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自己紹介
新冨 啓明(しんとみ ひろあき)IIBA日本支部マーケティング/プロモーション担当理事
NECソリューションイノベータ株式会社
製造・プロセス・自動車事業部
ビジネスクリエーショングループ マネージャー
(兼)エンタープライズ企画本部 マネージャー
SIベンダーにおいて、顧客企業のセキュリティやシステム企画の支援のほか、自社での上流工程に携わる人材育成の企画・推進に従事。現在は、企業向けソリューションの事業企画グループで企画立案・現場での推進を担当する。
IIBA日本支部では2015年に理事に就任し、他団体連携やコラボレーション・プロモーションを実施、BABOK®Ver.3日本語版出版において、翻訳レビュアーとして参画。
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
Changes
Needs Solutions
Stakeholders Contexts
Values
ビジネスアナリスの目指すところ、日本でのあり方ビジネスの要求を素早く反映するために必要なこととは
2016年12月12日
IIBA日本支部 新冨 啓明
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
3
©International Institute of Buisiness Analysis Japan
Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
Business Analysisとは何か?
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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ビジネスアナリシスの定義と目指すところ BABOK®V3より
ニーズを定義し、ステークホルダーに価値を
提供するソリューションを推奨することにより、
エンタープライズにおけるチェンジを可能に
する専門活動
変革を支援する
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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ビジネスアナリシス=チェンジのための枠組み
混沌とした要求
ビジネスアナリシスが実行されていない
チェンジにまつわる様々な情報や要求が
管理されていない状態
チェンジを
終えたある
べき姿
ビジネスアナリシスが実行されている状況
チェンジが管理されている状態
ビジネスアナリシス実施
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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BACCMTM
Business Analysis Core Concept Model
Knowledge Area
BABOK®V3ビジネスアナリシスの教科書
ビジネスアナリシスの進め方のナレッジ
基本的な概念(論理的説明の枠組み)
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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ステークホルダー コンテキスト ニーズ
バリュー チェンジ ソリューション
どういった人々がチェンジに関わっているか
取り巻く環境はどういったものなのか
どういった潜在ニーズ(機会、問題)を持つか
どういった価値が必要であるか
価値を提供するための変革、変化は何か
チェンジのための手段は何か
StakeHolder Context Needs
Value Change Solution
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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計画 引き出し・コラボ ライフサイクル
戦略 要求・デザイン 評価
ビジネスアナリシスをどう進めるのか
積極的に関わらせてどう情報を引き出すのか
引き出した要求・情報をどう管理していくのか
ビジネスの戦略の決定をどう支援するか
要求とソリューションをどうデザインするか
ビジネスの結果をどう評価するか
Business Analysis Planning and Monitoring
Elicitation and Collaboration Requirements Life Cycle Management
Strategy AnalysisRequirement Analysis and Design
DefinitionSolution Evaluation
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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プロジェクトにおけるBAの流れ
スポンサー提案
承認Business
Requirement
BussinessCase定義書
承認ソリューションデザイン
開発 テスト 受入・導入
変革チームの例
・PM ・BA ・Requester(CustomerSupport/Sales Support)
As Is/To Be Requirement
CR定義書(ChangeRequest)
ギャップの確認
CEOBA
Requester
業務変革の為の稟議書の位置づけで書かれる。
要求(Business Requirement)を定義する為のインプットとなる。
(概ね6ページ以内)
•スポンサー
•ビジネスのメリット・デメリット
例えば
CSでCRT(CustomerResponseTime)を増やすなど
As Is/To Beから要求(Requirement)を定義
専門性をもってBAをする(それぞれの担当ごとにBAがいる)
一旦定義した業務の改善(変更)を要求する場合、CR定義書を作成
・定義範囲
・予算(人、システム)
・日程
要求の変更があった場合に、CR会議を実施。
プロジェクトによっては週一回で実施する
1ページ以内のドキュメントで承認を得る(CEO会議、1ヶ月に一回程度)
Sponsor
Sponsor
Requester
BA
BA
PMSponsor PM Tester
Sponsor
Requester
BA
Sponsor
Requester
BA
ビジネス価値の評価
経営会議 変革プロジェクト
■プレイヤーの説明
CEO:経営責任者
Sponsor:プロジェクトオーナー(事業責任者)
PM:プロジェクトマネージャー
BA:ビジネスアナリスト
Requester:業務の改善(変更)を要求するステークホルダー
Sponsor
BA
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Kayo Janapareddy & Hiroaki Shintomi 2016
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ビジネス要求(バックログ)の中身
1. Definition (定義)
• 業務(ビジネス)をどのように変えたいのか
2. Profit (何がメリットか)
3. Risk (リスクは何か)
4. Scope ★キーポイント 業務、システムへの影響を考えて実施する必要
• In (範囲内にあるのは何か)
• Out (範囲外にあるのは何か)
★Out Scopeを明確にすることが、後々のプロセスに大きく影響(定義しないと何でもやらなければならなくなる可能性。曖昧さの排除も重要)
5. Requirement (具体的要求の中身)
• Use Case (変更をしたい業務の流れを文章で記載)
• Process flow (Use Caseで表現しにくい部分を補助)
• その他 「○○を改善する」などといった曖昧な定義は厳禁その他、Requirementの優先順位も重要
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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事例にみるBACCM
モバイル回線事業者競争激化、契約数の維持、シェア拡大
スポンサー(事業責任者)・ビジネスアナリストカスタマーサポート部門(PO)・セールスサポート部門(PO)プロジェクトマネージャー
CS向上、ES向上、業務効率化
レスポンスタイム ○%UP 回答精度 ○%UP離職率低下 ○%
CS向上、ES向上、業務効率化
ビジネスプロセスの改善ビジネスルールの改善
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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事例にみる知識エリア
ステークホルダーとのワークショップ実施バックログ検討、情報分析、戦略ヒアリング、ビジネスプロセス、ビジネスルール確認、情報伝達
ビジネスアナリシスの体制検討ビジネスアナリシスのWBS検討情報管理方法決定、コミュニケーション計画決定 .etc
ビジネス能力(ケーパビリティ)管理、バックログ管理、カスタマーサポート対応ユースケース、サポート対応ルール、組織モデリング .etc
スポンサーヒアリング、カスタマーサポートの戦略分析、ユーザーニーズ分析、ビジネスモデル分析、ビジネス能力(ケーパビリティ)分析 .etc
ビジネス要求整理、ユースケース整理、前提・制約条件整理、シナリオ整理、カスタマー対応プロセス変更、ビジネスルール変更、サポートシステム画面検討、体制案検討 .etc
ソリューション受け入れ基準、レスポンスタイムKPI設定、回答精度KPI設定、パフォーマンス評価タイミング設定、KPI収集・分析、ビジネス価値分析 .etc
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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日本におけるビジネスアナリシスの在り方はどうあるべきか
実践者に聞いてみました
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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有効なものか?活躍シーンは?
BA・ITコンサルタント
新事業開発において
「異なる多様な人々や組織をつなぐ」 ことと「相乗効果を出すこと」そして「成果を出
すこと」場面で活躍シーンがある
事業を大きくしていく上では必要な仕組み、人材であると思わ
れる。しかしながら、どういったものか、今一つ
分からない。
企画・開発という名称・肩書を持つ人であれば、
ベーシックに持っているべきと思われる。
こういった人材が少ないのも事実である
組織変革コンサルタント不動産関連経営企画保険会社事業企画担当
事業企画をする人材こそ、BAを知るべき。事業を企画
するときに、ステークホルダーの利害を調整しな
ければならない
システムインテグレータ事業企画
経営者と現場をつなぐような立場の人間がやる
べき情報システムに関わる人間はBAのような立
場でありたい
元大手化学メーカーCIO
プロダクトオーナーやスクラムマスターの支援者、もしくはビジ
ネスアナリスト自身が対応する
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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立場・仕事はどうあるべきか?
方針を決める側要求する側
業務変革する側開発する側
調整する立場 or リードする立場
•ビジョンを落とし込む•要求のモデリングする•ビジネスプロセス・ビジネスルールをモデリングする•受け入れクライテリアを検討する•評価を支援する
スポンサープロダクトマネージャープロダクトオーナー
スクラムマスター事業遂行者
ビジネスアナリスト
•ビジョンを決める(プロダクト・事業)
•実行できる状態にする立場•ビジネスプロセスを変える、ビジネスルールを変える•実行する
変革のスピード目標達成の期限
メンバーの熟練度リーダーシップ
自主性
チームの状況で変わる必要がある
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立場・仕事はどうあるべきか?
前裁きとして、要求の受け止め・位置づけ・目的の整理と、優先順位付け、そして意思決定結果の説明が重要
ビジネス側の立場を支援するモデリング能力
採用されなかった要求について納得感のある説明ができるかが、最終的には意思決定や仕様決定を迅速化しその結果、要求の反映も早くなる
論理的な仕組みと感情的な部分を担うことが期待されている
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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BABOK®に見るアジャイル
• アジャイル・イニシアチブに従事するビジネスアナリストは、自分たちの取り組みや戦術を絶えず再評価し、適応させ、調整していく。
• ビジネスアナリシスをアジャイルに実施すると、アジャイル・チームは、適切なタイミングで適切な詳細度の情報を確実に利用できるようになる。ビジネスアナリストは、アジャイル・チームが次の問いに答えるのを助ける。
• どのようなニーズを満たそうとしているのか。
• そのニーズには、満たすだけの価値があるのか。
• そのニーズを満たすには、何らかのデリバリーが必要か。
• そのニーズを提供するためには、何をすべきか。
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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BABOK®に見るアジャイル
• .4 ビジネスアナリシスの成果
• アジャイル環境のビジネスアナリシスでは、人々を集結させ、適切なタイミングで、適切なステークホルダーに、アジャイル・チームに確実に参加してもらう。開放的なコミュニケーションとコラボレーションの存在は、アジャイル・プロジェクトにおけるビジネスアナリシスの成功を示す主要な成果の一つである。
• ビジネスアナリストは、プロジェクトのビジョンと方向性が、組織のゴールおよびビジネス・ニーズと戦略的整合性を持つことを確実にする。ビジネスアナリストは、プロジェクトの戦略的な終了基準を定める責任を共有しており、プロジェクト実行中は、受け入れ基準を定めるのを助ける。また、プロダクト・ビジョン記述書の明確化を押し進める。このプロダクト・ビジョン記述書は、初期の成果物として一般的なものである。
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016
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スケーラブルなアジャイルの課題
• アジャイル開発を大規模化する場合には以下のような課題に直面します。
• 企業の投資戦略との関係
• 開発が大規模化したり、事業への影響度が高い場合、開発自身に経営陣や事業部長のような戦略レベルの意思決定を下す人達がどのように関与すべきか?
• 中間管理職の役割
• 自律性を重視するアジャイル開発において中間管理職はどのような役割を担えばよいか?
• 要求の表現形式
• 過度に文書化するというオーバーヘッドを避けつつ、要求をどのように表現すればよいか?
• プロジェクト管理の方式
• 複数のチームで連携して開発する場合に、どのように計画策定し、どのように開発を進めていけばよいか?
SAFe (Scaled Agile Framework) 入門 (第1回)アジャイル開発が生まれた背景とその特徴株式会社オージス総研技術部アジャイル開発センター 藤井拓 氏 2014年3月6日 よりhttps://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/technical/IntroSAFe/IntroSAFePart1Mar2014.html
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業務の変革を素早く反映するには
論理的な仕組み作り
感情的なフォロー
経営・ビジネス・仕組みの論理的なつながりを確保する
ステークホルダーの現実を捉えて、感情を含めたフォローを実践する
現場で様々な兆しや変化を直接拾って寄り添う姿勢
事実を拾い上げて伝える、変化を素早く拾って、効果としてあらわしていくことで、変革への納得度が高まり、変革が加速する
©International Institute of Business Analysis Japan Chapter & Hiroaki Shintomi 2016