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1
リチウムイオンバッテリー
取り外し・回収マニュアル
NT450 アトラスハイブリッド
2013 年 5 月
2
目次
1. はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2. リチウムイオンバッテリーリサイクルフロー概要 ・・・・・・・・3
3. 安全な作業を行うための重要事項 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
4. 液漏れへの対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
5. 引取りをお断りする事例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
6.リチウムイオンバッテリー取り外し手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・10
付録
-「高電圧作業中」表示
-「駆動用リチウムイオン電池回収・リサイクル依頼書」(本紙)
-「駆動用リチウムイオン電池回収・リサイクル依頼書」(継続用紙)
3
1.はじめに
(1)はじめに
本マニュアルは、当社が販売するハイブリッド車が日本国内において廃車になった際、搭
載されている駆動用リチウムイオン電池を回収・リサイクルするための解体事業者向けマ
ニュアルです。
駆動用リチウムイオン電池は高電圧であり、作業の取り扱いを誤ると感電など思わぬ重大
傷害につながるおそれがあります。
安全に作業をしていただくために、事前に本マニュアルをよくお読みいただき、注意事項
を遵守してください。
車種により駆動用リチウムイオン電池ユニットの形状、取り外し方法等が異なりますので、
必ず車種をご確認の上、対応する取り外しマニュアルを熟読いただき、安全な作業を行っ
てください。
本マニュアル、及び各車種の駆動用リチウムイオン電池取外しマニュアルは、日産自動車
ホームページにも掲載しており、今後発売する車種についても順次掲載していきます。
URL: http://www.nissan-global.com/JP/ENVIRONMENT/A_RECYCLE/BATTERY
(2)安全に関する表記について
以下の項目は、安全に関して特に重要な事項を説明しています。必ずお読みください。
日産自動車(株)では転売・譲渡・改造等による専用車両以外への当社製駆動用リチウムイオ
ン電池使用による事故・損害等については責任を負いかねます。
駆動用リチウムイオン電池の転売・譲渡・改造等の結果、事故防止を目的とする使用環境の
制限、使用条件の制限、設置据付条件の制限、使用前準備の制限、使用者の制限、予測さ
れる誤使用の禁止、保守・点検、異常時の処置等についての告知がされないことにより事故
が起こった場合、転売・譲渡・改造等をされた事業者等の製造物責任が問われる可能性があ
りますので、転売・譲渡・改造等は行わず、回収にご協力ください。
危険: 取扱いを誤ると,重大な人身事故に至るもの。
警告: 取扱いを誤ると,重大な人身事故に至るおそれがあるもの。
注意: 取扱いを誤ると,傷害を受けたり,物損事故のおそれがあるもの
4
(3)安全な回収のための重要事項
1) 高電圧回路の遮断
ハイブリッド車は車種により最大270~約630V 程度の高電圧駆動用リチウムイオン電池
を有しています。取り外し作業を行う前に、車両のキースイッチをオフにしてキーを抜い
てから、必ずセーフティスイッチをオフにする、または安全プラグを外す等の車種ごとに
定められた高電圧遮断措置を行ってください。これらの措置を行わずに高電圧部位や高電
圧コネクターの取り外し等を行うと感電による重度の火傷又は重大傷害や最悪の場合、死
亡に至る可能性があります。
2) 転売・譲渡・改造等をしないでください。
安全上の事故防止のため、駆動用リチウムイオン電池の転売・譲渡・改造等をしないでく
ださい。駆動用リチウムイオン電池が適切に回収されずに改造されたり、転売・譲渡、又
は不法投棄により第三者に渡ると、相手方でこれらの危険性が認識されず、重大な事故を
引き起こすおそれがあります。車両から駆動用リチウムイオン電池を取り外した後は、速
やかに松田産業株式会社受付窓口までご連絡をいただき、回収にご協力ください。
3) 事故車・水没車等の場合
事故車・水没車などでは駆動用リチウムイオン電池に変形、漏電、漏液が発生している可
能性があります。そのような車両から駆動用リチウムイオン電池を取り外す際は感電、漏
液に対しても必要な保護具を装備するなど、安全確保のために、十分ご注意ください。ま
た、運搬についてもそのままの状態では運搬が出来ません。
いずれの場合でも、松田産業株式会社(03-5909-5106)にご連絡・ご相談ください。
危険:高電圧バッテリーは正しく使用すれば安全であるが、誤った使用をすると感電、
発熱、発火、最悪では爆発するおそれがある。
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2.駆動用リチウムイオン電池リサイクルフロー概要
駆動用リチウムイオン電池を搭載したまま車両のソフトプレス等を行うと、発火のおそれ
がありますので、必ず取り外してください。
(1)リサイクルフロー
①→④の順番で駆動用リチウムイオン電池は回収されます。
① 引取り依頼
駆動用リチウムイオン電池引取り業務を委託している松田産業株式会社受付窓口へ、本マ
ニュアルに添付されている駆動用リチウムイオン電池引取依頼書に必要事項を記入の上、
ファックスをしてください。
② ・③引取日時の調整及び梱包材の事前送付
運送事業者または松田産業株式会社より、依頼者様へ電話し、駆動用リチウムイオン電池
お引取りの日時を調整します。
また、梱包材の事前送付についても、ご連絡いたします。
④駆動用リチウムイオン電池引取り
指定した日時に運送事業者が駆動用リチウムイオン電池を引取りに参ります。
各取り外し・回収マニュアルに沿った荷姿で梱包し、運送事業者がすぐに引取れるよう
準備しておいてください。
ご依頼先ファックス番号
松田産業株式会社受付窓口: 03-3345-8605
受付時間: 8:30~17:30、土日祝日を除く平日(年末年始、お盆、GW はお休みです)
6
(2)お引取りに関する依頼及び注意事項
1) 取り外しマニュアル掲載ホームページアドレス
駆動用リチウムイオン電池の具体的な取り外し作業は、各車種別の取り外し・回収
マニュアルに沿って行ってください。下記ホームページ上で最新版をご確認ください。
2) 荷姿の注意
各取り外し・回収マニュアルに沿った荷姿で梱包してください。
3) 手数料のお支払い
駆動用リチウムイオン電池と同梱される所有権譲渡同意書を確認の後、貴社指定口座へ手
数料をお支払いします。
取り外し・回収マニュアル掲載ホームページアドレス
http://www.nissan-global.com/JP/ENVIRONMENT/A_RECYCLE/BATTERY
ハイブリッド自動車搭載駆動用リチウムイオン電池: 2,500 円/ 個( 消費税込)
*上記は2013年5月現在の金額です。
金額は、予告なく変更する場合がありますので、ご了承願います。
解体事業者(取り外し・保管・梱包)
株式会社ACR
④リチウムイオン電池引取
運送事業者
①引取り依頼(ファックス)
②引取日時の調整
③梱包材送付
解体事業者(取り外し・保管・梱包)
株式会社ACR
④リチウムイオン電池引取
運送事業者
①引取り依頼(ファックス)
②引取日時の調整
③梱包材送付
松田産業株式会社
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4) 駆動用リチウムイオン電池引渡しに関する注意
解体事業者が、松田産業株式会社受付窓口への連絡なく独自に運送事業者へ駆動用リチウ
ムイオン電池を引渡した場合、費用は全て解体事業者の負担になりますので注意してくだ
さい。
5) 駆動用リチウムイオン電池の所有権
駆動用リチウムイオン電池の所有権は、解体事業者が運送事業者に引渡した時点で解体事
業者から引き取り元に移転するものとします。
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3.安全な作業を行うための重要事項
(1)特別教育、指名作業の義務付け
1)労働安全衛生法
労働安全衛生法 第59 条及び労働安全衛生規則第36 条(特別教育、指名作業)
高電圧回路に関わる整備を行う作業者には労働安全衛生法第59 条ならびに労働安全衛生
規則 第36 条に定められた特別教育の受講が義務付けられています。
2)電子医療機器装着者の作業禁止
車両には強力な磁石を持つ部品が使われています。ペースメーカ等の電子医療機器装着者
は、それらの機器に接近すると磁力の影響を受けるおそれがあるので、車両の作業は絶対
に行わないでください。
(2)高電圧作業上の注意
1)警告: 以下の警告事項を遵守して作業を実施すること。
・ハイブリッド車は高電圧駆動用リチウムイオン電池を有しているため、取り扱い
を誤ると感電、漏電などのおそれがあります。取り扱い時は、作業手順に従い正
しい作業を実施してください。
・高電圧系の作業を実施する際は、必ず絶縁保護具を着用してください。
・高電圧系のハーネス、及び部品の取り扱い時は、高電圧回路を遮断するため、車
両のキースイッチをオフにしてキーを抜いてから、必ずセーフティスイッチをオ
フにする、または安全プラグを外す等の車種ごとに定められた高電圧遮断措置を
行ってください。
なお、セーフティスイッチをオフ、または安全プラグを外した場合でも、高電圧
ハーネスのコネクターや端子部に触れるまでに、10分以上待つこと。
・取り外した安全プラグは、作業中に他の人が誤って接続することがないよう、必
ずポケットに入れて携帯すること。
・高電圧作業時は、担当者を明確にし、他の人が車両に触れないようにしてくださ
い。また、作業時以外は耐電カバーシート等で高電圧部品を覆い、他の人が触れ
ないようにしてください。
・駆動用リチウムイオン電池を破損させるような衝撃を与えないでください。
(ニブラを使った解体、駆動用リチウムイオン電池が車載されている状態でのプ
レス、フォークリフト等による突き刺し、高所からの落下等)
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2)高電圧ハーネスの識別
高電圧ハーネスはオレンジ色に統一してあります。
高電圧ハーネスは絶対に切断しないこと。
3)高電圧コネクタ、端子の処理
取り外した高電圧ハーネスコネクタ、端子は取り外し後直ちにバッテリー側に絶縁テープ
を貼り絶縁すること。
4)作業中の携帯禁止品
高電圧と強力な磁力を持つ部品が使われているので、短絡のおそれのある金属製品や、磁
気記録破壊のおそれのある磁気記録媒体(キャッシュカード、プリペイドカード等)を身
につけて作業を行わないこと。
5)取り外した駆動用リチウムイオン電池の保管
雨水にぬれない場所、直射日光に当たらない場所で保管すること。
取り外したバッテリーは火に近づけたり、加熱したりしないこと。
6)「高電圧作業中」の表示(付録参照)
高電圧系の作業を行っている車両には「高電圧作業中に付き触るな!」の表示を行い、他
の作業者にも注意を喚起すること。
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4.液漏れへの対応
・ 駆動用リチウムイオン電池から電解液が漏出した場合
① 保護メガネ,ゴム手袋を着用して,乾いた布でふき取ってください。
② 火気を近づけないようにしてください。
③ 必要に応じ保護メガネ,ゴム手袋,防災用マスクを使用してください。
④ 目に入った場合は,こすらずに直ちに水道水で15 分間以上洗った後,医師の診断を受
けてください。放置すると目に傷害を与える可能性があります。
⑤ 皮膚に触れた場合,石鹸を用いて水で十分に洗い落とします。放置すると皮膚に炎症
を起こす可能性があります。
⑥ 吸入した場合,直ちに新鮮な空気の場所に移動して安静を保ち,医師の診断を受けて
ください。
注意:電解液漏出時に用いる吸着マット、ウエスの廃棄は、都道府県知事の許可を受け
た専門の産廃業者に委託してください。
危険:
� バッテリーボックス本体から液漏れや異臭が生じた場合は、爆発および発火のおそれ
があるので車両から取外し周囲への危険が及ばない場所へ移動する。万が一発火した場
合は、消火器 (ABC 型消火器) を噴射して消火するか、消防署へ通報して消火を依頼す
ること。なお、少量の水による消火は危険な場合があるので消火栓等の大量放水を行う。
� バッテリーボックス本体内から液漏れしたバッテリー電解液が飛散し目に入った場
合は、失明のおそれがあるので、直ちに多量の清潔な水でよく洗い流した上で、眼科医
の診察を受ける。
� バッテリーボックス内から液漏れしたバッテリー電解液が皮膚または衣服に付着し
た場合は、直ちに多量の水で洗い流し, 石けんで十分に洗う。
11
5.引き取りをお断りする事例
本マニュアル対象外、又はマニュアルに沿わない取り外しによる駆動用リチウムイオン電
池は原則として引き取りはお断りさせていただき、引き取り手数料は支払われませんので
ご注意ください。
本マニュアル対象の駆動用リチウムイオン電池は、以下の条件を全て満たしているものと
します。
� 2013年1月以降に発売された
� 日産自動車車両に搭載されている
� 駆動用のリチウムイオン電池
引取り対象外の駆動用リチウムイオン電池であるため引き取りをお断りする事例(代表
例)
(1) 他社車両搭載の駆動用リチウムイオン電池
(2) 車両、又は取り外された駆動用リチウムイオン電池が国外に有る場合
本マニュアルに沿った取り外しが行われていないため引き取りをお断りする事例(代表
例)
(1) 安全プラグを外していないもの
(2) ニブラー等重機を用いたため駆動用リチウムイオン電池が変形・破損したもの
(3) バッテリーケースを分解したもの
その他の引き取りをお断りする事例(代表例)
(1) 屋外に長期間放置されて損傷が激しいもの
(2) 事故車・水没車等に搭載されていたもの
12
6.リチウムイオンバッテリー取り外し手順
(1)ハイブリッド車について
1) ハイブリッド車の取り扱い基本事項
知 識
ハイブリッドシステムを取扱う作業者は,労働安全衛生法第59 条及び労働安全
衛生規則第36 条により,低圧電気取扱特別教育の受講が義務付けられています。
この特別教育につきましては,各地区の労働基準監督署の指導により労働基準協
会が年に数回開催しておりますので,詳細は最寄りの労働基準協会にお問い合わ
せください。
ハイブリッドシステムは270Vの高電圧を使用しています。安全に取り外し作業を行うためには,
本マニュアルに沿って正しく作業を行うことが必要です。また,高電圧に対して十分な知識と注意
が必要です。
以下の項目は、安全に関して特に重要な事項を説明しています。必ずお読みください。
● 高電圧の隔離
ハイブリッド車は次のように高電圧部が隔離され,また高電圧部が識別できるようになっています。
� 高電圧回路(導電部)は,車体や他の電子機器とは完全に独立しており,絶縁されています。
� 高電圧機器,高電圧ケーブルにはケース,カバー等が設けられており,内部の高電圧回路(導
電部)と絶縁されています。
� 高電圧機器には,コーションラベルが貼付けられています。
� 高電圧ケーブルは,オレンジ色の被覆で識別されています。
� 故障時等漏電発生時の感電対策として,高電圧機器(HEVシステム機器)のケースと車体フレー
ム間が電気的に接続されています。
危 険
高電圧バッテリーは正しく使用すれば安全であるが、誤った使用をすると感電、
発熱、発火、最悪では爆発するおそれがあります。
危険: 取扱いを誤ると,重大な人身事故に至るもの。
警告: 取扱いを誤ると,重大な人身事故に至るおそれがあるもの。
注意: 取扱いを誤ると,傷害を受けたり,物損事故のおそれがあるも
の
13
● 高電圧の遮断
高電圧の遮断方法については18ページ、‘2) ハイブリッドシステムの停止方法’を参照してくだ
さい。
14
2) 高電圧機器と高電圧ケーブルの配置
3) 駆動用リチウムイオン電池仕様
項 目 諸 元
製作会社 SKイノベーション
形 式 リチウムイオン
セル数 72(8x9)
容 量 Ah 7.5
定格電圧 V DC270(モータージェネレーター作動時)、
DC12(ECU作動用)
質 量 kg 65
外 寸 mm 931(W)×441(D)×308(H)
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4) 駆動用リチウムイオン電池廻りの構成部品
1 バッテリーボックスブラケッ
ト 6
バッテリーリヤカバー 12 フロントバッテリーカバー
2 ケーブルステー 7 インシュレーター ブラケット
3 ストラップピン 8 スペーサー 13 高電圧バッテリーボックス
4 バッテリーストラップ 9 バッテリーサイドカバー マウンチング
5 高電圧バッテリーボックス 10 リヤバッテリーカバーブラケット 14 アンダーカバーB
(駆動用リチウムイオン電池) 11 高電圧ケーブル Assy 15 アンダーカバーA
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(2)ハイブリッド車の外観的特長
車両左側のホイールベース間にハイブリッドユニットを搭載しています。また,図示の位置にハイ
ブリッド車専用のステッカーやエンブレムがありますので,一つでも該当するものがあれば本書を
参考にして駆動用リチウムイオン電池の取り外し作業を行ってください。
17
(3) 安全な作業を行うための基本事項
1) 高電圧に対する注意
● 作業全般
1. 感電等の防止のため,以下を行ってください。
� 必ず絶縁手袋を着用してください。
� 取り外した駆動用リチウムイオン電池を一時的に置く為の絶縁マットを準備してください。
� 高電圧ケーブル(オレンジ色の被覆)には絶対に触らないでください。
絶縁手袋 絶縁マット
2. 各種事故防止の観点より,以下を行ってください。
� 防護めがねを着用してください。
� マスクを着用してください。
3. その他留意事項
� 駆動用リチウムイオン電池を破損させるような衝撃を与えないでください。
� 液漏れが疑われる駆動用リチウムイオン電池はよく乾燥させてください。
� バッテリーを目的以外のために使用することは禁じられています。
� 爆発、発火、発熱及び膨張の原因となるため,水,海水,飲料等の液体を高電圧バッテリーボ
ックスの開口部へかけないでください。また、高電圧バッテリーボックスの開口部への水等での
洗浄は行わないでください。
警 告
事故等により,高電圧機器,高電圧ケーブル(オレンジ色の被覆)が損傷してい
る場合は漏電の可能性がありますので,絶縁手袋だけでなく,絶縁防護服等の絶
縁保護具を必ず着用して作業してください。
18
● 車両火災時に使用する消火剤及び消火方法
1. 消防法に規定する消火剤(ガス系,粉末系),消火装置を使用してください。
2. 消火時に目,鼻,のどを刺激するガスが発生するおそれがあるので,危険性が予測された場合
は空気呼吸器を使用してください。
3. 消火栓等からの大量の放水による消火は冷却効果が期待できるため,補助手段として必要に応
じて使用してください。
4. 少量の水による消火はかえって危険な場合があるため,大量の放水ができない状況では消防隊
の到着を待ってください。
5. 火災時は周囲の可燃物を直ちに取り除いてください。
6. 周辺で火災が発生した場合,直ちに車両を安全な場所に移動させてください。
危 険
� 車両火災が発生しているときは,消火器 (ABC 型消火器) で消火してくださ
い。少量の水による消火はかえって危険な場合があるので,消火栓から大量に放
水するか, 消防隊の到着を待ってください。
� 損傷によりむき出しになった高電圧端子がある場合,感電するおそれがある
ためビニールテープなどで絶縁処理を行ってください。
危 険
� バッテリーボックス本体から液漏れや異臭が生じた場合は、爆発および発火の
おそれがあるので車両から取外し周囲への危険が及ばない場所へ移動してくだ
さい。
� バッテリーボックス本体内から液漏れしたバッテリー電解液が飛散し目に入
った場合は、失明のおそれがあるので、直ちに多量の清潔な水でよく洗い流した
上で、眼科医の診察を受けてください。
� バッテリーボックス内から液漏れしたバッテリー電解液が皮膚または衣服に
付着した場合は、直ちに多量の水で洗い流し, 石けんで十分に洗ってください。
警 告
駆動用リチウムイオン電池が燃焼すると目,鼻,のどを刺激するガスや窒息性ガ
スが発生する可能性があります。電解液が漏出し,蒸発すると皮膚,目を刺激し,
炎症を起こすことがあり,長時間続くと気管支や目の粘膜を刺激することがあり
ます。
19
● 駆動用リチウムイオン電池から電解液が漏出した場合
1. 保護メガネ,ゴム手袋を着用して,乾いた布でふき取ってください。
2. 火気を近づけないようにしてください。
3. 必要に応じ保護メガネ,ゴム手袋,防災用マスクを使用してください。
4. 目に入った場合は,こすらずに直ちに水道水で15 分間以上洗った後,医師の診断を受けてくだ
さい。放置すると目に傷害を与える可能性があります。
5. 皮膚に触れた場合,石鹸を用いて水で十分に洗い落とします。放置すると皮膚に炎症を起こす
可能性があります。
6. 吸入した場合,直ちに新鮮な空気の場所に移動して安静を保ち,医師の診断を受けてください。
20
(4)取り外し作業時の対応
警 告
� 取り外し作業時は,必ず絶縁手袋を着用して作業してください。
� 事故等により,高電圧機器,高電圧ケーブル(オレンジ色の被覆)が損傷し
ている場合は漏電の可能性がありますので,絶縁手袋だけでなく,絶縁防護
服等の絶縁保護具を必ず着用して作業してください。
注 意
� 絶縁手袋は使用前にひび,割れ,破れ,その他損傷がないことと,湿潤して
いないことを確認してください。
� 高電圧機器には磁力を発生する部品があるので,落下して短絡のおそれのあ
る金属部品をポケット等に入れないでください。また,磁気カード,時計等,
磁力により障害の出るおそれのあるものを身につけて作業しないでくださ
い。
� 高電圧回路に関わる点検・整備を行う際は,本書19ページに記載されている
「高電圧作業中」等の標示を作業場所,運転席に行い,他の作業者に注意を
促してください。
1) 車両の固定
� 輪止めをかけて車両を固定してください。
� パーキングブレーキレバーを引いて,パーキングブレーキを効かせてください。
� ギヤシフトレバーを“P”位置にしてください。
2) ハイブリッドシステムの停止方法
次の3つの手順を行い,ハイブリッドシステムを停止させて高電圧を遮断してください。
警 告
� インバータ内の平滑コンデンサーを放電させるため,ハイブリッドシステム
を停止させて高電圧を遮断してから1分以上経過した後に取り外し作業を開
始してください。放電を待たずに作業をすると感電のおそれがあります。
� 車両の状況によっては記載してある方法でハイブリッドシステムを停止でき
ないことがあります。このときは絶縁手袋だけでなく,絶縁防護服等の絶縁
保護具を必ず着用して作業してください。
21
注 意
12V バッテリーの-(マイナス)端子からバッテリーケーブルを外すと,ドアガ
ラスの開閉操作ができなくなりますので注意してください。
1. スターターキーを“ACC”位置で押し
込みながら“LOCK”位置にしてスター
ターキーを抜きます。
注 意
他の作業者が誤ってスタータースイッチを“ON”位置にしないように,スター
ターキーを抜いた作業者がスターターキーを所持してください。
2. 12Vバッテリー上面のカバーを外してから,
バッテリー-(マイナス)端子からバッテリー
ケーブルを外します。バッテリー-(マイナス)端子
及び-(マイナス)側バッテリーケーブルをテー
プ等で絶縁します。
22
3. バッテリーサイドカバー,安全プラグカバーを外し,中にある安全プラグを取外します。
注 意
他の作業者が誤って安全プラグを接続しないように,取外しを行った作業者が安
全プラグを所持してください。
安全プラグの取外しは,最初にレバーロックを解除します。次にレバーを起こして安全プラグを
まっすぐ引き抜きます。安全プラグ引き抜き後、再度安全プラグカバーを取り付けます。
注 意
駆動用リチウムイオン電池取り外し作業中に異物や水が浸入しないよう、安全プ
ラグカバーを取り付けてください。(ボルト4個)
23
3) 駆動用リチウムイオン電池周辺部品の処置
1. バッテリーサイドカバー(13ページのNo.9)を取り外す。
2. サプライパイプ(22ページのNo.17)のボルトを
取り外し、駆動用リチウムイオン電池が取り出し
可能な位置まで移動する。
下へ移動
24
17 サプライパイプ
25
4) 高電圧バッテリーボックス(駆動用リチウムイオン電池)の取外し
1. 高電圧バッテリーボックス側コネクタ-
から高電圧ケーブルのコネクタ-を固定
しているボルトを緩め,高電圧ケーブル
のコネクタ-をまっすぐ引き抜きます。
コネクター部は、端子が露出しないよう、
直ちに絶縁テープ等で保護してください。
2. 12V バッテリーハーネスのコネクタ-
を外します。コネクター部は、端子が露
出しないよう、直ちに絶縁テープ等で保
護してください。
危 険
長時間放置しても高電圧は放電されないため, 誤って高電圧端子に触れると感
電するおそれがあります。
26
3. 高電圧バッテリーボックスを固定してい
る鋼製バンドを外して高電圧バッテリー
ボックスを取外します。
4. 高電圧バッテリーボックスを取外すとき
衝突時の脱落防止フックに引っかからな
いように高電圧バッテリーボックスを車
両後方に移動してから手前に引き出しま
す。
高電圧バッテリーボックス下面は段差が
あるため100mm角程度の角材を使い
パワーリフト等にも同様の段差を作る。
高さをあわせたパワーリフト等を駆動
用リチウムイオン電池直前でロックさ
せ、電池を持ち上げながらリフトへ移
動させる。
重量物であり、厚生労働省の通達に基
づいた適正な人数で行うこと。
駆動用リチウムイオン電池
角材
パワーリフトのツメ
持上げて移動
駆動用リチウムイオン電池
27
警 告
� 高電圧バッテリーボックス側のコネクター端子を金属片等でショートさせない
でください。発熱や液漏れを起こす可能性があります。
漏出した電解液には引火性があるので火気は近づけないでください。
また,火中に投下したり,焼却したりしないでください。
� 高電圧バッテリーボックスを車両から取外す場合は,カッター等で切断しないこ
と。駆動用リチウムイオン電池がショートし,火花が散ることによって引火する
おそれがあります。
取外した高電圧バッテリーボックスの一部が陥没したり,変形したりしている場
合は人気を避けた場所に置き,速やかに下記へ連絡してください。
松田産業株式会社受付窓口:
電話:03-5909-5106
ファックス:03-3345-8605
受付時間: 8:30~17:30、土日祝日を除く平日
(年末年始、お盆、GW はお休みです)
28
(5)ハイブリッド車の運搬方法
駆動用モーターには永久磁石を使用していますので,駆動用モーターを回転させると電気が発生し
ます。ギヤシフトレバーを“N”位置にし,けん引しても駆動用モーターが回転する可能性があり
ます。レッカー移動などをするときは,ギヤシフトレバーが“N”位置であっても,プロペラシャ
フト等を外し,変速機及び駆動用モーターが回転しないようにしてください。
警 告
駆動用モーターが回転しないようにしてください。駆動用モーターが回転すると
電気が発生し,接続してあるケーブルに電圧がかかります。高電圧機器,高電圧
ケーブル(オレンジ色の被覆)が損傷している場合には,車両へ電気が流れるお
それがあります。
29
このページをコピーし作業中または保管中の車両の運転席や作業場所に標示して,周囲に注意喚起
を行ってください。
30
(6)引き取りの準備、荷姿
1) 引き取りの準備
1. 事前に運送業者より専用の梱包箱及び専用パレットがPPバンドで結束された状態で送付されま
す。駆動用リチウムイオン電池の梱包前に結束を外しておいてください。
納品状態
専用段ボール箱 内箱(発泡スチレン)
2. 同梱されているコネクターカバー(黒色、樹脂製)を用い、駆動用リチウムイオン電池の高電圧
ハーネスのコネクター部を保護してください。
3. バッテリーリヤカバー(13ページのNo.6)を取り外してください。
31
2) 梱包、荷姿
1. 内箱の下部分を専用段ボール箱にセットします。
取り外してあった安全プラグは、駆動用リチウム
イオン電池に取り付けずに、箱に同梱するため、
電池の厚さが薄い側に入れてください。
2. 駆動用リチウムイオン電池のハウジング部分を
持って、内箱の中に入れます。この際、重量物な
ので、厚生労働省通達に基づいた適正な人数で行
います。
3. 内箱の上部分を用いて、駆動用リチウムイオン
電池をカバーします。
4. 回収・リサイクル依頼書下部の所有権譲渡同意書
に必要事項を記入の上、箱に同梱してください。
本同意書は必要に応じて控えを取っておいてくだ
さい。
5. 専用段ボール箱の上側フラップ部を畳み、
3M製#305、48mm幅 若しくは同等品の
シーリングテープを用い、フラップ中央部と
夫々の端部を少なくとも2回貼って固定します。
32
6. 専用段ボール箱を専用パレットの上に置きます。
7. 送付されたときに結束されていたPPバンドを再利用して、専用段ボール箱と専用パレットを
結束して固定します。
8. 駆動用リチウムイオン電池を運送事業者へのトラックへ積み込む荷役作業は解体事業者にて
実施頂きます。
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[ファックス送付先] 松田産業株式会社FAX:03-3345-8605TEL:03-5909-5106
お手数ですが必要事項をご記入の上、引き取り委託先である松田産業株式会社までファックスにてご連絡願います。後日、運送事業者より御社へ連絡が入りますので、引渡しにご対応ください。
【引き取りに関して】
(1)駆動用リチウムイオン電池は2,500円(*)/個(消費税込)で引き取ります。 (*) 予告無く変更する場合があります。(2)代金は御社指定口座に振り込みます。振込先をご記入ください。(3)運送事業者が引き取りに伺うまでに、下記引渡し確認欄に【署名】【捺印】を頂き、電池と同梱願います。 必要に応じ控を取っておいてください。 引き取り後、松田産業株式会社にて所有権譲渡同意書を確認の後、代金を振り込みます。
ご担当者名 様
引き取りご依頼先 (会社名)
〒
(現在地)
連絡先 (電話) 市外局番 ( ) -
(ファックス) 市外局番 ( ) -
引き取り依頼数 個数 車両型式:
計 個 フレームNo.:
走行距離: km
引き取り個数が複数ある場合は、継続用紙に記載願います。
引き取り希望日 年 月 日
原則、引き取り依頼日から1週間以降での設定をお願いいたします。
電池の状態 判る範囲で、該当するものを○で囲んでください。
(1) 発煙、発火、発熱、漏電、漏液等が認められる □あり( )□なし
(2) 外観上の傷、凹み、変形やカバーの外れ等が認められる □あり( )□なし
(3) 事故車、水没車等 □あり( )□なし
(4) その他、異常が見受けられる場合はご記入ください。
{ }
振込口座 【銀行】 [ ] 銀行 [ ] 支店 【郵便局】
(1) 種 類: □普通 □当座 (1)記号:
(2) 口座番号: (2)番号:
(3) 受取人名義:
引渡し確認 梱包前に安全プラグが取り外されていることを確認した。 □
及び 上記製品を運送事業者に間違いなく引き渡しました。
所有権譲渡同意書 また当該製品の所有権を三菱ふそうトラック・バス株式会社に譲渡することを同意いたします。
年 月 日
会社名:
ご担当者名: (印)
(ご依頼日): 年 月 日
駆動用リチウムイオン電池回収・リサイクル依頼書
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一度の引取り個数が複数の場合は、2個目以降を本継続用紙の必要事項に記入の上、本紙と同時にファックス願います。※印の項目は、記入必須と致しますが、他の項目で本紙と同じ場合は記入は不要です。
本紙と同様、継続用紙も運送事業者が引き取りに伺うまでに、電池と同梱願います。
ご担当者名 様
引き取りご依頼先 (会社名)
〒
(現在地)
連絡先 (電話) 市外局番 ( ) -
(ファックス) 市外局番 ( ) -
引き取り依頼数※ 個数 車両型式:
個目 フレームNo.:
走行距離: km
引き取り個数が複数ある場合は、それぞれ継続用紙に記載願います。
引き取り希望日 年 月 日
原則、引き取り依頼日から1週間以降での設定をお願いいたします。
電池の状態※ 判る範囲で、該当するものを○で囲んでください。
(1) 発煙、発火、発熱、漏電、漏液等が認められる □あり( )□なし
(2) 外観上の傷、凹み、変形やカバーの外れ等が認められる □あり( )□なし
(3) 事故車、水没車等 □あり( )□なし
(4) その他、異常が見受けられる場合はご記入ください。
{ }
振込口座 【銀行】 [ ] 銀行 [ ] 支店【郵便局】
(1) 種 類: □普通 □当座 (1)記号:
(2) 口座番号: (2)番号:
(3) 受取人名義:
引渡し確認 ※ 梱包前に安全プラグが取り外されていることを確認した。 □
及び 上記製品を運送事業者に間違いなく引き渡しました。
所有権譲渡同意書 また当該製品の所有権を三菱ふそうトラック・バス株式会社に譲渡することを同意いたします。
年 月 日
会社名:
ご担当者名: (印)
<継 続 用 紙>
駆動用リチウムイオン電池回収・リサイクル依頼書
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ことなどを、媒体を問わず禁止します。このような不正使用行為は、民事上の損害賠償の、また刑事罰の対象となります。
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TEL:03-5909-5106
FAX:03-3345-8605