- 1 -

INDUCTION HEATER 高周波誘導加熱装置

高周波加熱 高周波加熱の特徴である、ターゲット内部からの急速加熱という利点を生かし、各種金属の加熱、溶解、ロー付け等、また、金属、炭化物の加熱を通して、接触する非加熱物を加熱するという方法も、広く活用されています。

コイルに発生する磁界内にターゲットワークを置いたり、近づけることにより、金属が加熱されます。加熱する金属、加熱場所、加熱温度、加熱目的等により、選択する周波数や、出力、コイル形状が違ってきますので、それによって機種選択を行います。

弊社機器の特徴 弊社、高周波誘導加熱装置ラインアップには大きく分けて、２種類あります。コイルヘッド部が非常に小さく設計されているハンドヘルド式小型タイプのＴＳシリーズと、発振部、出力部、制御部等が分かれているコンポーネントタイプのパワーキューブシリーズがあります。

ハンドヘルドタイプＴＳシリーズ

ＴＳシリーズはハンドヘルドタイプでしかも非常に小型の機種です。

最大の特徴は、加熱コイルヘッド部が自由に動かせるという点です。この特徴によって、加熱物をいろんな角度から狙え、しかも自由に変更できます。ヘッド部が軽量（1.5kg）のため、ロボットに設置できるのはもちろん、ワーカーが手持ち作業することも可能です。

＜ＴＳ－１００／１２Ｈ＞ また、機器の設置場所も自由が利き、メンテも楽です。

スタンドアローンで使用する場合に便利な、オプションの外部コントローラは、タッチパネル上にて自動サイクル制御をプログラムプリセット出来、簡単にロー付け等の自動制御を構築できます。加熱出力、タイミングを３段階、酸化防止ガス、フラックスガス、冷却ガスタイミング等が同時に設定でき、全部で２０種類違ったサイクルパターンをセットできます。

この機種は当初は冷蔵庫やエアコンのロー付け用に開発されました。ガスロー付けでは難しい複合金属の加熱や加熱場所（冷蔵庫庫内等）周囲環境の是正、歩留まりの改善等に効果的です。

操作も簡単で、手持ちを可能にしているため、１０分程のトレーニングで誰でも使用できるようになり、加熱条件の再現性に優れているため、ワーカーの交代による生産性の変動も最小限に出来ます。

＜設定画面＞

使 用 例

＜冷蔵庫庫内＞ ＜エアコンシェル＞ ＜熱交換機ﾘﾀｰﾝﾍﾞﾝﾄﾞ＞

- 2 -

概 要

高周波誘導加熱の特徴である局所加熱はもとより、この機種の最大の特徴は、コイル部が自由に動かせる設計の ため、狭い場所でのロー付けや、いろんな角度からのアプローチに対応できます。小型軽量、高効率、高安定度 で、従来のガスロー付けのような特別なスキルが不要なため、未経験者でも短時間で作業が可能となります。 対環境問題の是正に、歩留まりの改善に是非ご利用ください。また、出力、ロー付け用ガスコントロールタイミ ング制御を２０種類プリセット可能で、簡単に自動ロー付けサイクル加熱が実現できます。また、フィーダケーブル加熱ヘッド無しのダイレクト出力タイプもあります。（別売コントローラ要）

仕 様

形 式 TS-100/12H

入力電源 AC 200V/220V ± 10% , 3P , 50/60Hz, 12KVA

出 力 10 KW

周波数 60KHz ～ 100 KHz

出力制御 ＰＷＦＭ位相制御 (5 ～ 100%)

安定度 ３％以内

整 合 内部ﾏｯﾁﾝｸﾞﾄﾗﾝｽ

操 作 出力設定、アラーム表示

保護回路 過電流（２系統）保護回路、冷却水水圧、水量ｾﾝｻｰ半導体、ｹｰｽ内用温度ｾﾝｻｰ, 入力電圧監視ｾﾝｻｰ ,ﾏｯﾁﾝｸﾞ不良検出ｾﾝｻｰ

外部信号 入力信号：加熱ｽﾀｰﾄ、ｲﾝﾀｰﾛｯｸ、ｱﾗｰﾑﾘｾｯﾄ、外部出力制御（4-20mA）、制御切替出力信号：準備完了、異常、運転中、

冷却水 ０．３ ～ ０．４ ＭＰａ 又は ５ ～ ６ L/min. 必要

出力 ３ ｍﾌｨｰﾀﾞｰｹｰﾌﾞﾙ

本体サイズ W400 x H200 x D600 mm ,

コイルヘッドサイズ Φ５３ｍｍ X １５５ mmL

重量 約 50kg ＋ 1.5kg（ｺｲﾙﾍｯﾄﾞ）

オプション ＴＳ－ＣＵＴ－１ 外部コントローラ（別売）

用 途

＊エアコン、冷蔵庫の組み立てライン（ロボット）ロー付け

＊自動車等ホットメルト溶着、ヘミング部接着剤硬化

＊熱交換機部品のロー付け

＊軸受けの焼きバメ

＊プラスチック部品のインサート

＊ベアリング、モーター等のロー付け、乾燥焼きバメ

＊超硬工具のロー付け

＊各種工具等、焼き入れ、焼き鈍し

- 3 -

コンポーネントタイプ ＰＯＷＥＲ ＣＵＢＥ シリーズ

イタリアＣＥＩＡ社との提携により、コンポーネントタイプ、ＰＯＷＥＲ ＣＵＢＥシリーズをお届けします。

制御部、発振部、加熱出力部が分離していますので、基本的にそれぞれを組み合わることにより高周波誘導加熱装置を構成します。

ラインアップは、出力で２．８ｋｗ～１００ｋｗまで、周波数帯では３５～５０ｋＨｚ,２０～８０ＫＨｚ,１５０～２００ｋＨｚ,３７５～５７５ＫＨｚ,０．８～１ＭＨｚ,１．６～１．８ＭＨｚ､の各帯域をカバーしており、あらゆる誘導加熱応用に利用できます。

＜構 成 図＞

制御部

ﾊﾟﾜｰｺﾝﾄﾛｰﾗ マスターコントローラNET マスターコントローラ

ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 64発振部

加熱ﾍｯﾄﾞﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ１ ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ２

冷却装置

出力部加熱ﾍｯﾄﾞ取付ﾍﾞｰｽ 加熱ﾍｯﾄﾞ１ 加熱ﾍｯﾄﾞ２

＋ ＋加熱ﾍｯﾄﾞ取付ﾍﾞｰｽ 加熱ｺｲﾙ１ 加熱ｺｲﾙ２

加熱コイル

温度センサー ガス供給 給線装置

温度ｾﾝｻｰ

特 徴

パワーキューブは標準で、１個または２個の加熱ヘッドを接続できます。また、マスターコントローラも２個のパワーキューブを接続できます。ですから最大、上記のようにパワーキューブ１＋加熱ヘッド２(灰）またはパワーキューブ２＋加熱ヘッド２（赤）の組み合わせが可能です。

単純に手動加熱のみの使用の場合はマスターコントローラ（制御部）無しの構成も可能です。しかし最新マイクロプロセッサを搭載したマスターコントローラを使用することにより、温度制御や酸化防止ガスの供給、ハンダ給線機も同時にコントロールできますので、簡単にロー付け、加熱システムが構築できます。さらに分離タイプで小型の為、設置条件の自由度が大きいのが特徴です。

- 4 -

制御部マスターコントローラ

制御部は、標準のマスターコントローラです。

マスターコントローラにはマイクロプロセッサによる酸化防止ガス供給制御や温度制御機能があり、特に自動、半自動ロー付けシステムの構築には最適です。２系統のパワーキューブ、それに付随する、温度センサや、ガス供給機を同時制御できます。マスターコントローラにはさらに、ハンダ給線装置も接続できます。また、チップカードにてデータの保存やインストールも出来る標準マスターとカード機能を省いたマスターＥコントローラがあります。これらはどのパワーキューブ（発振部）とも組み合わせ可能です。NET マスタコントローラの機能はマスターコントローラと同じですが、RS232C 接続によって PLC や PC 経由にて制御可能です。(900 シリーズのみ対応)

マスターコントローラ NET マスターコントローラ

外形寸法 (LxWxH) 275 x 265 x 140 mm

重 量 6 kg

入力電源 電 圧 180-260VAC1P, 50/60Hz

最大消費電力 60 W

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 0 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% (結露無いこと)

制 御 加熱出力 10 - 99% 及びアナログ入力(4-20mA,0-20mA,0-10V)

加熱遅延 0.0 - 10.0 sec

ヘッド部温度制御 80-700 ℃(D1),120-900 ℃(D2),200-1600 ℃(D3),500-2000 ℃(D4)

温度制御時間 0.0 sec - 2250 hours

冷却時間 0.0 sec - 600 sec

操作モード timer A, timer B, 同期 timer A, timer B, 全自動

ﾊﾝﾀﾞ線長 0.0 - 300.0 mm 0.0 - 300.0 mm

ﾊﾝﾀﾞ送り早さ 1 - 99 mm/sec 1 - 99 mm/sec

- 5 -

発振部 パワーキューブ ジェネレータ

発振部は、出力と周波数にてパワーキューブ９００シリーズ５０シリーズ、２００シリーズ、１８００シリーズがあります。おおざっぱに分けて、小さな物、細い物、狭い箇所の加熱は、９００，１８００，４００シリーズが、大きな物、全体加熱には５０，２００シリーズが向いています。しかしオーバーラップしている部分もあるので、加熱時間や加熱深度や加熱コイル形状の大きさ等、加熱条件に合わせて選択します。

パワーキューブ／９００シリーズ

周波数９００ｋＨｚ発振器です。加熱ヘッドが２個接続可能で、２ヘッドの加熱ができます。表示はデジタルで各種アラームも番号表示されます。操作は非常にシンプルで、手動加熱だけの用途であれば、マスターコントローラ無しで単体使用できます。（加熱 ON/OFF 動作のみ）RS232 ｼﾘｱﾙｲﾝﾀｰﾌｪｰｽを常備していますので、ﾊﾟｿｺﾝによるﾘﾓｰﾄｺﾝﾄﾛｰﾙが可能です

出力は．．パワーキューブ９００／２８ ： ２．８ｋｗパワーキューブ９００／３５ ： ３．５ｋｗパワーキューブ９００／５６ ： ５．６ｋｗ

この周波数帯では、加熱物は比較的小さな物、狭い箇所の加熱、ロー付けに向いています。

小型ドリルや刃先チップのロー付け、めがね加工、小型モーター電子部品等の配線、ハンダ付け等に最適です。また、陰極管等のゲッターとばしにも使用できます。

また、大きな物でも表面に近い部分のみあるいはパイプ上のものの薄ものの加熱には向いています。

製品規格化により大量生産されており、非常に故障率の低い安定した機器ですので、安心してご使用いただけます。

パワーキューブ 64

SPW900/28 SPW900/35 SPW900/56 SPW1800/28

外形寸法 発振器 275x265x140mm 275x265x140mm 275x265x280mmx2 台 275x265x140mm

加熱ﾍｯﾄﾞ 123x62.5x105mm 123x62.5x105mm 123x62.5x105mm 123x62.5x105mm

標準加熱ｺｲﾙ 144mm 144mm 144mm 144mm

重 量 10kg 10kg 20kg 10kg

入力電源 電 圧 230VAC ± 10%単相, 50/60Hz

最大消費電力 2.8kw 3.5kw 5.6kw 2.8kw

誘導電力 32KVA 45KVA 64KVA 32KVA

冷却水 0.3MPa,1.5-2L/min 各加熱ﾍｯﾄﾞごと

発振周波数 900 KHz 1800 KHz

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 +5 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% 結露無きこと

- 6 -

パワーキューブ／１８００

周波数は１．８ＭＨｚで 2 ﾍｯﾄﾞ加熱接続可能この機種は２ＭＨｚという高周波周波数帯の特長を生かして、針先や冷陰極管の水銀とばし、真空管のゲッターフラッシュ等、非常に小さな加熱物向けの用途に用いられます。機種は２．８ＫＷのみです。

パワーキューブ１８００／２８：２．８ｋｗ

サイズは９００／２８と同じです。 (前ページスペック表参照）

パワーキューブ／４００

周波数は３７５－５７５ＫＨｚ(負荷による)で 2 ﾍｯﾄﾞ加熱接続可能

この機種は９００ＫＨｚ帯よりも熱浸透度を深くしたい場合や９００シリーズよりも少し大きい加熱コイルが利用できるのが特徴です。機種は２．８ＫＷ､３．５ＫＷです。

パワーキューブ４００／２８：２．８ｋｗパワーキューブ４００／３５：３．５ｋｗパワーキューブ４００／３５－ＨＩＺ：３．５ｋｗ

SPW400/28 SPW400/35 SPW400/35-HIZ

外形寸法 発振器 275x265x140mm 275x265x140mm 275x265x140mm

加熱ﾍｯﾄﾞ 123x62.5x105mm 123x62.5x105mm 123x62.5x105mm

標準加熱ｺｲﾙ 144mm 144mm 144mm

重 量 10kg 10kg 10kg

入力電源 電 圧 230VAC ± 10%単相, 50/60Hz

最大消費電力 2.8kw 3.5kw 3.5kw

誘導電力 32KVA 45KVA 45KVA

冷却水 0.3MPa,1.5-2L/min 各加熱ﾍｯﾄﾞごと

発振周波数 375-575KHz(負荷による)

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 +5 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% 結露無きこと

*SPW400/35 と SPW400/35-HIZ の機種選定については、加熱対象物の大きさや加熱コイル形状等の加熱条件により選定が必要です。

- 7 -

- 8 -

パワーキューブ／５０ ＆ ２００シリーズ

周波数は５０シリーズが５０ｋＨｚ、２００シリーズが２００ｋＨｚです。出力は６ KW から４８ KW まであり、主に比較的大きな物の加熱に向いています。

パワーキューブ９０ ： ６．０ｋｗパワーキューブ１８０ ： １２．０ｋｗパワーキューブ３６０ ： ２４．０ｋｗパワーキューブ７２０ ： ４８．０ｋｗ

RS232 ｼﾘｱﾙｲﾝﾀｰﾌｪｰｽを常備していますので、ﾊﾟｿｺﾝによるﾘﾓｰﾄｺﾝﾄﾛｰﾙが可能ですまた、９０と１８０発振器で、専用ｺﾝﾄﾛｰﾗ無しで制御する場合、オプションで外部出力信号（0-10V）入力、ｽﾃｲﾀｽ信号出力の端子が用意することが可能です。（詳しくはお問い合わせください）別途オプションの加熱ヘッド切替器にて加熱ヘッド２個を切り替えて利用可能です。３６０以上は専用ﾏｽﾀｰｺﾝﾄﾛｰﾗが標準で組み込まれています。

ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 90/50 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 180/50 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 360/50 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 720/50ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 90/200 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 180/200 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 360/200 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 720/200

外形寸法 発振器 195 x 304 x 426mm 480x520x760mm 600x650x1350mm

加熱ﾍｯﾄﾞ 120 x 280 x 200 mm(50kHz) 170x260x220mm 186x359x310mm120 x 175 x 200 mm (200KHz) 120x280x200mm 120x280x200mm

標準加熱ｺｲﾙ 加熱物による

本体重量 21kg 90kg 135kg(195kg)

入力電源 電 圧 400VAC ± 10%3P, 50/60Hz

最大消費電力 6.0kw 12.0kw 24.0kw 48.0kw

誘導電力 90KVA 180KVA 360KVA 720KVA

冷却水 0.3MPa, 2.5L/min 0.3MPa,3.0L/min 0.3MPa,5.0L/min

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 -20 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% 結露無きこと

- 9 -

- 10 -

パワーキューブＳＡ／８０シリーズ

２０１３年に新発売されたＳＡ／８０シリーズは周波数が２５ｋＨｚから１００ｋＨｚです。出力は２５ KW から１００ KW まであり、主に比較的大きな物の加熱に向いています。コイルマッチング用の切替タップ内蔵により加熱コイルの利用範囲が拡大しています。

パワーキューブ２５－ＳＡ／８０ ： ２５．０ｋｗパワーキューブ５０－ＳＡ／８０ ： ５０．０ｋｗパワーキューブ７５－ＳＡ／８０ ： ７５．０ｋｗパワーキューブ１００－ＳＡ／８０ ：１００．０ｋｗ

電源本体にデータログとウェブサーバーシステムが標準搭載されており、別途オプションの SH15/SLE 放射温度計を用いる事で加熱温度･電源出力･周波数･コイル電圧･電流のモニタリングを行い、これらのプロセス管理の為に自動でデーターを採取し記録する事が可能です。

- 11 -

ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 25-SA/80 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 50-SA/80

外形寸法 発振器 500 x 570 x 1080mm 500 x 570 x 1080mm

加熱ﾍｯﾄﾞ PWH-24:120x285x200mm PWH-24:120x285x200mm非磁性体:SUS･Al･Cu 等 非磁性体:SUS･Al･Cu 等

PWH-20:206x328x256mm PWH-20:206x328x256mm磁性体:ｶｰﾎﾞﾝ･C40,ﾆｯｹﾙ等 磁性体:ｶｰﾎﾞﾝ･C40,ﾆｯｹﾙ等

標準加熱ｺｲﾙ 加熱物による

重 量 132kg 160kg

入力電源 電 圧 400VAC ± 10%3P, 50/60Hz

最大消費電力 25kw 50kw

誘導電力 2000KVAR 3000KVAR

冷却水*1 電源:400kPa, 2.5L/min*1 電源:400kPa, 2.5L/min*1加熱ﾍｯﾄﾞ:3-10L/min*1 加熱ﾍｯﾄﾞ:5-20L/min*1

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 -20 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% 結露無きこと

ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 75-SA/80 ﾊﾟﾜｰｷｭｰﾌﾞ 100-SA/80

外形寸法 発振器 610x710x1570mm 610x710x1570mm

加熱ﾍｯﾄﾞ PWH-20:206x328x256mm PWH-20:206x328x256mm非磁性体:SUS･Al･Cu 等 非磁性体:SUS･Al･Cu 等

PWH-22:336x3285x266mm PWH-22:336x3285x266mm磁性体:ｶｰﾎﾞﾝ･C40,ﾆｯｹﾙ等 磁性体:ｶｰﾎﾞﾝ･C40,ﾆｯｹﾙ等

標準加熱ｺｲﾙ 加熱物による

重 量 270kg 300kg

入力電源 電 圧 400VAC ± 10%3P, 50/60Hz

最大消費電力 75kw 100kw

誘導電力 4000KVAR 5000KVAR

冷却水*1 電源:400kPa, 3.5L/min*1 電源:400kPa, 3.5L/min*1加熱ﾍｯﾄﾞ:8-30L/min*1 加熱ﾍｯﾄﾞ:8-30L/min*1

環境条件 使用温度 +15 - +55 ℃

保存温度 -20 - +70 ℃

湿 度 0 - 95% 結露無きこと

*1:加熱ｺｲﾙ形状や稼働時間等により異なります。

- 12 -

- 13 -

出力部 加熱ヘッド＆加熱コイル

加熱コイル部はそれぞれのターゲットワークにより最適に設計選択されます。

オプション

その他オプションで各種温度センサ、酸化防止ガス供給機、ハンダ給線機、それぞれの設置用ベース等豊富に取りそろえていますので、簡単にシステムを構築可能です。

温度センサ＆レンズ

温度センサ＆取付ベース 加熱ﾍｯﾄﾞ＆ 取付ﾍﾞｰｽ

温度センサは 80-700 ℃､ 120-900 ℃ 取付ベースを使用すればあらゆる200-1600 ℃､ 500-2000 ℃の４種類 場所に簡単取付可能です

ハンダ自動給線機 酸化防止ガス供給機

マスターコントローラとの組み合わせで ロー付け時等酸化防止ガスを簡単にハンダを自動供給出来ます 供給できます。

- 14 -

応 用 例

＜ﾗｼﾞｴｰﾀの 2 ﾍｯﾄﾞ加熱＞ ＜電子部品自動ﾊﾝﾀﾞ付けﾛﾎﾞｯﾄﾗｲﾝ＞ ＜超硬ﾁｯﾌﾟﾛｰ付け装置＞

＜木工ｶｯﾀｰﾛｰ付け＞ ＜ﾍﾟｰｽﾄ供給機付きﾊﾝﾀﾞﾗｲﾝ＞ ＜めがねのﾛｰ付け＞

＜大型金属加熱＞ ＜熱処理加熱＞ ＜自動車部品ﾛｰ付け＞

- 15 -