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JASS 8 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について ――2014 年 11 月改定版―― 建築工事標準仕様書 JASS 8 防水工事の改定は,2008 年 2 月になされたが,6 年の時が経過し, この間に防水材料・工法のさまざまな研究開発が進められた結果,防水工法の種類や適用部位は大 幅に拡大した.特筆すべきは,2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災によって建築に対する安 全・安心への関心がより高まったことと,電力需給がひっ迫したことを受けて,省エネルギー対策 が急務となり,地球温暖化防止や環境負荷低減など低炭素社会づくりに向けて一層の対策と行動が 求められたことである.そのため,建物の長寿命化が強く求められており,防水が果たす役割もま すます重要となっている. また一方で,労務問題,環境問題等,防水を取り巻く状況も急速に変わりつつある.このような 背景から,材料施工委員会・防水工事運営委員会では,JASS 8 の改定が必要であると判断し, 2011 年 4 月に同運営委員会の傘下に JASS 8 改定小委員会を組織し,検討を進めた.改定作業では, 調査研究を系統的に行い,材料・工法を設計・施工の視点から見直すために,メンブレン防水,ス テンレスシート防水,ケイ酸質系塗布防水,シーリング工事のつのワーキンググループを組織し て改定作業を進めた. 2014 年春にまとめられた改定案は,材料施工委員会および防水工事運営委員会の査読を受け, その指摘事項をふまえて審議を重ねた結果,このたびの刊行となった.主な改定点は以下のとおり である. () 仕様書全体 JASS 8 は,従来から 4 つのワーキンググループがそれぞれの節を担当し改定案をまとめてい る.そのため,仕様書全体での用語の不整合が指摘された.今回の改定では,ワーキンググルー プごとに,改定案のクロスチェックを行うなど,特に用語の統一や文章中での略号の不使用など 文章表現の修正に注力した.また,今後の仕様書の海外発信を見据えて仕様の記号は英語の略号 として見直した. () メンブレン防水工事 アスファルト防水工事については,アスファルト防水工法・密着保護仕様(AC―PF・ AM―PF)の保護・仕上げの種別の見直しを行った.)コンクリート平板類をアスファルト防 水工法・絶縁保護仕様(AM―PS)に移動し,)砂利を仕様表から削除し注記で特記扱いとした. また,防水工事用アスファルトは,JIS K 2207:2006(石油アスファルト)の防水工事用 4 種の国 内製造停止に伴い,3 種を標準とした. 改質アスファルトシート防水工事については,「改質アスファルトシート 常温粘着防水工 法・密着保護仕様(AS-PF)」を追加した.また,保護・仕上げの見直しにより,砂利を仕様表 から削除し注記で特記扱いとした.

JASS8 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について · 2017-03-28 · jass8 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について ――2014年11月改定版――

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JASS 8 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について

――2014 年 11 月改定版――

建築工事標準仕様書 JASS 8 防水工事の改定は,2008 年 2 月になされたが,6 年の時が経過し,

この間に防水材料・工法のさまざまな研究開発が進められた結果,防水工法の種類や適用部位は大

幅に拡大した.特筆すべきは,2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災によって建築に対する安

全・安心への関心がより高まったことと,電力需給がひっ迫したことを受けて,省エネルギー対策

が急務となり,地球温暖化防止や環境負荷低減など低炭素社会づくりに向けて一層の対策と行動が

求められたことである.そのため,建物の長寿命化が強く求められており,防水が果たす役割もま

すます重要となっている.

また一方で,労務問題,環境問題等,防水を取り巻く状況も急速に変わりつつある.このような

背景から,材料施工委員会・防水工事運営委員会では,JASS 8 の改定が必要であると判断し,

2011 年 4 月に同運営委員会の傘下に JASS 8 改定小委員会を組織し,検討を進めた.改定作業では,

調査研究を系統的に行い,材料・工法を設計・施工の視点から見直すために,メンブレン防水,ス

テンレスシート防水,ケイ酸質系塗布防水,シーリング工事の�つのワーキンググループを組織し

て改定作業を進めた.

2014 年春にまとめられた改定案は,材料施工委員会および防水工事運営委員会の査読を受け,

その指摘事項をふまえて審議を重ねた結果,このたびの刊行となった.主な改定点は以下のとおり

である.

(�) 仕様書全体

JASS 8 は,従来から 4 つのワーキンググループがそれぞれの節を担当し改定案をまとめてい

る.そのため,仕様書全体での用語の不整合が指摘された.今回の改定では,ワーキンググルー

プごとに,改定案のクロスチェックを行うなど,特に用語の統一や文章中での略号の不使用など

文章表現の修正に注力した.また,今後の仕様書の海外発信を見据えて仕様の記号は英語の略号

として見直した.

(�) メンブレン防水工事

アスファルト防水工事については,アスファルト防水工法・密着保護仕様(AC―PF・

AM―PF)の保護・仕上げの種別の見直しを行った.�)コンクリート平板類をアスファルト防

水工法・絶縁保護仕様(AM―PS)に移動し,�)砂利を仕様表から削除し注記で特記扱いとした.

また,防水工事用アスファルトは,JIS K 2207:2006(石油アスファルト)の防水工事用 4 種の国

内製造停止に伴い,3種を標準とした.

改質アスファルトシート防水工事については,「改質アスファルトシート 常温粘着防水工

法・密着保護仕様(AS-PF)」を追加した.また,保護・仕上げの見直しにより,砂利を仕様表

から削除し注記で特記扱いとした.

合成高分子系シート防水工事については、高日射反射率の機能を有する塗料・シートの記述を

解説に追加した.また,機械的固定工法の風圧力計算について詳細に記述をした.

塗膜防水工事については,ウレタンゴム系防水材の JIS 改正に伴い,高伸張形と高強度形に分

類し,おのおの標準仕様化した.

(�) ステンレスシート防水工事

下地の種類からプレキャスト鉄筋コンクリートを除外した.防水層の種別と適用では,耐風設

計の見直しを行い,風による環境区分の修正と吊子配置例の充実を図った.材料では,使用頻度

の少ない鋼種を削除するとともに,吊子の寸法や厚さ、許容耐力の規定を行った.

(�) ケイ酸質系塗布防水工事

適用部位の例を示す解説図を新設し,建物のどの部位に適用されるかを明確にした.ケイ酸質

系塗布防水材の品質基準を本文中に明記した.また,材料の試験方法を改正し,付録「JASS 8

M―301 ケイ酸質系塗布防水材の品質および試験方法」としてまとめた.

(�) シーリング工事

シーリングジョイントに要求される性能を見直すとともに,2成分形アクリルウレタン系シー

リング材の設計伸縮率・せん断変形率を変更した.ムーブメントの算定方法については,温度ム

ーブメントの算定を削除し,ムーブメントδ算定の全体フロー図を示した.また,シーリング材

に起因する目地や目地周辺の汚染防止や,塗料・仕上塗材とシーリング材の適合性に関する留意

事項を追加した.

最後に,本仕様書が設計者および施工者によって適切に運用され,より良い建築防水のために活

用されることを心から願うものである.

2014 年 11 月 日本建築学会

建築工事標準仕様書制定の趣旨と執筆方針

(�) 日本建築学会は,建築工事標準仕様書を制定し社会に対して刊行する.この仕様書は,

JASS(JapaneseArchitectural Standard Specification)と略称し,工事種別毎に章名をつけ

た番号を付する.

(�) 日本建築学会が建築工事標準仕様書を刊行する目的は,建築物の施工(一部設備等の製作・

施工を含む)に際して,要求目標の設定やそれを具体化する技術的手段に関する標準モデル

を示すことにより,わが国で造られる建築物の品質水準の確保,使用材料・構(工)法の標準

化に資することにある.それによって発注者・設計者・監理者・施工者が,標準技術の内容

に関して共有することが期待される.

(�) 建築工事標準仕様書の直接の用途は,設計者が具体的建築工事の仕様書を作成する際に参考

とすることにある.しかし設計者以外の監理者,施工者,メーカー,発注者に対する教育・

啓発に使用されることも期待される.

(�) 建築工事標準仕様書の本文は,工事請負契約図書を構成する設計図書の一部として使用・引

用できるものとする.

(�) 建築工事標準仕様書は,中立性を保ちながら合理的・経済的な技術水準を示すものとする.

また,その内容は会員間に広く合意を持って受け入れられるものとする.

(�) 建築工事標準仕様書は,技術に関する研究の進展,使用材料・構(工)法に進歩などを反映す

るものとし,もって本会の活動成果を社会に還元するのに役立たせる.したがって,仕様書

は必要に応じて改定するものとする.

(�) 建築工事標準仕様書は,実際の建築物に適用することを前提にしている以上,法令に適合す

るものとする.また,公的な諸規格をできる限り引用するものとする.

() 建築工事標準仕様書は,異なる工事種別間で整合のとれた体系を保つことを原則とする.

() 建築工事標準仕様書の本文に対する解説を別途付する.解説は,教育・啓発に役立つものと

する.

2001 年 11 月

日本建築学会 材料施工委員会

本会は,去る大正 12 年に建築施工技術の向上を図るため,委員会を設けて,仕様書の標準化に

着手致しました.以来昭和 16 年までの間に,建築主体工事に関しては 16 の標準仕様書が作られ逐

次会誌をもって発表されたのであります.その間においても技術の進歩,材料の変遷等に即して,

改正が企てられましたが,当時緊迫化を辿りつつあった内外の諸情勢は,それを果さしめないまま

遂に終戦を迎えたので,仕様書の改正を断念し,委員会も廃止して終ったのであります.

終戦後の混乱無秩序は,応急需要と相俟って,低劣な質の建築生産がなされて,真の建築復興の

将来は実に暗澹たるものでありました.しかるに進駐軍施設の建築需要が盛んになるに及んで,否

応なしに海外技術の移入が行なわれるようになって,これが戦時中に低下したわが建築技術の恢復

に多大の刺戟を与えたことは事実として認めない訳には行かなかったのであります.昭和 24 年頃

からは,国力も稍恢復を見せたので,従って建築物の質的改善の要請が起って参り,翌 25年 5月

には,建築基準法が制定実施に移されて質の向上が法的にも要求されるようになりました.

それに先だって,いわゆるビルブームの兆が現われ始めましたが,25年 2 月建築制限がほとん

ど廃止されてからは,永らく抑制下にあったビル建築が一斉に勃興したので,これに対処するため

にも,施工技術の高度化が要求されるに至ったのであります.こればかりでなく,わが国が戦争の

ために空白にした 10 年問と,この間の海外における建築技術の著しい進歩に鑑みても,当然施工

技術の合理的改善を行わなければならない情勢にあったのであります.即ち経済性を基調に,移入

技術の応用,わが国における研究成果の活用等によって,簡易化・機械化を図ることが当面の重要

な課題となって来たのであります.

本会においては,これらの重要性を考慮し,昭和 26 年 5月には,標準仕様書の全面的更改と材

料規格の調査を目的とする「材料施工規準委員会」を設け,広く建築界各層の技術者および設備技

術者等約 230名を委員に御依頼して発足願ったのであります.

幸に委員長始め委員各位の熱誠なる御努力が実を結び.逐次発表を見るに至りましたことは建築

界のためにも,誠に欣ばしいことであります.この仕様書が一段階となって,今後益々施工技術の

進歩改善が期待される点は決して尠くないと信じます.

本会においても,本事業が建築界に大きな期待をもたれていることを察知致しまして,28 年度

事業としてこの仕様書による講習会を全国的に催し,速かな普及に資することに致しました.その

ため解説の執筆など委員各位の御多忙を知りつつも相当御無理を願った点の多くあることを恐縮に

存じております.

本書の刊行に当りまして,委員各位の御尽力はさることながら,これを御支援御協力せられまし

た会員初め官民各方面の職場に対しましては深甚な謝意を表しますとともに,この仕様書の普及実

行に一層の御協力をたまわらんことを望んで己まない次第であります.

昭和 28 年 11 月 日本建築学会

「建築工事標準仕様書」(JASS)の発刊に際して

標準仕様書を作成することは,施工標準を決めようとすることであります.即ち合理的で経済的

な施工の一定標準を定め,これが普遍化を期待し,それによって一般建築物の質の向上を図ろうと

するのが,その目的であります.

先ず,その根本的方針としては,技術の進歩に即応し,新材料の利用,規格の尊重,新決定用語

の採用によって,時代に適合し,しかも飛躍に過ぎることのない様,官庁と謂わず,民問と謂わず,

建築界全体を通じて使用し得られる仕様書の決定版を得ようとするところに,目標を置いたのであ

ります.

この仕様書を成るべく短期問にまとめたく思ったためと,また専門中の専門知識を動員するため

に,調査委員会の構成は,細分科制を採り,14 の分科会を設け,独り建築主体工事に限らず機械,

電気などの設備工事をも含めた 33 章に亘る工事別仕様書の調査執筆に着手したのであります.

審議の方法は,前記 14 の分科会の外に,主査も参加する運用調整委員会を設け,分科会で作ら

れた夫々の原案を更に運用調整委員会にかけて,精粗・軽重などについての分科会相互問の均衡を

考え,総合的に検討を加え,その結果を,広く建築界の輿論に問うため,会誌に発表するほか,全

支部を始め全国に亘り 65ヶ所の連絡機関を設けて,忌憚のない御意見を求めたのであります.そ

れ等の結果は,再びこれを委員会に戻して,再検討を行ない,斯くして得た最終案を,本決定に運

ぶような方法をとったのであります.

幸に委員各位には公私共に御多忙であるにも拘らず,全く献身的な努力を傾けられまして,御蔭

をもって,昨 27年 8 月号の会誌から逐次原案を発表することができたのであります.本書に載せ

た仕様書は上記の方法によって得た最終本決定の一部であります.

未だ全部の完成には到りませんが,一応成果をあげたものをもって学会が講習会を全国的に開か

れることになったため,原案作成委員の方々に重ねてその解説の執筆を煩わしました.時間の関係

もあって,それは執筆委員各自の責任において書かれたものでありますが,これによって,細目に

ついての制定の意図,内容などが正しく御理解願えることと思います.本委員会としては,将来仕

様書の完璧を期するために,実施上の御経験などを御申越戴いて,改善に改善を重ねる考えであり

ますから,今後とも格別の御協力を御願い致したいのであります.

なお,委員長を扶けられて,非常な御尽力を払われた委員各位を始め資料の御提供に,あるいは

連絡機関として成案に対しても貴重な御意見を御寄せ下さった全支部及び官公庁,建築事務所,建

築業者等の方々に対し,この機会をかりて厚く御礼申上げる次第であります.

昭和 28 年 11 月

日本建築学会 材料施工規準委員会

委員長 下 元 連

日本建築学会建築工事標準仕様書

制定調査方針

(目 的)

1. 建築の質的向上と合理化を図るための適切な施工標準を作ることを目的とし,次の点を考慮

して標準仕様書を体系づけた.

a. 建築設計を拘束したり,統制したりしないが,統一して差支えない程度のものはなるべく

一定するように努めた.しかしそのため,施工技術の最低限度を割らないよう注意した.

b. 施工技術の専門細分化が近来特に甚しい傾向にあるので建築技術者を始め多数の専門家の

密接な協力を得て,各専門分野の技術の有機的な繫りを保つと同時にそれ等専門技術の建築

技術への浸透を仕様書を通じて図ることにした.

c. 技術に関する研究の進展,材料の進歩等に即応し,検討を経て成果を得たものは,なるべ

く速かに仕様書に織り込み,研究とその成果の活用とを直結して技術に進歩性をもたせた.

(用 途)

2. 広く各方面の意見を徴して,官公庁,民間を問わず中央と地方とに拘らず各種構造の建物の

いずれにも適応できるものとした.

(規格,計量,法令)

3. 度量衡はメートル法を主とし,その他の計量が慣用されているものについては,括弧内に併

記した.

4. 日本工業規格(JIS),日本標準規格(JES),その他の規格にあるものは規格を用い,公定規

格のないもので特に業界規格等を必要とするものについては,こだわらずに採用して,それ等

との調整と活用とを図った.なお場合によっては,暫定的に日本建築学会規格をも作った.

5. 建築基準法その他法令に関係ある事項は,法令に定められたところと背馳しないようにした.

(体裁,略称)

6. 建築工事における一般的かつ共通的なものについて記述し,特殊な材料,工法,寸法ならび

に工法その他が数種類あるものはこれを羅列し,各工事毎に特記仕様書を附加してこれに設計

者が所要の事項を記入することにした.

7. この仕様書は JASS(Japanese Architectural Standard Specification)と略称し,章名の番号

と併記して用語の簡明化を図った.

「建築工事標準仕様書(JASS)」は学術,技術の進歩,材料の改善に即応せしめて,絶えず改訂を行おうとする

ものであるから,本仕様書を使用された経験による御意見を本会に御寄せ願い,その完璧を期すことに特に御

協力願いたい.

JASS 8 防水工事標準仕様書改定ならびに新制定の趣旨と経緯について

――昭和 47 年�月の改定および新制定――

JASS 8.1 屋根アスファルト防水工事(改定)

JASS 8.2 屋根防水コンクリート工事(改定)

JASS 8.3 屋根合成高分子ルーフィング防水工事(新制定)

JASS 8.4 シーリング工事(新制定)

従来の JASS 8.1 が改定をみてからすでに十数年を経過しており,その間防水工法は急速な進歩

をし,使用するアスファルトの品質はもとより,各種のアスファルトルーフィング類も進歩したも

のが使用されるようになった.このような進歩に応ずべく,アスファルトの品質は昨年の JIS A

6011(防水工事用アスファルト)として制定されたが,その主眼点は従来のアスファルトコンパウ

ンドなる名称が廃止され,感温性による地域的な気象条件に適合するアスファルトの種類が区分さ

れ,さらにその試験方法にも低温特性を加味することが加わった.

また,ルーフィング類については,従来 JIS 化されていなかった網状ルーフィングが JIS 化され,

さらに伸びの大きい特殊ルーフィング,たとえばストレッチルーフィングや穴あきルーフィングな

どがしだいに多く用いられるようになった.これらの特殊なルーフィングについては,品質の優秀

性は認められるが,特定業者の専用生産品的性格を帯びており,かつ全体として,品質の均衡ある

レベルアップも期待したく,そのために一律の JIS 化に時期尚早の感がある.しかし,現状におけ

る防水技術上,とくに下地の挙動との関連において防水工法を定めてゆく考え方から,これらを当

面は JIS になくても JASS で認めて,その使用の適正化を図るのが進歩的なあり方であるという結

論に達し,この仕様書の中に取り上げた次第である.

これらの技術的環境条件から,アスファルト防水工事の改定の運びとなり,足かけ�年半の審議

を経て,ここに改定をみた次第である.

JASS 8.2 は JASS 8.1 と同時期ごろに改定をみたものであるが,その後のレデーミクストコン

クリート・人工軽量骨材コンクリートの発達などとともに従来のものをいくぶん手直しした程度の

改定を行なったものである.

JASS 8.3 は,およそ 12 年ぐらい前から欧米より合成ゴムを中心としたシート防水工法が導入さ

れ,伸びの大きいこと,従来のアスファルト防水工法と異なり常温で施工できるなどの特長から,

しだいにその需要が増加してきたが,材料の品質や厚みおよびメーカーの施工上の認識の不足など

から,クレームが続出するようになり,各方面から標準工法としての JASS制定の要望が起こり,

昭和 42 年�月に第�分科会の下部組織として小委員会が設置された.その後,品質・寸法などに

ついて JIS の制定を先行すべきであるという意見とともに小委員会を一時中断して,もっぱら JIS

の制定に小委員会が中心となって原案をまとめ,ようやく昭和 44 年 10 月�日付で JIS〔JIS A

6008(合成高分子ルーフィング)〕が制定された.その結果,当小委員会は JIS制定の原案の見通

しを得たうえで,昭和 44 年�月より再開し,JASS 8.3(案)をまとめたが,昭和 47年度の JIS の

見直しを加味して,今回の最終的改定をみたものである.

つぎに,JASS 8.4 の「シーリング工事」は,JIS A 5751(建築用油性コーキング材),JIS A

5754(建築用ポリサルファイドシーリング材),JIS A 5755(建築用シリコーンシーリング材)の

ほかに JIS A 5752,JIS A 5753(木製建具用ガラスパテ)などの JIS がしだいに制定されてきて,

これらを用いる JASS 化が数年来の懸案事項として,第�分科会の下部組織のシーリング工事小委

員会(主査 波多野一郎)で審議を重ねてきたが,ここにようやく成案を得て JASS 8.4 として,

JASS 8.3 とともに防水工事の JASS の一貫的扱いとして新しく制定をみたものである.

なお,JASS 8.1〜8.4 の改定ならびに新制定をみて,ここにその解説とともに,防水工事の仕様

書がまとまった次第だが,JASS 8.1 においては,く(躯)体の挙動の関連を中心とし,その後の工

法および材料の技術的進歩を加味して取りまとめたが,残された問題として,工法としての断熱性

能の付与,材料の繰返し疲労に対する試験方法の確立など幾多あげられる.

JASS 8.3 においても,合成高分子シート防水に対する欧米はもとより,わが国におけるいまだ

根強い不信感と実績の少なさなどに関連して,いっそうの品質の向上と,JASS 8.1 同様の残され

た問題が幾多ある.さらに,近い将来に合成高分子材料の塗膜防水工法の JIS 化や JASS 化の問題

も起こってくるであろう.これに対して,JASS 8.3 に比べて,さらに信頼性が薄いだけに,その

取扱いに関していっそうの慎重さが必要であろう.

JASS 8.4 は,コンクリートカーテンウォールやメタルカーテンウォール工法が今後,ますます

増加の傾向にあるだけに,この工法の普及がいっそう発展を促すであろう.それだけに,材質面の

今後の検討が続けられなければならない.

このように,まだ残された研究問題は幾多あるけれども,この仕様書の運用による実績を見て,

今後の委員会活動を継続しながら見直しを行ない,近い将来に防水工事の技術指針として取りまと

めたい方針である.

今まで�年以上の歳月をかけた審議の結果として,ここに一応の区切をつけ,当分の間,今日の

技術水準をもとにしたこの仕様書を標準とし,その適切な運用を設計者ならびに施工者に切に望み

たい次第である.

昭和 47年月

日本建築学会 材料施工委員会 第�分科会

JASS 8 防水工事標準仕様書改定ならびに新制定の趣旨と経緯について

――昭和 56 年�月の改定および新制定――

JASS 8.1 屋根防水コンクリート工事(改定)

JASS 8.2 アスファルト防水工事(改定)

JASS 8.3 合成高分子ルーフィング防水工事(改定)

JASS 8.4 塗膜防水工事(新制定)

JASS 8.5 シーリング工事(改定)

従来の JASS 8 防水工事は,昭和 47年月に改定されたもので,足かけ 10 年の歳月が経過して

いる.その間,防水工事に使用する材料の品質の改良はもとより,新しい材料も次々と出現して施

工実績も着実に積み重ねられてきた.また工法も新しい材料の出現でより充実した内容のものとな

り,さらに高度の防水性能に対する要求にも応えられるようになってきた.このような外的条件の

急速な進展に伴って,材料施工委員会第�分科会は,鋭意活発に委員会活動を行いながら防水にか

かわる研究成果の分析や防水設計・材料および施工などの実態の調査や検討などを行ってきた.

この結果,昭和 47年月に制定した JASS 8 防水工事は,改定して新しい仕様書として発刊す

る必要があるとされ,本文の改定案が材料施工委員会運用調整委員会の議を経て,建築雑誌

(Vol.94,No.1147,昭和 54 年�月)に発表された.この改定案に対して寄せられた多くの貴重な

意見を基盤とし,第�分科会ではさらに審議を重ね,解説もより充実させた形で今回の新しい仕様

書としたものである.

1 節「屋根防水コンクリート工事」は,前回までは�節であったが,今回の改定で�節とし,メ

ンブレン防水関係の仕様書は,屋根防水コンクリート工事の次にまとめて編集することとした.

JASS �「鉄筋コンクリート工事」に関連する仕様書が全面改定されたので,これに伴って�節の

改定を行ったものである.

2 節「アスファルト防水工事」は,昭和 47年月に改定されたが,その主眼とするところは,

アスファルトの種類が感温性によって明りょうに区分されたために地域的な気象条件に適合させる

ことができるようになったことと,前よりもいっそう低温時の特性を仕様書に加えることができる

ようになったことなどがあげられた.今回の改定は,ルーフィング類に,ラグフェルトの代りに合

成繊維をランダムに集積して固定したシート状の原反を使うことができ,これにアスファルトを含

浸塗覆したストレッチルーフィング(JIS A 6022,昭和 52 年�月�日制定)が新しく規格化され

たことがあげられる.このほか,天然もしくは合成繊維でつくられた粗布にアスファルトを浸透さ

せた網状アスファルトルーフィング(JIS A 6012,昭和 52 年月�日制定)や,あなあきアスフ

ァルトルーフィング(JIS A 6023,昭和 52 年�月�日制定)などの新しいルーフィング類が JIS

規格化されたことも同時にあげられる.屋根アスファルト防水工事の仕様書は,特に下地の挙動と

防水層との関連を重視して防水工法を規定しているので,上述のようなルーフィングの材質規格類

の制定は,当然仕様書の改定につながっていくものである.また,今までの仕様書ではその適用範

囲を屋根およびひさしなどに限っていたが,その後の調査研究から,室内の防水,地下外壁および

水槽の防水にも適用できることが明らかになり,仕様書に新しく付け加えて仕様書の改定の運びと

なったものである.

3節「合成高分子ルーフィング防水工事」は,昭和 45年�月号の建築雑誌にその案が掲載され,

昭和 47年月に新しく JASS 8 防水工事に取り入れられたものである.それ以来,数多くの研究

成果と実績との積み上げから,ルーフィング相互の接着性も確実となり,ルーフィングの種類も加

硫ゴム系・非加硫ゴム系・塩化ビニル樹脂系・エチレン樹脂系の�種類に統合され,それぞれの材

質の特長が生かされつつ,積層施工の工法も新しく開発されてきている.これらの実態から今回の

改定は,ほぼ全面にわたる大改定を行うこととなった.

4節は従来の JASS 8 ではシーリング工事であったが,今回新しく塗膜防水工事を制定したため,

4 節は塗膜防水工事となり,従来のシーリング工事を�節に変更した.塗膜防水工事に使用するウ

レタンゴム系・アクリルゴム系・クロロプレンゴム系・アクリル樹脂系およびゴムアスファルト系

の防水用塗膜材料の品質が,JIS A 6021− 1976(屋根防水用塗膜材)と制定されたことを受けて,

JASS に新しい節を設け,4 節「塗膜防水工事」とした.この工法は,ルーフィング類のように

接合部分がなく,熱アスファルト防水工法のように加熱する必要がない代りに,下地のひびわれを

はじめとする挙動に対しての方策が難しい工法である.しかし,防水工事の将来からみて,それら

の使用の適正化を図り,よりよい建築防水に寄与するよう指導改善することが本委員会の責務であ

り,工法が市場で混乱してしまう前に標準的な仕様を示すことが必要であるとの結論から,この仕

様書の中に新しく取り上げられることとなったものである.

5節「シーリング工事」は,従来の JASS 8 の�節が移行したものである.シーリング材の材質

の向上は最近かなり見るべきものがあり,それにつれて施工実績も幾何級数的に増大してきている.

またカーテンウォール工事の進展からシーリング工事に対する性能要求も一段と高度なものとなっ

てきている.委員会では建築学会等での研究成果と施工の実績を踏まえて検討を加えた結果,従来

の仕様書を早急に改正して現状の実態に対応させる必要のあることを痛感し,他の工法と同様改定

を加えることとしたものである.

以上のように,JASS 防水工事は,新しく塗膜防水工事を制定するとともに,その他の防水工

事についてもその内容を一新して最近の建築防水事情に対処することとした.改定にあたっては,

今までの多くの研究成果を検討するとともに,実態調査研究も併せ行って審議し,将来への発展も

考慮して内容の充実を図ることとした.

なお,残された問題点としては,防水工法の性能評価手法の検討をはじめ,防水層の信頼度の問

題,断熱防水工法に関する仕様,異種防水材料による積層工法にかかわる技術開発,地下防水仕様

の充実化など数多くの残された諸検討事項があげられる.しかし約 10 年間の歳月をかけた検討の

成果として,今回で一応の区切りをつけることとし,問題点は新しく発足する分科会の審議にまか

せることとした.

最後に,本仕様書が設計者によって適切に運用され,よりよい建築防水に大きく貢献することを

心から祈ってやまない次第である.

昭和 56 年�月

日本建築学会 材料施工委員会 第�分科会

JASS 8 防水工事標準仕様書ならびに新制定の趣旨と経緯について

――昭和 61 年�月の改定および新制定――

JASS 8.1 メンブレン防水工事(統合新制定)

JASS 8.2 ステンレスシート防水工事(新制定)

JASS 8.3 シーリング工事(改定)

JASS防水工事標準仕様書の制・改定の経緯は大要次のとおりである.

�建築雑誌(昭和 27年月)に,1 節「アスファルト防水工事」(案)を公表(当時第�分科会

担当,主査 船越義房)

�建築雑誌(昭和 36 年�月)に,2 節「屋根防水コンクリート工事」(案)を公表(このときか

ら第�分科会担当,主査 狩野春一)

�建築雑誌(昭和 37年月)に,1 節「アスファルト屋根防水工事」(案)を公表(主査 狩野

春一)

�建築雑誌(昭和 45年�月)に,3 節「屋根合成高分子ルーフィング防水工事」(案)を公表

(主査 大島久次)

�建築雑誌(昭和 47年�月)に,1節「屋根アスファルト防水工事」(改定案),2節「屋根防水

コンクリート工事」(改定案),4節「シーリング工事」(案)を公表(主査 大島久次)

�昭和 47年 10 月 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事(第�版)発刊

1節 屋根アスファルト防水工事

2節 屋根防水コンクリート工事

3節 屋根合成高分子ルーフィング防水工事

4節 シーリング工事

�建築雑誌(昭和 54 年�月)に,1節「屋根防水コンクリート工事」(改定案),2節「アスファ

ルト防水工事」(改定案),3 節「合成高分子ルーフィング防水工事」(改定案),4 節「塗膜防

水工事」(案),5節「シーリング工事」(改定案)を公表(主査 大島久次)

�昭和 56 年�月 建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事(第�版)発刊

1節 屋根防水コンクリート工事

2節 アスファルト防水工事

3節 合成高分子ルーフィング防水工事

4節 塗膜防水工事

5節 シーリング工事

以上のように,従来の JASS 8「防水工事」は昭和 56 年に制改定されたものであるが,その後防

水工事をとりまく社会情勢は大きな変化をみせている.

その第�は,職業訓練法に基づく技能検定制度が軌道に乗り,すでに�万�千数百名の防水技能

工が誕生しており,それに伴って実技教科書(防水施工法,全国防水工事業団体連合会編,(財)

職業訓練教材研究会発行)が整備されたことである.このことは,防水工事の仕様書において,施

工の細部まで指示する必要がなくなったことを意味するものである.

第�は,既成の防水工法では各機関,各団体の実用的な仕様書が整備されるようになり,学会の

仕様書として多岐多様にわたる用途とグレードに対して細かく対応する必要はなく,設計者の判断

に標準を与える仕様のみを示せばよい時期にきていることである.

以上のような現今の大勢を踏まえたうえで,仕様書の見直し作業を開始するとともに,新たに標

準仕様を制定すべき防水工法について検討を行った.その結果,今回の制改定は次の方針に基づい

て行うこととした.

(�) 「屋根防水コンクリート工事」の廃止

「屋根防水コンクリート工事」は,最初の案の公表以来既に 20数年を経て実施例も聞かれなく

なり,その内容は関連 JASS 5「鉄筋コンクリート工事」との不整合も生じており,防水工事とし

ての役目は終了したと判断した.本工法による良質な屋根スラブの施工という利用方法はあるが,

その目的に対しては JASS 5の体系の中でしかるべき位置付けがなされることが,活用のための最

善策と考え,関係者へ検討を依頼し,JASS 8 から割合することとした.

(�) 「メンブレン防水工事」の統合新制定

合成高分子材料による防水工事は,長いもので 20 年を超える実績を経て材料および仕様の評価

が一応定まったものと判断される.アスファルト防水層,合成高分子ルーフィング防水層および塗

膜防水層はそれぞれ独立に設計者の判断を求めるものではなく,防水される部位の用途や下地の条

件などによってなされる並列的な選択対象であることを考慮して,その工事を「メンブレン防水工

事」として統合して制定することとした.なお,その際従来「合成高分子ルーフィング防水」の名

称を,世間一般で広く用いられ,職業訓練法の職種区分にも採用されている「シート防水」の名称

に変更した.

仕様内容については,アスファルト防水層は従来の�種類各 3〜4 種別合計 19種別であったもの

を,各種類の標準的な仕様を�種のみ設定して�種別に整理した.シート防水層は従来の�種類

12 種別を�種別に,塗膜防水層は�種類 16 種別を�種別に整理した.このように仕様を少数に整

理したが,それぞれの上級仕様はモディフィケーションとして容易に設定しうると考えている.こ

の整理の中で実績が皆無かわずかなもの,すなわち,エチレン樹脂系合成高分子ルーフィングなら

びにクロロプレン系およびアクリル樹脂系防水用塗膜材を用いる仕様を廃止した.当然のことであ

るが,この廃止は最近数年間の実績を考慮したものであり,将来の実績によっては復活もありうる

と考えている.

(�) 「ステンレスシート防水工事」の新制定

昭和 55年ごろから,より高度な信頼性と耐久性の達成を目的として,ステンレス鋼板の全溶接

による新しい防水工法が行われるようになった.従来の防水工法とは異なる特色のある新しい工法

であり,登場まもなくから期待はしだいに大きくなりつつあった.

ステンレスシート防水工事の成否は,接合部における確実な連続溶接の施工と,使用環境に適応

したステンレス鋼種の選択にあるといえる.単純な施工ミスや配慮不足から漏水事故を起こして期

待を裏切り,工法の将来性を阻害することのないように,現在までの知見を集約して施工法を標準

化した.

まだ歴史の新しい工法であるだけに,納まりなどの細部に各社各様の主張がなされているが,必

ずしも定評が得られたものばかりではない.したがって,経験のある普通の技術のみで仕様書を構

成したが,各社の技術上のノウハウや特許,あるいはそれに近い技術は,特記仕様として活用され

るものと思われる.

鋼種は SUS 304 と 316 の�種類に限定し,板厚は一率に 0.4 mmとした.これらは今後の実績

をみたうえで改定され,しだいに多様化するものと思われる.なお,ステンレスシート防水もメン

ブレン防水の一種であるという意見もあるが,初制定の本工事を歴史の長い他のメンブレン防水工

事といっしょにせず,独自の節をかまえて,その普及を図ることとした.

(�) 「シーリング工事」の改定

従来,施工法の項目において“反応硬化�成分形シーリング材”“湿気硬化�成分形シーリング材”

“乾燥硬化�成分形シーリング材”および“油性コーキング材”の�種類に区分して施工手順を示して

いた.しかし,後の�者は�成分形であることにおいて共通であり,これを統合して,“2成分形

シーリング材”と“1成分形シーリング材”の�本立てに変更した.そのほかには大きな変更はない.

改定作業は,昭和 57,58 年度の基礎的調査を踏まえて,昭和 59,60 年度の事業として実施した

もので,その間に行われた関係 JIS の改正にも対応している.しかし,このところ一段と動きが活

発になってきた防水工法の変革に対し,その成果を見きわめることと,全国共通の技術として標準

化して提案することとの間には相反する時間的な相剋があり,妥協点を見いだすことは容易ではな

い.今回の改定では,従来よりは,やや大たんに新技術を標準化した部分もあり,今後の成果を見

守りたいと考えている.

本仕様書が設計者および施工者によって適切に運用され,よりよい建築防水のために活用される

ことを心から祈ってやまない.

なお,従来の懸案である,防水工法の選択適用に基礎を与えるべき「メンブレン防水層の性能評

価試験方法」(案)を一応まとめたので,解説の参考資料として公表し大方の利用を期待すること

とした.また,従来 JASS 8 において取り扱うことのなかった「モルタル防水工事」および「珪酸

質塗布防水工事」の施工指針(案)も同時に解説の参考資料として公表した.本仕様書と同様に,

それぞれに対する御意見を寄せられることを願っている.

昭和 61 年�月

日本建築学会 材料施工委員会 第�分科会

JASS 8 防水工事標準仕様書改定ならびに新制定の趣旨と経緯について

――1993 年�月改定版および新制定――

建築工事標準仕様書 JASS 8 防水工事の制定は,昭和 27 年(1952)のアスファルト防水工事

(案)の公表に始まり,屋根防水コンクリート工事(案)が昭和 36 年(1961),アスファルト屋根

防水工事の改定(案)が昭和 38 年(1963),さらに昭和 45年(1970)に屋根合成高分子ルーフィ

ング防水工事(案)が公表された.昭和 47年(1972)に上記の三工事の見直しと新たにシーリン

グ工事を加えて第�版を発刊,さらに,昭和 56 年(1981)塗膜防水工事を加え第�版を発刊した.

第�版は昭和 61 年(1986)に発刊されたが,その際,屋根防水コンクリート工事は JASS 5の体

系の中でしかるべき位置付けがなされることとして廃止し,アスファルト防水工事,合成高分子ル

ーフィング防水工事,塗膜防水工事を統合してメンブレン防水工事とするとともに仕様の種別も整

理し,さらに,ステンレスシート防水工事を新設して�節で構成した.また,参考資料として,メ

ンブレン防水層の性能評価試験方法,モルタル防水工事施工指針(案),珪酸質塗布防水工事指針

(案)を表した.とくに,メンブレン防水層の性能評価試験方法は,防水層の性能を標準化された

方法のもとで評価したいという,かねてからの懸案が示されたもので,当時の第�小委員会により

作成された.

以上のように,現行の JASS 8「防水工事」は昭和 61 年に制改定されたものであるが,その後,

防水工事にかかわる社会情勢は徐々に変化を遂げている.そこで,それらの変化ならびに前版の改

定に対する評価を踏まえて,平成�年度から JASS 8 改定小委員会を設け,見直し作業を行った.

その結果,今回の制改定は以下に示す方針に基づき実施することとした.

1) メンブレン防水工事に,改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法)の新設,および総

合的な見直し

すでに前回の制改定時において,トーチバーナーを用いて改質アスファルトシートを施工する工

事は普及し始めていたが,本工法の先進国である欧米諸国間に,材質や施工法に多少の違いがあっ

たこと,シートの日本工業規格(JIS)を制定する機運にあったこと等を考慮して,とりあえず施

工指針として発刊することとし,第�版発刊直後の昭和 61 年度に小委員会を設置して作業に取り

掛かり,平成�年�月に発刊した.JIS としてA 6013 改質アスファルトルーフィングシートが平

成�年�月に制定され,標準仕様制定の条件がそろったので,メンブレン防水工事に取り入れるこ

ととした.

前回の改定において,アスファルト防水,シート防水(「合成高分子ルーフィング防水」改め),

塗膜防水を統合してメンブレン防水としたが,その際,防水層の種類と適用,材料,および施工法

のそれぞれの項目に,前記の三工法を連続して示したために,実用面での運用が繁雑であるとの意

見が,とくに設計者側から寄せられた.そこで,仕様書の前段である第�項から第�項に共通する

事項をまとめ,第�項以後にアスファルト防水工事,改質アスファルトシート防水工事(トーチ工

法),シート防水工事,塗膜防水工事の順に示し,それぞれの項は,防水層の種別,材料,施工法,

防水層の保護・仕上げで構成し,前述の要望に応えることとした.

前版に提示した,メンブレン防水層の性能評価試験方法について,平成元年の本会大会パネルデ

ィスカッションにおいて,その方法に対する評価や改善要望を討議するとともに,既往の諸データ

等の提供を求めた,それらを参考に,四種類の防水層とそれぞれの種別について,適用可能な部

位・箇所,下地の種類を同一の表現で示すこととした.さらに,防水層の種類とそれぞれに適用で

きる保護・仕上げ材の種類とそれぞれが適用できる部位と用途を示し,防水工法の選択の一助に供

することとした.

新たに,施工管理という項をおこし,今まで,計画段階から工事の完了にいたるまで,各項に点

在していた管理事項を統合,防水工事にかかわる各立場における責任分担を明らかにした.

各防水工事別に主な改定内容を以下に示す.

a . アスファルト防水工事

仕様種別の数および内容は現行どおりであるが,ルーフィングの張付け施工に伴うアスファルト

は,同一の工程として取り扱うこととした.平成�年に,アスファルトフェルト,アスファルトル

ーフィングおよび砂付アスファルトルーフィングの JIS規格が統合され,さらに,ストレッチ

ルーフィング,穴あきアスファルトルーフィングが改定されたので,これに対応した見直しを実施

した.

b . 改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法)

平成�年�月に発刊した施工指針をもとに,新たに制定された JIS A 6013 改質アスファルトル

ーフィングシートに対応した見直しを行った.仕様は,実績等から判断して,施工指針の�種別か

ら断熱防水を含む�種別に絞り込んだ.

c . シート防水工事

現行の�仕様を,合成ゴム系の接着,合成樹脂系の接着,合成樹脂系の機械的な部分固定の露出

防水の�仕様とした.現行のシート二枚張り押さえ工法用の仕様は,ほかに適当な防水工法がある

ので,本工事から削除することとした.

d . 塗膜防水工事

施工実績の少ない主として屋根用のアクリルゴム系,ゴムアスファルト系�種別の合計�種別を

廃止して�種別とし,仕上塗料やウレタン舗装材などの保護・仕上げを施すことを原則とした.ま

た,平成元年に実施した JIS A 6021屋根用塗膜防水材の改定に対応させた.

2) ステンレスシート防水工事の見直し

ステンレスシート防水工事の仕様は,昭和 61 年の第�版にて新たに制定されたが,その後の実

情を調査した結果,適用範囲を屋根と庇の露出仕様に限定することとした.防水層の種別は�と現

行と同じだが,風環境,海岸地域等の腐食環境による適用区分とした.

施工法の細部について,現在上市している�社それぞれが独自の特許,実用新案を保有している

が,本仕様の本文および解説で示したものは,すべて無償で供与されることになっているので,解

説で述べることとした.

3) ケイ酸質系塗布防水工事の新制定

昭和 61 年に参考資料として珪酸質塗布防水工事指針を発刊したが,当時は材料の品質を規定す

るまでには至っていなかった.その後の研究の結果,試験方法および品質を定めることができるよ

うになったので,仕様書として新たに制定することになった.

4) シーリング工事の見直し

今回,とくに大きな改定はないが,目地の形状と寸法を,ワーキングジョイントとノンワーキン

グジョイントに分けて規定することとした.

5) メンブレン防水層の評価試験方法の改定

平成元年の本会大会パネルディスカッションでの討議結果などを踏まえ改定した.今回,大きく

改定したことは,試験を二つのステップに分け,第一ステップでは,防水層が通常対象としなけれ

ばならない程度の複雑な部位・納まりにおける水密性を評価する.ついで,この試験に合格したも

のについて第二ステップの試験を行う.第二ステップ試験には,へこみ試験,耐衝撃試験,疲労試

験,ずれ・垂れ試験,耐風試験,膨れ試験を定めた.その性能の耐久性を評価するためには,劣化

負荷を与えた試験体について,第二ステップの試験を行う.劣化負荷については,とりあえず,熱

による劣化方法を定めた.

最後に,本仕様書が設計者によって適切に運用され,よりよい建築防水に大きく貢献することを

心から祈ってやまない次第である.

1993 年�月

日本建築学会 材料施工委員会 防水工事運営委員会

JASS� 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について

――2000 年�月改定版――

建築工事標準仕様書 JASS 防水工事の改定は 1993 年になされたが,その間の防水工法の進歩

は著しく,また一方で労務問題,環境問題等,防水を取り巻く状況も急速に変わりつつある.この

ような背景をもとに,材料施工委員会・防水工事運営委員会では内部に JASS 改定小委員会を組

織し,防水にかかわる各種の調査や検討を精力的に行ってきた.この結果,1993 年改定の JASS

防水工事は早急に再改定の必要ありとの判断がなされ,メンブレン防水工事,ステンレス防水工

事,ケイ酸質系塗布防水工事,シーリング工事の�ワーキンググループが組織され,その内容につ

いて鋭意検討された.

1999 年秋にまとめられた改定案は,さらに材料施工委員会本委員会での査読による意見をもと

に審議を重ね,今回の仕様書がまとめられた.今回改定の主な点は以下のとおりである.

(�) メンブレン防水工事

仕様書の記述を大幅に改め,防水層仕様の工程表に加えて,保護・仕上げの工程表を連続して記

載した.設計者にとって防水設計は,防水層に付随する保護・仕上げを含む.そのためそこまでの

一連の流れとして記述することが,信頼しうる防水設計を行ううえで望ましいと考えられたからで

ある.また,立上り部は重要な部位であるにもかかわらず,従来記述が明瞭でなかった.そのため

前述と同じ理由により,立上り部についても施工の工程を独立して示した.

次に防水層の種別であるが,いくつかの入替えを行った.まず,アスファルト防水層については,

新たに改質アスファルトルーフィングを用いた�仕様を加えた.これは近年改質アスファルトルー

フィングの性能が向上し,従来のストレッチルーフィング�枚と同等の性能を代替できるようにな

り,市場で多く施工されるようになったためである.また,露出仕様については従来の�仕様を統

合し,�仕様とした.

改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法)については市場での施工実績の減少した�仕様

を削除した.シート防水工事については露出断熱工法を仕様として独立させた.これは従来から注

として記載のあったものであるが,わかりにくい記述との指摘があり,今回仕様として独立させた.

また従来特記仕様としていた�仕様を,近年の施工実績増加を踏まえ,標準仕様として追加した.

一方で,施工実績の減少した仕様を�種類削除した.

塗膜防水工事については,防水材料の塗布量を比重に応じて調整することとした.これは従来の

重量だけの指示では比重により防水層の厚さに異なりが生ずるためであり,所定の厚さ確保には,

比重を考慮する必要があるためである.

(�) ステンレス防水工事

対象材料としてはステンレスシートの他にチタンシートを追加し,�種類を使用できるようにし

た.そのため工事名称の変更も検討されたが,従来より定着している現状の名称のままとすること

とした.

(�) ケイ酸質防水工事

大きな変更点はない.

(�) シーリング工事

文章上の表現を除き大きな変更点はない.

ところで今回標準仕様とした防水層以外にも,標準として認知される水準には至っていないが,

その可能性において優れた特徴を持つ防水層が市場には多くある.これらのいくつかは防水設計に

役立つと思われる.現状の枠組みのなかではそれらを標準仕様として提示することが困難なため,

設計者への補助的情報としてそれらをまとめ,解説の参考資料として提示した.これらも積極的に

活用されることを願っている.また,前回の改定でまとめられた「防水層の性能評価試験方法」で

は耐久性の試験が未整備であったが,その後続部分として「防水層の耐久性能評試験方法(案)」

をまとめた.これも今回解説の参考資料として公表した.大方の利用を期待するとともに,率直な

ご意見を寄せられることを期待している.

なお,その使用が増えている FRP防水については「FRP防水工事設計施工指針(案)・同解説」

としてとりまとめた.さらにシーリング防水については,広く外壁接合部防水としてのアプローチ

が必要であり,その観点から「外壁接合部の水密設計および施工に関する技術指針(案)・同解説」

をまとめた.本仕様と同様に広く活用されることを願うものである.

2000 年�月

日本建築学会

JASS 8 防水工事標準仕様書改定の趣旨と経緯について

――2008 年 2 月改定版――

建築工事標準仕様書 JASS 8 防水工事は,2000 年 6 月に改定が行われ,すでに 7年が経過してい

る.この 7年間は,施工の合理化,屋根利用の多様化,安全・安心や省エネルギーなどへの関心が

一段と強まり,また台風の襲来に伴う屋根防水の被害も発生し,これらを受けてメンブレン防水材

料・工法のさまざまな研究・開発が進められ,多様な防水仕様が選定・適用できるようになってき

ている.また,�節のシーリング工事について,前回の改定で解説に詳しく示されていた指針的内

容については,「外壁接合部の水密設計および施工に関する技術指針(案)・同解説」(以下,技術

指針という)に移設し,JASS のスリム化を図った.その後,シーリング工事に関してもシーリン

グ材の使い方や仕上げ材との関係,環境との係わりなどについて,多様な研究や法的規制などが強

化されるに至っている.

このような背景から,材料施工委員会・防水工事運営委員会では,JASS 8 の改定が必要である

と判断し,2004 年 4 月に同運営委員会の傘下に JASS 8 改定小委員会を組織し,検討に入った.改

定作業では,調査研究を系統的に行い,材料・工法を設計・施工の視点から見直す必要があると判

断し,メンブレン防水,ステンレス防水,ケイ酸質系塗布防水,シーリングの�つのワーキンググ

ループのほか,関連性能を取り上げるために性能WGを組織して活動を続け,改定作業を進めた

ものである.なお,今回は,JASS 8 と同時に技術指針も改定したために,シーリング工事につい

ては,JASS と指針の構成と内容を見直しつつ,最近の研究成果や設計・施工実態などの情報収

集・分析を試み,改定に反映させている.

改定案については,材料施工委員会と防水工事運営委員会の査読を受け,その指摘事項を踏まえ

て加筆・修正し,2008 年版 JASS 8 の刊行となった.主な改定点は以下のとおりである.

(�) 仕様書全体

今回の改定では,各節に性能の項を起こして,記述するとともに,環境に関連する記述の充実や

設計・施工の実態を考慮して材料・仕様の見直しを図っている.また,日本建築学会材料規格を整

備し,巻末に添付した.

(�) �節 メンブレン防水工事

防水設計には,平場一般部のみの仕様でなく,立上り部,保護・仕上げの仕様も必要であるから,

旧版の防水層仕様と保護・仕上げの仕様を連続して記載する方法をそのまま踏襲した.以下に防水

工事別の改定の要点を述べる.

アスファルト防水工事については,絶縁工法および断熱露出仕様について,新たに粘着層付改質

アスファルトシート(非露出複層防水用,部分接着型)を用いた仕様に置き換えた.これは,絶縁

工法に使用する最下層のルーフィングとして,近年粘着層付改質アスファルトシートの方が,砂付

あなあきルーフィングよりも多用されており,砂付あなあきルーフィングと同様の絶縁効果が期待

できるためである.

改質アスファルトシート防水工事については,従来のトーチ工法のほかに,新たに常温粘着工法

2仕様を加えた.

シート防水工事については,改質アスファルトシート防水と区別するため,合成高分子系シート

防水とよぶこととし,使用量の増えてきた合成ゴム系シートの機械的固定工法 2仕様を新たに加え

た.

塗膜防水工事については,FRP系塗膜防水工法とゴムアスファルト系塗膜防水の各�仕様を新

たに加えた.FRP系塗膜防水工法は,耐摩耗性に優れることからウレタンゴム系では適用が困難

であった一般歩行用を用途とした.一方,ゴムアスファルト系塗膜防水は,環境問題などから熱ア

スファルト防水が適用できない場合の室内防水仕様として追加した.また,塗膜防水材の塗布量は,

従来の工程ごとの使用量から全工程での総使用量に改めた.

(�) �節 ステンレスシート防水工事

ステンレスシート防水工事について最も大きな改定点は,スライド吊子から固定吊子に変更した

ことである.これは,長年にわたって繰り返される温度ムーブメントによって疲労破壊する現象が

確認され,これを防止するための配慮からである.また,防水層の種別の記述をメンブレン防水工

事に合わせた上で,内容の見直しを行った.

(�) �節 ケイ酸質系塗布防水工事

今回の改定では「3.2 性能」を新設し,解説において,「部位・用途に応じた防水層に要求され

る主な性能項目」,「保護仕上げ層に要求される性能」,「防水層の種別と保護仕上げ層に応じた要求

性能」を表にまとめて掲載した.日本建築学会材料規格「JASS T− 301」の全文を巻末にまと

めて掲載した.用語は,旧版の 3 語を「下地」,「材料」,「その他」ごとに計 26 語に増やし分かり

やすくした.さらに,ケイ酸質系塗布防水材と類似した吸水防止材を分類表で示し,その違いを解

説した.

(�) �節 シーリング工事

シーリング工事における性能を検討し,「4.2 性能」として新設した.また,現状におけるシー

リング材の各種性能,使用実態および研究成果などを勘案し,構法・部位・構成材とシーリング材

の適切な組合せについて見直しを行ない,良い材料選定に繋がるように配慮した.さらに施工管理

については,施工の体制が必要なことから新設した.なお,環境問題への対応として,脱トルエン,

GHS,廃棄物処理法などについて解説した.

今回の改定において,施工指針として取り扱ってきた FRP 防水を塗膜防水の一工法として

JASS に盛り込み,標準仕様として取り扱うことにした.より良い防水技術として普及・貢献す

ることを願いたい.また,初めて性能を盛り込んだが,これについては,設計品質,施工品質およ

び使用品質などが絡むことになるので,今後の追跡調査などを踏まえて見直し,適切な品質の作り

込みや品質保証に貢献できるようにしていきたい.

2008 年 2 月 日本建築学会

仕様書(第 6次改定版)作成関係委員(2014 年 11 月)

――(五十音順・敬称略)――

材料施工委員会本委員会

委 員 長 本 橋 健 司

幹 事 輿 石 直 幸 橋 田 浩 早 川 光 敬 堀 長 生

委 員 (略)

防水工事運営委員会

主 査 堀 長 生

幹 事 輿 石 直 幸 山 田 人 司

委 員 市 川 裕 一 呉 祥 根 大 矢 重 文 岡 本 肇

小 川 晴 果 (小 野 正) 川 端 芳 英 古 賀 純 子

志 村 重 顕 添 田 智 美 高 橋 明 竹 本 喜 昭

田 中 享 二 田 辺 幹 夫 土 田 恭 義 中 沢 裕 二

(長 野 立 子) 松 尾 隆 士 松 田 健 一 宮 内 博 之

山 宮 輝 夫

JASS 8 改定小委員会

主 査 堀 長 生

幹 事 輿 石 直 幸 山 田 人 司 山 宮 輝 夫

委 員 市 川 裕 一 岡 本 肇 小 川 晴 果 柿 島 孝 男

梶 田 秀 幸 添 田 智 美 竹 本 喜 昭 田 辺 幹 夫

松 田 健 一 宮 内 博 之

メンブレン防水ワーキンググループ

主 査 山 宮 輝 夫

幹 事 岡 本 肇 竹 本 喜 昭

委 員 輿 石 直 幸 志 村 重 顕 田 辺 幹 夫 中 沢 裕 二

堀 長 生 松 田 健 一

ステンレス防水ワーキンググループ

主 査 市 川 裕 一

幹 事 柿 島 孝 男

委 員 上 西 明 元 結 正次郎 山 田 秀 雄 米 丸 啓 介

ケイ酸質系塗布防水ワーキンググループ

主 査 小 川 晴 果

幹 事 梶 田 秀 幸

委 員 秋 山 浩 文 糸 平 敏 也 数 尾 昇 加 藤 和 之

志 村 重 顕 高 橋 光 一 宅 間 真 土 田 恭 義

二 川 敏 明 若 林 康 人 渡 邊 完 司

シーリング工事ワーキンググループ

主 査 山 田 人 司

幹 事 添 田 智 美 宮 内 博 之

委 員 岩 繁 博 文 大 澤 悟 栗 原 紳一朗 杉 山 茂 樹

鈴 木 清 隆 鈴 木 正 行 高 橋 明 種 村 重 喜

田 辺 幹 夫 野 口 修 松 尾 隆 士 毛 利 隆

(泉 幸 則) (久賀田 一 明) (塩 出 有 三) (俵 田 忠 明)

*( )は元委員

解説執筆委員

1 節 メンブレン防水工事

伊 勢 寿 文 浦 山 政 成 岡 本 肇 小 関 晋 平

亀 野 行 繁 輿 石 直 幸 志 村 重 顕 鈴 木 博

竹 本 喜 昭 田 辺 幹 夫 谷 川 伸 辻 修 也

中 沢 裕 二 中 野 五 郎 中 村 修 治 七牟禮 博 之

西 川 勝 長谷川 清 勝 福 田 杉 夫 古 市 光 男

堀 長 生 前 田 悟 郎 松 島 隆 松 田 健 一

牟 田 吉 雄 山 宮 輝 夫 吉 岡 孝 治 若 林 秀 幸

渡 辺 光

2 節 ステンレスシート防水工事

市 川 裕 一 柿 島 孝 男 上 西 明 元 結 正次郎

山 田 秀 雄 米 丸 啓 介

3 節 ケイ酸質系塗布防水工事

秋 山 浩 文 糸 平 敏 也 小 川 晴 果 梶 田 秀 幸

数 尾 昇 加 藤 和 之 志 村 重 顕 高 橋 光 一

宅 間 真 土 田 恭 義 二 川 敏 明 若 林 康 人

渡 邊 完 司

4 節 シーリング工事

大 澤 悟 添 田 智 美 杉 山 茂 樹 高 橋 明

野 口 修 松 尾 隆 士 宮 内 博 之 毛 利 隆

山 田 人 司

付録 1 JASS 8 M-101-2014 防水用ポリエステル樹脂

(大 野 博 文) 小 関 晋 平 亀 野 行 繁 神 崎 満 幸

(小 杉 雅 隆) 鈴 木 博 竹 本 喜 昭 谷 川 伸

辻 修 也 長谷川 清 勝 堀 長 生 松 田 健 一

若 林 秀 幸 渡 辺 光

付録 2 JASS 8 M-102-2014 防水用ガラスマット

(大 野 博 文) 小 関 晋 平 亀 野 行 繁 神 崎 満 幸

(小 杉 雅 隆) 鈴 木 博 竹 本 喜 昭 谷 川 伸

辻 修 也 長谷川 清 勝 堀 長 生 松 田 健 一

若 林 秀 幸 渡 辺 光

付録 3 JASS 8 M-301-2014 ケイ酸質系塗布防水材の品質および試験方法

秋 山 浩 文 糸 平 敏 也 小 川 晴 果 梶 田 秀 幸

数 尾 昇 加 藤 和 之 清 水 市 郎 志 村 重 顕

高 橋 光 一 宅 間 真 土 田 恭 義 中 島 義 人

二 川 敏 明 若 林 康 人 渡 邊 完 司

付録 4 JASS 8 T-401-2014 屋上緑化用メンブレン防水工法の耐根性試験方法(案)

池 田 浩 和 石 原 沙 織 内 海 孝 泰 大 森 僚 次

倉 升 哲 郎 後 藤 良 昭 坂 本 彰 宏 佐々木 哲 夫

澤 西 良 三 清 水 市 郎 志 村 重 顕 鈴 木 博

橘 大 介 立 山 富士彦 田 中 享 二 張 成 周

中 沢 裕 二 中 野 五 郎 中 林 敦 中 村 秀 樹

品 田 泰 明 福 田 淳 古 市 光 男 前 田 栄 一

前 田 正 明 松 田 健 一 光 井 佳 法 三 輪 隆

山 口 忠 重 山 下 剛 志 吉 岡 孝 治

付録 5 JASS 8 T-501-2014 メンブレン防水層の性能評価試験方法

伊 藤 弘 小 川 晴 果 小 野 正 清 水 市 郎

志 村 重 顕 田 中 享 二 中 沢 裕 二 山 宮 輝 夫

(河 岡 道 顕) (坪 内 信 朗)

付録 6 JASS 8 T-601-2014 メンブレン防水層の耐久性能試験方法

市 川 裕 一 小 川 晴 果 小 野 正 清 水 市 郎

志 村 重 顕 田 中 享 二 中 沢 裕 二 濱 崎 仁

山 宮 輝 夫 (河 岡 道 顕)

付録 7 JASS 8 T-701-2014 陸屋根用メンブレン防水層の日射反射率測定のための

屋外暴露試験方法(案)

石 黒 義 治 石 原 沙 織 上ノ山 悦 治 内 海 孝 泰

(小 野 洋七郎) 輿 石 直 幸 櫻 田 将 至 (澤 西 良 三)

品 田 泰 明 清 水 市 郎 東海林 隆 史 須之内 孝 裕

(高 山 勝 行) 田 中 享 二 千 葉 重 博 中 野 五 郎

中 村 修 治 (古 市 光 男) 三 坂 育 正 宮 内 博 之

山 部 亮 一 横 堀 龍 司 (吉 岡 孝 治) 好 川 聡 一

劉 霊 芝

参考資料 メンブレン防水層標準仕様以外で防水設計上参考となる仕様

伊 勢 寿 文 (岩 本 憲 三) 浦 山 政 成 (大 野 啓 二)

岡 本 肇 小 関 晋 平 亀 野 行 繁 (川 見 薫)

輿 石 直 幸 (小 林 茂) (小 杉 雅 隆) (佐々木 哲 夫)

鈴 木 博 (高 橋 光 一) 竹 本 喜 昭 谷 川 伸

辻 修 也 中 沢 裕 二 中 野 五 郎 (中 峰 正 彦)

中 村 修 治 七牟禮 博 之 (野 尻 博 行) 西 川 勝

長谷川 清 勝 (福 井 善 健) 福 田 杉 夫 古 市 光 男

(星 野 隆) 堀 長 生 前 田 悟 郎 松 島 隆

松 田 健 一 牟 田 吉 雄 (山 口 忠 重) 山 宮 輝 夫

吉 岡 孝 治 若 林 秀 幸 渡 辺 光

*( )は元委員

建築工事標準仕様書・同解説

JASS 8 防 水 工 事

目 次�節 メンブレン防水工事 本 文

ページ解 説ページ

1.1 総 則㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀1 … 77

1.2 性 能㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀3 … 80

1.3 防水下地の基本要件㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀3 … 84

1.4 防水層および保護・仕上げの種類㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀5 …101

1.5 施 工 管 理㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀7 …107

1.6 アスファルト防水工事㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀9 …116

1.7 改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法・常温粘着工法)㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀21…172

1.8 合成高分子系シート防水工事㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀31…210

1.9 塗膜防水工事㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀42…250

1.10 特 記 仕 様㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀50…284

�節 ステンレスシート防水工事

2.1 総 則㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀54…288

2.2 性 能㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀55…294

2.3 防水下地の基本条件㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀56…295

2.4 防水層の種別と適用㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀56…297

2.5 材 料㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀57…304

2.6 施 工 法㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀58…316

2.7 施 工 管 理㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀60…332

2.8 特 記 仕 様㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀62…342

�節 ケイ酸質系塗布防水工事

3.1 総 則㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀63…343

3.2 性 能㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀64…344

3.3 防 水 下 地㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀64…347

3.4 防水層の種別㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀65…356

3.5 材 料㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀66…357

3.6 施 工 管 理㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀66…363

3.7 施 工 法㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀68…369

3.8 保護・仕上げ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀69…376

3.9 特 記 仕 様㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀69…378

�節 シーリング工事

4.1 総 則㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀70…379

4.2 性 能㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀71…380

4.3 シーリング材を充填する目地㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀71…383

4.4 材 料㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀72…397

4.5 施 工 管 理㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀73…412

4.6 施 工 法㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀73…419

4.7 特 記 仕 様㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀75…429

付 録

付�.JASS 8 M-101-2014 防水用ポリエステル樹脂㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀431

付�.JASS 8 M-102-2014 防水用ガラスマット ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀434

付�.JASS 8 M-301-2014 ケイ酸質系塗布防水材の品質および試験方法 ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀436

付�.JASS 8 T-401-2014 屋上緑化用メンブレン防水工法の耐根性試験方法(案)㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀440

付�.JASS 8 T-501-2014 メンブレン防水層の性能評価試験方法 ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀469

付�.JASS 8 T-601-2014 メンブレン防水層の耐久性能試験方法 ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀495

付�.JASS 8 T-701-2014 陸屋根用メンブレン防水層の日射反射率測定のための ㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀509屋外暴露試験方法(案)

参 考 資 料

メンブレン防水層標準仕様以外で防水設計上参考となる仕様㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀㌀521