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レーザードップラー振動計の基礎
◎広島大学据え付け:PSV-400-M2-20
/67
~目次~
# 2
レーザードップラー振動計による実習
序章 振動計測
1章 レーザードップラー振動計
2章 計測の準備
3章 PSVによる振動計測事例
終章 まとめ
© Polytec Japan Nov.2013
序章 振動計測
/67
序章 振動計測
# 4
序章 振動計測
《Summary》
振動とは
振動方程式
振動を“解析”すること
振動を利用する
振動が問題になるとき
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 5
振動とは
振動とは?
◎振動とは物体の往復運動である
▼振動中の物体は以下の代表的なパラメータで表現される◇振幅(d:変位 , v:速度 , a:加速度 )
⇒ 往復運動中の物体の振れ幅
◇周期: ⇒ 物体が1往復する間の時間
◇周波数: ⇒ 1秒間あたりに往復する回数( )
◇位相: or ⇒ 周期波形中の場所を示す
▼変位/速度/加速度の関係は、微積分の関係である
© Polytec Japan
]/[ 2sm
][Hzf
]/[ sm][m
][sT
[ ]sT1
=
速度:v
加速度:a 変位:d
積分積分
微分微分
][radφ ][°
Nov.2013
/67# 6
振動とは
◎振動とは物体の往復運動である
▼振動する物体の例:ばねの運動ばねに重りを付けた際の往復運動=単振動
単振動をするばねに付けた重りには以下の特徴がある
○振動中の重りの速度は時間で変化する
○振動の両端で速度=0[m/s]となり方向が逆転する
○重りが振動の中心を通過する際に速度が最大となる
※減衰を無視する
フックの法則によれば、
・・・① :力
:ばね定数
:ばねの伸び(縮み)幅
- :ばねが戻ろうとする力の方向のためマイナス
このときの :ばね定数が大きいほど、固いばねであるということ
© Polytec Japan
質量:m[kg]
kxF −= ][NF
][mxk
k
Nov.2013
/67# 7
振動方程式
振動方程式
◎単振動の重りの動き方
▼単振動中の重りは時間とともに下図のような軌跡を描く
▼一般的に知られるニュートンの運動方程式・・・② :質量
:加速度( )
© Polytec Japan
時間t
位置x
maF = ][kgm]/[ 2sma
2
2
dtxd
=
Nov.2013
/67# 8
振動方程式
◎単振動の重りの動き方
▼①式と②式を について解く・・・③ :振動振幅
:固有振動数
:初期位相
⇒振動中のばねの運動は確かに単振動だった!!
◎実際の重りの付いたばねの動き方
▼いままでは減衰がない場合のはなし、しかし実際は・・・・・・④ :加速度(変位の二階微分)
:速度(変位の微分)
:変位
:減衰係数
となる が存在する。
を形成する要因:媒質、重り、ばね、固定端の材料特性、形状等
© Polytec Japan
)2sin()( Φ+= ftAtx π Af )
21(
mk
π=
Φ
0)()()( =++ tkxtxctxm xxxc
cc
Nov.2013
x
/67# 9
振動を“解析”すること
振動を“解析”すること
◎振動を解析することでわかること
▼共振周波数による動作や変形がわかる
◇共振周波数での動作で効率よく”もの”が動く○少ないエネルギーで動作させられる
○大きな振幅が得られる
○他の周波数で動作させないので構造が単純
○あらゆるものに共振があるので応用が利く
◇共振周波数での動作で製品, 人体に致命的な障害を招く○加工機器の加工精度が落ちる
○機器の耐久力が落ちる
○振動を抑えるための吸振材使用で製造コスト増
○音を発してしまうと公害になることも
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 10
振動を“解析”すること
◎一般的な解析手法:時間軸解析
▼時間軸解析で扱うデータは連続データ
◇連続データ(時間軸)の利点○減衰等の過渡応答をみることができる
○実際の振動の最大値をみることができる
◇連続データ(時間軸)の欠点○そのままでは共振周波数がわかりにくい
○データ量が大きくなる
▼時間軸データの例:減衰
© Polytec Japan
物体への入力信号
物体の振動応答
振動の瞬間最大値
Nov.2013
/67# 11
振動を“解析”すること
◎共振とは
▼共振(共鳴)とは?物体が外部から振動を与えられた際、その周波数が物体が個々にもつ特定の
周波数(固有振動数)に近くなると振動振幅が増大する。
このとき共振(共鳴)するという。
▼共振(共鳴)の例:音叉
© Polytec Japan
共鳴箱
ハンマーでたたく
音が発生
伝達
共振(共鳴)により同じ音が発生
Nov.2013
/67# 12
振動を“解析”すること
◎共振とは
▼共振周波数の見つけ方 例)周波数解析
◇離散化(discretization)されたフーリエ級数
⇒離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)
◇離散化とは○連続データを非連続データに置き換えること
○連続データでは解析困難な事象も、近似的な結果を容易に導き出せる
◇DFTを計算機で高速に計算するアルゴリズム
⇒高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)
▼FFTでわかること
◇各周波数とそのときの振幅/位相
⇒振動方程式の求めるものと同じ
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 13
振動を“解析”すること
◎周波数解析
▼連続(時間軸)データと非連続(FFT)データ
© Polytec Japan
-4
-3
-2
-1
0
1
2
3
4
-0.01 4E-16 0.01 0.02 0.03
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
0 1000 2000 3000 4000
FFTで周波数解析
連続データ 非連続データ
s
Hz
1500Hz 3000Hz500Hz
100Hz
連続データではわかりにくい波形も・・・
FFTで処理すると、一目で動作の予想がつく
Nov.2013
/67# 14
振動を“解析”すること
◎FFTと窓関数
▼窓関数の概念フーリエ変換で周期関数は、いかに複雑でもsinとcosの合成波で表すことが
できる。しかし、このsinとcosは周期関数の基本周期を基準とした単振動で
のみ成り立つ。すなわち
・・・⑤ :整数
:基本周波数( )
:基本周期
⑦式によって表わされることをいう。
FFTでは、Band Width(周波数帯域)とFFT Lines(FFTのデータ数)により、
周波数分解能, 取り込み時間が決定する。
このとき「取り込み時間=基本周期」でない場合、リーケージエラー(Leakage
Error)が発生する
© Polytec Japan
( ){ }∑ + )cos(sin tNtN ωω NωT T
πω 2=
Nov.2013
/67# 15
振動を“解析”すること
◎FFTと窓関数
▼窓関数とリーケージエラー①
© Polytec Japan
信号周期の整数倍=FFT取り込み時間
信号周期の整数倍≠FFT取り込み時間
一致
不一致
FFT処理 リーケージエラーなし
リーケージエラーあり振幅が減少している
Nov.2013
/67# 16
振動を“解析”すること
◎FFTと窓関数
▼窓関数とリーケージエラー②
© Polytec Japan
リーケージエラー①での整数倍Sin波に”Hanning”窓を掛ける
同様に、非整数倍Sin波に”Hanning”窓を掛ける
FFT処理 リーケージエラーなし
リーケージエラーの抑制振幅減少が低減されている
Nov.2013
/67# 17
振動を“解析”すること
◎FFTと窓関数
▼窓関数の代表例
◇Rectangle(矩形)○「関数」としての重み付を行わず、「窓関数無し」と同義
○過渡信号、チャープ、バースト信号等で使用
◇Hanning○最も広く使われる窓関数
○周波数分解能が良いため、狭い周波数帯域中にピークが複数ある際有効
◇Flat Top○振幅の精度が良いため、単振動の計測に使用される
○周波数分解能が悪いため、狭帯域の複数ピークを分離できないことがある
◇Exponential○ハンマー加振等、長い減衰を測定する際に使用
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 18
振動を“解析”すること
◎FFTと窓関数
▼FFT, 窓関数, リーケージエラーのまとめ
◇周波数解析をする際、FFTは容易に”もの”の振動の
振幅, 周波数, 位相がわかる
◇FFTを行う際は、リーケージエラーにより振幅誤差が
生じることがある
◇振動信号によって適切な窓関数を適用することで、
リーケージエラーを抑えることができる
© Polytec Japan Nov.2013
/67
振動を利用する
◎振動を利用したものは身近に存在する
▼共振周波数で動作○水晶振動子
・水晶(=石英)の圧電効果を利用
・高い周波数精度と温度特性
・人口水晶等安価で入手が容易
・例)時計, コンピュータ, 無線機器等
各種電子回路の基準信号
○超音波振動子
・超音波発振回路と併用
・少ないエネルギーでも大きな振幅
・例)歯垢除去, ワイヤボンディング
超音波カッター, 超音波洗浄機 etc
・画像(ディスケーラ)は26.8kHzで動作
(弊社PSV-400により計測)
# 19
振動を利用する
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 20
振動が問題になるとき
振動が問題になるとき
◎振動が問題になるのは主に故障発生や人体への影響
▼共振による破損○タコマナローズ橋
・1940年7月1日開通
・1940年11月7日落橋
・共振により大きくねじれ、最大振幅1m以上を記録
・その後の建築構造物の振動解析に大きく影響
▼人体への影響○自動車
・走行中の車内に伝わる振動⇒乗り心地
・運転(乗車)中の疲労の一因に
・例)ステアリング, シート他さまざまな部位
© Polytec Japan Nov.2013
1章 レーザードップラー振動計
/67
1章 レーザードップラー振動計
# 22
1章 レーザードップラー振動計
《Summary》
1.1.ドップラー効果概論
1.2.レーザードップラ―とは
1.3.非接触計測の優位点
1.4.LDVの種類
1.5.LDV利用についての注意点
© Polytec Japan
レーザードップラー振動計:LDV(Laser Doppler Vibrometer)
Nov.2013
/67# 23
1.1 ドップラー効果概論
1.1.1.ドップラー効果
© Polytec Japan Nov.2013
◎観測者(受信側)が観測する波の周波数が音源(送信側)や観測者(受信側)のふるまいによって変化する現象
Vs=音源の速度近づく場合: Vs<0
遠ざかる場合: Vs>0
Vo=観察者の速度近づく場合: Vo>0
遠ざかる場合: Vo<0[Hz]'f
[m/s]
=f='f=V
音源が発する周波数
観測者が受ける周波数
音速
fVsVVoVF
±±
= ・・・式⑥
/67# 24
1.2 レーザードップラーとは
1.2.1.レーザードップラーに使われるレーザー
◎He-Ne(ヘリウム-ネオン)レーザー
▼ヘリウム(He)ガスとネオン(Ne)ガスの混合※混合比He:Ne=5~10:1
▼高い波長精度: =632.8nm(LDV向け)⇒赤色レーザー※標準計量状態:1気圧, 温度20℃, 相対湿度59%で632.81983nm
▼時間的/空間的コヒーレンスによる高い可干渉性
▼連続発振
λ
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 25
1.2 レーザードップラーとは
1.2.2.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎LDVで起こるドップラー効果
fc
evcf t )( ⋅−=′
te :単位ベクトル
fevc
cfr
′⋅−
=′′re :単位ベクトル
© Polytec Japan
・・・・・・式⑦
・・・・・・式⑧Nov.2013
fVsVVoVF
±±
= ・・・・・・式⑥
/67# 26
1.2 レーザードップラーとは
1.2.2.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎最後に式⑬より周波数の変化分 についてまとめると、
以下のようになる
レーザードップラー振動計(LDV)では、He-Neレーザーの波長(=632.8nm)が
わかっているので、周波数が変化すると速度がわかる
また、レーザーに対し角度が付く方向の振動は以下となる。
f∆
λ
λv
cc
eevfff tr
2=
⋅−
=−′′=∆
)(
© Polytec Japan
・・・・・・式⑨
Nov.2013
TargetVibrometer
θ
Vx = Vcosθ
V
( )λ
θcos2 vf =∆ ・・・・・・式⑩
/67
1.2.3.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎レーザー光の検出
▼He-Neレーザー光の特性は、
○光速:
○波長:
○周波数:
○レーザー管の長さに比例した共振器により共振周波数
を持ち、出力を高めている。
# 27
1.2 レーザードップラーとは
© Polytec Japan
[ ]smc 61079299 ×= .[ ]nm8632.=λ
[ ]THzf 76473.=
周波数が高い[THz]ため、[~MHz]までの計測が困難
AOMと光ヘテロダインにより検出
Nov.2013
/67
1.2.3.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎音響光学変調器(Acousto Optic Modulator:AOM)
▼音響光学変調器
○ブラッグ回析による周波数変調
# 28
1.2 レーザードップラーとは
© Polytec Japan
0次光
1次光
ブラッグ回析
bθbθaff +00f
0f
af
aV超音波発生中の媒体中では、その周波数 , 結晶により異なる伝搬速度 をもつ。ここに周波数 の光が角 で入射するとき、光強度の強い1次光を得る。
……⑯
このとき、1次光の周波数 は光のドップラー効果により周波数が変化する(周波数変調)
……⑰
af
bθ
a
ab V
f⋅=λθ
aV
0f
am fff += 0
mf
弊社のLDVでの fa は、主に40MHzを利用。
Nov.2013
/67# 29
1.2 レーザードップラーとは
1.2.3.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎光ヘテロダイン検出器
▼ヘテロダイン異なる2種類の周波数をもつ波を合成し、その周波数の差に等しい「うなり=
ビート」を利用し、情報を取り出す方法。
▼ビート測定光と参照光を干渉させることで、差の周波数(ビート周波数)が発生
© Polytec Japan Nov.2013
※ビート周波数はそれぞれの光の周波数差と等しい
/67
1.2.3.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎光ヘテロダイン検出器
▼光ヘテロダイン光におけるヘテロダインの場合、うなりのことを光ビートと呼び、周波数を単に
ビート周波数と呼ぶ。光の干渉による明暗の縞の周期的変化をみる。
片方の光信号(測定光)に振幅, 位相, 周波数の変動を与えるとき、基準となる
光信号(参照光)を重ねると、光ビートから情報を取り出せる。
# 30
1.2 レーザードップラーとは
© Polytec Japan Nov.2013
ff Δ±0測定光(反射光):
aff +0参照光:検出するのはこれら周波数の”差”なので、
周波数シフト
AOM
da ff
(※参照光>測定光)
結果 を検出する。
/67
1.2.3.ドップラー効果を利用したレーザードップラー
◎これまでのまとめ
# 31
1.2 レーザードップラーとは
測定サンプル
He-Ne レーザ
測定光
光ヘテロダイン検波光を高感度で電気信号に変換
v
参照光
マッハ・ツェンダ干渉計
反射光
© Polytec Japan
AOM(+40MHz)
復調器振動信号を抽出
][
][
smV
HzF
d
d
レーザ光のドップラーシフト
λV
fd2
=
ドップラ信号速度/周波数がわかる
Nov.2013
/67# 32
1.3.非接触計測の優位点
1.3.1.接触式センサの特徴
◎接触式センサの例
▼加速度ピックアップ
▼歪みゲージ式センサ
▼フォースセンサ
◎接触式センサのメリット
▼ひとつひとつは安価
▼少ない測定点数なら計測が早い
(※資料元:㈱共和電業 様)
(※資料元:スペクトリス㈱ 様)
(※資料元:スペクトリス㈱ 様)
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 33
1.3.非接触計測の優位点
1.3.1.接触式センサの特徴
◎接触式センサのデメリット
▼センサの質量負荷(マスローディング)
⇒測定物の本来の減衰や剛性を変えてしまう
▼煩わしいケーブル配線
⇒測定点数が多いと大変面倒
▼空間分解能の低さ
⇒測定点同士の間隔が大きい
▼測定周波数帯域の制限
⇒~15kHz程度までが多い
© Polytec Japan Nov.2013
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1.3.非接触計測の優位点
1.3.2.非接触式センサの特徴
◎非接触式センサの例
①マイクロフォン:音響インテンシティ
②CCD/CMOSカメラ:画像解析
③レーザー変位計:三角測量
④LDV:ドップラー効果
◎非接触式センサのメリット
▼測定物に対するマスローディングがない
▼測定物とのケーブル配線がない
(※資料元:スペクトリス㈱ 様)①マイクロフォン
(※資料元:入江㈱ 様)②CCDカメラ
(※資料元:㈱キーエンス 様)③レーザー変位計
ポリテック:OFVシリーズ④LDV
© Polytec Japan Nov.2013
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1.3.非接触計測の優位点
1.3.2.非接触式センサの特徴
◎LDVのメリット
▼センサのマスローディング
⇒光に質量はない!!!
▼煩わしいケーブル配線は?
⇒測定物との配線はない!!
▼空間分解能の高さ
⇒レーザー1点あたりの大きさ約74µm!!※PSV-400-M2-20において測定物とセンサの距離1mの場合
▼測定周波数帯域の広さ
⇒最高周波数20MHzの高周波測定が可能!!※PSV-400-M2-20において可能な最高周波数
© Polytec Japan Nov.2013
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1.3.非接触計測の優位点
1.3.2.非接触式センサの特徴
◎LDVのメリット
▼多様な環境と測定物に適応
⇒表面が高温な測定物(エンジン, 鉄鋼等)
⇒柔らかい測定物(タイヤ, スピーカ, 人体等)
⇒危険な測定箇所(橋梁, 工場設備等)
⇒傷つけたくない測定物(完成品の品質検査等)
⇒微小な測定物(MEMS, 電子部品等)
⇒真空パッケージ中のデバイス(MEMS等)
© Polytec Japan Nov.2013
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1.3.非接触計測の優位点
1.3.2.非接触式センサの特徴
◎スキャニングLDVだけのメリット
▼振動状態をアニメーションにより可視化
▼最大25万点までの測定点を面として認識
▼各測定点に個別にレーザー焦点の割当
⇒奥行/凹凸のある複雑な構造物に対応
▼高速スキャンで短時間に測定可能
▼ひとつのソフト上で簡単セットアップ
▼狭範囲~広範囲な計測面
⇒1台で数mm四方から数m四方まで
▼測定データとFEM(有限要素法)モデル
とのコリレーションにも応用可
▼計測の自動化にも応用可能
圧電モータの測定点定義(写真右)
変形形状 @ 36kHz
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 38
1.3.非接触計測の優位点
1.3.2.非接触式センサの特徴
◎LDVの注意点
▼レーザーが測定物に反射して、センサに入射される
必要がある
▼受光量(反射してセンサに戻る光の量)により、
S/Nが左右される
▼レーザー光源(He-Ne)には寿命がある
▼センサが振動してはいけない
▼レーザーを直視しない
© Polytec Japan Nov.2013
/67
1.4.1.スキャニングLDV
◎基本構成
▼センサ+(コントローラ+I/O部+データ収集装置)
▼ 1軸(Z軸)計測から3軸(X, Y, Z軸)同時計測、顕微鏡まで
# 39
1.4.LDVの種類
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 40
1.4.LDVの種類
1.4.2.スキャニングLDV
◎本学で用いる装置
▼ 1軸スキャニングLDV:PSV-400-M2-20《特徴》
○センサ内部のミラーによりレーザーを上下左右
に振らせて計測=スキャニング
○各測定点データを繋げて測定物の振動状態を
面アニメーションで表示
○計測速度:~10m/s, 周波数:~20MHz
○ビデオライブ画像で測定点を簡単定義
○レンズユニットにより数mm角の小型の測定物
まで対応
○オートフォーカス+各測定点へのレーザー焦点を
個別割り当て機能付き
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 41
1.5.LDVの使用上の注意点
1.5.1.レーザーの安全規格
◎LDV用のレーザーはクラス2
▼万一目に当たっても反射作用で避けられる
(Eye Safety)
▼肌に直接照射しても問題ない(Radiate Available)
▼保護具の必要がない(Easy Setup)
▼管理区域/管理者設定の必要がない(for Everybody)
▼可視光なので当たっている場所がわかる(Visible)
⇒使い勝手のよい安全なレーザー装置である
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 42
1.5.LDVの使用上の注意点
1.5.2.安全に使用するために
◎レーザーを直視しない▼クラス2では直視するとしばらく目がちらつくので、操作の安全のため
◎移動/設置に注意する▼センサ内部の光学部品は繊細が故に、落下/衝撃等でレーザーが狂う原因となる
◎決められた環境で使用/保管する▼使用温度で5℃~40℃、保管温度で-10℃~60℃(結露なきこと)
◎暖機運転中のレーザーの照射を制御▼暖機中はレーザーの照射を抑えるためメカニカルシャッタをON
▼夏は1時間、冬は1時間半程度の暖機が必要のため
© Polytec Japan Nov.2013
2章 計測の準備
/67
《Summary》
2.1.測定環境の把握
2.2.加振の種類
2.3.計測方式の選択
# 44
2章 計測の準備
2章 計測の準備
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 45
2.1.測定環境の把握
2.1.1周囲の振動
◎LDV自体の振動もデータに乗ってしまう
なるべく振動絶縁をして設置すること
測定機器の発生する振動エレベータの運転トラックや電車の通過空調 などの振動が伝わる
フィルターではカットできない場合も・・・
© Polytec Japan
これらバックグラウンドノイズの影響で正しいデータ評価が困難になることも…
Nov.2013
/67
2.1.2.設置環境
◎振動を受けないために
▼悪い例:
○エネルギーの大きい振動源と同じ定盤上に
三脚を設置する
○センサの近くで大きな音響加振を行う
○その他センサが風や揺れや音を受ける環境
# 46
2.1.測定環境の把握
エンジンダイナモ
© Polytec Japan Nov.2013
/67
2.1.2.設置環境
◎正対させる
▼受光量(戻り光量)=S/N比
▼レーザ方向成分を測定
▼ビームが遮られないように設置
# 47
2.1.測定環境の把握
rIN
θ
Vib
θcos*vib
© Polytec Japan Nov.2013
/67
受光量インジケータ
# 48
2.1.測定環境の把握
2.1.3.レーザーフォーカス
◎フォーカスがシャープ≒受光量が多い⇒S/N比が良
◎レーザーのフォーカス・照射位置を調整する
© Polytec Japan Nov.2013
/67
2.1.4.MSA-400によるスキャニング
◎1点ずつ順次測定を行う
▼振動に「繰り返し再現性」が必要
▼「位相基準」となる信号が別途必要
# 49
2.1.測定環境の把握
© Polytec Japan
位相基準有(点同士の相関がある)
位相基準無(点同士の相関関係が分からず
ぐちゃぐちゃな表示になる)
Nov.2013
/67# 50
2.2.加振の種類
2.2.1.加振器
◎加振器
▼加振器により能動的に対象物を加振する
▼主に対象の周波数応答特性を知るためや
耐久性のテストといった目的に使用される
◎実稼働
▼実際の稼働状態にある対象物を測定する
▼機器の使用条件下での振動の様子が分かる
◎自励振動
▼特定の条件下で起こる振動である
▼振動が自発的に増幅される現象
© Polytec Japan Nov.2013
/67
2.2.1.加振器
◎入力→応答の関係(周波数応答)の測定
ができる
# 51
2.2.加振の種類
測定物
応答波形
加振力波形
FFT
伝達関数
FEMモデルの作成/更新
加振力の制御
加振力・応答を測定
疲労耐久試験
測定物
フィードバック
コントローラ
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 52
2.2.加振の種類
2.2.2.実稼働
◎機器の実際の使用状況下における振動測定
◎稼働時の問題が即時わかる
(振動の大きい場所, 周波数等)
◎PSVでスキャニングを行う際は下記2点が必要
▼振動の繰り返し再現性
▼位相基準となる信号
© Polytec Japan Nov.2013
/67# 53
2.2.加振の種類
2.2.3.自励振動
◎自ら振動を増幅する現象
◎振動のメカニズムを知る必要がある
◎スキャニングでの測定時には以下に注意
▼振動が再現性・安定性をもつ
▼振動の大きさを規格化できる参照信号をモニタする
© Polytec Japan Nov.2013
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2.3.計測方式の選択
2.3.1.計測データの評価方式
◎主な計測方式
▼周波数解析《特徴》
・取りこんだ波形を周波数に分解して表示
・固有振動数等のピークを確認できる
・振動解析の基本
・FFT分析器等が必要
▼時間軸解析《特徴》
・振動波形をそのまま表示
・測定が正しいか否かの判断ができる
・周期再現性やチャンネル間関係が分かりやすい
・過渡応答の計測に有効
・オシロスコープ等で波形を表示
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2.3.計測方式の選択
2.3.2.周波数解析
◎振動解析の基本となる計測▼共振の確認ができる
▼振動の原因特定のヒントになる
▼スキャニングでアニメーションを見るには「振動の繰り返し性」と「位相基準となる」信号が必要
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2.3.計測方式の選択
2.3.2.時間軸解析
◎実際の物の動きがわかる計測▼過渡的な応答の評価ができる
▼スキャニングを行うにはトリガとなる信号が必要
提供:宇宙航空研究開発機構 JAXA
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3章 PSVによる振動計測事例
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3章 PSVによる振動計測事例
3章 PSVによる振動計測事例
# 58
PositioningLaser レーザーの位置決め
DefiningMeasurement grid 測定点設定
ScanningFull field 全面スキャン
Readyfor analysis 解析へ
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3.1.アルミ角材の振動試験
◎振動試験方法▼アルミ角材をタコ糸で吊り、自由系に
▼加振器によって周波数スイープ信号入力で周波数グラフ(=スペクトラム)を取得
3.1. 計測事例:簡素なモデル
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3.1.アルミ角材の振動試験
◎アルミ角材の振動
3.1. 計測事例:簡素なモデル
1次モード175Hz
2次モード434Hz
1次捩りモード1212Hz
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3.2.スピーカの振動
◎振動膜を測定
▼マスローディングなし
▼面計測
▼コーン型も各測定点に個別にレーザー焦点距離を
割り当てることで測定可能
3.2. 計測事例:スピーカの振動
# 61© Polytec Japan Nov.2013
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音圧測定の結果
◎音質悪化品の原因解析
▼10kHz付近で振動膜の振幅値に差
▼10kHzにおける実稼働振動形状に差
⇒振動膜メーカが膜の材質を変更、音質変化に繋がった
# 62
不合格品通常品
加速度
速度
PSVによる測定結果
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3.2. 計測事例:スピーカの振動
Nov.2013
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3.3. 計測事例:超音波スケーラの振動
# 63
3.3.超音波スケーラの振動
◎近接測定用ユニットを使用して測定
▼チップ先端:数mm幅
▼使用レンズ:CL-80
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◎スキャニングによる周波数応答解析
▼周波数:20~30kHz
▼振動モードの確認
▼駆動電圧・流水量を最適化
3.3. PSVによる計測事例:超音波スケーラの振動
# 64© Polytec Japan Nov.2013
先端にいくほど振れ幅が大きい
終章 まとめ
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終章 まとめ
# 66
◎まとめ
▼”もの”の振動を計測することが競争力のある製品づくり、
品質管理、トラブルシューティングとなる
▼LDVは振動体の振動速度を、レーザー光によるドップラー
効果を利用して計測
▼LDVのレーザーは安全かつ簡便に扱うことができる
▼非接触式センサは振動体に質量の変化を与えずに
計測できる
▼LDVは、さまざまな環境/多様な測定物にも応用ができる
▼シングルポイント/スキャニングLDVそれぞれの特徴
▼PSVによる計測データから、様々な事象が確認でき、
問題解決の優良ツールとして扱える
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お知らせ
# 67
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