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ステップバイステップガイド Hyper-V System Center による プライベートクラウド環境の構築と管理 発行日: 2011 9 5 概要 このホワイトペーパーは、Microsoft® Windows Server®2008 R2 および Microsoft Hyper-V Server 2008 R2 に搭載された Hyper-V ベースの仮想化インフラストラクチャと Microsoft System Center ファミリ製品を活用し、プライベートクラウド環境を構築、管理するための手順を説明し たファーストステップガイドです。ここで示される手順に従って評価環境を構築することで、プ ライベートクラウドの構築、リソースの自動再配置、仮想マシンのライブバックアップ環境、お よび仮想環境の管理の自動化を構成することができます。 このホワイトペーパーは、Hyper-V 利用経験者を対象とし、以下のテクノロジおよび製品を取り 扱います。 Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 Microsoft System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0 Microsoft System Center Operations Manager 2007 R2 Microsoft System Center Data Protection Manager 2010 Microsoft System Center Orchestrator 2012 Beta

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ステップバイステップガイド

Hyper-V と System Center による

プライベートクラウド環境の構築と管理

発行日: 2011 年 9月 5日

概要

このホワイトペーパーは、Microsoft® Windows Server®2008 R2 およびMicrosoft Hyper-V Server

2008 R2 に搭載された Hyper-V ベースの仮想化インフラストラクチャと Microsoft System

Center ファミリ製品を活用し、プライベートクラウド環境を構築、管理するための手順を説明し

たファーストステップガイドです。ここで示される手順に従って評価環境を構築することで、プ

ライベートクラウドの構築、リソースの自動再配置、仮想マシンのライブバックアップ環境、お

よび仮想環境の管理の自動化を構成することができます。

このホワイトペーパーは、Hyper-V 利用経験者を対象とし、以下のテクノロジおよび製品を取り

扱います。

Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 R2

Microsoft System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0

Microsoft System Center Operations Manager 2007 R2

Microsoft System Center Data Protection Manager 2010

Microsoft System Center Orchestrator 2012 Beta

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Microsoft、Active Directory、Hyper-V、SQL Server、Windows、Windows PowerShell、Windows

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その他記載されている実際の社名および製品名は、各社の商標です。

Microsoft Corporation ・One Microsoft Way ・Redmond, WA 98052-6399 ・US

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目次

1. はじめに

1.1 プライベートクラウドによる IT インフラの改善・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

1.2 System Center ファミリ製品にプライベートクラウドの構築・・・・・・・・・・・・・・5

1.2.1 System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)・・・・・・・・・・・・・5

1.2.2 System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal(VMMSSP)・・・・6

1.2.3 System Center Operations Manager(SCOM)・・・・・・・・・・・・・・・・6

1.2.4 System Center Data Protection Manager(SCDPM)・・・・・・・・・・・・・6

1.2.5 System Center Configuration Manager(SCCM)・・・・・・・・・・・・・・・7

1.2.6 System Center Orchestrator(SCO)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

1.2.7 PowerShell・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

1.3 評価シナリオ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

2. 評価環境の準備

2.1 ホストサーバーの導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

2.1.1 Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・10

2.1.2 Hyper-V のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

2.1.3 仮想ネットワークの追加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

2.1.4 Active Directory のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

2.1.5 DHCP サーバーのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

2.2 仮想マシンの導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

2.2.1 仮想マシンの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

2.2.2 仮想ハードディスクの追加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

2.2.3 Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・22

2.3 SQL Server 2008 の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

2.3.1 前提コンポーネントの準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

2.3.2 SQL Server 2008 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

2.4 SQL Server 2008 R2 の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

2.4.1 前提条件の準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

2.4.2 SQL Server 2008 R2 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

2.5 SCVMM 2008 R2 SP1 の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

2.5.1 前提条件の準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

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2.5.2 VMM サーバーのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

2.5.3 VMM 管理者コンソールのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

2.6 VMM SSP 2.0 SP1 の導入(オプション)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

2.6.1 前提条件の準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

2.6.2 VMMSSP 2.0 SP1 のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

2.7 SCOM 2007 R2 の導入・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

2.7.1 前提条件の準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

2.7.2 ルート管理サーバーのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

2.8 SCDPM 2010のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43

2.9 SCO 2012 Beta の導入(オプション)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

2.9.1 前提条件の準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

2.9.2 SCO 2012 Beta のインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

3. SCVMM 2008 R2 による仮想環境の管理

3.1 VMM エージェントのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51

3.2 仮想マシンのプロビジョニング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54

4. VMMSSP 2.0 によるプライベートクラウドの構築(オプション)

4.1 データセンターリソースの構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63

4.2 部署の登録と承認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

4.3 インフラストラクチャの登録と承認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68

4.4 仮想マシンの作成と操作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72

5. SCOM 2007 R2 による仮想環境の監視

5.1 SCOM エージェントのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76

5.2 管理パックのインポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・79

6. SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 による仮想マシンの自動配置

6.1 管理パックのインポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83

6.2 Operations Manager の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・84

6.3 PRO の有効化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87

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7. SCDPM 2010 による仮想マシンのバックアップと回復

7.1 SCDPM エージェントのインストール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91

7.2 記憶域プールへのディスクの追加・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94

7.3 保護グループの作成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95

7.4 仮想マシンの回復・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・97

8. SCO 2010 Beta による仮想環境の管理タスクの自動化(オプション)

8.1 統合パックのインポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・101

8.2 Runbook の作成と実行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104

9. さいごに

9.1 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113

9.2 評価用ソフトウェアの入手・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113

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1. はじめに

1.1 プライベートクラウドによるIT インフラの改善

今日の組織内の ITインフラには、ビジネス環境の急激な変化、ワークスタイルの多様化、災害時

の事業継続などに俊敏に対応することが求められています。その答えの一つが「プライベートク

ラウド」です。

プライベートクラウドは、パブリッククラウドの特性を、社内の ITインフラに転用したものです。

プライベートクラウドでは、CPU、メモリ、ディスクなどの ITリソースを仮想化することで、リ

ソースを一元管理し、有効活用を実現します。さらに運用の自動化と効率化により、管理者の負

荷を軽減します。また、利用者に対して、リソースの貸出しをおこなうポータルサイトを提供し、

利便性を向上します。

1.2 System Center ファミリ製品によるプライベートクラウドの構築

マイクロソフトのプライベートクラウドは、Hyper-Vベースの仮想環境に System Centerファミ

リ製品を活用し、クラウドの特性を実装したものです。

System Center ファミリ製品により、仮想化された ITインフラを、セキュアかつ管理者への尐な

い負担で効率的に管理することができます。また、System Center ファミリ製品は、仮想環境だ

けでなく、物理環境も合わせて管理することができます。

1.2.1 System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)

System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) は、大規模な仮想化インフラストラクチャに

おいて、仮想マシンのプロビジョニングから、仮想化ホストへの展開、リソースの最適化、管理

の委任、セルフサービスによる管理機能などを提供する、仮想環境の管理に特化した管理ツール

です。稼働中の物理サーバーをオンラインのまま仮想マシンに変換できる P2V(Physical to Virtual)

物理サーバー変換機能、および VMware テクノロジからの容易な移行を可能にする

V2V(Virtual to Virtual) 仮想マシン変換機能を提供します。

SCVMM 2008 R2 は、Hyper-V 2.0 の新機能であるネットワークの最適化機能やライブマイグレ

ーション、ホットアドストレージ機能に対応します。

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1.2.2 System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal

(VMMSSP)

System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal(VMMSSP)は、SCVMM 2008 R2 と

連動し、セルフサービスポータルの構築を支援するツールキットです。仮想化されたデータセン

ターのプライベートクラウド化を実現します。データセンター内のコンピューティングリソース

をプールし、部門からの要求に合わせて、リソースを割り当てます。割り当てが承認されると、

仮想マシンが自動的に作成され、部門へ提供されます。これらの一連のやり取りは、すべてWeb

ベースのポータルサイトを介しておこなわれます。

1.2.3 System Center Operations Manager(SCOM)

System Center Operations Manager (SCOM)は、Windows ベースのサーバー、アプリケーシ

ョン、クライアント、および Linux ベースのサーバーやネットワーク機器にまで対応した、エン

ドツーエンドの監視ツールです。SCOM の特徴は、管理パック(Management Pack)と呼ばれ

る定義セットをインポートするだけで、開発元が持つナレッジに基づいた詳細レベルの監視を開

始できることにあります。

SCVMM は、SCOM 2007 SP1 または SCOM 2007 R2 と統合することができます。SCVMM と

SCOM を統合すると、SCVMM 管理者コンソール上に物理環境と仮想環境を関連付けたダイア

グラムビューが追加されるほか、レポート機能が追加されます。また、Performance and

Optimization(PRO)と呼ばれる自律的なリソース最適化機能を有効化できるようになります。

PRO を使用すると、仮想化ホスト、および仮想マシンのゲスト OS とアプリケーションのパフ

ォーマンスに基づいて、最適な配置提案を行う、自動実装も可能な PRO ヒントが提供されます。

このホワイトペーパーでは、SCVMM と SCOM の統合設定、PRO の設定、および PRO を利用

した仮想マシンの再配置について説明します。

1.2.4 System Center Data Protection Manager(SCDPM)

System Center Data Protection Manager (SCDPM)は、VSS (ボリュームシャドウコピーサー

ビス) テクノロジを使用して、Windows システムのバックアップと回復、およびマイクロソフト

アプリケーションとファイルサーバーのデータの継続的なデータ保護を提供するバックアップツ

ールです。現行バージョンの SCDPM 2010 は、Hyper-V VSS ライターを使用した Hyper-V 仮

想マシンのライブバックアップに対応しています。このホワイトペーパーでは、SCDPM 2010 を

使用して、Hyper-V の仮想マシンのバックアップと復元について説明します。

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1.2.5 System Center Configuration Manager(SCCM)

System Center Configuration Manager(SCCM)は、Windows サーバーおよびクライアントの構

成管理、更新管理、セキュリティ管理、および OS 展開といったシステム管理タスクを包括的に

サポートし、自動化により管理者の負担を軽減します。最新の Windows Server 2008 R2 は、

SCCM 2007 SP2 および SCCM 2007 R2 SP2 でサポートされます。

SCCM が備える各種機能は、物理環境、仮想環境、分散環境、およびモバイル環境を問いません。

SCCM を導入することで、仮想化ホストと仮想マシンへのゲスト OS の展開やゲスト OS の更

新管理を効率化、自動化できます。また、無償のソリューションアクセラレーター製品である

Virtual Machine Servicing Tool 3.0を利用すると、SCVMM のライブラリに格納されたオフライン

の仮想マシンに対して、最新のセキュリティ更新パッチを適用し、仮想マシンの展開イメージを

最新の状態に維持できます。なお、このホワイトペーパーでは SCCM については触れません。

1.2.6 System Center Orchestrator(SCO)

System Center Orchestrator(SCO)は、2012年に登場予定の System Center Opalis の次バージ

ョンです。SCO は Run Book Automation(RBA)または IT Process Automation(ITPA)と呼ば

れる IT プロセスの自動化、連携、統合をおこなうツールです。SCO におけるワークフローの開

発では、アイコンを配置し、プロパティを設定するのみとなっています。そのため、スクリプト

の記述やシステムの詳細な知識を必要としません。

統合パック(Integration Pack : IP)は SCO を拡張するソフトウェアパッケージです。統合パッ

クには、特定の製品の IT プロセスを自動化するために必要な情報がすべて含まれているため、

SCO に統合パックを追加するだけで、すぐにその製品の IT プロセスの自動化と統合が可能とな

ります。マイクロソフトでは、各 System Center 製品に対応した統合パックを提供しており、仮

想環境の管理の自動化と連携に役立てることができます。

1.2.7 Windows PowerShell

System Center ファミリ製品は、Windows PowerShell のコマンドレットを拡張し、スクリプト

ベースの包括的な管理機能を提供します。これにより、定型的、繰り返しのシステム管理タスク

を自動化でき、管理者の負担を軽減します。

1.3 評価シナリオ

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このホワイトペーパーでは Hyper-V の仮想化環境に、SCVMM 2008 R2 、VMMSSP 2.0、SCOM

2007 R2 を実行する管理サーバー、SCDPM 2010 を実行するバックアップサーバー、SCO 2012

Beta を実行する自動化サーバーを追加導入することを想定し、これらのサーバーのインストール

手順を説明します。また、構築した管理環境を用いて、次の 5 つの評価シナリオを実行する手順

についても説明します。

SCVMM2008 R2 と VMMSSP 2.0 にプライベートクラウドの構築

SCOM 2007 R2 による仮想環境の監視

SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 による仮想マシンの自動再配置

SCDPM 2010 による仮想マシンのバックアップと回復

SCO 2012 Beta による仮想環境の管理タスクの自動化

このホワイトペーパーの評価環境の構築には、1 台の初期化済みのコンピューターが必要です。

以下は評価環境用のコンピューターのシステム要件です。

プロセッサ ハードウェアに依存した仮想化機能付きの x64プロセッサ

メモリ 8GB 以上

ハードディスク 150GB 以上(高速なディスクが望ましい)

ディスプレイ XGA(1024 × 768)以上の高解像度モニター

その他 DVDドライブ、キーボード、マウス

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手順では、初期化済みのコンピューターにWindows Server 2008 R2 をインストールし、Hyper-V、

Active Directory ドメインサービス、DHCP サーバーの各役割を追加し、「ホストサーバー」とし

ます。さらに Hyper-V 上に仮想マシンを 3台、作成し「管理サーバー」として使用します。以下

の図はステップバイステップの最終的なシステム構成です。

なお、組織内ネットワークに DHCP サービスによる影響を与えないよう、組織内ネットワークと

は切り離された仮想ネットワーク(内部ネットワーク)上に評価環境を構築していきます。

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2. 評価環境の準備

ホワイトペーパーのシナリオを実行するために、評価環境を準備します。

2.1 ホストサーバーの導入

評価環境用のコンピューターに Windows Server 2008 R2 SP1 をインストールし、役割として

Hyper-V、Active Directory ドメインサービス、DHCPサーバーを追加します。

2.1.1 Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール

操作する PC : 物理コンピューター

次の手順に従って、評価環境用のコンピューターにWindows Server 2008 R2 SP1 をインストー

ルして、構成します。なお、Windows Server 2008 R2 SP1 の評価版は次のリンクからダウンロ

ード可能です。

●Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 評価版

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/dd459137.aspx

1. コンピューターにWindows Server 2008 R2 SP1をインストールします。オペレーティングシ

ステムは[Windows Server 2008 R2 Enterprise(フル インストール)]を選択します。

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2. インストール完了後、Administrator のパスワードを Pa$$w0rd に設定します。[初期構成タス

ク]ウィンドウが表示されたら、[コンピューター名とドメインの入力]を開き、[コンピュータ

ー名]を hostに変更します。コンピューター名を変更した場合は、コンピューターの再起動が必

要です。

2.1.2 Hyper-V のインストール

操作する PC : HOST(ホストサーバー)

次の手順に従って、ホストサーバーに Hyper-V をインストールします。

1. ホストサーバーの再起動が完了したら、HOST¥Administrator でログオンします。再び[初期

構成タスク]が表示されたら、[役割の追加]から[Hyper-V]を追加します。

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2. [Hyper-V]のページは、Hyper-Vについての説明です。[次へ]をクリックします。

3. [仮想ネットワークの作成]のページで、ネットワークアダプターを選択せずに[次へ]をク

リックします。今回の評価環境は独立したネットワークで実行されるため、ネットワークアダプ

ターを必要としません。

4. [インストールオプションの確認]のページで[インストール]をクリックし、Hyper-V をイ

ンストールします。Hyper-V のインストール後、コンピューターの再起動が必要です。

2.1.3 仮想ネットワークの追加

操作する PC : HOST(ホストサーバー)

ホストサーバーと各仮想マシンが通信するために、Hyper-V 内の仮想ネットワーク(内部)を作

成します。

1. ホストサーバーの再起動が完了したら、HOST¥Administrator でログオンします。[スタート]

メニューの[管理ツール]から[Hyper-V マネージャー]を起動し、[HOST]の[仮想ネットワ

ークマネージャー]をクリックします。

2. [仮想ネットワークマネージャー]で[新しい仮想ネットワーク]の[内部]を選択し、[追

加]をクリックします。

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3. [名前]を internal に変更し、[OK]をクリックします。

4. [コントロールパネル]の[ネットワークとインターネツト]から[ネットワークと共有セン

ター]を開き、[アダプターの設定の変更]をクリックします。

5. 新しくネットワークアダプターとして[ローカルエリア接続 X internal]が追加されています。

[ローカルエリア接続 internal]の[IP アドレス]を 192.168.1.200、[サブネットマスク]を

255.255.255.0、[優先 DNS サーバー]を 192.168.1.200に設定します。

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2.1.4 Active Directory のインストール

操作する PC : HOST(ホストサーバー)

System Center 製品は ID 統合インフラとして Active Directoryを必要とします。次の手順に従っ

て、ホストサーバーに Active Directory ドメインサービスをインストールし、ドメインコントロ

ーラーへ昇格させます。

1. [スタート]メニューの[ファイル名を指定して実行]で「dcpromo」を実行し、[Active Directory

ドメインサービスインストールウィザード]を起動します。なお、特に指定のないページは既定

のまま、進めてください。

2. [展開の構成と選択]のページで[新しいフォレストに新しいドメインを作成する]を選択し、

[次へ]をクリックします。

3. [フォレストルートドメイン名]のページで[フォレストルートドメインの FQDN]に

contoso.comと指定し、[次へ]をクリックします。

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4. [追加のドメインコントローラーオプション]のページで[DNS サーバー]が選択されてる

いことを確認し、[次へ]をクリックします。

5. [このコンピューターには、IP アドレスが動的に割り当てられています]が表示されますが、

これは正常な動作です。[はい]をクリックします。

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6. [この DNS サーバーの委任を作成できません]が表示されますが、評価環境は、独立したネ

ットワークで実行されているため、これは正常な動作です。[はい]をクリックします。

7. [ディレクトリサービス復元モード Administrator パスワード]が表示されます。ドメインコ

ントローラーをディレクトリサービス復元モードで起動した際のパスワードを指定します。今回

は[パスワード]として Pa$$w0rd を設定します。

8. [概要]のページで[次へ]をクリックして、Active Directory をインストールします。イン

ストール中に表示される[Active Directory ドメインサービスインストールウィザード]の[完了

時に再起動する]をチェックしておき、インストール後、自動的に再起動をおこなうようにしま

す。

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2.1.5 DHCP サーバーのインストール

操作する PC : HOST(ホストサーバー)

仮想マシンに自動的に IP アドレスを配布するため、DHCP サーバーをインストールします。

1. ホストサーバーの再起動が完了したら、CONTOSO¥Administrator でログオンします。[スタ

ート]メニューの[管理ツール]から[サーバーマネージャー]を起動し、[役割の追加]から[DHCP

サーバー]を追加します。

2. [IPv4 DNS サーバー設定の指定]のページで[優先 DNS サーバーの IPv4 アドレス]を

192.168.1.200 に変更し、[次へ]をクリックします。

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3. [DHCPスコープの追加または編集]のページで[追加]をクリックします。

4. [スコープの追加]で[スコープ名]evaluation、[開始 IP アドレス]192.168.1.1、[終了 IP

アドレス]192.168.1.199と指定し、[OK]をクリックします。

5. 以降のウィザードでは、すべて既定の選択のまま進み、最後に[インストール]をクリックし

ます。

2.2 仮想マシンの導入

評価環境で使用する 3 台の仮想マシンをまとめて作成します。これらの仮想マシンには、

Windows Server 2008 R2 SP1 をインストールし、ドメインに参加させます。

2.2.1 仮想マシンの作成

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操作する PC : HOST(ホストサーバー)

次の手順に従って、ホストサーバーに、Hyper-V の仮想マシンを 3 台、作成します。3 台の仮想

マシンの役割は、管理サーバー、バックアップサーバー、自動化サーバーです。

1. [スタート]メニューの[管理ツール]から[Hyper-V マネージャー]を起動し、[新規]か

ら[仮想マシンの作成]をクリックします。

2. [名前と場所の指定]のページで、< 名前 >を指定し[次へ]をクリックします。< 名前 >

は、以下の表の通りです。仮想マシンのファイルを保存するパスを変更することもできます。

管理サーバー server01

バックアップサーバー server02

自動化サーバー server03

3. [メモリの割り当て]のページで、< メモリサイズ >を指定し[次へ]をクリックします。< メ

モリサイズ >は、以下の表の通りです。

管理サーバー 3096

バックアップサーバー 1536

自動化サーバー 1536

4. [ネットワークの構成]のページで、internal を選択し[次へ]をクリックします。

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5. [仮想ハードディスクの接続]のページで、既定の仮想ハードディスクを受け入れ、[次へ]

をクリックします。

6. [インストールオプション]のページで[ブート CD/DVD からオペレーティングシステムを

インストールする]を選択し、[イメージファイル(iso)]にWindows Server 2008 R2 SP1 評価

版のイメージファイルを指定します。なお、Windows Server 2008 R2 SP1 のインストールが完

了したら、このイメージファイルは取り外します。

7. [仮想マシンの新規作成ウィザードの完了]のページで[完了]をクリックし、仮想マシンを

作成します。

2.2.2 仮想ハードディスクの追加

操作する PC : HOST(ホストサーバー)

バックアップサーバーである仮想マシン SERVER02 には、バックアップデータを格納する別の

ハードディスクが必要です。そのため、バックアップデータの格納用に仮想ハードディスクを新

規に作成し、仮想マシンに接続します。

1. Hyper-V マネージャーの仮想マシン SERVER02 を選択して[設定]をクリックします。

2. [SERVER02 の設定]で、[IDE コントローラー0 ]を選択して[ハードドライブ]の[追

加]をクリックします。

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21

3. [ハードドライブ]で[仮想ハードディスク(.vhd)ファイル]の[新規]をクリックして、

[仮想ハードディスクの新規作成ウィザード]を起動します。

4. [開始する前に]のページで[次へ]をクリックします。

5. [ディスクの種類の選択]のページで[容量可変]を指定し、[次へ]をクリックします。

6. [名前と場所の指定]のページで[名前]backupdisk.vhd と入力し、[次へ]をクリックしま

す。なお、仮想ハードディスクのファイルを保存するパスを変更することもできます。

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22

7. [ディスクの構成]のページで、既定値を受け入れ、[次へ]をクリックします。

8. [仮想ハードディスクの新規作成ウィザードの完了]のページで[完了]をクリックします。

9. [SERVER02 の設定]で[OK]をクリックします。

2.2.3 Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)、SERVER02(バックアップサーバー)、SERVER03(自

動化サーバー)

作成した 3 台の仮想マシンに、Windows Server 2008 R2 SP1をインストールします。

1. 仮想マシンを起動し、Windows Server 2008 R2 SP1をインストールします。オペレーティン

グシステムは[Windows Server 2008 R2 Enterprise(フル インストール)]を選択します。

2. インストール完了後、Administrator のパスワードを Pa$$w0rdに設定します。[初期構成タス

ク]ウィンドウが表示されたら、[コンピューター名とドメインの入力]を開き、[コンピュータ

ー名]を< コンピューター名 >に、[ドメイン名]を contoso.com に変更します。< コンピュー

ター名 >は、以下の表の通りです。コンピューター名とドメイン名を変更した場合は、仮想マシ

ンの再起動が必要です。

管理サーバー server01

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23

バックアップサーバー server02

自動化サーバー server03

ド メ イ ン 参 加 後 、 各 仮 想 マ シ ン へ の ロ グ オ ン に は 、 ド メ イ ン ア カ ウ ン ト の

CONTOSO¥Administratorを使用します。また、各仮想マシンのWindows Server 2008 R2 SP1 評

価版の ISOファイルは取り外してください。

2.3 SQL Server 2008 の導入

SERVER01には、SCVMM 2008 R2 、SCOM 2007 R2、VMMSSP 2.0 のリポジトリデータベー

スとして、SQL Server 2008 のデータベースエンジンサービスをインストールします。

ノート

SCVMM 2008 R2 は SQL Server 2005 Express Edition SP2 以降および SQL Server 2008

Express Edition をサポートしており、SQL Server 2005 Express Edition SP3 を SCVMM 2008

R2 のセットアップからインストールできます。しかし、今回はこの SQL Server 2005 Express

Edition SP3 は使用しません。この SQL Server 2005 Express Edition SP3 は評価用に同梱されて

いるもので、データベースサイズが最大 4 GB までに制限されます。また、SCOM 2008 R2 との

統合機能は、Express Edition ではサポートされません。

2.3.1 前提コンポーネントの準備

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

SQL Server 2008 の前提コンポーネントとして.NET Framework 3.5 SP1 をインストールします。

仮想マシン SERVER01 に CONTOSO¥Administrator でログオンして[サーバーマネージャー]

の[機能の追加]をクリックして[機能の追加ウィザード]を起動し、[.NET Framework 3.5.1 の

機能]に含まれる[.NET Framework 3.5.1]を選択してインストールします。

2.3.2 SQL Server 2008 のインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

次の手順に従って、SQL Server 2008 をインストールします。なお、SQL Server 2008の評価版

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24

は次のリンクからダウンロード可能です。

●SQL Server 2008 評価版(180 日)

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=265f08bc-1874-4c81-83d8-0d4

8dbce6297

※x64 Edition を使用してください。

1. SQL Server 2008 のセットアッププログラム(setup.exe)を起動し、[SQL Server インスト

ールセンター]の[インストール]から[SQL Server の新規スタンドアロンインストールまたは

既存のインストールへの機能の追加]を実行します。

インストールセンター起動時やインストール開始時に、[プログラム互換性アシスタント]が表示

されますが、[プログラムを実行する]をクリックして、続行してください。

また、[セットアップサポートルール]で Microsoft .NET アプリケーションセキュリティと

Windows ファイアウォールの状態が「警告」として報告されるはずです。この警告は無視するこ

とができます。

2.[SQL Server 2008 セットアップ]が開始し、[機能の選択]のページが表示されたら、必要な

機能を選択します。今回の評価環境では、[データベースエンジンンサービス]と[管理ツール]

の 2 つのコンポーネントが必要です。

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25

3. [サーバーの構成]のページでサービスアカウントとして、SQL Server Agent、SQL Server

Database Engine の2 つのサービスにアカウントを設定します。今回は[すべてのSQL Server サ

ービスで同じアカウントを使用する]をクリックし、アカウントとしてNT AUTHORITY¥SYSTEM

を指定します。

4. [データベースエンジンの構成]ページでは、[アカウントの準備]タブで、認証モードとし

て[Windows 認証モード]であることを確認します。SCVMM 2008 R2 や SCOM 2007 R2 のデ

ータベースとして利用するためには、必ず[Windows 認証モード]を選択する必要があります。

[ SQL Server 管理者の設定]で[現在のユーザーの追加]をクリックして、

CONTOSO¥administratorを SQL Server の管理者として登録します。

5. 以降のウィザードでは、すべて既定の選択のまま進み、最後に[インストール]をクリックし

ます。

6. SQL Server 2008 のインストールが完了したら、Windows Server 2008 R2 上での互換性の問

題を解決するために、最新のサービスパックを適用します。2011年 9月時点で、次のサービスパ

ックがリリースされています。

●Microsoft SQL Server 2008 Service Pack 2

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=8FBFC1DE-D25E-4790-88B5-7

DDA1F1D4E17

ノート

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SQL Server 2008 が正しく動作していることを確認するためには、[SQL Server Management

Studio](スタート¥すべてのプログラム¥Microsoft SQL Server 2008¥SQL Server Management

Studio) を使用して、サーバーの種類[データベースエンジン]、サーバー名[localhost]、認証

[Windows 認証]を指定して、接続できるかどうかを確認します。

2.4 SQL Server 2008 R2 の導入

SCO 2012 Beta では、リポジトリデータベースとして、SQL Server 2008 R2のみをサポートし

ます。そのため、自動化サーバーである SERVER03には、別途、SQL Server 2008 R2のデータ

ベースエンジンをインストールします。

2.4.1 前提条件の準備

操作する PC : SERVER03(自動化サーバー)

SQL Server 2008 R2 の前提コンポーネントとして.NET Framework 3.5 SP1 をインストールし

ます。仮想マシン SERVER03 に CONTOSO¥Administrator でログオンして[サーバーマネージ

ャー]の[機能の追加]をクリックして[機能の追加ウィザード]を起動し、[.NET Framework 3.5.1

の機能]に含まれる[.NET Framework 3.5.1]を選択してインストールします。

2.4.2 SQL Server 2008 R2 のインストール

操作する PC : SERVER03(自動化サーバー)

次の手順に従って、SQL Server 2008 R2 をインストールします。なお、SQL Server 2008 R2 の

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27

評価版は次のリンクからダウンロード可能です。

●SQL Server 2008 R2 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/ee315247.aspx

1. SQL Server 2008 R2 のセットアッププログラム(setup.exe)を起動し、[SQL Server インス

トールセンター]の[インストール]から[新規インストールを実行するか、既存のインストー

ルに機能を追加します]を実行して、インストールを開始します。

2. [セットアップサポートルール]のページでMicrosoft .NET アプリケーションセキュリティと

Windows ファイアウォールの状態が警告として報告されるはずです。この警告は無視し、[次へ]

をクリックします。

3. [セットアップロール]のページで[SQL Server 機能のインストール]のまま、[次へ]をク

リックします。

4. [機能の選択]のページで必要な機能を選択します。この環境には、[データベースエンジン

サービス]と[管理ツール]の 2つのコンポーネントが必要です。

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5. [サーバーの構成]のページでサービスアカウントとして、SQL Server Agent、SQL Server

Database Engine の 2つのサービスにアカウントを設定します。今回は[すべての SQL Server サ

ービスで同じアカウントを使用する]をクリックし、アカウントとしてNT AUTHORITY¥SYSTEM

を指定します。

6. [データベースエンジン]のページでは、[現在のユーザー]をクリックし、

CONTOSO¥Administratorを SQL Server の管理者として登録します。また、[認証モード]が

[Windows認証モード]になっていることを確認します。

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7. 以降のウィザードは、すべて既定の選択のまま進み、最後に[インストール]をクリックしま

す。

2.5 SCVMM 2008 R2 SP1 の導入

管理サーバーである SERVER01 に SCVMM 2008 R2 SP1をインストールし、ローカルのデータ

ベースインスタンスを使用するように構成します。ここでは、SCVMM 2008 R2 SP1 のコンポー

ネントのうち、VMM サーバーと VMM 管理者コンソールをインストールします。

2.5.1 前提コンポーネントの準備

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

SCVMM 2008 R2 の前提コンポーネントとしては、Windows PowerShell 1.0 または 2.0、

Windows リモート管理(WinRM)、.NET Framework 3.0 または 3.0 SP1、Windows 自動インスト

ールキット(WAIK) 1.1 があります。Windows PowerShell 2.0 およびWinRM は、Windows Server

2008 R2 に標準で組み込まれています。.NET Framework およびWAIK 1.1 については、SCVMM

2008 R2 のセットアップによって必要に応じて自動的にインストールされるため事前に組み込

んでおく必要はありません。

2.5.2 VMM サーバーのインストール

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操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

SERVER01に SCVMM 2008 R2 SP1のサーバーコンポーネントである VMM サーバーをインス

トールします。なお、SCVMM 2008 R2 SP1 の評価版は次のリンクからダウンロード可能です。

●System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 SP1 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/cc793138.aspx

1. SCVMM 2008 R2 SP1のセットアッププログラム(Setup.exe)を起動し、[VMM サーバー]

をクリックします。

2. [ライセンス条項]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、同意して[次へ]をクリック

します。

3. [製品登録]のページで、[ユーザー名]と[会社]を入力し、[次へ]をクリックします。

4. [前提条件を確認する]のページで、ハードウェア要件とソフトウェア要件を満たしているか

どうかを確認します。確認をパスした場合は、[次へ]をクリックします。前提条件を満たさない

場合は、表示されるメッセージに従ってシステム構成を変更後、[再確認]をクリックしてくださ

い。

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5. [インストール先]のページで、SCVMM 2008 R2 のバイナリのインストール先を指定します。

既定では、C:¥Program Files¥Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 R2にイン

ストールされます。VMM サーバーのインストールでは、OS のドライブに 320 MB、ここで指定

されたパスに 2 GB の空き容量が必要です。

6. [SQL Server の設定]のページで、[サポートされているバージョンの SQL Server を使用す

る]を選択し、[サーバー名]に SERVER01 を指定します。また、[SQL Server インスタンス]

としてMSSQLSERVERを選択して、[新規データベースの作成]をチェックします。この指定に

より、ローカルの既定の SQL Server インスタンス上に、データベース[VirtualManagerDB]が

作成されます。

7. [ライブラリ共有の設定]で、SCVMM 2008 R2 のライブラリ共有を設定します。既定では、

C:¥ProgramData¥Virtual Machine Manager Library Files がMSSCVMMLibrary という共有名で共

有設定されます。ライブラリには、ISO イメージやオフラインの仮想マシンイメージ(VHD)な

どを格納できるため、多くのディスク領域を消費する可能性があります。十分な空きディスク領

域のあるパスに作成することを推奨します。

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8. [インストール設定]のページで、VMM サーバーが通信に使用する TCP ポートと、サービ

スアカウントを設定します。既定のポート割り当ては、VMM 管理者コンソールが接続に使用す

る 8100、ホストおよびライブラリサーバー上の VMM エージェントとのWinRM の通信に使用す

る 80、およびバックグラウンドインテリジェント転送サービス(BITS) によるファイル転送のた

めの 443 です。通常、変更する必要はありません。サービスアカウントも、既定の[ローカルシ

ステム]のままで構いません。

9. [設定の概要]のページにセットアップウィザードで指定した内容が表示されます。問題がな

ければ、[インストール]をクリックして、VMM サーバーのインストールを開始します。

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10. インストールが正常に完了したら、[Virtual Machine Manager の最新の更新プログラムをチ

ェックする]のチェックを外して、[閉じる]をクリックします。

2.5.3 VMM 管理者コンソールのインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

VMM サーバーに続いて、SERVER01に VMM 管理コンソールをインストールします。VMM サ

ーバーのインストールだけでは、VMM 管理者コンソールはインストールされません。

ノート

VMM 管理者コンソールは、VMM サーバーとは別のコンピューターにインストールすることも

できます。Windows XP Professional SP2 以降の x86 または x64 Windows OS にインストール

することができます。ただし、Windows Server 2008 およびWindows Server 2008 R2 の Server

Core インストールには対応していません。VMM 管理者コンソールは、前提コンポーネントとし

て、Windows PowerShell 1.0 または 2.0、.NET Framework 2.0 を必要としますが、SCVMM 2008

R2 のセットアッププログラムが必要に応じて自動的にインストールします。

1. SCVMM 2008 R2 SP1 のセットアッププログラム(Setup.exe)を起動し、[VMM 管理者コン

ソール]をクリックします。

2. [ライセンス条項]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、同意して、[次へ]をクリッ

クします。

3. [前提条件を確認する]のページで、ハードウェア要件とソフトウェア要件を満たしているか

どうかを確認します。確認をパスした場合は、[次へ]をクリックします。前提条件を満たさない

場合は、表示されるメッセージに従ってシステム構成を変更後、[再確認]をクリックしてくださ

い。

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4. [インストール先]のページで既定のパス C:¥Program Files¥Microsoft System Center Virtual

Machine Manager 2008 R2 を受け入れ、[次へ]をクリックします。

5. [ポートの割り当て]のページで、VMM サーバーのインストール時に設定したポートを指定

し、[次へ]をクリックします。なお、既定のポートは 8100 です。

6. [設定の概要]のページで[インストール]をクリックして、VMM 管理者コンソールのイ

ンストールを開始します。

7. インストールが正常に完了したら、[Virtual Machine Manager の最新の更新プログラムをチェ

ックする]のチェックを外して、[閉じる]をクリックします。

2.6 VMMSSP 2.0 SP1 の導入(オプション)

SCVMM 2008 R2 のインストールが完了したら、SERVER01 に VMMSSP 2.0 SP1を導入するこ

とができます。この手順は任意です。

2.6.1 前提条件の準備

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

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VMMSSP 2.0 SP1 の前提コンポーネントであるWindows Server 2008 R2 のWeb サーバー(IIS)

の役割とメッセージキューの機能を事前にインストールします。

1. [サーバーマネージャー]の[役割の追加]をクリックして[役割の追加ウィザード]を起動

し、[Web サーバー(IIS)]を選択してインストールします。[Web サーバー(IIS)]の役割をイ

ンストールする際には、次のサブコンポーネントが含まれるようにしてください。

ASP.NET(および必要な役割サービス)

Windows 認証

IIS 6 メタベース互換

2. Webサーバー(IIS)のインストールが完了したら、[サーバーマネージャー]の[機能の追加]

をクリックして[機能の追加ウィザード]を起動し、[メッセージキュー]の[メッセージキュー

サービス]の[メッセージキューサーバー]と[ディレクトリサービス統合]を選択してインス

トールします。

2.6.2 VMMSSP 2.0 SP1 のインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

次の手順に従って、VMMSSP 2.0 SP1 をインストールします。なお、VMMSSP 2.0 SP1 は次の

リンクからダウンロード可能です。

●Microsoft System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0 SP1 - 日本語

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=cd11b5da-e527-46d5-9c85-85c6

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4ec98891&displaylang=ja-nec

1. VMMSSP 2.0 SP1 のセットアッププログラム(SetupVMMSSP.exe) を起動し、[インストール]

をクリックします。

2. [使用許諾契約書]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、同意して、[次へ]をクリッ

クします。

3. [インストールするコンポーネント]のページで[VMMSSP のサーバーコンポーネント]と

[VMMSSP のWeb サイトコンポーネント]の両方を選択し、[次へ]をクリックします。

4. [前提条件の確認結果を参照してください]のページでハードウェア要件とソフトウェア要件

を満たしているかどうかを確認します。確認をパスした場合は、[次へ]をクリックします。

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5. [コンポーネントファイルの場所]のページで VMMSSP 2.0 SP1 のバイナリのインストール

先を指定します。既定では、C:¥Program Files¥Microsoft System Center Virtual Machine Manager

セルフサービスポータル 2.0 にインストールされます。要件に合わせて変更することができます。

6. [VMMSSPデータベース]のページで、[データベースサーバー]SERVER01を指定し、[イ

ンスタンスを取得する]をクリックします。既定の SQL Server インスタンスとして Default が

選択できます。資格情報[Windows認証を使用して接続]、[新しいデータベースの作成]が選択

されていることを確認してください。

7. [サーバーコンポーネント用のアカウント]のページで、ドメインアカウントを指定します。

今回は CONTOSO¥Administratorを指定します。

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8. [WCF エンドポイントポート]のページで、Windows Communication Foundation エンドポ

イントポートを指定します。既定のポートは 8000です。

9. [データセンター管理者のリスト]のページで、CONTOSO¥Administrator を追加します。デ

ータセンター管理者は、VMMSSP 2.0 SP1 のすべての機能へのフルアクセスを持ちます。

10. [VMMSSP の Web サイトコンポーネントの IIS Web サイトの構成]のページでセルフサ

ービスポータルの IIS Web サイトのプロパティを構成します。アプリケーションプールの ID を

指定します。今回は、アカウントに CONTOSO¥Administrator を指定します。また、既定のポー

ト番号 80 が既に割り当てられているため、ポート番号を 7000 に変更します。

11. [インストールの概要]のページで[インストール]をクリックし、VMMSSP 2.0 SP1 のイ

ンストールを開始します。インストールが完了したら[閉じる]をクリックしてウィザードを閉

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じます。

2.7 SCOM 2007 R2 の導入

SCVMM 2008 R2 の機能を拡張するため、SERVER01 に SCOM 2007 R2 を追加インストール

します。

2.7.1 前提条件の準備

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

データベースを除く SCOM 2007 R2 の前提コンポーネントのほとんどは、Windows Server 2008

R2 に標準で組み込まれており、SCVMM 2008 R2 の導入までの手順にも含まれます。

2.7.2 ルート管理サーバーのインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

次の手順に従って、SCOM 2007 R2 のルート管理サーバーをインストールします。なお、SCOM

2007 R2の評価版は、次のリンクよりダウンロード可能です。

●System Center Operations Manager 2007 R2 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/bb738014.aspx

1. SCOM 2007 R2 のセットアッププログラム(SetupOM.exe)の[Operations Manager 2007 R2

のインストール]をクリックして、セットアップウィザードを開始します。

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2. [使用許諾契約書]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、同意して、[次へ]をクリッ

クします。

3. [製品登録]のページで、[ユーザー名]と[組織]を入力し、[次へ]をクリックします。

4. [カスタムセットアップ]のページでは、Web Console以外のすべてのコンポーネントと既定

のインストール先を受け入れ、[次へ]をクリックします。

前提条件のチェックが行われ、パスしない場合はレポートが表示されます。

5. [管理グループの構成]のページで[管理グループ名]に分かりやすい名称(たとえば、ドメ

イン名の CONTOSO など)を入力し、[次へ]をクリックします。

6. [SQL Server データベースインスタンス]のページで、ローカルのインスタンス(SERVER01)

と SQL Server ポート 1433 を指定し、[次へ]をクリックします。

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7. [データベースとログファイルのオプション]のページでは、既定の設定値を受け入れ、[次

へ]をクリックします。本番環境では、データベースのパフォーマンスとサイズの拡張を考慮し

て、十分な空きディスク領域のあるパスに変更することを推奨します。

8. SCOM 2007 R2 では、2 つのサービスアカウント[管理サーバーアクションアカウント]と

[SDK と Config サービスアカウント]を設定する必要があります。今回は、[管理サーバーア

クションアカウント]に CONTOSO¥Administratorアカウント、[SDK と Config サービスアカウ

ント]にローカルシステムアカウントを指定します。[SDK と Config サービスアカウント]を

ローカルシステムアカウントにすることで、SCVMM 2008 R2 との統合設定で SPN を登録する

作業が省略できます。

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[管理サーバーのアクションアカウント]に CONTOSO¥Administrator アカンウトを割り当てる

と[アクションアカウントの警告]のページが表示されますが、評価環境は独立したネットワー

クで実施されているため、問題はありません。[次へ]をクリックします。

9. [Operations Manager エラーレポート]と[カスタマーエクスペリエンス向上プログラム]

のページでは、エラー報告や使用履歴をマイクロソフトに送信するかどうかを任意で選択し、[次

へ]をクリックします。

10. [プログラムのインストールの準備完了]のページで[インストール]をクリックし、SCOM

2007 R2 のインストールを開始します。

11. インストールが完了すると、[暗号化キーのバックアップ]と[コンソールの開始]の 2 つの

オプションが表示されます。[暗号化キーのバックアップ]と[コンソールの開始]のチェックを

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外し、[完了]をクリックします。

12. 最新の更新プログラムを適用します。2011年 9月時点で、次の累積更新プログラムがリリー

スされています。重要な更新なので、適用することを推奨します。

●Cumulative Update 5 for System Center Operations Manager 2007 R2 (KB 2495674) - 日本語

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=6657d8fa-c75d-4889-949c-75a

65e6c963b

2.8 SCDPM 2010 のインストール

操作する PC : SERVER02(バックアップサーバー)

次の手順に従って、バックアップサーバーである SERVER02に SCDPM 2010をインストールし

ます。SCDPM 2010の評価版は、次のリンクよりダウンロード可能です。

●System Center Data Protection Manager 2010 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/bb727240.aspx

1. CONTOSO¥Administrator でログオンします。SCDPM 2010 のセットアッププログラム

(Setup.exe)を起動し[Data Protection Manager のインストール]をクリックして、セットア

ップウィザードを開始します。

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2. [マイクロソフトソフトウェアライセンス条項]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、

同意して、[OK]をクリックします。

3. [ようこそ]の画面で、[次へ]をクリックします。

4. [前提条件を確認する]のページで、前提条件を満たしているかどうかを確認します。確認を

パスした場合は、[次へ]をクリックします。Single Instance Store (SIS) コンポーネントに関す

る「警告」が表示されますが、このコンポーネントは SCDPM 2010 のセットアップで自動的に

追加されるため問題ありません。

5. [前提条件のインストール]のページに切り替わり、前提コンポーネント(SIS) のインストー

ルが行われます。インストール完了後、[再起動]をクリックして、コンピューターを再起動しま

す。

6. コンピューターが再起動したら、CONTOSO¥Administrator でログオンします。再び SCDPM

2010 のセットアッププログラム(Setup.exe)を起動し、[Data Protection Manager のインスト

ール]を開始します。[製品登録]のページまで進み、ユーザー名と会社名を入力して[次へ]を

クリックします。

7. [インストールの設定]のページでは、既定のインストール先パス(C:¥Program Files¥Microsoft

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DPM) を確認し、SCDPM に同梱されている SQL Server (MSDPM2010 インスタンス)を選

択して、[次へ]をクリックします。

8. [セキュリティの設定]のページで、SQL Server のサービスアカウントにパスワードを設定

します。今回は[パスワード]を Pa$$w0rdにします。SQL Server のサービスアカウントは、ロ

ーカルアカウントとして SCDPM 2010 のセットアッププログラムが自動作成します。

9. [Microsoft Update のオプトイン]のページで、Windows Update の設定を構成します。推奨

の[Microsoft Update を使用して更新プログラムを確認する(推奨)]を選択して、[次へ]をク

リックします。この選択により、Windows Update の設定が、Windows に加えて、マイクロソフ

ト製品が更新対象になり、SCDPM 2010 の自動更新が可能になります。

10. [カスタマーエクスペリエンス向上プログラム]のページで任意の項目を選択して[次へ]

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をクリックして進み、[設定の概要]のページで[インストール]をクリックし、SCDPM 2010 の

インストールを開始します。インストールが完了したら、[完了]をクリックしてウィザードを閉

じます。

11. 最新の更新プログラムを適用します。2011年 9月時点で、次の累積更新プログラムがリリー

スされています。重要な更新なので、適用することを推奨します。

●System Center Data Protection Manager 2010 QFE Rollup [KB 2250444]

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en&id=23224

2.9 SCO 2012 Beta の導入(オプション)

自動化サーバーである SERVER03 に SCO 2012 Beta をインストールします。この手順は任意

です。なお、SCO 2012 Beta は次のリンクからダウンロード可能です。

●System Center Orchestrator 2012 Beta

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=26503

2.9.1 前提条件の準備

操作する PC : SERVER03(自動化サーバー)

SCO 2012 Beta の前提コンポーネントとしては、 .NET Framework 4 があります。 .NET

Framework 4 は次のリンクよりダウンロード可能です。

●Microsoft .NET Framework 4 (スタンドアロンのインストーラー)

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=0a391abd-25c1-4fc0-919f-b21f3

1ab88b7&displaylang=ja-nec

また、SCO 2012 Beta のインストール中に、Service Account の資格情報を入力する必要があり

ます。Service Accountはドメインアカウントであり、ローカル管理者権限と[サービスとしてロ

グオン]のユーザー権利が必要です。今回は、CONTOSO¥Administratorに対して、[ローカルセ

ュリティポリシー]を使用し、[ローカルポリシー]の[ユーザー権利の割り当て]の[サービス

としてログオン]を割り当てます。

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2.9.2 SCO 2012 Beta のインストール

操作する PC : SERVER03(自動化サーバー)

1. CONTOSO¥Administrator でログオンします。SCO 2012 Beta のセットアッププログラム

(Setupsco.exe) の[Install Orchestrator]をクリックして、セットアップウィザードを開始し

ます。

2. [Product registration]のページで使用許諾契約書の内容を確認し、同意のため[I have read,

understood, and agree with the terms of the license agreement]をチェックし、[Next]をクリッ

クします。

3. [Select features to install]のページで、すべてのコンポーネントが選択されていることを確

認し、[Next]をクリックします。

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前提条件のチェックが行われ、パスしない場合はレポートが表示されます。

4. [Setup will install these missing software perquisites]のページで[Enable IIS Role]をチェ

ックし、[Next]をクリックします。これにより SCO 2012 Beta の前提条件である IIS コンポー

ネントがインストールされます。

5. [All perquisites are installed]のページで[Next]をクリックします。

6. [Configure the service account]のページで Service Account の資格情報を指定し、[Next]

をクリックします。今回は[Username]Administrator、[Password]Pa$$w0rd、[Domain]

CONTOSOを指定します。なお、この Service Account はランブックの実行とリモートシステム

のリソースへのアクセスで使用されます。

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7. [Configure the database]のページでローカルのインスタンス(SERVER03)を指定します。

Authentication Credential [Windows Authentication]、Database[New database : orchestrator]

を受け入れ、[Next]をクリックします。

8. [Configure Orchestrator management group]のページで、既定(SERVER03¥Administrators)

を受け入れ、[Next]をクリックします。Orchestrator management group は、SCO 2012 Beta の

管理者グループです。

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9. [Configure the port for the web service]のページで、既定を受け入れ、[Next]をクリックし

ます。

10. [Select the installation location]のページで SCO 2012 Beta のバイナリイメージのインス

トール先を指定します。既定では、C:¥Program Files(x86)¥Microsoft System Center¥Orchestrator

2012 にインストールされます。

11. [Installation summary]のページにセットアップウィザードで指定した内容が表示されます。

問題がなければ、[Install]をクリックして、SCO 2012 Beta のインストールを開始します。

12. インストールが正常に完了したら、[When Setup closes, start the Runbook Designer]のチ

ェックを外して[Close]をクリックします。

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3. SCVMM 2008 R2 による仮想環境の管理

Hyper-V の仮想環境を SCVMM 2008 R2 を使用して効率的に管理します。

3.1 VMM エージェントのインストール

操作する PC : HOST(ホストサーバー)、SERVER01(管理サーバー)

VMM エージェントを HOST へインストールします。また、今回は HOSTをライブラリサーバー

としても使用し、ライブラリ共有にWindows Server 2008 R2 評価版の ISO ファイルをコピーし

て共有します。

1. ホストサーバーHOST に C:¥ISO フォルダーを作成し、既定で共有します。

2. Windows Server 2008 R2 SP1 評価版の ISO ファイルを C:¥ISO フォルダーにコピーします。

3. 管理サーバーSERVER01 に切り替え、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]の

[Microsoft System Center]の[Virtual Machine Manager 2008 R2]の[Virtual Machine Manager

管理コンソール]をクリックして[ホストの追加]ウィザードを起動します。デスクトップの

[SCVMM 管理者コンソール]をダブルクリックしても同様です。

4. [サーバーへ接続]でローカルサーバーへ接続するため、既定の localhostのまま、[接続]を

クリックします。

5. [SCVMM 管理者コンソール]の[ホスト]ペインの[ホストの追加]をクリックして、[ホ

ストの追加]を開始します。

6. [ホストの場所の選択]のページで、[Active Directory ドメイン上の Windows ベースのホス

ト]を選択し、[ユーザー名]administrator、[パスワード]Pa$$w0rd、[ドメイン]CONTOSO

で[次へ]をクリックします。

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7. [ホストサーバーの選択]のページで、[コンピュータ名]に HOSTを追加し、[次へ]をクリ

ックします。

[選択したサーバー中に、Windows Server 2008 以降のオペレーティングシステムを実行してい

るサーバーがあります]は、Hyper-V がインストールされてないホストサーバーを指定した場合、

自動的に Hyper-V をインストールするとこを警告している。今回はすでにホストサーバーに

Hyper-V がインストール済みのため、このメッセージは無視することができます。

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8. [構成管理]のページで[次へ]をクリックします。

9. [ホストのプロパティ]のページでバーチャルマシンパスを指定し、[次へ]をクリックしま

す。バーチャルマシンパスは、作成した仮想マシンを保存するパスです。空白の場合は Hyper-V マ

ネージャーの既定値を使用します。

10. [サマリー]のページで[ホストの追加]をクリックして、ホストサーバーに VMM エージ

ェントをプッシュインストールします。

ノート

SCVMM 2008 R2 でウィザードを実行すると、[ジョブ]が表示されます。[ジョブ]は現在、実

行中のタスクをステップごとにリアルタイムで表示する機能です。なお、[ジョブ]を閉じても、

タスクは停止しません。また、VMM 管理者コンソールの[ジョブ]ペインから過去 90 日分の

実行したタスクの結果を確認することもできます。

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11. VMM管理者コンソールの[ライブラリ]ペインの[ライブラリサーバーの追加]をクリック

して[ライブラリサーバーの追加]ウィザードを起動します。

12. [資格情報の入力]のページで[ユーザー名]administrator、[パスワード]Pa$$w0rd、[ド

メイン]CONTOSOを指定し、[次へ]をクリックします。

13. [ライブラリサーバー]のページで[コンピュータ名]に HOSTを追加し、[次へ]をクリッ

クします。

14. [ライブラリ共有の追加]のページで[共有名]から ISOをチェックし、[次へ]をクリック

します。

15. [サマリー]のページで[ライブラリサーバーの追加]をクリックし、ホストサーバーをラ

イブラリサーバーとして構成します。

3.2 仮想マシンのプロビジョニング

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

VMM管理者コンソールから空のハードディスクを複製し、仮想マシンをプロビジョニングします。

また、プロビジョニングした仮想マシンにWindows Server 2008 R2 をインストールします。こ

の仮想マシンは、以後のテンプレートの作成で使用します。

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1. VMM 管理者コンソールの[バーチャルマシン]ペインの[新しいバーチャルマシン]をクリ

ックして[新しいバーチャルマシン]ウィザードを起動します。

2. [ソースの選択]のページで[空の仮想ハードディスクを使用してバーチャルマシンを作成す

る]を選択して[次へ]をクリックします。

3. [バーチャルマシン ID]のページで[バーチャルマシン名]にW2008R2と入力し[次へ]を

クリックします。

4. [ハードウェアの構成]のページで[ネットワークアダプター1]を削除し、かわりに[ネッ

トワークアダプター]→[統合ネットワークアダプター]を追加します。[統合ネットワークアダ

プター]の[ネットワークの場所]は[内部ネットワーク]に変更します。さらに[バーチャル

DVD ドライブ]でWindows Server 2008 R2 SP1 評価版の ISO ファイルを取り込み、[次へ]

をクリックします。

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5. [保存先の場所]のページで[バーチャルマシンをホストに配置する]が選択されていること

を確認し[次へ]をクリックします。

6. [ホストの選択]のページで host.contoso.comが選択されていることを確認し[次へ]をクリ

ックします。

7. [パスの選択]のページで[次へ]をクリックします。

8. [ネットワークの選択]のページで[仮想ネットワーク]内部ネットワーク – internalが選択

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されていることを確認し、[次へ]をクリックします。

9. [追加のプロパティ]のページで[オペレーティングシステム]64-bit edition of Windows

Server2008 R2 Enterprise を選択し[次へ]をクリックします。

10. [サマリー]のページで[作成]をクリックし、仮想マシンを作成します。

ノート

仮想マシンの作成時、ライブラリサーバーからホストサーバーへWindows Server 2008 R2 SP1

評価版の ISOファイルをコピーします。

11. VMM管理者コンソールの[バーチャルマシン]ペインの[仮想マシン]W2008R2を選択し、

[開始]をクリックします。

12. 仮想マシンW2008R2が開始されたら、[バーチャルマシンに接続]をクリックし、バーチャ

ルマシンビューアを起動します。

13. バーチャルマシンビューア内でWindows Server 2008 R2 SP1をインストールします。オペ

レーティングシステムは[Windows Server 2008 R2 Enterprise(フル インストール)]を選択し

ます。

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14. インストール完了後、管理者のパスワードを Pa$$w0rd に設定します。この仮想マシンはテ

ンプレートのひな型として使用するため、コンピューター名などのパラメーターは変更しません。

仮想マシンをシャットダウンします。

15. VMM 管理者コンソールの[バーチャルマシン]ペインで仮想マシンW2008R2を選択し、[プ

ロパティ]をクリックします。

16. [W2008R2 のバーチャルマシンプロパティ]の[ハードウェア構成]タブで[バーチャル

DVD ドライブ]の[取り込みモード]を[メディアなし]に変更します。

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17. VMM管理者コンソールの[ライブラリ]ペインで[新しいテンプレート]をクリックし、[新

しいテンプレートウィザード]を起動します。

18. [ソースの選択]のページで[ホスト上に展開されている既存のバーチャルマシンから]を

選択し、[テンプレートソース]としてW2008R2を指定して[次へ]をクリックします。

[テンプレートを作成すると、ソースバーチャルマシンW2008R2 が破壊されます]が表示され

ます。テンプレートソースとなった仮想マシンは、テンプレートに変換されるため、以後、使用

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することはできません。[はい]をクリックします。

19. [テンプレート ID]のページで[テンプレート名]にW2008R2-TEMPLATEを指定し、[次

へ]をクリックします。

20. [ハードウェアの構成]のページは、テンプレートソースのハードウェア構成がコピーされ

るため、この時点では変更できません。[次へ]をクリックします。

21. [ゲストオペレーティングシステム]のページが表示されます。[管理パスワード]の[パス

ワード]と[確認]に Pa$$w0rd、[ドメイン/ワークグループ]の[ドメイン]を選択し、[ドメ

イン名]に contoso.com、[ドメインユーザー]に contoso¥administrator、[パスワード]と[確

認]に Pa$$w0rdを指定し、[次へ]をクリックします。

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22. [ライブラリサーバーの選択]のページが表示されます。[ライブラリサーバー]

server01.contoso.comを選択し、[次へ]をクリックします。

23. [ パ ス の 選 択 ] の ペ ー ジ が 表 示 さ れ ま す 。[ バ ー チ ャ ル マ シ ン パ ス ]

¥¥server01.contoso.com¥MSSCVMMLibraryを指定し、[次へ]をクリックします。

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24. [サマリー]のページで[作成]をクリックし、テンプレートを作成します。

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4. VMMSSP 2.0 によるプライベートクラウドの構築(オ

プション)

オプション手順の VMMSSP 2.0がインストール済みの場合、セルフサービスポータルを使用して

リソースの管理、プロビジョニングの自動化、セルフプロビジョニングを実現します。

4.1 データセンターリソースの構成

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

セルフサービスポータルを利用するには、まず、データセンターリソースを構成します。データ

センターリソースの構成では、VMMSSP 2.0 と連携する SCVMM 2008 R2を指定し、セルフサ

ービスで利用するテンプレートを選択します。

1.[サーバーマネージャー]で[IE ESC の構成]をクリックし、[Internet Explorer セキュリテ

ィ強化の構成]を起動します。

2. [Internet Explorer セキュリティ強化の構成]で[Administratorグループ]の[オフ]を選択

します。これにより、Internet Explorerのセキュリティレベルを低下させ、SERVER01 からのセ

ルフサービスポータルへのアクセスを容易にします。

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3. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]の[Microsoft System Center Virtual Machine

Manager Self-Service Portal 2.0]の[Self-Service Portal]をクリックし、セルフサービスポータ

ルを起動します。

4. セルフサービスポータルの[設定 : データセンターの管理]のページで[VMM サーバー]

server01.contoso.com、[Active Directory]contoso.comを指定します。

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5. [ネットワーク]の[ネットワークの追加]をクリックし、[ネットワーク名]内部ネットワ

ーク、[Hyper-Vネットワーク]internalと入力し、[送信]をクリックします。

6. [環境]の[環境の追加]をクリックし、[環境名]に運用環境と入力し、[追加]をクリック

します。同様に[環境]としてテスト環境も追加します。

7. [保存して閉じる]をクリックします。

8. セルフサービスポータルの[設定]の[バーチャルマシンテンプレートの構成]をクリックし、

[テンプレートのインポート]をクリックします。

9. [バーチャルマシンテンプレートのインポート]のページで、[1. ライブラリサーバーの選択]

server01.contoso.com、[2. ライブラリ共有の選択]MSSCVMMLibrary を指定し、[3. テンプレ

ートの検索]の虫眼鏡のアイコンをクリックします。検索結果の[バーチャルマシンテンプレー

ト]から[W2008R2-TEMPLATE]をチェックし、[選択項目の追加]をクリックします。

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10. [保存して閉じる]をクリックします。

4.2 部署の登録と承認

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

ここから実際にセルフサービスポータルを使用します。このステップバイステップでは、基本的

な動作を試します。すべての役割を 1台の PC でおこなうため、混乱する恐れがあります。その

ため、先にやり取りをまとめておきます。

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( 1)ある部署の IT 管理者がデータセンターの利用を部署単位で申請します。部署の申請では、

その申請の理由も記述します。

( 2)DC(データセンター)管理者は、申請を確認し、部署を承認します。

( 3)部門の IT管理者は承認された部署でプロジェクトごとにインフラストラクチャを要求しま

す。インフラストラクチャとは、利用したい ITリソースのキャパシティです。

( 4)DC 管理者は、インフラストラクチャを承認し、必要なデータセンターの IT リソースを割

り当てます。

( 5)部門のユーザーは、仮想マシンを要求します。仮想マシンが使用する ITリソースは、事前

に申請したインフラストラクチャの ITリソースの範囲内でおこなわれます。仮想マシンの要求に

より、仮想マシンが作成され、ユーザーは仮想マシンを使用することができます。また、仮想マ

シンが不要になった場合は、ユーザー自身が仮想マシンを削除することができます。

まず、部門の IT 管理者は、セルフサービスポータルを利用するために、部署の登録を申請します。

データセンターの管理者は、申請された部門の登録を承認または却下することができます。

1. セルフサービスポータルの[要求]で[部署の登録]をクリックします。

2. [セルフサービスの登録]のページで次のパラメーターを指定し、画面下の[送信]をクリッ

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クし、部署の登録を要求します。

・部署名 : 人事部

・部署コード : 12345

・連絡先の電子メールアドレス : [email protected]

・優先度 : 低

・理由 : 給与計算システムの構築のため

・管理者 : CONTOSO¥administrator

3. セルフサービスポータルの[要求]をクリックし、[アクセス可能な要求]から人事部からの

部署の新規登録を選択し、[承認]をクリックします。

4. [承認コメント]に「承認しました。インフラストラクチャの要求をおこなってください。」

と記述し、[保存]をクリックします。

4.3 インフラストラクチャの登録と承認

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

インフラストラクチャは部署が特定の目的のために必要とするサービスの集まりです。例えば、

人事部は、給与計算システムを実行するために必要なサービスを備えた「給与計算」というイン

フラストラクチャを作成できます。1 つの部署は複数のインフラストラクチャを管理することが

可能です。インフラストラクチャには、1つの以上のサービスとサービスロールを含みます。

サービスは、特定の機能や各種の関連情報に必要なリソースを調整します。例えば、開発環境、

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テスト環境、本番環境をそれぞれ別のサービスとして実行する場合、個別のサービスを作成しま

す。

サービスロールは、1 つの機能を実現する仮想マシンのグループで、一部の構成情報を共有しま

す。例えば、負荷分散のためのWebサーバーのグループは、サービスロールとなります。

1. セルフサービスポータルの[インフラストラクチャ]で[インフラストラクチャ要求の作成]

をクリックして、[インフラストラクチャ要求の作成 – 人事部]を表示します。

2.[1. 情報]のページで次のパラメーターを指定し、画面下の[保存して次へ進む]をクリック

します。

・インフラストラクチャ名 : 給与計算システム

・メモリ : 10 GB

・記憶域 : 200 GB

3. [2. サービスとサービスロール]のページで次のパラメーターを指定します。

・名前 : テストシステム

・環境名 : テスト環境

・メモリ : 5GB

・記憶域 : 100GB

・ネットワーク(選択したネットワーク) : 内部ネットワーク

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4. 画面下の[サービスロールの追加]をクリックして、[サービスロールの情報]のページを表

示し、次のパラメーターを指定し、[保存して閉じる]をクリックします。

・サービスロール名 : Webサーバー

・ネットワーク(選択したネットワーク) : 内部ネットワーク

5. [2. サービスとサービスロール]のページに戻りますので、画面下の[保存して次へ進む]を

クリックします。

6. [ 3. バーチャルマシンテンプレート]のページで[既存のテンプレート]の

W2008R2-TEMPLATEをチェックし、[保存して次へ進む]をクリックします。

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7. [4. 概要]のページで[要求の送信]をクリックし、インフラストラクチャの登録を要求しま

す。

8. セルフサービスポータルの[要求]で[アクセス可能な要求]から人事部のインフラストラク

チャサービスを選択し、[サービス : テストシステム]をクリックします。

9. [サービスの編集 : テストシステム]のページで[テンプレートの場所]の[ライブラリの割

り当て]をクリックし、[ライブラリサーバー]server01.contoso.com[ライブラリ共有]

MSSCVMMLibraryを指定します。

10. [保存されたバーチャルマシンの場所]で[サーバー]server01.contoso.com、[共有]

MSSCVMMLibraryを指定します。

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11. [保存して閉じる]をクリックします。

12. 同様に[サービスロール : Web サーバー]と[バーチャルマシンテンプレート :

W2008R2-TEMPLATE]を一度、開き、[保存して閉じる]をクリックします。今回はサービスロ

ールとバーチャルマシンテンプレートは変更しません。

13. [承認]をクリックし、[承認コメント]に「承認しました。仮想マシンの作成が可能です。」

と記述し、[保存]をクリックします。

4.4 仮想マシンの作成と操作

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

承認されたインフラストラクチャから仮想マシンを作成します。また、Web ブラウザから作成し

た仮想マシンを操作します。

1. セルフサービスポータルの[バーチャルマシン]で[バーチャルマシンの作成]をクリックし

ます。

2.[バーチャルマシンの作成]のページで次のパラメーターを指定し、[作成]をクリックし、仮

想マシンを作成します。今回は 1 台のみ、仮想マシンを要求しますが、複数の仮想マシンを一度

に要求することもできます。

・部署 : 人事部

・インフラストラクチャ : 給与計算システム

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・サービス : テストシステム

・サービスロール : Webサーバー

・バーチャルマシンの命名 : 個別に作成

・コンピューター名 : WEBSERVER

・テンプレート : W2008R2-TEMPLATE

・ネットワーク : 内部ネットワーク

ノート

仮想マシンの作成の結果は、セルフサービスポータルの[ジョブ]で確認することができます。

作成の経過については、VMM管理者コンソールの[ジョブ]で確認することができます。

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74

3. 仮想マシンが作成されたら、セルフサービスポータルの[バーチャルマシン]で[接続]をク

リックし、仮想マシンに接続します。なお、うまく表示されない場合は[再接続]をクリックし

ます。

仮想マシンの接続では、Active Xコントロールを使用するため、[Internet Explorerの警告]が表

示されます。[インストールする]をクリックします。

ノート

SCVMM 2008 R2 のテンプレートから日本語 OS の仮想マシンを作成すると、地域と言語のキ

ーボードやシステム ロケールが英語(米国)になってしまう問題があります。例えば、仮想マシ

ン WEBSERVER にログオンする際の必要な ¥ マークを入力するには、 ] キーを押す必要があ

ります。この問題の抜本的な解決方法については以下のマイクロソフトのサポートオンラインを

参照してください。

●System Center Virtual Machine Manager 2008 または System Center Virtual Machine

Manager 2008 R2 でライブラリ上にあるテンプレートから仮想マシンを作成した場合、[地域と

言語のオプション] の設定が英語になる

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http://support.microsoft.com/kb/978336/ja

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5. SCOM 2007 R2 による仮想環境の監視

SCOM 2007 R2 は物理環境と仮想環境の両方に対応した、エンドツーエンドの ITサービスを監

視するためのソリューションです。SCOM 2007 R2 では、Windowsサーバー、Windowsクライ

アントを始め、UNIX/Linuxコンピューター、SNMPデバイスを統一されたインターフェイスで監

視し、障害やパフォーマンス問題が発生した場合には、素早く検出し、管理者に通知します。同

時に最も効果的な対策方法も提示してくれます。

5.1 SCOM エージェントのインストール

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

ドメイン内のホストに SCOM エージェントを展開して、SCOM 2007 R2 の監視対象にします。

今回の検証シナリオを実行するためには、管理サーバーを除く、すべての Hyper-V ホストと

Hyper-V ホスト上の仮想マシンにエージェントをインストールします。

1. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]の[System Center Operations Manager 2007

R2]の[Operations Console]をクリックし、Operations Console を起動します。

2. Operations Console の[管理]のナビゲーションペインのルートにある[管理するコンピュー

ターとデバイスの構成]をクリックします。

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3. [コンピューターとデバイスの管理ウィザード]が開始し、[何を管理しますか]と表示され

るので、[Windows コンピューター]を選択して、[次へ]をクリックします。

4. [自動 / 詳細]のページで、[コンピュータの自動検出]を選択し、[次へ]をクリックします。

5. [管理者アカウント]のページで、エージェントのインストールに使用するアカウントの資格

情報を提供します。今回は、 SCOM 2007 R2 のアクションアカウントとして

CONTOSO¥Administratorを割り当てているため、そのまま、[検出]をクリックします。

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6. [管理対象オブジェクトの選択]のページに、指定したホストで接続可能なホストがリスト

されます。リストから HOSTとWEBSERVERを選択し、[次へ]をクリックします。

7. [概要]のページで、エージェントのインストール先パスとエージェントの実行アカウント

の資格情報(ローカル システム)を確認し、[完了]をクリックします。

8. [エージェントの管理タスクの状態]ウィンドウに SCOM エージェント展開の進行状況が表

示されます。すべてのホストで[成功しました]と表示されたら完了です。すべてのホストある

いは一部のホストで[失敗しました]と表示された場合は、インストールアカウントの資格情報

やファイアウォール要件を確認して、エージェントのインストールを再実行してください。

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9. エージェントが展開されたホストは、Operations Console の[管理]のナビゲーションペイン

の[デバイスの管理]→[エージェントで管理]にリストされます。また、[監視]のナビゲーシ

ョンペインの[Windows コンピュータ]で稼働状況を確認できます。

5.2 管理パックのインポート

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

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管理パックとは、コンピューターとデバイスを監視するために必要な情報を集めてパッケージ化

したものです。一般的な管理パックは、製品単位でマイクロソフトおよびサードパーティのソフ

トウェアまたはハードウェアベンダから提供されます。このステッパイステップでは、Windows

Server と Hyper-V の管理パックを使用します。Hyper-V と Windows Server の管理パックは次

のリンクからダウンロード可能です。なお、ダウンロードしたファイルは展開し、管理パックフ

ァイル(.mpのファイル)を取り出しておく必要があります。

●Windows Server Hyper-V Management Pack for System Center Operations Manager 2007

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en%2cen&id=14268

●System Center Operations Manager 2007 用 Windows Server Hyper-V 管理パック

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=502e7a26-2fea-4052-89fd-8f751

42de4f2&displaylang=ja-nec

●Windows Server Operating System Management Pack for Operations Manager 2007

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en&id=9296

●Operations Manager 2007 用の Windows Server オペレーティング システム管理パック

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=3529d233-5e3e-4b51-8f66-5d6f2

7005ec3&displaylang=ja-nec

ノート

SCOM 2007 R2 の管理パックはすべて英語で記述されています。そのため、日本語にローカライ

ズするには、別途、言語パックにインポートする必要があります。そのため、今回の Hyper-V と

Windows Server の管理パックのインポートでは、4種類のファイルのダウンロードが必要となり

ます。

1. Operations Console の[管理]のナビゲーションペインのルートにある[管理パックのインポ

ート]をクリックします。

2. [管理パックのインポート]ウィザードが表示されたら、[追加]→[ディスクから追加する]

をクリックして、あらかじめ、展開しておいた次の管理パックを選択します。

・Microsoft.Windows.HyperV.2008.Discovery.JPN.mp

・Microsoft.Windows.HyperV.2008.Discovery.mp

・Microsoft.Windows.HyperV.2008.Monitoring.JPN.mp

・Microsoft.Windows.HyperV.2008.Monitoring.mp

・Microsoft.Windows.HyperV.Library.JPN.mp

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・Microsoft.Windows.HyperV.Library.mp

・Microsoft.Windows.Server.2000.mp

・Microsoft.Windows.Server.2003.JPN.mp

・Microsoft.Windows.Server.2003.mp

・Microsoft.Windows.Server.2008.Discovery.JPN.mp

・Microsoft.Windows.Server.2008.Discovery.mp

・Microsoft.Windows.Server.2008.Monitoring.JPN.mp

・Microsoft.Windows.Server.2008.Monitoring.mp

・Microsoft.Windows.Server.Library.JPN.mp

・Microsoft.Windows.Server.Library.mp

・System.Hardware.Library.mp

・System.Virtualization.Library.mp

[これらの依存関係についてオンラインカタログを検索しますか?]は、[いいえ]をクリックし

ます。

3. 選択した管理パックの依存関係がチェックされます。[インストール]をクリックして、管理

パックをインポートします。

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4. 管理パックのインポート後、Operations Console の[監視]のナビゲーションペインの

[Microsoft Windows Hyper-V]や[Microsoft Windows サーバー]で稼働状況を確認できます。

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6. SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 による仮想マ

シンの自動配置

SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 は連携することができます。この連携により PRO

(Performance and Resource Optimization) が利用可能です。PROは、SCOM 2007 R2の収集

した監視データを基づき、SCVMM 2008 R2で動的に仮想マシンを操作するものです。例えば、

SCOM 2007 R2 が収集した Hyper-V サーバーや仮想マシンのイベントやパフォーマンスに重大

なエラーや警告が含まれている場合、SCVMM 2008 R2 に対して、様々なアドバイスをおこない

ます。これを「PROヒント」といいます。

新しい PRO ヒントがあると、VMM 管理者コンソールに PRO ヒントがポップアップされ、管

理者に通知します。さらに、PROヒントを自動的に実行するオプションも用意されています。例

えば、高負荷なホストで稼働している仮想マシンは、別のホストへ移行させなければなりません。

このとき、PROは、インテリジェントな配置に基づき、負荷の低いホストを選択し、仮想マシン

を移行します。この一連の動作は、PROによって、自動的におこなわれます。

6.1 管理パックのインポート

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

PRO の前提条件である SQL Server と Internet Information Services(IIS)の管理パックのイン

ポートをおこないます。なお、管理パックは、次のリンクよりダウンロード可能です。

●SQL Server Monitoring Management Pack

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en%2cen&id=10631

●Windows Server Internet Information Services 7 Management Pack for System Center

Operations Manager 2007

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?displaylang=en%2cen&id=9815

1. Operations Console を開き、[管理]のナビゲーションペインのルートにある[管理パックの

インポート]をクリックします。

2. [管理パックのインポート]ウィザードが表示されたら、[追加]→[ディスクから追加する]

をクリックして、次の管理パックを選択します。

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・Microsoft.SQLServer.2005.Discovery.mp

・Microsoft.SQLServer.2005.Monitoring.mp

・Microsoft.SQLServer.2008.Discovery.mp

・Microsoft.SQLServer.2008.Monitoring.mp

・Microsoft.SQLServer.Library.mp

・Microsoft.Windows.InternetInformationServices.2000.MP

・Microsoft.Windows.InternetInformationServices.2003.MP

・Microsoft.Windows.InternetInformationServices.2008.MP

・Microsoft.Windows.InternetInformationServices.CommonLibrary.MP

[これらの依存関係についてオンラインカタログを検索しますか?]は、[いいえ]をクリックし

ます。

3. 選択した管理パックの依存関係がチェックされます。[インストール]をクリックして、管理

パックをインポートします。

6.2 Operations Manager の構成

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

SCOM 2007 R2 のルート管理サーバーで[Operations Manager の構成]を実行します。すると、

次のタスクが実行され、SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 との統合が可能になります。

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・SCOM 2007 R2 に SCVMM R2 管理パックをインポートする

・SCVMM R2 のサービスアカウントを SCOM 2007 R2 の管理者ロールに追加する

・System Center Data Access Service を再起動する

・VMM管理者コンソールをインストールする

今回のステップバイステップのシナリオのようにルート管理サーバーに VMM 管理者コンソール

がインストール済みの場合、[Operations Manager の構成]を成功させるには、事前に VMM管

理者コンソールをアンインストールしておく必要があります。

1. [スタート]メニューの[管理ツール]の[サービス]を開き、[Virtual Machine Manager

Self-Service Portal 2.0]と[Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0 Helper Service]の

2つのサービスを停止します。

2. [コントロールパネル]の[プログラムのアンインストール]から、[Microsoft System Center

Virtual Machine Manager 2008 R2 管理者コンソール(x64)]をアンインストールします。

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3. SCVMM 2008 R2 SP1 のセットアッププログラム(Setup.exe)を起動し、[Operations Manager

の構成]をクリックします。

4. [Virtual Machine Manager 管理者コンソールセットアップ]ウィザードが起動します。イン

ストール手順は、2.5.3 VMM 管理者コンソールのインストールとほとんど変わりません。1 点だ

け、[ポートの割り当て]のページで、VMM サーバーポートに加えて、VMM サーバーをドメイ

ン名¥コンピューター名の形式で指定するところが異なります。今回は CONTOSO¥SERVER01

を指定します。

5. Operations Manager の構成が完了したら、[スタート]メニューの[管理ツール]の[サービ

ス]を開き、[Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0]と[Virtual Machine Manager

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Self-Service Portal 2.0 Helper Service]の 2つのサービスを再開します。

ノート

SCVMM 2008 R2 の管理サーバーと SCOM 2007 R2 の管理サーバーが分離している場合、VMM

管理サーバーに以下の追加の手順が必要となります。なお、今回のシナリオは、1 台の仮想マシ

ンに両方の管理サーバーが混在しているため、不要です。

・SCOM 2007 R2 の管理コンソールをインストールします。

・VMM管理者コンソールの[管理]ビューの[ユーザーロール]に SCOM エージェントのアク

ションアカウントを追加します。なお、アクションアカウントは Local System の場合、コンピ

ューターアカウントを追加します。

6.3 PRO の有効化

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)

PRO は、SCVMM 2008 R2 のホストグループ単位で有効化することができます。また、PRO ヒ

ントのトリガーとなるアラートの種類(重要のみ または 警告と重要)も PRO ヒントの自動実

装の有無などを指定することができます。なお、この設定は既定で継承されるため、上位のホス

トグループの設定に下位のホストグループは従います。

1. VMM管理者コンソールの[管理]ペインで[System Center]ノードをクリックし、[Operations

Manager サーバー]のエントリを開きます。[サーバー名]に SERVER01と入力します。

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2. [ホスト]ペインで[すべてのホスト]ノードの[プロパティ]を開きます。

3. [すべてのホストのホストグループのプロパティ]の[PRO]タブを開き、[このホストグル

ープの PRO を有効にする]をチェックします。

4. VMM 管理者コンソールの[表示]メニューの[図]をクリックして、ダイアグラムビューが

表示されることを確認します。ビューが表示されることを確認します。このダイアグラムビュー

は、SCOM 2007 R2 が提供するもので、SCVMM 2008 R2 の管理サーバーやライブラリなどの

コンポーネントと、Hyper-V ホスト、仮想マシン、物理および仮想のハードウェアの関係、およ

びそれらの稼働状況を含めてビジュアル化したものです。

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5. VMM 管理者コンソールの[ホスト]ペインで host.contoso.com の[プロパティ]を開き、[予

備]タブの[メモリ(MB)]に物理メモリサイズを入力します。例えば、8GB の物理メモリを実

装しているコンピューターなら 8000と入力します。[予備]タブはホストサーバーに予約するリ

ソースを定義するページです。ホストサーバーに物理メモリの上限を定義することで、意図的に

リソースの不足状態を作り、PROヒントを表示させます。

なお、PRO ヒントが表示されるまで、数分かかります。また、VMM 管理者コンソールは起動し

たままにしておきます。

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6. PRO ヒントが表示されたら、内容を確認し、[完了]をクリックします。[ホスト]ペインで

host.contoso.com の[プロパティ]を開き、[予備]タブの[メモリ(MB)]に既定値の 512 に

戻します。

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7. SCDPM 2010 による仮想マシンのバックアップと回復

DPM 2010は、Hyper-V の仮想マシンとその設定ファイルを保護することができます。仮想マ

シンの保護では、「ホストレベルバックアップ」または「ゲストレベルバックアップ」を選択する

ことができます。

●ホストレベルバックアップ

Hyper-Vホスト(親パーティション)にエージェントをインストールして、仮想マシン(子パ

ーティション)を一元的にバックアップします。次の特徴があります。

・ 仮想マシン単位でバックアップする。

・ Windows以外の OSの仮想マシンもバックアップできる。

・ 回復は、仮想マシン単位、ファイル単位でおこなえる。

・ Hyper-Vホストにのみ、DPM 2010の管理ライセンスが必要である。

●ゲストレベルバックアップ

個々の仮想マシン(子パーティション)にエージェントをインストールして、仮想マシン内の

データをバックアップします。次の特徴があります。

・ データ単位でバックアップする(例えば、SQL ServerのデータベースやWebコンテンツを選

択してバックアップできる)。

・ 物理コンピューターのバックアップと同等である。

・ 仮想マシンごとに、DPM 2010の管理ライセンスが必要である。

このステップバイステップでは、ホストレベルバックアップをおこないます。

7.1 SCDPM エージェントのインストール

操作する PC : SERVER02(バックアップサーバー)

バックアップの対象となるホストサーバーには、SCDPM エージェントをインストールする必

要があります。保護エージェントは、次の 2つの方法でインストール可能です。

●自動インストール

[DPM 2010 管理者コンソール]からエージェントをインストールします。自動インストール

を成功させるには、DPMサーバーと保護コンピューターとの間にあるファイアウォールをすべて

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構成する必要があります。

●手動インストール

DPM 2010の製品 DVDを使用し、保護コンピューターで直接、エージェントをインストールし

ます。なお、インストール後、[DPM 2010 管理者コンソール]を使用して、DPMサーバーに保

護コンピューターを接続する必要があります。手動インストールは、ファイアウォールの介在よ

り自動インストールがおこなえない場合やイメージベースの展開で、展開元となるマスターイメ

ージにあらかじめ、エージェントを追加しておきたい場合などに使用します。

このステップバイステップでは、自動インストールをおこないます。そのため、保護エージェン

トをインストールする間、HOST の[ドメインネットワークの場所の設定]の Windows ファイ

アウォールを無効化しておく必要があります。

1. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]→[Microsoft System Center Data Protection

Manager 2010]→[Microsoft System Center Data Protection Manager 2010]をクリックして、

DPM 2010 管理者コンソールを起動します。デスクトップの[Microsoft System Center Data

Protection Manager 2010]をダブルクリックしても同様です。

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2. DPM 2010 管理者コンソールの[管理]ビューの[エージェント]タブにある[インストール]

をクリックし、[保護エージェントのインストールウィザード]を起動します。

3. [エージェントの展開方法の選択]のページで[エージェントのインストール]を選択し、[次

へ]をクリックします。

4. [コンピューターの選択]のページにドメイン内のコンピューターがリストされます。リスト

から HOSTを[選択されたコンピューター]に追加し、[次へ]をクリックします。

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5. [資格情報の入力]のページで[ユーザー名]administrator、[パスワード]Pa$$w0rd、[ドメ

イン]contoso.comを指定し、[次へ]をクリックします。

6. [再起動方法の選択]のページで[はい。必要に応じて、保護エージェントをインストールし

た後、選択したコンピューターを再起動します]を選択し、[次へ]をクリックします。

7. [概要]のページで[インストール]をクリックし、SCDPM エージェントをプッシュインス

トールします。

7.2 記憶域プールへのディスクの追加

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操作する PC : SERVER02(バックアップサーバー)

バックアップ媒体となるディスクは記憶域プールへ追加します。記憶域プールには、複数のディ

スクを追加することができ、DPM 2010 では、複数のディスク装置を単一のディスク装置のよう

に取り扱うことが可能です。

1. DPM 2010 管理者コンソールの[管理]ビューの[ディスク]タブにある[追加]をクリック

します。

2. [記憶域プールへのディスクの追加]で[利用可能なディスク]にあるディスク 1を[選択さ

れたディスク]に追加します。

7.3 保護グループの作成

操作する PC : SERVER02(バックアップサーバー)

DPM 2010で、データをバックアップするには、「保護グループ」を作成します。 保護グループ

とは、同じバックアップオプションを共有するデータソースの集合です。例えば、保護グループ

では、「何をバックアップするのか?」、「どこへバックアップするのか?」、「どれくらいの頻度で

バックアップするのか?」などを指定します。

保護グループを作成することで、バックアップジョブが開始されます。1台の DPMサーバーに

は、複数の保護グループを作成することができるため、ビジネスニーズに合わせた複数のバック

アップ戦略を実現することができます。

1. DPM 2010 管理者コンソールの[保護]ビューにある[保護グループの作成]をクリックしま

す。

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2. [新しい保護グループウィザードの開始]のページで[次へ]をクリックします。

3. [保護グループの種類の選択]のページで[サーバー]が選択されていることを確認し、[次

へ]をクリックします。

4. [グループメンバーの選択]のページで[利用可能なメンバー]から[HOST]→[HyperV]

→[Backup Using Child Partition Snapshot¥WEBSERVER]をチェックし、[次へ]をクリックし

ます。

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5. 以降のウィザードでは、すべて既定の選択のまま進み、最後の[グループの作成]をクリック

します。

6. 保護グループが作成されます。[状態]のページですべてのタスクの[結果]が成功になるま

で待機し、[閉じる]をクリックします。

7. DPM 2010 管理者コンソールの[保護]ビューにある保護グループ 1内の[保護の状態]が[OK]

→[レプリカを作成中]→[OK]に変わるまで待機します。

7.4 仮想マシンの回復

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操作する PC : SERVER02(バックアップサーバー)

DPM 2010 のバックアップデータを使用して、削除した仮想マシンの回復をおこないます。ディ

スクからの回復となるため、数分で回復が完了します。

1. VMM管理者コンソールまたは Hyper-Vマネージャーを使用し、仮想マシンWEBSERVERを

停止した後、削除します。

2. DPM 2010 管理者コンソールの[回復]ビューの[参照]タブで[保護されるデータ]から[回

復可能なデータ]→[contoso.com]→[HOST]→[保護されるすべての Hyper-V データ]を

選択し、[回復可能な項目]から[Backup Using Child Partition Snapshot¥WEBSERVER]を選択

して、[回復]をクリックし、[回復ウィザード]を起動します。

3. [回復の選択の確認]のページが表示されます。[次へ]をクリックします。

4. [回復の種類の選択]のページが表示されます。[元のインスタンスに回復する]が選択され

ていることを確認し、[次へ]をクリックします。

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5. 以降のウィザードでは、すべて既定の選択のまま進み、最後の[回復]をクリックし、仮想マ

シンWEBSERVER を回復します。

6. 仮想マシンWEBSERVER が回復されたら、VMM管理者コンソールまたは Hyper-Vマネージ

ャーを使用し、仮想マシンを開始します。

ノート

起動中の仮想マシンをバックアップし、回復した場合には、動作には影響はありませんが、

[Windows エラー回復処理]が表示されます。メニューから[Windows を通常起動する]を選

択します。

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101

8. SCO 2012 Beta による仮想環境の管理タスクの自動化

(オプション)

SCO 2012 Beta はダイナミックな IT プロセスを実現するツールです。SCO 2012 Betaにより、

IT プロセスのエンドツーエンドの自動化、連携、統合をおこなうことができ、データセンターの

運用管理の負荷を大幅に軽減し、トータルコストを削減します。

オプションの SCO 2010 Beta がインストール済みの場合、Deployment Manager を使用して、

SCVMM 2008 R2 の統合パックをインポートし、次に Runbook Designer を使用して、Runbook

を作成、実行して、結果を確認します。

8.1 統合パックのインポート

操作する PC : SERVER03(自動化サーバー)

SCO 2012 Beta で SCVMM 2008 R2 の管理タスクを自動化するために、Deployment Manager

を使用し、System Center の統合パックをインポートします。ただし、現時点(2011年 9月)で、

System Center の統合パックは System Center Opalis 評価版からコピーして使用する必要があ

ります。System Center Opalis 評価版は次のリンクからダウンロード可能です。

●System Center Opalis 6.3 評価版

http://www.microsoft.com/en-us/server-cloud/system-center/opalis.aspx

※ダウンロードしたファイルを展開し、Opalis 6.3.zip内の Integration Packs for System Center

をコピーして使用します。

1. [スタート]メニューの[すべてのプログラム]→[Microsoft System Center]→[Orchestrator

2012]→[Deployment Manager]をクリックし、Deployment Manager を起動します。

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2. Deployment Manager の[Integration Packs]で右クリックし、[Register IP with the

Orchestrator Management Server]をクリックします。

3. [Welcome to the Integration Pack Registration Wizard]のページで[次へ]をクリックしま

す。

4. [Select Integration Packs or Hotfixes]のページで[Add]をクリックし、あらかじめ、展開

しておいた統合パックの IP_SystemCenterVirtualMachineManager_1.0.oipを選択し、[次へ]を

クリックします。

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5. [Completing the Integration Pack Wizard]のページで[完了]をクリックして、統合パック

を登録します。

6. [End-User License Agreement]で[Accept]をクリックします。

7. 統合パックの登録が完了したら、[Integration Packs]で右クリックし、[Deploy IP to Runbook

Server or Runbook Designer]をクリックします。

8. [Welcome to the Integration Pack Deployment Wizard]のページで[次へ]をクリックしま

す。

9. [Deploy Integration Packs or Hotfixes]のページで[System Center Virtual Machine Manager

IP]をチェックし、[次へ]をクリックします。

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10. [Computer Selection Details]のページで[Computer]に SERVER03と入力し、[Add]を

クリックしてから[次へ]をクリックします。

11. [Installation Configuration]のページで[次へ]をクリックします。

12. [Completing the Integration Pack Deployment Wizard]のページで[完了]をクリックして、

統合パックを展開します。

8.2 Runbook の作成と実行

操作する PC : SERVER01(管理サーバー)、SERVER03(自動化サーバー)

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Runbook Designer を使用し、SCVMM 2008 R2 と連携する Runbookを作成し、Runbook Tester

で Runbook を実行します。Runbookの実行結果として、仮想マシンが作成され、イベントログ

にイベントが記録されます。

1. 管理サーバー SERVER01 で管理者コマンドプロンプトを開き、「winrm quickconfig」を実行

します。[変更しますか?]で yを入力します。

2. 自動化サーバー SERVER03に切り替え、[スタート]メニューの[すべてのプログラム]→

[Microsoft System Center]→[Orchestrator 2012]→[Runbook Designer]をクリックし、Runbook

Designer を起動します。

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3. Runbook Designer の[Options]メニューの[System Center Virtual Machine Manager]をク

リックします。

4. [Prerequisite Configuration]のページで[Add]をクリックします。

5. [Add Configuration]で次のパラメーターを指定して、[OK]をクリックします。

・Name : SERVER01

・Type : System Center Virtual Machine Manager Connection(リストから選択)

・Computer Name : server01

・User : 空白(必ず空白にします)

・Domain : 空白(必ず空白にします)

・Password : 空白(必ず空白にします)

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・VMM Server : server01

6. [Prerequisite Configuration]のページに戻ったら[Finish]をクリックします。

7. Runbook Designer の[Runbooks]で右クリックし、[New]→[Runbook]をクリックして、

Runbookを作成します。

8. Runbookのワークスペースに[Activities]の[System Center Virtual Machine Manager]から

[Create VM From Template]と[Start VM]をドラッグアンドドロップします。

[Are you sure you want to check out this runbook?]は[はい]をクリックします。

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ノート

SCO 2010では、同時に複数の Runbook Designer から Runbook にアクセスできるため、「チェ

ックイン・チェックアウト」によるアクセス制御が採用されています。Runbook の作成は、

Runbookをチェックアウトして開始します。RunbookをチェックアウトしたユーザーはRunbook

を編集することができますが、別のユーザーは、その Runbook を編集することはできません。

Runbook の作成が完了したら、Runbook をチェックインします。Runbook をチェックインする

ことで、データベースに Runbook が保存され、別のユーザーがその Runbook を編集することが

できるようになります。また、Runbook をチェックインする前にチェックアウトの取り消しをお

こなうことで、Runbook を編集前の状態に戻すこともできます。

9. 同様に[Activities]の[Notification]から[Send Event Log Message]をドラッグアンドドロ

ップします。

10. ワークスペースのアイコンを左から[Create VM From Template]、[Start VM]、[Send Event

Log Message]の順に並べて、矢印で結びます。矢印で結ぶにはアイコンをクリックすると表示

される小さな三角形を次のアイコンにドラッグアンドドロップします。

11. [Create VM From Template]で右クリックし、[Properties]をクリックします。

12. [Properties]のページで次のパラメーターを設定して、[Finish]をクリックします。

・Name : SERVER01(リストから選択)

・Host Name : host.contoso.com(リストから選択)

・Path : C:¥ProgramData¥Microsoft¥Windows¥Hyper-V(リストから選択)

・VM Name : DBSERVER

・Source Template Name : W2008R2-TEMPLATE(リストから選択)

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13. [Start VM]で右クリックし、[プロパティ]をクリックします。

14. [Properties]のページで[Configuration]の[Name]にSERVER01を指定します。[Properties]

の[VM ID]の入力フィールドで右クリックし、[Subscribe]→[Returned Data]をクリックし

ます。

15. [Returned Data]で[Activity]が[Create VM From Template]になっていることを確認し、

リストから[VM ID]を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

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16. [Properties]のページに戻ったら[Finish]ボタンをクリックします。

17. [Send Event Log Message]で右クリックし、[プロパティ]をクリックします。

18. [詳細情報]のページで[Computer]に server03と入力し、[Message]の入力フィールド

で右クリックし、[Subscribe]→[Returned Data]をクリックします。

19. [Returned Data]で[Activity]が[Start VM]になっていることを確認し、リストから[VM

Name]を選択し、[OK]ボタンをクリックします。

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20. [詳細情報]のページに戻ったら、[Message]の入力フィールドの「{VM Name from “Start

VM”}」の後ろに「 を作成し、起動しました」と入力し、[Finish]ボタンをクリックします。

21. Runbook Designer のツールバーの[Runbook Tester]をクリックし、Runbook Tester を起

動します。

22. Runbook Tester のツールバーの[Run]をクリックし、Runbook を実行します。Runbook は

仮想マシン DBSERVERを作成した後、仮想マシンを起動して、SERVER03のイベントログにイ

ベントを記録します。

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9. さいごに

9.1 まとめ

このホワイトペーパーでは、Hyper-Vをベースした仮想環境に SCVMM 2008 R2、VMMSSP 2.0、

SCOM 2007 R2、SCDPM 2010、SCO 2012 Betaの各 System Centerファミリ製品を組み合わせ

た、プライベートククラウドの構築と管理の評価シナリオを説明しました。

たとえば、SCVMM 2008 R2 を使用すれば、テンプレートを使用した仮想マシンの迅速なプロビ

ジョニングが可能です。スタンドアロンの Hyper-V ホストとホストクラスター間の仮想マシンの

移動もできます。SCOM 2007 R2 の監視機能により、仮想環境のどこかで障害が発生した際に、

すばやくその場所と影響範囲を特定できるはずです。SCVMM 2008 R2 と SCOM 2007 R2 の統

合により仮想マシンの動的な再配置が可能となります。SCDPM 2010 については今回、仮想マシ

ンのライブバックアップについてのみ説明しました。SCDPM 2010 を使用すれば、ディザスタリ

カバリ可能な Hyper-V ホストの保護も可能です。

これらの機能は、標準の Hyper-V マネージャーには無いものです。System Center ファミリ製品を活

用したプライベートクラウドの構築により、仮想環境の操作を簡単にし、効率的な運用を実現しま

す。

9.2 評価版ソフトウェアの入手

本ドキュメントで使用したOS およびサーバー製品については、評価版、製品版、およびベータ版を

以下のWeb サイトから入手できます。

●Windows Server 2008 R2 Service Pack 1 評価版

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/dd459137.aspx

●SQL Server 2008 評価版(180 日)

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=265f08bc-1874-4c81-83d8-0d48d

bce6297

●SQL Server 2008 R2 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/ee315247.aspx

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●System Center Virtual Machine Manager 2008 R2 SP1 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/cc793138.aspx

●Microsoft System Center Virtual Machine Manager Self-Service Portal 2.0 SP1 - 日本語

http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?familyid=cd11b5da-e527-46d5-9c85-85c6

4ec98891&displaylang=ja-nec

●System Center Operations Manager 2007 R2 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/bb738014.aspx

●System Center Data Protection Manager 2010 評価版(180 日)

http://technet.microsoft.com/ja-jp/evalcenter/bb727240.aspx

●System Center Orchestrator 2012 Beta

http://www.microsoft.com/download/en/details.aspx?id=26503