Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
ウランバートルの大気汚染
経済発展とともに
大気汚染は深刻化
• 冬になると
普通の生活ができない
プレゼンの流れ
1. 大気汚染の現状
2. 原因分析
3. 対策の現状
a)行政
b)国際機関
c)ゲル地区住民
4. 結論
5. 展望
フィールドワーク
事前調査
ウランバートル
• モンゴルの人口の約4割が密集している。
• 面積 : 4,704 km²
• 経済成長率 : 11.7% (2013), 7.8%(2014)
ゲル地区
• 柵で囲われた一定区画の土地(ハシャー)に移動式家屋あるいは固定式家屋を建てて暮らす人々の地区
• ウランバートル市の人口の5割から6割が住んでいる
ゲル地区の大気汚染
• 石炭ストーブが大気汚染の主要因
• ゲル地区に住んでいる約84万人の中で83%が石炭ストーブを使用
現状
PM とは
• PM=粒子状物質
環境中にある、ざまざまな種類や性状、大きさ を持つ粒の総称
• PM2.5=粒径2.5μm以下
pm2.5は人間の気管支を通りやすく、肺胞など肺の奥に達するため、気管支炎や喘息といった呼吸器疾患の原因となると言われている。
他国との比較
0100200300400500600700800
Pm10の濃度比較
他の都市の約7倍以上!!
(出典:Air Quality Analysis of Ulaanbaatar-4.pdf)
ウランバートルのPM濃度
Pm10μg/m3 Pm2.5μg/m
3
中心部 150-250 75-150
ゲル地区 350-700 200-350
約2〜3倍
ゲル地区の大気汚染は
冬がひどい!!!
PM2.5の年間平均濃度 (2008~2011)
年間平均濃度120μg/m3 冬は750μg/m3に達することもある冬は基準値の約40倍!!(出典:particulate pollution un Ulaanbaatr.Mongolia-2.pdf)
健康被害
①短期的な影響・目、鼻、喉の炎症・ 喉の感染症
②長期的な影響・慢性の呼吸器系の病気・肺癌・心臓病・脳、神経、肝臓、腎臓
健康被害②
市民の死亡の原因の10%を占めると推定されている
大気汚
染
29%
その他
71%
心肺病による死の原因
大気
汚染
40%その
他
60%
肺癌による死の原因
(出典:particulate pollution un Ulaanbaatr.Mongoli2.pdf)
ゲル地区住民の声
咳がひどい
冬になると喉が痛くなる
肺がひどくなっている気がする
原因
大気汚染の各発生源
• ゲル地区のストーブ
• 発電所
• Heat only boiler• 自動車の排気ガス
• 砂埃、Heat only boilerなど
• 参考文献)Table 5: Estimated emissions inventory for Ulaanbaatar in 2010 (in tons) 76/132ページ
ゲル地区
ストーブ
57%発電所
28%
自動車 排
出ガス
4%
その他
11%
ゲル地区 ストーブ 発電所
ゲル地区のストーブ
・冬に石炭の使用量が激増する。 Cf 1世帯/1年 石炭5トン
・伝統ストーブ 低質な石炭
・ほとんど集塵率0%の状態で、石炭5トンを燃やしている。
→モンゴルの大気汚染の主な発生源といえる
背景分析
政治的要因
• 政策:前政権の大気汚染提言委員会⇒現政権になって崩壊
• 大気汚染:体感として短期ではわからない問題
But 政府は選挙に勝つための短期的な政策を行いがち
=長期的な政策を行いづらい
↓
解決できない!
文化
• 分散文化→定住文化への急激な変化
今までは、遊牧という分散型の形態だったモンゴル人が、民主化後にウランバートル市に集中→急激な変化に対応できていない
(例)ゴミの投棄
貧困
• 貧困データ
ゲル地区:Below Poverty Line 45%
Very poor 14%
• →ストーブ対策につながる
まとめ
石炭 ストーブ
砂埃 政治的要因
自動車の排出ガス
発電所
貧困
文化的要因
地理的要因
インフラ整備
まとめ :なぜモンゴルは大気汚染が解決できないのか?
• 大気汚染の主原因は「ゲル地区暖房」
But 暖房がなければ住民は生活できない+貧困で良質なストーブ・石炭を買えない
• 問題が複雑で様々なことが絡み合ってる→対策が難しい
大気汚染問題は複雑で、根本的解決は難しい
ゲル地区での大気汚染対策に絞って調査
フィールドワークの概要
住民 国際機関 行政
9月2日ゲル地区住民 8月25日世界銀行Dolginさん
8月26日ゲル地区開発局
行政
行政の対策①
〈法整備〉
2010年 新法
“汚染者が金を払う”原則に基づき、大気汚染源に罰金を科す。集めたお金で対策。
工業で1kgの石炭→1tg
改良石炭やエコカーは免除
⇒しかし、規制としては不十分…http://www.mongoliaeconomy.com/law-passed-to-reduce-air-pollution-2/
行政の対策②
〈改良ストーブへの補助金〉
MCA,世界銀行と政府のCAF(Clean Air Fund)
• ゲル地区に25か所の製品センター
←認定ストーブの販売・修理
• パンフレットの配布・啓発
⇒既に16万家庭へ販売。ゲル地区のほとんどをカバー。
行政の対策③
〈改良石炭の生産、普及促進〉
・基準を満たす改良石炭への優遇税制
・ゲル地区での販売(09~)
・販売網の構築、消費者教育
⇒しかし… 前人民党政権が導入、現民主党政権が中止。
行政の対策④
〈ゲル地区再開発〉
ゲル地区でアパート化を推進
ゲル地区再開発局…2012年UB市設立
プロジェクトサイト…24か所
78292/799000人1506/9752 hector ゲル地区の10%ほどが対象T. BAYARMUNKH, “RE-PLANNING PROJECTS FOR GER AREA IN ULAANBAATAR, MONGOLIA”, GER AREA DEVELOPMENT AGENCY OF ULAANBAATAR CITY
行政の対策④
ゲル地区再開発局…住民の参加を重視⇒地域密着型の組織
出典:T. BAYARMUNKH, “RE-PLANNING PROJECTS FOR GER AREA IN ULAANBAATAR, MONGOLIA”, GER AREA DEVELOPMENT AGENCY OF ULAANBAATAR CITY, p16
国際機関
国際機関の対策①
〈世界銀行〉
• 改良ストーブ
世界銀行UBCAP(2012~2017年)
45000個の改良ストーブ販売
• Feasibility study(発電所、アパート化…)
• 啓発
テレビコマーシャルなどを利用した啓発活動
国際機関の対策②
〈JICA〉• 専門家派遣• 機材供与(HOB、大気汚染計測施設)• 人材育成、組織構築
大気汚染関連機関の連携強化
日本留学
行政の対策
1.改良ストーブ(世界銀行と協力)
2.法整備
3.改良石炭
4.ゲル地区再開発
国際機関の対策
1.改良ストーブ(政府と協力)
2.住民の啓発
ゲル地区大気汚染対策
行政 国際機関
④改良ストーブ
②法整備
①改良石炭
③地区再開発
⑤住民の啓発
ゲル地区住民
5つの対策
ゲル地区住民6人に対して
インタビュー調査
9月2日
ゲル地区住民インタビュー
現状&対策
• 健康被害
-冬はひどい。
-子供に特に被害がひどい。
-後でどうなるか分からない。
• 情報
-テレビや新聞
-市役所
→ 不安は抱いているようだが、しょうがないと思っている。得ている情報も限られている。
現状&対策
• 改良ストーブを買って使っている。
• 木を植える。
• 自分でやることはあまりないと思っている。
しかし、、、
改良ストーブを買って使っているが、なぜそれがいいかはわかっていない。
政府に求めること
• 再開発事業&アパート化
• やってくれることあったら協力
→ 政府の政策への批判が少ない。
政府の構造の問題のことなどを知らないと推測される。
政府に頼りすぎている。
対策に対する住民の声
• 大気汚染対策として何をやってきましたか?
→改良ストーブ(③→⭕)
• 政府に求めることはなんですか?
→再開発事業を進めてほしい(④→⭕)
• 大気汚染に対する情報はどこで聞きますか?
→テレビ新聞で聞くがあまり効果ない(⑤→❌)
①、②は過去の大気汚染対策として言及なし
(①、②→❌(?)
ゲル地区大気汚染対策
行政 国際機関
改良ストーブ
法整備
改良石炭
ゲル地区再開発
住民の啓発
ゲル地区住民
協力
普及
効果ない
言及なし
言及なし
大気汚染解決へ進歩
有効
なぜ改良ストーブとゲル地区開発事業は
有効だったのか
共通点あり
共通点=地域密着型
• 改良ストーブ
→販売店
→販売員
→パンフレット
• ゲル地区再開発
→実際に足を運ぶ
→住民と直接やりとり
結論
大気汚染対策は地域密着型が有効である
• 法整備
→パンフレット作成、説明会
• 改良石炭
→製品センター、販売員
• 他の場所の再開発
→地元住民の声を聞く
• 住民の啓発
→学校教育、説明会
展望:他の対策も地域密着型へ
最後に
• アジア開発あるいは国際開発を考える上で、自国と違う対策が有効なことがあり、地元の実情を知ることが必要である。
• 対策に協力してもらうには、対策の必要性理解してもらうために人と人との関わりが大事なのではないか思った。
• 参考文献Bayarmunkh, T. “RE-PLANNING PROJECTS FOR GER AREA IN ULAANBAATAR, MONGOLIA.”, GER AREA DEVELOPMENT AGENCY OF ULAANBAATAR CITY.Cities Alliance. “Urban Poverty Profile –A Snapshot of Urban Poverty in Ger Areas of Ulaanbaatar City.” (2010).
Enkhbayar, T. “Ger district and its development potentials in Mongolia.” (2014).
Ganbaatar, B. “Policy, actions and short term Policy, actions and short term countermeasures to reduce air countermeasures to reduce air pollution of Ulaanbaatar city.” (2008).
Guttikunda, Sarath K., et al. "Particulate pollution in Ulaanbaatar, Mongolia." Air Quality, Atmosphere & Health 6.3 (2013): 589-601.Guttikunda, Sarath. "Urban air pollution analysis for Ulaanbaatar, Mongolia." (2008).Taku, K. “Mongolia Enhancing Policies and Practices for Ger Area Development in Ulaanbaatar.”GTZ. “Air Pollution Reduction in UB.” (2009).
THE WORLD BANK. “Air Quality Analysis of Ulaanbaatar, Improving Air Quality to Reduce Health Impacts.” (2011).
赤塚雄三, and 高橋盛親. "モンゴル: ウランバートル首都圏一極集中による都市居住環境の変容." 国際地域学研究= Journal of regional development studies 6 (2003): 25-57.
武本行正, et al. "モンゴル・ウランバートル市の PM 等大気汚染について." 四日市大学環境情報論集 16.1 (2012): 21-29.
チンバット,フフー. "ウランバートル市のゲル地区及び集合住宅地区住民の居住意識の比較研究: 住民の居住意識と市の住宅政策の方向性に関する一考察." 都市科学研究 3 (2010): 27-39.
NHK エコチャンネル 「『世界最悪』モンゴルの大気汚染」(2014 年 1 月 30 日放送) http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?did =D001377302800000