないという好 徳洲会グループはこれ 病院は昨夏にモックサー取得している。湘南藤沢の4病院がJCI認証を南部徳洲会病院(沖縄県)幌東徳洲会病院(北海道)、ートセンター

館山病院 開設125周年で感謝祭1891(明治24)年10月開設の館山病院(千葉県)は10月2日、

125周年感謝祭を催した。これに先立つ9月24日には、千葉県南総文化ホールで記念講演会を開催。約860人が参加した。感謝祭は、館山市立第三中学校吹奏楽部の演奏でスタート。

竹内信一院長は、「皆さんに支えられて125周年を迎えることができました。職員一同、地域の皆さんのご要望に応えていきたいと思っています」と挨拶した。同院健康友の会の平本紀久雄会長は、「会員になると人間ドッ

クなどが安くなります」と、参加者に友の会への入会を呼びかけた。メインステージでは、館山D

ダ ル ク

ARCが沖縄伝統芸能〝エイサー〟の演舞を披露、場内から大きな声援が飛んだ。メンバーのひとりは顔を汗まみれにしながら、「この日のために毎週、練習を積んできました」と笑顔。大道劇団C

ク エ ン ト

uentoのマジックなどと劇を組み合わせた小学生絵画展の表彰式、千葉県のマスコットキャラクター「チーバくん」、館山市のマスコットキャラクター「ダッペェ」との集合写真撮影も行った。さらにダッペェ体操、キッズミュージカル、じゃんけん大会と会場は大いに盛り上がった。場内には輪投げや綿菓子、フランクフルト、焼きそば、ビーズ・革細工、手づくりパンなどの屋台や移動販売店が並び、子どもたちは舌鼓を打った。頚けい

動脈エコー検査、骨密度測定、看護相談など無料健康チェックには行列ができていた。

湘南鎌倉総合病院の長

岡和徳薬剤師は「亜鉛キ

レート形成薬剤の褥瘡治

癒期間に及ぼす影響」で

優秀演題賞を受賞。褥瘡

は適切な局所治療でも治

癒が遅延することがある。

一因として指摘されてい

るのが亜鉛欠乏だ。常用

薬のなかには血中の亜鉛

と結合し亜鉛吸収を阻害

する薬剤(亜鉛キレート

形成薬剤)がある。

長岡薬剤師は「同剤の

使用数が多いほど褥瘡治

癒を遅延させる傾向が示

唆されました」と報告、

「他剤に変更することで

浅い褥瘡期での治癒期間

を短縮できる可能性があ

ります」などとまとめた。

静岡徳洲会病院の村山

弘之・外科部長は「仙骨

部褥瘡に対する単回使用

陰圧創傷治療システム

PICOの使用経験と経済

的環境的配慮をした使用

方法の工夫」を発表。褥

瘡に当たる部分だけドレ

ッシング(創傷被覆)材

の浸出液吸収部分を覆う

シールをはがして使用。

交換時に汚れた部分のみ

切り捨て、残りの清潔な

部分のシールをはがして

用いた。「ドレッシング

材を無駄なく有効利用で

きるため頻回に貼り換え

でき、より多くの創部の

観察や浸出コントロール

が可能です。経済的メリ

ットに加え医療廃棄物減

少による環境的な配慮も

実現できます」と結んだ。

生駒市立病院(奈良県)

の中西新・形成外科部長

は「ⅰPadと褥瘡評価・

管理アプリを用いた褥瘡

回診」を発表した。同院

は褥瘡回診を週1回実施

し、DESIGN-R

(褥瘡の治

癒過程を数値化し評価す

るためのツール)の評価

結果、ポジショニングや

栄養摂取状態などの確認

結果を電子カルテに記載。

さらなる効率化のため

専用アプリを入れたタブ

レット端末を活用し、回

診時に全例を登録して管

理。「煩雑化しやすい褥

瘡回診のデータ管理を効

率化することが可能であ

り有用です」とまとめた。

静岡徳洲会病院の立山

由香利・看護副主任は「褥

瘡回診カルテ記録におけ

る褥瘡チーム専任看護師

の負担軽減策とそれに伴

って得られた褥瘡教育効

果」をテーマに口演。同

院では褥瘡チームの専任

看護師(2人)による回

診カルテ記載の業務負担

軽減が課題だった。

そこで記録方法のマニ

ュアルを作成し、各病棟

のスタッフ全員への指導

を通じて、病棟ごとに担

当看護師が記載するよう

業務を分散。「専任看護

師の負担軽減につながっ

たほか、各スタッフの褥

瘡に対する理解が深まり

教育効果が得られました」。

札幌徳洲会病院の中村

友香看護師は「放射線治

療歴のある患者の仙骨部

に発生した難治性潰瘍の

1例」を発表。約50年前

に子宮がんの放射線治療

を行った患者さんの症例

で、仙骨部の褥瘡ケアに

難渋。同院は放射線晩期

障害による潰瘍と診断し

た。「過去に骨こ

つばんくう

盤腔内放

射線治療歴がある場合は

褥瘡のリスク因子として

捉え、早期に効果的な介

入に生かすため、褥瘡対

策チームとWOCナース

(皮膚・排は

泄せつ

ケアに長け

た看護師)とともに職種

を越えたチームアプロー

チが必須です」と訴えた。

面で訪れるチャンスを見逃さな

いで、失敗を恐れずに挑戦して

ほしいと思います。その先には

今まで経験しなかった仕事や人

との出会いが必ず待っています。

厚生労働省は25年を目途に、

各地域での「地域包括ケアシス

テム」の実現を目標に、さまざ

まな施策を講じています。同シ

ステムは、高齢の方の尊厳保持

と自立生活支援という目的の下、

可能な限り住み慣れた地域で自

分らしい暮らしを、人生の最期

まで続けることができるサービ

ス提供体制のことです。

NHKが先日放映した『プロ

フェッショナル

仕事の流儀』で、

介護施設を経営する加藤忠た

だすけ相

は、介護のあり方についてこの

ような趣旨の話をされました。

「高齢の方を“世話をされる存

在”から“自立した存在”にし

なくてはならない。得意なこと

や好きなことは極力自分でして

いただき、もっている力をうま

く引き出すことが大切。居場所

や役割があることが人を変える」

施設長が中心となって年2回

介護職員の喀痰吸引研修開講

介護の提供に関しては、入所

者さんの要介護度や人員体制な

どの理由で、ひと筋縄ではいか

ない現状もあります。それでも、

グループの介護施設に勤務する

職員が、入所者さん一人ひとり

を深く理解し、その人にとって

のより良い接し方を常に心がけ

ることが大切です。これにより

都市部から離島・へき地まで全

国に展開するグループの介護施

設を利用いただいている方々が、

さらに心地よく生き生きとした

特別養護老人ホーム(特養)

かまくら愛の郷さ

は2008年5

月、全室個室のユニット型特養

として湘南鎌倉総合病院(神奈

川県)の隣接地にオープンしま

した。昨年9月、神奈川県立フ

ラワーセンター大船植物園の横

に移転、定員は110人から1

30人に増員しました。

介護老人保健施設(老健)と

特養の違いをよく尋ねられます。

老健は入所者さんの在宅復帰が

目的で、特養は終つ

の棲す

家か

として

最期まで入居していただける施

設です。愛の郷では昨年、25人

の看取りを行いました。亡くな

られた方が施設を出られる時は、

スタッフが玄関で見送りします。

特養は全国に約9500施設

(15年10月時点)、徳洲会グルー

プは11施設を運営しています。

挑戦の先には経験のない仕事や

人との出会いが必ず待っている

私は大学の社会福祉学科で学

んだことを生かしたいと、19

98年に湘南鎌倉病院に入職し

ました。最初は医事課に勤務し、

2000年の介護保険制度施行

に合わせて同院が事業展開のた

め介護保険課を発足した時に、

同課に異動しました。その間に

ケアマネジャーの資格を取得、

07年には老健かまくらの事務責

任者となり、愛の郷の開設準備

に携わりました。

入職して18年半。その経験か

ら、徳洲会には年齢が若くても、

経験が浅くても、本人にやる気

があれば多様な仕事にチャレン

ジできる組織風土があると感じ

ています。若い職員の皆さんも、

限界を自分で決めず、多様な場

毎日を送っていただけるのでは

ないかと思います。

一方、特養や老健が抱える最

大の問題は、介護職員の確保で

す。愛の郷では、キャリアアッ

プによる職員の質向上と職員確

保の観点から阿部伸の

子こ

施設長が

中心となり、介護職員への喀か

痰たん

吸引研修を年2回開講しており、

今年度上半期までの3年半で4

14人が修了。また、介護福祉

士の資格取得ルート変更への対

応として、来年6月から介護職

員実務者研修会も開講予定です。

加えて、ベトナムで看護・介

護を学んだ人たちに技能実習制

度を利用して来日していただく

準備を遊佐千ち

鶴づる

・一般社団法人

徳洲会常務理事の指導で進めて

います。日本で学んだ介護技術

を母国で生かし、お年寄りに寄

り添いたいという介護の原点を、

私たちも改めて学ばせてもらえ

ると期待しています。

入所者さんが安心して施設で

過ごしていただくには、医療と

の連携が必要不可欠です。湘南

鎌倉病院の関連施設では定期的

に施設間連絡会議や地域総合医

療センター会議を、同院を交え

て開催。その成果として、入所

者さんが救急外来を受診した際

に、救命救急センターから診断

結果や入院の有無などの情報を、

速やかに施設へファクシミリで

報告するシステムが生まれたり、

同院の初期研修医が施設の役割

や現状を知る目的で、施設に研

修に来たりしています。

これからも徳洲会グループの

施設が、各地域になくてはなら

ないかけ替えのない存在でいら

れるよう、皆で頑張りましょう。

多職種が参加した日本褥瘡学会学術集会

開会式で演奏する館山市立第三中学校吹奏楽部

第18回日本褥じ

ょく

瘡そう

学会学術

集会が9月2日から2日

間にわたって神奈川県横

浜市で開催された。全体

テーマは「深まる知識

がる連携」で、徳洲会グ

ループは口演(口頭発表)

やポスターで計7演題を

発表。このうち口演の5

演題の概要を紹介する。

徳洲会から7演題

日本褥瘡学会学術集会

櫻さ く ら い

井 健け ん い ち

一特別養護老人ホームかまくら愛の郷事務長

失敗恐れず多様な仕事に挑戦しよう!

入所者さんが生き生きと毎日過ごせる“地域にかけ替えのない”介護施設へ

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 28 年10 月17日 月曜日 │ No.1053 ❷

「深まる知識

広がる連携」

Page 3: JCI認証 湘南藤沢徳洲会病院が取得...JCI認証を取得した徳成績でクリア。今までには1項目もないという好 徳洲会グループはこれ 病院は昨夏にモックサー取得している。湘南藤沢の4病院がJCI認証を南部徳洲会病院(沖縄県)幌東徳洲会病院(北海道)、ートセンター

第5回QI大会を開催

品質改善で成果発表

欧米の学会でそれぞれ発表

その後の予後に大きく影

響するとの報告もあり、

同院でも現在は人工呼吸

器装着中から積極的に食

事訓練や歯磨き訓練など

行っている。将来的には、

同資格をもつOTが介入

したことで、長期臥床期

間が短縮できたかどうか

などデータを集め研究発

表する予定だ。

呼吸療法認定士は日本

胸部外科学会、日本呼吸

器学会、日本麻酔科学会

の3学会が合同で認定す

る資格で、取得には呼吸

器疾患の発生機序や症状、

薬剤を含む治療法、人工

呼吸器の構造、小児・新

生児の呼吸管理など幅広

い知識が求められる。

それだけに「勉強は大

変でした」と山川OTは

ふり返るが、資格取得後

はチームディスカッショ

ンの際に臨床工学技士

(ME)や看護師と肩を

並べて意見交換できるよ

うになり、多職種連携が

よりスムーズになる効果

もあるという。

通常、呼吸器リハビリ

は理学療法士が携わるこ

とが多い。しかし社会の

高齢化にともない整形外

科や脳神経外科領域の疾

患に肺炎など合併するケ

ースや、ICU(集中治

療室)で人工呼吸器を付

けた患者さんに早期リハ

ビリを提供するケースが

増えてきたことから、「O

Tも呼吸器疾患の知識や

人工呼吸器の構造などを

理解する必要が出てきて

います」と源古副主任。

こうした患者さんにA

DL(日常生活動作)に

かかわるリハビリを提供

する際、同資格で得た知

識が生きる。これまで人

工呼吸器装着中の患者さ

んへの積極的なリハビリ

などは、ためらいがちだ

ったが、「疾患や機器の

知識を得たことで、一歩

踏み込んだリハビリを行

えるようになりました」

と山川OTは笑顔。

ICUでの長期臥が

床しょう

(寝たきり)時間を1時

間でも短縮することが、

南部徳洲会病院(沖縄

県)の作業療法士(OT)

2人が呼吸療法認定士の

資格を取得、呼吸器疾患

をもつ患者さんの早期離

国内外の被災地で災害

医療支援活動に取り組む

NPO法人TMATは、

このほど開催した第11期

(2015年7月1日~

16年6月30日)理事会で、

任期満了にともなう役員

の改選を行った。変更の

あった役員人事は次のと

おり。

床の一助となっている。

同資格をもつOTは全国

で576人と少なく、沖

縄県には、わずか23人。

源古賢一郎リハビリテ

ーション科副主任(OT)

と山川義斗OTは、同資

格がOTに開放された最

初の年である2014年

に取得し、その有用性か

ら後輩にも推奨、今年は

新たに2人がチャレンジ

する。

湘南鎌倉病院は国際的

な医療機能評価であるJ

CI認証を取得した20

12年から毎年、QI大

会を実施。その後、QI

活動の継続的な取り組み

を推進するため、14年に

は院内にQIセンターを

設置した。

今大会の一般演題は、

約40演題に上る応募から

選んだ。採択した一般演題

の中から、座長推薦と聴

講者の投票をもとに理事

長賞と院長賞を選出、表

彰も行った。また今回は

TQM(Tokushukai Qual-

ity Managem

ent

=徳洲

会グループ医療の質管

理)プロジェクトの参加

病院に向け、インターネ

ットによるライブ配信を

初めて試み、最大10地点

で視聴された。

理事長賞に選ばれたの

は、総務課の矢口紗希副

主任が発表した「在職年

数と休職・休暇との因果

関係」。院長賞は放射線

科の関根聡技師長が発表

した「一般撮影検査におけ

る業務改善の取り組み」。

病院全体指標からもQ

Iセンター長賞の授与を

行い、小林修三副院長(Q

Iセンター長)の推薦で、

北川泉・総合内科部長が

発表した「退院後6週間

以内・1週間以内の予定

外再入院の低減化」を選

出した。

大会では小林副院長が

開会挨拶で「病院運営の

なかで一番重要なのは医

療安全です。次に、患者

さんにとって『優しく、

わかりやすく、心地いい』

ということを大切にし、

絶えず質の向上を目指す

姿勢が必要です」と強調。

続けてアメリカの統計

学者であるエドワーズ・

デミング博士に言及し

「彼は、“クオリティ(質)”

は“業務努力の結果”を

“コスト”で割ったもの

であるという式を提唱し

ました。つまり、できる

だけ少ないコストで結果

を出す、これが質です。

しかし、この式の本質は、

単にコストを下げようと

するのではなく、努力し

て分子である結果を高め

ることで分母のコストが

相対的に小さくなり、全

体として質が上がってい

くということなのです」

と呼びかけた。

理事長賞の矢口副主任

の発表は、年次有給休暇

の年間5日間取得を義務

化する方向で法改正が検

討されていることをふま

えたもの。同院職員の平

均在籍年数が全国平均よ

り低いことを受け、20

13年から15年までの有

給取得率や育児休業取得

率、部門別在籍年数の指

標を算出して検討。

矢口副主任は「部署間

で有給取得率に差がある

ことから、適正な職員の

配置や総務からの啓発が

大切」などと改善策を提

案した。得票率が56・5

%でトップだったほか、

投票者の所属部署が28部

署にわたり幅広い支持を

得た。

発表後の講評で塩野正

喜院長は「自分たちの業

務を見える化し、検証を

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)は9月9日、QI(Quality Im

provement

=品質改善)

大会を開催した。今年で5回目を数える。同大会では、医療の安全・安心の確保

や質の向上などのために取り組んでいる日頃の活動成果を発表。病院全体指標(ワ

イドインディケーター)に関する5演題に加え、一般演題12演題の計17演題の発

表を行った。274人の職員が会場に足を運び熱心に聴講する姿が見られた。

274人の職員が参加したQI大会

「絶えず質の向上を目指す姿勢が必要」と小林副院長

重ねながら改善活動に取

り組むことには大きな意

義があります。これから

もQI活動を継続し各現

場で日々の努力を大切に

してください」と話した。

徳洲会グループは17年

1月にグループ全体のQ

I大会の開催を予定。同

院では今回のQI大会で

発表された演題の内容や

評価結果をふまえ、応募

演題を今後選出していく。

湘南鎌倉総合病院

伊藤・管理栄養士は「CollagenPeptideen-teral formulamightshortenhealingdaysinolderadulthospi-talizedpatientswithpressureulcer」(高齢の入院患者さんの褥

じょく

瘡そう

治癒に対するコラーゲンペプチド製剤〈CP製剤〉の有効性)と題して発表。2013年1月から15年

9月までの褥瘡を有する入院患者さんを対象に、年齢や性別、疾患、アルブミン最高値・最

低値、褥瘡の評価ツール「DESIGN-R」(日本褥瘡学会)や「NPUAP」(米国褥瘡諮問委員会)などをベースにデータを集計し、比較検討した。その結果、褥瘡治癒に対するCP製剤の有効性を決定付ける結論には至らなかったものの、発症から14日以内に治癒した褥瘡に限れば、有効である可能性を示唆した。「患者さんをはじめ周囲の方に感謝するとともに、もっともっと研鑽しなければならないと刺激を受けました」(伊藤・管理栄養士)永田・医学物理士は「AClarkson-BasedIndependentDoseVerificationfortheHelicalTomoTherapy」(トモセラピーにおける独立線量計算検証)がテーマ。放射線治療では、治療前にコンピュータによるシミュレーションで計算した線量が設定した部位(腫瘍など)に正確に照射されているかを検証しなければならない。一般的な放射線治療装置は簡易な計算ソフトで検証で

きるが、正常組織への線量を抑えつつ、腫瘍に多くの線量を投与できるトモセラピーの場合、照射が複雑になるため既存の計算ソフトでは検証できない。今回、永田・医学物理士は開発段階のトモセラピー専用の検証用計算ソフトの精度と独立検証の実行可能性、さらに臨床で使用可能な許容値を検討した。結果から、「前立腺がん症例では米国医学物理学会の提唱する許容値の範囲を満たしている」ことを指摘。ほかの部位を含め検証していく意向も示した。永田・医学物理士は「2、3年後に世界のトレンドになると思われる最新技術を肌で感じることができ、とても良い刺激を受けました。今回の経験を現場で生かしたい」と意欲を見せている。

伊藤・喜界徳洲会病院管理栄養士と永田・湘南鎌倉総合病院医学物理士

徳洲会グループのコメディカルが欧米の学会で相次いで発表した。喜界徳洲会病院(鹿児島県)の伊藤雅子・管理栄養士はイタリア・ローマで開かれた第5回欧州栄養学会議、湘南鎌倉総合病院の永田弘典・医学物理士はワシントンD.C.で行われた第58回米国医学物理学会総会で発表した。

 

受賞した3演題以外は次

のとおり。病院全体指標で

 

鈴木隆夫・最高顧問(前

副理事長、一般社団法人徳

洲会理事長)、安富祖久明顧

問(前副理事長、医療法人

沖縄徳洲会副理事長)、石井

一二顧問(前副理事長、株

式会社ピコテック代表取締

役会長)、篠㟢正博顧問(前

監事、岸和田徳洲会病院救

命救急センター長)、篠崎伸

明・副理事長(前理事、医

療法人徳洲会専務理事)、太

田凡理事(新任、京都府立

医科大学教授)、福江眞隆理

事(新任、古河病院院長)、

大川啓二理事(新任、羽生

総合病院事務部長)、ムワナ

タンブエ・ミランガ理事(新

任、一般社団法人徳洲会顧

問)、保坂慶太監事(新任、

濱・宇佐美法律事務所弁護

士)。

は「本邦で『A

IDET

』は通

用するか?~待ち時間に関

するクレームの低減化~」

(リハビリテーション科の

根本敬室長)、「転倒転落発

生件数の低減化」(医療安全

管理室の鵜川美穂室長)、「S

SI(創感染)の低減化」(感

染防止対策室の佐藤守彦医

長)、「入職3年以内予定外

離職率の低減化」(田中江

里・副院長兼血液内科部長)。

 

一般演題では「脳卒中セ

ンターにおけるDVT予防

の取り組みについて」、「治

験に対する満足度調査」、「E

CUにおける鎮痛鎮静管理」、

「ICUスタッフがACL

Sを円滑に行えるまでの取

り組み」、「病棟薬剤師によ

る薬学的介入における有用

性の調査」、「セラピストの

病棟配置とその効果」、「診

療報酬改定に伴う経皮的血

管拡張術患者への取り組み」、

「SKIMET(スカイメッ

ト)SYSTEM~多職種

連携による院内急変対応を

目指して~」、「周術期診療

看護師の有用性」、「救急外

来滞在時間の短縮に向けて」。

呼吸療法で早期離床

作業療法士が資格取得

南 部徳洲会病院

―NPO法人TMAT

理事会開き役員改選

日々の取り組みを海外で発表する伊藤・管理栄養士(上右)と永田・医学物理士

「ICUでは1時間でも早い離床が大切」と源古副主任(右)と山川OT

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 平成 28 年10 月17日 月曜日 │ No.1053

Page 4: JCI認証 湘南藤沢徳洲会病院が取得...JCI認証を取得した徳成績でクリア。今までには1項目もないという好 徳洲会グループはこれ 病院は昨夏にモックサー取得している。湘南藤沢の4病院がJCI認証を南部徳洲会病院(沖縄県)幌東徳洲会病院(北海道)、ートセンター

す」と自信をのぞかせる。

2日間の日程を終え、

今回、受講した27人全員

が無事に修了。4000

人目の新保院長は、「古

い知識が刷新できて、と

ても良かった。院長とい

うのは、なかなか周囲が

注意してくれないポジシ

ョンなので、こういう研

修の場で学び直し、たま

には恥をかくことも必要

ですね」と自戒。

コースディレクターの

清水徹郎・南部徳洲会病

院(沖縄県)救急診療部

長は「自分たちの良いと

思ったことを取り込める

このコースを今後も継続

したい。一緒にコースを

つくっていきたいという

方、お待ちしています」

とインストラクター希望

者を募集している。

藤澤恭典・事務職員は「目

の前で人が倒れたら、B

LS(一時救命処置法)

くらいはできるようにな

りたいと思い、参加しま

した」。同院の藤原俊幸・

介護福祉士は「病棟で急

変が起こった時、これま

で何もわからないまま指

示に従っていましたが、

これからは状況が少しわ

かるようになると思いま

れるため、それに合わせ

て同コースも講習内容を

変えている。直近では15

年に変更。たとえば従来

は呼吸がない、もしくは

死戦期呼吸であることを

確認後に胸骨圧迫を行う

としていたが、より早期

に胸骨圧迫を開始するこ

とが救命率向上につなが

ることから、現在は「迷

ったら、胸骨圧迫」にシ

フトチェンジしている。

また、胸骨圧迫の仕方

も、従来は少なくとも5

㎝以上深く押す方針だっ

たが、あまりに深すぎて

も患者さんの負担が大き

いため5㎝以上、6㎝未

満と深さの規定を設けた。

換気も重要なため胸骨

を圧迫した後は胸の位置

がもとに戻るよう、速す

ぎず遅すぎない速度で押

すことを推奨。「胸骨圧

迫は『もヽしもヽしカヽメよヽ』

の歌のリズムに合わせる

と(ヽの部分で圧迫)、

ちょうど良い速さになり

ます」(西園与之・帝京

大学福岡医療技術学部医

療技術学科准教授)など、

わかりやすくアドバイス。

コースディレクターの

ひとり、木村圭一・日高

病院救急部長は、救急受

け入れ件数の多い徳洲会

では、「事務系を含めた

多くのスタッフが急変対

応できる意義は大きい」

と受講を推奨。実際、同

コースでも医療者以外も

心肺蘇生法や心電図の読

み方などを学んだ。

高砂西部病院の新人、

一般社団法人徳洲会が主催するTCLS(徳洲会二次心肺蘇生救急教育)コース

の受講者総数が4000人を突破した。9月10日から2日間、高砂西部病院(兵

庫県)で開催した第136回コースでのことで、記念すべき4000人目の受講

生は同院の新保雅也院長。同コースは日本救急医学会認定のコースで、修了者に

はICLS(二次心肺蘇生法)の修了証明書を発行する。TCLSはICLSの

内容に加え不整脈も学べること、「楽しみながら学ぶ」をモットーにしていること

などから、評判が評判を呼んで徳洲会グループ外からの参加者も多い。

救急医療を柱のひとつ

とする徳洲会グループは、

スタッフ教育の一環とし

て独自に二次心肺蘇生法

の講習コース「TCLS」

を2002年に創設。以

来、全国の徳洲会病院で

随時開催し、14年の歳月

を経て受講者総数が40

00人を突破した。徳洲

会には数多くの研修会や

講習会が立ち上がってい

るが、TCLSは継続年

数、受講者数ともにトッ

プクラスだ。

参加者を引き付けるの

は、内容の濃さと面白さ。

同コースは胸骨圧迫、気

道確保法、除細動器の使

い方や、VF(心室細動)、

pulseless

VT(無脈性心

室頻拍)、asystole

(心静

止)、PEA(無脈性電

気活動)の4つの心電図

の波形の読み取り方など

一般的なICLSの修学

内容に加え、頻脈・徐脈

の不整脈への対応、末ま

梢しょう

静脈確保が難しい時の骨

髄穿せ

刺し

(BIG)法など

一歩踏み込んだ内容を含

んでいる。なかにはIC

LSやAHA(米心臓協

会)トレーニングコース

を受講した後に同コース

を受講する人もいるほど。

また、医師や看護師な

ど急変対応に日常的にか

かわる職種だけでなく、

事務職員や介護職員など

医療者以外も数多く受講

するため、講師は職種ご

とに説明の仕方や要求内

容をきめ細かく変え、質

問しやすい雰囲気づくり

を心がけている。

ユーモアの要素を各所

に取り入れ、「急変対応

を学んでもらうだけでな

く、徳洲会のコースは楽

しかったと言ってもらう

ことが目標のひとつ」と、

同コースのコーディネー

ターの福岡徳洲会病院の

嘉手納勉・歯科医長。

すでに評判はグループ

外にも広まっている。神

戸マリナーズ厚生会病院

の後藤美恵看護師は、同

コースが面白いとの噂う

わさを

耳にし、参加を決めた。

「楽しい会話のなかに急

変時に必要な要点がきっ

ちり入っているので、内

容は難しくても覚えるこ

とができます」と評判に

違わぬ内容に笑顔。

救急蘇生法は5年ごと

にガイドラインが改変さ

「呼吸療法セミナーin湘南2016」が湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)で2日間開催された。例年どおり、日本医工学治療学会呼吸器分科会の主催で、東京西徳洲会病院の渡部和巨院長が大会長を務めた。今年で16回目。医師をはじめ、呼吸療法認定士の資格を取得している看護師や理学療法士、臨床工学技士ら65人が参加した。

渡部・東京西徳洲会病院院長が大会長初日は講義とワークショップを行った。講義

では、米ボイジー州立大学のロニー・アシュワース呼吸療法学科教授と済生会横浜市東部病院の山田紀昭・臨床工学技士が、それぞれ登壇。アシュワース教授は人工呼吸器の基礎をテーマに、初期設定や調整の方法、患者さんや人工呼吸器をモニタリングする際のポイントなどを解説した。山田・臨床工学技士はNPPVの基礎について講義。NPPV

とは、より患者さんの身体的負担が少ない換気法で、在宅での人工呼吸法として注目を集め、近年は急性期から慢性期まで幅広く用いられている。山田・臨床工学技士はNPPVの適応ケースや禁忌などを説明した。ワークショップでは「侵襲的人工呼吸療法(IPPV)」、

「NPPVの導入」をテーマに、参加者がグループに分かれ、人工呼吸器の設定を実践。講師によるデモンストレーション後、参加者は実際に人工呼吸器のマスクを装着するなど、患者さんが治療を受ける時の感覚を体験しながら機器の調整などを行った。2日目もアシュワース教授による講義でスタート。「人工呼

吸管理中のグラフィック分析」、「人工呼吸管理からのウィーニング(離脱)」をテーマに要諦を示した。その後、「臨床シミュレーション」では、もとき内科クリニックの大江元樹院長とアシュワース教授が講師を務め、具体的な症例をもとにARDS(肺水腫)やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の対応法などを紹介した。最後にテストを行い、同点トップのひとりとして札幌徳洲

会病院の角野ゆかりICU(集中治療室)看護師が表彰された。初めて参加したという鹿児島徳洲会病院の鮫島和樹看護師は「自信が付きました」と笑顔。渡部院長は「今年も無事に終えることができました。湘南藤沢病院に感謝」と胸をなでおろし、来年も開催する意欲を見せた。

心肺蘇生法は胸骨圧迫30回に対し人工呼吸は2回のペース

コース中は笑いが絶えない

骨髄穿刺法を学ぶ藤澤・事務職員(手前左)と、指導する木村ディレクター(手前右)

「年 、々参加者のレベルが上がっています」と渡部院長

デモンストレーションでアシュワース教授(右)の解説に聞き入る参加者

TCLS受講4,000人突破徳洲会グループ

高砂西部病院で開催

「どんな場所でも生命だけは平等だ!」 徳洲会グループはインターネット上の動画サイト「YouTube」に、グループ病院の取り組みを紹介する番組を毎月配信。今回は2014年に新築移転し、

最新の機器・設備を導入した名古屋徳洲会総合病院を訪問。同院は救急・急性期医療に加え、がん医療に力を入れている。とくに同院を草創期から支え、発展させてきた大橋壯樹総長が率いる心臓血管外科は、東海地区で初めて体内植込み型補助人工心臓手術を施行するなど、先端的な医療にまい進。また、循環器疾患への内科的アプローチや漏

ろう

斗と

胸と呼ばれる胸が窪んだ状態を治す手術、内視鏡下手術支援ロボットを用いたがん治療など、総合病院にふさわしい充実した医療を提供している。前田徹院長は「患者さんに寄り添って、できるだけのことをさせてい

ただきます」とアピール。大橋総長は「当院すべての科、部署がますますレベルアップし地域に応えられる病院を目指します」と意気込みを見せている。番組へのアクセスは、徳洲会グループの

ホームページ(http://www.tokushukai.or.jp)のトップ画面にあるバナー「どんな場所でも生命だけは平等だ!」をクリック!

徳洲会のホームページにあるこのバナーをクリックすると、番組にアクセスできる

大橋総長(右)と小林梢リポーター

ウェブ動画で紹介

名古屋徳洲会総合病院

東海地区の医療の質向上へ貢献を目指す

「呼吸療法セミin湘南」

人工呼吸器の基本習得

治験にご参加いただける方を募集します

お問い合わせ先岸和田徳洲会病院 治験センター(大阪府岸和田市)☎072・445・9915(代表) 担当:秋山琳、米田樹里お問い合わせ時間(祝日を除く):月〜金の午前9時〜午後5時

※他にも厳格な基準が定められており、ご参加いただけない場合もあります。あらかじめご了承ください。ご興味のある方には詳しくご説明しますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

 岸和田徳洲会病院では2016年9月より、治療抵抗性高血圧の患者様を対象とする治験を開始しました。治験とは、新しい医療機器として国から認可を受けるため、患者様にご協力いただき効果や安全性を確かめる試験です。 この治験では、多剤の降圧薬を用いても良好な血圧コントロールが得られない患者様に対して、腎動脈周囲にある交感神経をカテーテルで焼灼し、交感神経の働きを抑制することにより血圧を安定させる治療を実施します。

● 20歳以上75歳以下の方● 利尿薬を含む3種類以上の降圧薬を内服

中の方● 収縮期血圧が150㎜Hg以上かつ拡張期

血圧90㎜Hg以上であること

治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションシステム

ご参加いただける方

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 28 年10 月17日 月曜日 │ No.1053 ❹