12
22 成果目標指標値の動向 3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画 Ⅲ.安心・安全な交通の確保 平成18年度の主な取り組み 平成19年度の主な取り組み 平成17年度実績値 平成17年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値 0.78人/億台キロ 減少 0.72人/億台キロ 減少 ※1億台キロあたり交通事故死者数を指標とします。 北海道の交通事故死者数は、平成17年に引き続き平成18年も全国ワースト1を回避することができ ました。しかし、過去10年間でみると、2位の愛知県、3位の千葉県を大きく引き離しており、正面衝突対 策をはじめとする重大事故対策を継続して実施していく必要があります。 ①【目標5 】 道路交通の安全性を向上します。 (2)成果目標ごとの指標値の動向と主な取り組み 【指標6:交通事故死者率】 1.18 0.93 0.92 0.78 0.72 0 0.3 0.6 0.9 1.2 1.5 H14 H15 H16 H17 H18 H19 (人/億台キロ) 目標値 実績値 達成 □交通事故死者率を着実に削減 平成18年度は、昨年度に引き続き、平成9~13年までの5 年間で年平均1人以上の死者が出ている道道・国道区間を 中心に、ランブルストリップスを約440km整備するなど、正面 衝突対策を重点的に実施しました。 また、事故危険箇所14箇所において交差点改良等の交通 安全対策を実施するとともに、あんしん歩行エリアについて は対策着手率89%と昨年の83%から上昇しました。 その結果、交通事故死者率は0.78人/億台キロから0.72人 /億台キロとなり、目標を達成することができました。 平成19年度も多発している市町村道の死傷事故の抑制、 正面衝突事故対策など死亡事故対策を推進し交通事故死 者率の削減を図ります 対策内容・対象道路 事業名(箇所名) 平成18年度の 主な供用 中央分離帯設置 ・国道237号上富良野町草分 など ランブルストリップス ・国道38号富良野市東山 ・国道275号深川市鷹泊 など 事故危険箇所対策(重点的に対策を講じる区間) 計14箇所 約17km設置(国道) 正面 衝突 対策 約205km設置(国道) 約235km設置(道道) あんしん歩行エリアにおける事故対策の推進 計30箇所 事故危険箇所対策(重点的に対策を講じる区間) ・国道242号遠軽町豊原 ・国道240号釧路市阿寒町 など ・国道5号八雲町落部 ・国道274号むかわ町福山 など ランブルストリップス 中央分離帯設置 約18km設置(国道) 正面 衝突 対策 約123km設置(国道) 約150km設置(道道) あんしん歩行エリアにおける事故対策の推進 平成19年度の 主な供用予定 事業名(箇所名) 対策内容・対象道路 国道・道道におけるランブルストリップス累計設置延長の推移 資料:北海道開発局調べ 361.9 566.5 239.5 3.9 39.2 116.3 806 4 365.9 0 200 400 600 800 1000 H14 H15 H16 H17 H18 累計設置延長(Km) 道道 国道 ランブルストリップス整備状況 資料:北海道開発局調べ ※H19.3月末時点 写真 ランブルストリップス ※【あんしん歩行エリア】 歩行者及び自転車利用者の安全な通行を確保するため緊急に対策が必要な住居系地区 又は商業系地区のこと。全国で796箇所指定され、そのうち北海道では18箇所が指定。 ※【事故危険箇所】 死傷事故率が高く、または死傷事故が多発している交差点や単路のこと。平成15 年に全国で3,956箇所が指定され、そのうち北海道では118箇所が指定。

(2)成果目標ごとの指標値の動向と主な取り組み …22 成果目標指標値の動向 3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画 Ⅲ.安心・安全な交通の確保

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22

成果目標指標値の動向

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

平成18年度の主な取り組み 平成19年度の主な取り組み

平成17年度実績値 平成17年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値

0.78人/億台キロ 減少 0.72人/億台キロ 減少

※1億台キロあたり交通事故死者数を指標とします。

北海道の交通事故死者数は、平成17年に引き続き平成18年も全国ワースト1を回避することができました。しかし、過去10年間でみると、2位の愛知県、3位の千葉県を大きく引き離しており、正面衝突対策をはじめとする重大事故対策を継続して実施していく必要があります。

①【目標5 】 道路交通の安全性を向上します。

(2)成果目標ごとの指標値の動向と主な取り組み

【指標6:交通事故死者率】

1.18

0.93 0.92

0.78 0.72

0

0.3

0.6

0.9

1.2

1.5

H14 H15 H16 H17 H18 H19

(人/億台キロ)

目標値 実績値

達成

□交通事故死者率を着実に削減平成18年度は、昨年度に引き続き、平成9~13年までの5

年間で年平均1人以上の死者が出ている道道・国道区間を中心に、ランブルストリップスを約440km整備するなど、正面衝突対策を重点的に実施しました。

また、事故危険箇所14箇所において交差点改良等の交通安全対策を実施するとともに、あんしん歩行エリアについては対策着手率89%と昨年の83%から上昇しました。

その結果、交通事故死者率は0.78人/億台キロから0.72人/億台キロとなり、目標を達成することができました。

平成19年度も多発している市町村道の死傷事故の抑制、正面衝突事故対策など死亡事故対策を推進し交通事故死者率の削減を図ります

対策内容・対象道路事業名(箇所名) 平成18年度の

主な供用

中央分離帯設置・国道237号上富良野町草分

など

ランブルストリップス・国道38号富良野市東山・国道275号深川市鷹泊

など

事故危険箇所対策(重点的に対策を講じる区間) 計14箇所

約17km設置(国道)正面衝突対策 約205km設置(国道)

約235km設置(道道)

あんしん歩行エリアにおける事故対策の推進

計30箇所事故危険箇所対策(重点的に対策を講じる区間)

・国道242号遠軽町豊原・国道240号釧路市阿寒町

など

・国道5号八雲町落部・国道274号むかわ町福山 など

ランブルストリップス

中央分離帯設置 約18km設置(国道)正面衝突対策 約123km設置(国道)

約150km設置(道道)

あんしん歩行エリアにおける事故対策の推進

平成19年度の主な供用予定

事業名(箇所名)対策内容・対象道路

図 国道・道道におけるランブルストリップス累計設置延長の推移

資料:北海道開発局調べ

361.9

566.5

239.5

3.9 39.2116.3

806

4

365.9

0

200

400

600

800

1000

H14 H15 H16 H17 H18

累計設置延長(Km)

道道

国道

図 ランブルストリップス整備状況

資料:北海道開発局調べ

※H19.3月末時点

写真 ランブルストリップス

※【あんしん歩行エリア】

歩行者及び自転車利用者の安全な通行を確保するため緊急に対策が必要な住居系地区

又は商業系地区のこと。全国で796箇所指定され、そのうち北海道では18箇所が指定。

※【事故危険箇所】

死傷事故率が高く、または死傷事故が多発している交差点や単路のこと。平成15

年に全国で3,956箇所が指定され、そのうち北海道では118箇所が指定。

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23

73

3728

80

20

40

60

80

整備前(2年間) 整備後(2年間)

正面衝突事故件数

正面衝突事故死者数

事故件数(件)

※死者数(人)

死傷事故率や正面衝突事故等の死亡事故に繋がりやすい重大事故率が高い区間を中心に事故対策事業を実施しています。北海道では重大事故率が30件/億台キロ以上の区間は全体の約3%程度であり、その僅かな区間を中心に優先的に対策を実施しています。

□死傷事故率、重大事故率の高い区間に対し、優先的に対策を実施

□正面衝突などの重大事故の削減に向け、ランブルストリップスを計画的・継続的に整備

「交通事故の削減」に向けた重点化の取り組み

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

※重大事故率とは、正面衝突事故、工作物衝突事故、路外逸脱事故の3つの何れかに対する死傷事故率(件/億台㌔)

図 区間別 重大事故率と事故対策関連事業の関係

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

重大

事故

率(件

/億

台㌔

上位約上位約3%3%区間区間(790区間/全22,053区間中)

国道40号稚内市潮見交差点改良 ■事故対策関連事業実施区間

重大事故率30件/億台キロ

国道232号留萌市元川交差点改良

国道242号置戸町北光中央帯

国道230号留寿都村留寿都交差点改良

重大事故率の高い上位区間を中心に重大事故率の高い上位区間を中心に

事故対策事業を実施しています。事故対策事業を実施しています。

区 間 資料:(財)交通事故総合分析センター「交通事故統計データ」(H13~H16)を基に作成

資料:(独)土木研究所寒地土木研究所資料を基に作成

■事故対策の代表事例~国道232号留萌市元川交差点改良

写真 懇談会の様子

一般国道233号の「元川町交差点」は、国道231号・232号・233号および市道早道通りが接続するため交通量が多く、変則的な形状となっているため、交通事故の多発地点となっていました。このため、地元町内会、自治会、トラック協会などの道路利用者や道路管理者などで構成する懇談会を開催(2回)し、交通安全対策について検討し、交差点改良を実施しました。

【懇談会において検討された主な改良】・複雑な交差点形状をT字型交差点にしてシンプルな形状に変更・中央分離帯を設置し、安全性を向上・地下歩道の改修・交差点改良に伴う緑地の整備・横断歩道の新設

写真 整備前後の地下歩道

図 整備前後の交差点形状

図 ランブルストリップス整備前後の正面衝突事故件数と死者数

約5割削減

約7割削減

※平成14~16年にランブルストリップスを設置した区間を対象

死傷事故率、正面衝突事故発生件数等を勘案し、重要度の高い箇所から対策を講じており、平成18年度はランブルストリップスを約440km(国道:約205km、道道:約235km)の整備を行いました。また、多車線区間やランブルストリップス整備が困難な区間については中央分離帯整備(約17km)を行いました。

その結果、例えば平成14~16年のランブルストリップス設置区間(一般国道:60箇所、延長108km)では、正面衝突事故の事故件数が約5割削減、死者数にいたっては約7割の削減を図っています。平成19年度も引き続きこれら正面衝突事故対策を実施していきます。

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24

0

20

40

60

80

100

120

140

H14 H15 H16 H17 H18 H19

(箇所)

札幌市

北海道

開発局

事故危険箇所:118箇所(当初)

事故危険箇所:51箇所(H18)≒6割完了

事故危険箇所対策の実施

0.99 1.00

0.911.00

0.97

1.00

0.80

0.85

0.7

0.8

0.9

1.0

1.1

H14 H15 H16 H17

管内全体 事故危険箇所

やや減少

減少

平成15年に死傷事故が多発する箇所、管内では交差点22箇所、単路部3区間を「事故危険箇所」に指定し、事故対策を重点的に実施してきました。その結果、管内全体の事故減少割合に比べ、事故危険箇所の

方が大きくなっており、対策の効果が発現していると考えられます。

□事故危険箇所の対策を継続的に実施

写真 対策事例 R234 岩見沢市志文

図 札幌開発建設部管内の死傷事故件数の推移(H14の件数を1とした場合の伸び率)

・右折車と直進車の混在による追突事故の多発

・右折レーン新設・滑り止め舗装の敷設

対策前 対策後

資料:交通事故マッチングデータ

■事故危険箇所対策の代表事例~札幌開発建設部管内

※事故危険箇所とは・・・死傷事故率が高く、または死傷事故が多発している交差点や単路のことで、平成

15年に全国で3,956箇所が指定され、そのうち北海道では118箇所が指定されました。

資料:北海道開発局調べ

図 事故危険箇所の未対策箇所数の推移

死傷事故率(H11~H17年)

凡  例

1.0以上~50.0未満

50.0以上~75.0未満

75.0以上

死傷事故なし

図 北海道内の事故危険箇所とあんしん歩行エリア

道路管理者と警察の協働による取り組み

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

凡  例

事故危険箇所(118箇所)

あんしん歩行エリア(18箇所)

対策完了箇所

未対策箇所

「事故危険箇所」において北海道警察などと連携して事故対策を

重点的に進めています。平成18年度は14箇所の対策を完了し、平

成19年度にはさらに30箇所の対策を完了する予定です。

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25

成果目標指標値の動向

平成18年度の成果 平成19年度の計画

対策内容 平成18年度の通行規制解除と事業箇所

落石・土砂崩落対策

・規 制 解 除:国道229号積丹町草内(L=1.0km)

・規制基準緩和:国道334号斜里町ウトロ西

国道453号恵庭市奥漁

・国道39号上川町層雲峡などで対策実施

近年発生した災害対策

・国道333号佐呂間防災(事業実施中)

・国道242号千代田大橋架替(事業実施中)

・国道229号積丹防災(事業実施中)

・国道230号虻田インター関連(事業実施中)

対策内容 平成19年度の通行規制解除予定と事業箇所

落石・土砂崩落対策・規制基準緩和:国道39号上川町層雲峡(50mm→100mm)

・国道336号様似町冬島などで対策実施

近年発生した災害対策

・国道333号佐呂間防災(事業実施中)

・国道242号千代田大橋架替(事業実施中)

・国道229号積丹防災(事業実施中)

□「通行規制区間の箇所数および延長」は着実に削減

通行が規制された場合に孤立する地域がある箇所、大きく迂回しなければならない箇所などを重点的に対策を実施し、着実に通行規制区間の解除を進めています。

平成18年度においても、1箇所を解除することができました。平成19年度も引き続き自然災害による交通障害を改善するため防災事業を推進し、通行規制区間の箇所数、延長の削減を図ります。

なお、平成19年度は道東自動車道(トマムIC~十勝清水IC)の供用により、特殊通行規制区間である国道247号日勝峠を迂回できるようになり、自然災害による交通障害の改善に寄与します。

◆◆通行規制区間と特殊通行規制区間とは?通行規制区間と特殊通行規制区間とは?

通行規制区間:異常気象時に被害が発生する恐れのある

地域で、事前に規制の基準を定めて(雨量等)通行規制を行う箇所のことです。

特殊通行規制区間:パトロール等により、気象や現地の状況等

から判断して危険が予想される時、事前通行規制を行う箇所のことです。

図 北海道における道路通行規制区間図(H18年度)

高規格幹線道路

国道

通行規制区間(19箇所)

特殊通行規制区間(14箇所)

平成17年度実績値 平成18年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値

20箇所

157.5km

19箇所

156.5km

19箇所

156.5km

16箇所

131.3km

※通行規制区間の箇所数および延長を指標とします。

【指標7:通行規制区間の箇所数および延長】

24 24

22

2019

16

165.2 165.2162.7

157.5

131.3

156.5

15

20

25

30

H14 H15 H16 H17 H18 H19

(箇所)

110.0

130.0

150.0

170.0

(km)

目標値 実績値

達成達成

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

大雨などの際、通行者の安全性を確保するために行う通行規制により大きな迂回を伴うことがあります。そのため、通行規制区間の規制基準の緩和・解除に向けた取り組みを実施し、自然災害による交通障害を改善します。

②【目標6 】 自然災害による交通障害を改善します。

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26

35100 79

27 46

351123

79

153

231

386

301

27 46

0

100

200

300

400

500

H14 H15 H16 H17 H18

(日)

図 通行規制区間の解消、緩和箇所位置図

国道229号積丹町草内(L=1.0㎞)規制解除

国道334号斜里町ウトロ西(L=17.7㎞)規制基準緩和

国道453号恵庭市奥漁(L=12.0㎞)規制基準緩和

国道39号上川町層雲峡(L=19.2㎞)規制基準緩和

H18規制解除・緩和箇所

H19規制解除・緩和箇所

□通行規制回数の多い箇所について優先的に対策・・・通行規制区間を解消、緩和

通行規制回数が多く、通行規制により地域が孤立する可能性が高い区間から対策を講じており、平成18年度は一般国道

229号積丹町草内の1.0km区間の通行規制区間を解除しました。また、国道334号斜里町ウトロ西(L=17.7㎞) 、国道453号恵

庭市奥漁(L=12.0㎞) について規制基準緩和を行いました。これらの取り組みにより、近年通常時における通行規制時間は減少傾向にあります。

余市町

古平町

積丹町

神恵内村

泊村 仁木町

229

積丹町草内~神崎間

雨量80mm以上、落石(1.0km)

【H18.4解消】

余市町潮見~豊浜間

雨量80mm以上、落石、洗掘、雪崩(1.4km)

【H12.12解消】

古平町沖町~歌棄間

雨量80mm以上、落石、洗掘、雪崩(2.2km)

【H16.2解消】

古平町チャラセナイ~沖町間

落石、雪崩(1.1km)

【H12.10解消】

余別工区:西河トンネルH18供用 祈石工区:兜トンネルH18供用 祈石工区:魚谷大橋、弁財澗大橋、祈石大橋H19供用

□5つの工区で順調に事業が進捗

■防災対策事業の代表事例~国道229号積丹防災

図 土砂崩れによる通行規制時間の経年変化

国道333号北陽土砂崩落

国道336号えりも町斜面崩落

国道240号津別町土砂崩落の恐れ

※通行止め時間を日換算したもの

自然災害による交通障害改善に向けた重点化の取り組み

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

Page 6: (2)成果目標ごとの指標値の動向と主な取り組み …22 成果目標指標値の動向 3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画 Ⅲ.安心・安全な交通の確保

27

0

100

200

300

400

500

S57

S58

S59

S60

S61

S62

S63

H元 H2

H3

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

(km)

通行規制区間の解消に向け重点的に防災対策事業を進めており、対策が必要な箇所数は、平成8年から着実に減少して

きています。これに伴い、大雨や異常気象時において通行止めとなる通行規制区間の延長数も減少し、通行止め回数の減

少や、通行止めを未然に防いでいます。

資料:北海道開発局調べ

図 通行規制区間延長の推移

緊急輸送道路は、大規模地震時における救助・救援活動や緊急物資輸送のために極めて重要で、耐震補強を行っておく

ことが必要です。このため、平成7年の兵庫県南部地震等での橋梁被災実態を踏まえ、特に優先的に耐震補強が必要な橋

梁について、国と北海道が連携を図りながら、耐震補強3箇年プログラム(平成17~19年度)に基づき、重点的に対策を進

めています。 進捗見込みについて、このアドレス(http://www.mlit.go.jp/road/bosai/taisin/taisin.html)でご確認頂けます。

計画的に緊急輸送道路の橋梁の耐震補強を実施

S57年度57箇所約471km

H18年度33箇所約313km

図 橋脚の耐震補強の実施例

図 北海道緊急輸送道路網 ◆◆緊急輸送道路とは?緊急輸送道路とは?大規模地震等の災害時における救助・救援活動や緊急物資輸送のために極めて重要な役割を担った路線のことで、その重要度に応じて第一次~第三次まで区分されています。

通行規制区間を中心とした防災対策により、通行規制区間延長も着実に削減

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

コンクリート

鉄 筋

■国道36号北広島市島松沢橋(H18対策完了)

規制区間延長(通行規制区間)

規制区間延長(特殊通行規制区間)

Page 7: (2)成果目標ごとの指標値の動向と主な取り組み …22 成果目標指標値の動向 3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画 Ⅲ.安心・安全な交通の確保

28

成果目標指標値の動向

平成18年度の成果 平成19年度の計画

対策内容 平成18年度の通行規制解除と対策箇所

雪崩対策 ・規制解除:国道333号上川町上越

地吹雪対策 ・国道238号雄武町など8箇所で対策完了

対策内容 平成19年度の通行規制解除予定と対策箇所

雪崩対策 ・沼田町字北竜など

地吹雪対策 ・沼田町字北竜など

□雪崩が理由となっている通行規制区間および特殊通行規制区間について着実に事業継続中

雪崩が理由となっている通行規制区間および特殊通行規制区間について着実に事業を進めています。これにより、平成18年度は、一般国道333号上川町(L=14.4km)の特殊通行規制区間1箇所を解除しました。

□地吹雪対策が必要な箇所についても着実に事業継続中

地吹雪対策が必要な箇所は平成17年度末で106箇所ありましたが、平成18年度中に8箇所の整備を終え、残り98箇所とすることができました。平成14年度の147箇所から約33%の事業が完了しました。

平成17年度実績値 平成18年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値

通行規制区間6箇所

特殊通行規制区間11箇所

通行規制区間6箇所

特殊通行規制区間10箇所

通行規制区間6箇所

特殊通行規制区間10箇所

通行規制区間5箇所

特殊通行規制区間9箇所

平成17年度実績値 平成18年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値

106箇所 98箇所 98箇所 90箇所

※雪崩が理由となっている通行規制区間および特殊通行規制区間の箇所数を指標とします。

※平成8年度に実施した防災点検における地吹雪対策が必要な箇所数を指標とします。

【指標8:雪崩が理由となっている通行規制区間および特

殊通行規制区間の箇所数】

11 11 11 1110

9

7 76 6

5

6

0

3

6

9

12

15

H14 H15 H16 H17 H18 H19

(箇所)

目標値 実績値

達成

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

北海道は、約5ヶ月間の降雪期間があり、その特有の気象は道路交通に大きな影響を及ぼします。そのため、安全で確実な冬期交通を確保するための取り組みを実施し、冬期における交通障害を改善します。

③【目標7 】 冬期における交通障害を改善します。

【指標9:地吹雪対策が必要な箇所数】

147

137

124

106

9098

98

40

60

80

100

120

140

160

180

H14 H15 H16 H17 H18 H19

(箇所)

目標値 実績値

達成

特殊通行規制区間の箇所数

通行規制区間の箇所数

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29

国道333号上川町(L=14.4㎞)規制解除

H18規制解除・緩和箇所【整備前】

【整備後】

図 雪崩・地吹雪による通行規制区間および特殊通行規制区間の通行規制回数と対策箇所位置図

□地吹雪対策箇所の削減と通行規制区間を解消、緩和

平成18年度は地吹雪対策を進め、国道238号など8箇所で対策を完了しました。また、国道333号上川町の雪崩対策も完

了し、通行規制が解除されました。平成19年以降も通行規制区間の解消、緩和に向け取組んでいきます。

冬期交通障害の改善に向けた取り組み

国道40号稚内市更喜苫内地区においては、地吹雪に伴う視程障害で、地域の孤立が発生しています。そこで、「地吹雪を克服し、現況の道路空間を 大限に活用したハイパフォーマンスな道路をいかに創造するか」をテーマとして、北海道らしく冬期交通障害に強い道路整備について検討を開始しました。

検討は地域住民や学識経験者、道路管理者などで構成するワークショップ形式で実施し、平成19年度の事業展開や今後の工事計画などについて検討・実施しました。

資料:北海道開発局調べ 防雪柵を整備することによって、地吹雪による視程障害を防ぐ取り組みを引き続き行います。

写真 地吹雪による視程障害と防雪柵の整備

■冬期交通障害対策の代表事例~更喜苫内防雪事業

管理用通路

本線

付加車線

現道利用

防雪帯林幅 20m

7.00

W=20.50

1.75 1.753.50 3.50 3.00

C�L

図 断面図イメージ図 更喜苫内防雪のゆずり車線のイメージ

図 宗谷地方吹雪の広域情報実験ホームページまた、平成18年度は宗谷地方を中心に、地吹雪等による交通障害の影響を低減させるため、ホームページ上で、視界や気象情報を提供する実験を行いました。平成19年度も 「宗谷地方吹雪の広域情報提供社会実験」について、実験効果の検証を行うとともに、本格運用を目指した取り組みを進めます。

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

※冬期要因規制の原因が積雪、路面凍結、吹雪、雪崩(の恐れ)によるもの。

H20規制解除・緩和予定箇所

国道336号様似町(L=8.0㎞)規制緩和予定

国道336号えりも町(L=8.2㎞)規制緩和予定

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「雪みちプロジェクト」では、利用者のニーズの高い都市内を中心としたツルツル路面対策による冬期渋滞の削減やスリップ事故・歩行者転倒事故の削減、郊外を中心とした降雪や吹雪による通行止めの解消や視程障害事故の削減などを重点的に取り組んでいます。また、冬期渋滞の損失時間のモニタリングを試行し、更なる効率的・効果的な雪みち環境改善を目指します。

図 「雪みちプロジェクト」において重点的に取り組む対策

都市内

つるつる路面対策

・冬期渋滞の解消・交通事故の削減・歩行者転倒事故の削減 等

郊 外

吹雪対策

・通行規制や通行止めの防止・冬期不通区間の解消・定時性の確保・運転の不安感の解消 等

観 光

振興対策

・冬期観光の一助・親雪イベント・雪利用による地域活性化・沿道景観への配慮

「雪みち計画」のURL:http://www.hkd.mlit.go.jp/zigyoka/z_doro/yukimichi/index.html

図 都市内におけるツルツル路面対策の取り組み事例函館市の市電、バスなどに掲示した啓発ポスター(B3版)

郊外部、都市部における冬期交通対策も推進

ポスター等を利用して、つるつる路面転倒事故軽減に向けた啓発活動を継続しています。

□「雪みちプロジェクト」により重点的な取り組みの推進

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

図 凍結防止剤の散布による路面管理の効率化と強化

緊急ダイヤル:凍結防止剤散布要請と車道除雪に係わる苦情件数(12月~3月)

7355 9 2

0

200

400

600

800

1,000

H17年度 H18年度

件数

散布

グルービング(溝切り)

散布 散布

中央分離帯

車道

車道

水 水

水 水

中央分離帯

車道

車道

水 水

水 水

水 水

グルービンググルービング

交差点や坂道・カーブなど、注意すべき箇所における凍結防止剤重点散布のさらなる拡大を実施しています。平成17年度は16路線で実施しており、平成18年からは全路線で試行することとしました。

また、凍結防止剤重点散布と滑り止め舗装やグルービング(溝切り)をあわせた路面対策を図ることで、凍結防止剤の散布量の削減を図っています。その結果、車道除雪にかかわる苦情件数も減少しています。

対策前

対策後

凍結防止剤の重点散布を拡大し、一層の重点化と滑り止め舗装を用いた冬期路面管理の強化

試行路線において交差点や坂道、カーブ等危険と思われる 区間に重点散布

重点散布の全路線拡大とグルービングの組合せによる冬期路面対策

実施前

実施後

図 凍結防止剤散布要請と車道除雪に係わる苦情件数

図 グルービングによる路面管理のイメージ

□凍結防止剤の重点散布とグルービングによる路面管理の効率化

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交差点除排雪強化は、札幌市内の冬期渋滞緩和を目指し、平成16年度から路肩の除排雪を重点的に実施しており、雪山の高さを1m未満とすることで視認性を確保し、交差点通過時間の短縮を目指すものです。

交差点の除排雪方法は、当初、各流入部の上

下線の雪堤を除去する方法をとっていましたが、

コスト縮減のため流入方向左側のみの強化とし

ています。

その結果、除排雪前後の日 大渋滞長、日平

均旅行速度の変化をみると、全ての地点におい

て渋滞長の減少、速度の向上が見られました。

至 都心至 江別

対象交差点

除排雪強化区間L=200m

除排雪強化区間L=340m

最大:最大:950m950m

最大:最大:200m200m 79%79%削減削減

最大:最大:360m360m

最大:最大:200m200m11%11%削減削減

至 都心至 江別

対象交差点

除排雪強化区間L=200m

除排雪強化区間L=340m

最大:最大:950m950m

最大:最大:200m200m 79%79%削減削減

最大:最大:360m360m

最大:最大:200m200m11%11%削減削減

4.7km/向上

2.7km/向上

朝ラッシュ時

夕ラッシュ時

朝ラッシュ時の速度は朝ラッシュ時の速度は10.010.0km/hkm/h→→15.8km/h15.8km/h

朝ラッシュ時都心向きで大きな効果

図 H18年度実施箇所の効果(H18追加地点の例:国道12号×環状通交差点)

図 除排雪強化箇所の取り組みイメージ

日 大渋滞長:排雪前

日 大渋滞長:排雪後

日平均旅行速度の変化

□交差点の除排雪を効率化、強化

大渋滞長の変化

300 250

300250

950

150

0

500

1,000

1,500

2,000

除雪前 除雪後

(m)

至 札幌市内

除雪前

旅行速度の変化

22.0 23.8

11.112.6

12.2

16.1

0.0

20.0

40.0

60.0

除雪前 除雪後

(km/h)

札幌

小樽

旭川

除雪後

至 札幌市内

札幌市、小樽市、旭川市において、交差点除排雪の効率化を試行的に行った結果、特に札幌市においては、 大渋滞長の減少、旅行速度の向上などの効果が見られました。

国道12号と札幌市環状通の交差点では

対策の効果が大きく発現し、朝ラッシュ時

の速度は10.0→15.8km/hと約6km/h向上

しました。

図 札幌市、小樽市、旭川市における 大渋滞長、旅行速度の変化

写真 除排雪強化箇所の除雪前と除雪後の比較

■除排雪効率化の試行事例~札幌市内

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

□試行交差点では効果が発現

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◆三大損傷とは?「疲労」、「塩害」、「アルカリ骨材反応」であり、放置することにより劣化が進行し、橋梁の安全性に影響を及ぼす可能性のある劣化要因

です。

成果目標指標値の動向

平成18年度の成果

□RC床版疲労41橋、塩害6橋の予防保全実施により目標は達成

予防保全で対応する対象橋梁数が平成17年度末時点で80橋ありました。

平成18年度には48橋の予防保全を実施したことで、予防保全率をそれぞれ、RC床版疲労99.3%、塩害94.5%、全体で98.3%となり、目標を大幅に達成することができました。

平成19年度の計画

対策内容 平成18年度の対策橋梁数

RC床版疲労対策 41橋梁

塩害対策 7橋梁

合計 48橋梁

対策内容 平成19年度の対策橋梁数

RC床版疲労対策 3橋梁

塩害対策 5橋梁

合計 8橋梁

写真 床版補修の実施例

床版下面へ鋼板設置

平成17年度実績値 平成18年度目標値 平成18年度実績値 平成19年度目標値

95.4% 95.8% 98.3% 98.7%

※国道で三大損傷が進行している橋梁における予防保全率を指標とします。

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

写真 塩害対策の実施例

国道39号網走市新橋(H18対策完了)

高度経済成長期に数多く作られた橋梁は今後急速に高齢化の時期を迎えます。予防的修繕を重点的に進めていくため、『橋梁の三大損傷』に着目し、橋梁の予防保全を進めていきます。

④【目標8 】 供用中道路の機能を維持します。

【指標10:三大損傷の予防保全率】

95.8%

94.9%95.4%

98.3%98.7%

90.0%

92.0%

94.0%

96.0%

98.0%

100.0%

H14 H15 H16 H17 H18 H19

目標値 実績値

達成

疲労 塩害 アルカリ骨材反応

重交通による繰り返し荷重により蓄積され、鋼部材であれば亀裂が生じ、RC床版であればひび割れが生じる損傷。

コンクリート中の鉄筋、PC 鋼材が、塩化物イオンの侵入により腐食し、コンクリートにひび割れや剥離が生じる損傷。

コンクリートの骨材に反応性の鉱物が含まれていた場合、コンクリート中のアルカリ性の水分と反応し、骨材が異常膨張して亀甲状のひび割れが生じる損傷。

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□三大損傷への対応および橋梁点検の実施

表 各損傷に対する予防保全率の実績と目標

図 耐震補強の実施状況

一般国道242号 池田町千代田大橋の被災状況

平成15年 十勝沖地震

平成18年度は、予防保全で管理する三大損傷80橋に対して、「RC床版

疲労」41橋および「塩害」7橋の補修を実施し、全体の予防保全率を98.3%

とすることができました。

12.0% 17.7%33.8%

65.1%

90.5%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H15 H16 H17 H18 H19

図 予防保全率の推移

図 耐震補強率の推移

供用中道路の機能を維持するための取り組み

震災による災害を未然に防ぐ取り組みを進めています。

ひび割れに対する注入工法

わだち掘れに対するパッチング工法

舗装についても同様に、長寿命材質アスファルトの使用による

延命化を図るとともに、ひび割れ等への局所的な補修を実施する

予防的修繕工法の試行を実施し、より少ない費用で舗装の機能

維持に努めていきます。

平成19年度も引き続き、三大損傷への対応をはじめとした供用

中の道路の機能維持を図ります。

□橋梁の耐震補強の実施

予防保全率は、既に100%近い保全率を達成していますが、耐震補強

率については、約7割とまだ道半ばの状態です。引き続き道路の長寿命

化に向けた対策を進めていきます。

□舗装の延命化・機能維持の実施

3.政策テーマごとの達成度報告と業績計画Ⅲ.安心・安全な交通の確保

H18実施橋梁数 H18実績 H19目標鋼製疲労 0 100% 100%

RC床版疲労 41 99.3% 99.6%塩害 7 94.5% 95.8%

アルカリ骨材 0 100% 100%合計 48 98.3% 98.7%

写真 部分的な維持補修の実施例

94.9% 95.4%

98.3% 98.7%

90%

92%

94%

96%

98%

100%

H16 H17 H18 H19

●H17以前に対策実施済み箇所

●H18年度対策実施箇所

●H19年度対策予定箇所