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Confidential ©Broadleaf Rev.007 IE(インダストリアル・エンジニアリング)について

IE(インダストリアル・エンジニアリング)についてConfidential ©Broadleaf Rev.007 はじめに IE(インダストリアルエンジニアリング)とOTRS

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IE(インダストリアル・エンジニアリング)について

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はじめに

IE(インダストリアルエンジニアリング)とOTRS

1

IEは19世紀後半に研究され始めた経営管理手法です。20世紀の現代においてもその手法は色あせることなく活用されております。

特にIEを基盤とした日本の改善活動は“KAIZEN”という呼び名で世界に通じるものとなっており、IEの基となった「科学的管理法」が生まれた欧米諸国を超えた活用がなされております。

(トヨタ生産方式(TPS)や“実践的”な小集団活動(QC活動)、5Sなど)

これらのKAIZENは日本の製造業の各種生産性を向上させており、ものづくり日本の基盤技術であると言えます。

OTRSはこのような日本のKAIZEN現場からの要請で生まれた動作分析ソリューションです。

すべての改善の基となる「現場での動作」を科学的に、正確に、緻密に、素早く取得するための

ツールとして誕生しました。

IEを実産業で活用するソリューション≪OTRS≫は今日も世界で利用されています。

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ECRSの原則

改善を行う場合の基本として「排除(Eliminate)・統合(Combine)・置換(Rearrange)・簡素化(Simplify)」の4つの考え方、この考え方の4つの頭文字からECRSと呼ばれています。この考え方はE→C→R→Sの順番に検討を行います。

原則 狙い 改善のポイント

EEliminate

排除やめられないか

やめたらどうなるか

それは何のためにあるのか、不必要な作業を

やめられないかで見直してみる

CCombine

結合一緒にならないか

また分けたらどうか

異なる機能や方法を結合してできる場合と、

一つのものを分割してできる場合の発想

RRearrange

置換順序をかえられないか

入れ替えたらどうか

作業や工程の順序の入れ替え、押してだめな

ら引いてみる。今までとは、逆の見方をしてみる

SSimplify

簡素化もっと簡単に

ならないか減らせないか、半分ではどうか考えてみる

2用語集

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動作経済の原則 Principle of Motion Economy

動作経済の原則とはある作業からムダ、ムリ、ムラを取り除き最も経済的な動作へと改善を行うための原則です。

動作経済の基本的な内容

・動作の数を減らす

・動作を同時に行う

・動作の距離を短くする

・動作を楽にする

身体使用

の原則

1.足又は左手でできることの右手は使うな。

2.なるべく、両手が同時作業を始め、同時に終わるようにせよ。

3.両手が同時に休まないようにせよ、手空きの場合はなにかほかの仕事をさせる工夫をせよ。

4.なるべく小さな運動ですませること。胴体の運動より腕の運動、前腕の運動、手首や指の運動になるに従って運動量は小さくなる。

5.材料や道具は手の届く範囲のうち、なるべく取りやすい手近なところに置け。

設備及び

配置

の原則

1.治工具や材料は作業習慣が形成されるように特定の固定位置に置く。2.治工具や材料は“さがす”ことを省くことができるように前もって決められた姿勢に配置されるようにする。3.材料は使用される位置の近くまで供給されるように、フィーダー、部品箱、コンテナなどを利用すべきである。4.治工具、材料、操作具は作業者にできるだけ近い位置に、また作業者の最大作業域内に配置すべきである。最大作業域とは胴体を動かさずに肩関節を軸として、左右・上下方向に手が届く距離で構成される作業領域をさす。

5.治工具や材料は動作順序を最適とするように配置すべきである。6.作業終了時に、作業者が完了品の取り出しに手を使用しなくてもよいように移出器、または自然落下方式を利用する。

7.作業に適正な照明を与える。適正な作業姿勢がとれるための適切なデザインと高さのイスを与える。作業場所の高さとイスの高さは立位と椅子位が交互にとりやすい高さとすべきである。照明は今日では明るさよりも陰影、グレア、色光、視野に配慮すべきことが多い。特に作業域の配色と作業物との対比は作業性能と眼精疲労との観点を考慮して選ぶ。

機械機器、

設計

の原則

1.手指で“保持する”、“固定している”という動作をなくす。物の固定には治具、固定器、ペタル式の固定具などを工夫すべきである。人間を保持することに使わない。

2.複数の工具機能とする。単一機能の工具動作は工具と工具の取り替えなどムダが多い。複数の機能を合わせて1回の扱いで作業がすむようにする。3.タイプ打ち作業のように指を使用する作業の場合には、各指の特性を考慮した作業とする。親指は人差し指より筋力は弱いが持久力はよい。小指は筋力は弱いが即応性がよいことなどを考慮する。

4.治工具の柄(グリップ)の設計は手掌面との接触面積が多いものとする。現実の製品には細すぎる柄が多い。細い柄は筋力が伝えられ難く不安定である。

5.レバーやハンドルなどの操作具の配置はあまり作業姿勢を変えることなく操作できる位置と大きさにする。しかし、操作具の大きさは生体的力学的利点を考慮し、小さ過ぎないことが大切である。

3用語集

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用語集 作業・動作の区分

時間研究とは、作業を要素作業または単位作業に分割し、その分割した作業を遂行するのに要する時間を測定する手法(JIS Z8141-5204)である。時間研究の目的は、作業の効率化と標準時間の設定にあります。

作業区分 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 第6段階

区分名称 動素 動作 要素作業 単位作業 工程 工程以上

内容 最小レベル 動素の集合体 動作の集合体 単位作業 単位作業の集合体 工程の集合体

例示

サーブリック記号に相当するレベル。「つかむ」「運ぶ」「持つ」「伸ばす」に相当

「材料を置く」「位置を決める」などがあてはまる

「部品を作業台に置く」などがあてはまる

「材料点検」などである「加工」「組立」「検査」などがある

「製品」や「半完成品」の段階

※自社が改善したい事項にあわせ、作業区分を定めて時間研究を行う事で最良の分析を行う事ができます。

4

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標準時間

標準時間とは、その仕事に適性を持ち、成熟した作業者が、所定の作業条件のもとで、必要な余裕を持ち、正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要とされる時間(JIS Z8141-5502)である。

つまり、決められた方法と設備を用いて(標準作業方法)、決められた作業条件のもとで(標準作業条件)、その仕事に要求される平均的レベルの熟達度と技量を持った作業者が、決められた時間内に、正常なペースで作業を行い、一定の品質の仕事を一定量完成するために必要とされる作業時間をいう。標準時間の構成要素は下記のとおりです。

標準時間

主体作業時間

正味時間

余裕時間

準備段取作業時間

正味時間

余裕時間

主体作業時間作業サイクルごと、または一定周期ごとに発生する作業時間で、主体作業時間と付随作業時間とに分ける事ができる(JIS Z8141-5502)

準備段取作業時間ロットごと、始業の直後および終業の直前に発生する準備、後始末、段取、運搬などの作業時間(JIS Z8141-5502)

正味時間主体作業と準備段取作業を遂行するために必要な時間(JIS Z8141-5503)である。規則的、周期的に繰り返される作業時間で下記の余裕時間を引いたものである。各作業サイクルで規則的に発生する作業と、数サイクルごとに周期的に発生する作業について設定する。正味時間を求める方法は、ストップウォッチ法により求めた作業時間にレイティング係数をかけて求める方法と、既に設定されている作業時間を用いるPTS法による方法、経験や実績などから見積もる方法などがある。

余裕時間対象業務において不規則・偶発的に発生し、作業を遂行するために必要と認められる遅れの時間(JIS Z8141-5504)のことであり、不規則・偶発的に発生する作業で、予測困難な作業につい

て設定する。余裕時間は、発生が不規則・偶発的な時間である管理余裕時間と、作業者の生理的に必要な発生としての人的余裕時間に分ける事ができる。余裕時間は稼働分析(ワークサンプリング法など)によって求める事が多い。

5用語集

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よく出てくる単語など

正味時間主体作業と準備段取作業を遂行するために必要な時間(JIS Z8141-5503)である。規則的、周期的に繰り返される作業時間で下記の余裕時間を引いたものである。各作業サイクルで規則的に発生する作業と、数サイクルごとに周期的に発生する作業について設定する。正味時間を求める方法は、ストップウォッチ法により求めた作業時間にレイティング係数をかけて求める方法と、既に設定されている作業時間を用いるPTS法による方法、経験や実績などから見積もる方法などがある。

余裕時間対象業務において不規則・偶発的に発生し、作業を遂行するために必要と認められる遅れの時間(JIS Z8141-5504)のことであり、不規則・偶発的に発生する作業で、予測困難な作業について設定する。余裕時間は、発生が不規則・偶発的な時間である管理余裕時間と、作業者の生理的に必要な発生としての人的余裕時間に分ける事ができる。余裕時間は稼働分析(ワークサンプリング法など)によって求める事が多い。

主体作業時間作業サイクルごと、または一定周期ごとに発生する作業時間で、主体作業時間と付随作業時間とに分ける事ができる(JIS Z8141-5502)

準備段取作業時間ロットごと、始業の直後および終業の直前に発生する準備、後始末、段取、運搬などの作業時間(JIS Z8141-5502)

余裕率標準時間(あるいは正味時間)に占める余裕時間の割合を余裕率ろいう。一単位の作業に対する余裕時間を個別に求める事はできないので、標準時間を求める際には、余裕率として与える(JIS Z8141-5504)。算出方法は下記の2種類あり、どの方法を使用したか明示する必要がある。

ストップウォッチ法 (JIS 8141-5205)作業を要素作業又は単位作業に分割りし、ストップウォッチを用いて要素作業又は単位作業に要する時間を直接測定する手法。

備考 ストップウォッチによる時間測定する手法は、測定終了までにストップウォッチを止めないで測定する継続法と、要素作業ごとにストップウォッチを止めて測定する早戻し法、

要素作業の連続した組を順次替えながら測定する循環法に大別される。

6用語集

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各種名称 7

IEIndustrial Engineering

(経営工学)

企業経営・生産管理などを数学・自然科学・工学などの手法を用いて行うこと。

関連→日本経営工学会、日本IE協会

VEValue Engineering

(価値工学)

製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかける「コスト」との関係で把握し、 システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法

関連→日本バリュー・エンジニアリング協会

HEhuman engineering

(人間工学)

人間が可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計し、実際のデザインに活かす学問である。 また、人々が正しく効率的に動けるように周囲の人的・物的環境を整えて、事故・ミスを可能な限り少なくするための研究を含む 。 Ergonomics(エルゴノミクス)とも呼ばれる。関連→日本人間工学会

ORoperations research

(オペレーションズ・リサーチ)

数学的・統計的モデル、アルゴリズムの利用などによって、さまざまな計画に際して最も効率的になるよう決定する科学的技法 。ランチェスターの法則などは初期のOR。米海軍発祥。関連→日本オペレーションズ・リサーチ学会

QCQuality Control

(品質管理)

買い手の望む品質で、製品を合理的、かつ経済的に生む為に手法を検討すること

関連→日本科学技術連盟

SQCstatistical quality control

(統計的品質管理)品質の管理に統計学を活用する手法

TQCTotal Quality Control

(全社的品質管理 )

QC(品質管理)は主に工場などの製造部門に対して適用された品質管理の手法であるが、これを製造部門以外(設計部門、購買部門、営業部門、マーケティング部門、アフターサービス部門、etc)に適用し、体系化したもの

TPMTotal Productive Maintenance (全員参加の生産保全 )

「生産システム効率化の極限追求(総合的効率化)をする企業体質づくりを目標にして生産システムのライフサイクル全体を対象とした"災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロ"などあらゆるロスを未然防止する仕組みを現場現物で構築し、トップから第一線従業員にいたるまで全員が参加し、重複小集団活動により、ロス・ゼロを達成すること」、と定義関連→日本プラントメンテナンス協会

用語集

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Aさん Bさん Cさん

24台

一番遅い、Bさんが20台分しか作業できないのでボトルネックになり、全体で20台しか生産できません。

Aさん Bさん Cさん

サイクルタイムとタクトタイム

日当たり稼働時間(定時)

―――――――――――=タクトタイム日当たり必要数

(稼働時間は就業の定時間、稼働率100%)

1日の稼働時間―――――――――――=サイクルタイム1日の需要量(必要数)

または、作業者一人が受持ち行程を決められた作業順序で作業して一巡するのに要する時間。

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(例) パソコンの組み立てラインでのサイクルタイムとタクトタイム

Aさん Bさん

Cさん

Aさん「電源を取付」 →2分Bさん「CPUとファン取付」 →3分Cさん「メモリー取付」 →1分合計時間 6分

作業時間

時間当たり生産量

Aさんは、30台分Bさんは、20台分Cさんは、60台分

1台あたりのサイクルタイム→3分(60分÷20台=3分)サイクルタイム(個人)→Aさん2分→Bさん3分→Cさん1分

製品が出来るまでの合計時間が6分で、作業員が三人なので、各人の作業時間を2分(6分/3人)にしますと、均等になります。

目標のタクトタイムを2分とします。

Aさんは2分でOKですが、Bさんは3分なのでタクトタイムをオーバー。Cさんは1分で小さすぎます。

Bさんの作業のうち、ファン取付作業(30秒)をCさんにやってもらうと・・

Aさん Bさん Cさん

ワークの流れ

タクトタイムの使い方

目標のタクトタイム・・2分実際のタクトタイム・・2分30秒

Aさん →2分Bさん →2分30秒Cさん →1分30秒

サイクルタイム

20台時間

時間

1

2

3

(分)

1

2

3

(分)

1

2

3

(分)

●生産計画の場合は、実際のタクトタイムが重要です。●改善活動の場合は、目標と実際のタクトタイムが重要です。

タクトタイム(Tact Time)

サイクルタイム(cycle time)

1つの作業が完了してから、次の作業が完了するまでの時間。

生産工程の均等なタイミングを図るための工程作業時間のこと。

用語集

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トヨタ生産方式(Toyota Production System 略称:TPS)は、「異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方(トヨタではニンベンの付いた「自働化」といいます)と、 各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する考え方(「ジャスト・イン・タイム」)の2つの考え方を柱として確立されました。

不良品や設備の異常は機械が自動的に止まり、人が作業を止めることで解決。「ジャスト・イン・タイム」の実現には、造られ、引取られる部品が全て良い部品でなければなりません。それを実現するのが「自働化」です。

<自働化>とは、通常の加工が完了したら、機械が安全に停止することと、万一、品質、設備に異常が起こった場合、機械が自ら異常を検知して止まり、不良品の発生を未然に防止することである。それにより、後工程には、良品だけが送られる。加工完了時に、止まってくれるのと、異常があれば機械が止まって<アンドン(異常表示盤)>で知らせるので、作業者は安心してほかの機械で仕事ができ、また、異常の原因追求と再発防止も容易である。その為、作業者が多くの機械を受け持てるため、生産性も上がり、異常を改善し続けることで、工程能力も向上する。

生産現場の「ムダ・ムラ・ムリ」を徹底的になくし、良いものだけを効率良く造る。

お客様にご注文いただいたクルマを、より早くお届けするために、次の内容により最も短い時間で効率的に造ります。お客様からクルマの注文を受けたら、なるべく早く自動車生産ラインの先頭に生産指示を出す。組立ラインは、どんな注文がきても造れるように、全ての種類の部品を少しずつ取りそろえておく。組立ラインは、使用した部品を使用した分だけ、その部品を造る工程(前工程)に引き取りに行く。前工程では、全ての種類の部品を少しずつ取りそろえておき、後工程に引取られた分だけ生産する。

トヨタ自動車公式サイトより http://www.toyota.co.jp/jpn/company/vision/production_system/

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自働化ジャスト・イン・タイム

●問題を顕在化・見える化

― 品質は、工程で造りこむ!―

●生産性を向上

― 必要なものを、必要なときに必要な量だけ造る! ―

トヨタ生産方式用語集

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リーン生産方式

リーン生産方式(lean manufacturing、lean product system、略称LPS)とは、1980年代にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)で日本の自動車産業における生産方式(主にトヨタ生産方式)を研究し、その成果を再体系化・一般化したもの。

リーン生産方式はトヨタ生産方式を研究して編み出された方式であり、MITのジェームズ・P・ウォマック(James P. Womack)、ダニエル・T・ジョーズ(Daniel T. Jones)らによって提唱された。製造工程におけるムダを排除することを目的として、製品および製造工程の全体にわたって、トータルコストを系統的に減らそうとするのが狙いである。

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日本の製造業の生産システムはボトムアップ型に基づいた暗黙知ベースのシステムが形成されていることが支配的であり、その中で結果としてムダが排除されていく。

しかしボトムアップでは部分最適に陥りやすく、局所的にムダが排除されても全体で見た場合にはムダが排除しきれていない状態が生じやすい。言い換えれば「いびつな贅肉の取れ方=ダイエットに失敗した状態」が起こりうる。それらを踏まえMITで行われた研究は、それらとトップダウン型の形式知ベースのシステムとの融合やその体系化などである。トップダウン型になることによって、全体最適が追求しやすくなり、組織全体としてバランスがよくなりムダを排除しやすくなる。

1980年代にMITで行われた日本の自動車産業の研究において特に注目されたのは、ジャストインタイム生産システムに代表されるムダを徹底的に排除したトヨタ生産方式である。トヨタ生産方式では7つのムダを定義し、それらを減らす・無くすことに注力している。当方式ではこのムダを「”会社と言う名の巨人”についた贅肉」と見立て、「贅肉のとれたスリムな状態」で生産活動を行うことを目指す生産方式として構築された。そして「贅肉のとれた」の意である英単語のlean(リーン)を用いてリーン生産方式と命名された。つまりムダの無い生産方式という事である。

特徴

名の由来

用語集

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結果:照明を明るくした場合に従来より高い作業能率となっただけでなく、照明を暗くしても従来よりも作業能率が高くなることが計測された。

結果:どのように変更を行っても実験が進むにつれ作業能率は上昇した。途中で元の労働条件に戻す形の条件変更を行った場合にも、作業能率が上昇した。

結果、労働者の行為はその感情から切り離すことができないこと、職場での労働者の労働意欲は、その個人的な経歴や個人の職場での人間関係に大きく左右されるもので、客観的な職場環境による影響は比較的少ない、という結果となった。

結果:・各労働者は自分の労働量を自ら制限していること・品質検査では個々の仕事の質だけでなく、検査官と個々の人間関係が評価に影響する・労働者の時間当たり成果の差違は、個々の能力的な差違によるものではなかったことが分かった。

ホーソン実験

ホーソン実験(Hawthorne experiments)とは、シカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場(Hawthorne Works)において、1924年から1932年まで行われた一連の実験と調査。

11用語集

照明実験 工場の照明と作業能率の相関関係を調べる実験リレー組立実験

賃金、休憩時間、軽食、部屋の温度・湿度など条件を変え従業員6名の作業能率がどう変化するか調べた。

配線作業実験

職種の異なる労働者をグループとして、配線作業を行い、その協業の成果を計測しようとした実験

延べ21126人の労働者に面接して聞き取り調査を行った。面接調査

この研究の結果、

労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか、という仮説が導き出され、科学的管理法がテイラーによって提唱されて以来経営管理論の主流だったが、この実験以来、人間関係論へと移行した。

(仮説)照明と作業能率に相関関係があるはずだ! (仮説)外部環境と作業能率に相関関係があるはずだ!

(仮説)人の組み合わせで能率は変わるはずだ!(仮説)客観的な職場環境で能率は変わるはずだ!

当初は物理的な作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的で、社内的に照明実験が行われ、次いでリレー組み立て実験が開始された。この時期からハーバード大学のエルトン・メイヨー、フリッツ・レスリスバーガーらが研究に加わり、さらに面接調査、バンク配線作業実験という一連の研究が行われた。

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管理

分析

定義

測定

改善

シックスシグマ 12用語集

シックスシグマは、1990年代後半に米国モトローラ社が自社製品の品質レベルと日本企業の品質の高さの差の原因を追究する中から、体系化された経営管理手法です。

事業経営の中で起こるミスやエラー、欠陥品の発生確率を100万分の3.4のレベルにすることを目標に推進する継続的な経営品質改革活動が主であり、トップのコミットメントに基づいた取り組みが特徴です。

関連→株式会社ジェネックスパートナーズ、東芝シグマコンサルティング株式会社

PDCA と DMAIC

解決すべき課題を事業課題に沿った形で明確化し、定義する

現状プロセスを見える化し、対象業務プロセスにかかわるデータを収集し、問題の要因を抽出する

データを統計的に分析し、影響の大きい要因を絞り込むことで結果と要因の因果関係を明らかにする

絞り込まれた要因に対し解決策を立案し、新しいプロセスを再構築する

新しい改善策やプロセスを組織の中に定着させ、管理する

経営品質とは顧客に提供する個別の製品・サービスだけでなく、それらを作り出すプロセス、組織、人、システム及びそれらの組み合わせまで含めた経営の全領域における活動の質を意味します。

東芝方式のシックスシグマ手法DMAIC がISOにも規定されています

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モーションマインド motion mind (動作意識)

モーションマインドとは

一般に、解析されているレベルは、ワークを取る、ワークをセットする、スイッチを入れる、ワークを運ぶ・・・といった要素作業レベルの解析です。このレベルでは、作業の難易度が見えません。どのような冶具にセットするのかなど、冶具の形や設備の種類などによって、セットの作業方法は違っているハズです。現場でもその違いは分かっているハズです。

例えば、・セットは、片手でできるのか?/両手が必要なのか?・セットは、ガイドに沿って押し込めば良いのか?/ある位置決めが必要なのか?

など、作業の内容によって、同じセットするという要素作業でも、その難易度や負荷は違っているのです。このような違いに目をつけ、最適な作業環境の設計や最適な作業方法の設計を行うことが大切です。この時のものの見方の原点に、モーションマインドがあると言えます。

モーション・マインドの優れた人とは

動作経済の原則が頭に染み込んでおり、いろいろな場合に、その場に適した原則がすぐに浮かんでくる人のことを「モーション・マインドがある人」と呼べるのではないでしょうか?

多くの作業改善の専門家は、このモーション・マインドの優れた人であり、それらの人たちの多くは、ほとんど無意識的に、いわゆる「常識」によって動作の改善をしています。この場合も多くが動作経済の原則を適用しています。

動作の分析は動作の最小単位でとらえ、これを究明して改善しようとするものです。そのためには、必要のない動作を削除していくことです。

モーションマインド(motion mind:動作意識)作業方法又は動作方法について,その問題点が判断でき,より能率的な方法を探求し続ける心構え。(JIS 8141-5303)

13用語集

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動作分析の種類

まず、「動作の無駄」を見抜くことから始まります。誰が見ても分かるような待ち時間とか、大きく部品を振り回している作業なら、誰が見てもすぐに分かります。動作というのは、一挙手一投足のことですから、手首を捻っているといった無駄まで、しっかりと見抜くスキルが必要です。また、極限までいくと、視点の移動や焦点を合わせることも、無駄になると気づいてきます。誰がやっても同じ結果が得られるよう、仕事から徹底的に無駄を排除していくことが必要です。そして、無駄を見つけたら、それがなぜ起こっているのかを、原理原則に基づいて考えます。

手首を捻る → 物の置き方、向きが悪い 手を伸ばす → 部品が遠い

人は意味の無い行動はしないものですから、パッと見て「そのやり方は間違い」と指摘するのでは無く、なぜそういった動作をするのかを、しっかりと考えて改善を行ってゆきます。現場改善の基本は、人にやさしく、後戻りしない改善です。

動作分析とは、人の動作を分析し、改善するための手法です。

①サーブリッグ分析・・・18の基本的動作要素からなるサーブリッグ記号を用いて分析する手法。

②メモ・モーション分析・・・1秒または0.01分に1コマ速度で撮影し、動作と動作時間を明らかにして改善する分析手法。

③VTR分析・・・作業をビデオに撮影し、再生録画することにより、観察分析する手法。

14用語集

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サーブリック分析 15用語集

ギルブレス(F.B.Gilbreth)が考案した方法。

作業を18種類の要素(サーブリッグ記号)に分解して分析する。

サーブリッグ(Therblig)は、ギルブレス(Gilbreth)の名前を逆にしたものである。

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7つのムダ

TPSでは、ムダを「付加価値を高めない各種現象や結果」と定義している。このムダを無くすことが重要な取り組みとされる。ムダとは、代表的なムダを7つ、それを「7つのムダ」と表現している。

覚えるコツ

「かざってとうふ」(飾って豆腐)「加工」の「か」、「在庫」の「ざ」、「作りすぎ」の「っ」、「手待ち」の「て」、「動作」の「と」、「運搬」の「う」、「不良」の「ふ」

※手待ちは「てもち」ではなく「てまち」

16用語集

1、作り過ぎのムダ2、手待ちのムダ3、運搬のムダ4、加工そのもののムダ5、在庫のムダ6、動作のムダ7、不良をつくるムダ

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IE技術の基礎 17用語集

(1)改善の技術(Method Engineering)」

(2)測定の技術(Work Measurement)

現在やっている仕事を細かく分析して、どこに、どのような「ムダ」があるか、どのようにすれば、もっとムダのない仕事の方法を考え出すことができるかをハッキリさせるための技術です。動作分析、作業分析、工程分析などの手法と、その分析結果を整理して、検討する方法から成り立っています。

現場の管理者が自分の職場の仕事が「ムダ」なく行われているかどうかを知るための物差しであり、仕事に必要な正しい時間を決めるためのものです。作業測定は、正しい標準時間を求めるための技術的方法です。

IEの発祥以来の中核をなすもので、現場が管理された状態を維持するためにも

まず、必要な技術です。

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●記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。●当案内の内容は2015年2月現在のものです。●記載した内容及び仕様は改良のため予告なく変更する事があります。

お客様との3つの約束

~お客様の事業に真の価値を創造するために、ブロードリーフは3つの約束を守り続けます~

1.お客様の経営課題と真剣に向かい合い、事業創造に貢献するパートナーになります。

2.お客様の事業環境に合わせて成長を支援する、即戦力の製品をお届けします。

3.全国のスケールメリットを活かし、お客様の立場にたったサービスと新たな事業価値を生み出す提案を行います。

IE課

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