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エリア 保安検査外 保安検査場 保安検査内 搭乗口 エリアでの 情報接触態度 【 全体把握 】 空間全体をつかむため注視特性の中で 見出し的情報を短時間で視認する 【 興味情報の内容取得】 興味があるものへの注視時間が長くなる 【 詳細理解】 情報を長く視認 広告注視特性 広告へ割かれる注視時間は振れ幅が大きい 全般的に広告の注視時間が長くなる 長い時間の 広告注視 視線の分散 案内サイン注視特性 案内サインへの注視が長い サイン認知は非効率的で負荷が高い 案内サインへの注視は短くなる サイン認知は効率的で負荷が低い エリア 保安検査外 保安検査場 保安検査内 搭乗口 移動動線詳細エリア B1 フロア B1~2F エスカレータ 2Fチェックイン カウンター付近 保安検査場 2F_保安検査内 E~Fコンコース 2F_保安検査内 E~F動く歩道 2F_保安検査内 F~Gコンコース 2F_保安検査内 F~G動く歩道 搭乗口 広告 平均総注視時間(ms): 591.9 2351.8 148.1 791.2 976.8 721.9 815.4 29529.7 サイン 平均総注視時間(ms): 1797 1780.6 1783 1184 1123.1 平均総注視時間(ms)の 比較 広告への 接触態度 選択的注意性が 高い 周囲全般の 探索性が高い 案内サインへの 注意が高い 広告の要素、情報量に応じ、瞬間視/全体視が変わる見方 メッセージを読む ような見方 アイコン的な要素や大 きなメッセージなどが 優先的に見られる傾向 移動タスクが一時的に なくなるため、周囲全 般を見る傾向 搭乗手続きがあるため 広告への注視自体が少 なくなる傾向 注視時間が長くとれるようになるため、広告要素により、見方を変える傾向。 シンプルな広告は瞬間的に見られ、メッセージなどが含まれると広告内全体を見る傾向 往復的に広告のメッ セージ内容を理解する ように読む傾向 移動状態 歩行 自動移動 歩行 歩行 自動移動 歩行 自動移動 滞留 見られる広告要素 みられ方と例 (ゲイズプロット) サインへの接触態度 複数の動線から目的地への動線を選択するため 必要なサインか内容を理解しようとしている 1方向の強制動線でサインの場所も明確なので、 搭乗口番号を照合など確認ベースで見ている 注視特性が 見られる事例 (ゲイズプロット) 旅客心理の特徴 空港へ到着したわくわく感を感じながらも、 タイムプレッシャーが高く移動している状態 保安検査で緊張感 がピークとなる 緊張感から解放され、 わくわく感と安心感が高く移動する 移動タスクが終わ り、安心感に包ま れている 旅客心理 アンケート結果 -2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 時間が気になる 緊張感 安心感 わくわく高揚感 1797 591.9 案内サイン 広告 1780. 6 2351. 8 案内サイン 広告 1783 148.1 案内サイン 広告 1184 791.2 案内サイン 広告 1184 976.8 案内サイン 広告 1123. 1 721.9 案内サイン 広告 1123. 1 815.4 案内サイン 広告 案内サイン 広告 搭乗 待機 移動 保安 検査 チェックイン 手荷物預け 移動 空港 行動動線 搭乗タスク 保安検査タスク チェックインタスク 空港までの移動タスク 解放 解放 手続き からの解放 安心 垂直方向 水平方向 垂直方向 水平方向 分散が大きい (色々な方向を見る) 視認行動のまとめ 分散が少ない 広告・サイン 視線割合 広告への接触態度 広告をどう見ているか サインへの接触態度 サインをどう見ているか 旅客心理 移動動線上で旅客心理と 認知的な負荷がどう変わるのか 旅客行動プロセス 行動観察手法によるこれまでの研究から、 空港利用者の行動プロセスは一様性が高 く、移動同線上の利用者の情報接触態度 に合わせた広告・情報設計を行うことで 他の交通施設にはない独自の価値がある 媒体指標化構築を検討してきた。 エリア① 出発ロビーへのエントランス 空間全体への注視が向上し、 アイキャッチ的情報が視認されやすい タイムマネジメント タスク意識 エリア② 保安検査通過後のコンコース 緊張から解放され、興味がある広告の注視機会 注視時間が増加 エリア③ 搭乗口 時間的余裕が増え、 より長い時間視認される 広告へのポジティブな接触 につながるエリアと情報接触態度 空港利用者の広告やサインへの注視行動を視線計測する 被験者数 :各日6名、計18名 被験者条件:30~50代、普段ビジネスで空港利用する者 空港内のエリアを通過した時の心理状態の把握。 回収数 :各日約150名、計450名 対象者 :ビジネス利用で搭乗待ち中の旅客 空港内での旅客へのアンケート調査 アイトラッキング調査 調査概要 手続きタスク の減少と タイムマネジメントの解放 ・保安検査内/外で、旅客の移動行動と心理が変わり、案内サイン注視行動が変容する。広告の注視行動へも影響をあたえている。 ・動線移動を進む中でサイン注視に割くリソースが減少していき、広告の注視時間は向上していく。 ・空港利用者の案内サイン・広告への注視特性に合わせることで適切な情報提供を行うことが可能であることが示唆された。 背景 結果と考察:空港利用者の視認行動とサイン・広告注視行動 まとめ アンケート調査結果 アイトラッキング調査結果 アイトラッキング調査結果 2018/06/27~06/29(3日間)、羽田空港第1ターミナルビルにて実施 本研究では、空港利用者の情報接触態度 を生かした広告指標や広告モデル開発の ために、実際に利用者が施設内の案内サ イン・広告をどのように注視しているの か(接触態度)心理変動を明らかにする ことを目的としている。 目的 アイトラッキング調査の様子 アイトラッキング調査結果 ※筆者らの過去研究より引用『行動観察による利用者特性の優位性を基軸にした空港体験のモデル化』第4回マーケティングカンファレンス2015 アイトラッキング調査による空港利用者の視認行動とサイン・広告注視行動のモデル化 利用者動線を生かしたサイン計画・情報メディア設計に向けて 梶川 忠彦、今村文弥(株式会社U’eyes Design) 染谷栄一(株式会社ADKマーケティングソリューションズ) 事例 事例 事例 事例 事例 事例 事例 事例 事例

アイトラッキング調査による空港利用者の視認行動とサイン ...1780. 6 2351. 8 案内サイン 広告 1783 148.1 案内サイン 広告 1184 791.2 案内サイン

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Page 1: アイトラッキング調査による空港利用者の視認行動とサイン ...1780. 6 2351. 8 案内サイン 広告 1783 148.1 案内サイン 広告 1184 791.2 案内サイン

エリア 保安検査外 保安検査場 保安検査内 搭乗口

エリアでの情報接触態度

【 全体把握 】空間全体をつかむため注視特性の中で見出し的情報を短時間で視認する

【 興味情報の内容取得】興味があるものへの注視時間が長くなる

【 詳細理解】情報を長く視認

広告注視特性 広告へ割かれる注視時間は振れ幅が大きい 全般的に広告の注視時間が長くなる長い時間の広告注視

視線の分散

案内サイン注視特性案内サインへの注視が長い

サイン認知は非効率的で負荷が高い案内サインへの注視は短くなるサイン認知は効率的で負荷が低い

エリア 保安検査外 保安検査場 保安検査内 搭乗口

移動動線詳細エリアB1

フロアB1~2F

エスカレータ2Fチェックインカウンター付近

保安検査場2F_保安検査内E~Fコンコース

2F_保安検査内E~F動く歩道

2F_保安検査内F~Gコンコース

2F_保安検査内F~G動く歩道

搭乗口

広告平均総注視時間(ms):

591.9 2351.8 148.1 791.2 976.8 721.9 815.4 29529.7

サイン平均総注視時間(ms):

1797 1780.6 1783 1184 1123.1

平均総注視時間(ms)の比較

広告への接触態度

選択的注意性が高い

周囲全般の探索性が高い

案内サインへの注意が高い

広告の要素、情報量に応じ、瞬間視/全体視が変わる見方メッセージを読む

ような見方

アイコン的な要素や大きなメッセージなどが優先的に見られる傾向

移動タスクが一時的になくなるため、周囲全

般を見る傾向

搭乗手続きがあるため広告への注視自体が少

なくなる傾向

注視時間が長くとれるようになるため、広告要素により、見方を変える傾向。シンプルな広告は瞬間的に見られ、メッセージなどが含まれると広告内全体を見る傾向

往復的に広告のメッセージ内容を理解する

ように読む傾向

移動状態 歩行 自動移動 歩行 歩行 自動移動 歩行 自動移動 滞留

見られる広告要素みられ方と例

(ゲイズプロット)

サインへの接触態度複数の動線から目的地への動線を選択するため必要なサインか内容を理解しようとしている

1方向の強制動線でサインの場所も明確なので、搭乗口番号を照合など確認ベースで見ている

注視特性が見られる事例

(ゲイズプロット)

旅客心理の特徴空港へ到着したわくわく感を感じながらも、タイムプレッシャーが高く移動している状態

保安検査で緊張感がピークとなる

緊張感から解放され、わくわく感と安心感が高く移動する

移動タスクが終わり、安心感に包まれている

旅客心理アンケート結果

-2.0

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

時間が気になる 緊張感 安心感 わくわく高揚感

1797

591.9

案内サイン 広告

1780.6

2351.8

案内サイン 広告

1783

148.1

案内サイン 広告

1184791.2

案内サイン 広告

1184 976.8

案内サイン 広告

1123.1

721.9

案内サイン 広告

1123.1

815.4

案内サイン 広告 案内サイン 広告

搭乗

搭乗待機

移動保安検査

チェックイン手荷物預け

移動空港着行動動線

搭乗タスク

保安検査タスク

チェックインタスク

空港までの移動タスク

解放解放 手続き

からの解放 安心

垂直方向

水平方向

垂直方向

水平方向

分散が大きい(色々な方向を見る)

視認行動のまとめ分散が少ない

広告・サイン視線割合

広告への接触態度広告をどう見ているか

サインへの接触態度サインをどう見ているか

旅客心理移動動線上で旅客心理と

認知的な負荷がどう変わるのか

旅客行動プロセス※

行動観察手法によるこれまでの研究から、空港利用者の行動プロセスは一様性が高く、移動同線上の利用者の情報接触態度に合わせた広告・情報設計を行うことで他の交通施設にはない独自の価値がある媒体指標化構築を検討してきた。

エリア①

出発ロビーへのエントランス空間全体への注視が向上し、

アイキャッチ的情報が視認されやすい

タイムマネジメントタスク意識※

エリア②

保安検査通過後のコンコース緊張から解放され、興味がある広告の注視機会

注視時間が増加

エリア③

搭乗口時間的余裕が増え、

より長い時間視認される

広告へのポジティブな接触につながるエリアと情報接触態度

空港利用者の広告やサインへの注視行動を視線計測する

被験者数 :各日6名、計18名

被験者条件:30~50代、普段ビジネスで空港利用する者

空港内のエリアを通過した時の心理状態の把握。

回収数 :各日約150名、計450名

対象者 :ビジネス利用で搭乗待ち中の旅客

空港内での旅客へのアンケート調査

アイトラッキング調査

調査概要

手続きタスクの減少と

タイムマネジメントの解放

・保安検査内/外で、旅客の移動行動と心理が変わり、案内サイン注視行動が変容する。広告の注視行動へも影響をあたえている。・動線移動を進む中でサイン注視に割くリソースが減少していき、広告の注視時間は向上していく。・空港利用者の案内サイン・広告への注視特性に合わせることで適切な情報提供を行うことが可能であることが示唆された。

背景

結果と考察:空港利用者の視認行動とサイン・広告注視行動

まとめ

アンケート調査結果

アイトラッキング調査結果

アイトラッキング調査結果

2018/06/27~06/29(3日間)、羽田空港第1ターミナルビルにて実施

本研究では、空港利用者の情報接触態度を生かした広告指標や広告モデル開発のために、実際に利用者が施設内の案内サイン・広告をどのように注視しているのか(接触態度)心理変動を明らかにすることを目的としている。

目的

アイトラッキング調査の様子

アイトラッキング調査結果

※筆者らの過去研究より引用『行動観察による利用者特性の優位性を基軸にした空港体験のモデル化』第4回マーケティングカンファレンス2015

アイトラッキング調査による空港利用者の視認行動とサイン・広告注視行動のモデル化利用者動線を生かしたサイン計画・情報メディア設計に向けて

梶川 忠彦、今村文弥(株式会社U’eyes Design) 染谷栄一(株式会社ADKマーケティングソリューションズ)

事例

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