Genome Editing - Microsoft ... Genome Editing Research & Development Center/ Institute of Experimental

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  • フナコシニュース News 6/152017No.636

    デザイン・構築 トランスフェクション 受託サービス 関連製品

    p.6 p.20 p.25 p.28

    ゲノム編集 Genome Editing

  • ゲノム編集の登場

    どのようにゲノム編集するの?

    2012 年,CRISPR/Cas9 の登場から,ゲノム編集技術が一気に広まった。ヒト iPS 細胞や動物の受精卵で遺伝子を効率 的に改変するだけでなく,農作物や畜産動物の品種改良,再生医療やゲノム編集治療など,さまざまな分野へ利用されて いる。また,遺伝子改変だけでなく,遺伝子発現制御やエピゲノム修飾,DNA/RNA蛍光修飾などにも利用されている。

    ZFN,TALEN,CRISPRなどのゲノム編集ツールは,‘はさみ’のように狙った遺伝子を正確に切ることができる(図1)。 切断された遺伝子は,非相同末端結合(NHEJ)により修復され,その際に遺伝子がノックアウト(破壊)される。ある いは,‘はさみ’と一緒に外来遺伝子を入れると,遺伝子をノックイン(挿入)することもできる。このようなゲノム編 集を利用することで,2万個以上ある遺伝子の自由自在な書換え(ゲノム編集)が可能になった。

    ゲノム編集の最先端

    真下 知士 准教授 Tomoji Mashimo

    大阪大学大学院医学系研究科 附属共同研ゲノム編集センター/附属動物実験施設 Genome Editing Research & Development Center/ Institute of Experimental Animal Sciences, Graduate School of Medicine, Osaka University

    大阪大学 ゲノム編集センター(真下研)の皆様 (前列右から 3 人目が真下先生)

    図 1 CRISPR/Cas9 システムは,ゲノム中で任意の領域を切断 できる遺伝子改変ツール。切断したい標的塩基配列に相補 的な配列を含む gRNA と DNA 切断酵素 Cas9 タンパク質 により,ゲノム上の任意の配列を切断する。

    DNA二本鎖切断(DSB)

    ノックアウト

    ノックイン

    遺伝

    遺伝子

    Cas9 gRNA

    遺 子

    非相同末端結合 (NHEJ)

    相同組換え(HR)

    図 2 Cas9 タンパク質:

    ガイド RNA(gRNA)を頼りに,標的 DNA の PAM 領域近傍を直接 切断する。

    gRNA: ゲノム上の相同配列に Cas9 タンパク質を誘導する。相同配列が PAM 近傍にあるときのみ切断させる。

    PAM(protospacer adjacent motif): gRNA の相同領域の上流にあり,NGG を含む。

    TARGET GENOMIC LOCUS

    PROTOSPACER ADJACENT MOTIF (PAM)

    Cas9/gRNA複合体

    5’3’

    3’

    3’

    5’

    5’GGGGCCACUAGGGACAGGAU GUUUUAGAGCUA

    CGAUCUAUUGCCUGAUCGGAAUAAAAUU

    UUGAAAAAGUGGCACCGA

    UUUUUCGUGGCU

    Target sequence to cleave

    Your guide RNA sequence

    Cas9

    tracrRNA built into vectors

    C C

    N

    N G G

    CCCCGGTGATCCCTGTCCTA

    G

    G

    G

    A A A

    A A

    A A C

    ※図の PAM は SpCas9 の配列

    フナコシニュース 2017 年 6 月 15 日号(No.636)funakoshi news

    コ ラ ム 「 ゲ ノ ム 編 集 の 最 先 端 」

    本 誌 に 掲 載 さ れ て い る 製 品 は す べ て 研 究 用 で す

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  • ヒト疾患モデル,ヒト化動物の開発

    大阪大学にゲノム編集センターが設立

    課題と未来展望

    ゲノム編集により,ヒト病気の遺伝子変異と同じ変異を持った疾患モデル動物を作ることができる。我々は,CRISPR と 一緒に短い一本鎖の DNA(ssODN)を利用して,ラットでゲノム編集に成功している(文献 1)。CRISPR を導入するマ イクロインジェクション法に代わって,一度にたくさんの受精卵に導入するエレクトロポレーション法を開発し,超簡単 ゲノム編集を実施している(文献 2)。さらに,長鎖一本鎖 DNA(lssDNA)法や 2H2OP 法を開発して,これまで困難 であった大きなヒト遺伝子をノックイン(200 kb 以上)することにも成功した(文献 3)。lssDNA を利用することで, 効率的なコンディショナルマウスの作製にも成功している(論文投稿中)。動物とヒトのゲノム遺伝子を置き換えた‘ヒ ト化動物’の作製が次々と進められている。

    2016 年 4 月,日本ゲノム編集学会(http://jsgedit.jp)が始まった。2017 年 6 月には第 2 回大会が開催される(下 記お知らせ参照)。日本国内の研究者が集まって,研究発表や情報交換を行う。また,若手研究者の育成,倫理・規制な どの課題について議論する場にもなっている。2016 年 12 月には大阪大学において,国内初の「ゲノム編集センター」 が設立された。マウス,ラット,ウサギにおけるゲノム編集動物の作製支援を行っている。また,ゲノム編集に関する技 術指導,実習支援により,医学研究,ライフサイエンス研究の発展を支えていく。

    ゲノム編集は,ヒト体細胞や幹細胞,iPS 細胞での遺伝子修復に利用される。さらに,AAV やレンチウイルスによる‘ゲ ノム編集治療’も行われようとしている。狙った場所以外の遺伝子を傷つけるオフターゲット効果や,倫理面,遺伝子組 換えに関する規制などの課題は残されているが,製薬企業やベンチャー企業における治療戦略競争は既に始まっている。 また,CRISPR/Cas9 や Cpf1,その他の新しいゲノム編集ツールが次々と開発され,米国ではその知財競争が白熱してい る。日本初のゲノム編集ツールが開発されることを願っている。

    お知らせ

    日本ゲノム編集学会 第 2回大会 会期:2017 年 6 月 29 日(木)~30 日(金) 会場:千里ライフサイエンスセンター

    文献 1. �Yoshimi K. et al., Nature Communications, 5: 4240 (2014). 2. �Kaneko T. et al., Scientific Reports, 4: 6382 (2014). 3. �Yoshimi K. et al., Nature Communications, 7: 10431 (2016).

    図3 ゲノム DNA,およびプラスミド DNA をそれぞれ認識する 2 種類の gRNA(gRNA-1,gRNA-2)により,CRISPR/Cas9 が「はさみ」とし てゲノム上とプラスミド上の標的配列を切断する。それぞれの切断末端 を,ホモロジーアームに持つ 2 種類の ssODN が「のり」として結合修 復することで,プラスミド DNA を特定のゲノム上に正確かつ効率的に ノックインできる。

    2H2OP(2ヒット 2オリゴ)法による遺伝子ノックイン

    特許申請

    哺乳動物の標的ゲノム領域にDNAをノックインする方法及び細胞 出願人:京都大学(真下知士,吉見一人,金子武人) 出願日:平成 26 年 11 月 20 日  出願番号:2014-235898

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    フナコシニュース2017年 6月 15日号(No.636)funakoshi news

  • INDELS v i a NHE J

    HR Donor Vector

    ノックアウト

    GENE KNOCK-OUT (with HR vector)

    GENE INSERT ION (with HR vector)

    NN

    OR

    ノックイン

    CORRECTED GOI

    loxP Excision of

    selection cassette

    loxP

    HR Donor Vector

    HR Donor Vector

    デザイン 遺伝子のノックアウトやノックインなど,どのような実験を行うかを計画し,標的配列を決定します。

    構築 標的配列に対する相補的な配列のgRNAやノックインしたい配列を設計し,それらの断片を各ベクター にクローニングします。

    トランスフェクション 作製した各ベクターを目的細胞へコトランスフェクションすると,CRISPR/Cas9 により標的領域が切 断されます。

    選択 スクリーニングなどにより変異体を選択します。

    確認 DNAシークエンシングなどで変異の導入を確認します。

    gRNAのデザイン方法 標的 DNA 配列は,末端に「GG」が配置されている領域を選択し,NGG の上流 20 塩基で設計します。 切断したい標的 DNA 配列を含む gRNA およびその相補鎖をオリゴ合成などで作製します。

    標的 DNA 配列 5'NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNGG 3' デザインする 配列の例*

    5'ATCCNNNNNNNNNNNNNNNNNNNN3' 3'NNNNNNNNNNNNNNNNNNNNCAAA 5'

    *ベクターにより,標的配列の両端に付加する配列は変わります。

    ATCG

    〈CRISPR/Cas9 プラスミドベクターによるゲノム編集〉

    ゲノム編集ワークフロー フナコシニュース2017年 6月 15日号(No.636)funakoshi news ゲ ノ ム 編 集

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    NOTE ※本紙に記載されている価格は,2017 年 6 月 15 日現在です。表示価格に,消費税等は含まれていま

    せん。一部価格が予告なく変更される場合がありますので,あらかじめご了承下さい。 ※本紙に掲載されている製品は,す