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HPLCの基礎
サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社カスタマーサポート本部
ドサポCMDフィールドサポート
クロマトグラフィーの基礎
• 概論
• クロマトグラフィー理論
• HPLCシステムHPLCシステム
• カラム
2
概論
3
クロマトグラフィーのはじまり
4
概論– HPLCシステム: 構成
HPLC: High Performance Liquid ChromatographyUHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography)UHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography)
● ポンプ : 高圧化での流量正確さと精度、チェックバルブとシール寿命
● オートサンプラー: 高圧化での注入量正確さと精度、バルブシール寿命度、 命
● カラムコンパートメント: 幅広い温度コントロール範囲、温度正確さと精度
● カラム: 分離効率(段数等)、低背圧、長寿命、固定相の種類
検出器 汎用と選択性検出 感度 応答性 サンプリングレ ト● 検出器: 汎用と選択性検出、感度、応答性、サンプリングレート
● コンピュータシステム: 高速制御と処理、操作性
Column
ポンプ オートサンプラーカラム
カラム ンパ トメント 検出器
5
ポンプ オ トサンプラ カラムコンパートメント 検出器
概論– HPLCシステム: 構成
溶媒トレイ, デガッサ
ポンプ
オートサンプラーデータ処理機
カラムコンパートメント
検出器 HPLC用分離カラム検出器 HPLC用分離カラム
6
クロマトグラム (Chromatogram)注 光源注入 光源カラム内径 4.6mm
カラム内径 2.1mm
クロマトグラム1
2検出
カラム内径 2.1mm
ナル
2
カラム内径 4.6mm
シグ
ナ
3
77
時間
クロマトグラフィー理論–分離特性に及ぼす分離能の影響
2
HL
wtN
h
R
2
54.5wh
2
2l8
h
twLH
ナル
2ln8
Rt
H – 理論段高さ; N – カラム理論段数
L – カラム長さ
シグ
ナ
が小さ または が大き
L – カラム長さ
tR – 保持時間
Wh – ピーク半値幅
wh
Hが小さい または Nが大きいとピークがシャープになる!
時間
8
8
クロマトグラフィー理論
段理論でカラムの性能を評価できる
段数とカラム分離能
● 段理論でカラムの性能を評価できる
● カラムの理論段数(N) ;大きいほどカラムの性能は良い
またはまたは、
● 理論段高さ (HETP, H: Height Equivalent to a Theoretical Plate ); 1理論段あたりのカラムの長さ→小さいほどカラム効率が良い1理論段あたりのカラムの長さ→小さいほどカラム効率が良い
● 段数の高いカラムは小さいカラムより効率が良い
● 段数の高いカラムは小さいカラムに比べて同じ保持時間のピーク幅を
小さくできる小さくできる
9
9
クロマトグラフィー理論
二つのピークの分離能R (Resolution) 完全分離は、クロマトグラフィー条件のゴール
12 RR t2tt
2R
tR2
tR1nal
Peak 2
2121
12
RRRR ww2
ww2R
• 隣接するピーク間距離をピーク幅の平均
で割ったもの
• 理論的には R > 1 50 でベースライン分離
tR1
Sign
Peak 1• 理論的には R > 1.50 でベースライン分離
(完全分離)が可能
• 実際にはR ≥ 2を目指す
• 2以上の分離では分離効率が向上するが
分析時間が必要以上に長くなるTime, sw1 w2
10
10
クロマトグラフィー理論
分離度とカラム理論段数、選択係数、保持係数の関係分離度とカラム理論段数、選択係数、保持係数の関係
基本的なパラメーター
• カラム理論段数;Efficiency, N1)1(4/1
kkNR
• 選択係数;Selectivity, • 保持係数;Retention
カラム理論段数の項 保持特性の項characteristics kカラム理論段数の項
選択係数の項
保持特性の項
11
11
クロマトグラフィー理論 – 分離への影響
N
kk12
12
クロマトグラフィー理論 – 選択性
mmss ttt 22
(tms)
mmss ttt
11
選択係数を変えるには20
25
選択係数を変えるには
• 固定相を変える(充てん剤の種類)
移動相 種類 イオ 強度を変える10
15
• 移動相の種類、イオン強度を変える
• 温度を変える(カラムオーブン)5
10
• アナライトの電荷の状態を変える(pH)0 2 4 6 8 10minutes
0
tm ts
11
41
kkNR
13
14 k
13
クロマトグラフィー理論 – 保持係数
(tms) k= ts/tm• kが小さければ
• 成分は溶媒ディップの近くに溶出20
25s m
• 良く分離されない
• kが大きければ10
15
• 良く分離される
• kが大きすぎれば5
10
• 保持時間が長くなる
• ピーク幅が広がり感度に影響を及ぼす
適切な範囲
0 2 4 6 8 10minutes
0
• 適切な範囲
2 < k < 10tm ts
11
41
kkNR
14
14
クロマトグラフィー理論– 分離におよぼす充てん剤粒子径の影響
100
5μm充てん剤
10 µm5 µm3 µm
応答
性
2 µm
H [µ
m]
0
2 µm充てん剤
応答
性
uopt, 2 µmuopt, 5 µm
Hmin, 5 µm
H
時間00 105
線速度 u [mm/s]
0Hmin, 2 µm
2062
2 udu
dH pp
dp:充てん剤の粒子径u:線速度
15
15
クロマトグラフィー理論– 分析時間におよぼす充てん剤粒子径の影響
250 4 6 5250 x 4.6 mm; 5 µm
L/dp = 50
1.5 mL/min10 µm
100
5 /
150 x 4.6 mm; 3 µm
L/dp = 50Speed 2.8x
分離損なわれず
10 µm5 µm3 µm 2 µm
H [µ
m]
p
2.5 mL/min
100 x 4 6 mm; 2 µm
分離損なわれずH
uopt, 5 µm
Hmin 5 µm
uopt, 2 µm
uopt, 3 µm
100 x 4.6 mm; 2 µm
L/dp = 50
3.75 mL/min
Speed 6.2x
分離損なわれず0 105線速度 u [mm/s]
0
min, 5 µm
Hmin, 2 µm
Hmin, 3 µm
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0
min
16 16
16
クロマトグラフィー理論– 圧力におよぼす充てん剤粒子径の影響
1200圧力
100
効率
800
1000
ar]
2 µm3 µm5 µm10 µm
10 µm5 µm3 µm
400
600
カラ
ム圧
力[b
a3 µm2 µm
H [µ
m]
200
カ0
0 2 4 6 8 10線速度 u [mm/s]
分析時 短縮 高流量 高耐 が必
0 105線速度 u [mm/s]
0
17
分析時間の短縮には高流量、高耐圧が必要
17
17
AccucoreTM – 卓越したコアテクノロジー
ソリッドコア粒子:ソリッドコアにより直径2.6 mの粒子は、背圧の少な
イ ピ ド 高 解像度 分
先進的な化学修飾テクノロジー:最適化された化学結合基は高い被覆率と強固な固定相を生み出しましたい、ハイスピード、高い解像度、分
解能を実現!
強固な固定相を生み出しました。
自動充填:全てのカラムはコンピュータ管理下で自動充填されていま
粒子径の厳しい製造コントロール:強化された工程により厳密な粒度 タ管理下で自動充填されていま
すので、品質が一定です。分布を実現し、高い性能を誇るカラムの製造を実現!
18
汎用多孔質シリカとAccucoreTMとの差(細孔径深度)
汎用多孔質シリカ
担体内部まで浸透Accucore コア内部には浸透しない
19
カラム効率と線速度– Van Deemter Curve
20.0
15.0
5 m
10.0
論段
高
Accucore RP-MS 2 6 m
<2 m 3 m
効率
5.0
理論 Accucore RP MS 2.6 m
1 mL/min
効
0.00.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0
線速度 (mm/s)線速度 (mm/s)Accucore RP-MS 2.6µm 5µm 3µm <2µm
高い速い
20
流速
流速とバックプレッシャーの関係
流量 μL/min
21
Sub 2μmカラムとの比較
1
4
5
6 7 338b2
3
4 6 7 338bar
171bar171bar
Mobile phase: A – Water; B – Acetonitrile 1. AcetophenoneMobile phase: A Water; B AcetonitrileGradient: 65 – 95% B in 1.7 minutes
95% B for 0.3 minuteFlow rate: 500μL/minInjection volume: 1μLT 40°C
2. Propiophenone3. Butyrophenone4. Valerophenone5. Hexanophenone6 Heptanophenone
22
Temperature: 40°CDetection: UV at 247nm (0.1s rise time, 20Hz)
6. Heptanophenone7. Octanophenone
Accucore C18によるトリアジン系除草剤分析
1. Simazine2. Simetryn3. Atrazine4. Ametryn
Accucore C18 2.6μm, 50mm x 2.1mm
y5. Propazine6. Prometryn
Mobile phase: A – Water ; B – AcetonitrileInjection volume: 2μLGradient: Time (min) % B
1.0 352.5 70
Flow rate: 600μL/minTemperature: 25°C
Backpressure: 298 bar
23
Temperature: 25 CDetection: UV at 280nm
ピークキャパシティ
tGP:Peak Capacity
ピークキャパシティ
1分析時に分離できるピークの本数
P=1+
n
1Σn
Wp
ピークキャパシティ
n:ピーク数n
1tG:グラジエント時間
W ピ ク幅(4 )2σ
Wp:ピーク幅(4σ)4σ
応答性
24
保持時間 (min)
概論 – 充てん剤の粒子径
● 粒子径が小さいほど、分離性能は向上する
● 粒子径が小さいほど背圧(Back Pressure)が大きくなる● 粒子径が小さいほど背圧(Back Pressure)が大きくなる
代表的な粒子径カラム内
径圧力代表的な粒子径
径圧力
分取 HPLC 100 – 10 µm 21 mm 10 - 100 bar
汎用 HPLC 5 3 4 6 100 300 b汎用 HPLC 5 – 3 µm 4.6 mm 100 – 300 bar
UHPLC ≤ 3 µm 2.1 mm > 500 bar
● HPLC: High Performance Liquid Chromatography● UHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography
25
概論– HPLCシステム: 構成
HPLC: High Performance Liquid ChromatographyUHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography)UHPLC: Ultra High Performance Liquid Chromatography)
● ポンプ : 高圧化での流量正確さと精度、チェックバルブとシール寿命
● オートサンプラー: 高圧化での注入量正確さと精度、バルブシール寿命度、 命
● カラムコンパートメント: 幅広い温度コントロール範囲、温度正確さと精度
● カラム: 分離効率(段数等)、低背圧、長寿命、固定相の種類
検出器 汎用と選択性検出 感度 応答性 サンプリングレ ト● 検出器: 汎用と選択性検出、感度、応答性、サンプリングレート
● コンピュータシステム: 高速制御と処理、操作性
Column
ポンプ オートサンプラーカラム
カラム ンパ トメント 検出器
26
ポンプ オ トサンプラ カラムコンパートメント 検出器
溶媒脱気
真空ポンプ
真空チャンバー真空チャンバ
● 溶媒は特殊なチューブ Teflon AFを通過
チューブは真空チャンバーの中に置かれ、ガスを透過させる
● ポンプのチェックバルブの誤動作 カラム出口からの気泡の発生を予防● ポンプのチェックバルブの誤動作、カラム出口からの気泡の発生を予防
27
溶媒送液
ピストンと駆動ロッド
カム軸位置目盛
平衡ポンプヘッド
動作ポンプヘッド モーターとカム軸
チェックバルブ
カム軸ゼロ位置ホームセンサー
28
ポンプ
● アイソクラティックポンプ
● 動作/平衡シリンダー (溶媒送液)● 動作/平衡シリンダー (溶媒送液)
● パージバルブ付きアウトレット
29
溶媒混合 – 低圧グラジエント混合
● プロポーショニングバルブを介してそれぞれの溶媒ボトルに接続
● 吸引段階で各バルブが連続的に開閉し組成比をコントロール
ポンプストローク
50 % 50 %70 %30 %
吸引段階 次のストロークの吸引段階 –異なる混合割合が可
30
溶媒混合 – 高圧グラジエント混合
● 2台のポンプを利用しそれぞれのポンプの出口側で溶媒を混合● 2台のポンプを利用しそれぞれのポンプの出口側で溶媒を混合
● それぞれのポンプの流量をコントロールして組成比を決定
ポ プ が● 2台のポンプを利用するためコストが高い
● ミキサー容量の変更の自由度が大きい
31
低圧/高圧混合ポンプの違い
● ポンプの入口側でミキシング(低圧) ポンプ出口側でミキシング(高圧)
低圧混合型ポンプ 高圧混合型ポンプ
● ポンプの入口側でミキシング(低圧) ポンプ出口側でミキシング(高圧)
● 低コスト 高コスト
● グラジエント遅れが大きい グラジエント遅れが小さい
● 低流量でのグラジエントに難 低流量でのグラジエントが可能● 低流量でのグラジエントに難 低流量でのグラジエントが可能
32
デュアルグラジエントポンプ
● 低圧3液グラジエントポンプ2台を利用しそれぞれ別々にコントロール
● パラレルLCラレル C● タンデムLC● オンラインSPE
2次元LC● 2次元LC
33
オートサンプラー
● 注入精度注入デバイスの正確さ、精度
● 幅広い注入範囲自由な注入量設定● 幅広い注入範囲自由な注入量設定
● コンタミネーション対策ニードル洗浄機構
● サンプルの性状保持冷却機能
● スループット注入スピード
注入バ ブ駆
洗浄液ボトル(取外し中)
サンプルループ
シリンジバルブ 注入バルブ
注入バルブ駆動部
(取外し中)
シリンジ注入/洗浄ポート
ニードル
注入/洗浄ポ ト
トレイ部シリンジモジュール
34
オートサンプラー:動作原理スプリット-ループ注入方式
● インジェクションループの構成部分(ニードル + サンプルループとニードルシート + ニードルシート配管)( )
● LOAD 位置;シリンジがサンプルをインジェクションループに吸引
● サンプル吸引後,ニードルがニードルポートに移動
● INJECT位置 インジェクションバルブがループとニードルを高圧ラインに接続● INJECT位置,インジェクションバルブがル プとニ ドルを高圧ラインに接続
Sample Loop
13
45
6Needle
132
35
オートサンプラー:動作原理ニードル洗浄
● 注入前のニードル外側洗浄1 シリンジが洗浄ポ トを洗浄液で満たす● 1. シリンジが洗浄ポートを洗浄液で満たす
● 2. ニードルが洗浄ポートに下がる
● 3. 廃液ポンプが洗浄液と汚染物を吸引
後 洗浄 ド が プ バ
Sample Loop
● 4. 最後に洗浄されたニードルがサンプルバイアルに移動
13
45
6 Injection Valve
132
WashPort
WasteWash Liquid Waste Pump Buffer Loop
36
カラムコンパートメント
● カラム温度は分離、保持時間と効率に影響
=> カラム温度を一定に=> カラム温度を 定に
● アプリケーションによっては異なるカラムを使用する ともムを使用することも=> カラムスイッチング機能
37
カラムコンパートメント:室温変化
● 室温の影響=> 室温変化幅 7°Cの時 室温変化幅 7 Cの時=> カラム室の変化は僅かに 0.5°C
● 134回測定の保持時間相対標準偏差RSDは0.18 %TCC-3000 Temperature Stability
2.8
2.9
28
30
Retention Time
Ambient Temperature
Total Run Time =
2.5
2.6
2.7
Tim
e (m
in)
24
26
Tem
p (°
C)
Total Run Time =12 hrs
室温
2.3
2.4
2.5
Ret
entio
n T
20
22
24
Am
bien
t T
保持時間
2.1
2.2
0 20 40 60 80 100 120 140
Sample Number
18
20
38
カラムコンパートメント:温度変化
● 温度がピーク形状と溶出順序に及ぼす影響
● ピーク3,4と6,7の溶出順序が
温度変化によって影響 12 4
● ピーク形状も変化
0 5 10 15 20 25
21°C
62 43 5 7
30°C
12
3+4
56+7
0 5 10 15 20 25
成分名: 1) Uracil, 2) Propranolol, 3) Dipropylphthalate4) Butylparaben, 5) Naphthalene,
0 5 10 15 20 25
C
402
37
1 45 6
6) Amitriptyline, 7) Acenaphtheneカラム: Pronto SIL C18 ACE EPS,
125 x 4 mm (Bischoff) 移動相: MeOH / Phosphate buffer 20mM
0 5 10 15 20 25
40 °C
t [min]
3pH=7 ; 65/35 v/v
39
カラムコンパートメント – 構造
• ペルチェ素子により加熱、冷却可能
後部温度センサ放熱板;Heat Sink 後部温度センサー
アルミブロック(熱伝達用)ペルチェ素子
熱交換カラムチャンバー(熱伝達用)
加熱時加熱時
Column温度センサー
40
検出器
• HPLC に使用される検出器
• 紫外・可視吸光検出器 ;UV/Vis detectors(UVD)• 蛍光検出器;Fluorescence detectors (FLD)• 示差屈折率検出器;Refractive index detectors (RI)• 蒸発光散乱検出器;Evaporative light scattering detectors (ELSD)• 荷電化粒子検出器;Charged Aerosol detector (CAD)• 電気化学検出器; Electrochemical detectors (ECD)• 質量分析計; Mass spectrometric detectors (MS)• 電気伝導度検出器;Conductivity detector(CD)
41
紫外可視吸光検出器
• 紫外可視領域で光を吸収する分析対象物が対象
• 吸収した光の強度をモニタ• 吸収した光の強度をモニター
• ランプ
D ランプ紫外領域(-350nm)D2ランプ紫外領域(-350nm)
タングステンランプ可視領域(350nm-)
VWD 3400RS
VWD-3400RSの光学系
VWD-3400RS
42
UV検出の原理
A 吸光度
測定物質のモル吸光係数 (L • mol-1 • cm-1)c 濃度 (mol/L)
I0 Il
c 濃度 (mol/L)l セル長 (cm)
I 0 入射光強度
透過光強度
c
A = log( I0 / Il ) =εcl
I 1 透過光強度l
• ランベルトの法則: 吸光度Aは濃度一定では光が透過するセルの長さlに比例する。
ベ 法則 吸光度 は濃度 比例する• ベールの法則: 吸光度Aは濃度cに比例する。
• ランベルト・ベールの法則: フローセル中の測定物質濃度とUV/Vis検出器の信号 吸光度関係を示す
43
フロ セル中の測定物質濃度とUV/Vis検出器の信号、吸光度関係を示す.
UV/Vis検出波長重水素ランプ重水素ランプ
UV lamp range
タングステンランプ
Vis lamp range
44
重水素(D2)ランプとタングステンランプの波長領域
300000
350000
UV
200000
250000
cts]
VISUV+VIS
100000
150000Sign
al [c
0
50000
100000
0190 290 390 490 590 690 790 890
Wavelength [nm]
45
波長校正
• ホルミウムオキサイドフィルタによる校正単波長検出器はグレ テ ングの稼動により波長を変更するので• 単波長検出器はグレーティングの稼動により波長を変更するので定期的な校正が必要
Ab ti HOX H ll PDA 3000Absorption HOX Hellma PDA-3000
8,5
9,5
4,5
5,5
6,5
7,5
Abs
orpt
ion
1,5
2,5
3,5
4,5
0,5305 355 405 455 505
Wellenlänge / nm
46
VWD-3400RSによる4波長同時分析
min
47
ダイオードアレイ検出器
レンズ1レンズ1
重水素ランプ
タングステンランプ
フローセルDAD-3000
フィルタパドル1024チャンネル
ダイオードアレイズ2
グレーティング
ダイオ ドア イ
レンズ3
レンズ2
グレ ティング
スリット
レンズ3
48
UHPLCでのUV/Vis3次元スペクトル採取
1010秒間で秒間で1010本のピークのフルスペクトル採取本のピークのフルスペクトル採取
分析条件分析条件
カラムカラム:C18 2 µm:C18 2 µmカラムカラム:C18 2 µm :C18 2 µm
30 x 2.1 mm30 x 2.1 mm
流量流量:: 3.7 mL/min3.7 mL/min
圧力圧力:: 73.2MPa73.2MPa((732 bar732 bar))
温度温度:: 100 100 °C
デ タサンプリングレ トデ タサンプリングレ ト 100 H100 Hデータサンプリングレートデータサンプリングレート:100 Hz:100 Hz
49 49
UHPLC対応検出器の特徴
検 出 器 選択性 感度 グラジエント サンプリングレ ト検 出 器 選択性 感度 グラジエント サンプリングレート最大
紫外可視吸光光度検出器(UV/Vis)
○ ○ ○ 200Hz(UV/Vis)
蛍光検出器(FLD) ◎ ◎ ○ 200Hz
示差屈折率検出器(RID) 汎用 △ × 10Hz程度
電気化学検出器(ECD) ◎ ◎ ○ 60Hz
電気伝導度検出器(CD) ○ ○ × 100Hz
質量分析計(MS) ◎ ◎ ○ / 設定範囲による質量分析計(MS) ◎ ◎ ○ m/z 設定範囲による
荷電化粒子検出器(CAD) 汎用 ○ ○ 100Hz
50
時定数(Time Constant)と応答時間(Response Time, Rise Time)
● 時定数:電子フィルター
● 時定数:検出器シグナルが0% から63% までに達するのに必要な時間
インプットシグナル
90%要な時間
● 応答時間:検出器シグナルが10% か
フィルター処理シグナル
ナル 63.2%
ら 90% までに達するのに
必要な時間
● 応答時間~ 2 2 x 時定数
シグ
ナ応答時間
● 応答時間~ 2.2 x 時定数10%
時定数
時間
時定数
51
51
データ採取
• 応答時間、時定数を長くした場合:• ピーク高さが低くなる (-)ピ ク高さが低くなる ( )• ピーク幅が広がる (-):
• 2つのピ クが近接している場合• 2つのピークが近接している場合、
互いに不分離で1本の状態に見える場合も
非対称ピ ク ( )• 非対称ピーク (-)• ノイズが減少 (+++)
• 応答時間を4倍にするとノイズは約半分になる。!
52
52
データコレクションレート
250 250データレート: 5 Hz データレート: 100 Hz
150
200
nce
[mA
U]
150
200
nce
[mA
U]
100Abs
orba
n
100Abs
orba
n
50 50
0,100 0,105 0,110 0,115 0,1200
t [min]0,100 0,105 0,110 0,115 0,1200
t [min]
● 正確な定量分析を行なうためには1ピークあたり必要なデータポイントを考慮する正確な定量分析を行なうためには1ピ クあたり必要なデ タポイントを考慮する必要がある。
53
53
データコレクションレートによるピーク形状の違い
WVL:245 nm
50 Hz, time const 0.02s
100 Hz, time const 0.01smAU5
4
1.1 As Rs(4 5)s 2 0
1.0 As0.35 s PW50 Rs(4,5) 2.0
1.0 As0.35 s PW50 Rs(4,5) 2.1
5 Hz time const 1s
10 Hz, time const 0.5s
3
2
1
3.4 As1.3 s PW50
Rs(4,5) 0.98
2.5 As0.8 s PW50 Rs(4,5) 1.1
0.35 s PW50 Rs(4,5)s 2.0
25 Hz, time const 0.025s
5 Hz, time const 1s
8 15 25 30 45s
Seconds
• 検出器のデータコレクションレートを変更する場合、応答(時定数)も考慮する必要がある。
54 5454
データコレクションレートとタイムコンスタント
0,0200 1 - Det_Set_Noise #1 DCR fix at 25 Hz and TC varied UV_VIS_1mAU
1
WVL:245 nm
-0 0650TC 2.0 s TC 0.2 s TC 0.06 s TC 0.03 s TC 0.01 s
0,0650
0 0500
0,0000 2 - Det_Set_Noise #3 TC fix at 0.06 sec. and DCR varied UV_VIS_1mAU
2
WVL:245 nm
0,0 2,0 4,0 6,0 8,0 10,0 12,0 14,0 16,0 18,0 20,0 22,0 25,0-0,0850
-0,0500
minDCR 1 Hz DCR 10 Hz DCR 25 Hz DCR 50 Hz DCR 100 Hz
• ノイズを減少させるにはデータコレクションレート(DCR)よりも
タイムコンスタント(TC)の方が効果があるタイムコンスタント(TC)の方が効果がある。
55
55
DADスリット幅の最適化
● ダイオードアレイ検出器光学スリット幅の最適化
広いスリット幅:ノイズは減少
狭いスリット幅:ノイズは増大
高分解能のスペクトル
● 狭いスリット幅:高分解能のスペクトルが得られる。ノイズは大きくなる。
● 広いスリット幅:スペクトル分解能は下がる ノイズは減少
56
56
● 広いスリット幅:スペクトル分解能は下がる。ノイズは減少。
DADのサンプル波長、バンド幅、リファレンス波長の関係
•サンプル波長バンド幅狭くすると選択性が大きく、ピークはシャープに、ノイズは増大バンド幅広くすると選択性が小さく、ピークはブロードに、ノイズは低減
•リファレンス波長
「液ク 実験 H t アル より
アナライトのスペクトルに干渉しない波長を設定ノイズ、屈折率効果の低減
57
「液クロ実験―How toマニュアル―」より
ダイオードアレイ検出器バンド幅の最適化
BandwidthRetention
Time Area Height Noise S/N
2 0.732 4.239 133.67 0.160 835
分析条件カラム :Acclaim RSLC 120 C18 2.1×50mm;2μmカラム温度:40℃移動相 :20%メタノール流速 :1 0mL/min
設定条件
4 0.732 4.229 133.28 0.134 995
6 0.732 4.218 132.59 0.109 1216
8 0.725 4.178 132.45 0.108 1226
流速 :1.0mL/min注入量 : 1μLサンプル : カフェイン
DAD 設定条件Wavelength : 272nmBandwidth :2,4,6,8,10RefWavelength : OFF
10 0.725 4.102 132.18 0.088 1502
58
カラムコンパートメント内蔵ポストカラムクーラー
ポストカラムクーリングユニットTCC-3000RS
59
ポストカラムク リングユ ット
13/12/201813/12/2018 5959
ポストカラムクーラーを利用した高温分析
Shodex ET-RP1 4D:
100℃
PVAを基材としてC18の官能基を持つ
90℃
80℃
℃70℃
60℃
50℃
30℃
試料:アルキルフェノン類
分析条件:水/メタノール=25/75 流速:0.5mL/min カラム提供:昭和電工株式会社
60
分析条件 水/ タ ル / 流速 /
蛍光検出器
61
蛍光検出の原理
励起状態励起波長 蛍光波長
Excitation Emmision
励起状態
発蛍光
基底状態
励起
基底状態
波長(nm) 波長(nm)
鏡像
波長(nm)励起 蛍光
62
多環芳香族15成分の波長プログラムによる一斉分析
8 10 11
15
1 – Naphtalin 9 - Chrysen 2 Acenaphten 10 Ben o(b)fl oranthen
2
9
1213
14
2 – Acenaphten 10 - Benzo(b)fluoranthen 3 – Fluoren 11 - Benzo(k)fluoranthen 4 - Phenanthren 12 - Benzo(a)pyren 5 - Anthracen 13 - Dibenzo(a,h)anthracen 6 – Fluoranthen 14 - Benzo(g,h,i)perylen 7 – Pyren 15 - Indeno(1,2,3-c,d)pyren
1
4 6
7
3
8 - Benzo(a)anthracen
63
アプリケーション
• 蛍光分析種及び蛍光誘導体化法
• 遊離脂肪酸
• 有機酸
• アミノ酸
• アフラトキシン
• カルバメート系農薬 (EPA 531.1/8318)• グリフォサート (EPA 547)• PAH:多環芳香族 (EPA 550.1/610/8310/TO13)• その他…
64
温度調整機能付フローセル
• 室温変動によりピーク面積精度が変化• 室温変動によりピーク面積精度が変化
• 室温変動に対処するため温度調整機能を持つフローセルを採用
65
キセノンフラッシュランプの特徴
• Warms up in seconds• カラムのリコンディショニングの間にランプをOff
プ ドは ク トグ ム測定中に変更可能• ランプモードは、クロマトグラム測定中に変更可能
• ランプは、全ての分析が終わると自動的にOff
66
示差屈折率検出器Refractive Index Detector
• リファレンスセルとサンプルセルの屈折率の差を測定
• 選択性がなくユニバーサル検出器として利用
サンプルセル
ゼログラス受光素子
ダイオード 1 サンプルセル
ミラー
ダイオ ド 1
リファレンスセルスリット
タングステンランプダイオード 2
67
RI検出器によるオレンジジュース中の糖分析
68
荷電化粒子検出器の特長
Corona 高感度絶対量 数百pgまで検出を実現。絶対量 数百pgまで検出を実現。ELSDやRIよりもおよそ10~100倍程度の感度
一貫した応答性 貫した応答性物質の化学構造に依存せず、同一の分析条件下で
一定の応答性が得られる標品のない未知物質分析、例 :不純物や分解物
Corona ultra RS幅広いダイナミックレンジ
絶対量 ngから µgまでの4桁レベルのダイナミックレンジ主成分と0.05%レベルの不純物を同時分析可能主成分と0.05%レベルの不純物を同時分析可能
69
アプリケーション例
1 高感度分析1.高感度分析UV吸収のない 糖質、脂質、抗生物質、ステロイド、界面活性剤、ポリマー、アミノ酸、ペプチド、タンパク質など・・・誘導体化不要
2. 未知物質の定量分析: 一貫した応答性医薬品中の不純物
3.不純物、分解物測定医薬品材料(APIs)、賦活剤、合成品、天然物など
4.UV,LC-MS、LC-MS/MSの補完UV吸収の無い成分、イオン化しない成分を検出
5.アニオン、カチオンイオンの同時分析医薬品中の対イオン、食品飲料中のイオン、不純物のイオンなど
6.洗浄バリデーション医薬品包装・シール材からの抽出物、浸出物の分析
70
検出器の比較
検 出 器 最小検出感度(g) 選択性 流速の影響 グラジエント溶離
紫外可視吸光光度検出器 10-11 有(吸光物質) 無 可
蛍光検出器 10-13 有(蛍光物質) 無 可
示差屈折率検出器 10-7 無 無 不可
電気化学検出器 10-12 有(酸化還元物質) 有 可
電気伝導度検出器 10-10 有(イオン) 有 困難
質量分析計 10-14 無 有 可
蒸発光散乱検出器 10-8 無 無 可蒸発光散乱検出器 10 8 無 無 可
荷電化粒子検出器 10-9 無 無 可
ICP発光分光分析計 10-11 有 無 可
ICP質量分析計 10-14 有 無 可
* JIS K 0124 2011高速液体クロマトグラフィー通則より
7171
Corona – 検出原理
4段階
‐Step① 噴霧
‐Step② 蒸発
St ③ 荷電化‐Step③ 荷電化
‐ Step④ 検出
72
CAD とELSDの応答性の比較 Flow Injection:各絶対量1.0μg
2.75E+06
3.30E+06
3.85E+06
各物質間の応答性は、各物質間の応答性は、約約1010%%RSDRSDの変動の変動CAD
1.10E+06
1.65E+06
2.20E+06面積値
0.00E+00
5.50E+05
ノル
トリ
プチ
サリ
チル
酸
フラ
クト
ース
ホモ
シス
テイ
シュ
クロ
ース
デキ
スト
リン
ウン
ベリ
フェ
グル
タチ
オニ
アミ
トリ
プチ
ン
メチ
オニ
ン
ラク
トー
ス
グル
コー
ス
プロ
プラ
ノー
プロ
ゲス
テロ
ジブ
カイ
ン
シク
ロデ
キス
アド
レノ
ステ
グル
コサ
ミン
酒石
酸
プリ
ミド
ン
ゲン
チジ
ン酸
ぺパ
リン
4-ア
ミノ
キナ
ワー
ファ
リン
ン イン
ス ン ェロ
ン
ニン
ン
ール
ロン
スト
リン
ロン
ン 酸 ナル
ジン
ン
3.30E+06
3.85E+06ELS各物質間の応答性は、各物質間の応答性は、約約4040%%RSDRSDの変動の変動
1.65E+06
2.20E+06
2.75E+06
面積値
D各物質間 応答性は、各物質間 応答性は、約約 変動変動
0.00E+00
5.50E+05
1.10E+06
ノル
ト
サリ
チ
フラ
ク
ホモ
シ
シュ
ク
デキ
ス
ウン
ベ
グル
タ
アミ
ト
メチ
オ
ラク
ト
グル
プロ
プ
プロ
ゲ
ジブ
カ
シク
ロ
アド
レ
グル
酒石
プリ
ミ
ゲン
チ
ぺパ
4-ア
ミ
ワー
フ
73
トリ
プチ
ン
チル
酸
クト
ース
シス
テイ
ン
クロ
ース
スト
リン
ベリ
フェ
ロン
タチ
オニ
ン
トリ
プチ
ン
オニ
ン
トー
ス
コー
ス
プラ
ノー
ル
ゲス
テロ
ン
カイ
ン
ロデ
キス
トリ
ン
レノ
ステ
ロン
コサ
ミン
酸 ミド
ン
チジ
ン酸
リン
ミノ
キナ
ルジ
ン
ファ
リン
CADとELSDの感度比較
0 010
0.012
0.014
0 010
0.012
0.014
1. 2,5-ジヒドロキシ安息香酸
2. 7 -ヒドロキシクマリン
3 アミトリプチリン2 3
Vol
ts
0 006
0.008
0.010
Vol
ts
0 006
0.008
0.010
Corona
3. アミトリプチリン
1
V
0.002
0.004
0.006
0.002
0.004
0.006
-0.002
0.000
-0.002
0.000
ELSDMinutes
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0
74
CAD と RI と UVの比較
UV:254nm
ポリスチレン分析例測定条件カラム : PL-GEL MIXED-D(Polymer Laboratories製) 2本移動相 : CHCl3流速 : 1ml/minカラム温度 : 40℃注入量 : 50μL
254nm
注入量 : 50μL
CADRI
75
CAD と MS と UV の比較
0 0032 mg/ml
Corona
カビ培養ブロス抽出液0.0032 mg/ml
%
4.48
3.430.42
167.6 2.712.35 3.896.446.225 07 7 44
Pmp+AutoSampler
U 1.0
1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.0052
1.951.30
5.07 7.747.44
0.51227.6
Column UV 200 nm
1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00
AU
0.0
5.0e-1
0 43
UVESI+
%
0
0.43157.1
1.57157.2
MS ESI-%
1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.000
3.40319.32.66
329.4
0 39
6.17547.4
5.63245.2
6 29
スプリッター
CADESI
Time1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00
3
0.39537.1
1.89321.11.00
191.15.08
191.14.24
191.1
6.29161.0
7.17222.0 7.79
155.1
76
コロナCADの検出限界
HPLC条件サンプル : 4 simple sugar mixture
UHPLC条件サンプル :0.5 ng glucose, sucrose, lactose(2 L i j i )
p g移動相 :70/30=アセトニトリル/超純水流速 : 1.0mL/minカラム : Shodex, Asahipak NH2P, 5, 250 x 4.6 mm,カラム温度 : 35C
(2µL injection)カラム :HILIC, 2.1 x 50 mm 移動相 :アセトニトリル / 5 mM ギ酸アンモニウム
pH=3 (91:9) 流速
絶対量:10ng16 0.016 420.00 Glucose絶対量:500pg
流速 :1.8 mL/minカラム温度 :40ºC
絶対量:10ng
12
14
0.012
0.014
ctos
ese os
e
V36000
380.00
400.00
Glucose Sucrose
Lactose
mV
6
8
10
0.006
0.008
0.010
Fruc
Glu
cos
Sucr
o
Lact
ose m
V
320.00
340.00
360.00
Minutes1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
4
6
0.004280.00
300.00
Minutes0.02 0.04 0.06 0.08 0.10 0.12 0.14 0.16 0.18 0.20 0.22 0.24 0.26 0.28 0.30 0.32 0.34 0.36 0.38 0.40 0.42 0.44 0.46 0.48 0.50
77
カラム
• 順相クロマトグラフィー
逆相クロマトグラフィ• 逆相クロマトグラフィー
• イソクラティック溶出
• グラジエント溶出
78
カラム – カラム
● 固定相支持体固定相支持体
- シリカゲル、ポリマー樹脂 等
● 結合相 (化学結合相)(- 固定相支持体に化学的に
結合させた官能基
細孔径(ポアサイズ)8-30nm
2-10μm直径
79
カラム – HPLCの分離モード
充てん剤(固定相:Stationary Phase)と移動相(Mobile Phase)と分析対象物質(分析種:Analyte)との相互作用によりそれぞれの成分の分離が行われる質(分析種:Analyte)との相互作用によりそれぞれの成分の分離が行われる。
- 分離モード -• 順相モード(Normal Phase Mode)• 順相モード(Normal Phase Mode)
固定相の極性が高く、移動相の極性が低い分離モードを順相モード
(Normal Phase Mode)と呼ぶ。
• 逆相分配モード(Reverse Phase Partition mode)
固定相の極性が低く、移動相として極性の高い物をもちいる分離モードを
逆相分配モード(Reverse Phase Partition mode)と呼ぶ。
• イオン交換モード (Ion Exchange mode)• イオン排除モード (Ion Exclusion mode)イオン排除モ ド (Ion Exclusion mode)• サイズ排除モード (Size Exclusion mode)• 親水性相互作用モード( Hydrophilic Interaction mode)
80 80
一般的なクロマトグラフィーの分離法
分離法 測定対象物質分離法 測定対象物質
イオン交換 イオン性物質
イオン排除 弱酸
順相 親水性物質順相 親水性物質
逆相 疎水性物質
親水性相互作用(HILIC) 親水性物質親水性相互作用(HILIC) 親水性物質
サイズ排除(GFC,GPC) 高分子化合物など
ミックスモード 疎水性物質,イオン性物質
81 81
カラム – 順相クロマトグラフィー
RR
• 一般的なNP固定相R= OH シリカSiSi
OOSiSi
RR
RR
R OH シリカR=(CH2)3NH2 アミノ基R=(CH2)3CN シアノ基R=(CH ) OCH CH(OH)CH OH ジオール基
OOSiSi
SiSi
RR
RR
R=(CH2)2OCH2CH(OH)CH2OH ジオール基
• 一般的なNP 移動相ヘプタン < ヘキサン < トルエン < クロロフォルム<OO
SiSi RR
ヘプタン < ヘキサン < トルエン < クロロフォルム< エチルアセテート< イソプロパノール < アセトニトリル < メタノール
• 問題点: 水の存在や他の極性化合物が保持特性に大きく影響
82
カラム – 逆相クロマトグラフィー
• 一般的な RP 固定相:C8結合相
• 般的な RP 固定相:シリカをRMe2SiClで処理
R=(CH2)17CH3: C18 (一番多用される)
SiSiOO 3
R=(CH2)7CH3: C8アルキル鎖が長いほど、カーボン量が大きいほど
保持が強くなる
OOSiSi
SiSi 保持が強くなる
• 一般的な RP 移動相: 水< メタノール< アセトニトリル
OOSiSi
SiSi 水< メタノ ル< アセトニトリル
(溶媒の溶出力強度 : 保持時間が短くなる)SiSi
SilicaSilica-- C8C8
83
イオン交換分離(陰イオン)
測定成分はイオン交換基に対する静電的な相互作用により保持、脱離される。イオンの価数、イオン半径、疎水性(極性)、pKaの違いなどにより分離。
移動相OH-OH-
A
OH-OH-
OH-OH-
OH-OH-
B- -
-
N+R3
N+R3OH-
OH-OHOH
OH-OH-
OH-
N+R3N+R3
R3+N
N+R3
N+R3
R3+N
OH-
R3+N
官能基OH-
OH-OH-
3
R3+N
R3+N
N+R3
3N+R3
官能基
固定相
基材: ビニルベンゼンポリマー, ポリビニルアルコールなど交換基: 第四級アンモニウム基 (-N+R3)
固定相
84 84
イオン交換分離(陽イオン)
測定成分はイオン交換基に対する静電的な相互作用により保持、脱離される。イオンの価数、イオン半径、疎水性(極性)、pKaの違いなどにより分離。
移動相H+
AH+
H+H+ H+
H+
+
B+ +
H+
SO3 -
SO3 -
H+
H+
HHH+
H+H+
H+SO3
-
SO3 -
SO3-
SO3 -
SO3-
H+
SO -官能基H+ H+H+SO3
-
SO3 -
SO3-
SO3-
SO3 SO3
-官能基
固定相
樹脂基材: ビニルベンゼンポリマー、シリカなど交換基: スルホ基 (-SO3)、カルボキシル基 (-COO)など
固定相
85 85
分離モードに基づく選択の例 I
分離モード 溶離液 備考
分 順相分配クロマ へキサン ペン夕ン イソプロ 溶出力は溶離液の極性が高いほど分配クロマ
順相分配クロマトグラフィー
へキサン,ペン夕ン,イソプロパノール,メタノールなど極性の異なる有機溶媒の混合溶媒を使用する。
溶出力は溶離液の極性が高いほど強くなる。分離選択性は溶離液と固定相への分析種の溶解度に支配され,更に溶離液の水素結合供与性や受容性及び双極子相互作用のマ
トグラ
性や受容性及び双極子相互作用の違いによっても変化する。
逆相分配クロマトグラフィー
メ夕ノール,アセトニトリル,THFなどの有機溶媒と水又は緩
溶出力は極性の低い溶離液ほど強<なる。分離選択性は溶離液と固
フィ|
トグラフィ THFなどの有機溶媒と水又は緩衝液との混合溶液を使用する。
<なる。分離選択性は溶離液と固定相への分析種の溶解度に支配され,更に溶離液の水素結合供与性や受容性及び双極子相互作用の違いによっても変化する イオン性いによっても変化する。イオン性化合物を分析種とする場合は,溶離液pHが保持・分離に大きな影響
を与える。イオン性化合物がイオン化する Hでは保持が弱くなりン化するpHでは保持が弱くなり,非イオン化状態になるpHでは保持が強くなる。
86
JIS 高速液体クロマトグラフィー通則より
分離モードに基づく選択の例 II
分離モード 溶離液 備考
分配クロ
逆相イオン対クロマトグラフィー
分析対象イオンとイオン対を組むことができ,かつ疎水性をもつ試薬を対イオンとして添加した緩衝液と メ夕ノ
溶出力は有機溶媒の混合比が大きいほど強くなる。イオン対クロマトグラフィーの溶離液ではイオン対試薬濃度と Hの調節がロ
マトグ
添加した緩衝液と,メ夕ノール,アセトニトリル, THFなどの有機溶媒との混合溶液を使用する。
イオン対試薬濃度とpHの調節が重要である。
ラフィ|
親水性相互作用クロマトグラフィー
アセトニトリル,アセトン,THFなどの有機溶媒と水又は緩衝液との混合溶液を使用
溶出力は溶離液の極性が高いほど強くなる。分離選択性は溶離液と固定相への分離対象成分溶| (HILIC) する。 解度に支配され,更に溶離液のpHや水素結合供与性及び受容性及び双極子相互作用によっても変化するも変化する。
87
JIS 高速液体クロマトグラフィー通則より
分離モードに基づく選択の例 III
分離モード 溶離液 備考
吸着クロマトグラフィー
へキサン,ペン夕ン,イソプロパノール メタノールなど極性の異
溶出力は溶離液の極性が高いほど強<なる 分離選択性は溶離液の極性クロマトグラフィー ノール,メタノールなど極性の異
なる有機溶媒の混合溶媒を使用する。
<なる。分離選択性は溶離液の極性だけではなく,水素結合供与性や受容性及び双極子相互作用の違いによっても変化する。
イオン交換クロマトグラフィー
分析種の荷電の差が最も大きくなるpHにおいて十分な緩衝能をもつ
緩衝液が使用される。通常初期溶離液濃度として20~50 mmol/Lを使
分析種がイオン化するpHの緩衝液を
初期溶離液とし,分析種を保持させた後,緩衝液に塩化ナトリウムなどの塩を添加し,添加濃度を段階的若
用する。 しくは直線的に増加させるか,又は緩衝液のpHを分析種が非イオン化す
る方向へ変化させることにより溶離させる。逆に分析種が非イオン化するpHの緩衝液を使用し,素通りで単
離する方法もある。樹脂製のイオン交換体を用いる系では,イオン交換のほかに.疎水性相互作用や水素結合,サイズ排除などの相互作用が付随することがあるため,溶離液に有機溶媒を添加することによって,分離が調節可能になる場合がある。
88
JIS 高速液体クロマトグラフィー通則より
分離モードに基づく選択の例 IV
分離モード 溶離液 備考
イオン排除クロマトグラフィー
カルボン酸など弱酸分離の溶離液には水又は1~10 mmol/Lの酸水溶液(pH2~3),弱塩
基性化合物分離の溶離液には
一般に,分析種がイオン化している状態では早く溶出し,非イオン化状態では遅く溶出する。通常溶離液のpHには分析種の間基性化合物分離の溶離液には
主に水を使用する。通常溶離液のpHには分析種の間
のイオン化率の差が最も大きくなるpHを選択する。
アフィニティー 使用する相互作用及びリガン 分析種がリガンドと結合しやすアフィニティクロマトグラフィー
使用する相互作用及びリガンドの種類,分析種に適したpH,
イオン強度の緩衝液を使用する。たん白質などのアフィニ
分析種がリガンドと結合しやすい溶離液で平衡化したカラムに試料を導入後,イオン強度やpHを変化させる非特異的な溶離方
ティークロマトグラフィーでは,トリス-塩酸緩衝液,りん
酸緩衝液,酢酸緩衝液などを使用することが多い
法や,遊離の大過剰リガンドやその類似物質の溶液を使用する特異的溶離方法などを使用する。
使用することが多い。
89
JIS 高速液体クロマトグラフィー通則より
分離モードに基づく選択の例 V
分離モード 溶離液 備考
サイ
非水系サイズ排除クロマトグラィー
サイズ排除クロマトグラフィーの溶離液には分析種とカラム充てん
サイズ排除クロマトグラフィーを100 ℃以上の高温で行う必要がイ
ズ排除ク
ロマトグラィー 溶離液には分析種とカラム充てん剤の両方に高い親和性をもち,吸着や分配などサイズ排除クロマトグラフィー以外の分離モードが働かない溶媒を使用する 非水系サ
を100 ℃以上の高温で行う必要がある場合はTCBを使用してもよ
いが,常温において固体である溶媒を使用する場合は,分析後のカラム保存にあたってほかのク
ロマトグ
かない溶媒を使用する。非水系サイズ排除クロマトグラフィーでは,通常カラム充てん剤としてポリスチレンゲルが使用されるため,ポリスチレンゲルと溶解パラメー
のカラム保存にあたってほかの溶媒に置換しなければならない。溶媒置換においてはカラム使用耐圧を超えない流速で行わなければならない 不必要な溶媒交グ
ラフィ|
リスチレンゲルと溶解パラメーターが近いTHFを多く使用する。
また,極性物質を分析種とする場合はDMFなどの極性溶媒を使用してもよい
ればならない。不必要な溶媒交換はカラム寿命を短くするため行わないことが望ましい。
| てもよい。
水系サイズ排除クロマトグラフィー
カラム充てん剤と分析種との静電的相互作用を抑制するために塩類を添加し,イオン強度を上げた溶
分折対象成分がカラム充てん剤と疎水性相互作用をおこす可能性がある場合,メタノールなど
離液を使用することが多い。たん白質などpHにより安定性や立体配
置が変化する試料の場合,適当な緩衝液を使用してもよい。
の極性有機溶媒をカラム使用可能範囲内で溶離液に添加してもよい。
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JIS 高速液体クロマトグラフィー通則より