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<Pro/E Pro/M トレーニングマニュアル 2.1>
2002.12.12 imada
これから Pro/E とPro/M を始められる方のために簡単な手引
書を作成いたしました。
いずれもバージョンは2001を使用しております。
1、 ファイル管理......................................................................................................................... 2
(1) 起動 .............................................................................................................................. 2
(2) ワーキングディレクトリ..................................................................................................... 2
(3) 新規作成 ....................................................................................................................... 3
(4) 保存 .............................................................................................................................. 3
(5) コピーを保存.................................................................................................................. 4
(6) 図面ファイルの作成........................................................................................................ 5
(7) 単位系........................................................................................................................... 5
(8) 精度 .............................................................................................................................. 5
2、 データムフィーチャーの作成................................................................................................... 6
(1) データムカーブの作成 .................................................................................................... 6
(2) その他のデータムフィーチャー ...................................................................................... 10
3、 ソリッドフィーチャーの作成 ................................................................................................... 11
(1) 基本フィーチャーの作成................................................................................................ 11
(2) そのほかのフィーチャー ................................................................................................ 14
(3) アセンブリ.................................................................................................................... 24
4 Pro/Mec の基本(統合モード)...................................................................................................... 26
(1) 拘束条件 ..................................................................................................................... 26
(2) 荷重条件 ..................................................................................................................... 27
(3) 材料設定 ..................................................................................................................... 28
(4) 解析設定 ..................................................................................................................... 30
(5) 実行 ............................................................................................................................ 31
(6) ペア............................................................................................................................. 33
(7) 結合 ............................................................................................................................ 35
(8) 領域................................................................................................................................ 37
(9) TLAP............................................................................................................................ 39
(10) モデル(ビーム、スプリング、質量)................................................................................. 42
5 Pro/Mec の応用 ........................................................................................................................ 44
(1) 圧入解析その1................................................................................................................ 44
(2) 圧入解析その2................................................................................................................ 49
(3) 感度解析......................................................................................................................... 53
a,ローカル感度解析 ....................................................................................................................... 53
b,グローバル感度解析.................................................................................................................... 53
(4) 最適化解析 ..................................................................................................................... 55
2
1、 ファイル管理
(1) 起動
Pro/Eの起動は他の WINDOWSアプリケーションと同様に「スタート
メニュー」もしくはショートカットアイコンから行います。
通常は管理者もしくはユーザー本人が起動の方法を設定しておき
ます。
(他のウィンドウズアプリケーションと同じ)
(2) ワーキングディレクトリ
作業するフォルダを指定します。
ファイル書き出しなどはすべてこのフォルダに対して行われます。
設定ファイル等もこのフォルダにあるものが読込まれることになり
ます。
3
(3) 新規作成
新しくファイルを作成する手順を示します。
「メニュー」から「新規作成」を選択します。ディフォルトに標準のテ
ンプレートファイルが指定されているとき以外は個別に指定しましょ
う。
(4) 保存
「保存」は下図のようにアイコンからかもしくはファイルメニューから
行います。
思いがけずトラブルに見舞われることもあるため頻繁に保存する
ようにしましょう。
以前保存したものに上書きすることはせず、バージョン番号をあげ
て保存します。
適度な所でパージして古いファイルは消すようにしましょう。
4
(5) コピーを保存
新しく別な名前をつけて保存するときは「コピーを保存」を使います。
この時、カレントのファイルは古い名前のままなので注意しましょう。
新しい名前のファイルはディスク上には保存されますが、作業中の
ファイルは前のままです。これはアセンブリとの整合性の関係でこの
ような仕様になっています。
また、Pro/E ファイルからIGES などに吐き出すときもこの「コピーを
保存」を使います。
ファイルタイプを所定のものを選択して保存しますとエクスポート
することができます。
5
(6) 図面ファイルの作成
部品を作成すると同時に図面ファイルも作成しておきます。
作成の仕方は部品ファイルを作成したときと同様に新規作成から
はじめましょう。ファイル名は部品ファイルと同じにしておきます。
(7) 単位系
単位系は統一したものを使用するようにしましょう。
通常は、質量 Kg、長さmm、温度℃を使うことが多いと思いますが、
これはあらかじめ作成してテンプレートファイルに指定しておくのが
便利です。解析で使用するときは以下のミリニュートン秒が便利で
す。
(8) 精度
精度は絶対精度を用いるようにしましょう。1~10m程度のものを
扱うのであれば、0.001程度が適当であると思われます。
6
2、 データムフィーチャーの作成
(1) データムカーブの作成
例としてスケッチのカーブを作成してみます。
スケッチはまずスケッチする面と方向を決める面を選択した後、ス
ケッチツールで作成していきます。
↓
↓
7
スケッチ面を選択します。
↓
次に方向を決める面を選択します。
↓
↓
8
「四角形」ツールで四角形を作成してみます。
↓
寸法を決めます。
↓
スケッチの再生をします。
9
「カーブフィーチャー」は下図のように必要な場所に基準となる線を
おくために使用されます。
10
(2) その他のデータムフィーチャー
データムフィーチャーは通常参照基準として使用されます。
・データム平面
・データム点
・軸
・座標系
これらも重要なフィーチャーですがここでは省略します。
3、 ソリッドフィーチャーの作成
(1) 基本フィーチャーの作成
ソリッドフィーチャーの多くは押し出しで作成されます。
「突起」を「押し出し」で作成してみましょう。
「フィーチャー」「作成」「ソリッド」突起」「押し出し」「実行」と順にピッ
クしていきます。
(ほかのフィーチャーでも手順は同じです)
→ →
12
スケッチするデータム平面を選択します。
方向を決めるデータム平面を選択したら、スケッチを開始します。
現時点では、何か簡単なスケッチをしておきましょう。
(スケッチの機能は奥が深いのですが詳細は省略します)
→
13
「ブラインド(有限距離の押し出し)」で数値を指定します。
→
以下のようにソリッドが作成されます。
14
(2) そのほかのフィーチャー
・薄板
薄板物はこの「薄板」か、後で述べる「シェル」を用いるとPro/M で
の解析時に便利です。
下図のようにスケッチします。
→
どちらに厚みをつけるかを指定します。
→
板厚を指定します。
押し出す方向を確認し、距離を指定します。
15
→
以下のように薄板フィーチャーが作成されます。
16
・回転(REVOLVE)
突起はなるべく「押し出し」で作成した方が良いのですが「回転」の
方が便利な場合もあります。以下のように角度のついた面にスケッ
チする場合もその一つです。
→ →
17
回転角度を指定します。
以 下 の よ うに「回 転 」フィー チ ャ ー が 作 成 さ れ ま す 。
回転軸を「中心線」で最初
に作成します
回転軸に対して片側に閉じ
た形状を作成します
18
・カット
「カット」は「ソリッド」「カット」から入ります。
これ以降は「ソリッド」「突起」と同様の操作で、カットを作成します。
材料を削除する場合に用います。
→
↓
19
下図のようにカットフィーチャーにより材料が削除されました。
20
・ROUND(角R、隅R)
応力集中部等はRを正確に表現する必要があります。
この場合はラウンドフィーチャーを用います。
→ →
Rをつけるエッジを選択します。
Rの半径を入力します。
21
プレビューして確認します。
以下のようにRが作成されます。
22
・シェル
削除指定した以外の面から一定厚を残すフィーチャーが「シェル」
です。薄板物の作成に便利です。面ごとに板厚を指定することもで
きます。
ただし、シェル作成はタイミングが難しく、適切な時点でシェル抜き
をすることが大切です。
→
削除する面を選択します。
23
板厚を指定します
以下のようにシェルフィーチャーが作成されます。
(3) アセンブリ
Pro/E のアセンブリ作成の手順について簡単に示します。
複数の部品で構成されるユニットなどを解析する場合は、アセン
ブリの扱いが必要になります。
アセンブリファイルを作成したら、構成部品(アセンブリの中に含め
ようとする部品)をアセンブルさせるための参照を作成します。解析
用の場合は「座標系」が便利です。
「構成部品」「アセンブル」でアセンブリ作業を開始します。
→
構成部品を選択します。
25
下図のようなダイアログボックスが出るので、
拘束タイプとして座標系を選択します。
構成部品とアセンブリ側のそれぞれの座標系を選択します。
→
下図のように「完全な拘束」と表示され、下右図のようにアセンブ
ルされます。
→
26
4 Pro/Mec の基本(統合モード)
(1) 拘束条件
Mechanica/Structure に入ったら、まずは拘束条件から設定してい
きましょう。
→
以下のようなダイアログボックスから拘束条件を指定します。
拘束するサーフェスを選択します 以下のようなアイコンが表示されます
→
(2) 荷重条件
次に荷重条件を指定します。
荷重も拘束条件と同様にダイアログボックスから指定します。
→
拘束するサーフェスを選択します
28
プレビューで荷重の方向を確認します。
→
以下のようなアイコンが表示されます
(3) 材料設定
材料はライブラリから選択して部品もしくはサーフェスに割り付けま
す。
29
指定する部品を選択します
注)材料特性は新規に作成することもできます。
(4) 解析設定
解析セットを作成します。収束精度は一般的に「シングルパスアダ
プティブ」にします。
→
(5) 実行
解析実行の設定をします。RAM割り当ては実装RAMの 1/3~
1/2 とします。割り当てが大きい方が解析時間は短縮されますが、
仮想メモリを含めて最大でも2GBまでしか使用できないため、あま
り大きく設定するとエラーになります。
解析を実行します。
32
サマリーファイルをチェックして「Run Completed」と表示されたら終
了です。
結果を表示させ確認します。
(6) ペア
シェル要素を用いるために、「ペア」を作成します。
「ペア」とは、薄板状のソリッドフィーチャーを、解析のために一枚
のサーフェスに置き換えることです。
以下の手順で「ペア」作成し、最後に「圧縮」で正しくペアが設定さ
れたかを確認します。
「シェルフィーチャー」「薄板フィーチャー」等を用いた場合は「自動
検知」でペアが作成できますが、そうでない場合は「新規」で平行な
2つの面を手動で選択します。
→ → →
以下のようにペアが作成されます(赤が表面、黄色が裏面)
34
「圧縮」で正しくペアが設定されたかを確認します。
→
解析結果を見ると左図のようにシェル要素が用いられています。
(7) 結合
前述の「ペア」を用いたアセンブリで、以下の図のようにT字状に
接する場合に板厚の半分だけ隙間ができてしまいます。
このような場合は、「モデル化」「接続」「エンド溶接」を用います。
→ →
接合したい面を順番に選択します。
以下のようなアイコンができます。
36
サーフェスが第一面から第二面まで延長されて、隙間無く接合さ
れます。
(8) 領域
荷重や拘束条件を設定する範囲を区切りたい場合は「サーフェス
領域」や「ボリューム領域」を使用してサーフェスやボリュームを分割
します。
また、メッシュ分割をコントロールしたい場合にも使用できます。
メッシュ分割を細分化するためのボリューム分割をします。
目的とするメッシュの形状に合わせ適宜スケッチします。
「押し出し」でボリューム分割を作成してみます。
→ → →
38
以下のようにボリュームが分割されます。
ボリュームが分割された状態での解析結果を確認します。
メッシュの細分割には以下のようにサーフェス上やエッジ上に点を
置くことも有効です。目的にあわせて適宜使用します。
39
(9) TLAP
面全体にモーメントを負荷するような場合は「全荷重1点負荷(TL
AP)」を用います。
荷重を作成し、ダイアログボックスの中で「分布」を「全荷重1点負
荷」にします。
→ →
作用面をピックします。
40
荷重を負荷する面と、代表点(モーメントのみの負荷であればどこ
にあっても同じ)を選択します。
下図のようなアイコンが作成されます。
プレビューすると下図のように荷
重の方向が確認できます。
41
解析結果は下図のようになります。
(10) モデル(ビーム、スプリング、質量)
ビーム、スプリング(ばね)、質量といった要素を取り扱うこともでき
ます。
→ →
43
下図に質量要素のダイアログボックスを示します。
下図にばね要素のダイアログボックスを示します。
注)ポイント間のビームはうまく動作しないことがあります、なるべく
「エッジ・カーブ」を使用することが推奨されます
5 Pro/Mec の応用
(1) 圧入解析その1
初期オーバーラップによる方法
まず、圧入させる部品を少し離してアセンブルしておきます。
この時、両者は圧入させたい寸法にしておきます(軸の方が太
い)。
統合モードで必要な拘束条件をつけて独立モードに移行します。
45
要素を作成します。
メニュバーの「編集」/「並進移動」 でボリュームを選択し、最初の
アセンブルで離しておいた分だけ元に戻します。(ボリュームを移動
させれば内部の要素はついてきます)
移動させる初期位置座標を入力します(相対的なものなので 0 0
0 でよい)
移動位置の座標を入力します。
46
下図のように 2 つの部品がオーバーラップするような(本来の)位
置に移動設定されます。
接触の設定をするために要素のビジビリティを OFF にします。
47
「接触」を定義します。
荷重がないと「接触解析」は定義できないのでダミーの荷重を作成
します。
48
解析セットの作成をします。
結果は以下のようになります。
(2) 圧入解析その2
熱膨張差による方法
まず、圧入させる部品をアセンブルしておきます。
この時、両者はオーバーラップがないこと(軸径と穴径は等しい)。
統合モードの「メカニカ」に移行し各部品の材料を設定します。
50
穴側の材料物性の「熱膨張係数」を0にします。
軸側の材料物性は「異方性」とし、圧入させたい方向のみ熱膨張
係数を指定します。
今、軸がφ185 でオーバーラップ量が 2.5 とし、温度1度で 5mm
分径を膨張させると考えれば、熱膨張係数は、
α=5/185=0.0278 であるから以下のように設定します。
51
次に接触面の定義をします。
次に、熱膨張させて圧入させるので温度荷重を与えます(ここでは
1 度)。
52
解析セットを作成します。
「接触解析」とします。
解析結果は以下のようになります。
(3) 感度解析
a,ローカル感度解析
ローカル感度解析は、ユーザーが設定したパラメータの変化
幅に対し、1%変化させたときの結果の変化を計算します。た
だし、グラフに表示されるのは、パラメータの最大変化範囲に
線形近似した値であるため注意が必要です。パラメータの数が
多いほど計算時間は長くなります。(各パラメータ毎に変化させ
て計算するため)
また、必要であればユーザー定義のメジャーを作成しておき
ます。
・ メジャーの設定
・ パラメータの設定
・ 設計変数の設定
一般的に結果は以下のように表示されます。
b,グローバル感度解析
グローバル感度解析は、ユーザーが設定したパラメータを同時に、
指定した値まで指定した刻みで変化させたときの結果の変化を計算
します。
刻みごとに逐一計算していくため、パラメータの変化に対する結果
の変化が詳細に把握できる利点があります。
パラメータの数が多くても計算時間はあまり変化しません。(全て
のパラメータを同時に変化させて計算するため)一般的にはパラメ
ータは1つずつ選択します。(個別のパラメータの影響度を見るた
め)
また、必要であればユーザー定義のメジャーを作成しておきます。
54
・ メジャーの設定
・ パラメータの設定(変化させる範囲、インターバル)
・ 設計変数の設定
・ P ループ収束判定反復 大きく形状が変化する場合は ON 解析
その必要性が低く、時間を節約させたい場合は OFF
一般的に結果は以下のように表示されます。
55
(4) 最適化解析
ローカル感度解析やグローバル感度解析等の結果から選
び出した有効と思われるパラメータを逐次変化させ、指定し
た制約条件の範囲内で目的関数に最も近くなるようなパラメ
ータ値の組み合わせを自動的に選び出します。
・ パラメータ:変化させる対象
ローカル感度解析やグローバル感度解析等の結果から
ユーザーが選び出したもの
・ 制約条件(制限):メジャーを選択し値を入力する
指定した複数のメジャーがここで指定した制限の値の範
囲内に収まるようにパラメータを変化させる→応力、重量、
コスト、等
・ 目的関数(目標):メジャーを選択する
これを最大化または最小化するようにパラメータを変化さ
せる、→ 応力、重量、コスト、等 (最小化、最大化、絶
対値を最小化、絶対値を最大化)
注)目標か制限のどちらか片方は必ず含まれている必要があ
ります
目標の無い最適化解析は「フィージビリティスタディ」と呼
ばれます
Pro/E モデルへのフィードバック
・ 最適化解析を実行した後、「モデル」「設計制御」「最適化履歴」
「スタディ検索」コマンドで最適化解析の結果得られた形状を
Pro/E に転送する事ができます
・ 前の形状は残りません(変更されてしまう)ので別ファイルにす
る事がよいと思われます
・・・・・・以上・・・・・・