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RD011-RGUIDE-01 2018-04-16 Rev.1 1 / 18 © 2018 Toshiba Electronic Devices & Storage Corporation MOSFET 四端子パッケージ TO-247-4L (TK25Z60X) リファレンスガイド RD011-RGUIDE-01

リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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MOSFET 四端子パッケージ

TO-247-4L

(TK25Z60X)

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目次

1 はじめに 3

2 シミュレーションによる動作検証 4

21 シミュレーションモデル 4

22 基板の配線インダクタンス 5

23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証 7

231 Rg=20Ω時の動作確認 7

232 Rg=10Ω時の動作確認 10

24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証 12

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω) 12

242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω) 15

3 まとめ 17

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1 はじめに

耐圧が 600V以上の高耐圧パワーMOSFET ではオン抵抗と耐圧のトレードオフ改善を行うためスーパージャンクション構

造が開発され製品化が進められてきましたこの構造を採用することで従来のMOSFET に比べオン抵抗が低くスイッチン

グが速くなるという大きなメリットがありますしかしながらこの高速化に伴いスイッチング動作時にパッケージ内部のソースワイヤ

のインダクタンス成分が与える影響が顕著になり効率改善の為に MOSFET を高速動作させようとしてもそれが実現出来な

いという問題が発生することがあります

ターンオフ時の急激な電流変化と寄生インダクタンスにより発生する電圧がゲート波形に重畳されゲート発振が発生する

場合がありますまたターンオン時のドレイン電流変化とMOSFET のソース部の寄生インダクタンスにより発生する電圧によ

りゲート駆動に負帰還が掛かり充分なスイッチング特性が得られず期待した効率が得られない場合があります

これらの問題の解決策にTO-247-4Lパッケージがありますこのパッケージはソース部の配線をドレイン電流が流れる経

路とゲート駆動の経路に分割した四端子構造(三端子構造にゲート駆動経路用ソース端子を追加)を特長としていますこ

の構造によりパッケージ内部のソースワイヤのインダクタンスの影響を低減させることが可能です

本ドキュメントではAC-DC電源の PFC部に最適な高速スイッチング特性を有する DTMOSIV-H製品

TK25N60X(三端子パッケージ品)の挙動を回路シミュレーションで確認します高速スイッチング化を図る上での課題を明ら

かにしその解決策として四端子パッケージ品 TK25Z60X を提案します

次に四端子パッケージ品 TK25Z60Xの挙動を回路シミュレーションで確認しますTK25Z60Xは四端子パッケージの

特長を活かした高速スイッチング動作が可能であり電源の効率向上に貢献可能なことを示します

TO-247-4Lパッケージ製品のデータシートダウンロードはこちらから rarr

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2 シミュレーションによる動作検証

21 シミュレーションモデル

検証に使用した三端子構造 TO-247パッケージ TK25N60X と四端子構造 TO-247-4Lパッケージ TK25Z60X のシ

ミュレーションモデルの説明をします当社 webで公開している TK25N60XTK25Z60Xの PSpice モデルはチップ特性の

みをモデル化したものであるためパッケージの影響を含めたシミュレーションを実施するにはパッケージ寄生インダクタンスを外部

で追加する必要があります図 211 に TO-247パッケージと TO-247-4Lパッケージの内部構造と寄生インダクタンスのイ

メージを示します内部MOSFET チップとパッケージ端子を繋ぐ配線にそれぞれインダクタンスが存在します図 212 に各パ

ッケージの内部寄生インダクタンスを追加したシミュレーションモデルを示します

(a) TO-247-4L (b) TO-247

図 211 パッケージ内部配線イメージ

図 212 シミュレーションモデル

(四端子) (三端子)

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22 基板の配線インダクタンス

基板の配線インダクタンスを電磁界解析で算出します図 221 に解析条件表 221 に解析結果を示します

1 パターン銅箔厚み 01mm

2 パターン幅 10mm(ドレインソースライン)3mm(ゲートライン)

3 パターン長 50mm

4 算出周波数 1MHz

図 221 電磁界解析条件

表 221 電磁界解析結果

W=3mmパターン解析結果 W=10mmパターン解析結果

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

0207nHmm 104nH 00844nHmm 422nH

インダクタンス値はパターンの長さに比例するため各パターンで想定する長さに換算する必要があります図 222に素子

と各パターンの配線インダクタンスの関係配線インダクタンスの名称を表 222 に各パターンの長さとその時の配線インダク

タンス値一覧を示します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 222 素子とパターン配線インダクタンスの関係

表 222 基板の配線インダクタンス一覧

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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1 はじめに 3

2 シミュレーションによる動作検証 4

21 シミュレーションモデル 4

22 基板の配線インダクタンス 5

23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証 7

231 Rg=20Ω時の動作確認 7

232 Rg=10Ω時の動作確認 10

24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証 12

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω) 12

242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω) 15

3 まとめ 17

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1 はじめに

耐圧が 600V以上の高耐圧パワーMOSFET ではオン抵抗と耐圧のトレードオフ改善を行うためスーパージャンクション構

造が開発され製品化が進められてきましたこの構造を採用することで従来のMOSFET に比べオン抵抗が低くスイッチン

グが速くなるという大きなメリットがありますしかしながらこの高速化に伴いスイッチング動作時にパッケージ内部のソースワイヤ

のインダクタンス成分が与える影響が顕著になり効率改善の為に MOSFET を高速動作させようとしてもそれが実現出来な

いという問題が発生することがあります

ターンオフ時の急激な電流変化と寄生インダクタンスにより発生する電圧がゲート波形に重畳されゲート発振が発生する

場合がありますまたターンオン時のドレイン電流変化とMOSFET のソース部の寄生インダクタンスにより発生する電圧によ

りゲート駆動に負帰還が掛かり充分なスイッチング特性が得られず期待した効率が得られない場合があります

これらの問題の解決策にTO-247-4Lパッケージがありますこのパッケージはソース部の配線をドレイン電流が流れる経

路とゲート駆動の経路に分割した四端子構造(三端子構造にゲート駆動経路用ソース端子を追加)を特長としていますこ

の構造によりパッケージ内部のソースワイヤのインダクタンスの影響を低減させることが可能です

本ドキュメントではAC-DC電源の PFC部に最適な高速スイッチング特性を有する DTMOSIV-H製品

TK25N60X(三端子パッケージ品)の挙動を回路シミュレーションで確認します高速スイッチング化を図る上での課題を明ら

かにしその解決策として四端子パッケージ品 TK25Z60X を提案します

次に四端子パッケージ品 TK25Z60Xの挙動を回路シミュレーションで確認しますTK25Z60Xは四端子パッケージの

特長を活かした高速スイッチング動作が可能であり電源の効率向上に貢献可能なことを示します

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2 シミュレーションによる動作検証

21 シミュレーションモデル

検証に使用した三端子構造 TO-247パッケージ TK25N60X と四端子構造 TO-247-4Lパッケージ TK25Z60X のシ

ミュレーションモデルの説明をします当社 webで公開している TK25N60XTK25Z60Xの PSpice モデルはチップ特性の

みをモデル化したものであるためパッケージの影響を含めたシミュレーションを実施するにはパッケージ寄生インダクタンスを外部

で追加する必要があります図 211 に TO-247パッケージと TO-247-4Lパッケージの内部構造と寄生インダクタンスのイ

メージを示します内部MOSFET チップとパッケージ端子を繋ぐ配線にそれぞれインダクタンスが存在します図 212 に各パ

ッケージの内部寄生インダクタンスを追加したシミュレーションモデルを示します

(a) TO-247-4L (b) TO-247

図 211 パッケージ内部配線イメージ

図 212 シミュレーションモデル

(四端子) (三端子)

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22 基板の配線インダクタンス

基板の配線インダクタンスを電磁界解析で算出します図 221 に解析条件表 221 に解析結果を示します

1 パターン銅箔厚み 01mm

2 パターン幅 10mm(ドレインソースライン)3mm(ゲートライン)

3 パターン長 50mm

4 算出周波数 1MHz

図 221 電磁界解析条件

表 221 電磁界解析結果

W=3mmパターン解析結果 W=10mmパターン解析結果

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

0207nHmm 104nH 00844nHmm 422nH

インダクタンス値はパターンの長さに比例するため各パターンで想定する長さに換算する必要があります図 222に素子

と各パターンの配線インダクタンスの関係配線インダクタンスの名称を表 222 に各パターンの長さとその時の配線インダク

タンス値一覧を示します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 222 素子とパターン配線インダクタンスの関係

表 222 基板の配線インダクタンス一覧

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 3: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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1 はじめに

耐圧が 600V以上の高耐圧パワーMOSFET ではオン抵抗と耐圧のトレードオフ改善を行うためスーパージャンクション構

造が開発され製品化が進められてきましたこの構造を採用することで従来のMOSFET に比べオン抵抗が低くスイッチン

グが速くなるという大きなメリットがありますしかしながらこの高速化に伴いスイッチング動作時にパッケージ内部のソースワイヤ

のインダクタンス成分が与える影響が顕著になり効率改善の為に MOSFET を高速動作させようとしてもそれが実現出来な

いという問題が発生することがあります

ターンオフ時の急激な電流変化と寄生インダクタンスにより発生する電圧がゲート波形に重畳されゲート発振が発生する

場合がありますまたターンオン時のドレイン電流変化とMOSFET のソース部の寄生インダクタンスにより発生する電圧によ

りゲート駆動に負帰還が掛かり充分なスイッチング特性が得られず期待した効率が得られない場合があります

これらの問題の解決策にTO-247-4Lパッケージがありますこのパッケージはソース部の配線をドレイン電流が流れる経

路とゲート駆動の経路に分割した四端子構造(三端子構造にゲート駆動経路用ソース端子を追加)を特長としていますこ

の構造によりパッケージ内部のソースワイヤのインダクタンスの影響を低減させることが可能です

本ドキュメントではAC-DC電源の PFC部に最適な高速スイッチング特性を有する DTMOSIV-H製品

TK25N60X(三端子パッケージ品)の挙動を回路シミュレーションで確認します高速スイッチング化を図る上での課題を明ら

かにしその解決策として四端子パッケージ品 TK25Z60X を提案します

次に四端子パッケージ品 TK25Z60Xの挙動を回路シミュレーションで確認しますTK25Z60Xは四端子パッケージの

特長を活かした高速スイッチング動作が可能であり電源の効率向上に貢献可能なことを示します

TO-247-4Lパッケージ製品のデータシートダウンロードはこちらから rarr

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2 シミュレーションによる動作検証

21 シミュレーションモデル

検証に使用した三端子構造 TO-247パッケージ TK25N60X と四端子構造 TO-247-4Lパッケージ TK25Z60X のシ

ミュレーションモデルの説明をします当社 webで公開している TK25N60XTK25Z60Xの PSpice モデルはチップ特性の

みをモデル化したものであるためパッケージの影響を含めたシミュレーションを実施するにはパッケージ寄生インダクタンスを外部

で追加する必要があります図 211 に TO-247パッケージと TO-247-4Lパッケージの内部構造と寄生インダクタンスのイ

メージを示します内部MOSFET チップとパッケージ端子を繋ぐ配線にそれぞれインダクタンスが存在します図 212 に各パ

ッケージの内部寄生インダクタンスを追加したシミュレーションモデルを示します

(a) TO-247-4L (b) TO-247

図 211 パッケージ内部配線イメージ

図 212 シミュレーションモデル

(四端子) (三端子)

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22 基板の配線インダクタンス

基板の配線インダクタンスを電磁界解析で算出します図 221 に解析条件表 221 に解析結果を示します

1 パターン銅箔厚み 01mm

2 パターン幅 10mm(ドレインソースライン)3mm(ゲートライン)

3 パターン長 50mm

4 算出周波数 1MHz

図 221 電磁界解析条件

表 221 電磁界解析結果

W=3mmパターン解析結果 W=10mmパターン解析結果

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

0207nHmm 104nH 00844nHmm 422nH

インダクタンス値はパターンの長さに比例するため各パターンで想定する長さに換算する必要があります図 222に素子

と各パターンの配線インダクタンスの関係配線インダクタンスの名称を表 222 に各パターンの長さとその時の配線インダク

タンス値一覧を示します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 222 素子とパターン配線インダクタンスの関係

表 222 基板の配線インダクタンス一覧

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 4: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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2 シミュレーションによる動作検証

21 シミュレーションモデル

検証に使用した三端子構造 TO-247パッケージ TK25N60X と四端子構造 TO-247-4Lパッケージ TK25Z60X のシ

ミュレーションモデルの説明をします当社 webで公開している TK25N60XTK25Z60Xの PSpice モデルはチップ特性の

みをモデル化したものであるためパッケージの影響を含めたシミュレーションを実施するにはパッケージ寄生インダクタンスを外部

で追加する必要があります図 211 に TO-247パッケージと TO-247-4Lパッケージの内部構造と寄生インダクタンスのイ

メージを示します内部MOSFET チップとパッケージ端子を繋ぐ配線にそれぞれインダクタンスが存在します図 212 に各パ

ッケージの内部寄生インダクタンスを追加したシミュレーションモデルを示します

(a) TO-247-4L (b) TO-247

図 211 パッケージ内部配線イメージ

図 212 シミュレーションモデル

(四端子) (三端子)

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22 基板の配線インダクタンス

基板の配線インダクタンスを電磁界解析で算出します図 221 に解析条件表 221 に解析結果を示します

1 パターン銅箔厚み 01mm

2 パターン幅 10mm(ドレインソースライン)3mm(ゲートライン)

3 パターン長 50mm

4 算出周波数 1MHz

図 221 電磁界解析条件

表 221 電磁界解析結果

W=3mmパターン解析結果 W=10mmパターン解析結果

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

0207nHmm 104nH 00844nHmm 422nH

インダクタンス値はパターンの長さに比例するため各パターンで想定する長さに換算する必要があります図 222に素子

と各パターンの配線インダクタンスの関係配線インダクタンスの名称を表 222 に各パターンの長さとその時の配線インダク

タンス値一覧を示します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 222 素子とパターン配線インダクタンスの関係

表 222 基板の配線インダクタンス一覧

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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22 基板の配線インダクタンス

基板の配線インダクタンスを電磁界解析で算出します図 221 に解析条件表 221 に解析結果を示します

1 パターン銅箔厚み 01mm

2 パターン幅 10mm(ドレインソースライン)3mm(ゲートライン)

3 パターン長 50mm

4 算出周波数 1MHz

図 221 電磁界解析条件

表 221 電磁界解析結果

W=3mmパターン解析結果 W=10mmパターン解析結果

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

1mm あたり

インダクタンス

L=50mm時

インダクタンス

0207nHmm 104nH 00844nHmm 422nH

インダクタンス値はパターンの長さに比例するため各パターンで想定する長さに換算する必要があります図 222に素子

と各パターンの配線インダクタンスの関係配線インダクタンスの名称を表 222 に各パターンの長さとその時の配線インダク

タンス値一覧を示します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 222 素子とパターン配線インダクタンスの関係

表 222 基板の配線インダクタンス一覧

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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FET パターン名称 説明 パターン長 パターン幅 配線インダクタンス

TK25Z60X

(四端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L-FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

TK25N60X

(三端子)

Lg_pcb ドライバ出力-FET ゲート端子間 50mm 3mm 42nH

Ls_pcb1 FET ソース端子-パワーGND間 30mm 10mm 26nH

Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバ GND間 95mm 3mm 2nH

Ld_pcb インダクタ L -FET ドレイン端子間 50mm 10mm 42nH

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 7: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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23 三端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

231 Rg=20Ω時の動作確認

図 2311 に検証に使用する回路を示しますシミュレーションは以下条件で実施します

1 電源電圧 V8=300V

2 インダクタンス L4=250uH初期電流 IC=10A

3 MOSFET ドライバ 電源電圧 V7=10V

出力抵抗 R32=05Ω(プッシュプル共通)Trise=Tfall=10ns

4 外付けゲート抵抗 Rgate4=20Ω

素子の自己発熱は考慮せず温度条件は 25一定

図 2311 シミュレーション回路図

(三端子)

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 8: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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図 2312 ターンオン時電流波形

図 2313 ターンオン時電圧波形

図 2314 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns 450ns 500ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

52uJ

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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図 2315 ターンオフ時ゲート波形

図 2314はターンオン時の電流値電圧値を掛け合わせた値を表した波形ですこれを時間で積分した物がターンオン

時のスイッチングロスであり52μJ となります図 2315 にターンオフ時のゲート波形を示しますゲート発振は確認されませ

んでした

次に効率向上を目的にターンオン時のスイッチング損失 52μJ を低減する為に外付けゲート抵抗 Rg を 20Ωから 10Ωに

変えてシミュレーションを実施します

Time

070us 075us 080us 085us 090us 095us 100us

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 10: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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232 Rg=10Ω時の動作確認

外付けゲート抵抗 Rg を 10Ωに変更した時のシミュレーション波形を示します

図 2321 ターンオン時電流波形

図 2322 ターンオン時電圧波形

図 2323 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld4)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld41ls42)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q4)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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図 2324 ターンオフ時ゲート波形

ターンオン時のスイッチング損失は 39μJ と Rg=20Ω時から 25低減出来ましたしかしながらターンオフ時の Vgs波形

に発振が観測されましたこの Vgs波形の発振がグランドラインに伝搬すると周辺回路の誤動作を引き起こしたりEMI ノイ

ズが発生したりする恐れがある為実応用時には十分な注意検証が必要です

この回路定数でMOSFET を四端子パッケージ品 TK25Z60X に変更しシミュレーションを実施します

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg41ls42)

-4V

0V

4V

8V

12V

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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24 四端子パッケージ品のシミュレーションによる検証

241 三端子パッケージ品との比較(Rg=10Ω)

図 2411 に検証に使用する回路を示します基板の配線インダクタンスは表 222 の値を使用しています四端子

パッケージ品 Q3三端子パッケージ品 Q6 ともに外付けゲート抵抗 Rg=10Ωの同条件でシミュレーションを実施します

図 2411 シミュレーション回路図

(三端子) (四端子)

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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図 2412 ターンオン時電流波形

図 2413 ターンオン時電圧波形

図 2414 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld6)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31Ls3_pcb11) V(ld61Ls4_pcb31)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q6)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

39uJ 16uJ

3620Aus

770Aus

Q3 Id Q6 Id

Q3 Vds Q6 Vds

Q3 Loss Q6 Loss

三端子比 41

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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図 2415 ターンオフ時ゲート波形

四端子パッケージ品はターンオフ時の Vgs発振は観測されませんでした四端子パッケージはターンオフ時の Vgs発振抑

制に効果があることが確認できました

また四端子パッケージ品は三端子パッケージ品と比べターンオン時のスイッチングが速くスイッチングロスは三端子パッケー

ジ品比 41と大幅に低減していますこれは三端子パッケージではパッケージ内ソース部の寄生インダクタンスと基板のソー

スパターンの配線インダクタンスとターンオン時の電流変化によって発生する電圧によりゲートに負帰還が掛かりスイッチング

が遅くなるのに対し四端子パッケージではゲート駆動ラインとドレイン電流ラインが分離されているため負帰還が掛からないか

らです図 2416 は両パッケージのゲート駆動経路の概略図です三端子パッケージの場合ターンオン時に素子のゲート

に印加される電圧 VGS はドライバ出力 VDRV からドレイン電流変化によりソース部インダクタンスで発生する電圧を減じた電

圧となります一方四端子パッケージの場合 VGSは VDRV とほぼ同じとなります

次に更なる効率向上を目的に四端子パッケージ品でより小さな Rg を適用しスイッチングロス低減が可能か検証します

(a) 四端子パッケージ (b) 三端子パッケージ

図 2416 ゲート駆動経路外略図

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg61Ls4_pcb31) V(lg31ls3_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

発振なし

Q3 Vgs Q6 Vgs

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

Page 15: リファレンスガイド - Toshiba...Ls_pcb1 FET -パワーGND 間 30mm 10mm 2.6nH Ls_pcb2 FET ソース端子-ドライバGND間 9.5mm 3mm 2nH Ld_pcb インダクタL-FET ドレイン端子間

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242 四端子パッケージ品動作検証(Rg=33Ω)

四端子パッケージ使用時により高速なスイッチング動作を実現するため図 2411 の回路の外部ゲート抵抗 Rgate3

を 10Ωから 33Ωに変更してシミュレーションを行います以下にシミュレーション結果を示します

図 2421 ターンオン時電流波形

図 2422 ターンオン時電圧波形

図 2423 ターンオン時スイッチングロス

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

I(ld3) I(ld5)

-4A

0A

4A

8A

12A

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

V(ld31ls3_22) V(ld51ls5_22)

0V

100V

200V

300V

400V

Time

200ns 250ns 300ns 350ns 400ns

W(Q3) W(Q5)

0W

10KW

20KW

30KW

40KW

16uJ 8uJ

10Ω Loss

33Ω Loss

5630Aus

3620Aus

10Ω Id

33Ω Id

10Ω Vds

33Ω Vds

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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図 2424 ターンオフ時ゲート波形

外部ゲート抵抗を 33Ωに変更することでターンオン時のスピードが速くなっておりスイッチングロスも約 50低減していま

すまたターンオフ時のゲート波形に関しても発振が発生していないことが確認できます三端子構造の TO-247 パッケー

ジの場合は効率向上を目的に外付けゲート抵抗を下げることは発振現象発生により困難でしたが四端子構造の TO-

247-4L パッケージは発振が発生しにくい構造のため外付けゲート抵抗値を下げることでより高速なスイッチング動作が可能

となります

Time

700ns 750ns 800ns 850ns 900ns

V(lg31ls3_22) V(lg51ls5_22)

-4V

0V

4V

8V

12V

10Ω Vgs

33Ω Vgs

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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3 まとめ

スーパージャンクション構造の DTMOSIV-H製品のパッケージ違いである四端子パッケージ品 TK25Z60X(TO-247-

4L)と三端子パッケージ品 TK25N60X(TO-247)に関して回路シミュレーションにてスイッチング特性解析を実施しました

三端子パッケージ品では効率向上を目的にスイッチングを速くするために外付けゲート抵抗 Rg を小さくするとゲート発振

が観測されましたこの状態でも四端子パッケージ品はゲート発振のないスイッチングが実現できます三端子パッケージにて

配線パターンやゲート駆動回路の影響でゲート振動が発生する問題がある際は四端子パッケージがその問題の解決策とな

りますまた四端子パッケージは三端子パッケージに比べターンオン時のスイッチングが速くターンオンロスが低減されます

四端子パッケージ品でより小さな外付けゲート抵抗を使用してもゲート発振なくスイッチングロスを低減可能なことを確認し

ましたスイッチングロスを低減したい場合は四端子構造の TO-247-4L の使用が有効です

表 31 に実施したシミュレーション結果一覧を示します

表 31 シミュレーション結果まとめ

製品 パッケージ 外付け

ゲート抵抗

Id Slew Rate

ターンオフ時

ゲート発振

ターンオン時

スイッチングロス

ターンオンスイッ

チングロス

(TK25N60X の

ゲート抵抗 20Ω

時比)

TK25Z60X TO-247-4L

(四端子)

33Ω 5630Aμs なし 8μJ 15

10Ω 3620Aμs なし 16μJ 31

TK25N60X TO-247

(三端子)

10Ω 770Aμs あり 39μJ 75

20Ω 680Aμs なし 52μJ ―

四端子パッケージ品 TK25Z60X の外付けゲート抵抗 33Ω時のターンオンスイッチングロスは三端子パッケージ品

TK25N60X の外付けゲート抵抗 20Ω時の値に比べ 15と大幅に低減が可能ですこれは一般的な 10kW出力の

PFC回路において 05程度の効率改善に相当します

以上の結果より四端子パッケージは三端子パッケージと比べゲート発振が発生し難く高速動作に有効であることを確

認しています

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします

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ご利用規約 本規約はお客様と東芝デバイスストレージ株式会社(以下「当社」といいます)との間で当社半導体製品を搭載した機器を設計する際に参考となるドキュメント及びデータ(以下「本リファレンスデザイン」といいます)の使用に関する条件を定めるものですお客様は本規約を遵守しなければなりません本リファレンスデザインをダウンロードすることをもってお客様は本規約に同意したものとみなされますなお本規約は変更される場合があります当社は理由の如何を問わずいつでも本規約を解除することができます本規約が解除された場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しなければなりませんまたお客様が本規約に違反した場合はお客様は本リファレンスデザインを破棄しその破棄したことを証する書面を当社に提出しなければなりません 第1条 禁止事項 お客様の禁止事項は以下の通りです 1 本リファレンスデザインは機器設計の参考データとして使用されることを意図しています信頼性検証などそれ以外の目的には使用しないでください 2 本リファレンスデザインを販売譲渡貸与等しないでください 3 本リファレンスデザインは高低温多湿強電磁界などの対環境評価には使用できません 4 本リファレンスデザインを国内外の法令規則及び命令により製造使用販売を禁止されている製品に使用しないでください 第2条 保証制限等 1 本リファレンスデザインは技術の進歩などにより予告なしに変更されることがあります 2 本リファレンスデザインは参考用のデータです当社はデータおよび情報の正確性完全性に関して一切の保証をいたしません 3 半導体素子は誤作動したり故障したりすることがあります本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合は誤作動や故障により生命身体財産が侵害されることのないようにお客様の責任においてお客様のハードウェアソフトウェアシステムに必要な安全設計を行うことをお願いしますまた使用されている半導体素子に関する最新の情報(半導体信頼性ハンドブック仕様書データシートアプリケーションノートなど)をご確認の上これに従ってください 4 本リファレンスデザインを参考に機器設計を行う場合はシステム全体で十分に評価しお客様の責任において適用可否を判断して下さい当社は適用可否に対する責任は負いません 5 本リファレンスデザインはその使用に際して当社及び第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません 6 当社は本リファレンスデザインに関して明示的にも黙示的にも一切の保証(機能動作の保証商品性の保証特定目的への合致の保証情報の正確性の保証第三者の権利の非侵害保証を含むがこれに限らない)をせずまた当社は本リファレンスデザインに関する一切の損害(間接損害結果的損害特別損害付随的損害逸失利益機会損失休業損データ喪失等を含むがこれに限らない)につき一切の責任を負いません 第3条 輸出管理 お客様は本リファレンスデザインを大量破壊兵器の開発等の目的軍事利用の目的あるいはその他軍事用途の目的で使用してはなりませんまたお客様は「外国為替及び外国貿易法」「米国輸出管理規則」等適用ある輸出関連法令を遵守しなければなりません 第4条 準拠法 本規約の準拠法は日本法とします