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HiSIM_IGBT、HiSIM_FWD は、広島大学 HiSIM 研究センターと協力企業によって構成される HiSIM コンソーシアムで開発されたモデルです。これらは、HiSIM モデルの特徴であるトランジスタ原理に基づいたポテンシャル・モデルであることに加え、協力企業での実践的な検証を積み重ねて製作された、パワー・デバイス向けの新しいモデルです。パワー・デバイス用のこれらの HiSIM モデルは、従来モデルでは合わせこむことの難しい特性、特にパワー・デバイスの評価上必須となる過渡解析の合わせこみに重点をおいて開発されています。
HiSIM_IGBT はパワー・トランジスタの一つである IGBT (Insulated-Gate Bipolar Transistor) 用に開発されたモデルです。従来の IGBT モデルは MOS+BJT を基本としたマクロ・モデルを使用していましたが、トレンチ構造特有の効果やスイッチ特性、テール効果の合わせこみなどに課題がありました。• MOSFET 動作の部分に HiSIM モデルの技術を利用• Bipolar 動作のモデルを新たに開発• ベース抵抗モデルへの空乏層の振る舞いを考慮• ベースのキャリア等を考慮した Excess Charge の導入これらをはじめとする、IGBT の諸効果を盛り込むことにより、デバイス単体の DC 特性をはじめ、課題となっていたAC 特性の合わせこみも、HiSIM_IGBT モデル単体で可能となりました。[1]
HiSIM_IGBTHiSIM_FWDパワー・デバイス向けSPICEモデル
HiSIM をベースにしたパワー・デバイス・モデル
HiSIM_IGBT
等価回路
テール効果の合わせこみ HiSIM_IGBT の想定している構造と等価回路 [2]
DC 特性の合わせこみ
WWW.SILVACO.CO.JP Rev. 091719_05
HiSIM_FWD HiSIM_IGBT と HiSIM_FWD の回路特性への適用
使用環境
参考文献
L 負荷スイッチング回路特性の合わせこみ
(a): 損失量を決定するリカバリ時間までの特性の合わせこみ(b): リカバリ時間以降の特性の合わせこみ
(a) (b)
HiSIM_FWD はリカバリ特性をシミュレーションできるダイオード (Free-Wheeling Diodes) モデルです。アノード、カソードそれぞれの領域でのキャリアの振る舞いの新しいモデルを導入することにより、従来のモデルでは難しかったリカバリ特性の合わせこみを行うことができます。[3]
パワー・デバイスの重要な評価項目である回路の過渡解析が、HiSIM_IGBT と HiSIM_FWD を組み合わせることにより、より容易に評価が可能となります。
HiSIM_IGBT、HiSIM_FWD を使用する際は、各モデルごとにライセンスが必要となります。また以下のバージョン以降の SmartSpice が必要です。・SmartSpice 4.31.13.C
1. HiSIM_IGBT User’s Manual, Hiroshima University, 2018
2. Dondee Navarro, “HiSIM_IGBT : A Physics-based Compact IGBT Model for Power
Electronic Circuit Simulation.” Silvaco SURGE Yokohama. 2017
3. HiSIM_FWD User’s Manual, Hiroshima University, 2018
HiSIM_FWD の構造 [3]
HiSIM_FWD によるキャリアの振る舞いとリカバリー電荷
赤:アノード電流青:入力電圧 (10 -> -600 [V])