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中小企業庁資料 ブランドコンセプトの開発に当たっては、これまで採択された事業や成功事例の研究を行うとともに、ブランドを確立する最新の手法なども参考にしました。また、国内外でブランドコンセプトの理解度や受容性についての消費者調査を実施しましたが、このブランドコンセプトに対して、各国の消費者は、きわめて高い興味と関心を示しています。
Citation preview
JAPANブランド育成支援事業
消費者調査結果の報告
平成19年3月
中小企業庁日本商工会議所・全国商工会連合会
はじめに
JAPANブランド育成支援事業では、今後の事業強化に向けて、平成18年度に
コンセプト構築等のブランド開発を行いました。
その一環として、コンセプト(仮説)の妥当性や受容性を検証するためのインターネット
調査を、日本を含む7カ国で実施しました。本レポートは、その結果の概要です。
関係者の方々にはプロジェクト遂行に役立てていただくことはもとより、広く日本の
中小企業や地域の方々の参考になれば幸いです。
平成19年3月
中小企業庁
日本商工会議所・全国商工会連合会
問合せ先
中小企業庁 経営支援課 03-3501-2036
日本商工会議所 流通・地域振興部 03-3283-7874
全国商工会連合会 市場開拓支援課 03-3503-1256
本報告書の構成
Ⅰ.調査の概要
Ⅱ.日本及び日本の文化・伝統についての興味関心度
Ⅲ.「用の美」の受容性
Ⅳ.JAPAN BRAND*のブランドコンセプトの妥当性
Ⅴ.まとめ
* 「JAPAN BRAND」とは、本事業の全体を示すブランド、そして多様な「地域のブランド」の基となる「日本らしさ」を表すブランドのことです。
Ⅰ.調査の概要
調査の概要
• 実査期間 平成18年11月1日~11月15日
• 調査対象者 7カ国の一般生活者(詳細は、次ページ参照)
• 調査方法 インターネット調査
• 調査委託先 株式会社インターブランドジャパン
調査対象者の詳細
320首都圏関西圏
日本
320ニューヨークロサンゼルス
アメリカ
320パリフランス
320ロンドンイギリス
320ベルリンドイツ
320ローマミラノ
イタリア
320北京上海
中国
20~59歳男女個人(均等割付)
割付標本数
(単位:サンプル)調査対象国 調査エリア
Ⅱ.日本及び日本の文化・伝統についての興味関心度
「日本のことをどの程度知っていますか?」と質問しました。欧米では概ね半数程度がよく/
やや知っていると答えました。中国での知日度は高くなっています。
知日度
13
6
7
4
6
15
31
71
37
49
49
42
53
61
17
42
40
42
43
24
8
16
4
5
8
8
1
0
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
とてもよく知っている やや知っている あまり知らない まったく知らない
「日本に対してどのような印象をお持ちですか?」と質問しました。米国と中国を除き7割以上が
好意的です。知日度が他の国よりも低い米国ではその割合がやや低くなっていますが、3割が
「とても好き」と答えています。一方、知日度が最も高かった中国の親日度は、7カ国で最も低い
状況でした。
親日度
34
29
40
16
39
36
19
44
26
37
56
35
44
28
16
42
22
26
22
14
32
3
1
3
3
4
13
0
1
0
0
0
1
8
6
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
とても好きな国である やや好きな国である どちらとも言えない やや嫌いな国である とても嫌いな国である
日本の伝統的な文化に対する興味関心度
浮世絵、茶室、古い街並、着物、相撲、寿司などの写真を提示の上、「このような日本の伝統や
芸術に興味や関心はありますか?」と質問しました。米国以外の国で7割以上が興味があると答
えています。また、「非常にある」の割合は、日本、米国、ドイツを除き、3割以上となっています。
19
18
32
25
33
31
34
60
40
49
52
48
48
41
12
23
13
14
12
15
15
11
5
5
6
5
7
2
8
1
4
1
2
3
7
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
非常にある ややある どちらともいえない あまりない まったくない
アニメ、ゲーム機、モダンアートなどの写真を提示の上、「このような日本の新しい文化に興味や
関心はありますか?」と質問しました。「非常にある」と答えた人の割合は、中国を除き、2割以下
に留まりました。
日本の新しい文化に対する興味関心度
8
15
17
16
20
17
36
36
27
42
35
39
42
40
24
28
22
27
16
21
15
17
15
18
17
16
8
8
13
4
6
7
4
1
23
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
非常にある ややある どちらともいえない あまりない まったくない
Ⅲ.「用の美」の受容性
JAPAN BRANDには、「匠の品質」「用の美」「地域の志」という3つの価値を消費者や社会に提供
していきたいという志があります。
今回の調査では、つぎのような説明と写真を提示した上で、 「用の美(utilitarian beauty forged in
everyday Japanese practice)」に対する理解度や興味関心度を質問しました。
(調査に当たっての提示物)
長い歴史の中で、日本人は、普段の営みで使用する生活用品にも、美しさを求めてきました。ほとんどは、シンプルでごく普通のデザインですが、そこには、伝統的な技に支えられた職人のこだわりやひたむきな思いのこもった、独特の美しさがあります。
「このような“用の美(utilitarian beauty forged in everyday Japanese practice)”について、理解は
しやすいですか?」と質問しました。いずれの国でも8割以上が理解できると答えています。
「よく理解できる」と答えた人の割合は、各国とも概ね4割以上となりました。
「用の美」に対する理解度
43
46
52
43
49
39
46
47
35
39
47
43
50
41
8
15
7
7
3
9
9
3
3
2
3
2
3
0
0
0
2
1
0
0
3
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
よく理解できる やや理解できる どちらともいえない あまり理解できない まったく理解できない
「このような美しさに対して、どの程度の興味や関心がありますか?」と質問しました。
いずれの国でも、7~8割が興味があると答えています。 「非常に関心がある」と答えた人の割
合は、各国とも3割~4割となりました。
「用の美」に対する興味関心度
31
31
42
38
40
37
41
48
40
44
45
42
45
41
17
21
11
10
12
12
10
6
3
4
6
5
8
0
2
1
2
1
1
0
4
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
非常にある ややある どちらともいえない あまりない まったくない
「用の美」に対する興味関心度を性・年代別での興味を見たとき、「非常に関心がある」と答えた
人の割合は、男性よりも女性、40~50歳代よりも20~30歳代で高くなる傾向があります。
「用の美」に対する興味関心度(性年代別)
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
男性
女性
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
日本 アメリカ イギリス ドイツ フランス イタリア 中国
男性 20-39歳(N=80) 男性 40-59歳(N=80) 女性 20-39歳(N=80) 女性 40-59歳(N=80)全体(N=2240) 男性 20-39歳(N=80)男性 20-39歳(N=80) 男性 40-59歳(N=80)男性 40-59歳(N=80) 女性 20-39歳(N=80)女性 20-39歳(N=80) 女性 40-59歳(N=80)女性 40-59歳(N=80)全体(N=2240)全体(N=2240)
中国
イタリア
フランス
ドイツ
イギリス
アメリカ
日本
中国
イタリア
フランス
ドイツ
イギリス
アメリカ
日本
今回聞いた3つの概念に対して「非常に興味がある」と答えた人の割合は、各国とも
「日本の新しい文化 < 日本の伝統文化 < 用の美」という関係になっています。
このことから、「用の美」は、国内外で高い関心を獲得できる素地があると考えられます。
「伝統的な文化」「新しい文化」「用の美」の比較
18
15
31
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
32
17
42
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
25
16
38
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
19
8
31
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
33
20
40
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
31
17
37
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
34
36
41
0% 10% 20% 30% 40% 50%
伝統
新しい文化
用の美
日 本
アメリカ
イギリス
ドイツ
フランス
イタリア
中 国
(N=320)
(N=320)
(N=320)
(N=320)
(N=320)
(N=320)
(N=320)
JAPAN BRANDのブランドコンセプト構築に当たっては、「用の美」の背景にある概念として9つの
仮説を検討しました。その妥当性を検証するため、「このような生活用品を見て、次のような概念
がどの程度あてはまると思いますか?」と質問しました。
「用の美」に強い興味をもっている人の中で、「非常に当てはまる」と答えた人の割合は、いずれも
5~6割程度でした。このことから、どの概念も、ターゲットに対して、JAPAN BRANDの意図を伝
えるものとして適切であると考えました。
JAPAN BRANDが提供する価値の妥当性
0%
20%
40%
60%
80%
100%
職人
の
こだわり
が生
み出
す
「確
かな品質
」
日
々
の営
みに耐
えうる
「実用性
」
地域
の歴史
・
伝統
が生
み出
す
「多様性
」
日
々
の生活
にお
ける
「彩
り
」
時代
や国境
を越
える
「新鮮
さ
」
豊
かな自然
と職人
の手
の
「ぬくもり
」
現代
に息
づく
「職人
の技
」
使
う人
の喜
びを追及
する
「まご
ころ
」
子
々孫
々
、
世界
の人
々
に誇
りた
い
「地域
の志
」
全体(N=828)
アメリカ(N=98)
フランス(N=127)
イギリス(N=134)
ドイツ(N=122)
イタリア(N=118)
中国(N=130)
日本(N=99)
Ⅳ.JAPAN BRANDのブランドコンセプトの妥当性
JAPAN BRANDのブランドコンセプトは、
「地域の中小企業ならではの価値 × 進化 ⇒ 新しい伝統の創造」という図式で表現されます。
このブランドコンセプトの開発に当たり、今回の調査では、つぎのような説明と写真を提示した上
で、 その理解度や興味関心度について質問しました。なお、上記の図式は、この調査時点では、
「伝統×現代性や国際性=新しい形」と表現しておりました。
(調査に当たっての提示物)
今、日本各地の中小企業の中で、このような美しさを持つ自分たちの製品に、現代の生活、そして世界各地の生活の中の要素を加味して、新しい形の生活用品を生み出していこうという取組みがあります。
新しい形× =伝統 現代性や国際性
「伝統×現代性や国際性=新しい形」という考え方について、「このような取組みは、あなたにとっ
て理解できるものですか? 」と質問しました。「用の美」に対する興味が「非常にある」と
答えた人(ターゲット)で見たとき、「よく理解できる」と答えた人の割合は、日本を除き6割
を越えました。
ブランドコンセプトに対する理解度 (ターゲット:「用の美」に非常に興味ある人ベース)
45
60
61
58
58
62
79
45
30
32
29
33
35
19
5
5
6
5
7
1
2
5
1
7
2
2
1
0
0
0
1
0
1
0
4
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=99)
アメリカ(N=98)
イギリス(N=134)
ドイツ(N=122)
フランス(N=127)
イタリア(N=118)
中国(N=130)
よく理解できる やや理解できる どちらともいえない あまり理解できない まったく理解できない
JAPAN BRANDのブランドコンセプトは、「用の美」に強い興味を持つターゲットの間では
よく理解されるものですが、市場全体でも同じことが言えます。
ブランドコンセプトに対する理解度(全体ベース)
27
28
39
47
34
34
47
53
37
44
33
48
48
40
13
25
12
9
12
12
10
8
3
9
4
5
3
0
2
1
3
2
1
0
6
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
よく理解できる やや理解できる どちらともいえない あまり理解できない まったく理解できない
「伝統×現代性や国際性=新しい形」という考え方について、「このような取組みに対して、
どの程度の興味や関心がありますか?」と質問しました。ターゲットでは、日本とドイツを除き
6割を越える人が「非常に興味がある」と答えています。
ブランドコンセプトに対する興味関心度(ターゲット:「用の美」に非常に興味ある人ベース)
40
64
66
52
61
69
71
42
24
31
34
34
28
25
13
7
1
7
3
2
3
4
2
6
2
2
0
0
0
0
1
0
0
2
4
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=99)
アメリカ(N=98)
イギリス(N=134)
ドイツ(N=122)
フランス(N=127)
イタリア(N=118)
中国(N=130)
非常にある ややある どちらともいえない あまりない まったくない
JAPAN BRANDのブランドコンセプトは、「用の美」に強い興味を持つターゲットの間では高い興味
関心度が観測されましたが、市場全体でも同じことが言えます。
ブランドコンセプトに対する興味関心度(全体ベース)
19
28
35
30
35
35
39
51
38
47
45
48
46
44
21
23
13
12
8
14
7
9
4
9
8
3
8
1
3
1
4
2
2
1
8
0% 25% 50% 75% 100%
日本(N=320)
アメリカ(N=320)
イギリス(N=320)
ドイツ(N=320)
フランス(N=320)
イタリア(N=320)
中国(N=320)
非常にある ややある どちらともいえない あまりない まったくない
Ⅴ.まとめ
調査のまとめ
• 調査対象各国市場では、
‒ 日本の伝統文化に対する興味関心度は高い。
‒ 日々の生活の中で育まれた伝統的な美しさである「用の美」に対しては、極めて高い
理解度・興味関心度が観測された。
• JAPAN BRANDのブランドコンセプトである
「地域の中小企業ならではの価値 × 進化 ⇒ 新しい伝統を創造」という考え方に
対しては、ターゲット(「用の美」に強い関心を持つ人)はもとより市場全体でも、
高い理解度と興味関心度が観測された。
JAPANブランド育成支援事業中小企業庁
日本商工会議所・全国商工会連合会