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ネットワーク工学 5ルーティング 1

ネットワーク工学nmana.kanagawa-it.ac.jp/pdf/ネットワーク工学...「RIP」(Routing Information Protocol) ・各ルーターが30秒周期で「自分が知っている経路情報」

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ネットワーク工学第5章

ルーティング

1

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ネットワークB ネットワークD

ネットワークF

ネットワークC ネットワークE

ネットワークA

第5章ルーティング

ルーティングとは

ネットワーク工学

2

■ IPアドレスでパケットを送るには「このIPアドレスはこっち」という道案内情報が必要。この 「経路情報を用いて送信する」 ことを

経路制御=ルーティングと呼ぶ。経路制御には「ネットワークアドレス」を用いる。

ネットワークFへ送信 Fはこっち

(D経由)

Fはこっち

Fはここ

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第5章ルーティング

ルーティングとは

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■経路制御=ルーティングには、

①スタティック・ルーティング固定的にルートを書く方式。手動。障害時は迂回できない。設定が簡単。

②ダイナミック・ルーティングルーターが自動的に経路情報を交換する。障害時は自動迂回する。

の2種類ある。

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ネットワークB192.168.99.0/24

ネットワークD192.168.12.0/24

ネットワークC192.168.98.0/24

ネットワークE192.168.18.0/24

ネットワークA192.168.1.0/24

第5章ルーティング

スタティック・ルーティング

ネットワーク工学

4

■スタティック・ルーティング・ 設計者が固定・手動で経路を設定する。・経路は固定的。障害時も自動迂回はできない。・ 管理者・設計者がすべての機器を設定。・ 固定的で比較的小さなネットワークの設計に向く

ルータ P

ルータ Q

ルータ R

宛先 経路

192.168.99.0 出口 A

192.168.12.0 出口A経由ルータQへ

192.168.98.0 出口B

192.168.18.0 出口B経由ルータRへポートA

ポートB

※出口=ポート

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第5章ルーティング

デフォルト・ルート

ネットワーク工学

5

■どこに送ったらいいかわからないときは、

デフォルトルート (デフォルト・ゲートウェイ)に送る。あとはその先が解決してくれる。

ネットワークB192.168.99.0/24

ネットワークC192.168.12.0/24

ネットワークE192.168.98.0/24

ネットワークD192.168.18.0/24

ネットワークA192.168.1.0/24

ルータ P

宛先 経路

192.168.99.0 出口 A

192.168.12.0 出口A経由ルータQへ

デフォルトルート(0.0.0.0と書く)

出口A経由ルータQへ

ポートA

ルータPは、ネットワークCは知っているが、ネットワークDとEは知らない。知らないネットワークは全部ルータQに送ってしまい、あとはルータQが解決する。つまりルータPはネットワーク構成全体を知らなくても仕事ができる。

ルータ Q経路情報に当てはまらないものは、すべてデフォルトルートに送る

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第5章ルーティング

デフォルト・ゲートウェイ

ネットワーク工学

6

■パソコンにもデフォルト・ゲートウェイ設定がある。

この例では、PCからみて、

どこに送ったらいいかわからない通信はすべてデフォト・ゲートウェイ(ここでは172.19.64.1)に送る。

つまりPCから外部ネット

ワークへの出口を設定することになる(必ず設定が必要)。

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第5章ルーティング

ローカルホスト

ネットワーク工学

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■ローカルホスト特別な IPアドレスとして、127.0.0.1がある。127.0.0.1あるいは、 localhost というホスト名向けの通信は、外部に出さずに、自分の中のプログラムに通信を行う(自分で自分に向けて通信する)。

例:パソコンAの中にWebサーバを立ち上げた。同じパソコンAの中から、同じパソコンの中のWebサーバにアクセスするには、ブラウザにてhttp://127.0.0.1 または http://localhostと入力して接続する。

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第5章ルーティング

ダイナミック・ルーティング

ネットワーク工学

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■ダイナミック・ルーティング・ ルータ間で情報交換し自動で経路を設定する。・障害時には自動迂回できる。・ 管理者・設計者は機器の細かい設定が不要。・ 流動的で比較的大きなネットワークの設計に向く

ルータ P ルータ Q

私はネットワークAとBを知っています

私はネットワークCとDを知っています

情報交換

「ダイナミックルーティングを使う」設定をするだけ

「ダイナミックルーティングを使う」設定をするだけ

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第5章ルーティング

ルーティング・アルゴリズム

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■経路制御の方法も2方式ある。

①距離ベクトル型 (Distance-Vector)距離(メトリックという)と方向で決める。「ネットワークAはこっちの方向、距離2」

②リンク状態型 (Link-State)ネットワーク全体の状態図を内部に覚えていてそれに従う。全ルータが同じネットワークの地図をもっている形。

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第5章ルーティング

経路制御アルゴリズム①:距離ベクトル型

ネットワーク工学

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■距離ベクトル型 (Distance-Vector)・ 距離(メトリックという)と方向で経路を決める。・距離は経由ルータ数(ホップ数と呼ぶ)・ 方向はルータのポートを指す・処理が簡単だが、巨大ネットワークになると複雑になる・ 経路にループが生じやすい

ネットワークA192.168.1.0/24

ネットワークB192.168.2.0/24

ネットワークC192.168.3.0/24

宛先:C

ポート:P

ポート:Q

ポート:R

ネットワークCへはポートP:距離7 , ポートQ:距離4 , ポートR:距離2なので、ポートRへ送ろう ・・・

・・・

・・・

この距離と方向の情報をダイナミック・ルーティングで交換する

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第5章ルーティング

経路制御アルゴリズム②:リンク状態型

ネットワーク工学

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■リンク状態型 (Link-State)・ 全ネットワーク接続状態を理解して経路制御・全ルータが「同じ地図」を見ているイメージ・ 全体経路情報=地図の情報交換がポイント・ 実際に地図から経路を決めるのは大変

ネットワークA192.168.1.0/24

ネットワークB192.168.2.0/24

ネットワークC192.168.3.0/24

宛先:C

ポート:P

ポート:Q

ポート:R

この地図によるとネットワークCはポートRだな。

・・・

・・・

・・・

この距離と方向の情報をダイナミック・ルーティングで交換する

全ルータが同じ地図をもつ

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第5章ルーティング

主なルーティング・プロトコル

ネットワーク工学

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■主なルーティング・プロトコルには

「RIP」と「OSPF」がある。RIPは距離ベクトル型、OSPFはリンク状態型。

ルーティング・プロトコル 方式 ループ検出

RIP 距離ベクトル ×

RIP2 距離ベクトル ×

OSPF リンク状態 ○

BGP※ 経路ベクトル ○

「ネットワーク工学」では、ルーティング・プロトコルの詳細は扱わないので、「RIP」「OSPF」というものがあることだけ覚える。「基本情報技術者試験」でもほぼ出題されない。

※ BGPは「インターネット・

サービス・プロバイダ等の大きな組織間のルーティング」を行うプロトコル。

「そんなものがある」程度に覚える。

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ネットワークA192.168.1.0/24

第5章ルーティング

RIP

ネットワーク工学

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■ルーティング・プロトコルRIP

「RIP」(Routing Information Protocol)・各ルーターが30秒周期で「自分が知っている経路情報」を定期的にブロードキャスト(全員送信)する。・周りから教えられた情報を元に距離ベクトルで経路決定

①「ネットワークA

は距離1」とブロードキャスト

②「ネットワークA

は距離1」とルータQは覚える

ルーター:P ルーター:Q ルーター:R

ルーター:S

③次にルータQが自分の情報として「ネットワークAは距離2」をブロードキャストする(ルータPからも

らった情報が距離1だからそれに1加えているのに注意)

③次にルータQが自分の情報として「ネットワークAは距離2」とブロードキャストする(ルータPからも

らった情報が距離1だからそれに1加えているのに注意)

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ネットワークA192.168.1.0/24

第5章ルーティング

OSPF

ネットワーク工学

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■ルーティング・プロトコルOSPF

「OSPF」(Open Shortest Path First)・リンク状態型のルーティング・プロトコル・ RIPではできない細かいサブネットの経路制御が可能・不必要なルーティング情報を回さずエリア内だけに周知

ルーター:P

ネットワークAはルータPにつながっています

ネットワークAはルータPにつながっています

ネットワークAはルータPにつながっています

全ルータが同様に自分の情報を教えあえば「地図」ができるそれぞれのルーターが

「自分の状態」を教えあう。それをバケツリレー方式で次々と伝達していく。

バケツリレー方式で次々と伝達。

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ネットワーク工学第6章

その他のネットワーク技術

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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■インターネットに接続するには、他にも様々な技術が必要

・ DNS =アドレス解決http://www.kait.jp ではアドレス(IP)がわからないので、ドメイン名をIPアドレスに変換する。

・ DHCP =アドレス付与PCに自動的にアドレス(IP)を付与する

・ ARP = IPアドレスからMACアドレスへの変換最終的に届けるのは「データリンク層」(MACアドレス)

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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【1】 DNS (Domain Name System)

IPアドレスは人間には覚えにくいので、ドメイン名を用いる。特に、Web接続では、URLを用いて接続を行う。実際には、PCは「DNS」サーバに接続して、URLをIPアドレスに変換してもらっている。

http://www.nka.co.jp203.183.24.11

①URL「http://www.nka.co.jp」に接続したいのでIPアドレス教えて

②「http://www.nka.co.jp」は203.183.24.11 です

③203.183.24.11 = http://www.nka.co.jpに接続

DNSサーバー

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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■ DNS (Domain Name System)

PCには 「DNSサーバー」を設定する部分がある

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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【2】 DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)

「オフィスにある100台のPCすべて一台一台IPアドレ

ス等を設定するのは面倒」。こんなときのために、DHCPで自動設定ができる。

通常は各PCに・IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバを設定する必要がある。

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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■ DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)

PCを「IPアドレスを自動的に取得する」設定にするだけで、勝手にDHCPサーバにアクセスして自動設定してくれる。

「自動取得」で・IPアドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNSサーバが自動で設定される。

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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■ DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)PCはブロードキャストにて、「DHCP発見パケット」(IPアドレス要求」を発信し、DHCPは「あなたのIPアドレス等の設定はこれです」とDHCP提供パケットを通知する。

①DHCP発見

誰がサーバーか知らないのでブロードキャストで要求を送る。ブロードキャストなので全員に到達する。

②DHCP提供DHCPサーバが必要なすべての設

定を送ってくれるので、それを元にPC側で自動設定する。

【DHCPサーバ】PCに提供するアドレス範囲等を事前に設定しておく。例: IPアドレスは 192.168.0.2~250 を順次与える。サブネットマスクは 255.255.255.0 ゲートウェイは 192.168.0.1DNSは 192.168.0.254

例:以下で設定せよIP:192.168.0.17 mask:255.255.255.0GW:192.168.0.1 DNS 192.168.0.254

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第6章その他のネットワーク技術

インターネット技術

ネットワーク工学

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【3】 ARP (Address Resolution Protocol)IPアドレスを手がかりに、MACアドレスを知る方法。「ARP要求」として、「あなたのMACアドレスは何?」と該当のIPアドレスに要求をかける。

②ARP応答私172.20.1.2のMACアドレスは08:00:20:74:CE:EC です。

①ARP要求「172.20.1.2」さん、あなたのMACアドレスを教えてください。

172.20.1.2

172.20.1.1

経路制御はIPアドレスで行う(=つまり家の近くまではIPアドレスを頼りに行ってくれる)が、最終的な端末への通信はデータリンク層つまりMACアドレスで行う(=実際の部屋まではMACアドレスを調べてそこまでデータリンク層で届ける)

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ネットワーク工学第7章

ネットワークの設計

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第7章ネットワークの設計

ネットワークの設計

ネットワーク工学

■ネットワークの設計とは、エンジニアが自由に「アドレス設計」を行って、ネットワーク構成を作り上げること。

<ポイント>・ ネットワークの大きさは?

-設置するPC数=ホストアドレス数・ インターネットの接続は?・今後の拡張性は?⇒現状だけで決めない

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【復習】

【復習】グローバルアドレスとプライベートアドレス

ネットワーク工学

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IPアドレスは、「世界にひとつ」の「グローバルアドレス」に

加えて、「誰でも自由に勝手に使える内部アドレス」として「プライベートアドレス」がある。

■グローバルアドレス:国際的機関ICANNが管理・付与する世界にひとつのIPアドレス

■プライベートアドレス:自由に使える内部アドレス。例えば大学内からネット接続する学生のPCにはすべてプライベートアドレスが付与されている。

・ ネットワークの設計は基本的にプライベートアドレスで行う

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第7章ネットワークの設計

プライベートアドレスによる設計

ネットワーク工学

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■プライベートアドレスはサイズによって下記に別れる。クラスA: 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 (10.0.0.0/8)クラスB: 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 (172.16.0.0/12)クラスC: 192.168.0.0~ 192.168.255.255 (192.168.0.0/16)

エンジニアは作成するネットワークの大きさに合わせて、どのクラスのプライベートアドレスを使うか判断する。・小さいネットワークなら、クラスCを使う

192.168.0.1 等のアドレスは家庭等でよく使われる・大企業ならクラスA(10.x.x.x)を使い、内部をさらに細かいネットワークに分割して使用する

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【復習】

【復習】グローバルアドレスとプライベートアドレス

ネットワーク工学

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支社本社

グローバルアドレス203.25.19.223

グローバルアドレス

プライベートアドレス192.168.0.1

192.168.1.1

192.168.0.2~254192.168.1.2

【グローバルアドレス】

インターネットの内部は、このアドレスで設計を行う。⇒ただし一般的な仕事ではない(プロバイダ等の一部の人の仕事)

【プライベートアドレス】LANと呼ばれるローカルな部分は自分たちで設計する。⇒ネットワークエンジニアの仕事

【グローバル⇔プライベート】インターネットでは、「グローバルxx.xx.xx.xx」の中の「プライベートyy.yy.yy.yy」に送る

のような、アドレス変換にて、実際には通信を行うと思えばよい。

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第7章ネットワークの設計

ネットワークの設計

ネットワーク工学

■ネットワークアドレスの設計ネットワークアドレスは、8の倍数桁にしておくと、計算が楽でよい。つまり、CIDRで「/16」「/24」等が便利。

<もっとも簡易なネットワーク>ネットワークアドレス: 192.168.0.0CIDR=24 サブネットマスク =255.255.255.0ホスト数 254台 (192.168.0.1~.254)

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第7章ネットワークの設計

ネットワークの設計

ネットワーク工学

■ネットワーク機器はそのポート数に注意

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スイッチングハブには接続ポートに限りがある。8ポートのハブなら8台しか

接続できないが、他のハブへの中継もあるから接続機器数はもっと減る。

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第7章ネットワークの設計

ネットワークの設計

ネットワーク工学

■ハブどうしをどう接続するか

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■縦に追加していく方式を、カスケード(多段接続)やスタック接続と呼ぶ。ハブによって多段にできる数に制限があり、あまりおすすめしない。

多段にスタックするのは

あまりよくない

■設計は難しいスター型にすると、中心のハブが故障した場合、全体の通信がダメになる。この場合、中心ハブは高価で丈夫なハブを用いる。

中心ハブが死ぬと全部死ぬ

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第7章ネットワークの設計

ネットワークの設計

ネットワーク工学

■異なるネットワークを接続するにはルーターが必要である。

■ポート毎にIPアドレスが必要

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インターネットと家庭内ネットワーク(家庭内LAN)を接続するにはルータが必要。ポート毎にIPアドレスを割り付ける。

ルータ

家庭LAN192.168.0.0

インターネット210.120.10.0

WANL1L2L3L4 210.120.10.5192.168.0.1