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APPLICATION NOTE 21777
キーワードNIBRT、バイオ医薬品、バイオ生産、品質保証/品質管理、バイオ治療薬、免疫グロブリンG(IgG)、モノクローナル抗体(mAb)、重要品質特性、インタクトタンパク質分析、タンパク質特性解析、チャージバリアント分析、セツキシマブ、先行医薬品、バイオシミラー、カチオン交換クロマトグラフィー、CEX、イオン交換クロマトグラフィー、MAbPac SCX-10、pHグラジエントバッファー、CX-1 pHバッファー、Vanquish Flex UHPLC
著者Silvia Millán, Anne Trappe, Amy Farrell,
and Jonathan Bones
Characterization and Comparability
Laboratory, NIBRT – The National
Institute for Bioprocessing Research
and Training, Dublin, Ireland.
アプリケーションの利点• バイオシミラーのチャージバリアントを、1回の分析で、高い信頼性で評価可能
• クイックアッセイの最適化、移動相の評価は不要
• メソッドの多様性によるリスクを抑制
目的先行バイオ医薬品(セツキシマブ)とバイオシミラー候補品分子のチャージバリアントプロファイルを特性解析するための、pHグラジエントとイオン交換クロマトグラフィーを組み合わせたシンプルなワークフローに基づくアプローチの有効性を実証すること。本アッセイが、簡便かつ再現性があり、容易に最適化でき、バリアントを効果的に分離できることを明らかにすること。
はじめに医薬品用タンパク質は、大きく不均質な分子であるため、発現、精製、長期保存の過程で種々の酵素修飾や化学修飾を受けます。中でも、酸化や脱アミド化、グリコシル化、凝集、ミスフォールディング、吸着などの一部のタンパク質修飾は、医薬品の効能低下や好ましくない免疫反応につながる可能性があります。
モノクローナル抗体の先行医薬品とバイオシミラー候補品のチャージバリアントプロファイルの比較の簡便化
Innovator
Biosimilar
2
バイオシミラーとは、先行タンパク質医薬品と類似しているものの、異なるバイオプロセスで作られる医薬品用タンパク質です。先行品とバイオシミラーは、モノクローナル抗体を発現する細胞株によって精製過程がわずかに異なったり、最終配合成分が異なったりすることで、違ったものになることがあります。市場に投入されるバイオシミラーの数が増えている中で、バイオシミラーと先行バイオ医薬品の類似点と相違点を確実に評価できる、堅牢で信頼性の高い分析手法が求められています。バイオシミラーの承認にあたっては、ロット間およびバッチ間の比較、安定性試験、不純物のプロファイリング、グリコプロファイリング、関連するタンパク質や賦形剤、タンパク質凝集体の同定など、医薬品用タンパク質に関する詳細な解析が規制当局から要求されます1。
モノクローナル抗体(mAb)の特性解析では、製品の品質と安定性に関して有益な情報が得られることから、電荷の不均一性の評価が極めて重要です。電荷の複雑な不均一性は、C末端リジン修飾2や脱アミド化といった翻訳後修飾(PTM)などの分子適応によって生じると考えられます。
タンパク質の電荷は、含まれるイオン性アミノ酸の数と種類によって決まります。リジン、アルギニン、ヒスチジンの残基は塩基性です。一方、グルタミン酸やアスパラギン酸の残基は酸性です。イオン性基にはそれぞれ固有の酸解離定数があるため、イオン性アミノ基の数と種類を見れば、所定のpHでの特定のタンパク質の総電荷数が分かります。これをタンパク質分子全体で考えると、表面の正味電荷が0になるpH値、すなわち等電点(pl
値)は、タンパク質によって異なります。
生じうる電荷のバリアント(チャージバリアント)は、タンパク質の分子量に伴い増加し、電荷はPTMに応じて増減します。電荷特性を利用してmAbを分離、解析する場合、通常多数のバリアントが確認されます。これらのバリアントは一般に、タンパク質のメインのアイソフォームに対して、「酸性」バリアントまたは「塩基性」バリアントと呼ばれます。
イオン交換クロマトグラフィー(IEX)は、医薬品用タンパク質の特性解析に広く用いられる有力なリファレンス手法で3,4,5、電荷の不均一性の定性評価、定量評価に使用されています。IEXは、電荷担体との相互作用の差異に基づき、チャージバリアントを分離します。カチオン交換クロマトグラフィー(CEX)は、チャージバリアント分析法のゴールドスタンダードとされていますが、分析するそれぞれのタンパク質に合わせてカラムの種類や移動相の組成(pHや塩濃度)などのパラメーターを最適化する必要があるため、多くの場合メソッド開発が複雑になります6。
CEXは、塩グラジエントまたはpHグラジエントを利用してタンパク質を分離します。どちらの手法でも最適化により良好なピーク形状を得られますが、市販の移動相を使って直線的なグラジエントを容易に生成できる簡便さがある点で、pHグラジエントの方が有利です。実際、塩グラジエント溶出にバッファーを再現性良く調製することは困難です。また、塩グラジエントはHPLCシステムの金属部品の腐食につながるおそれがあるため、ステンレス鋼の使用を避けるか、定期的に不活性化処理を施して腐食を防止する必要があります。
HPLCグラジエントの際、直線的にpHが変化する最適なバッファーを選択することにより、塩グラジエントバッファーよりもpHグラジエントバッファーの方が再現性の高い移動相を調製でき、メソッド選択の一貫性と高い保持時間精度を実現できます7。また、pHグラジエントは容易に最適化できるため、より幅広いタンパク質のmAbバリアント分析に活用できます。しかしながら、モノクローナル抗体の酸性および塩基性バリアントを最適に分離するには、グラジエントによりpHを安定して直線に変化させることが、選択性と分離能を高めるために重要です。
一般に、モノクローナル抗体は6~10の等電点(pl値)を有します。タンパク質は、等電点と等しいpHでは、IEXの固定相との間でイオン相互作用が起きません。pHグラジエントを用いてタンパク質と固定相との間で相互作用が起きないようにすれば、カラムからタンパク質が溶出します。そのためには、移動相の開始pHをプロテオフォームの最小pl値よりも低く、最終pHを最大pl
値よりも若干高く設定する必要があります。CEXでチャージバリアントを分離すると、メインピークよりも先に酸性バリアントが溶出し、メインピークの後に塩基性バリアントが溶出します。
このアプリケーションノートでは、T h e r m o S c i e n t i f i c™
MAbPac™SCX-10カラムを搭載したThermo Sc ient i f i c
Vanquish™ UHPLCシステムと、Thermo Scientific pHグラジエントバッファープラットフォームを組み合わせたCEXアプローチによる、生体分子チャージバリアントプロファイルの比較を紹介します。これは、アッセイ開発が短時間で行え、メソッドの多様性によるリスクが低いシンプルなソリューションです。
3
pHバッファープラットフォームは、pH 5.6の低pHバッファーAとpH 10.2の高バッファーBで構成されます。100%バッファーAから100%バッファーBまで、pH 5.6からpH 10.2の範囲でリニアグラジエントを実行することで、幅広いmAbに対して堅牢で再現性のあるグラジエントを適用できます。既存のLCカラムや装置にそのまま使用でき、煩雑な移動相の調製も不要です。移動相のグラジエントを変えると分離を調節でき、最適なメソッドが得られます。
MAbPac SCX-10 LCカラムとpHバッファープラットフォームを組み合わせると、mAbと関連するバリアントの高分解能、高効率分析が可能です。独自のノンポーラスペリキュラー充塡剤により、一つだけ荷電残基が異なるmAbバリアントも分離できる優れた分解能が実現します。ポリマービーズ表面に親水性層が形成されており、この親水性層により、樹脂との疎水性相互作用が抑制され、高効率なピークが得られます。また、当社独自の表面のグラフト化陽イオン交換基によりpH選択性の制御が得られ、高分離能を実現できます。
Vanquish Flexクォータナリシステムは、最新のクォータナリ低圧混合ポンプを搭載し、正確性、精度、感度の新たなベンチマークを確立するバイオコンパチブルUHPLCシステムです。Thermo
Scientific Viper™フィンガータイトフィッティングをシステム全体の接続を簡単に設定できます。
本アプリケーションノートでは、CHO細胞株(Thermo Scientific
ExpiCHO™発現システム)で産生したバイオシミラー候補品の比較対象モデルとして、哺乳類細胞株(Sp2/0細胞)で産生したIgG1キメラ型モノクローナル抗体であるセツキシマブ先行医薬品を選びました。両者のプロファイルの違いがよく分かる複雑さのチャージバリアントを有するものとしました。
バイオシミラー候補品mAbと市販のIgG1キメラ型抗体先行品のチャージバリアントプロファイルの比較は、MAbPac SCX-10
HPLCカラムと、UV検出器を搭載したVanquish FlexクォータナリUHPLCシステムを使用して、pHグラジエントモードで行いました。
実験
薬品・試薬• イオン交換水、比抵抗18.2 MΩ・cm
• Thermo Scientific CX-1 pHグラジエントバッファーA、pH 5.6(P/N 085346)
• CX-1 pHグラジエントバッファーB、pH 10.2(P/N 085348)
• Thermo Scientific Chromacol™バイアル(1.2-UHRSV)
• Chromacolキャップおよびセプタム(9-SCX(B)-ST1X)
• カルボキシペプチダーゼB(150ユニット/m g、R o c h e
Diagnostics™ P/N 10103233001)
バッファー調製• 移動相Aまたは溶離液A:Thermo Scientific CX-1バッファーA
(pH 5.6)をイオン交換水で10倍希釈
• 移動相Bまたは溶離液B:CX-1バッファーB(pH 10.2)をイオン交換水で10倍希釈
サンプル調製サンプルをイオン交換水で5 mg/mLに希釈しました。C末端リジンの有無を検証するため、サンプルとカルボキシペプチダーゼBを37℃で2時間、500 rpmでインキュベーションして消化させました。
分離条件装置以下で構成されるVanquish FlexクォータナリUHPLCシステムを使用しました。
• クォータナリポンプF(P/N VF-P20-A)
• カラムコンパートメントH(P/N VH-C10-A)
• スプリットサンプラーFT(P/N VF-A10-A)、25 µLサンプルループ付き
• ダイオードアレイ検出器HT(P/N VH-D10-A)、Thermo
Sc ient i f i c L ightP ipe™ 標準フローセル10 mm(P/N
6083.0100)付き
4
結果と考察セツキシマブ先行医薬品とバイオシミラー候補品の分離結果をそれぞれ図1、図2に示します。図1a、図2aは、MAbPac SCX-10
HPLCカラムを用いてグラジエントA、pH 5.6~10.2の範囲で分離した結果です。図1b、図2bは、これより勾配が低く、狭い範囲のpHグラジエントでの分離結果です。いずれの条件でも予想どおり短時間でチャージバリアントを分離できましたが、勾配が低い方が高い分解能が得られ、バリアントを良好に同定できました。
分離条件流量: 1.0 mL/min
カラム温度: 30℃オートサンプラー温度: 10℃注入量: 10 µL
ダイオードアレイ検出器設定: 280 nm
pHグラジエント: 表1
時間(分)溶離液B%
グラジエントA グラジエントB
0.0 0 1030.0 100 4030.1 0 1040.0 0 10
表1:pHグラジエント条件
データ処理ソフトウェアThermo Scientif ic Dionex™ Chromeleon™ クロマトグラフィーデータシステム(CDS)7.2.4
図1:MAbPac SCX-10、10 µm、4×250 mmカラムを用いた市販のIgG1キメラ型mAbバリアント(セツキシマブ)のクロマトグラム―a)pHグラジエントA、b)pHグラジエントB
図2:MAbPac SCX-10、10 µm、4×250 mmカラムを用いたセツキシマブのバイオシミラー候補品バリアントのクロマトグラム―
a)pHグラジエントA、b)pHグラジエントB
吸光度(mAU)
2.0 4.0TIme(min)
40.06.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0
32.6
-0.4
5.0
10.0
15.0
20.0
30.0
25.0
b)
92.5
-1.8
5.020.030.040.050.060.070.080.0
a)
40.0
10.0
100.0
0.0
吸光度(mAU)
2.0 4.0
TIme(min)40.06.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0
24.4
-0.4
2.55.07.510.012.515.017.520.022.5 b)
57.1
-0.85.010.015.020.025.030.035.040.054.050.0
a)
40.0
10.0
100.0
0.0
a)
5
図3は、最適化されたpHグラジエントBを用いて、セツキシマブ先行品(黒線)と自社生産したセツキシマブバイオシミラー候補品(青線)のチャージバリアントプロファイルを比較した結果です。C末端リジンがトランケーションしたバリアントと、その他の酸性、塩基性バリアントが良好に分離されています。両サン
プルで10のバリアントを示すピークが確認できました。ピーク6とピークFをメインのアイソフォームとしました。特に市販医薬品のピーク3、4、9は、アナライト間でのチャージバリアントプロファイルの相違が目立ちます。
図3:MAbPac SCX-10カラム(4.0×250 mm、10 µm)を用いてpHグラジエントモードで市販のIgG1キメラ型mAb(黒線)とセツキシマブバイオシミラー候補品(青線)を分析し、チャージバリアントプロファイルを比較。各ピークの番号はクロマトグラムのピーク数に応じたもので、ピークの識別番号ではない
12
3H I
J
吸光度(
mA
U)
Time (min)
2.50.02.04.06.08.010.012.014.016.018.020.022.024.026.028.030.032.034.036.038.0
40.4
4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0 40.02.00.0-4.1
セツキシマブ(市販)
4
5
6
78
9
10
セツキシマブバイオシミラー候補品
AB
DC
E
F
G
チャージバリアント分析で一貫してピークを同定するには、保持時間精度(RSD)が重要です。セツキシマブ先行品とバイオシミラー候補品をそれぞれ連続注入して、保持時間精度を測定しました(図4、図5)。10個のピークの精度を評価した結果を表2、表3
に示します。全ピークの保持時間のばらつきを表す平均相対標準偏差(RSD)は0.14%でした。ピーク別に見ると、もっともばらつきが大きかったのは早期に溶出した少量成分で、0.65%でした。
図4:セツキシマブ先行品を6回連続注入した、クロマトグラムの重ね書き
1 2
吸光度(
mA
U)
Time (min)
2.00.0
4.06.08.010.012.014.016.018.020.022.024.026.028.030.032.034.0
28.013.012.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 20.0 21.0 22.0 23.0 24.0 25.0 26.0 27.0
3
4
5
6
78
9
10
セツキシマブ市販医薬品
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0 40.0Time [min]
-4.1-2.0
0.02.04.06.08.0
10.012.014.0
22.024.026.028.030.032.034.036.038.040.4
min
mAU
16.018.020.0
6
チャージバリアントピーク 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
保持時間(分) 14.50 14.75 15.64 16.94 18.33 19.89 20.42 21.72 23.48 24.89
保持時間精度(%RSD) 0.44 0.13 0.05 0.08 0.08 0.07 0.28 0.08 0.19 0.05
表2:セツキシマブ先行品のチャージバリアント分析(図4)におけるピーク保持時間精度(n=6)
図5:セツキシマブバイオシミラー候補品をMAbPac SCX-10カラム(4.0×250 mm、10 µm)に連続注入し実施したpHグラジエント分離
G
H IJ
E
D
A B
吸光度(
mA
U)
Time (min)
0.001.252.553.755.006.257.508.7510.0011.2512.5013.7515.0016.2517.5018.7520.0021.25
-1.4028.013.012.0 14.0 15.0 16.0 17.0 18.0 19.0 20.0 21.0 22.0 23.0 24.0 25.0 26.0 27.0
C
Fセツキシマブバイオシミラー候補品 mAU
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0 40.0Time [min]
-4.1-2.00.02.04.06.08.0
10.012.014.016.0
24.026.028.030.032.034.036.038.040.4
18.020.022.0
Abso
rban
ce (m
AU)
チャージバリアントピーク A B C D E F G H I J
保持時間(分) 15.38 16.18 16.65 17.51 18.19 19.97 21.91 22.94 24.52 25.17
保持時間精度(%RSD) 0.10 0.65 0.08 0.13 0.04 0.03 0.01 0.20 0.11 0.04
表3:セツキシマブバイオシミラー候補品のチャージバリアント分析(図5)におけるピーク保持時間精度(n=6)
いずれのmAbも、ピーク7~10(G~J)は、メインピーク(図4、図5)のC末端リジンがトランケーションしたバリアントであると仮定しました。各ピークの保持時間のばらつきの原因が重鎖のC末端リジン含有量の相違であることを検証するため、C末端リジン残基を切断するエキソペプチダーゼであるカルボキシペプチダーゼB(CPB)でmAbを処理しました。すると、両サンプルでピーク7~10(G~J)が定量的に消失しました(図6、図7)。セツ
キシマブ先行品は、ピーク8に1個、ピーク10に2個の末端リジン残基があります。リジンがトランケーションしたその他のマイナーバリアントはピーク7と9です。一方、バイオシミラー候補品は、ピークGに1個、ピークJに2個の末端リジン残基があります。リジンがトランケーションしたマイナーバリアントは、明らかにピークHとIです。
7
図6:セツキシマブ先行品のC末端リジンがトランケーションしたバリアントの特性解析。MAbPac SCX-10カラム(4.0×250mm、
10 µm)、pHグラジエントモードを使用
21
3
4
5
6
78
9
10
12
3
4
5
6
吸光度(
mA
U)
Time (min)
2.50.02.04.06.08.010.012.014.016.018.020.022.024.026.028.030.032.034.036.038.0
40.4
4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0 40.02.00.0-4.1
セツキシマブ市販医薬品
カルボキシペプチダーゼBで処理したセツキシマブ市販医薬品
KK
K
図7:セツキシマブバイオシミラー候補品のC末端リジンがトランケーションしたバリアントの特性解析。MAbPac SCX-10カラム(4.0×250mm、10 µm)、pHグラジエントモードを使用
BA B
IJ
H
吸光度(
mA
U)
Time (min)
28.1
4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 20.0 22.0 24.0 26.0 28.0 30.0 32.0 34.0 36.0 38.0 40.02.00.0-2.4
0.0
2.0
4.0
6.0
8.0
10.0
12.0
14.0
16.0
18.0
20.0
22.0
24.0
26.0
セツキシマブバイオシミラー候補品
カルボキシペプチダーゼBで処理したセツキシマブバイオシミラー候補品
C D
E
F
G
A
C D
E
F
KK
K
まとめ• この方法により、先行医薬品とバイオシミラーのモノクローナル抗体における電荷の不均一性の違いを評価することができました。
• pHグラジエントは、チャージバリアントのイオン交換分析を簡易化できる有用な手法です。CX-1 pHグラジエントバッファーは、迅速化や再現性のニーズに応えるプラットフォームで、メソッドの開発と最適化も容易になります。
• CX-1 pHグラジエントバッファーとMAbPac SCX-10カラム、Vanquish Flex UHPLCシステムを組み合わせると、バイオ医薬品のチャージバリアントを最高レベルで分離でき、優れた保持時間精度が実現します。
参考文献
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サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社
www.thermofisher.com
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