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トップメッセージ1 新東工業 CSR報告書2012 トップメッセージ 商 号 新東工業株式会社 設 立 1934年10月2日 本社所在地 名古屋市中区錦1丁目11番11号

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1 新東工業 CSR報告書 2012

トップメッセージ

商   号  新東工業株式会社設   立  1934年10月2日本社所在地  名古屋市中区錦1丁目11番11号資 本 金  5,752百万円社 員 数  3,733名(連結)子 会 社  45社(国内22社、海外23社)事   業  鋳造事業、表面処理事業、環境事業、特機事業、搬送事業

会社概要                  2012年3月31日現在

2012年6月取締役社長

 企業の持続的成長には、社会が安定し、経済がグ

ローバルレベルで継続して発展することが1つの要件で

あると思います。つまり、企業は短期的な利潤の追求の

みならず、社会などに対して一定の貢献を果たす必要が

あると考えています。微力ながら社会との共生を図ると

ともに、CSRの考えを念頭に連結ベースでの事業活動

を展開してまいります。

 また、私たちには、世界の商慣習や文化を理解し敬

い、高い倫理観と厳しい自己規律に基づく行動が求めら

れています。当社は、経営理念を「Heart~信頼される

技術を通して豊かさと成果を」と定め、お客さまとともに

感動を通し、企業の社会的責任を果たしていきたいと考

えています。

 今年度より、新東工業グループは新中期経営計画

「GCS5」をスタートさせました。お客さまが当社の設備

やサービスなどを通じてご満足(感動)いただくために、

私たち一人ひとりが世界に通用するスキルを磨くことにチャレンジするとともに、世界各地のお客さまとの

絆を深め、新しい解決策を提供し続けていきたいと考えています。 

これら一連の取組みを通じて、一人でも多くのお客さまと “新東に相談すれば何か良い提案をしてくれる”

“困ったときは新東に任せておけば安心” といった信頼関係を築けるよう努力してまいります。

当社の活動姿勢・方針にご理解いただくとともに、皆さまの一層のご支援をお願い申しあげます。

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2新東工業 CSR報告書 2012

新中期経営計画『GCS5 Let's Go Team Sinto』がスタート

トピックス

新東工業グループのCSRの考え方

新東工業グループは、2012年度から3ヵ年を対象とした、新たな中期経営計画『GCS5 Let's Go Team Sinto』を策定しました。昨今の環境変化を踏まえ、グローバルにおいて新たなお客さまと出会い、そして全てのお客さまにご満足し続けていただきたいという思いのもと、新東工業グループ全員で一体となり、迅速に推進してまいります。そして、長期ビジョンである「世界のお客さまと感動の共創」を実現いたします。

新東工業グループはCSRに対して、経営理念「Heart」の思いのもと、「企業の持続的成長を通じ、社会の持続的な発展への貢献」と捉え、社会との絆を深めるための活動であると考えています。ステークホルダーの皆さまから信頼され、そして、さらに期待していただけるよう、全ての事業活動を通して、長期ビジョンである「世界のお客さまと感動の共創」の実現を目指し、企業としての社会的責任をこれからも果たしていきます。

長期ビジョン

世界のお客さまと感動の共創

社会との絆

経営理念「Heart」Human Enrichment & Achievement through Reliable Technology

~信頼される技術を通して人間としての豊かさと成果を~

お客さま

お取引先さま 地域社会

社 員株 主

事業活動およびCS R活動を通じた社会との絆

新東工業グループのCSR

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3 新東工業 CSR報告書 2012

信頼される経営のために

コンプライアンス社員一人ひとりが高い倫理観を持ち、公正・誠実に行動できるようコンプライアンスを強化することで、お客さまや社会からの期待に応え、責任を果たしていきます。

スピークアップ制度

新東企業倫理行動指針

コーポレート・ガバナンス当社は、透明で公正性の高い経営を実現するために、コーポレート・ガバナンスを重要な課題であると認識し、体制の強化を実践しています。コーポレート・ガバナンス体制

新東工業グループは、ステークホルダーの皆さまから信頼される企業であるために、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス、リスクマネジメントの強化に真摯に取り組んでいます。

当社は、監査役制度を採用しており、法令、財務・会計およびコンプライアンス経営に関する豊富な知識と経験を有する2名の社外監査役を含む、4名が就任しています。監査役会は、取締役・執行役員などの職務執行に対して、客観的な見地から監査を行い、経営の監視機能を担っています。また、社外監査役と社外の有識者で構成する、経営諮問委員会を設置して、経営課題について助言を受けることで、経営方針決定の透明性を高めるとともに、取締役、執行役員および社員の職務執行の適法性および妥当性、透明性を確保するために、執行状況のチェックも定期的に行っています。さらに、執行役員制度の採用により、業務執行の一層の効率化と迅速化および責任の所在を明確化するとともに、CSR委員会において、コンプライアンス経営やリスク管理に必要な実施計画を策定し、実行しています。このほかに、内部監査などを担当する部門として、監理部を設置し、国内・海外グループ会社の監査と運営状況の把握をしています。 また、国内・海外それぞれのグループ会社の社長会を定期的に開催し、内部統制の一環を担っています。

取締役会

経営会議

代表取締役

執行部門・グループ会社

内部監査

監督

選任・解任

報告 監査監査役会会計監査人

選任・解任

株主総会

選任・解任

会計監査

経営諮問委員会

選任・解任

CSR委員会

選任

助言報告

報告連携 監

理部

コンプライアンスの浸透当社では、社員一人ひとりにコンプライアンスを浸透させるため、OJTや階層別教育、社内イントラネットでの情報発信などを通じて、コンプライアンス意識の醸成を行っています。各管理職は、法務部門からの情報提供を受け、各職場の実情にあわせて朝礼などを通じて、周知徹底しています。

2002年「新東スピークアップ制度」を設置し、コンプライアンスの違反やその恐れがあり、且つ上司に相談することが困難な場合などに、この制度を通じて事態を迅速に処理できる体制を整備しています。この制度により違法・不正行為を抑制するとともに、社員が安心して健全に働ける職場環境づくりに結び付けています。

社員一人ひとりが高い倫理観に根ざした判断や行動を実践していく企業風土を確立することを目指し、社員の判断・行動の指針を「新東企業倫理行動指針」として示しています。また、行動指針を具体化した行動基準を定めた「新東企業倫理行動指針ガイドブック」と、行動指針の実行の手引きとして「ポケット版」を全社員に配布しています。

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リスクマップ

4新東工業 CSR報告書 2012

経済のグローバル化にともない、企業をとりまくリスクは多様化しています。当社では、事業活動において発生の可能性があるリスクを、事業活動への影響度と発生頻度から評価して、優先順位を定め、事前に防止策を立て、リスクの未然防止もしくは最小限の被害にとどまるように努めています。

リスクマネジメント

当社において、発生の可能性があるリスクを可視化して、適切なリスク対策を実施するため、「事業活動への影響度」と「発生頻度」を示したリスクマップを作成しています。リスクマップにもとづいて、当年度の行動計画を立案・推進し、事業への影響度の高いリスクについては、「事前準備」および「リスク発生時における対応手順」を記載した事業継続計画書を作成いたします。毎年、個々のリスクを再評価しリスクマップを更新しています。

自然災害対策への取組み

安否確認メール自動発信(震度6弱以上の場合 登録者全員)

日常準備

自然災害発生

初期対応(避難・救護活動等)

第二報(2時間以内に情報収集)

    

現地災害対策本部立上

全社災害対策本部・

第一報(15分以内に情報収集)

避難行動

被災状況確認

初期対応

復旧対応

事業再開

応急措置、事業継続計画BCP、インフラ復旧、成約案件対応全

社災害復旧本部立上

復旧支援(お客さま・調達先・特定関係先・地域)

国内・海外グループ会社への伝達

<優先順位>①社員・家族・会社 ②事業所近隣住民③お客さま ④調達先 ⑤特定関係先 ⑥地域社会

<復旧手順>①人命第一 ②復旧対象の優先付

製品安全への取り組み

現在、リスクの大きい自然災害への対策を最優先に取り組んでいます。2003年「自然災害対応マニュアル」を初版として制定し、緊急事態発生時の初期対応として、情報収集、意思決定に必要な緊急時の対応組織、防災備品の備蓄・拡充に努めてきました。昨年度は東日本大震災を教訓に、発生が近いとされる東海・東南海・南海の3連動地震に対応できるよう、さらにマニュアルの拡充を行いました。災害発生時の初期対応で最も大切なことは、社員や家族の安否を速やかに確認することです。当社では、被災状況を迅速・的確に把握するために、登録した連絡先へ安否確認メールの一斉送信と返信された情報を集約できる「安否確認サービス」を導入しています。その他、各種設備、建物などの耐震補強も計画的に行っています。また、見直した自然災害対応マニュアルをもとに、定期的に各種訓練を重ね、防災意識の向上に努めています。

当社は、「絶対に事故は起こさせない」という強い決意のもと製品の計画・設計段階から国内外の法令・規格および当社の安全基準に沿って、危険要因を抽出し、リスク低減対策を行い安全の確保に努めています。2011年度も15名が新たにセーフティアセッサの資格を取得し、計70名となりました。また、2012年4月に商品を実際に見て触ることができる「商品体感センター」を開設しました。お客さまがご安心して商品をご購入いただくことを主目的としていますが、9ページに記載しております「技能安全研修センター」とあわせて社内の営業マンや技術者向けの教育の場としても幅広く活用していきます。

発生頻度

影響度

地震

労働安全管理不良

仕様未達・クレーム・PL事故

集塵機火災労災事故工事中・メンテナンス不備による事故

知的財産係争伝染病

環境賠償責任

海外投資関連

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2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011

80,000

0

40,000

60,000

20,000

(年度)0

2.0

1.0■ 新東工業

■ 国内グループ会社

売上高原単位あたり(新東工業単体 )

CO₂削減計画

活動期間:2006年度~2012年度

目標:2005年度実績の6%削減

(t-CO₂ /百万円)(t)

ドイツ ブラジル 韓国 中国 アメリカ タイ 台湾0

20,000

10,000

(t)

■2010年度 

■2011年度

5 新東工業 CSR報告書 2012

環境とともに

環境マネジメント

当社および国内グループ会社CO2排出量の推移

ISO14001・エコアクション21の認証取得

耐摩耗部品(ロングライフ) 投射材

回収品

新東工業グループ環境方針にもとづき、自社、その社員と家族、そしてお客さまに向けて、地球環境にやさしい活動に積極的に取り組むとともに、事業活動を通じて、社会の持続可能な発展に貢献します。

2011年度のCO₂排出量は生産量の増加に伴い、微増となりましたが、売上高に対するCO₂排出量の原単位は低減することができました。良品づくりへの地道な改善に取り組み、良品率向上や溶解効率向上などが寄与しています。

製造設備を持つグループ会社を含む国内全事業所で環境マネジメントシステムISO14001の認証を受け、ゼロエミッションの実現に向けた取組みをしています。事業活動において、エネルギーや資源のインプット(投入量)とアウトプット(排出量)を可能な限り定量的に把握し、削減に努めています。また、お客様がご使用になった投射材や耐摩耗部品(ロングライフ)など、破砕・摩耗した製品を回収し、メーカー責任として自社製品へ再利用を実施しています。

海外グループ会社は2010年度に引き続いて、各種エネルギーの使用量を把握してCO₂排出量を算出しました。生産量の増加に伴い、CO₂排出量が増加傾向であり、この対策とあわせてCO₂削減目標値の設定検討していきます。加えて、今年より環境保全の取組みを拡充させるべく各社個別に環境に関する取り組みをスタートしました。

当社では、環境マネジメントの国際規格であるISO14001を全8事業所にて認証を取得しています。国内グループ会社においても会社の規模に合わせ、ISO14001もしくは、エコアクション21(EA21)の認証を11社にて取得しています。海外グループ会社では、現在2社がISO14001の認証を取得しており、国内同様に順次取得を目指していきます。

燃料4,495Kl

水161千㎥

電力量66,623MWh

化学物質(PRTR対象)887t

CO₂47,436t

廃棄物7,367t

新東工業国内グループ

投入量INPUT

排出量OUTPUT

製造加工

製品使用

廃棄

回収リサイクル原料

リサイクル6,977t

対象期間2011年4月~2012年3月

事業活動における環境負荷の全体像

海外グループ会社CO2排出量

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コージェネレーションシステム

豊川製作所

6新東工業 CSR報告書 2012

環境に配慮した工場づくり

環境法規制の遵守 お取引先さま向けCSRガイドラインの発刊

2011年6月に「新東工業お取引先さまCSRガイドライン」を制定し、サプライヤーの皆さまにも環境活動にご協力いただいています。

PRTR法に定められる化学物質使用量の把握や届出、大気汚染防止法・水質汚濁防止法にもとづく有害物質の測定を実施し各種環境法規を遵守しています。また、省エネルギー法に基づきCO₂排出量削減計画を策定し取り組んでいます。

当社は、 電力消費量を削減した造型機やショットブラストの新商品の市場投入、 お客さまの既存設備にて省エネを実現するUユニット(設備改造商品)をご提案しています。今後は、設備・機器レベルだけでなく、オフィス・工場レベルから使用電力の見える化と分析を行い、よりお客さまの生産における電力消費量を削減するためにサポートしていきます。

地球温暖化をはじめとした環境への対策が問題になっています。当社では、一人ひとりが関心を持ち、身近なところでできることを実行しようという思いから、2008年より独自のエコ活動「エコラリー活動」を行っています。この活動では、職場または家庭でできるエコな活動を行うと、それぞれの活動に対してポイントが得られます。集めたポイントに応じて、環境に配慮した商品に交換できる仕組みとなっており、当社社員とその家族、国内のグループ会社にも展開し、積極的に楽しく活動しています。

当社豊川製作所では、太陽光発電および屋上緑化を設置するなど、自然豊かな工場を目指しています。また、今春に稼動を始めた中国やブラジルの新工場をはじめ、今後、建設予定の海外グループ会社の新工場では、敷地内の緑化を進め、環境に配慮した地球にやさしい工場づくりを展開しています。

昨年発生した東日本大震災を受け、企業への節電が求められています。当社でも、社内で可能な限りの対策を実施しています。当社豊川製作所では、電力不足や災害により送電が止まった際の対応として、コージェネレーション(熱電併給)システムを活用しています。稼動時に発生する排熱を、空調の冷暖房に活用することで、さらに電力使用量を削減しています。また、工場内の照明を従来の水銀灯から、省電力・長寿命であるメタルハライドランプに順次更新を進めています。関東・東北エリアの事務所では、直行直帰をはじめとするフレキシブルな勤務体制や、執務スペースの周りに仕切り板を配置し、空調の使用スペースを制限するなど、細かな節電対策を行った結果、前年比20%以上の電気代を削減することができました。

社員とその家族の日常生活における節電・省エネ対策

環境保全の取り組み社内の節電対策

お客さまへ省エネマネジメントのご提案

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7 新東工業 CSR報告書 2012

社会・地域とともに

社会貢献活動の展開

新東工業グループは、豊かな社会を実現するために、企業市民として、社会・地域へ私たちならではの活動をグローバルに展開しています。

海外からの留学生やインターンシップの受け入れ

新東工業グループでは、社会とのかかわりを大切にしたいという思いのもと、さまざまな社会貢献活動を長年継続して展開しています。

スーパーサイエンスハイスクール東海地区フェスタ表彰式

財団法人永井科学技術財団の活動

鋳物づくり工房を開催

愛知県留学生インターンシップ

鋳物づくり工房

当社では海外との文化交流を目的に、毎年多くの海外留学生を受け入れています。2011年9月に愛知県主催のインターンシップ事業への参画として、台湾出身の名古屋工業大学学生を受け入れました。ものづくりの現場で現物に触れ、知識を深める実習を行ってもらいました。アメリカのノートルダム大学大学院からは、経営学修士(MBA)課程の学生を、2011年5月から約2ヵ月半受け入れ、当社の生産への考え方を学んでもらいました。また、当社と違う業種の工場見学も行い日本の「ものづくり」への理解をより一層、深めてもらいました。この取組みは今年で20回目となります。中国からは毎年多くの研修生を受け入れており、2011年度は計9名が研修を受けています。 当社の鋳造事業や表面処理事業など、専門知識を深められる研修を経験してもらいました。加えて研修生に、日本文化に触れる機会も設け、文化交流にも貢献しています。

科学技術の振興と社会経済の発展を目的に、当社元会長・故永井嘉吉氏により1983年に設立され、素形材に関連する科学技術の発展と振興を目的とした助成、および国際交流の促進を図る活動を行っています。毎年、各分野において多大な功績を残された研究者や学術研究団体を表彰し、これまでに、延べ約420名へ助成金を贈呈しています。また、「青少年のための科学の祭典」への支援や高校生に科学技術への関心を高めてもらうことを目的とした「スーパーサイエンスハイスクール東海地区フェスタ」に協賛し、昨年は優秀校11校を表彰しています。

こどもたちに鋳物づくりを体験してもらう工房を、「クルマ未来博2011」(2011年11月)、「青少年のための科学の祭典」(名古屋大会:2011年10月、豊橋大会:2012年1月)のそれぞれにて開催しました。愛知万博にて開催以来、過去5年間で約640名のこどもたちに体験してもらいました。ものづくりの楽しさを感じてもらうとともに、私たちのくらしの中で、多くの鋳物製品が活用されていることを紹介しました。

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災害復興支援

8新東工業 CSR報告書 2012

バード・ラスフェ市(ドイツ)地域社会から東日本大震災への支援

タイ大洪水への支援

福島県の小学校へ寄付

タイ新東工業 サイアムブレーター 工場内被災状況

国内外で甚大な災害が発生した際には、社員一人ひとりの支援したいという思いをもとに、可能な限り、 新東工業グループにしかできない活動を、企業として行っています。

※ギムナジウム…ヨーロッパの中等教育機関。日本の中高一貫教育にあたる。 ギムナジウムからの義援金

2011年7月下旬から発生し、3ヶ月以上続いたタイの大洪水では、被害はタイ全土に広がり国民生活に甚大な被害を与えるとともに、日系企業も含め多くの工場が操業停止を余儀なくされ、日本経済にも影響を与えました。当社でもグループ会社のタイ新東工業とサイアムブレーターが、現地社員の住宅や工場に浸水被害を受け、一部の業務を除いて操業を停止したため、10月に災害対策本部を立上げ、各社と連携を取りながら復旧活動を行いました。さらに被災を受けた社員とその家族への支援はもとより、お客さまに投射材の供給不足が起こらないよう、当社をはじめ、グループ会社の韓国新東工業、台湾百利達よりも支援しました。また、被害にあわれた約40社のお客さまの早期生産再開に向け、浸水した設備で使われていたモーターをいち早く手配するとともに、日本より社員を派遣し、機械のメンテナンス、部品交換等、設備の復旧支援を行いました。お客さまをお見舞いに訪問した際には、当社より清掃作業に必要な物資(高圧洗浄機や手袋、長靴、消毒液など)をお渡ししたり、被災地および被災された方々に、新東工業グループより義援金も寄付しました。

福島県にあるグループ会社を通じて、福島市内の小学校のPTAに校舎の放射能除染作業(窓ガラス、外壁などの水しぶき)用に、現地で入手困難であったマスク500枚とビニール手袋900枚を支援物資として送り届けました。また、放射線の影響で屋外活動が制限され、暑くても校舎の窓を閉めて授業が行われていたこどもたちのために義援金を贈り、野外活動として、放射線量の低い仙台市にある動物園への遠足の費用として活用いただきました。

ドイツの現地法人ハインリッヒ・ワグナー・シントーは、1991年から毎年開かれる地元バード・ラスフェ市の夏祭りに屋台を出し、お好み焼きや焼きそばを販売して得られた収益金を、近隣にある幼稚園に寄付する活動や、地元のギムナジウム(※)と数年前からパートナーシップを結び、教材の支援や講義の開催など、様々な貢献活動を行っています。このような継続的な交流から、地域社会との深い信頼関係が築かれたことにより、昨年の東日本大震災の際は、幼稚園やギムナジウム、市役所などから義援金が寄せられ、同地の市長や学校長などからもお見舞い状が寄せられました。また、震災犠牲者を弔うミサや元市長が提唱したチャリティー・コンサートも開催されました。ドイツからの義援に当社の拠出を加算して被災地の福島市内の小学校に贈りましたところ、小学校の児童たちからは、お礼状とともに数多くの写真や日本の伝統的なおもちゃをいただき、当社よりドイツに送り届けました。今後も地域社会との良好な関係を継続して構築していきます。

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2011年9月26日から4日間、韓国のソウルにて開催された、第8回国際アビリンピック(障がい者技能競技大会)の機械CAD種目に、当社より植村晃選手が出場しました。アビリンピックとはアビリティ(能力)とオリンピックをあわせた造語で、障がいのある方が日頃培われた職能技術を競う大会です。障がいのある方の職業能力の向上を図るとともに、企業や社会から理解と認識を深め、雇用の促進を目的として開催され、国際大会はおおむね4年に一度開催されています。植村選手は2008年全国大会にて日本一に輝き、国際大会の派遣選考会を経て、日本代表に選ばれました。国際大会では惜しくもメダル獲得は逃したものの、この経験で培った技術と経験を社内に広めて、技術者の育成に生かしていきます。

9 新東工業 CSR報告書 2012

社員とともに

当社では2011年度に、九州事業所・大崎事業所・大治事業所がOSHMSの仕組みを導入し、全事業所にて安全衛生活動の基盤ができました。特にリスクアセスメント活動をさらに強化した結果、災害発生数が減少し、2011年度は2年ぶりに休業災害ゼロを実現することができました。今後は内部監査を各事業所で相互に行い、互いに切磋琢磨し、更なる安全衛生管理の向上を目指します。

安全文化醸成への挑戦 新東工業グループは安全をすべてに優先しています。安全文化をより一層醸成するための活動を積極的に行っています。

新東工業グループは、活人主義(技能=経験=長期雇用)の考えのもと、社員の技能・知識・実践力を高める取り組みを行っています。安全で快適な、いきいきと働ける職場の環境づくりを推進していきます。

全事業所にて労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)認証取得

国際アビリンピック・機械CAD種目に日本代表として出場

トピックス

会場入り口

メンタルヘルスケア

心と体の健康管理

休業度数率の推移 ※休業度数率:労働災害の発生率を示す安全指標の一つです。

0.951.051.071.05

1.020.76

0.96

2007 2008 2009 2010 2011(年)

0 0

0.54

新東工業

製造業(全国平均)

0

1

0.5

モノづくりへの安全意識向上と技能伝承安全に対する強い思いは、安全の「場づくり」と「人づくり」の観点から、年間の全社計画を立て、各事業所へと水平展開して実行しています。当社の「安全をすべてに優先する」という強い思いを全員で共有化するとともに、技能伝承の加速を目的とした、技能安全研修センターを2008年に設立しました。当センターでは、工場での作業の危険性を自ら体感する安全体感教育と、当社独自の固有技能の教育・訓練によるモノづくりの技能の伝承・向上を行っています。講師は社内技能資格者制度の最高位である熟練技能者の「工師」が務め、長年培われてきた技能をもとに若い世代を育てることで、高品質なモノづくりの技術を継承しています。また、受講者は設立以来延べ約1,400名となり、対象も当社社員に限らず、国内・海外グループ会社や代理店、現地工事の協力会社まで広げ、安全への意識を高める活動を展開しています。 研修風景

競技風景

社員が心身ともに健康を保ち、いきいきと働くことができる職場環境を提供することは、企業にとって非常に重要な課題の一つになっています。健康管理体制の充実、疾病の予防・早期発見、メンタルヘルス対策などに取り組んでいます。

当社では、保健師による「メンタルヘルスアンケート」を実施し、健康診断時の面談を通じて早期発見・治療への取り組みを行っています。また、定期的なセミナーの開催、社内報による啓蒙活動を継続するとともに、職場復帰に向けた支援プログラムを作成し、再発防止にも取り組んでいます。

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コンプライアンス

ISO26000への対応(コンプライアンス・情報開示・リスク マネジメント分野に関する対応方針 の立案)下請法遵守マニュアルの策定

ISO26000規格への対応(抽出した31評価項目に関して担当部門 にて評価、とりまとめ)

リスクマネジメントリスクマネジメント地震および災害対策の全体の見直し

リスク管理基本方針の策定と具体的取組方法の決定、実行

事業継続計画(BCP)の周知・徹底

「自然災害防災マニュアル(改訂3版)の事業所定着

情報開示 インサイダー取引規制対応の強化 インサイダー取引規制の見直しと周知徹底活動

10新東工業 CSR報告書 2012

当社は、年度毎に活動計画を策定し、各活動を実施しています。活動の進捗状況は、社内横断組織で構成されたCSR委員会で定期にフォローし、グループ全体での総合的なCSR活動を推進しています。

※ 年度目標の達成度の評価基準:★★★目標達成、 ★★目標の80%以上、★目標の80%未満

2011年度の主な取組み 達成度 2012年度の目標

CSR活動における2011年度実績と2012年度目標

海外グループへの展開

環境法規遵守の継続実施

日常生活における節電・省エネ対策

環境異常の状況把握と再発防止の仕組みづくり事業所別・工場別の電力負荷管理による環境負荷の低減

環 境

労働安全衛生マネジメントの横展開(九州・大治・大崎各事業所の認証取得)

各事業所のリスク低減(特に設備面を優先して実施)

商品計画・設計段階からのリスクアセスメント

安全・品質

労働安全衛生マネジメントシステムの2事業所更新審査(幸田・一宮)

製品安全設計リスクアセスメントの改善(残留リスクの情報開示)

人権・労働心身の健康管理施策の展開(早期発見活動、未然防止活動)

総労働時間管理の徹底勤務管理システムの活用、休暇取得促進

メンタルヘルスのマニュアル化と定着

社会貢献 東日本大震災への対応 地震で被災した特定の市町村への義援

国内グループへの展開

グループ会社の社内体制の整備(啓蒙活動・社内調査定着の支援)

重点分野についての定着確認と指導各社の経営会議・業務監査にて実施

海外グループ会社のエネルギー消費量のデータ収集

仕入先への展開

お取引先さま向けCSRガイドラインの展開

環境負荷物質の代替品への切替え

お取引先さま向けCSRガイドラインの展開(反社会的勢力の排除、グリーン調達遵 守を基本契約にて締結)

ISO14001の認証取得廃棄物の削減CO2排出量の削減

タイ大洪水への対応

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