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42 CHEMOTHERAPY MAR. 1979 新 合 成 セ フ ァ ロ ス ポ リ ンCefsulodin(SCE-129)に 関する細菌学的評価 西野武志 ・岩 日朋幸 ・尾花芳樹 ・吉本 正・塩見あい 京都葉科大学微生物学教室 Cefsulodin (SCE-129,CFS)は 武 田 薬 品 工業(株)中 央研究所において開発された新しい合成セファロスポリ ンで あ る1)3)。 本 剤 は 化 学 名 を3-(4-carbamoyl-1-pyri- diniomothy1)-7β-(D-α-sulfophenylacetamido)-ceph-3- em-4-carboxylate monsodium saltと い い,Sulbenicillin (SBPC)と同様,7位 にsulfobenzyi基 を有 し分 子 式 C22H19N6OsS3Na,分 子 量554,5の 白色 な い し淡 黄 色 の結 晶または結晶性の粉末で水に易溶である。 本剤は各種細菌由来の β-lactamaseに め て 強 い抵 抗性 を 有 し,と くに近年問題視されている緑膿菌に対し て卓越した抗菌力を有することが特徴とされている。 今 回私 共 は,こ のCFSの 菌学 的評 価 に つ い て, SBPC,Ampicillin (ABPC),Cefazolin(CEZ)お よび Gentamicin(GM)な どを比較 薬剤 として検討したの で,そ の成績を報告する。 実験材料および実験方法 1)使 CFS(武 田 薬 品 工 業K。K),SBPC(武 田 薬 品 工 業K K),ABPC(武 田 薬 品 工 業K.K),CEZ(藤 沢薬品工業 K.K),Cephaloridine(CER,塩 野義 製 薬K.K),Ce- phalothin(CET,塩 野義 製 薬K.K),Penicillin G (PCG,明治 製 菓K.K),Cloxacillin (MCIPC,藤沢薬 品 工 業K.K)お よ びGM(塩 野 義 製 薬K.K)の いず れも力価の明らかなものを用いた。 2)抗菌 ス ペ ク トラ ム 教 室 保存 の各 種 グ ラ ム陽性 お よび陰 性細 菌 に対 す る最 小 発 育 阻止 濃 度(MIC)を 日本化学療法学会標準 法に 準じて測 定した。通 例,増 菌 用 培 地 に はTryptosoya Broth(TSB,日 水)を,測 定 用 培 地 に はHeartInfusion Agar(HIA,日水)を 用 い,約108cells/mlの 菌液を接 し37℃,20時間培 養後 のMICを 求めた。なおレンサ 球 菌 群,肺 炎 球 菌 群,ジ フ テ リア 菌 は10%馬 血 液 加HIA を 用 い て37℃,20時間 後 の,ま た破 傷 風 菌,ガ ス壊疽菌 はThioglycolate medium(日水)を,淋 菌,髄 膜炎菌 はGonococcus medium(日水)を 用 い て37℃。48時間 培 養後 の そ れ ぞれMICを 求めた。 3)臨 床 分 離 株 に 対 す る 抗 薗 力 の 測 定 臨床 材 料 由 来 の ブ ドウ球 菌42株,大 腸 菌37株お よび 緑 膿 菌80株に つ い て,日 本化学療法学会標準法に準じて約 108cells/mlお よ び 約106celb/ml菌 液接種 時 のMIC を測定 した 。す べ て 増 菌 用培 地 にはTSBを,測 定用培 地 に はHIAを 用いた。 4)抗 菌 力 に お よ ぼ す 諸 因 子 の 影 響 Staphylococcus aureus 209-p JC, Escherichic coli NIH JC-2およびPseudomonas aeruginosa E-2を 試 験 菌 と して,MIC測 定時の接種 菌量あるいは測定用培 地 のpHを 変 え た とき のMIC値 の 変 動 を 調べ た。馬 血 清 の 影 響 はHeartInfusion Broth(日 水)を 用い液 体希釈法によって調べた。 5)増 殖 曲 線 に お よぼ す 影 響 S.aureus 209-P JC, E. coli No.29およびP.aeru- ginosa E-2の37℃-夜 静 置 培 養 菌 液 を 新鮮培地に適量 加 え,37℃で 数 時間 振 盪 培 養 した。 そ して 対 数 期途 上 時 に,い ろいろな濃度の被験薬剤を加え以後経時的に試料 を採取 し,10倍希釈 系 列 に よ る コ ロ ニー ・カウント法を 用いて生菌数を測 し た 。 な お 培 地 はS.aureus 209- P JCお びE.coli No.29にお いて はTSBを,R aeruginosa E-2の 場 合 に は 菟 濃 度TSBを 用いた。 6)各種 細 菌 由来 の β-1actamaseに 対する安定性 (i)β-laetamase標 品の調製 E.coli 21および195由来 β-1actamaseはNEuの 方 法3)に準 じて 菌 体 にosmotic shockを施 し,そ のと き 得 ら れ たshocked fluid画 分 を 大 量 の0.05Mリ ン酸 緩 衝 液(pH7.2)に 透析することによって調製した。 E.coli 106,Klebsiella pneumoniae 130および138 , proteus mirabilis 121-1,Proteus vulgaris 114, Progeus morganii 111,Proteus retrgeri 105,P.aeruginosa E- 2お よ びTP-1由 来の β-1actamaseは,い ずれ も超 音 波破 壊 液 の15,000g上清 を 酵 素 標 品として用いた。す な わ ち,被 験 菌 をTSBで 対 数 後 期 ま で振 盪 培 養 後,冷 却 高 速 遠心 器 で 集 菌 し,得 ら れ た 菌 体 を0.05Mリ ン酸

新合成セファロスポリンCefsulodin(SCE-129)に 関する細菌学的 …fa.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/27/Supplement2/27_42.pdf · 方法3)に 準じて菌体にosmotic

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  • 42 CHEMOTHERAPY MAR. 1979

    新合 成 セ フ ァロスポ リンCefsulodin(SCE-129)に 関 す る細 菌学 的評 価

    西野武志 ・岩日朋幸 ・尾花芳樹 ・吉本 正 ・塩見あい

    京都葉科大学微生物学教室

    Cefsulodin (SCE-129,CFS)は 武 田 薬 品 工業(株)中

    央 研 究 所 に おい て 開 発 さ れ た新 しい 合成 セ フ ァ ロス ポ リ

    ンで あ る1)3)。本 剤 は 化 学 名 を3-(4-carbamoyl-1-pyri-

    diniomothy1)-7β-(D-α-sulfophenylacetamido)-ceph-3-

    em-4-carboxylate monsodium saltと い い,Sulbenicillin

    (SBPC)と 同様,7位 にsulfobenzyi基 を 有 し分 子 式

    C22H19N6OsS3Na,分 子 量554,5の 白 色 な い し淡 黄 色 の結

    晶 また は 結 晶性 の 粉 末 で水 に易溶 で あ る。

    本剤 は各 種 細 菌 由来 の β-lactamaseに 極 め て 強 い抵

    抗性 を 有 し,と くに近 年 問題 視 され て い る緑 膿 菌 に対 し

    て卓 越 した 抗 菌力 を 有 す るこ とが 特 徴 と され て い る。

    今 回私 共 は,こ のCFSの 細 菌 学 的 評 価 に つ い て,

    SBPC,Ampicillin (ABPC),Cefazolin(CEZ)お よ び

    Gentamicin(GM)な ど を 比 較 薬 剤 と して 検討 した の

    で,そ の成 績 を 報 告 す る。

    実 験 材 料 お よ び実 験 方 法

    1)使 用 薬

    CFS(武 田 薬 品工 業K。K),SBPC(武 田薬 品 工 業K

    K),ABPC(武 田薬 品 工 業K.K),CEZ(藤 沢 薬 品工 業

    K.K),Cephaloridine(CER,塩 野 義 製 薬K.K),Ce-

    phalothin(CET,塩 野 義 製 薬K.K),Penicillin G

    (PCG,明 治 製 菓K.K),Cloxacillin (MCIPC,藤 沢 薬

    品 工 業K.K)お よ びGM(塩 野 義 製 薬K.K)の い ず

    れ も力 価 の 明 らか な もの を 用 い た。

    2)抗 菌 ス ペ ク トラム

    教 室 保存 の各 種 グ ラ ム陽性 お よび陰 性細 菌 に対 す る最

    小 発 育 阻止 濃 度(MIC)を 日本 化 学 療 法 学 会 標 準 法 に

    準 じて 測 定 した 。 通 例,増 菌 用 培 地 に はTryptosoya

    Broth(TSB,日 水)を,測 定 用培 地 に はHeart Infusion

    Agar(HIA,日 水)を 用 い,約108cells/mlの 菌液 を 接

    種 し37℃,20時 間培 養後 のMICを 求 め た 。 な お レ ンサ

    球 菌 群,肺 炎球 菌群,ジ フ テ リア菌 は10%馬 血 液 加HIA

    を 用 い て37℃,20時 間 後 の,ま た破 傷 風 菌,ガ ス壊 疽 菌

    はThioglycolate medium(日 水)を,淋 菌,髄 膜 炎 菌

    はGonococcus medium(日 水)を 用 い て37℃ 。48時 間

    培 養後 の そ れ ぞれMICを 求 め た 。

    3)臨 床 分 離 株 に 対す る抗 薗 力 の 測定

    臨床 材 料 由 来 の ブ ドウ球 菌42株,大 腸 菌37株 お よび 緑

    膿 菌80株 につ い て,日 本 化 学療 法 学 会 標 準 法 に準 じて約

    108cells/mlお よ び約106celb/ml菌 液 接 種 時のMIC

    を測 定 した 。す べ て 増 菌 用培 地 にはTSBを,測 定用 培

    地 にはHIAを 用 い た 。

    4)抗 菌 力に お よ ぼ す諸 因子 の 影 響

    Staphylococcus aureus 209-p JC, Escherichic coli

    NIH JC-2お よびPseudomonas aeruginosa E-2を 試

    験 菌 と して,MIC測 定 時 の接 種 菌 量 あ るい は測 定 用培

    地 のpHを 変 え た とき のMIC値 の 変 動 を 調べ た。馬

    血 清 の 影 響 はHeart Infusion Broth(日 水)を 用 い液

    体 希釈 法 に よ って調 べ た。

    5)増 殖 曲 線 に お よぼ す 影 響

    S.aureus 209-P JC, E. coli No.29お よびP.aeru-

    ginosa E-2の37℃-夜 静 置 培 養 菌 液 を 新鮮 培 地 に適 量

    加 え,37℃ で 数 時間 振 盪 培 養 した。 そ して 対 数 期途 上 時

    に,い ろい ろ な濃 度 の 被 験 薬剤 を 加 え以 後 経 時 的 に試 料

    を採 取 し,10倍 希釈 系 列 に よ る コ ロ ニー ・カ ウ ン ト法 を

    用 いて 生 菌 数 を測 定 し た 。 な お培 地 はS.aureus 209-

    P JCお よ びE.coli No.29に お いて はTSBを,R

    aeruginosa E-2の 場 合 には 菟濃 度TSBを 用 い た 。

    6)各 種 細 菌 由来 の β-1actamaseに 対 す る 安定 性

    (i)β-laetamase標 品 の調 製

    E.coli 21お よ び195由 来 の β-1actamaseはNEuの

    方 法3)に 準 じて 菌 体 にosmotic shockを 施 し,そ の と

    き得 られ たshocked fluid画 分 を大 量 の0.05Mリ ン酸

    緩 衝液(pH7.2)に 透 析 す るこ とに よ って 調 製 した。

    E.coli 106,Klebsiella pneumoniae 130お よ び138 ,

    proteus mirabilis 121-1,Proteus vulgaris 114, Progeus

    morganii 111,Proteus retrgeri 105,P.aeruginosa E-

    2お よ びTP-1由 来 の β-1actamaseは,い ずれ も超 音

    波破 壊 液 の15,000g上 清 を 酵 素 標 品 と して 用 い た 。 す

    なわ ち,被 験 菌 をTSBで 対 数 後 期 ま で振 盪 培 養 後,冷

    却 高 速 遠心 器 で 集 菌 し,得 られ た 菌体 を0.05Mリ ン酸

  • VOL.27 S-2 CHEMOTHERAPY 43

    緩 衝 液(pH 7.2)に 懸濁 して 超 音波 処 理 を施 した 。 そ

    して 超 音 波破 壊 液 を15,0009,20分 間 遠 心 分離 し,得 ら

    れ た上 清を 大 量 の 上記 緩 衝 液 に透 析 す る こ とに よ って調

    製 した 。 なおP.aeruginosa E-2の 場 合 にはinducer

    と して培 養 時SBPC(1mg/ml培 養液)を 添 加 した。

    S.aureus S54由 来 の β-lactamaSeはRICHMOND

    の 方法4)に 準 じ て 調 製 した 。す なわ ち,被 験 菌 をCY

    培 地 で 培 養 しinducerと してMCIPC(0.5μg/ml培

    養 液)を 添 加 した 。そ して 培 地 中 に産 生 され た 菌 体 外

    酵 素をP-celluloseに 吸 着 させ た後,0,05~2.0 MTris

    HC1(pH6.75)で 脱 着 され た 画 分 を 大 量 の0.05M-

    リン酸緩 衝 液(pH7.2)に 透 析 し酵 素 標 品 と した 。

    (ii)β-lactamase活 性 の測 定 法

    NovIcKのmicro-iodometry法5)6)を 若干 改 変 した小

    此 木 らの方 法7)に 準 じて 測 定 した 。 反 応液 中の 基 質濃 度

    は セ ブ ア ロス ポ リン類 の 場合 は,す べ て1,000μM,ペ ニ

    シ リ ン類 の場 合 は200μMと し水 解 初速 度 を 求 め た 。そ

    してPCGの 水解 速 度 を100と し た ときの 各 々の基 質 の

    相 対 水 解 速 度 を求 めた 。 な おCFS,CERお よ びCET

    の各 々1モ ルは ヨ ウ素 を 各 々4.6,4.7お よび4.8当 量,

    ま たペ ニ シ リン類 はす べ て ヨウ素 を7.7当 量 消 費す る と

    して 活性 を 算 出 した。

    7)マ ウ ス実験 的感 染 症 に対 す る治療 効 果

    (i)緑 膿 菌感 染 症 に対 す る治 療 効果

    P.aeruginosa E-2,NC-5,TP-5お よ びK-13の2/3

    濃 度TSB,37℃-夜 静 羅 培 餐 囲液 を 新鮮 同 培 地 に5%と

    な るよ うに加 え,37℃,1、5時 闇 振 盈 培 饗 し対数 初 期 幽

    液 を 得 た 。本 菌 液を 適 宜 同 培 地で 希 釈 し,6%ga8tric

    mucin(Orthana-Kemisk-Fabrik-A/S)と 等 重 混 合 後,

    本 混合 液 をddY系 雄 性 マ ウ ス(生 後4週 令,16~18

    9)に0.5ml/mouseず つ腹 腔 内接 種 した 。 菌接 種2時

    間 後か ら,1群10匹 の マ ウスを い ろい ろな投 与 ス ケ ジ ュ

    ー ル によ って皮 下治療 した。 そ して7口 経過 後 の 生 残 率

    を求 め,LITCHFIELD-WILCOXON法8)に よ りED5。 値

    お よび そ の95%儒 頼限 界 値 を 算 出 した。

    (皿)大 腸 菌 感染 症 に対 す る治 療 効 果

    臨床 分離 のE.coli N0.29をNutrient Broth(日 水)

    で37℃14時 間培 養 後,同 培 地 で適 宜希 釈 し6% gastric

    mucinと 等 重混 合 した 。本 混 合 液 を1群10匹 の マ ウス

    に0.5ml/mouseず つ腹 腔 内接 種 し,2時 間 後1回CFS,

    CEZお よ びSBPCを 皮 下投 与 した 。 そ して7日 経過 後

    の 生残 率 よ りED50値 を 算 出 した 。

    実 験 結 果

    1.抗 菌 スペ ク トラ ム

    教 室 保存 の 各 種 グ ラム陽 性 お よ び 陰 性 細 菌 に 対 す る

    Table 1 Antibacterial spectrum of CFS, SBPC and ABPC against

    Gram-positive bacteriaMIC (ƒÊg/ml)

    Medium: *Heart Infusion Agar supplemented with 10% horse blood**Thioglycolate medium

    Viable cell units of the inoculum suspension was approximately 108 per ml

  • 44 CHEMOTHERAPY MAR. 1979

    Table 2 Antibacterial spectrum of CFS, SBPC and ABPC againstGram-negative bacteriaMIC (pg/m1)

    Medium: *GC medium

    Viable cell units of the inoculum suspension was approximately 101 per ml

    Table 3 Sensitivity distribution of clinical isolates ; Staphylococcus aureus (42 strains)

    a) Inoculum size: 10' cells/ml

    b) Inoculum size: 106 cells/ml

    CFsのin vitro抗 菌力をsBPcお よびABPcの それ

    と比較検討 した。その結果,Table 1お よびTable 2

    に示す ように,CFSは 総 じてSBPCあ るいはABPC

    に高感受性を示す菌種に対 しては,こ れ ら両剤よ りも大

    きいMIC値 を示 したが,緑 膿 菌 群 に対 して は概 ね

    SBPCよ りも8~16倍 強 く0.78~3.13μg/mlのMIC

    値を示 した。また臨床分離のPCG耐 性S.aureus No.

    80お よ びABPc耐 性E.coli 106に 対 して も,そ の

    MIC値 は比較的大 きか ったが,感 性 株 に対す るとほぼ

    同等の抗菌力を示 した。

    2.臨 床分離株に対す る抗菌力

    a)ブ ドウ球菌の場合

  • VOL. 27 S-2 CHEMOTHERAPY 45

    Fig. 1 Sensitivity distribution of clinical isolatesStaphylococcus aureus (42 strains)

    Table 3お よ びFig.1は 臨 床 材 料 由 来 のS.aureus

    42株 に対 す るCFS,SBPCお よ びABPCのMIC値 の

    分 布 を,Fig.2は そ の 累積 分布 を示 して い る。

    CFSの42株 に 対す るMIC値 はす べ て 接 種 菌量108

    cells/mlあ るい は106 cells/mlの いず れ の 場 合 に も3.13

    ~6.25μg/mlに 分布 して い た 。SBPCの 場 合 に も,ほ

    ぼ 同様 で あ り108cells/ml接 種 時 には3.13~12.5μg/ml

    に,106cells/ml接 種 時 に は1.56~6.25μg/mlに す べて

    分布 して い た 。一 方,ABPCに お い て は≦0.09~>100

    μg/mlに 渡 って 幅 広 く 分 布 し て い た 。す なわ ち,108

    cells/ml接 種 時 に は ≦0.09~0.19μg/mlに10/42(24

    %),0.78~100μg/mlに15/42(36%)そ して>100μg

    /m1に17/42(40%)が 分 布 し,106cells/ml接 種 時 に

    は≦0.09に10/42(24%),039~25μg/mlに32/42(76

    %)が 分 布 して い た 。 ま た いず れ の 接種 菌量 の場 合 に も

    CFSとSBpc間 には 高 い相 関 性 が 認 め られ た(Fig。

    3)。

    Fig. 2 Sensitivity distribution of clinical isolatesStaphylococcus aureus (42 strains)

    b)大 腸 菌 の 場合

    Table 4お よ びFig.4は 臨 床 分 離E.coli37株 に 対

    す るCFS,SBPCお よびABPCのMIC値 の 分布 を,

    Fig.5は そ の 累積 分 布 を示 して い る 。CFSの 本 菌 種 に

    対 す るMIC値 は比 較 的 大 きか ったが,32/37(86%)

    が108cells/m1接 種 時 に は50~100μg/mlに,106 cells/

    ml接 種 時 に は25~50μg/mlに 分布 して い た 。SBPCの

    場 合 に は接種 菌量 によ って若 干 比 率が 異 な った が,6.25

    μ9/mlに ピー クを有 す る集 団 と>100μg/mlの 集 団 に大

    別 され た 。ABPCの 場 合 に も 広 い 範 囲 に 渡 って分 布 し

    て お り,概 ねSBPCと 同 様 に6.25μg/mlに ピー クを

    有 す る集 団 と>100μg/mlの 集 団 に大 別 され た 。.Fig.6

    はCFSとSBPC間 の 相 関 図 で あ る 。い ず れ の 接種 菌

    量 の場 合 に も両剤 間 に相 関性 は 認 め られ な か った 。

    c)緑 膿 菌 の場 合

  • 46 CHEMOTHERAPY MAR. 1979

    Fig. 3 Cross sensitivity of Staphylococcus aureus (42 strains)

    Fig. 4 Sensitivity distribution of clinical isolatesEscherichia coli (37 strains)

    Fig. 5 Sensitivity distribution of clinical isolatesEscherichia coli (37 strains)

  • VOL. 27 S-2 CHEMOTHERAPY 47

    Table 4 Sensitivity distribution of clinical isolates'Escherichia coli (37 strains)

    a) Inoculum size: 108 cells/ml

    b) Inoculum size: 106 cells/mI

    Fig. 6 Cross sensitivity of Escherichia coli (37 strains)

    Table 5お よびFig.7は 臨 床 材 料 由 来のRaemg-

    inosa 80株 に 対す るCFS, SBPCお よびGMのMIC

    値 の分 布 を,Fig.8は その 累 積 分布 を 示 して い る。

    CFSの80株 に 対す るMIC値 は す べて100μg/ml以

    下 で あ り,10s cells/mnl接 種 時 に は1.56~12.5μg/mnl

    に75/80(94%),106cells/ml i接種 時 に は0.39~6.25

    μg/mlに79/80(99%)が 分布 して い た 。 SBPCの 場 合

    に は,分 布 の パ タ ー ンはCFSの そ れ と 類 似 して い た

    が,分 布 の ピー クは108お よ び106cells/ml接 種 時 に おの

    お の50お よ び12.5μg/mnlで あ り, CFSに 比 し8~16

    倍 大 きい 値 を示 した。GMの 場 合 に も76/80(95%)は

    108お よび106cells/ml接 種 時 に それ ぞ れ0.78~25μg/mnl

    お よ び0.19~12.5μg/mlに 分 布 して い た が,4/80(5

    %)は50~100μ9/ml以 上 のMIC値:を 示 し た。 また

    Fig.9に 示す よ うに,い ず れ の 接 種 菌 量 に お い て も

    CFSとSBPC間 には 相 関関 係 が 認 め られ なか った。

    5.抗 菌 力 に お よぼ す諸 因 子 の 影 響

    S.aurms 209-p JC,E.coli NIH JC-2お よびR

    aerugimsa E-2を 用 い て 抗 菌力 にお よ ぼす 接 種菌 量,

    培 地pHお よ び馬 血 清添 加 の 影 響を 調 べ た 。Table 6に

  • 48 CHEMOTHERAPYMAR. 1979

    Table 5 Sensitivity distribution of clinical isolates ; Pseudomonas aeruginosa (80 strains)

    a) Inoculum size: 106 cells/ml

    b) Inoculum size: 106 cells/ml

    Fig. 7 Sensitivity distribution of clinical isolatesPseudomonas aeruginosa (80 strains)

    Fig. 8 Sensitivity distribution of clinical isolatesPseudomonas aeruginosa (80 strains)

  • VOL. 27 S-2 CHEMOTHERAPY 49

    Fig. 9 Cross sensitivity of Pseudontonas aeruginosa (80 strains)

    Table 6 Effect of inoculum size on antibacterial

    activity of CFS and SBPC

    Method: Twofold serial dilution method withHeart Infusion Agar

    Inoculum size: A loopful of bacterial suspension (109,105 cells/ml)

    示すよ うに,CFSの ブ ドウ球 菌 に対す る抗 菌力は接種

    菌量を変 えて も全 く変動 しなかったが,大 腸菌および緑

    膿菌に対す る抗菌力 は接種菌量が大 き くなるとMIC値

    Table 7 Effect of medium pH on antibacterial

    activity of CFS and SBPC

    Method: Twofold serial dilution method withHeart Infusion Agar

    Inoculum size: A loopful of bacterial suspension(approximately 108 cells/ml)

    も大き くなる傾向が み られた。培地pHに おいては,

    いずれの菌種に対す るMICl値 とも酸性側で小 さ くなる

    傾向がみ られた(Table 7)。 またTable 8に 示 すよ う

    に,い ずれの菌種 において も馬血清を添加す ると,添 加

    濃度の上昇 に伴 いMIC値 が 小 さ くなる傾向がみ られ

    た。と くに緑膿菌 においてその傾向が大であ った。

  • 50 CHEMOTHERAPY MAR,1979

    Table 8 Effect of the addition of horse serum

    to the test medium on antibacterial

    activity of CFS and SBPC

    Method: Twofold serial dilution method withHeart Infusion Broth

    Inoculum size : A loopful of bacterial suspension(approximately Ur cells/m1)

    4.増 殖曲線におよぽす影響

    a)S.aureus 209-PJCに つ いて

    CFS添 加時の生菌数の推移の様相 を,CEZ添 加時の

    それ と比較検討 した(Fig.10お よび11)。 薬剤作用時の

    菌重が106あ るいは108 cells/mlの い ず れ の 場合に も。

    両剤 とも1/2~1MIC以 上 の 濃度 において殺菌的に作用

    した。また両剤いずれの場合にも薬剤濃度を さらに5~

    25倍 上げて も殺菌の程度はほとん ど変 らなか った。

    b)E.eoli No.29に ついて

    Fig,12お よび13に 示すよ うに,大 腸菌 に対す るCFS

    のMICはCEZの それ よ り も 数10倍 大きか ったが,

    MIC相 当の濃度 においてはCEZと 同 様 殺 菌的に作用

    した。

    c)Raeruginosa E-2に ついて

    Fig.14,15お よび16は 緑 膿 菌に対するCFS,SBPC

    およびGMの 抗菌作用型式を示 してい る。CFSの1/2~

    1M1C(1.56~3.13μg/ml)相 当 の 濃 度 を作用 させ る

    と,そ のときの歯重が105 cells/mlの オー ダーの場合 に

    は2時 間 目あた りか ら殺菌的作用が 詔め られは じめ.4

    時後には99~99.9%が 殺 菌された。さらに薬剤濃度を50

    μg/mlま で上げて も殺囲 作 用 の 発現時間.殺 菌率とも

    ほ とんど変 らな か った。また 薬 剤 作 用 時の曲重が106

    cells/mlの オーダーの場 合には1/2~1MIC以 上の 濃 度

    を作用させて も,い わゆる静菌的作用が詔め られるにす

    ぎず,著 明な菌数の減少 は認め られなか った。 これ らの

    結果は,い ずれ もSBPCの%~1MIC(25~50μg/ml)

    以上の濃度を作用 させたときの結果 と酷似 していた。一

    方GMの 場 合には,薬 剤 作 用 時 の 菌重 にかかわりな

    く,作 用濃度を上げ るとそれに応 じてよ り速やかなかつ

    より強い殺菌効果が認められた。

    5.各 種細菌 由来の β-lactamaseに 対する安定性

    既存のペ ニシ リン,セ ファロスポ リン類に高度耐性を

    示す臨床材料由来の各種細菌か ら調製 した βlactalnase

    に対す るCFSの 安定性をCER,CET,PCG,ABPC,

    SBPCお よ びMCIPCを 比 較 薬 剤 と して 検 討 した

    (Table9)。 実験 に供 したグ ラム陰性細 菌由来の β-lacta-

    mase標 品を,酵 素産生様式 お よ び 基質特異性 に 基づ

    Fig. 10 Effect of CFS on the viability of S. aureus 209-P JC

  • VOL. 27 S-2 CHEMOTHERAPY51

    Fig. 11 Effect of CEZ on the viability of S. aureus 209-P JC

    Fig. 12 Effect of CFS on the viability of Escherichia coli No.29

    Fig. 13 Effect of CEZ on the viability of Escherichia coli No.29

  • 52 CHEMOTHERAPY MAR. 1979

    Fig. 14 Bactericidal action of CFS against P. aeruginosa E-2

    Fig. 15 Bactericidal action of SBPC against P. aeruginosa E-2

    い て,山 岸,沢 井 の 分 類法9)に よ り群 別 す る と次 の よ う

    にな るか と思 われ る。す な わ ち,E.coli 21,K.pneu-

    moniae 130お よび138由 来 の β-lactamaseはpenicilli-

    nase (PCase)-type I に,E.coli 195由 来 の そ れ は

    PCase-type II に,P. vulgarisお よ びP.aaeruginosa

    TP-1由 来 の そ れ はPCase-type IV 10)11)か あ る い はそ

    の類 縁 型 に,ま たE.coli 106,P.mirabilis 121-1, P.

    morganii 111, P.reugeri 105お よびP.aeruginosa

    E-2由 来 の そ れ はcephalosporinase (CSase)に 属す る

    もの と考 え られ る。 いず れ に しろ,CFSはP.mirabilis

    121-1お よびP.morganii 111以 外の各種 β-lactamase

    に対 して極 めて安定で あり,PCGの1/20~1/100の 速 度

    で水解され るにすぎなか った。

    6.マ ウス実験的感染症に対す る治療効果

    a)緑 膿菌感染症 に対する治療効果

    緑膿菌のSBPC,GM感 性株,SBPC耐 性 株 お よび

    GM耐 性株腹腔内感染 マウスに対す るCFSの 治療効果

    をSBPCお よびGMの それと比較検討 した。

    Table 10はSBPC,GM感 性P.aeruginosa E-2感

    染 マウスに対す る3剤 の1回 および1時 間間隔で4回 投

  • VOL. 27 S-2 CHEMOTHERAPY 53

    Fig. 16 Bactericidal action of GM against P. aeruginosa

    Table 9 Relative susceptibility of CFS and other /9-lactam antibiotics

    to hydrolysis by various R-lactamases in cell free preparations

    Assay method: Micro-iodometric methodSubstrate concentration: Cephalosporins (1,000 AM), Penicillins (200 AM)

    与時の治療効果 を 示 して い る。1回 投与時のCFSの

    ED50値 はSBPCの それよりも小 さか ったがGMの そ

    れよ りも2~3倍 大 きか った。しか し4回 投与 時のCFS

    のED5。 値はGMの それの1/2~1/4であ った。すなわち

    CFSの 場合 には, SBPCと 同様投与 回 数 をふやすと注

    射当 りのED5。 値は勿論のことtotal ED50値 も著 しく

    減少 した。一方GMの 場合には注射当 りのED5。 値 は

    小さ くな るものの,total ED5。 値はほ とんど変 らなかっ

    た。

    Table 11はSBPC, GM感 性Raeruginosa NC-5感

    染 マ ウス に対 す る3剤 の1回 投 与 時 の治 療 効果 を示 して

    い る0CFSで 治 療 し た 場 合, P.aeruginosa E-2感 染

    マ ウ スの場 合 と同様,SBPCよ りも 非 常 に優 れ て お り ,

    GMと ほ ぼ同 程 度 のED5。 値 を示 した 。

    Table 12お よ びTable 13はSBPC耐 性P.aerugi-

    nosa TP-5お よ びGM耐 性P.aeruginosa K-13に 対

    す る1回 投 与 時 の3剤 の 治 療 効果 を 示 して い る。CFS

    は,SBPCあ るい はGM耐 性 株 に対 して も比 較 的 良 好

  • 54 CHEMOTHERAPY MAR,1979

    Table 10 Therapeutic efficacy of CFS, SBPC and GM by subcutaneous route against intraperitoneal

    mouse infection with P. aeruginosa E-2

    (): 95% confidence limits

    Table 11 Therapeutic efficacy of CFS, SBPC and GM by subcutaneous route

    against intraperitoneal mouse infection with P. aeruginosa NC-5

    (): 95% confidence limits

    Table 12 Therapeutic efficacy of CFS, SBPC and GM by subcutaneous routeagainst intraperitoneal mouse infection with P.aeruginosa TP-5(SBPCr)

    (): 95% confidence limits

    な治療効果を示 した。

    b)大 腸菌感染症 に対す る治療効果

    E.coli No.29腹 腔内 感 染 マウスに対す るCFSの 治

    療効果 をSBPCお よびCEZの そ れ と比較検討 した。

    Table 14に 示 す よ う に,CFSのED50値 はSBPCお

    よびCEZの それよ りも約10倍 大きか った。

  • VOL.27 S2 CHEMOTHERAPY 55

    Table 13 Therapeutic efficacy of CFS, SBPC and GM by subcutaneous routeagainst intraperitoneal mouse infection with P. aeruginosa K-13

    (GMr)

    ( ): 95% confidence limits

    Table 14 Therapeutic efficacy of CFS, SBPC and CEZ by subcutaneous route

    against intraperitoneal mouse infection with E. coli No. 29

    ( ): 95% confidence limits

    総括および考察

    近年における β-1actam系 薬剤の研 究 開発 の 進歩は

    目 ざ ま し く,多 くの 有用な薬剤が実用に供 されつつ あ

    る。 しか しなが ら緑膿菌感染症に対しては,ま だ充分な

    抗菌力を有す るとは言い難 く,さ らに強い抗緑膿菌活性

    を有す る本系薬剤の開発が待たれて いる。 この点 におい

    て,今 回新たに本菌感染症を対象に開発 された合成 セフ

    ァロスポ リンCFSの 抗緑膿菌作用に興味が もたれた。

    CFSは,総 じて既存の β-1actam系 薬剤に高 感 受 性

    である各種 グラム陽性および陰性細菌に対 しては注 目に

    値する程の抗 菌力を示さなか ったが,緑 膿菌に対 しては

    概ねSBPCよ りも8~16倍 強 くGMと ほぼ 同程度の

    抗菌力を示 した。と くに近年問題視されつつある臨床分

    離のCarbenicillin (CBPC),SBPC耐 性あ るいはGM耐

    性緑膿菌12)~17)に対 して も比較的強い抗 菌力を示 した こ

    とは特筆すべきか と思われる。また臨床分離のPCG耐

    性ブ ドウ球 菌やABPC耐 性大腸 菌に対 しても,そ の抗菌

    力 は比較的弱か った ものの,PCGあ るいはABPC感 性

    菌に対す るとほぼ同程度の抗菌力を示 した ことも,本 剤

    の特徴の一つ と して付け加 えられ るぺきか と思 われ る。

    これ ら β-lactam系 薬剤高度耐性菌が本系薬剤 に対 し

    て強い抵抗性を示すのは,主 としてこれ らの細 菌が β-

    lactam環 を水解開裂す る酵素 β-lactamaseを 産生す る

    ためで あることはよ く知 られてい るところで ある9)~11),

    18)19)。そこで これらの細 菌 由来の各種 β-1actamaseに

    対する安定性について 検 討 したところ,CFSは ブ ドウ

    球菌,大 腸菌,緑 膿菌な ど由来のいわゆるPCase type

    の β-1actamaseに 対 しての み な らず,緑 膿菌,大 腸菌

    など由来のいわ ゆ るCSase typeの β-1actamaseに 対

    して も極 めて安定であ った。従 って上 に述べた本剤の抗

    菌力の特徴 は,主 と して本剤が上記細菌由来の β-lacta-

    maseに 極 めて安定であ ることに基 因 してい るものと考

    えられ る。

    このよ うに,CFSは 主 として緑膿菌に特異的であ り,

    その抗菌力 はア ミノ配糖体抗生剤GMに 匹 敵す る程の

    強い もので あった。 しか しその抗菌作用型式はGMの

    それ とは著 しく異なっていた。す なわち薬剤作用時の菌

    量が105cells/mlの オーダーの とき,CFSの1/2~1 MIC

    相 当の濃度を作用 させ ると,GMと 同様殺菌的効果を認

    めたが,そ の効果は薬剤作用後2時 間 目あた りか ら漸 く

  • 56 CHEMOTHERAPY MAR. 1979

    認められ,さ らに薬剤濃度を16~32MIC相 当まで上げ

    て も殺菌作用の発現時闇,殺 菌率 ともほ とんど変 らなか

    った。また薬剤作用時の菌量が105cells/mlの オーダー

    の場合には,い わゆ る静菌的作用 は認め られるものの,

    著明な菌数の減少は認 め られ な か った。 これ らの結果

    は,先 に私 どもが 指 摘 したSBPC30), Piperacillin21),

    Ticarcillin22)な どの緑 膿 歯 に 対する作用型式 に類似 し

    てお り,本 剤の治療効果 は有効濃度以上が保持 されてい

    る時澗の艮短によって大 き く左右 され ることを示唆 して

    いるよ うに思われ る。

    事実,緑 膿菌腹腔内感染 マウスに対す るCFSの 治療

    効果を検討 した際,投 与回数を4回 にふやす と注射 当り

    のED50値 は勿論の こと,total ED50値 も著 し く減少 し

    たことは,上 記考察を支持す るもの と考えられ る。また

    本剤1回 投与時のED50値 はGMの それ よりも大 きか

    ったが,4回 投与時の本剤のED50値 は注射当 りの値 は

    勿論の ことtotal ED50値 も 明 らか にGMの それより

    も小 さか ったとい う成績は,本 剤の抗菌作用型式の特徴

    を充分踏まえた投与法 が と られ るならぱ,GMに 匹敵

    あ るいはそれを上回る治療 効果を期待出来るか もしれ な

    い ということを示唆 してい るように思 われ る。 これらの

    点については,次 報23)において さらに詳細 な検討を加え

    た。

    要 約

    新合成 セファロスポ リンCefsulodin (SCE-129, CFS)

    の細菌学的評価を行い,次 のよ うな成績を得 た。

    1)CFSは,総 じて既存の β-1actam系 薬 剤 に高感

    受性を示す菌種 に対 しては比較的大 きいMIC値 を示 し

    たが,緑 膿菌に対 しては概ねSBPCよ り も8~16倍 強

    く,GMと ほぼ同程度のMIC値(0.78~6-25μg/m1)

    を示 した。

    2)臨 床材料 由来のSBPC耐 性 あ るいはGM耐 性

    緑膿菌に対 して も比較的強い抗菌力を示 した。

    3)CFSの 抗菌力は,接 種菌量,培 地pHお よび馬

    血清添加によりSBPCと 同程度の影響を受けた。

    4)CFSの 抗菌作 用 型式 は,ブ ドウ球菌 および大腸

    菌の場合 にはCEZの それに,緑 膿菌の場合にはSBPC

    のそれ に酷似 していた。

    5)CFSは,各 種細 菌由来の β-1actamaseに 対 して

    極めて安定であった。と くに緑 膿 菌種 特 異 的CSase

    typeの β-1actamaseに 対 してのみ ならず,臨 床分離の

    CBPCあ るいはSBPC耐 性緑膿菌 由来の β-lactamase

    に対 して も極 めて安定であ ることが注 目された。

    6)CFSは,緑 膿菌のSBPC,GM感 性 株,SBPC

    耐性株およびGM耐 性株腹腔 内感染 マウスのいずれに

    対 しても比較的良好 な治療効果を示 した。また頻回投与

    により1回 投専よ りもより良好な治療効果が鴛 られ,そ

    の効果 はGM頻 回投与時のそれよ りも優れていた。

    文 献

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    20) 轡 日朋 幸, 中沢 昭 三: 化学 療 法 剤 の投 与 法 に関 す

    る実 験 的 解 析。1. 緑膿 菌 に対 す るSulbenicillin

    の効 果。Chemotherapy 26: 337~344, 1978

    21) 渡辺 泰 雄, 西 野 武 志, 中沢 昭 三: 化 学 療 法 剤 の投

    与 法に 関 す る実 験 的 解 析 。4. 緑 膿 菌 に 対 す る

    T-1220の 効 果。Chemotherapy 25: 747~754,

    1977

    22) 尾花 芳 樹, 西野 武 志, 中沢 昭 三: 化 学 療 法 剤 の投

    与 法 に 関 す る実 験 的 解 析。6. 緑 膿 菌 に 対 す る

    Ticarcillinの 効 果。Chemotherapy 25: 2422~

    2427, 1977

    23) 岩 日朋幸, 西 野 武 志: 化 学 療 法剤 の投 与 法 に関 す

    る実 験 的解 析 。10. 緑 膿 菌 に 対 す るCefsulobdin

    (SCE-129) の 効 果。Chemotherapy 27 Suppl.-2:

    87~100, 1979

    BACTERIOLOGICAL EVALUATION ON CEFSULODIN (SCE-129),

    A NEW SEMISYNTHETIC CEPHALOSPORIN

    TAKESHI NISHINO, TOMOYUKI IWAHI, YOSHIKI OBANA,TADASHI YOSHIMOTO and Ax SHIOMI

    Department of Microbiology, Kyoto College of Pharmacy

    Bacteriological evaluation on Cefsulodin (SCE-129, CFS), a new semisynthetic cephalosporin, was made and

    the following results were obtained.

    1. MICs of CFS against Pseudomonas aeruginosa were 0.78•`6.25 ƒÊg/ml, which were 8•`16 times supe-

    rior to those of Sulbenicillin (SBPC) and similar to those of Gentamicin (GM), whereas they were rather

    high against other bacteria, which are highly susceptible to ordinary j9-lactam antibiotics.

    2. CFS showed a potent antibacterial activity to SBPC and GM-resistant strains of the clinical isolates

    of Pseudomonas aeruginosa.

    3. Antibacterial activity of CFS was slightly influenced by inoculum size, medium pH and addition of

    horse serum.

    4. The mode of the in vitro antibacterial action of CFS was quite similar to that of CEZ against Staphylo-

    coccus aureus and E. coli and to that of SBPC against Pseudomonas aeruginosa.

    5. CFS was very stable to ƒÀ-lactamases derived from a variety of gram-negative bacteria. It was especially

    noteworthy that CFS was stable not only to Pseudomonas aeruginosa specific cephalosporinase, but also to

    penicillinases derived from clinically isolated Carbenicillin (CBPC)-or SBPC-resistant strains of Pseudomonas

    aeruginosa.

    6. CFS showed relatively good protecting effects in mice intraperitoneally infected with both SBPC-and

    GM-sensitive strains and SBPC- and GM-resistant strains of Pseudomonas aeruginosa.

    The protecting effect of CFS by multiple dosing was better than that of single dosing, and it was superior

    to that of GM.