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IBM i インターネット・セミナー 1 IBM i 基幹業務データと気象データの連携 【はじめに】 IBM は、2017 年 3 ⽉、世界各国で展開中の The Weather Company の気象データを活⽤したソリュ ーションを、⽇本国内でも展開することを発表しました。The Weather Company データ・パッケージは 現在の気象や将来の予報、季節的な気象状況や悪天候に関する気象データなど広範なデータを提供します。 IBM は、The Weather Company の気象データをクラウドで利⽤することができるよう、IBM Bluemix 上でも API を提供しています。無料プランも⽤意されており、The Weather Company の Data Core パ ッケージに準じるデータを利⽤できます。 気象データをビジネスで活⽤するために、クラウド上の API から取得した気象データとオンプレミスの 基幹業務データを結合することは難しくありません。Db2 for i は、JSON 形式で返されたデータと Db2 for i のテーブルを結合(JOIN)する機能を提供しています。このインターネット・セミナーでは、IBM Bluemix で Weather Company Data サービスを使⽤する⽅法と、IBM i で JSON_TABLE 関数と httpGetClob 関数を使⽤して、Db2 for i から直接気象データを使⽤するサンプルをご紹介します。 【前提要件】 今回ご紹介する内容を実⾏する場合、以下の前提要件を満たしている必要があります。 l IBM Bluemix にログインできること l IBM i 環境が下記条件を満たすこと Ø IBM i からインターネットへの接続経路があること Ø IBM i 7.2 以降 Ø ライセンス・プログラム、グループ PTF レベルが以下を満たすこと ² Java™ 1.6 以降 (5761-JV1 Option 11, 12, 14, 15) ² IBM i 7.2 の場合:DB2 PTF Group PTF SI99702 level 14 以降 ² IBM i 7.3 の場合:DB2 PTF Group PTF SI99703 level 3 以降 Ø DB2 for i の SQL エディタがあること ² 例:IBM i Access Client Solutions / System i ナビゲーターの SQL エディタ

IBM i 基幹業務データと気象データの連携 201708...IBM iインターネット・セミナー 1 IBM i 基幹業務データと気象データの連携 【はじめに】

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IBM i インターネット・セミナー

1

IBM i 基幹業務データと気象データの連携

【はじめに】

IBM は、2017 年 3 ⽉、世界各国で展開中の The Weather Company の気象データを活⽤したソリュ

ーションを、⽇本国内でも展開することを発表しました。The Weather Company データ・パッケージは

現在の気象や将来の予報、季節的な気象状況や悪天候に関する気象データなど広範なデータを提供します。

IBM は、The Weather Company の気象データをクラウドで利⽤することができるよう、IBM Bluemix

上でも API を提供しています。無料プランも⽤意されており、The Weather Company の Data Core パ

ッケージに準じるデータを利⽤できます。

気象データをビジネスで活⽤するために、クラウド上の API から取得した気象データとオンプレミスの

基幹業務データを結合することは難しくありません。Db2 for i は、JSON 形式で返されたデータと Db2

for i のテーブルを結合(JOIN)する機能を提供しています。このインターネット・セミナーでは、IBM

Bluemix で Weather Company Data サービスを使⽤する⽅法と、IBM i で JSON_TABLE 関数と

httpGetClob 関数を使⽤して、Db2 for i から直接気象データを使⽤するサンプルをご紹介します。

【前提要件】

今回ご紹介する内容を実⾏する場合、以下の前提要件を満たしている必要があります。

l IBM Bluemix にログインできること

l IBM i 環境が下記条件を満たすこと

Ø IBM i からインターネットへの接続経路があること

Ø IBM i 7.2 以降

Ø ライセンス・プログラム、グループ PTF レベルが以下を満たすこと

² Java™ 1.6 以降 (5761-JV1 Option 11, 12, 14, 15)

² IBM i 7.2 の場合:DB2 PTF Group PTF SI99702 level 14 以降

² IBM i 7.3 の場合:DB2 PTF Group PTF SI99703 level 3 以降

Ø DB2 for i の SQL エディタがあること

² 例:IBM i Access Client Solutions / System i ナビゲーターの SQL エディタ

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【Weather Company Data サービスのインスタンスの作成】

DB2 for i から気象データを取得するために、Bluemix で Weather Company Data サービスのインス

タンスを作成します。 このサービスを使って、Weather Company の気象データをアプリケーションに統

合します。

Weather Company Data サービスの無料プランでは、Bluemix アカウントごとに 1 分あたり最⼤ 10

回(1 か⽉あたり最⼤ 10,000 回)の Weather Company Data の API 呼び出しが実⾏できます。 アプリ

ケーションでは、地形、予報タイプ、時系列観測の制限なしに、呼び出し回数の制限のみでデータをテス

トできます。 呼び出しの最⼤制限数に達すると、無料プランでは Weather Company Data を取得できな

くなります。さらに Weather Company Data を取得するには、クラウド・サービスを基本、標準、プレ

ミアムのいずれかのプランにアップグレードする必要があります。 無料プランで使⽤できる Weather

Company Data サービスのインスタンスは、1 つのみです。

以下の⼿順を実⾏し、Weather Company Data サービスのインスタンスを作成します。

1. Bluemix にログイン ご参考) Bluemix フリートライアルサイト https://ibm.biz/BdiN66

2. Bluemix ダッシュボードから「カタログ」を選択、右のメニューから「データ&分析」カテゴリー

を選択

3. リストを下の⽅にスクロールし、「Weather Company Data」をクリック

4. 「サービス名:」フィールドに、任意のサービス名(ユニークである必要あり)を⼊⼒

5. 「接続:」フィールドは、このサービスを Bluemix アプリケーションにバインドしないため、

「アンバインドのまま」であることを確認し、「作成」をクリック

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3

Weather Company Data サービスのインスタンスが作成されます。次にサービス資格情報を取得しま

す。

6. Bluemix ダッシュボードで、作成した Weather Company Data サービスを選択し、 「サービ

ス資格情報」をクリック

7. 「資格情報の表⽰」をクリック

8. 「資格情報」をコピーし、メモをとる

*Weather Company Data API をテストする際にユーザー名とパスワードを使⽤します。ま

た、SQL ステートメントから気象データの API を呼び出す際に URL を使⽤します。

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【Weather Company Data API のテスト】

気象データは、Representational State Transfer(REST) API を使⽤して取得します。現在の状況、

予報(毎⽇、毎時など)、気象アラートなどの気象データを使⽤できます。

すべての API は、以下のサイトからテストすることができます。

Weather Company Data For IBM Bluemix APIs:https://twcservice.mybluemix.net/rest-api/

すべての API について、パラメータ、返されるデータ、応答メッセージなどについて必要な情報が⽂書

化されています。次の図では、API のパスや戻り値が 200(OK)の場合に返されるデータのモデルを確認

できます。

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5

Weather Company Data サービスの資格情報のユーザー名とパスワードを使⽤して、API をテストし、

返されたデータを⾒ることができます。

ここでテストしている API (Current Conditions : Weather Observations)は、与えられた緯度と経度に

対する現在の気象データを返します。

latitude(緯度)、longitude(軽度)を⼊⼒し、結果のデータを⽇本語にする場合は、language(⾔語)に「ja-

JP」を⼊⼒します。下にスクロールし、「Try it out!」をクリックします。

ユーザー名をパスワードの⼊⼒画⾯が表⽰されます。先ほどメモをとったサービス資格情報のユーザー

名とパスワードを⼊⼒します。

気象データの結果が JSON 形式で返されます。

この記事の後半のサンプル SQL ステートメントで下記「Request URL」フィールドの URL を使⽤しま

す。

https://twcservice.mybluemix.net/api/weather/v1/geocode/<LAT>/<LON>/observations.json?l

anguage=ja-JP

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6

Weather Company Data サービスがインスタンス化され、あなたのサービス資格情報を使⽤して API

を呼び出すことができました。 これにより、DB2 for i から API を呼び出すための SQL ステートメントを

作成する準備が整いました。

【httpGetCLOB 関数を使⽤した REST Web サービスの呼び出し】

Weather Company Data Web サービスからデータを取得するために、DB2 for i の httpGetCLOB 関

数を使⽤します。httpGetCLOB 関数は、SYSTOOLS(ライブラリー提供)のスカラー関数であり、GET メ

ソッドを使⽤し、Character Large Object (CLOB) データとしてリソースを返します。

表1. httpGetCLOB 関数のパラメータ

Name HTTP メソッド 戻り値タイプ パラメータ パラメータ・タイプ

httpGetCLOB GET CLOB(2G) URL VARCHAR(2048)

HTTPHEADER CLOB(10K)

httpGetCLOB 関数は、2 つの⼊⼒パラメータ(URL と HTTPHEADER)を指定し、1 つの値を返します。

URL(⼊⼒)

URL パラメータには、認証データ(ユーザー名とパスワード)と気象パラメータを含むフルパスを指定

します。

例:

https://<username>:<password>@twcservice.mybluemix.net:443/api/weather/v1/geocode/

<LAT>/<LON>/observations.json?language=ja-JP

この URL により、ユーザー<username>の Bluemix で提供されている Weather Company Data サー

ビスから<LAT>/<LON>で特定された場所の現在の気象データを取得できます。

HTTPHEADER(⼊⼒)

HTTPHEADER パラメータの値は、NULL または空の⽂字列にすることができ、この場合、デフォルトの

プロパティが使⽤されます。デフォルトでないプロパティを使⽤する際や、ヘッダーフィールドをサーバ

ーに送信する際にのみ、明⽰的にヘッダーを指定する必要があります。

Weather Company Data API を使⽤する際には、デフォルトのプロパティ、つまり、NULL を使⽤しま

す。

戻り値

Weather Company Data API は、気象データを JSON オブジェクトで返します。 JSON オブジェクトは、

Key と value のペアのリストとして表されます。このオブジェクト形式は呼び出される API によります。

それぞれの API の JSON 形式については、下記サイトを参照ください。

Weather Company Data For IBM Bluemix APIs:https://twcservice.mybluemix.net/rest-api/

この httpGetCLOB 関数の使い⽅に関する追加情報が必要な場合は、下記サイトを参照ください。

IBM DeveloperWorks “Incorporate web services into your SQL queries”(US):

https://www.ibm.com/developerworks/ibmi/library/i-incorporating-web-service/

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【JSON_TABLE 関数を使⽤した JSON オブジェクトの解析】

httpGetCLOB 関数で返された JSON オブジェクトは、SQL で使⽤するために解析する必要があります。

ここで、JSON_TABLE 関数を使⽤します。JSON_TABLE 関数は、SQL/JSON パス表現の解析から結果テ

ーブルを返します。

JSON_TABLE 関数の使⽤⽅法に関する追加情報が必要な場合は、下記サイトを参照ください。

IBM DeveloperWorks “The powerful JSON_TABLE function Utilize JSON information with IBM

DB2 for i”(US):

https://www.ibm.com/developerworks/ibmi/library/i-json-table-trs/index.html

【IBM i 基幹業務データと気象データの連携サンプル】

こ の イ ン タ ー ネ ッ ト ・ セ ミ ナ ー の サ ン プ ル で は 、 店 舗 マ ス タ ー の テ ー ブ ル ( テ ー ブ ル 名 :

STOREBOT.STORE)を使⽤します。

以下の SQL ステートメントを使⽤してテーブルを作成します。

CREATE TABLE STOREBOT.STORE (

STOREID INTEGER GENERATED ALWAYS AS IDENTITY (

START WITH 1 INCREMENT BY 1

NO MINVALUE NO MAXVALUE

NO CYCLE NO ORDER

CACHE 20),

NAME VARCHAR(50) DEFAULT NULL,

ADDRESS VARCHAR(50) DEFAULT NULL,

CITY VARCHAR(50) DEFAULT NULL,

COUNTRY VARCHAR(50) DEFAULT NULL,

LAT DOUBLE PRECISION DEFAULT NULL,

LON DOUBLE PRECISION DEFAULT NULL

)

以下の SQL INSERT ステートメントを使⽤して作成したテーブルに⾏を追加できます。 例えば、東京

(⽇本)、モンペリエ(フランス)とロチェスター(⽶国、ミネソタ州)にある 3 つの店舗を挿⼊する場合

は、次のようにします。

INSERT INTO STOREBOT.STORE

(NAME, ADDRESS, CITY, COUNTRY, LAT, LON)

VALUES('Store_1','東京都中央区⽇本橋箱崎町 19-21', '東京',

'⽇本', 35.67915, 139.786883);

INSERT INTO STOREBOT.STORE

(NAME, ADDRESS, CITY, COUNTRY, LAT, LON)

VALUES('Store_2','Rue de la Vieille Poste', 'Montpellier',

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'France', 43.614934, 3.908162);

INSERT INTO STOREBOT.STORE

(NAME, ADDRESS, CITY, COUNTRY, LAT, LON)

VALUES('Store_3', '37th ST NW', ' Rochester',

ʻUSAʼ, 44.061604, -92.504532);

COMMIT;

店舗マスターには、Weather Company Data API を呼び出す際に使⽤する緯度と経度の情報が含まれま

す。

StoreID Name City Country Lat Lon

1 Store_1 東京 ⽇本 35.67915 139.786883

2 Store_2 Montpellier France 43.614934 3.908162

3 Store_3 Rochester USA 44.061604 -92.504532

例 1: DB2 for i からの現在の気象データの取得(DB2 テーブルとの結合なし)

例 1 では、Weather Company Data API を呼び出し、指定した緯度と経度の現在の気象データを取得

します。 ここでは、まだ DB2 のテーブルとの結合はしていません。リスト 1 に⽰す SQL ⽂を使⽤して、

現在の気象条件を取得できます。

リスト 1.指定した緯度と経度の現在の気象データの取得

SELECT *

FROM JSON_TABLE(

SYSTOOLS.HTTPGETCLOB('https://<username>:<password>@twcservice.mybluemix.net' ||

'/api/weather/v1/geocode' ||

'/35.67915/139.786883/observations.json?language=ja-JP&units=m',''),

'$'

COLUMNS( OBSERVATION VARCHAR(100) CCSID 1208 PATH '$.observation.wx_phrase',

FEELS_LIKE VARCHAR(100) CCSID 1208 PATH '$.observation.feels_like')

) AS X

このSQLステートメントでは、SYSTOOLS.httpGetCLOB関数を使⽤し、サービスURI(緯度=35.67915、

経度=139.786883)で明⽰指定した1つの位置に対して、Weather Company Data サービスの API か

ら JSON オブジェクトを取得します。 この JSON オブジェクトは、JSON_TABLE 関数の⼊⼒として使⽤

されます。

現在の気象データを取得し、DB2 for i で参照できました。

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JSON_TABLE 関数は、次の 3 つのパラメータを指定します。

l JSON オブジェクト: この例では、Weather Company Data サービスの API を呼び出す

SYSTOOLS.httpGetCLOB 関数を使⽤して、JSON オブジェクトを取得します。

l パス: JSON オブジェクト内の情報を⽰すために使⽤されます。

l 列リスト:列名、データ型、JSON オブジェクトから抽出する JSON の値への SQL/JSON パスが含

まれます。 この例では、Observation と Feels_like(感知温度)の 2 つの列のみを取得します。

API の呼び出し中にエラーが発⽣した場合、SYSTOOLS.httpGetCLOB からサービス・エラー・メッセ

ージが表⽰されます。

例:HTTP return code = 401: Authentication error (ID とパスワードの間違い)

[SQL4302] JAVA ストアード・プロシージャーまたはユーザー定義関数 SYSTOOLS.

HTTPGETCLOB(特定名 HTTPG00005)が JAVA 例外"Server returned HTTP response code: 401

for URL:

https://111:[email protected]/api/weather/v1/geocode/35.67915/139.78

6883/observations.json?language=ja-JP&units=m"で打ち切られました。

原因--JAVA ストアード・プロシージャーまたはユーザー定義関数が JAVA 例外で打ち切られまし

た。SQJAVA 構成要素トレースがオンになっていると,ジョブの構成要素トレースには打ち切られた

メソッドの JAVA スタックのトレースバックが⼊ります。回復⼿順--例外を除去するために JAVA

メソッドをデバッグしてください。

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API のエラーコードのリストは、Weather Company Data API のウェブサイトで確認できます。

図. Weather Company Data API のリターン・コードのリスト

例 2: DB2 for i からの現在の気象データの取得(DB2 テーブルと結合)

例 1 では、緯度と経度のパラメータは定数でした。例 2 では、DB2 for i のテーブルと Web サービスを

結合する SQL リクエストから、選択した⾏ごとに Weather Company Data API を呼び出す必要がありま

す。

プライマリー・テーブルとして STOREBOT.STORE を使⽤し、セカンダリー・テーブルとして例 1 と同

じく JSON_TABLE 関数を使⽤し、結合 SQL リクエストを作成します。

Weather Company Data API の呼び出しでは、緯度と経度の定数を lat 列と lon 列で置き換える必要が

あります(リスト 2 を参照)。

リスト 2. DB2 テーブル上の店舗マスターの店舗ごとの現在の気象データの取得

SELECT storeid, name, city, country, lat, lon, observation, feels_like

FROM storebot.store A,

JSON_TABLE (

SYSTOOLS.HTTPGETCLOB('https:// <username>:<password>@' ||

'twcservice.mybluemix.net' ||

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'/api/weather/v1/geocode/' ||

trim(char(cast(a.lat as decfloat))) || '/' ||

trim(char(cast(a.lon as decfloat))) || '/' ||

'observations.json?language=ja-JP&units=m',''),

'$'

COLUMNS( OBSERVATION VARCHAR(100) CCSID 1208 PATH '$.observation.wx_phrase',

FEELS_LIKE VARCHAR(100) CCSID 1208 PATH '$.observation.feels_like')

) AS X

WHERE storeid = 1

OR storeid = 3;

これらの列(trim(char(cast)(a.lat as decfloat))))は、DB2 上の列のフォーマットとデータ・タ

イプにかかわらず、Web サービスにより必要とされるフォーマットとデータ・タイプに⼀致するように変

換しています。 API 呼び出しでは、パスに含まれる⽂字列(URI)として使⽤されます。

下図は、ACS SQL エディタを使って、SQL リクエストから現在の気象データを取得しています。

注意:Bluemix の Weather Company Data サービスのプラン(無料、基本、標準、または、プレミアム)

には、呼び出し回数の制限があります。 SELECT ステートメントによって返される⾏の数と実⾏するリク

エストの数に応じて、プランを切り替える必要があります。

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例 3: DB2 for i から今後 3 ⽇間の予報気象データの取得(DB2 テーブルと内部結合)

JSON_TABLE 関数は、JSON オブジェクトに埋め込まれた配列要素を使⽤して複数の⾏を取得できます。

ネストされた列の定義が JSON_TABLE 関数で使⽤されます。

現在の⽇から今後 3 ⽇間の天気予報を取得するために JSON_TABLE 関数を使⽤します。

Weather Company Data API のウェブサイトでテストをすると、以下のように現在の⽇から今後 3 ⽇

間の予報データが JSON 構造で表⽰されます。

{

"metadata": {

・・・

},

"forecasts": [ <- “forecasts” = ⽇のテーブル

{ <- 1⽇⽬(現在の⽇)

"class": "fod_long_range_daily",

"expire_time_gmt": 1501723639,

"fcst_valid": 1501711200,

"fcst_valid_local": "2017-08-03T07:00:00+0900",

"num": 1,

"max_temp": 28,

"min_temp": 22,

"torcon": null,

"stormcon": null,

"blurb": null,

"blurb_author": null,

"lunar_phase_day": 10,

"dow": "⽊曜",

"lunar_phase": "凸型⽉",

"lunar_phase_code": "WXG",

"sunrise": "2017-08-03T04:50:15+0900",

"sunset": "2017-08-03T18:43:34+0900",

"moonrise": "2017-08-03T15:10:04+0900",

"moonset": "2017-08-03T00:54:08+0900",

"qualifier_code": null,

"qualifier": null,

"narrative": "⼤体曇り。 最⾼気温 27〜29℃、最低気温 21〜23℃。",

"qpf": 0,

"snow_qpf": 0,

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"snow_range": "",

"snow_phrase": "",

"snow_code": "",

"night": {・・・}, <- “night” = 1 ⽇⽬の夜間

"day": {・・・} <- “day” = 1 ⽇⽬の

⽇中

},

{} <- 2 ⽇⽬

{} <- 3 ⽇⽬

{} <- 4 ⽇⽬

]

}

ある⽇の⽇中のデータを⾒ると、店舗ごとに表⽰したいデータを確認することができます。これらを

JSON_TABLE 関数の COLUMNS セクションに宣⾔する必要があります。

・・・

"night": {・・・}

"day": {

"fcst_valid": 1501711200,

"fcst_valid_local": "2017-08-03T07:00:00+0900", <- ⽇付

"day_ind": "D",

"thunder_enum": 0,

"daypart_name": "今⽇",

"long_daypart_name": "⽊曜",

"alt_daypart_name": "今⽇",

"thunder_enum_phrase": null,

"num": 1,

"temp": 28, <- 気温

"hi": 30,

"wc": 25,

"pop": 10,

"icon_extd": 2800,

"icon_code": 28,

"wxman": "wx1200",

"phrase_12char": "",

"phrase_22char": "",

"phrase_32char": "⼤体曇り", <- 気象観測

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"subphrase_pt1": "",

"subphrase_pt2": "",

"subphrase_pt3": "",

"precip_type": "rain",

"rh": 69,

・・・

}

・・・

リスト 3 では、JSON_TABLE の COLUMNS/NESTED セクションで、JSON テーブル forecastsを宣⾔

しています。 JSON_TABLE 関数は、JSON テーブル forecasts の要素を 1 ⾏ずつ返します。 各⾏には、

day.fcst_valid_local、day.phrase_32char、day.temp の 3 つのフィールドを含みます。

リスト 3. DB2 テーブル上の店舗ごとの現在の⽇と今後 3 ⽇間の天気予報の取得

SELECT storeid, name, city, country, lat, lon,

SUBSTR(dailydate, 1, 10) as "Date", DAILYOBS, DAILYTEMP

FROM storebot.store A,

JSON_TABLE(

SYSTOOLS.HTTPGETCLOB('https://<username>:<password>@' ||

'twcservice.mybluemix.net' ||

'/api/weather/v1/geocode/' ||

'/' || trim(char(cast(a.lat as decfloat))) ||

'/' || trim(char(cast(a.lon as decfloat))) ||

'/forecast/daily/3day.json?language=ja-JP&units=m',''),

'$'

COLUMNS(

NESTED '$.forecasts[*]'

COLUMNS ( DAILYDATE VARCHAR(22) CCSID 1208 PATH '$.day.fcst_valid_local' ,

DAILYOBS VARCHAR(22) CCSID 1208 PATH '$.day.phrase_32char' ,

DAILYTEMP VARCHAR(10) CCSID 1208 PATH '$.day.temp'

)

)

) AS X

WHERE storeid = 1 OR storeid = 3;

forecasts テーブルに 4 つの要素(今⽇+今後 3 ⽇間)があるため、店舗ごとに 4 つの⾏が JOIN され

ます。

下図は、ACS SQL エディタを使って、SQL リクエストから選択された⾏ごとの今後 3 ⽇間の天気予報

を取得しています。

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結果は、店舗ごとに、Weather Company Data サービスからの⽇付、気象観測、気温の列に加えて、

storebot.store テーブルの列が表⽰されています。

【さいごに】

httpGetCLOB SQL 関数と JSON_TABLE 関数を組み合わせることで、簡単に REST Web サービスから

データを取得、解析し、JSON データを既存の DB2 for i のリレーショナル・データと結合することができ

ます。 SQL が標準データベース照会⾔語であるため、プログラム(RPG、PHP、Node.js など)や、IBM DB2

Web Query for i のレポートでこの SQL ステートメントを使うことができます。

ぜひ、この機能を活⽤し、IBM i アプリケーションのモダナイゼーションを実現し、API の統合によるデ

ジタル・トランスフォーメンションを加速させましょう!

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参考リンク:

Bluemix: Weather Company Data サービス

Weather Company Data 概説

https://console.bluemix.net/docs/services/Weather/index.html

Weather Company Data For IBM Bluemix APIs

https://twcservice.mybluemix.net/rest-

api/?cm_mc_uid=81478551559714997462754&cm_mc_sid_50200000=

httpGetCLOB function

Accessing web services: Using IBM DB2 for i HTTP UDFs and UDTFs

https://www-

356.ibm.com/partnerworld/wps/servlet/ContentHandler/stg_ast_sys_wp_access_web_service_

db2_i_udf

JSON_TABLE function

The powerful JSON_TABLE function: Utilize JSON information with IBM DB2 for i

https://www.ibm.com/developerworks/ibmi/library/i-json-table-trs/index.html

JSON_TABLE in DB2 for i SQL Reference

https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/ssw_ibm_i_73/db2/rbafzscajsontable.htm

このインターネット・セミナーは、「Join IBM DB2 for i table with IBM Bluemix Weather web service

record set」の記事をもとに⽇本語版を作成しています。

Join IBM DB2 for i table with IBM Bluemix Weather web service record set

https://www.ibm.com/developerworks/ibmi/library/i-DB2-i-table-Bluemix-trs/

本資料は、正式なレビューを受けたものではなく、資料作成者の独⾃の⾒解を反映したものです。情報

提供の⽬的のみで提供されています。本資料に含まれている情報については、完全性と正確性を期するよ

う努⼒しましたが、「現状のまま」提供され、明⽰または暗⽰にかかわらずいかなる保証も伴わないものと

します。本資料またはその他の資料の使⽤によって、あるいはその他の関連によって、いかなる損害が⽣

じた場合も、IBM は責任を負わないものとします。

本資料で⾔及している製品リリース⽇付や製品機能は、市場機会またはその他の要因に基づいて IBM 独

⾃の決定権をもっていつでも変更できるものとし、いかなる⽅法においても将来の製品または機能が使⽤

可能になると確約することを意図したものではありません。

(2017 年 8⽉公開)