51
大学英語教育における 合理的で無理のないICTの利用 浦野 研(北海学園大学) email: [email protected] FLExICT Expo 2018 @大阪工業大学梅田キャンパス 2019. 3.24. 本日の資料 : https://www.urano-ken.com/research/exict2018

FLExICT Expo 2018 2019. 3.24. - urano-ken.com · PoodLLを利用した教室外スピーキング活動. 中西大輔・ 大澤真也 ( 編著 ), 『 e ラーニングは教育を変えるか

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

大学英語教育における 合理的で無理のないICTの利用

浦野 研(北海学園大学) email: [email protected]

FLExICT Expo 2018 @大阪工業大学梅田キャンパス

  2019. 3.24.

本日の資料: https://www.urano-ken.com/research/flexict2018

はじめに

• 今日の報告は、私の過去十数年間の試行錯誤を紹介するものです。

• 主に浦野(2014a)と浦野(2017)の発表に基づいています。

はじめに

私の職場

私の職場

地方都市の私立大学そこそこ古く、そこそこ大きい

特定目的のための英語(ESP)教育経営学部の英語カリキュラム

私の職場

1年次の(履修)必修科目週2回授業、計8単位

週1回授業x最大3科目履修2年次以降の選択科目

3年次以降のビジネス英語English for Business Purposes (EBP)

私が重視すること

私が重視すること

① これまでの研究成果と矛盾しない教育

② 学習・使用を継続するきっかけの提供

③ できるだけ技術的負担をかけない教育

私が重視すること

① これまでの研究成果と矛盾しない教育

インプットの重要性

アウトプットの役割

経験学習(learning by doing)

私が重視すること

① これまでの研究成果と矛盾しない教育インプットの重要性 アウトプットの役割

授業時間のみの学習では不十分

授業時間外の英語使用促進

履修後の継続した英語学習(使用)

私が重視すること

① これまでの研究成果と矛盾しない教育

② 学習・使用を継続するきっかけの提供

授業時間外の英語使用促進

履修後の継続した英語学習(使用)

私が重視すること

① これまでの研究成果と矛盾しない教育

② 学習・使用を継続するきっかけの提供

③ できるだけ技術的負担をかけない教育

紹介する事例

紹介する事例

① 教室外で書く活動

② 教室外で話す活動

事例1:教室外で書く活動

事例1:教室外で書く活動

• アウトプットの機会を増やしたい

• 意味重視で流暢さを伸ばしたい

• 授業時間だけでは書く時間が足りない

事例1:教室外で書く活動

• 宿題としてのライティング活動

• 1週間に300語を目安に投稿

• トピックは教員または学生が決定

• 互いの投稿を読んでコメント

事例1:教室外で書く活動

• プラットフォームの推移

• ブログ(2004年~2016年)

• Slack(2017年~)

WordPressを利用した教室外活動(浦野, 2010)

週300語程度のライティング課題(成績の30%)

ブログを利用した実践

意味重視で誤りへの指摘は行わない

学生同士のコメント投稿

事例1:教室外で書く活動

学生のPC離れとスマートフォンの浸透

スキマ時間の英語学習・使用の推奨

ブログからSNSへの移行を検討

ブログを利用した実践

事例1:教室外で書く活動

履修後の活動継続が見込めない(大湊・茅野, 2006)

https://slack.com

事例1:教室外で書く活動

• 社内SNS的コラボレーション・ツール

• ブラウザとアプリの両方で利用可能

https://slack.com

事例1:教室外で書く活動

ウェブブラウザでの利用もできる

Slack 選択の理由(浦野, 2017, 2018)

ログのエクスポートができる(JSON形式)

語数カウントなど、成績評価のための分析ができる

事例1:教室外で書く活動

事例1:教室外で書く活動

事例1:教室外で書く活動

事例1:教室外で書く活動

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

• アウトプットの機会を増やしたい

• 意味重視で流暢さを伸ばしたい

• 授業時間だけでは話す時間が足りない

• 宿題としてのスピーキング活動

• 実施が難しい

• 教室外で英語を話す機会が少ない

• 話した内容・分量の記録が取れない

事例2:教室外で話す活動

• プラットフォームの推移

• 対面(研究室訪問等)(2006年~)

• オンライン投稿(2012年~2015年)

• 自己申告制(2016年~)

事例2:教室外で話す活動

少人数で研究室を訪問する(30分程度)

研究室で学生同士が英語で自由に会話をする

対面(研究室訪問等)

教員はそれを聞く

事例2:教室外で話す活動

来訪回数で評価する(成績の20%)

(教員の)時間的に厳しい

他の方法を模索

対面(研究室訪問等)

LMS を利用することに

事例2:教室外で話す活動

ディスカッション・フォーラムを設置

ブログに書く課題の音声版(1分程度)

オンライン投稿

学生が自由に投稿し、他の学生が返信する

事例2:教室外で話す活動

投稿回数で評価する(成績の20%)

Moodle の利用

NanoGong(浦野, 2012a, 2012b, 2013b)

オンライン投稿

PoodLL(浦野, 2014b, 2015)

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

Glexa(学内LMS)の利用(浦野, 2013a)

オンライン投稿

事例2:教室外で話す活動

サーバ保守作業からの解放

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

なかなか盛り上がらない

オンライン投稿

事例2:教室外で話す活動

いわゆるスピーキング・会話とは異なる活動

継続的な英語使用につながらない

何をするかは学生に任せる

自己申告制(浦野, 2017)

事例2:教室外で話す活動

内容・分量を申告制に

事例2:教室外で話す活動

• 毎週提出(任意)

• 自主的に行った聴くand/or話す活動の報告

• 内容に応じて得点(成績の20%)

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

事例2:教室外で話す活動

まとめ

• これまでの研究成果と矛盾しない教育

• 学習・使用を継続するきっかけの提供

• できるだけ技術的負担をかけない教育

• 教室外で書く・話す活動事例の紹介

• あえて ICT から離れるという選択肢もKen Urano

[email protected]://www.urano-ken.com/research/flexict2018

まとめ

References

• 大湊佳宏・茅野潤一郎. (2006). ブログを使用した英語ライティング活動: 夏休み課題に関するアンケー ト調査.『長岡工業高等専門学校研究紀要』42,1-9. https://ci.nii.ac.jp/naid/110004786232

• 浦野研. (2010). Fluency 獲得を 目指した教室ライティング活動におけるブログの利用. 『北海学園大学学園論集』 第145号, 15-30. http://hokuga.hgu.jp/dspace/handle/123456789/1689

• 浦野研. (2012a; 2012/02/23). NanoGong を利用した教室外英語スピーキング活動. MoodleMoot Japan 2012(三重大学).

• 浦野研. (2012b; 2012/08/09). Moodle を利用した教室外スピーキング活動. 外国語教育メディア学会第52回全国研究大会(甲南大学).

• 浦野研. (2013a; 2013/05/11). 大学でのオーラル系授業における Glexa の導入. 外国語教育メディア学会関西支部2013年度春季研究大会(同志社女子大学).

• 浦野研. (2013b). NanoGongを利用して教室外でスピーキング活動を行う. 中西大輔・ 大澤真也 (編著), 『Moodle事始めマニュアル: Ver.1.9

および2.4対応』 (pp. 178–180). https://sites.google.com/site/ozawashinya/elearning/moodlemanual

• 浦野研. (2014a; 2014/02/15). 目的に応じたLMSプラットフォームの選択と利用: 何ができるかではなく何をすべきかを考える. LMSシンポジウム@広島修道大学(広島修道大学). https://www.urano-ken.com/research/lms-symposium/

• 浦野研. (2014b; 2014/02/20). 英語オーラル系授業の教室外活動での PoodLL の利用. MoodleMoot Japan 2014(沖縄国際大学). https://www.urano-ken.com/research/moodle-moot-2014/

• 浦野研. (2015). PoodLLを利用した教室外スピーキング活動. 中西大輔・ 大澤真也 (編著), 『eラーニングは教育を変えるか: Moodleを中心としたLMSの導入から評価まで』(pp. 96–100). 東京: 海文堂.

• 浦野研. (2017/08/19). 教室外での英語使用・英語学習をうながす取り組み. 全国英語教育学会第43回島根研究大会(島根大学). https://www.urano-ken.com/research/jasele2017/

• 浦野研. (2018/03/24). Slack のログを Google Spreadsheet に自動的に保存する: Google Apps Script を使って. 外国語教育メディア学会(LET)中部支部 Google Classroom での課題管理とSlackでのコミュニケーション活動入門・第2回(名古屋大学).