32
か ん き ょ う し ょ う こどもも、おとなも みんなつかえる!

みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

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Page 1: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

   環境省 大臣官房環境計画課企画調査室〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 TEL 03-3581-3351(代)http://www.env.go.jp/

発行

   株式会社ドゥ・アーバン〒153-0042 東京都目黒区青葉台2-21-6 TEL 03-5724-5921(代)制作

©2019 Ministry of the Environment, Government of Japan. All rights reserved.

環境省Ministry of the Environment

(平成31年1月発行)こども環境白書

か ん き ょ う し ょ う

こども環境白書

こどもも、おとなもみんなつかえる!

Page 2: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

1

はじめにもくじはじめに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1

わたしたちの未来は大だい

丈じょう

夫ぶ

?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2

世界の国々が力を合わせ、危き

機き

に立ち向かう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4

今、日本で何が起こっているのか‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

わたしたちの身のまわりの自然では何が起こっているの?‥‥‥‥‥‥ 8

豊ゆた

かな暮く

らしを続けるために‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10

持続可か

能のう

な社会に向けた地ち

域いき

づくり‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12

わたしたちのまわりにある地ち

域いき

の資し

源げん

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14

変わりつつあるわたしたちの暮く

らし方‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

地ち

域いき

づくりに向けたみんなの取組‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

ライフスタイルを変えよう!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22

みんなで取組を始めよう!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24

おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 26

この冊子の目的と使い方‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

 「こども環かん

境きょう

白書」は、環かん

境きょう

省しょう

が毎年作成する「環かん

境きょう

白書」を基もと

に、主に小学校高学年以上のみなさんに、今、起きている環

かん

境きょう

問題を分かりやすく理り

解かい

していただくために作られています。

環かん境きょう省しょうは日本のため、そして地球のため

に、様々な環かん境きょうの問題に対

たい応おうし、今の環

かん境きょう

を未来につなげるための仕事をしている国の機関です。

「環かん境きょう」って何?

空気、水、生き物、天気や気候・・・わたしたちの生活に関わり、わたしたちの周りに

あるもの、すべてが「環かん境きょう」です。環

かん境きょうは、みな

さんが安心して毎日を暮くらすために、とても大

切なものです。

「環かん境きょう省しょう」ってどんなとこ?Q Q

A A

本書を読む前に

これらはすべて「環境」!

かん きょう

学校で…

自分で…

家で…

step3

CO2

:次のステップに進む:step1にもどる

できることをstep4 学校や家、自分でできることを実行してみよう。

何ができるか こども環

かん境きょう白書からできることを探し

たり、周りの人と話し合ったりして、できることを考えてみよう。

え よ う考

 こども環かん境きょう白書で自分の暮

くらしが環

かん境きょう

問題につながっていることに気付く。

step1

!? ?

問題に づ こ う気 気付いた問題のことをこども環

かん境きょう白書

などで調べてみよう。

問題をよくstep2 べ よ う調

どんな環かん境きょう問題でも

この 4つのステップで取り組んでみるといいんだね!

何か新しいことに気付いたら step1 にもどってみよう!

環かん

境きょう

問題に取り組むための4つのステップ

Page 3: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

1

はじめにもくじはじめに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1

わたしたちの未来は大だい

丈じょう

夫ぶ

?‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 2

世界の国々が力を合わせ、危き

機き

に立ち向かう‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 4

今、日本で何が起こっているのか‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 6

わたしたちの身のまわりの自然では何が起こっているの?‥‥‥‥‥‥ 8

豊ゆた

かな暮く

らしを続けるために‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 10

持続可か

能のう

な社会に向けた地ち

域いき

づくり‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 12

わたしたちのまわりにある地ち

域いき

の資し

源げん

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 14

変わりつつあるわたしたちの暮く

らし方‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 16

地ち

域いき

づくりに向けたみんなの取組‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 18

ライフスタイルを変えよう!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 22

みんなで取組を始めよう!‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 24

おわりに‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 26

この冊子の目的と使い方‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 28

 「こども環かん

境きょう

白書」は、環かん

境きょう

省しょう

が毎年作成する「環かん

境きょう

白書」を基もと

に、主に小学校高学年以上のみなさんに、今、起きている環

かん

境きょう

問題を分かりやすく理り

解かい

していただくために作られています。

環かん境きょう省しょうは日本のため、そして地球のため

に、様々な環かん境きょうの問題に対

たい応おうし、今の環

かん境きょう

を未来につなげるための仕事をしている国の機関です。

「環かん境きょう」って何?

空気、水、生き物、天気や気候・・・わたしたちの生活に関わり、わたしたちの周りに

あるもの、すべてが「環かん境きょう」です。環

かん境きょうは、みな

さんが安心して毎日を暮くらすために、とても大

切なものです。

「環かん境きょう省しょう」ってどんなとこ?Q Q

A A

本書を読む前に

これらはすべて「環境」!

かん きょう

学校で…

自分で…

家で…

step3

CO2

:次のステップに進む:step1にもどる

できることをstep4 学校や家、自分でできることを実行してみよう。

何ができるか こども環

かん境きょう白書からできることを探し

たり、周りの人と話し合ったりして、できることを考えてみよう。

え よ う考

 こども環かん境きょう白書で自分の暮

くらしが環

かん境きょう

問題につながっていることに気付く。

step1

!? ?

問題に づ こ う気 気付いた問題のことをこども環

かん境きょう白書

などで調べてみよう。

問題をよくstep2 べ よ う調

どんな環かん境きょう問題でも

この 4つのステップで取り組んでみるといいんだね!

何か新しいことに気付いたら step1 にもどってみよう!

環かん

境きょう

問題に取り組むための4つのステップ

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2 3

実じっ

際さい

に起こっている地球の変化

わたしたちの未来は大だい

丈じょう

夫ぶ

? 人間活動の影

えい響きょうで、地球環

かん境きょうにはどのような変化が起きているのでしょうか。

地球温おん

暖だん

化か

 地球全体の平へい均きん気温が上がることを「地球温

おん

暖だん化か」といいます。地球温

おん暖だん化かが進むと、今ま

でにないレベルの猛もう暑しょや大雨などの異

い常じょう気象

が増ぞう加かするなど、世界中の自然や暮

くらしに様々

な影えい響きょうが出ます。

 2017年は、アジアで50℃を超こえる気温、カ

リブ海や大西洋で相次いで発生した記録破やぶり

のハリケーン、アフリカをはじめ世界中で数百万人に被

ひ害がいをおよぼした壊

かい滅めつ的てきな雨季の洪

こう水ずい、さらには東アフリカの絶

たえ間

まない干

かんばつ

など、世界各地で多くの異い常じょう気象が起こりました。

生物の絶ぜつ

滅めつ

 生命が地球に誕たん生じょうして以来、生物が大量に絶

ぜつ

滅めつする「大絶

ぜつ滅めつ」が5回あったと言われていま

す。現在は「第6の大量絶ぜつ滅めつ時代」と呼

よばれてお

り、過か去この大絶

ぜつ滅めつと比

くらべて絶

ぜつ滅めつの速度が速く、

その主な原げん因いんは人間の活動による影

えい響きょうである

と言われています。

森林の減げん

少しょう

 世界の陸地の面積の約3割わりを占

しめる森林が

徐じょ々じょに消えています。伐

ばっ採さいなどにより、1990

年からの25年間で、日本の面積の3.4倍にあたる約1億2,900万ヘクタールの森林が世界で減

げん

少しょうしています。

●ハリケーン「イルマ」があたえた壊かい滅めつ的てき被ひ害がい

資し

料りょう

:UN Photo/Rick Bajormas

●ライオン人間活動による生息地の減

げん少しょうなどが原

げん因いん

で、その数を減へらしている。

●森林伐ばっ採さいの様子

資し

料りょう

:熱帯林行動ネットワーク

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

 世界人口は70億人を突とっ

破ぱ

し、2050年には98億人に達すると予よ

測そく

されています。人口が増

えれば増ふ

えるほど、人間の活動による地球環かん

境きょう

への負ふ

担たん

が大きくなっていきます。わたしたちが大人になるころ、地球はどうなってしまうのでしょうか。そして、地球上に住んでいる人たちは、どうなってしまうのでしょうか。

 2015年、人間の活動が地球環かん境きょうにおよぼす影

えい響きょうを評

ひょう価かした研究が発表されました。この

研究では、地球環かん境きょうの維

い持じに不

ふ可か欠けつな9つの分野を分析し、どれだけ危

き機き的な状

じょう況きょうかを示

しめし

ています。 例えば、世界の人口が増

ぞう加かする中、農作物の収

しゅう穫かく量を上げるために肥

ひ料りょうを大量に使うよ

うになった結果、肥ひ料りょうの成分(窒

ちっ素そやリンなど)の一部は農作物に取りこまれますが、多く

は土に残ったり、川や海に流れ出したりします。これによって川や海の水すい質しつが悪化し、漁業

などに悪い影えい響きょうをあたえる場合があります。その結果、窒

ちっ素そやリンについては、地球がたえ

られる負荷の許きょ容よう量をこえている、と考えられています。このように、人間社会を便利に、

豊ゆたかにしようとして使ったものが原

げん因いんで環

かん境きょうが悪化し、結果的に人間社会に悪い影

えい響きょうをも

たらすということが実じっ際さいに起きています。また、その悪い影

えい響きょうは取り返しのつかないこと

になるかもしれないのです。

地球の限げん

界かい

 気付いた問題のことをこども環かん境きょう白書などで調べてみよう。

気候変動

? ?

絶滅の速度新規化学物質による汚染

オゾン層の破壊

大気汚染

海洋の酸性化窒素

許容量がまだ推計されていない

リン

淡水の利用

土地利用の変化

生物のもつ働きの消失

生物の世界の一体性

地球上の物質の循環 危機的な状態限界を超えて不安定な状態安全

資料: 」tenalp gnignahc a no tnempoleved namuh gnidiuG「)5102( .la te neffetS lliWし りょう ?

たん すい

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2 3

実じっ

際さい

に起こっている地球の変化

わたしたちの未来は大だい

丈じょう

夫ぶ

? 人間活動の影

えい響きょうで、地球環

かん境きょうにはどのような変化が起きているのでしょうか。

地球温おん

暖だん

化か

 地球全体の平へい均きん気温が上がることを「地球温

おん

暖だん化か」といいます。地球温

おん暖だん化かが進むと、今ま

でにないレベルの猛もう暑しょや大雨などの異

い常じょう気象

が増ぞう加かするなど、世界中の自然や暮

くらしに様々

な影えい響きょうが出ます。

 2017年は、アジアで50℃を超こえる気温、カ

リブ海や大西洋で相次いで発生した記録破やぶり

のハリケーン、アフリカをはじめ世界中で数百万人に被

ひ害がいをおよぼした壊

かい滅めつ的てきな雨季の洪

こう水ずい、さらには東アフリカの絶

たえ間

まない干

かんばつ

など、世界各地で多くの異い常じょう気象が起こりました。

生物の絶ぜつ

滅めつ

 生命が地球に誕たん生じょうして以来、生物が大量に絶

ぜつ

滅めつする「大絶

ぜつ滅めつ」が5回あったと言われていま

す。現在は「第6の大量絶ぜつ滅めつ時代」と呼

よばれてお

り、過か去この大絶

ぜつ滅めつと比

くらべて絶

ぜつ滅めつの速度が速く、

その主な原げん因いんは人間の活動による影

えい響きょうである

と言われています。

森林の減げん

少しょう

 世界の陸地の面積の約3割わりを占

しめる森林が

徐じょ々じょに消えています。伐

ばっ採さいなどにより、1990

年からの25年間で、日本の面積の3.4倍にあたる約1億2,900万ヘクタールの森林が世界で減

げん

少しょうしています。

●ハリケーン「イルマ」があたえた壊かい滅めつ的てき被ひ害がい

資し

料りょう

:UN Photo/Rick Bajormas

●ライオン人間活動による生息地の減

げん少しょうなどが原

げん因いん

で、その数を減へらしている。

●森林伐ばっ採さいの様子

資し

料りょう

:熱帯林行動ネットワーク

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

 世界人口は70億人を突とっ

破ぱ

し、2050年には98億人に達すると予よ

測そく

されています。人口が増

えれば増ふ

えるほど、人間の活動による地球環かん

境きょう

への負ふ

担たん

が大きくなっていきます。わたしたちが大人になるころ、地球はどうなってしまうのでしょうか。そして、地球上に住んでいる人たちは、どうなってしまうのでしょうか。

 2015年、人間の活動が地球環かん境きょうにおよぼす影

えい響きょうを評

ひょう価かした研究が発表されました。この

研究では、地球環かん境きょうの維

い持じに不

ふ可か欠けつな9つの分野を分析し、どれだけ危

き機き的な状

じょう況きょうかを示

しめし

ています。 例えば、世界の人口が増

ぞう加かする中、農作物の収

しゅう穫かく量を上げるために肥

ひ料りょうを大量に使うよ

うになった結果、肥ひ料りょうの成分(窒

ちっ素そやリンなど)の一部は農作物に取りこまれますが、多く

は土に残ったり、川や海に流れ出したりします。これによって川や海の水すい質しつが悪化し、漁業

などに悪い影えい響きょうをあたえる場合があります。その結果、窒

ちっ素そやリンについては、地球がたえ

られる負荷の許きょ容よう量をこえている、と考えられています。このように、人間社会を便利に、

豊ゆたかにしようとして使ったものが原

げん因いんで環

かん境きょうが悪化し、結果的に人間社会に悪い影

えい響きょうをも

たらすということが実じっ際さいに起きています。また、その悪い影

えい響きょうは取り返しのつかないこと

になるかもしれないのです。

地球の限げん

界かい

 気付いた問題のことをこども環かん境きょう白書などで調べてみよう。

気候変動

? ?

絶滅の速度新規化学物質による汚染

オゾン層の破壊

大気汚染

海洋の酸性化窒素

許容量がまだ推計されていない

リン

淡水の利用

土地利用の変化

生物のもつ働きの消失

生物の世界の一体性

地球上の物質の循環 危機的な状態限界を超えて不安定な状態安全

資料: 」tenalp gnignahc a no tnempoleved namuh gnidiuG「)5102( .la te neffetS lliWし りょう ?

たん すい

Page 6: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

4 5

世界の国々が力を合わせ、 危き

機き

に立ち向かう 2015年12月、「パリ協定」という、地球温

おん暖だん化かに関する国

こく際さい的てきな約束事が取り決められ

ました。パリ協定は、地球温おん暖だん化かの原げん因いんとなる「温室効

こう果かガス」の排

はい出しゅつ量りょうの削さく減げんに向けて、先

進国・開発途と上じょう国こくの区別なく、国ごとに目標を決めるとともに、目標達成に向けて取り組む

ことを取り決めた約束です。19世紀後半の産業革かく命めいからの世界全体の平

へい均きん気温の上昇を、

2℃より十分に下回るようにすること、そのために、今世紀後半には人間活動による温室効こう

果かガスの排

はい出しゅつを吸

きゅう収しゅうと等しくし、実

じっ質しつゼロにすることを目指しています。これは、石炭や石

油などの化石燃ねん料りょうをできるだけ燃

もやさない社会へ変えなければならない、ということを意

味しています。

温室効こう

果か

ガスとは? 地球の表面から出る熱を吸

きゅう収しゅうして温度を保

たもつ性

せい質しつを持つ「温室効

こう果かガス」の増

ぞう加かが、地球

温おん暖だん化かの主な原

げん因いんと考えられています。日本の排

はい出しゅつする温室効

こう果かガスの90%以上は炭

たん素そを

含ふくんだ物を燃

もやすと出てくる二

に酸さん化か炭たん素そです。技

ぎ術じゅつ革かく新しんが進んだ産業革

かく命めい以い降こう、発電や移

動どうのために、化石燃

ねん料りょうを燃

もやすようになった暮

くらし方の変化が、地球温

おん暖だん化かに結び付いて

いるといえます。二に酸さん化か炭たん素そ以外に、代

だい替たいフロン※1と呼

よばれる物

ぶっ質しつも温室効

こう果かガスの一種

です。

※1:‥一部の冷れい蔵ぞう庫こやエアコンなどに使われている物

ぶっ質しつで、二

に酸さん化か炭たん素その150~1万倍の温

おん暖だん化か効こう果かが

あり、国こく際さい的てきな取り決めにより、将

しょう来らい的てきな生産量・使用量の削

さく減げんが義

ぎ務むづけられることになった。

 地球の危き

機き

は一人の力や一つの国だけでは解かい

決けつ

できません。全世界が心を一つにして問題に取り組んでいく必要があります。世界はこの危

機き

をどのように乗りこえようとしているのでしょうか。

 人間活動が原げん因いんで生じる様々な問題に国

こく際さい社会が協力して取り組むため、2015年9月の

国連総そう会かいで「持続可

か能のうな開発のための2030アジェンダ」が採

さい択たくされました。これは、すべて

の国が共に取り組むべき目標で、その中に「持続可か能のうな開発目標(S

エスDディーGジーsズ)」として2030年

までの17の目標(ゴール)が設せっ定ていされています。S

エスDディーGジーsズの目標はそれぞれ連関しているの

で、一つの課題解かい決けつの行動により、複

ふく数すうの課題解

かい決けつを目指すことも可能であり、環

かん境きょうのみで

はなく、環かん境きょう・経けい済ざい・社会のつながりを考え、ともに解

かい決けつしていくことが大切になります。

   セヴァン・カリス=スズキさんのスピーチ 1992年、ブラジルのリオデジャネイロで「環

かん境きょうと開発に関する国連会議(地球サミッ

ト)」が開かい催さいされました。この時、12歳の少

女が壇だん上じょうに上がり、怒

いかりに心を震

ふるわせて大

人たちに訴うったえかけました。

 「直す方法を知らないのなら、地球をこわし続けるのはやめてほしい。犠

ぎ牲せいになるの

は、わたしたち子どもの未来です」と語ったそのまっすぐな姿は、集まった人たちだけでなく、世界中の人々の心を大きく動かしました。

パリ協定

持続可か

能のう

な開発目標(Sエス

Dディー

Gジー

sズ

壇だん

上じょう

でスピーチをするセヴァンさん

資し

料りょう

:ナマケモノ倶く

楽ら

部ぶ

資し

料りょう

:国連広報センター

●世界平へい均きん地上気温の変化

1961〜1990年

平均からの気温偏差

資し

料りょう

:気候変動に関する政せい

府ふ

間パネル( Iアイ

Pピー

Cシー

Cシー

)「第5次評ひょう

価か

報ほう

告こく

書統とう

合ごう

報ほう

告こく

書政せい

策さく

決定者要約」

1880年~2012年の間に0.85℃上昇

0.6年平均

-0.6-0.4-0.20.00.20.4

1850 1900 1950 (年)2000

(℃)

コラム

CO2

CO2

CO2

CO2

CO2

O2

CO2

O2

CO2

O2

CO2 O2

CO2

太陽の熱

むかし いま

太陽の熱

地球を温めている

適てき

度ど

な濃こ

さの温おん

室しつ

効こう

果か

ガスの層そう

宇う

宙ちゅう

に余よ

分ぶん

な熱が放出される

熱の放出が少なく余よ

分ぶん

な熱が残ってしまう

二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

などが増ふ

えて

濃こ

くなった温おん

室しつ

効こう

果か

ガスの層そう

シーオーツー

CO2=二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

オーツー

O2=酸さん

素そ

木や

草はCO2を

吸収し、O2を出しています

シーオーツ

ーきゅう しゅう オーツー

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4 5

世界の国々が力を合わせ、 危き

機き

に立ち向かう 2015年12月、「パリ協定」という、地球温

おん暖だん化かに関する国

こく際さい的てきな約束事が取り決められ

ました。パリ協定は、地球温おん暖だん化かの原げん因いんとなる「温室効

こう果かガス」の排

はい出しゅつ量りょうの削さく減げんに向けて、先

進国・開発途と上じょう国こくの区別なく、国ごとに目標を決めるとともに、目標達成に向けて取り組む

ことを取り決めた約束です。19世紀後半の産業革かく命めいからの世界全体の平

へい均きん気温の上昇を、

2℃より十分に下回るようにすること、そのために、今世紀後半には人間活動による温室効こう

果かガスの排

はい出しゅつを吸

きゅう収しゅうと等しくし、実

じっ質しつゼロにすることを目指しています。これは、石炭や石

油などの化石燃ねん料りょうをできるだけ燃

もやさない社会へ変えなければならない、ということを意

味しています。

温室効こう

果か

ガスとは? 地球の表面から出る熱を吸

きゅう収しゅうして温度を保

たもつ性

せい質しつを持つ「温室効

こう果かガス」の増

ぞう加かが、地球

温おん暖だん化かの主な原

げん因いんと考えられています。日本の排

はい出しゅつする温室効

こう果かガスの90%以上は炭

たん素そを

含ふくんだ物を燃

もやすと出てくる二

に酸さん化か炭たん素そです。技

ぎ術じゅつ革かく新しんが進んだ産業革

かく命めい以い降こう、発電や移

動どうのために、化石燃

ねん料りょうを燃

もやすようになった暮

くらし方の変化が、地球温

おん暖だん化かに結び付いて

いるといえます。二に酸さん化か炭たん素そ以外に、代

だい替たいフロン※1と呼

よばれる物

ぶっ質しつも温室効

こう果かガスの一種

です。

※1:‥一部の冷れい蔵ぞう庫こやエアコンなどに使われている物

ぶっ質しつで、二

に酸さん化か炭たん素その150~1万倍の温

おん暖だん化か効こう果かが

あり、国こく際さい的てきな取り決めにより、将

しょう来らい的てきな生産量・使用量の削

さく減げんが義

ぎ務むづけられることになった。

 地球の危き

機き

は一人の力や一つの国だけでは解かい

決けつ

できません。全世界が心を一つにして問題に取り組んでいく必要があります。世界はこの危

機き

をどのように乗りこえようとしているのでしょうか。

 人間活動が原げん因いんで生じる様々な問題に国

こく際さい社会が協力して取り組むため、2015年9月の

国連総そう会かいで「持続可

か能のうな開発のための2030アジェンダ」が採

さい択たくされました。これは、すべて

の国が共に取り組むべき目標で、その中に「持続可か能のうな開発目標(S

エスDディーGジーsズ)」として2030年

までの17の目標(ゴール)が設せっ定ていされています。S

エスDディーGジーsズの目標はそれぞれ連関しているの

で、一つの課題解かい決けつの行動により、複

ふく数すうの課題解

かい決けつを目指すことも可能であり、環

かん境きょうのみで

はなく、環かん境きょう・経けい済ざい・社会のつながりを考え、ともに解

かい決けつしていくことが大切になります。

   セヴァン・カリス=スズキさんのスピーチ 1992年、ブラジルのリオデジャネイロで「環

かん境きょうと開発に関する国連会議(地球サミッ

ト)」が開かい催さいされました。この時、12歳の少

女が壇だん上じょうに上がり、怒

いかりに心を震

ふるわせて大

人たちに訴うったえかけました。

 「直す方法を知らないのなら、地球をこわし続けるのはやめてほしい。犠

ぎ牲せいになるの

は、わたしたち子どもの未来です」と語ったそのまっすぐな姿は、集まった人たちだけでなく、世界中の人々の心を大きく動かしました。

パリ協定

持続可か

能のう

な開発目標(Sエス

Dディー

Gジー

sズ

壇だん

上じょう

でスピーチをするセヴァンさん

資し

料りょう

:ナマケモノ倶く

楽ら

部ぶ

資し

料りょう

:国連広報センター

●世界平へい均きん地上気温の変化

1961〜1990年

平均からの気温偏差

資し

料りょう

:気候変動に関する政せい

府ふ

間パネル( Iアイ

Pピー

Cシー

Cシー

)「第5次評ひょう

価か

報ほう

告こく

書統とう

合ごう

報ほう

告こく

書政せい

策さく

決定者要約」

1880年~2012年の間に0.85℃上昇

0.6年平均

-0.6-0.4-0.20.00.20.4

1850 1900 1950 (年)2000

(℃)

コラム

CO2

CO2

CO2

CO2

CO2

O2

CO2

O2

CO2

O2

CO2 O2

CO2

太陽の熱

むかし いま

太陽の熱

地球を温めている

適てき

度ど

な濃こ

さの温おん

室しつ

効こう

果か

ガスの層そう

宇う

宙ちゅう

に余よ

分ぶん

な熱が放出される

熱の放出が少なく余よ

分ぶん

な熱が残ってしまう

二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

などが増ふ

えて

濃こ

くなった温おん

室しつ

効こう

果か

ガスの層そう

シーオーツー

CO2=二に

酸さん

化か

炭たん

素そ

オーツー

O2=酸さん

素そ

木や

草はCO2を

吸収し、O2を出しています

シーオーツ

ーきゅう しゅう オーツー

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6 7

今、日本で何が起こっている のか 世界では、環

かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会のからみ合った問題の解かい

決けつ

に向けて様々な動きが始まりました。日本も世界の一員として取組を進めていますが、その前に、日本ではどのような問題が起こっているか考えてみましょう。

 日本では、経けい験けんしたことのない「人口減

げん少しょう」、子どもに比

くらべて高

こう齢れい者しゃの割

わり合あいが増

ふえていく

「少子高こう齢れい化か」が進んでいます。2060年には人口は約9,000万人に、また約5人に2人が65

歳さい以上になると推

すい計けいされています。人口減

げん少しょうと少子高

こう齢れい化かがともに進むと、働き盛りの人

の数が少なくなり、経けい済ざいへ影えい響きょうが生じると考えられています。

 地球温おん暖だん化かは、日本も例外ではありませ

ん。日本の2017年の平へい均きん気温は20世紀の

平へい均きんから0.86℃高くなっています。2018

年の夏は、7月に埼さい玉たま県けん熊くま谷がや市しで日中の最

高気温が歴代全国1位の41.1℃に達するなど、記録的な高温となり、7月16日から22日までの1週間で熱

ねっ中ちゅう症しょうにより全国で前年

の同時期に比くらべて約3倍の23,191人が搬

はん送そう

される異い常じょう事じ態たいとなりました。

 東とう京きょう、名な古ご屋や、大おお阪さかといった大都市圏

けんには、日本の

人口の約半分が集中しており、特に東京周辺への人口集中が加速しています。 一方、大都市圏

けん以外の地

ち域いきでは、人口減

げん少しょうによる地

域いき産業の衰

すい退たい、担にない手不足による様々な文化の伝

でん承しょうの

危き機きなどが大きな課題となっています。

 環かん境きょう省しょうでは、現

げん状じょうを上回る温

おん暖だん化か対たい策さくをとらな

かった場合の予よ測そくに基

もとづき、「2100年未来の天気

予よ報ほう」という動画を作成しました。この動画では、

2100年の天気予よ報ほうとして、例えば、東京の最高気

温が44℃以上になると予想しており、局地的な大雨や干

かんばつなど、温

おん暖だん化かに伴う影

えい響きょうについても解

かい説せつ

しています。

●2100年未来の天気予よ報ほう【全国版

ばん】

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20180820-01.html

 2018年7月、台風や梅雨前線の影えい響きょうにより大雨となりやすい

状じょう況きょうが続いたため、西日本を中心に多くの地方で観

かん測そく記録を更

こう

新しんする大雨となり、各地で甚

じん大だいな被

ひ害がいが発生しました。

 近年、大だい規き模ぼな気象災

さい害がいが多発しているのは、地球温

おん暖だん化かが

その一いち因いんとも言われています。

 日本でのお店や職しょく場ば、家庭からの1年間のごみ

の総そう排はい出しゅつ量りょうは4,398万トンです(2015年)。この

うち、お店や職しょく場ば、家庭から出るごみの10分の1

に当たる435万トンは廃はいプラスチックと推

すい計けいさ

れています。また、お店での売れ残りや家庭での食べ残しなどの本来食べられるはずの食べ物のごみ(食品ロス)だけで1年間に646万トン、国民1人1日当たり約140グラム(およそお茶

ちゃ碗わん1

杯ぱい分)発生しています。

人口減げん

少しょう

・少子高こう

齢れい

化か

気温上じょう

昇しょう

大都市圏けん

への人口集中・地方の衰すい

退たい

2100年未来の天気予よ

報ほう

多発する気象災さい

害がい

ごみ・食品ロスの問題

●平成30年7月豪雨

資し

料りょう

:国土交通省九州地方整せい

備び

資し

料りょう

:総そう

務む

省しょう「国

こく勢せい

調ちょう

査さ

」、国立社会保ほ

障しょう

・人口問題研究所「日本の将しょう

来らい

推すい

計けい

人口(平成29年推すい

計けい

)」

●人口と高こう齢れい化か率りつ

資し

料りょう

:気象庁ちょう

0

20

40

60

80

100

120

140

0

10

20

30

40

50

60

70

80(%)(百万人)

65歳以上の割合 15-64歳割合20602055205020452040203520302025202020152010200520001995199019851980197519701965196019551950

人口

1億2,806万

9,284万

●2018年夏の記録的な高温(例)

●食品ロスダイアリー身の回りの食品ロスの量を調べてみよう!

コラム

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

ダウンロードはこちら!

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6 7

今、日本で何が起こっている のか 世界では、環

かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会のからみ合った問題の解かい

決けつ

に向けて様々な動きが始まりました。日本も世界の一員として取組を進めていますが、その前に、日本ではどのような問題が起こっているか考えてみましょう。

 日本では、経けい験けんしたことのない「人口減

げん少しょう」、子どもに比

くらべて高

こう齢れい者しゃの割

わり合あいが増

ふえていく

「少子高こう齢れい化か」が進んでいます。2060年には人口は約9,000万人に、また約5人に2人が65

歳さい以上になると推

すい計けいされています。人口減

げん少しょうと少子高

こう齢れい化かがともに進むと、働き盛りの人

の数が少なくなり、経けい済ざいへ影えい響きょうが生じると考えられています。

 地球温おん暖だん化かは、日本も例外ではありませ

ん。日本の2017年の平へい均きん気温は20世紀の

平へい均きんから0.86℃高くなっています。2018

年の夏は、7月に埼さい玉たま県けん熊くま谷がや市しで日中の最

高気温が歴代全国1位の41.1℃に達するなど、記録的な高温となり、7月16日から22日までの1週間で熱

ねっ中ちゅう症しょうにより全国で前年

の同時期に比くらべて約3倍の23,191人が搬

はん送そう

される異い常じょう事じ態たいとなりました。

 東とう京きょう、名な古ご屋や、大おお阪さかといった大都市圏

けんには、日本の

人口の約半分が集中しており、特に東京周辺への人口集中が加速しています。 一方、大都市圏

けん以外の地

ち域いきでは、人口減

げん少しょうによる地

域いき産業の衰

すい退たい、担にない手不足による様々な文化の伝

でん承しょうの

危き機きなどが大きな課題となっています。

 環かん境きょう省しょうでは、現

げん状じょうを上回る温

おん暖だん化か対たい策さくをとらな

かった場合の予よ測そくに基

もとづき、「2100年未来の天気

予よ報ほう」という動画を作成しました。この動画では、

2100年の天気予よ報ほうとして、例えば、東京の最高気

温が44℃以上になると予想しており、局地的な大雨や干

かんばつなど、温

おん暖だん化かに伴う影

えい響きょうについても解

かい説せつ

しています。

●2100年未来の天気予よ報ほう【全国版

ばん】

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20180820-01.html

 2018年7月、台風や梅雨前線の影えい響きょうにより大雨となりやすい

状じょう況きょうが続いたため、西日本を中心に多くの地方で観

かん測そく記録を更

こう

新しんする大雨となり、各地で甚

じん大だいな被

ひ害がいが発生しました。

 近年、大だい規き模ぼな気象災

さい害がいが多発しているのは、地球温

おん暖だん化かが

その一いち因いんとも言われています。

 日本でのお店や職しょく場ば、家庭からの1年間のごみ

の総そう排はい出しゅつ量りょうは4,398万トンです(2015年)。この

うち、お店や職しょく場ば、家庭から出るごみの10分の1

に当たる435万トンは廃はいプラスチックと推

すい計けいさ

れています。また、お店での売れ残りや家庭での食べ残しなどの本来食べられるはずの食べ物のごみ(食品ロス)だけで1年間に646万トン、国民1人1日当たり約140グラム(およそお茶

ちゃ碗わん1

杯ぱい分)発生しています。

人口減げん

少しょう

・少子高こう

齢れい

化か

気温上じょう

昇しょう

大都市圏けん

への人口集中・地方の衰すい

退たい

2100年未来の天気予よ

報ほう

多発する気象災さい

害がい

ごみ・食品ロスの問題

●平成30年7月豪雨

資し

料りょう

:国土交通省九州地方整せい

備び

資し

料りょう

:総そう

務む

省しょう「国

こく勢せい

調ちょう

査さ

」、国立社会保ほ

障しょう

・人口問題研究所「日本の将しょう

来らい

推すい

計けい

人口(平成29年推すい

計けい

)」

●人口と高こう齢れい化か率りつ

資し

料りょう

:気象庁ちょう

0

20

40

60

80

100

120

140

0

10

20

30

40

50

60

70

80(%)(百万人)

65歳以上の割合 15-64歳割合20602055205020452040203520302025202020152010200520001995199019851980197519701965196019551950

人口

1億2,806万

9,284万

●2018年夏の記録的な高温(例)

●食品ロスダイアリー身の回りの食品ロスの量を調べてみよう!

コラム

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

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8 9

わたしたちの身のまわりの自 然では何が起こっているの? 世界や日本で様々な環

かん

境きょう

の変化が起きていること、それに対し、Sエス

Dディー

Gジー

sズ

やパリ協定という、世界全体の約束事が決められ、それらに向けてみんなが行動していることが分かりました。では、わたしたちの身のまわりの自然では何が起こっているのでしょうか。

 スギやヒノキなどの人工林は、定期的に間引きや伐ばっ採さいをしないと荒

あれてしまいますが、林業の不

ふ振しんで

担にない手が減

へり、管理が十分に行われない人工林が増

えています。そのような人工林は、貯水機き能のうが低下

して土砂くずれが起こりやすくなり、生せい態たい系けいのバラ

ンスもくずれてしまいます。

 人が持ちこんだ外来種が、地ち域いきに元からいた生物を食べ

たり、すむ場所や食べ物をうばったりすることで、地ち域いき固

有の生せい態たい系けいがおびやかされています。

 農作物が作られなくなった田畑はやぶになっていき、シカやイノシシにとって、食事をしたり隠

かくれ

たりしやすい場所になります。こういった場所が増ふ

えると、シカやイノシシが田畑を荒あらしたり、山か

ら町に下りて来たりするため、わたしたちの暮くらし

がおびやかされています。

 子どもはいのちの不思議や暮くらしの成り立ち

を、森・里・川・海をかけ回って知り、仲間とのきずなを深めるものです。子どもの安全はもちろん重要ですが、子どもが自然体験から学ぶことも多いはずです。

 災さい害がい防止のためにダムや堰

せきがつくられ、護

ご岸がんもコンク

リート化されました。川と海を行き来する魚にとって、すみにくくなってしまいました。最近では、これらの魚の通り道を確

かく保ほしたものもありますが、以前よりすみにくく

なっていることは間ま違ちがいありません。

 近年、海岸へ漂ひょう着ちゃくしたり、海に漂

ただよう海洋ごみが問題となっています。海洋ごみ

にはプラスチックが多くふくまれており、海洋の環かん境きょうや観光・漁業などの経

けい済ざい活

動へ影えい響きょうをあたえています。また、中にはマイクロプラスチックと呼

よばれる5ミ

リメートル以下のプラスチックも増ふえており、動物が飲みこむなど、生

せい態たい系けいへ影

えい

響きょうをあたえるとともに、海産物を通じて人の体に取り込まれ人体に影響を与え

ることが心配されています。

●海岸に漂ひょう着ちゃくした海洋ごみ

資し

料りょう

:岡おか

山やま

県けん

●マイクロプラスチック

資し

料りょう

:九きゅう

州しゅう

大だい

学がく

磯いそ

辺べ

研究室

 干ひ潟がたや砂浜の埋

うめ立て、ダムや堰

せきによる川から

流れこむ栄養分の減げん少しょう、地球温

おん暖だん化かによる海水温

の上じょう昇しょうなどが原

げん因いんで、食

しょく卓たくに欠かせない魚や貝、

海かい藻そうが減

へっています。代わりに、海にはごみが目

立つようになってきました。

森の手入れが進まない

外来種が増ふ

えている

田畑や町にシカやイノシシが出てきて困こま

っている

自然の中で遊ぶ子どもがいない

魚がすみにくい川になっている

海洋ごみとマイクロプラスチック

魚や貝、海かい

藻そう

が減へ

っている

コラム

Page 11: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

8 9

わたしたちの身のまわりの自 然では何が起こっているの? 世界や日本で様々な環

かん

境きょう

の変化が起きていること、それに対し、Sエス

Dディー

Gジー

sズ

やパリ協定という、世界全体の約束事が決められ、それらに向けてみんなが行動していることが分かりました。では、わたしたちの身のまわりの自然では何が起こっているのでしょうか。

 スギやヒノキなどの人工林は、定期的に間引きや伐ばっ採さいをしないと荒

あれてしまいますが、林業の不

ふ振しんで

担にない手が減

へり、管理が十分に行われない人工林が増

えています。そのような人工林は、貯水機き能のうが低下

して土砂くずれが起こりやすくなり、生せい態たい系けいのバラ

ンスもくずれてしまいます。

 人が持ちこんだ外来種が、地ち域いきに元からいた生物を食べ

たり、すむ場所や食べ物をうばったりすることで、地ち域いき固

有の生せい態たい系けいがおびやかされています。

 農作物が作られなくなった田畑はやぶになっていき、シカやイノシシにとって、食事をしたり隠

かくれ

たりしやすい場所になります。こういった場所が増ふ

えると、シカやイノシシが田畑を荒あらしたり、山か

ら町に下りて来たりするため、わたしたちの暮くらし

がおびやかされています。

 子どもはいのちの不思議や暮くらしの成り立ち

を、森・里・川・海をかけ回って知り、仲間とのきずなを深めるものです。子どもの安全はもちろん重要ですが、子どもが自然体験から学ぶことも多いはずです。

 災さい害がい防止のためにダムや堰

せきがつくられ、護

ご岸がんもコンク

リート化されました。川と海を行き来する魚にとって、すみにくくなってしまいました。最近では、これらの魚の通り道を確

かく保ほしたものもありますが、以前よりすみにくく

なっていることは間ま違ちがいありません。

 近年、海岸へ漂ひょう着ちゃくしたり、海に漂

ただよう海洋ごみが問題となっています。海洋ごみ

にはプラスチックが多くふくまれており、海洋の環かん境きょうや観光・漁業などの経

けい済ざい活

動へ影えい響きょうをあたえています。また、中にはマイクロプラスチックと呼

よばれる5ミ

リメートル以下のプラスチックも増ふえており、動物が飲みこむなど、生

せい態たい系けいへ影

えい

響きょうをあたえるとともに、海産物を通じて人の体に取り込まれ人体に影響を与え

ることが心配されています。

●海岸に漂ひょう着ちゃくした海洋ごみ

資し

料りょう

:岡おか

山やま

県けん

●マイクロプラスチック

資し

料りょう

:九きゅう

州しゅう

大だい

学がく

磯いそ

辺べ

研究室

 干ひ潟がたや砂浜の埋

うめ立て、ダムや堰

せきによる川から

流れこむ栄養分の減げん少しょう、地球温

おん暖だん化かによる海水温

の上じょう昇しょうなどが原

げん因いんで、食

しょく卓たくに欠かせない魚や貝、

海かい藻そうが減

へっています。代わりに、海にはごみが目

立つようになってきました。

森の手入れが進まない

外来種が増ふ

えている

田畑や町にシカやイノシシが出てきて困こま

っている

自然の中で遊ぶ子どもがいない

魚がすみにくい川になっている

海洋ごみとマイクロプラスチック

魚や貝、海かい

藻そう

が減へ

っている

コラム

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10 11

豊ゆた

かな暮く

らしを続けるために 未来まで続く豊

ゆた

かな暮く

らしを実じつ

現げん

するためには、どのような考え方が必要か、考えてみましょう。

 わたしたちの暮くらしに欠かせないきれいな空気、豊

ゆたかな水、食料や資

し材ざいなどは、実は、森・

里・川・海がつながることで生み出される「自然のめぐみ」なのです。自然のめぐみは、自然が保

たもたれることで得られる大切な資

し源げんであり、わたしたちの暮

くらしを支

ささえています。

 例えば、「森」では、木が光合成により酸さん素そをつくり、きれいな空気が生まれます。森のや

わらかい土が雨を吸きゅう収しゅうして「川」にゆっくり流れていくため、洪

こう水ずいや水不足が起きにくくな

ります。森から流れ出た水には、栄養分がたくさん含ふくまれており、「里」の水田や畑にも流れ

て農作物を育て、魚が行き来します。「海」までたどり着いた栄養分は、魚や貝、海かい藻そうを育て

ます。森・里・川・海はそれぞれがめぐみを生み出し、お互たがいのつながりが、そのめぐみを

より大きく育てます。 しかし、行き過

すぎた開発や手入れ不足などによって、そのつながりが急速に失われつつ

あります。このままでは、動植物などの身近な資し源げんがなくなり、森林や里地里山が荒

あれて

いってしまいます。 そんな中、わたしたちにできることは、自分たちの暮

くらし方は今のままでいいのか、一度

ふりかえってみることです。

わたしたちの暮く

らしを支ささ

えるもの

これまでの暮く

らしをふりかえってみよう かつて、人類は暮

くらしに必要なすべてのモノを、地上にある自然のめぐみから受け取っ

ていました。しかし、工業化の発展により、地下にある化石燃ねん料りょうや様々な資

し源げんがたくさん使

われるようになりました。そして、いつからか身のまわりを快かい適てきにするために、自分に都合

よく資し源げんを消費し、自然にあまり配

はい慮りょせずに土地を開発するようになりました。

 このまま、身のまわりの自然から目をそらして、何も考えずに資し源げんを使い続ければ、自然

のめぐみは失われ、いつかは世界中の資し源げんを使い果たし、今のように豊

ゆたかな暮

くらしができ

なくなってしまいます。 それでは、自然のめぐみを回

かい復ふくし、資

し源げんを使い果たすことなく、いつまでも豊

ゆたかに暮

くらす

方法はあるのでしょうか?

 この問題を解かい

決けつ

するヒントは、「持続可か

能のう

」という言葉と「環かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会の問題はつながっている」ということにあります。

 「持続可か能のうである」とは、今の地球環

かん境きょうが保

たもたれて、未来まで続くということです。す

なわち、現在のわたしたちだけでなく未来の人たちも豊ゆたかに暮

くらすことができる状

じょう態たい

である、ということです。現在、人間の活動によって地球の回かい復ふく力りょくを大おお幅はばに上回る影

えい響きょう

を地球環かん境きょうにあたえていると言われています。わたしたちの子どもや孫も豊

ゆたかに暮

くら

すためには、地球環かん境きょうを守り、受け継

ついでいく必要があります。

「持続可か

能のう

である」とは?

みんなが流しそうめんを食べられるような仕組をつくることが、 「持続可能な社会」につながります。

流しそうめんで例えると・・・持続可能であるためには

持続可能な 一人ひとりの行動

親(今の人)子(今の人)

孫(未来の人)

次の人のことを考えずそうめんを食べています

食べることができないので困っています

この人も次の人のことを考えずそうめんを食べています

次の人のことを考えながら食べています

親(今の人)子(今の人)

孫(未来の人)

それぞれが次の人のことに気付いて、考えながら食べています

か のう

か のう

のう

コラム

雲が雨になって地上に

雨が川になって海に

海水が蒸じょう

発はつ

水すい

蒸じょう

気き

が雲に

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10 11

豊ゆた

かな暮く

らしを続けるために 未来まで続く豊

ゆた

かな暮く

らしを実じつ

現げん

するためには、どのような考え方が必要か、考えてみましょう。

 わたしたちの暮くらしに欠かせないきれいな空気、豊

ゆたかな水、食料や資

し材ざいなどは、実は、森・

里・川・海がつながることで生み出される「自然のめぐみ」なのです。自然のめぐみは、自然が保

たもたれることで得られる大切な資

し源げんであり、わたしたちの暮

くらしを支

ささえています。

 例えば、「森」では、木が光合成により酸さん素そをつくり、きれいな空気が生まれます。森のや

わらかい土が雨を吸きゅう収しゅうして「川」にゆっくり流れていくため、洪

こう水ずいや水不足が起きにくくな

ります。森から流れ出た水には、栄養分がたくさん含ふくまれており、「里」の水田や畑にも流れ

て農作物を育て、魚が行き来します。「海」までたどり着いた栄養分は、魚や貝、海かい藻そうを育て

ます。森・里・川・海はそれぞれがめぐみを生み出し、お互たがいのつながりが、そのめぐみを

より大きく育てます。 しかし、行き過

すぎた開発や手入れ不足などによって、そのつながりが急速に失われつつ

あります。このままでは、動植物などの身近な資し源げんがなくなり、森林や里地里山が荒

あれて

いってしまいます。 そんな中、わたしたちにできることは、自分たちの暮

くらし方は今のままでいいのか、一度

ふりかえってみることです。

わたしたちの暮く

らしを支ささ

えるもの

これまでの暮く

らしをふりかえってみよう かつて、人類は暮

くらしに必要なすべてのモノを、地上にある自然のめぐみから受け取っ

ていました。しかし、工業化の発展により、地下にある化石燃ねん料りょうや様々な資

し源げんがたくさん使

われるようになりました。そして、いつからか身のまわりを快かい適てきにするために、自分に都合

よく資し源げんを消費し、自然にあまり配

はい慮りょせずに土地を開発するようになりました。

 このまま、身のまわりの自然から目をそらして、何も考えずに資し源げんを使い続ければ、自然

のめぐみは失われ、いつかは世界中の資し源げんを使い果たし、今のように豊

ゆたかな暮

くらしができ

なくなってしまいます。 それでは、自然のめぐみを回

かい復ふくし、資

し源げんを使い果たすことなく、いつまでも豊

ゆたかに暮

くらす

方法はあるのでしょうか?

 この問題を解かい

決けつ

するヒントは、「持続可か

能のう

」という言葉と「環かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会の問題はつながっている」ということにあります。

 「持続可か能のうである」とは、今の地球環

かん境きょうが保

たもたれて、未来まで続くということです。す

なわち、現在のわたしたちだけでなく未来の人たちも豊ゆたかに暮

くらすことができる状

じょう態たい

である、ということです。現在、人間の活動によって地球の回かい復ふく力りょくを大おお幅はばに上回る影

えい響きょう

を地球環かん境きょうにあたえていると言われています。わたしたちの子どもや孫も豊

ゆたかに暮

くら

すためには、地球環かん境きょうを守り、受け継

ついでいく必要があります。

「持続可か

能のう

である」とは?

みんなが流しそうめんを食べられるような仕組をつくることが、 「持続可能な社会」につながります。

流しそうめんで例えると・・・持続可能であるためには

持続可能な 一人ひとりの行動

親(今の人)子(今の人)

孫(未来の人)

次の人のことを考えずそうめんを食べています

食べることができないので困っています

この人も次の人のことを考えずそうめんを食べています

次の人のことを考えながら食べています

親(今の人)子(今の人)

孫(未来の人)

それぞれが次の人のことに気付いて、考えながら食べています

か のう

か のう

のう

コラム

雲が雨になって地上に

雨が川になって海に

海水が蒸じょう

発はつ

水すい

蒸じょう

気き

が雲に

Page 14: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

地 方都 市

自然エネルギー食料、木材

お金、人材、観光

12 13

持続可か

能のう

な社会に向けた地ち

域いき

づくり 50年後、100年後も豊

ゆた

かな暮く

らしを送るような持続可か

能のう

な社会を目指すにはどのようにしたらよいか、考えてみましょう。

 世界中が持続可か能のうな社会となるためには、日本をはじめとする世界各国が、そして、日本

の各地ち域いきが持続可

か能のうな社会となる必要があります。

 地方には、豊ゆたかな自然やそこから得られる自然のめぐみ、農山漁村の伝

でん統とう文化や田園風

景などの様々な「資し源げん」があります。都市には、人材やお金、都市ならではの文化、都市の景

観などの様々な「資し源げん」があります。つまり、その地

ち域いきのもつすべてのものが資

し源げんだと考え

られます。 各地

ち域いきに目を向けてみると、その地

ち域いきが持つ様々な資

し源げんがあることがわかります。各地

域いきが持続可

か能のうであるためには、人やモノ、お金といった、各地

ち域いきが持っている様々な資

し源げんを、

できるだけ地ち域いきの外に出さずに、それぞれの地

ち域いきの中で循

じゅん環かんさせ、経

けい済ざい・社会活動において

それらを最大限に活用することが必要です。こうした循じゅん環かんは、地

ち域いきの経

けい済ざい・社会を元気に

し、環かん境きょうだけでなく、経

けい済ざい・社会の課題の解

かい決けつに役立つとともに、各地

ち域いきの自立にもつなが

ると考えられます。

 さらに、それぞれの地ち域いきは周辺の地

ち域いきどうしで支

ささえ合うことが重要です。

 例えば、河川の流りゅう域いき内ないの人々は互

たがいに、河

か川せんの水やその水を育む森林などの森里川海の

つながりを守り、そのめぐみを分かち合うことで、豊ゆたかな暮

くらしを維

い持じしてきました。将

しょう来らい

にわたって自然のめぐみを受け続けるためにも、流りゅう域いき全体で広

こう域いき的てきに地

ち域いきどうしの連

れん携けいを

することが重要です。 特に、都市と地方はお互

たがいにないものを持っているため、地方で作ったエネルギーを都

市で使う、地方の自然の恩おん恵けいを受けている都市で働いていた人がその能

のう力りょくを生かして地方

ならではの仕事を始める、都市の住民が地方での自然保ほ全ぜん活動に参加するなど、いろいろ

な形で支ささえ合うことができます。

 このように、環かん境きょう対たい策さくで地

ち域いきを元気にするような取組が行われている圏

けん域いきを「地

ち域いき循じゅん環かん

共きょう生せい圏けん」と言います。

 そして、人間も自然の一部です。地ち域いき資し源げんを生み出すもとになる自然と対立するのでは

なく、自然と共に暮らし(共きょう生せいし)ながら地

ち域いき資し源げんを活用(循

じゅん環かん)していくことは、結果とし

て無む駄だがなく、効

こう率りつ的てきで温

おん室しつ効こう果かガスも減らす仕組みづくりにつながります。このような

仕組みは、生きものの世界の仕組みに学ぶところも多く、これが進んだ持続可か能のうな社会を

「環かん境きょう・生せい命めい文ぶん明めい社しゃ会かい」と言います。

地ち

域いき

の資し

源げん

を活用した地ち

域いき

づくり

資し

料りょう

:静しず

岡おか

県けん

藤ふじ

枝えだ

市し

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地 方都 市

自然エネルギー食料、木材

お金、人材、観光

12 13

持続可か

能のう

な社会に向けた地ち

域いき

づくり 50年後、100年後も豊

ゆた

かな暮く

らしを送るような持続可か

能のう

な社会を目指すにはどのようにしたらよいか、考えてみましょう。

 世界中が持続可か能のうな社会となるためには、日本をはじめとする世界各国が、そして、日本

の各地ち域いきが持続可

か能のうな社会となる必要があります。

 地方には、豊ゆたかな自然やそこから得られる自然のめぐみ、農山漁村の伝

でん統とう文化や田園風

景などの様々な「資し源げん」があります。都市には、人材やお金、都市ならではの文化、都市の景

観などの様々な「資し源げん」があります。つまり、その地

ち域いきのもつすべてのものが資

し源げんだと考え

られます。 各地

ち域いきに目を向けてみると、その地

ち域いきが持つ様々な資

し源げんがあることがわかります。各地

域いきが持続可

か能のうであるためには、人やモノ、お金といった、各地

ち域いきが持っている様々な資

し源げんを、

できるだけ地ち域いきの外に出さずに、それぞれの地

ち域いきの中で循

じゅん環かんさせ、経

けい済ざい・社会活動において

それらを最大限に活用することが必要です。こうした循じゅん環かんは、地

ち域いきの経

けい済ざい・社会を元気に

し、環かん境きょうだけでなく、経

けい済ざい・社会の課題の解

かい決けつに役立つとともに、各地

ち域いきの自立にもつなが

ると考えられます。

 さらに、それぞれの地ち域いきは周辺の地

ち域いきどうしで支

ささえ合うことが重要です。

 例えば、河川の流りゅう域いき内ないの人々は互

たがいに、河

か川せんの水やその水を育む森林などの森里川海の

つながりを守り、そのめぐみを分かち合うことで、豊ゆたかな暮

くらしを維

い持じしてきました。将

しょう来らい

にわたって自然のめぐみを受け続けるためにも、流りゅう域いき全体で広

こう域いき的てきに地

ち域いきどうしの連

れん携けいを

することが重要です。 特に、都市と地方はお互

たがいにないものを持っているため、地方で作ったエネルギーを都

市で使う、地方の自然の恩おん恵けいを受けている都市で働いていた人がその能

のう力りょくを生かして地方

ならではの仕事を始める、都市の住民が地方での自然保ほ全ぜん活動に参加するなど、いろいろ

な形で支ささえ合うことができます。

 このように、環かん境きょう対たい策さくで地

ち域いきを元気にするような取組が行われている圏

けん域いきを「地

ち域いき循じゅん環かん

共きょう生せい圏けん」と言います。

 そして、人間も自然の一部です。地ち域いき資し源げんを生み出すもとになる自然と対立するのでは

なく、自然と共に暮らし(共きょう生せいし)ながら地

ち域いき資し源げんを活用(循

じゅん環かん)していくことは、結果とし

て無む駄だがなく、効

こう率りつ的てきで温

おん室しつ効こう果かガスも減らす仕組みづくりにつながります。このような

仕組みは、生きものの世界の仕組みに学ぶところも多く、これが進んだ持続可か能のうな社会を

「環かん境きょう・生せい命めい文ぶん明めい社しゃ会かい」と言います。

地ち

域いき

の資し

源げん

を活用した地ち

域いき

づくり

資し

料りょう

:静しず

岡おか

県けん

藤ふじ

枝えだ

市し

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14 15

わたしたちのまわりにある地ち

域いき

の資し

源げん

 持続可か

能のう

な地ち

域いき

づくりをしていくためには、わたしたちが住んでいる地ち

域いき

の資し

源げん

を上手に活用することが大切です。わたしたちが住んでいる地ち

域いき

の資し

源げん

を探さが

してみましょう。

 よく考えてみると、わたしたちの生活は、自然のめぐみによって支ささえられています。きれ

いな空気、豊ゆたかな水、食料や資

し材ざい、自然の上に成り立つ独

どく自じの文化やわたしたちをリフレッ

シュさせてくれる美しい景観など、自然のめぐみの種類は数えきれません。 こうした自然を象

しょう徴ちょうするのが、森・里・川・海です。森・里・川・海はお互

たがいにつながり、

影えい響きょうし合ってめぐみを生み出しています。しかし、行き過ぎた開発や手入れ不足などに

よって、そのつながりが絶たたれたり、それぞれの質

しつが下がったりしています。自然のめぐみ

を地ち域いきの資

し源げんとして活用し、その地

ち域いきならではの文化や風土に学びながら、地

ち域いきにおける

魅み力りょくの再発見と豊

ゆたかな暮

くらしの実

じつ現げんにつなげていくためには、森・里・川・海が健全な状

じょう態たい

でつながっていること、昔の知ち恵えと技

わざに最新の技

ぎ術じゅつを組み合わせ、森・里・川・海が持つ力

を活かしていくことが必要です。

 石油や石炭など、エネルギーを作るための化石燃ねん料りょうは、ほとんどを海外から輸

ゆ入にゅうしていま

す。わたしたちのまわりにあるものから、エネルギーを作ることはできないのでしょうか? わたしたちのまわりには、太陽光、風力、水力、木

もく質しつバイオマス、廃

はい棄き物ぶつエネルギー、地熱、

温泉熱など、一度利用しても短期間で再さい生せいが可

か能のうな「再

さい生せい可か能のうエネルギー」と呼

よばれるエネ

ルギーがあります。この中でも、太陽光を中心にその活用にかかる費用は急速に安くなっており、世界的に普

ふ及きゅうが進んでいます。日本の再

さい生せい可か能のうエネルギーは国全体で必要なエネ

ルギーの約1.8倍もあると推すい計けいされており、上手に活用していくことが大切です。

 都市には人とお金が集まりやすい一方で、地方には食料、水、木材といった資

し源げんやエネルギーが存

そん

在ざいします。こうした人やお金、資

し源げん、エネルギーな

どが循じゅん環かんすることで、お互

たがいに必要としているも

のを補おぎない合い、支

ささえ合うことができます。こうした

地ち域いき間かんのつながりを、都市と地方だけでなく、様々

な地ち域いきどうしが築

きずいていくことが必要です。

太陽光発電 日光がよく当たる場所などにソーラーパネルを置き、太陽光の力で発電します。

風力発電 風が風車を回す力で発電します。海の上で行う海上風力発電もあります。

バイオマス発電 木くずなどの生物の資し源げん(バイオマス)を

使って発電します。

廃はい

棄き

物ぶつ

エネルギー 廃

はい棄き物ぶつを利用して発電

します。発電の時に出る熱も利用します。

自然が生み出すもの

自然エネルギー(再さい

生せい

可か

能のう

エネルギー)

 伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えんでは、英

あ虞ご湾わんの景色をゆっくり楽しむことができるよう、横

よこ山やま展てん

望ぼう台だいに「天

てん空くうカフェテラス」を新しく整

せい備びしました。カフェでは、この土地ならではの

食の体験ができます。また、海外からの旅行者により楽しんでもらえるよう、展てん示じの

多言語化などの工夫も進めています。今後も世界中の旅行者をひき付ける取組を推すい

進しんしていきます。

●伊い勢せ志し摩ま天てん空くうカフェテラス全景

●伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えん‥‥‥

http://www.env.go.jp/park/iseshima/

●伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えん全体図

伊い

勢せ

志し

摩ま

国こく

立りつ

公こう

園えん

「天てん

空くう

カフェテラス」コラム

地ち

域いき

の資し

源げん

は「お互たが

いさま」

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

Page 17: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

14 15

わたしたちのまわりにある地ち

域いき

の資し

源げん

 持続可か

能のう

な地ち

域いき

づくりをしていくためには、わたしたちが住んでいる地ち

域いき

の資し

源げん

を上手に活用することが大切です。わたしたちが住んでいる地ち

域いき

の資し

源げん

を探さが

してみましょう。

 よく考えてみると、わたしたちの生活は、自然のめぐみによって支ささえられています。きれ

いな空気、豊ゆたかな水、食料や資

し材ざい、自然の上に成り立つ独

どく自じの文化やわたしたちをリフレッ

シュさせてくれる美しい景観など、自然のめぐみの種類は数えきれません。 こうした自然を象

しょう徴ちょうするのが、森・里・川・海です。森・里・川・海はお互

たがいにつながり、

影えい響きょうし合ってめぐみを生み出しています。しかし、行き過ぎた開発や手入れ不足などに

よって、そのつながりが絶たたれたり、それぞれの質

しつが下がったりしています。自然のめぐみ

を地ち域いきの資

し源げんとして活用し、その地

ち域いきならではの文化や風土に学びながら、地

ち域いきにおける

魅み力りょくの再発見と豊

ゆたかな暮

くらしの実

じつ現げんにつなげていくためには、森・里・川・海が健全な状

じょう態たい

でつながっていること、昔の知ち恵えと技

わざに最新の技

ぎ術じゅつを組み合わせ、森・里・川・海が持つ力

を活かしていくことが必要です。

 石油や石炭など、エネルギーを作るための化石燃ねん料りょうは、ほとんどを海外から輸

ゆ入にゅうしていま

す。わたしたちのまわりにあるものから、エネルギーを作ることはできないのでしょうか? わたしたちのまわりには、太陽光、風力、水力、木

もく質しつバイオマス、廃

はい棄き物ぶつエネルギー、地熱、

温泉熱など、一度利用しても短期間で再さい生せいが可

か能のうな「再

さい生せい可か能のうエネルギー」と呼

よばれるエネ

ルギーがあります。この中でも、太陽光を中心にその活用にかかる費用は急速に安くなっており、世界的に普

ふ及きゅうが進んでいます。日本の再

さい生せい可か能のうエネルギーは国全体で必要なエネ

ルギーの約1.8倍もあると推すい計けいされており、上手に活用していくことが大切です。

 都市には人とお金が集まりやすい一方で、地方には食料、水、木材といった資

し源げんやエネルギーが存

そん

在ざいします。こうした人やお金、資

し源げん、エネルギーな

どが循じゅん環かんすることで、お互

たがいに必要としているも

のを補おぎない合い、支

ささえ合うことができます。こうした

地ち域いき間かんのつながりを、都市と地方だけでなく、様々

な地ち域いきどうしが築

きずいていくことが必要です。

太陽光発電 日光がよく当たる場所などにソーラーパネルを置き、太陽光の力で発電します。

風力発電 風が風車を回す力で発電します。海の上で行う海上風力発電もあります。

バイオマス発電 木くずなどの生物の資し源げん(バイオマス)を

使って発電します。

廃はい

棄き

物ぶつ

エネルギー 廃

はい棄き物ぶつを利用して発電

します。発電の時に出る熱も利用します。

自然が生み出すもの

自然エネルギー(再さい

生せい

可か

能のう

エネルギー)

 伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えんでは、英

あ虞ご湾わんの景色をゆっくり楽しむことができるよう、横

よこ山やま展てん

望ぼう台だいに「天

てん空くうカフェテラス」を新しく整

せい備びしました。カフェでは、この土地ならではの

食の体験ができます。また、海外からの旅行者により楽しんでもらえるよう、展てん示じの

多言語化などの工夫も進めています。今後も世界中の旅行者をひき付ける取組を推すい

進しんしていきます。

●伊い勢せ志し摩ま天てん空くうカフェテラス全景

●伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えん‥‥‥

http://www.env.go.jp/park/iseshima/

●伊い勢せ志し摩ま国こく立りつ公こう園えん全体図

伊い

勢せ

志し

摩ま

国こく

立りつ

公こう

園えん

「天てん

空くう

カフェテラス」コラム

地ち

域いき

の資し

源げん

は「お互たが

いさま」

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

Page 18: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

16 17

変わりつつあるわたしたちの 暮く

らし方 わたしたちのモノやサービスの購

こう

入にゅう

、エネルギーや資し

源げん

の使用は、地球環かん

境きょう

に大きな影

えい

響きょう

をおよぼしています。そのため、持続可か

能のう

な社会づくりをしていくためには、わたしたち一人ひとりの暮

らし方を変えていく必要があります。 日本人の意

識しき

の変化や、環かん

境きょう

を考えた持続可か

能のう

な行動を考えてみましょう。

 日本では1960年代以い降こう、経けい済ざいが急速に発展し、多くの人が便利で快

かい適てきな生活を送れるよ

うになりました。その一方で、「豊ゆたかさ」に対する意

い識しきは大きく変化してきています。

 かつては「心の豊ゆたかさ」より「モノの豊

ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の方が多かったですが、近年は

「心の豊ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の割

わり合あいが「モノの豊

ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の約2倍となっています。

 近年、個こ人じん等の所有物や技

ぎ能のうを、インターネットを通じて共有する「シェアリング・エコノ

ミー」という取組が進んでいます。モノや空間などを共有することで、資し源げんを効

こう率りつ的てきに活用

し、ごみの発生量、温室効こう果かガス排

はい出しゅつ量りょうの削さく減げんといった環

かん境きょう保ほ全ぜんの効こう果かが期待されています。

 暮くらしの考え方を少し変えることで、様々な環

かん境きょうを維

い持じする効

こう果かが期待できます。

 例えば、食べ物を必要な分だけ購こう入にゅうして食べ切れば、食べ物という資

し源げんを有

ゆう効こう活用する

だけでなく、食べ残しを運ぶための燃ねん料りょうの削

さく減げん、食べ残しの処

しょ理りで発生する温室効

こう果かガス

の削さく減げんといった効

こう果かも期待できます。また、最近注目されている「オーガニック」について

も、生物多た様よう性せいの保

ほ全ぜんに役立つものであるだけでなく、他の様々なメリットにもつながり

得ることから、有機農業にとどまらず、衣・食・住にわたるライフスタイルを全体的にとらえるものとして考えることもできます。 このように、社会全体を持続可

か能のうにするためには、一人ひとりの考え方を変えていくこ

とが重要です。

豊ゆた

かさに対する意い

識しき

の変化

モノは所有から共有へ

暮く

らしの考え方をちょっと変えるだけで

 ウルグアイのホセ・ムヒカ元大だい統とう領りょうは、

その質しっ素そな暮

くらしぶりから、「世界で最も

貧まずしい大

だい統とう領りょう」と呼

よばれていました。2012

年、ブラジルのリオデジャネイロで開かい催さい

された「国連持続可か能のうな開発会議(リオ+

プラス

20)」において、わたしたちのライフスタイルを見直すべきとしたスピーチを行い、世界から大きな注目を集めました。

 株かぶ式しき会がい社しゃドコモ・バイクシェアでは、環

かん境きょう

に配はい慮りょした自転車シェアリングサービスを全

国で展てん開かいしています。スマートフォンなどで

手軽に貸かし出だし手続きができて、複

ふく数すうのポート(専

せん

用ようの自転車置き場)でどこでも自転車が貸

かし出だし・

返却できることから、利用が進んでいます。自転車シェアリングは、温室効

こう果かガスの排

はい出しゅつ

量りょうの削

さく減げんや資

し源げんの有

ゆう効こう利用のほかに、地

ち域いきの

活かっ性せい化かなどにも貢

こう献けんしています。

世界で最も貧まず

しい大だい

統とう

領りょう

自転車シェアリング

●リオ+プラス20におけるホセ・ムヒカ大

だい統とう領りょう

 のスピーチ

資し

料りょう

:UN Photo

●ドコモ・バイクシェアの自転車と 自転車ポート

資し

料りょう

:株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

ドコモ・バイクシェア

●豊ゆたかさに対する意

い識しきの変化

0

10

20

30

40

50

60

70

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015(年)

(%)

62.6

29.2

心の豊かさ 物の豊かさ

資料:内閣府「平成29年度国民生活に関する世論調査」

約2倍!

し りょう ないかくふ よ ろん

コラム

コラム

食べ残し

CO2

CO2

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16 17

変わりつつあるわたしたちの 暮く

らし方 わたしたちのモノやサービスの購

こう

入にゅう

、エネルギーや資し

源げん

の使用は、地球環かん

境きょう

に大きな影

えい

響きょう

をおよぼしています。そのため、持続可か

能のう

な社会づくりをしていくためには、わたしたち一人ひとりの暮

らし方を変えていく必要があります。 日本人の意

識しき

の変化や、環かん

境きょう

を考えた持続可か

能のう

な行動を考えてみましょう。

 日本では1960年代以い降こう、経けい済ざいが急速に発展し、多くの人が便利で快

かい適てきな生活を送れるよ

うになりました。その一方で、「豊ゆたかさ」に対する意

い識しきは大きく変化してきています。

 かつては「心の豊ゆたかさ」より「モノの豊

ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の方が多かったですが、近年は

「心の豊ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の割

わり合あいが「モノの豊

ゆたかさ」を重

じゅう視しする人の約2倍となっています。

 近年、個こ人じん等の所有物や技

ぎ能のうを、インターネットを通じて共有する「シェアリング・エコノ

ミー」という取組が進んでいます。モノや空間などを共有することで、資し源げんを効

こう率りつ的てきに活用

し、ごみの発生量、温室効こう果かガス排

はい出しゅつ量りょうの削さく減げんといった環

かん境きょう保ほ全ぜんの効こう果かが期待されています。

 暮くらしの考え方を少し変えることで、様々な環

かん境きょうを維

い持じする効

こう果かが期待できます。

 例えば、食べ物を必要な分だけ購こう入にゅうして食べ切れば、食べ物という資

し源げんを有

ゆう効こう活用する

だけでなく、食べ残しを運ぶための燃ねん料りょうの削

さく減げん、食べ残しの処

しょ理りで発生する温室効

こう果かガス

の削さく減げんといった効

こう果かも期待できます。また、最近注目されている「オーガニック」について

も、生物多た様よう性せいの保

ほ全ぜんに役立つものであるだけでなく、他の様々なメリットにもつながり

得ることから、有機農業にとどまらず、衣・食・住にわたるライフスタイルを全体的にとらえるものとして考えることもできます。 このように、社会全体を持続可

か能のうにするためには、一人ひとりの考え方を変えていくこ

とが重要です。

豊ゆた

かさに対する意い

識しき

の変化

モノは所有から共有へ

暮く

らしの考え方をちょっと変えるだけで

 ウルグアイのホセ・ムヒカ元大だい統とう領りょうは、

その質しっ素そな暮

くらしぶりから、「世界で最も

貧まずしい大

だい統とう領りょう」と呼

よばれていました。2012

年、ブラジルのリオデジャネイロで開かい催さい

された「国連持続可か能のうな開発会議(リオ+

プラス

20)」において、わたしたちのライフスタイルを見直すべきとしたスピーチを行い、世界から大きな注目を集めました。

 株かぶ式しき会がい社しゃドコモ・バイクシェアでは、環

かん境きょう

に配はい慮りょした自転車シェアリングサービスを全

国で展てん開かいしています。スマートフォンなどで

手軽に貸かし出だし手続きができて、複

ふく数すうのポート(専

せん

用ようの自転車置き場)でどこでも自転車が貸

かし出だし・

返却できることから、利用が進んでいます。自転車シェアリングは、温室効

こう果かガスの排

はい出しゅつ

量りょうの削

さく減げんや資

し源げんの有

ゆう効こう利用のほかに、地

ち域いきの

活かっ性せい化かなどにも貢

こう献けんしています。

世界で最も貧まず

しい大だい

統とう

領りょう

自転車シェアリング

●リオ+プラス20におけるホセ・ムヒカ大

だい統とう領りょう

 のスピーチ

資し

料りょう

:UN Photo

●ドコモ・バイクシェアの自転車と 自転車ポート

資し

料りょう

:株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

ドコモ・バイクシェア

●豊ゆたかさに対する意

い識しきの変化

0

10

20

30

40

50

60

70

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015(年)

(%)

62.6

29.2

心の豊かさ 物の豊かさ

資料:内閣府「平成29年度国民生活に関する世論調査」

約2倍!

し りょう ないかくふ よ ろん

コラム

コラム

食べ残し

CO2

CO2

Page 20: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

18 19

地ち

域いき

づくりに向けたみんな の取組

食品ロス削さく

減げん

に役立つレシピ 食品ロスの削

さく減げんに向けて、国では「食品ロス削

さく減げん国民運動(N

ノーO-F

フ ー ド ロ スOODLOSS‥P

プ ロ ジ ェ ク トROJECT)」

を展てん開かいしています。この一

いっ環かんとして、食品の生産から販

はん売ばいまでの各段

だん階かいにおける食品ロス

削さく減げんの取組を推

すい進しんしており、例えば、包

ほう装そう内を窒

ちっ素そで満たすことによる品質保

ほ持じ、食べきり

の呼よびかけなどに取り組んでいます。

 2013年度には、消しょう費ひ者しゃ庁ちょうが食品ロスの削

さく減げんに向けて、先進的な取組を行う地方公共団

だん

体たいの支

し援えんを行ったところ、多数の「食材をむだにしないレシピ」が消

しょう費ひ者しゃ庁ちょうに寄せられまし

た。これらのレシピを各地方の郷きょう土ど料理の紹

しょう介かいなどと一緒により多くの人に伝えるため

に、料理レシピサイト「クックパッド」で紹しょう介かいしています。

 また、2018年8月からはクックパッド株かぶ式しき会がい社しゃが「クリエイティブ・クッキング・バトル」

という対戦トーナメント形式のイベントを開かい催さいしています。余

あまった食材で工夫をして、自

由においしい料理をつくる能のう力りょくに焦

しょう点てんを当てたイベントで、楽しみながら食品ロス対

たい策さくに

必要な考え方に気づいてもらうことを目指しています。 これまで捨

すてていた野菜の皮や茎

くきも、冷

れい蔵ぞう庫こに残った半

はん端ぱな野菜や余

あまった料理も、捨

すて

る前にレシピを探さがしたり、考えてみたりしてください。捨

すてていたものから、おいしくて

地球と家計にやさしい料理ができるかもしれません。

コウノトリと共に生きる(兵ひょう

庫ご

県けん

豊とよ

岡おか

市し

) かつて日本各地で見られたコウノトリは、生息環

かん境きょうの悪化により数を減

へらし、1971年に

日本の空から姿すがたを消しました。兵

ひょう庫ご県けん豊とよ岡おか市しでは、絶

ぜつ滅めつする少し前からコウノトリを守ろ

うと、1965年に人工飼し育いくを始め、1989年には待望の人工繁

はん殖しょくに成功し、2005年、再

ふたたびコ

ウノトリが日本の空を舞まいました。現

げん在ざいでは、野外でもヒナが誕

たん生じょうしており、100羽をこえ

るコウノトリが同市を中心とした野外で暮くらしています。

 コウノトリは水田などの湿しっ地ちでカエルやドジョウなどを食べて暮

くらすことから、野外で

暮くらしやすい環

かん境きょうをつくるために、2003年からは、農薬や化学肥

ひ料りょうにたよらない「コウノ

トリ育む農法」を始めました。この農法で栽さい培ばいされた米は、一

いっ般ぱん的てきな農法に比

くらべて1.3倍か

ら1.6倍の価か格かくで買い取られており、農家の収

しゅう入にゅうの増

ぞう加かにつながっています。環

かん境きょうを良くす

る取組により経けい済ざいが活

かっ性せい化かし、それがもととなってさらに取組が広がるという、環

かん境きょうと経

けい

済ざいが共に影

えい響きょうし高め合う関係ができ上がっています。

 地元の子どもたちも、生き物調ちょう査さをはじめ、コウノトリの野生復

ふっ帰きの取組に参加してい

ます。2017年度からは市内の全小中学校で「ふるさと教育」が始まり、コウノトリや地元の自然について学んでいます。こうした取組は、自分が生まれ育ったふるさとに対する愛着と誇

ほこりを育てることにつながっています。

資し

源げん

の循じゅん

環かん

に関する取組 自然資し

源げん

を利用した取組

●食品ロス削さく減げん国民運動のロゴ

資し

料りょう

:農のう

林りん

水すい

産さん

省しょう

●クリエイティブ・クッキング・バトルの様子

資し

料りょう

:クックパッド株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

●コウノトリと少年

資し

料りょう

:兵ひょう

庫ご

県けん

豊とよ

岡おか

市し

●コウノトリ育むお米

●子どもたちの生息地保ほ全ぜん活動

Page 21: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

18 19

地ち

域いき

づくりに向けたみんな の取組

食品ロス削さく

減げん

に役立つレシピ 食品ロスの削

さく減げんに向けて、国では「食品ロス削

さく減げん国民運動(N

ノーO-F

フ ー ド ロ スOODLOSS‥P

プ ロ ジ ェ ク トROJECT)」

を展てん開かいしています。この一

いっ環かんとして、食品の生産から販

はん売ばいまでの各段

だん階かいにおける食品ロス

削さく減げんの取組を推

すい進しんしており、例えば、包

ほう装そう内を窒

ちっ素そで満たすことによる品質保

ほ持じ、食べきり

の呼よびかけなどに取り組んでいます。

 2013年度には、消しょう費ひ者しゃ庁ちょうが食品ロスの削

さく減げんに向けて、先進的な取組を行う地方公共団

だん

体たいの支

し援えんを行ったところ、多数の「食材をむだにしないレシピ」が消

しょう費ひ者しゃ庁ちょうに寄せられまし

た。これらのレシピを各地方の郷きょう土ど料理の紹

しょう介かいなどと一緒により多くの人に伝えるため

に、料理レシピサイト「クックパッド」で紹しょう介かいしています。

 また、2018年8月からはクックパッド株かぶ式しき会がい社しゃが「クリエイティブ・クッキング・バトル」

という対戦トーナメント形式のイベントを開かい催さいしています。余

あまった食材で工夫をして、自

由においしい料理をつくる能のう力りょくに焦

しょう点てんを当てたイベントで、楽しみながら食品ロス対

たい策さくに

必要な考え方に気づいてもらうことを目指しています。 これまで捨

すてていた野菜の皮や茎

くきも、冷

れい蔵ぞう庫こに残った半

はん端ぱな野菜や余

あまった料理も、捨

すて

る前にレシピを探さがしたり、考えてみたりしてください。捨

すてていたものから、おいしくて

地球と家計にやさしい料理ができるかもしれません。

コウノトリと共に生きる(兵ひょう

庫ご

県けん

豊とよ

岡おか

市し

) かつて日本各地で見られたコウノトリは、生息環

かん境きょうの悪化により数を減

へらし、1971年に

日本の空から姿すがたを消しました。兵

ひょう庫ご県けん豊とよ岡おか市しでは、絶

ぜつ滅めつする少し前からコウノトリを守ろ

うと、1965年に人工飼し育いくを始め、1989年には待望の人工繁

はん殖しょくに成功し、2005年、再

ふたたびコ

ウノトリが日本の空を舞まいました。現

げん在ざいでは、野外でもヒナが誕

たん生じょうしており、100羽をこえ

るコウノトリが同市を中心とした野外で暮くらしています。

 コウノトリは水田などの湿しっ地ちでカエルやドジョウなどを食べて暮

くらすことから、野外で

暮くらしやすい環

かん境きょうをつくるために、2003年からは、農薬や化学肥

ひ料りょうにたよらない「コウノ

トリ育む農法」を始めました。この農法で栽さい培ばいされた米は、一

いっ般ぱん的てきな農法に比

くらべて1.3倍か

ら1.6倍の価か格かくで買い取られており、農家の収

しゅう入にゅうの増

ぞう加かにつながっています。環

かん境きょうを良くす

る取組により経けい済ざいが活

かっ性せい化かし、それがもととなってさらに取組が広がるという、環

かん境きょうと経

けい

済ざいが共に影

えい響きょうし高め合う関係ができ上がっています。

 地元の子どもたちも、生き物調ちょう査さをはじめ、コウノトリの野生復

ふっ帰きの取組に参加してい

ます。2017年度からは市内の全小中学校で「ふるさと教育」が始まり、コウノトリや地元の自然について学んでいます。こうした取組は、自分が生まれ育ったふるさとに対する愛着と誇

ほこりを育てることにつながっています。

資し

源げん

の循じゅん

環かん

に関する取組 自然資し

源げん

を利用した取組

●食品ロス削さく減げん国民運動のロゴ

資し

料りょう

:農のう

林りん

水すい

産さん

省しょう

●クリエイティブ・クッキング・バトルの様子

資し

料りょう

:クックパッド株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

●コウノトリと少年

資し

料りょう

:兵ひょう

庫ご

県けん

豊とよ

岡おか

市し

●コウノトリ育むお米

●子どもたちの生息地保ほ全ぜん活動

Page 22: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

20 21

地元密みっ

着ちゃく

企き

業ぎょう

で地ち

域いき

を元気に(鳥とっ

取とり

県けん

米よ な ご

子市し

) これまでは、火力発電や原子力発電のように大

だい規き模ぼで集中的に発電が行われていました。

しかし、災害が起きてその設せつ備びが止まった場合、広い地

ち域いきで大きな影

えい響きょうが出てしまいます。

2016年に電力に関する制度が変わってからは、小しょう規き模ぼで各地に分散した発電も行いやすく

なりました。再さい生せい可か能のうエネルギーは地

ち域いきで作り、地

ち域いきで使う「地産地消」に適したエネルギー

のため、各地で再さい生せい可か能のうエネルギーを使った小

しょう規き模ぼ発電の取組が進められています。

 鳥とっ取とり県けん米よ な ご子市

しでは、生産したエネルギーをその地

ち域いきで消費することで、地

ち域いきのお金の流

れを活かっ性せい化かさせること、地

ち域いきに働く場所を生み出すことなどを目的に、地元企

き業ぎょう5社と共同

で「ローカルエナジー株かぶ式しき会がい社しゃ」を2015年に設

せつ立りつしました。同社では、米

よな ご子市

しやその周辺

での廃はい棄き物ぶつ発電、太陽光発電、地熱発電などといった再

さい生せい可か能のうエネルギーで作られた電力

を積極的に活用しています。 また、同社は、地

ち域いき内に必要な電力量の予

よ測そくを行って自社だけでは余

あまったり不足したり

する電力を売買して調整し、電力がしっかり供きょう給きゅうされているかを確認したりするといった

ことを自ら実施しています。これにより、地ち域いきの天気やイベント、学校の行事など地

ち域いきの特

性に合わせた最適な電力提供を可か能のうとするとともに、地

ち域いきに新たな仕事を生み出していま

す。 地

ち域いきの再

さい生せい可か能のうエネルギー等を活用し、地

ち域いきに密

みっ着ちゃくして電気やガス等を供給する公的な

企き業ぎょうをドイツでは「シュタットベルケ」と呼

よび、地

ち域いきの活

かっ性せい化かにつながっています。米

よな ご子市

ではこのシュタットベルケに習い、地元密みっ着ちゃく企き業ぎょうで地

ち域いきを元気にする取組が積極的に進め

られています。

人と電気のつながりによる都市と農山漁村の交流(東

とう

京きょう

都と

世せ た が や

田谷区く

、群ぐん

馬ま

県けん

川かわ

場ば

村むら

) 東

とう京きょう都と世せ た が や田谷区

くと群

ぐん馬ま県けん川かわ場ば村むらの交流は、世

せ た が や田谷区

くが1981年に区民の第二のふるさ

とづくりを目的として川かわ場ば村むらと協定を結んだことをきっかけにスタートしました。以来、

世せ た が や田谷区

くと川

かわ場ば村むらの交流を発

はっ展てんさせるため、世

せ た が や田谷区

くの小学5年生を対象に、川

かわ場ば村むらの豊

ゆた

かな自然の中で農作業や登山、村巡めぐりを行う移

い動どう教室や、川

かわ場ば村むらの自然環

かん境きょうを区民・村民が

協力して守り育てる活動などを行ってきました。 こうしたつながりがあり、自然エネルギーを介

かいした新たな交流の発

はっ展てんとして、2016年2

月に自然エネルギー活用による発電に関する取り決めを結びました。川かわ場ば村むらで新たに地

ち域いき

の森林資し源げんを活用した木

もく質しつバイオマス発電を立ち上げ、川

かわ場ば村むらで発電した電気を世

せ た が や田谷区

民みんが購

こう入にゅうするという仕組みをつくりました。ほとんどが住宅地であり、大

だい規き模ぼな自然エネ

ルギーを生み出すことが難むずかしい世

せ た が や田谷区

くでは、川

かわ場ば村むらとの交流や自然エネルギーを通じた

地ち域いきどうしの協力の仕組みが、他の市区町村にも広がるように取組を進めています。

再さい

生せい

可か

能のう

エネルギーに関する取組 地ち

域いき

のつながりを活かした取組

●廃はい棄き物ぶつ発電施

し設せつ

資し

料りょう

:鳥とっ

取とり

県けん

米よなご

子市し

●林業体験の様子

資し

料りょう

:東とう

京きょう

都と

世せ た が や

田谷区く

、群ぐん

馬ま

県けん

川かわ

場ば

村むら

●農業体験の様子

●川かわ場ば村むらにある発電所の見学ツアー

●太陽光発電施し設せつ

資し

料りょう

:シャープ株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

Page 23: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

20 21

地元密みっ

着ちゃく

企き

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で地ち

域いき

を元気に(鳥とっ

取とり

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子市し

) これまでは、火力発電や原子力発電のように大

だい規き模ぼで集中的に発電が行われていました。

しかし、災害が起きてその設せつ備びが止まった場合、広い地

ち域いきで大きな影

えい響きょうが出てしまいます。

2016年に電力に関する制度が変わってからは、小しょう規き模ぼで各地に分散した発電も行いやすく

なりました。再さい生せい可か能のうエネルギーは地

ち域いきで作り、地

ち域いきで使う「地産地消」に適したエネルギー

のため、各地で再さい生せい可か能のうエネルギーを使った小

しょう規き模ぼ発電の取組が進められています。

 鳥とっ取とり県けん米よ な ご子市

しでは、生産したエネルギーをその地

ち域いきで消費することで、地

ち域いきのお金の流

れを活かっ性せい化かさせること、地

ち域いきに働く場所を生み出すことなどを目的に、地元企

き業ぎょう5社と共同

で「ローカルエナジー株かぶ式しき会がい社しゃ」を2015年に設

せつ立りつしました。同社では、米

よな ご子市

しやその周辺

での廃はい棄き物ぶつ発電、太陽光発電、地熱発電などといった再

さい生せい可か能のうエネルギーで作られた電力

を積極的に活用しています。 また、同社は、地

ち域いき内に必要な電力量の予

よ測そくを行って自社だけでは余

あまったり不足したり

する電力を売買して調整し、電力がしっかり供きょう給きゅうされているかを確認したりするといった

ことを自ら実施しています。これにより、地ち域いきの天気やイベント、学校の行事など地

ち域いきの特

性に合わせた最適な電力提供を可か能のうとするとともに、地

ち域いきに新たな仕事を生み出していま

す。 地

ち域いきの再

さい生せい可か能のうエネルギー等を活用し、地

ち域いきに密

みっ着ちゃくして電気やガス等を供給する公的な

企き業ぎょうをドイツでは「シュタットベルケ」と呼

よび、地

ち域いきの活

かっ性せい化かにつながっています。米

よな ご子市

ではこのシュタットベルケに習い、地元密みっ着ちゃく企き業ぎょうで地

ち域いきを元気にする取組が積極的に進め

られています。

人と電気のつながりによる都市と農山漁村の交流(東

とう

京きょう

都と

世せ た が や

田谷区く

、群ぐん

馬ま

県けん

川かわ

場ば

村むら

) 東

とう京きょう都と世せ た が や田谷区

くと群

ぐん馬ま県けん川かわ場ば村むらの交流は、世

せ た が や田谷区

くが1981年に区民の第二のふるさ

とづくりを目的として川かわ場ば村むらと協定を結んだことをきっかけにスタートしました。以来、

世せ た が や田谷区

くと川

かわ場ば村むらの交流を発

はっ展てんさせるため、世

せ た が や田谷区

くの小学5年生を対象に、川

かわ場ば村むらの豊

ゆた

かな自然の中で農作業や登山、村巡めぐりを行う移

い動どう教室や、川

かわ場ば村むらの自然環

かん境きょうを区民・村民が

協力して守り育てる活動などを行ってきました。 こうしたつながりがあり、自然エネルギーを介

かいした新たな交流の発

はっ展てんとして、2016年2

月に自然エネルギー活用による発電に関する取り決めを結びました。川かわ場ば村むらで新たに地

ち域いき

の森林資し源げんを活用した木

もく質しつバイオマス発電を立ち上げ、川

かわ場ば村むらで発電した電気を世

せ た が や田谷区

民みんが購

こう入にゅうするという仕組みをつくりました。ほとんどが住宅地であり、大

だい規き模ぼな自然エネ

ルギーを生み出すことが難むずかしい世

せ た が や田谷区

くでは、川

かわ場ば村むらとの交流や自然エネルギーを通じた

地ち域いきどうしの協力の仕組みが、他の市区町村にも広がるように取組を進めています。

再さい

生せい

可か

能のう

エネルギーに関する取組 地ち

域いき

のつながりを活かした取組

●廃はい棄き物ぶつ発電施

し設せつ

資し

料りょう

:鳥とっ

取とり

県けん

米よなご

子市し

●林業体験の様子

資し

料りょう

:東とう

京きょう

都と

世せ た が や

田谷区く

、群ぐん

馬ま

県けん

川かわ

場ば

村むら

●農業体験の様子

●川かわ場ば村むらにある発電所の見学ツアー

●太陽光発電施し設せつ

資し

料りょう

:シャープ株かぶ

式しき

会がい

社しゃ

Page 24: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

22 23

ライフスタイルを変えよう!「希

望ぼう

の綿わた

」ふくしまオーガニックコットンプロジェクト(N

エヌ

Pピー

Oオー

法ほう

人じん

ザ・ピープル) 東日本大

だい震しん災さいで大きな被

ひ害がいを受けた福

ふく島しま県けんいわき市

しでは、東京電力福島第一原子力発電

所事故による風ふう評ひょう被ひ害がいや農業の担

にない手不足などが原

げん因いんで、手入れが行き届いていない畑が

広がっていました。NエヌPピーOオー法ほう人じんザ・ピープルでは、2012年から「ふくしまオーガニックコッ

トンプロジェクト」を開始し、いわき市し内など21か所の畑を活用して、農薬や化学肥

ひ料りょうに

たよらない有機栽さい培ばい(オーガニック)でコットンを育てています。栽

さい培ばいされたコットンは

「希き望ぼうの綿

わた」と名付けられ、Tシャツなどの商品に加工して、インターネットなどを通じて

販はん売ばいしています。中でも注目されているのが、「コットンベイブ」という小さな人形です。人

形の中に種付きのコットンが入っていて、「買った人は、それぞれの場所でコットンを育て、収しゅう穫かくした綿

わたを送り返す」という試みを行っています。これらの取組を通じて、農業の再

さい生せいや

地ち域いきの活かっ性せい化か、仕事を生み出すことにより、福

ふく島しま県けんの復ふっ興こうに取り組んでいます。

 モノを買うことは、未来を選ぶことにつながります。この取組のように、環かん境きょうへの負荷を

減へらして育てられたコットンの服などを選ぶことは、自然と共生し、豊

ゆたかな社会を実

じつ現げんす

る力となります。

みんなの力で社会は変わる!みんなの力が社会を変える! グッドライフアワードは、環

かん境きょうにやさしい社会の実

じつ現げんを目指し、日本各地の「環

かん境きょうと社会

によい暮くらし」に関わる活動や取組を募

ぼ集しゅうして紹

しょう介かい・表

ひょう彰しょうし、活動や社会を活

かっ性せい化かするため

の情じょう報ほう交こう換かんなどを支

し援えんしていく環

かん境きょう省しょうのプロジェクトです。

 グッドライフアワードでは、「環かん境きょうと社会によい暮

くらし」を実

じつ現げんするための取組を募

ぼ集しゅうし

ています。みなさんの取組についての情じょう報ほうを発信することで、日本で暮

くらす一人ひとりが

ライフスタイルを見直すきっかけになることを目指しています。

 環かん境きょうを維

い持じしていくには、一人ひとりの行動が必要です。自分でできることを探

さがしたり、

周りの人と話し合ったりして、何ができるのか、考えてみましょう。

●グッドライフアワードhttp://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/index.html

●表ひょう彰しょう式しきの様子 ●第5回環

かん境きょう大だい臣じん賞しょう

 「つなげよう段だんボールコンポストの輪」

資し

料りょう

:八はち

王おう

子じ

市し

立りつ

弐に

分ぶ

方かた

小しょう

学がっ

校こう

暮く

らし方の転てん

換かん

による取組

●いわきオーガニックコットン収しゅう穫かく祭

資し

料りょう

:Nエヌ

Pピー

Oオー

法ほう

人じん

ザ・ピープル

●コットンベイブ‥ ●コットンでできた製品

グッドライフアワード

短い距きょ離りは歩くか、自転車に乗ろう レジぶくろは断

ことわろう 洗

せん濯たく物ものの量などに合った

正しい量の洗せん剤ざいを使おう

‥他にもわたしたちにできることはいっぱい!調べてみよう!

●持続可か能のうな社会のためにナマケモノにもできるアクションガイド

(国連広報センター:http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/)

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

Page 25: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

22 23

ライフスタイルを変えよう!「希

望ぼう

の綿わた

」ふくしまオーガニックコットンプロジェクト(N

エヌ

Pピー

Oオー

法ほう

人じん

ザ・ピープル) 東日本大

だい震しん災さいで大きな被

ひ害がいを受けた福

ふく島しま県けんいわき市

しでは、東京電力福島第一原子力発電

所事故による風ふう評ひょう被ひ害がいや農業の担

にない手不足などが原

げん因いんで、手入れが行き届いていない畑が

広がっていました。NエヌPピーOオー法ほう人じんザ・ピープルでは、2012年から「ふくしまオーガニックコッ

トンプロジェクト」を開始し、いわき市し内など21か所の畑を活用して、農薬や化学肥

ひ料りょうに

たよらない有機栽さい培ばい(オーガニック)でコットンを育てています。栽

さい培ばいされたコットンは

「希き望ぼうの綿

わた」と名付けられ、Tシャツなどの商品に加工して、インターネットなどを通じて

販はん売ばいしています。中でも注目されているのが、「コットンベイブ」という小さな人形です。人

形の中に種付きのコットンが入っていて、「買った人は、それぞれの場所でコットンを育て、収しゅう穫かくした綿

わたを送り返す」という試みを行っています。これらの取組を通じて、農業の再

さい生せいや

地ち域いきの活かっ性せい化か、仕事を生み出すことにより、福

ふく島しま県けんの復ふっ興こうに取り組んでいます。

 モノを買うことは、未来を選ぶことにつながります。この取組のように、環かん境きょうへの負荷を

減へらして育てられたコットンの服などを選ぶことは、自然と共生し、豊

ゆたかな社会を実

じつ現げんす

る力となります。

みんなの力で社会は変わる!みんなの力が社会を変える! グッドライフアワードは、環

かん境きょうにやさしい社会の実

じつ現げんを目指し、日本各地の「環

かん境きょうと社会

によい暮くらし」に関わる活動や取組を募

ぼ集しゅうして紹

しょう介かい・表

ひょう彰しょうし、活動や社会を活

かっ性せい化かするため

の情じょう報ほう交こう換かんなどを支

し援えんしていく環

かん境きょう省しょうのプロジェクトです。

 グッドライフアワードでは、「環かん境きょうと社会によい暮

くらし」を実

じつ現げんするための取組を募

ぼ集しゅうし

ています。みなさんの取組についての情じょう報ほうを発信することで、日本で暮

くらす一人ひとりが

ライフスタイルを見直すきっかけになることを目指しています。

 環かん境きょうを維

い持じしていくには、一人ひとりの行動が必要です。自分でできることを探

さがしたり、

周りの人と話し合ったりして、何ができるのか、考えてみましょう。

●グッドライフアワードhttp://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/index.html

●表ひょう彰しょう式しきの様子 ●第5回環

かん境きょう大だい臣じん賞しょう

 「つなげよう段だんボールコンポストの輪」

資し

料りょう

:八はち

王おう

子じ

市し

立りつ

弐に

分ぶ

方かた

小しょう

学がっ

校こう

暮く

らし方の転てん

換かん

による取組

●いわきオーガニックコットン収しゅう穫かく祭

資し

料りょう

:Nエヌ

Pピー

Oオー

法ほう

人じん

ザ・ピープル

●コットンベイブ‥ ●コットンでできた製品

グッドライフアワード

短い距きょ離りは歩くか、自転車に乗ろう レジぶくろは断

ことわろう 洗

せん濯たく物ものの量などに合った

正しい量の洗せん剤ざいを使おう

‥他にもわたしたちにできることはいっぱい!調べてみよう!

●持続可か能のうな社会のためにナマケモノにもできるアクションガイド

(国連広報センター:http://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/)

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

Page 26: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

24 25

みんなで取組を始めよう! わたしたちの暮

くらしを支

ささえる森里川海は、今もたくさんの課題をかかえています。しか

し、大人も子どもも、都市も地方も、みんなで森里川海を支ささ

える社会をつくることができれば、森里川海からのめぐみはいつまでも生み出され、わたしたちは心

こころ豊ゆた

かに暮く

らせるようになります。トキやコウノトリが舞

まう田んぼ、たくさんの魚が泳ぐ川や海、その中で遊ぶ子

どもたち。そんな光景がどこにでも見られる“いのち輝かがや

く国”を目指して、楽しみながら行動を始める人が増

ふえています。さあ、あなたも、この活動の輪に加わりましょう。

 環かん

境きょう

省しょう

では、地球温おん

暖だん

化か

対たい

策さく

のための国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」を推すい

進しん

しています。「クールチョイス」は日にち

常じょう

生活で使う「モノ」や「サービス」、「ライフスタイル」について、環

かん境きょう

にやさしいものを選ぶことを推すい

進しん

する取組です。その取組の中には、地球のことを考えて冷

れい房ぼう

の温度を設せっ

定てい

する「クールビズ」、宅たく

配はい

便びん

を1回で受け取る「Cク ー ルOOL

Cチ ョ イ スHOICEできるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」などがあります。

●Cク ー ルOOL C

チ ョ イ スHOICE

  https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/

●Rリe-S

ス タ イ ルtyle

 http://www.re-style.env.go.jp/

 環かん

境きょう

省しょう

では、資し

源げん

が循じゅん

環かん

する社会(循じゅん

環かん

型がた

社会)のライフスタイルを「Re-Style(リスタイル)」として、全国で取組を推

すい進しん

しています。この取組では「限かぎ

りある資し

源げん

を未来につなぐ。今、僕

ぼくらにできること。」をテーマに、3

スリーR

アール(リデュース、リユース、リサイクル)や資

し源げん

の大切さを知ってもらうため、幅

はば広い情

じょう報ほう

を発信しています。また、毎年10月を 3スリー

Rアール

推すい

進しん

月間と決めて、様々なイベントを開

かい催さい

して、資し

源げん

の循じゅん

環かん

利用が広まるよう、活動をしています。

 ポイ捨てなどにより、回収されずに海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。「海洋プラスチックごみ」はいつまでも海に残り、このままでは2050年までに世界中の魚の量を上回ると予測されています。 この問題の解決には、不必要なワンウェイ(使い捨て)のプラスチックを使わないなど、プラスチックと賢

かしこく付き合っていくことが重要です。環

かん境きょう

省しょう

では、そうした取組を応援し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」キャンペーンを実施しています。●プラスチック・スマート http://plastics-smart.env.go.jp/

Mマ イ

Y行こう

動どう

宣せん

言げん

 たくさんの生き物が、近いうちに地球からいなくなると言われています。あらゆる生き物とのつながりの上に成り立つ、わたしたちの暮

くらし。まずは自分にできることを知り、楽しみ

ながら行動してみること。それが、わたしたちの豊ゆた

かな暮く

らしと森里川海を支ささ

えます。 「M

マ イY行

こう動どう

宣せん

言げん

」では、今日からだれでも楽しめるアクションを紹しょう

介かい

しています。次の5つのアクションの中からやってみたいものを選んでM

マ イY行

こう動どう

宣せん

言げん

し、今日から一いっ

緒しょ

に行動していきましょう!

生物多た

様よう

性せい

のためにできる5つのアクション

つなげよう、支ささ

えよう森里川海プロジェクト

● 森林整せい

備び

体験の様子

●森里川海 http://www.env.go.jp/nature/morisatokawaumi/

●ウェブからできるMマ イ

Y行こう

動どう

宣せん

言げん

 http://undb.jp/spread-action/entry/

● 屋上農園での栽さい

培ばい

の様子

Cク ー ル

OOL Cチ ョ イ ス

HOICE

Rリ

e-Sス タ イ ル

tyle

● Cク ー ルOOL C

チ ョ イ スHOICEイメージキャラクター ● 宅

たく配はい

ボックス利用の様子

資し

料りょう

:Packcity JAPAN、ヤマト運輸

たべよう ふれようつたえよう

まもろう えらぼう

地元でとれたものを食べ、旬しゅんのものを味わおう

自然の中へ出かけ、自然や生き物にふれよう

       自然のすばら       しさや季節の移うつり変わりを感じて、家族や

友達に伝えよう

自然や生き物の観察会、保ほ護ご

活動などに参加しようエコラベルなどが付いた、環

かん境きょう

にやさしい商品を選ぼう

エコラベルエコラベル

プラスチック・スマート

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

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24 25

みんなで取組を始めよう! わたしたちの暮

くらしを支

ささえる森里川海は、今もたくさんの課題をかかえています。しか

し、大人も子どもも、都市も地方も、みんなで森里川海を支ささ

える社会をつくることができれば、森里川海からのめぐみはいつまでも生み出され、わたしたちは心

こころ豊ゆた

かに暮く

らせるようになります。トキやコウノトリが舞

まう田んぼ、たくさんの魚が泳ぐ川や海、その中で遊ぶ子

どもたち。そんな光景がどこにでも見られる“いのち輝かがや

く国”を目指して、楽しみながら行動を始める人が増

ふえています。さあ、あなたも、この活動の輪に加わりましょう。

 環かん

境きょう

省しょう

では、地球温おん

暖だん

化か

対たい

策さく

のための国民運動「COOL CHOICE(クールチョイス)」を推すい

進しん

しています。「クールチョイス」は日にち

常じょう

生活で使う「モノ」や「サービス」、「ライフスタイル」について、環

かん境きょう

にやさしいものを選ぶことを推すい

進しん

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れい房ぼう

の温度を設せっ

定てい

する「クールビズ」、宅たく

配はい

便びん

を1回で受け取る「Cク ー ルOOL

Cチ ョ イ スHOICEできるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」などがあります。

●Cク ー ルOOL C

チ ョ イ スHOICE

  https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/

●Rリe-S

ス タ イ ルtyle

 http://www.re-style.env.go.jp/

 環かん

境きょう

省しょう

では、資し

源げん

が循じゅん

環かん

する社会(循じゅん

環かん

型がた

社会)のライフスタイルを「Re-Style(リスタイル)」として、全国で取組を推

すい進しん

しています。この取組では「限かぎ

りある資し

源げん

を未来につなぐ。今、僕

ぼくらにできること。」をテーマに、3

スリーR

アール(リデュース、リユース、リサイクル)や資

し源げん

の大切さを知ってもらうため、幅

はば広い情

じょう報ほう

を発信しています。また、毎年10月を 3スリー

Rアール

推すい

進しん

月間と決めて、様々なイベントを開

かい催さい

して、資し

源げん

の循じゅん

環かん

利用が広まるよう、活動をしています。

 ポイ捨てなどにより、回収されずに海に流れ込む「海洋プラスチックごみ」が日々発生しています。「海洋プラスチックごみ」はいつまでも海に残り、このままでは2050年までに世界中の魚の量を上回ると予測されています。 この問題の解決には、不必要なワンウェイ(使い捨て)のプラスチックを使わないなど、プラスチックと賢

かしこく付き合っていくことが重要です。環

かん境きょう

省しょう

では、そうした取組を応援し、さらに広げていくため「プラスチック・スマート」キャンペーンを実施しています。●プラスチック・スマート http://plastics-smart.env.go.jp/

Mマ イ

Y行こう

動どう

宣せん

言げん

 たくさんの生き物が、近いうちに地球からいなくなると言われています。あらゆる生き物とのつながりの上に成り立つ、わたしたちの暮

くらし。まずは自分にできることを知り、楽しみ

ながら行動してみること。それが、わたしたちの豊ゆた

かな暮く

らしと森里川海を支ささ

えます。 「M

マ イY行

こう動どう

宣せん

言げん

」では、今日からだれでも楽しめるアクションを紹しょう

介かい

しています。次の5つのアクションの中からやってみたいものを選んでM

マ イY行

こう動どう

宣せん

言げん

し、今日から一いっ

緒しょ

に行動していきましょう!

生物多た

様よう

性せい

のためにできる5つのアクション

つなげよう、支ささ

えよう森里川海プロジェクト

● 森林整せい

備び

体験の様子

●森里川海 http://www.env.go.jp/nature/morisatokawaumi/

●ウェブからできるMマ イ

Y行こう

動どう

宣せん

言げん

 http://undb.jp/spread-action/entry/

● 屋上農園での栽さい

培ばい

の様子

Cク ー ル

OOL Cチ ョ イ ス

HOICE

Rリ

e-Sス タ イ ル

tyle

● Cク ー ルOOL C

チ ョ イ スHOICEイメージキャラクター ● 宅

たく配はい

ボックス利用の様子

資し

料りょう

:Packcity JAPAN、ヤマト運輸

たべよう ふれようつたえよう

まもろう えらぼう

地元でとれたものを食べ、旬しゅんのものを味わおう

自然の中へ出かけ、自然や生き物にふれよう

       自然のすばら       しさや季節の移うつり変わりを感じて、家族や

友達に伝えよう

自然や生き物の観察会、保ほ護ご

活動などに参加しようエコラベルなどが付いた、環

かん境きょう

にやさしい商品を選ぼう

エコラベルエコラベル

プラスチック・スマート

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

資し

料りょう

:環かん

境きょう

省しょう

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26 27

おわりに 豊

ゆた

かな未来とはどのような未来なのでしょうか? わたしたちの豊

ゆた

かな未来について、地ち

域いき

や国がどのように変わって行くか、環かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会がどのように調和していくか、思い描えが

いてみましょう。

 「こども環かん

境きょう

白書」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 今のままの暮

らしを続けていると持続可か

能のう

な社会に遠くなってしまいます。初めからすべてを良くしようとするのは難

むずか

しいですが、あなたの好きなことや興味のあること、今取り組んでいることについて、少し発想を変えるだけで環

かん

境きょう

保ほ

全ぜん

へとつながっていくかもしれません。 環

かん

境きょう

保ほ

全ぜん

に絶ぜっ

対たい

の答えは存そん

在ざい

しません。大人もどうすれば良いのか、常

つね

に悩んでいます。みなさんにはみなさんにできる方法で問題解

かい

決けつ

へつながるやり方があると思います。自分に合った方法を探

さが

してみてください。それが持続可

能のう

な社会への第一歩となります。 本書を読むことが、みなさんの考え方を変える手助けになれば幸いです。

豊ゆた

かな未来を想そう

像ぞう

してみよう!

未来の社会はどうなっているだろう?

例えば

など

エネルギーはどこから手に入れているだろう?

気温はどうなっているだろう?

わたしたちの出すごみの量はどうなっているだろう?

自然はどうなっているだろう?

みんなはどんな暮く

らしをしているだろう?

Page 29: みんなつかえる! こども環境白書 · 学校や家、自分でできることを実行して みよう。 何ができるか こども環 かん 境 きょう 白書からできることを探し

26 27

おわりに 豊

ゆた

かな未来とはどのような未来なのでしょうか? わたしたちの豊

ゆた

かな未来について、地ち

域いき

や国がどのように変わって行くか、環かん

境きょう

・経けい

済ざい

・社会がどのように調和していくか、思い描えが

いてみましょう。

 「こども環かん

境きょう

白書」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 今のままの暮

らしを続けていると持続可か

能のう

な社会に遠くなってしまいます。初めからすべてを良くしようとするのは難

むずか

しいですが、あなたの好きなことや興味のあること、今取り組んでいることについて、少し発想を変えるだけで環

かん

境きょう

保ほ

全ぜん

へとつながっていくかもしれません。 環

かん

境きょう

保ほ

全ぜん

に絶ぜっ

対たい

の答えは存そん

在ざい

しません。大人もどうすれば良いのか、常

つね

に悩んでいます。みなさんにはみなさんにできる方法で問題解

かい

決けつ

へつながるやり方があると思います。自分に合った方法を探

さが

してみてください。それが持続可

能のう

な社会への第一歩となります。 本書を読むことが、みなさんの考え方を変える手助けになれば幸いです。

豊ゆた

かな未来を想そう

像ぞう

してみよう!

未来の社会はどうなっているだろう?

例えば

など

エネルギーはどこから手に入れているだろう?

気温はどうなっているだろう?

わたしたちの出すごみの量はどうなっているだろう?

自然はどうなっているだろう?

みんなはどんな暮く

らしをしているだろう?

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28 29

この冊子の目的と使い方(教師・保護者のみなさまへ)

 「こども環境白書」は、子供も大人も、みんながESD※の視点から気付き、考え、行動を変えていくためのツールです。

 ESDとは、世界の人々や、地球上の生き物、そしてこれから先の未来のことも考えて、みんなが幸せに暮らしていける地球にしていくために、私たち一人ひとりが気付き、主体となってできることを考え、行動するための学びです。そして、ESDでは、学校教育だけでなく、日常の経験、家庭、職場、遊びなど、“すべての場が学びの場”となります。また、子供からお年寄りまでの“すべての人が学ぶ人”となります。

資料:国立教育政策研究所教育課程研究センター「ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み」より環境省作成

一人ひとり大切に 力を合わせて 責任をもって

限りがある関わり合っている

 自然・文化・社会・経済は、多種多様な事物から成り立っています。そうした多様性を尊重するとともに、事物・現象を多面的に見たり考えたりすることが大切です。

 自然・文化・社会・経済は、互いに働き掛け合うシステムであり、人もそれらとつながりをもち、人同士も関わり合って相互に作用していることを認識することが大切です。

 自然・文化・社会・経済を成り立たせている環境要因や資源は有限であり、それらに支えられた社会発展には限界があることを知るとともに、将来世代のために有効に使用していくことが大切です。

 持続可能な社会の基盤は、一人ひとりの人権や生命が尊重されることです。権利の保障や恩恵の享受は公平である必要があり、地域や世代を超えて保持されることが大切です。

 持続可能な社会の構築・維持には、多様な主体の連携・協力が不可欠であり、意見や立場が違っても、適宜順応・調和を図りながら、互いに協力して問題を解決していくことが大切です。

 持続可能な社会を構築するためには、一人ひとりが責任と義務を自覚し、望ましい将来像に対する責任あるビジョンを持って、他人任せにせずに自ら進んで行動することが大切です。

 合理的、客観的な情報や公平な判断に基づいて本質を見抜き、ものごとを思慮深く、建設的、協調的、代替的に思考・判断する力。

 過去や現在に基づき、あるべき未来像(ビジョン)を予想・予測・期待し、それを他者と共有しながら、ものごとを計画する力。

 人・もの・こと・社会・自然などのつながり・かかわり・ひろがり(システム)を理解し、それらを多面的、総合的に考える力。

 自分の気持ちや考えを伝えるとともに、他者の気持ちや考えを尊重し、積極的にコミュニケーションを行う力。

 他者の立場に立ち、他者の考えや行動に共感するとともに、他者と協力・協同してものごとを進めようとする態度。

 人・もの・こと・社会・自然などと自分とのつながり・かかわりに関心をもち、それらを尊重し大切にしようとする態度。

 集団や社会における自分の発言や行動に責任をもち、自分の役割を理解するとともに、ものごとに主体的に参加しようとする態度。

いろいろある

公平性 連携性 責任性

E S D の視点で捉える(持続可能な社会で大切なことを理解する)

E S D の視点で工夫する(問題解決に必要な能力・態度を身に付ける)

-捉え方の例- -工夫の例-

多様性 有限性相互性 批判的に考える力批判

他者と協力する態度協力 つながりを尊重する態度関連 進んで参加する態度参加

未来像を予測して計画を立てる力未来 多面的、総合的

に考える力多面 コミュニケーションを行う力伝達

 本冊子には、自ら「気付く」ためのきっかけが多く含まれています。「気付く」ことで、自ら考えて「行動」ができるようになります。環境だけではなく、開発、平和、国際理解等、文化面や社会面も含めて、持続可能な社会を構築できるよう、私たち一人ひとりの行動を見直して変えていくことがESDの目的であり、そのために本冊子をお役立てください。

※ESDはEducation for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)の略称です。

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この冊子の目的と使い方(教師・保護者のみなさまへ)

 「こども環境白書」は、子供も大人も、みんながESD※の視点から気付き、考え、行動を変えていくためのツールです。

 ESDとは、世界の人々や、地球上の生き物、そしてこれから先の未来のことも考えて、みんなが幸せに暮らしていける地球にしていくために、私たち一人ひとりが気付き、主体となってできることを考え、行動するための学びです。そして、ESDでは、学校教育だけでなく、日常の経験、家庭、職場、遊びなど、“すべての場が学びの場”となります。また、子供からお年寄りまでの“すべての人が学ぶ人”となります。

資料:国立教育政策研究所教育課程研究センター「ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み」より環境省作成

一人ひとり大切に 力を合わせて 責任をもって

限りがある関わり合っている

 自然・文化・社会・経済は、多種多様な事物から成り立っています。そうした多様性を尊重するとともに、事物・現象を多面的に見たり考えたりすることが大切です。

 自然・文化・社会・経済は、互いに働き掛け合うシステムであり、人もそれらとつながりをもち、人同士も関わり合って相互に作用していることを認識することが大切です。

 自然・文化・社会・経済を成り立たせている環境要因や資源は有限であり、それらに支えられた社会発展には限界があることを知るとともに、将来世代のために有効に使用していくことが大切です。

 持続可能な社会の基盤は、一人ひとりの人権や生命が尊重されることです。権利の保障や恩恵の享受は公平である必要があり、地域や世代を超えて保持されることが大切です。

 持続可能な社会の構築・維持には、多様な主体の連携・協力が不可欠であり、意見や立場が違っても、適宜順応・調和を図りながら、互いに協力して問題を解決していくことが大切です。

 持続可能な社会を構築するためには、一人ひとりが責任と義務を自覚し、望ましい将来像に対する責任あるビジョンを持って、他人任せにせずに自ら進んで行動することが大切です。

 合理的、客観的な情報や公平な判断に基づいて本質を見抜き、ものごとを思慮深く、建設的、協調的、代替的に思考・判断する力。

 過去や現在に基づき、あるべき未来像(ビジョン)を予想・予測・期待し、それを他者と共有しながら、ものごとを計画する力。

 人・もの・こと・社会・自然などのつながり・かかわり・ひろがり(システム)を理解し、それらを多面的、総合的に考える力。

 自分の気持ちや考えを伝えるとともに、他者の気持ちや考えを尊重し、積極的にコミュニケーションを行う力。

 他者の立場に立ち、他者の考えや行動に共感するとともに、他者と協力・協同してものごとを進めようとする態度。

 人・もの・こと・社会・自然などと自分とのつながり・かかわりに関心をもち、それらを尊重し大切にしようとする態度。

 集団や社会における自分の発言や行動に責任をもち、自分の役割を理解するとともに、ものごとに主体的に参加しようとする態度。

いろいろある

公平性 連携性 責任性

E S D の視点で捉える(持続可能な社会で大切なことを理解する)

E S D の視点で工夫する(問題解決に必要な能力・態度を身に付ける)

-捉え方の例- -工夫の例-

多様性 有限性相互性 批判的に考える力批判

他者と協力する態度協力 つながりを尊重する態度関連 進んで参加する態度参加

未来像を予測して計画を立てる力未来 多面的、総合的

に考える力多面 コミュニケーションを行う力伝達

 本冊子には、自ら「気付く」ためのきっかけが多く含まれています。「気付く」ことで、自ら考えて「行動」ができるようになります。環境だけではなく、開発、平和、国際理解等、文化面や社会面も含めて、持続可能な社会を構築できるよう、私たち一人ひとりの行動を見直して変えていくことがESDの目的であり、そのために本冊子をお役立てください。

※ESDはEducation for Sustainable Development(持続可能な開発のための教育)の略称です。

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   環境省 大臣官房環境計画課企画調査室〒100-8975 東京都千代田区霞が関1-2-2 TEL 03-3581-3351(代)http://www.env.go.jp/

発行

   株式会社ドゥ・アーバン〒153-0042 東京都目黒区青葉台2-21-6 TEL 03-5724-5921(代)制作

©2019 Ministry of the Environment, Government of Japan. All rights reserved.

環境省Ministry of the Environment

(平成31年1月発行)こども環境白書

か ん き ょ う し ょ う

こども環境白書

こどもも、おとなもみんなつかえる!