10
ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 1 1 ソーシャルワーク とは何か? 2014年4月10日(木) ソーシャルワーク実習入門 ソーシャルワーク専門職は、 (ウエルビーング)の増進を目指して、 を進め、 問題解決を図り、 人びとの と解放を促していく。 国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW2000ソーシャルワークの定義(1) 2 人間の福利 社会の変革 エンパワメント 人間関係における ソーシャルワークは、 に関する理論を利用して、人びとがその に介入する。 人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの 拠り所とする基盤である。 国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW2000ソーシャルワークの定義(2) 3 人間の行動 環境と相互に影響しあう接点 社会シス テム 目的 ◇人間のウェルビーイングの増進 行うことは ◇社会の変革 ◇人間関係における問題解決 ◇エンパワメント 4 ソーシャルワークの定義 ポイント(1) 用いる理論 ◇人間の行動 に関する理論 (行動理論,心理学等) ◇社会システム に関する理論 (社会学等) ソーシャルワークの独自性 ◇人が環境と相互に影響しあう接点に介入 ◇人権と社会正義の原理を拠り所にする 5 ソーシャルワークの定義 ポイント(2) 6 社会福祉施策全体の流れ ノーマライゼーションの理念の実現へ 費用の効率化 施設福祉 地域生活支援 そのための方法 在宅福祉・コミュニティ福祉 ケアマネジメント

ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

1

1

ソーシャルワーク とは何か?

2014年4月10日(木)

ソーシャルワーク実習入門

ソーシャルワーク専門職は、

(ウエルビーング)の増進を目指して、

を進め、 問題解決を図り、

人びとの と解放を促していく。

国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)2000.

ソーシャルワークの定義(1)

2

人間の福利

社会の変革

エンパワメント

人間関係における

ソーシャルワークは、 と

に関する理論を利用して、人びとがその

. に介入する。

人権と社会正義の原理は、ソーシャルワークの

拠り所とする基盤である。

国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)2000.

ソーシャルワークの定義(2)

3

人間の行動

環境と相互に影響しあう接点

社会シス

テム

目的

◇人間のウェルビーイングの増進

行うことは

◇社会の変革

◇人間関係における問題解決

◇エンパワメント

4

ソーシャルワークの定義 ポイント(1)

用いる理論

◇人間の行動 に関する理論

(行動理論,心理学等)

◇社会システム に関する理論

(社会学等)

ソーシャルワークの独自性

◇人が環境と相互に影響しあう接点に介入

◇人権と社会正義の原理を拠り所にする 5

ソーシャルワークの定義 ポイント(2)

6

社会福祉施策全体の流れ

ノーマライゼーションの理念の実現へ

費用の効率化

施設福祉 ⇒ .

⇒ 地域生活支援

そのための方法 ⇒ .

在宅福祉・コミュニティ福祉

ケアマネジメント

Page 2: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

2

ノーマライゼーションの考え方(1)

福祉の対象者を特殊視し,隔離的に処遇する

考え方を改めて,障害者も,身体の自由のきかな

い老人も,長期療養中の病人も,できるだけ

で, .

ができるようにするべき。

7

住み慣れた環境の中 日常的な普通の生活

ノーマライゼーションの考え方(2)

働く年齢の人は,障害者でもできるだけ働き,学

校へ行く年齢の人は,できるだけ学校へ行って,

をすべきである。

8

普通の生活

ノーマライゼーションの具体的な内容

①障害者・高齢者を することはよくない

②西欧諸国では,施設はすべて する方向性である(施設が必要という考えもある)

③新しい収容施設は .

④ 環境を作る

*在宅化

*サービスハウジング

*駅前等の公共施設にアパートを用意する 9

収容・隔離

廃止

作らない

町の中に住める

10

何が求められているのか

で当たり前に生活できること(場所)

⇒まずは, が重要

制度・サービスを利用して

を満たすこと(目的)

それを支援すること(方法)

地域

住居の確保

ニーズ

11

ICF(国際生活機能分類)

.

International(国際的な)

Classification of (分類)

Functioning, Disability and Health

(生活機能:機能,障害,健康 )

人間の生活機能と障害の分類法として,2001年5月,世界保健機関(WHO)総会において採択された

ICF

ICFの特徴(1)

①これまでのWHO国際障害分類(ICIDH)がマイ

ナス面を分類するという考え方が中心であったのに対し,

ICFは,生活機能という からみるよう

に視点を転換し,さらに 等の観点を

加えた

②障害はマイナスだけでなく, にも働く

双方向型の視点に立つ 12

プラス面

プラス

環境因子

Page 3: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

3

③社会のあり方に着目し,「 」の重要性を強調した。

④ICFは「 」といわれる。

⑤背景因子には,「 」と「 」がある。

13

ICFの特徴(2)

背景因子

社会モデル

環境因子 個人因子

⑥障害を機に, があると考える。

⑦3つのレベルと健康状態,背景因子が .

し合うことを強調している。

14

ICFの特徴(3)

新しい活動や参加

相互に

関係

15

ICF 国際生活機能分類

16

社会生活を疎外する理由

何らかの原因によって

生活上のニーズが .

理由は大きく2つある

* (病気・障害など)が影響

* が影響している

もう少し詳しく

充足できない

環境

個人の特徴

17

社会生活を疎外する環境バリア

周囲の人(家族を含む)の .

理解がないので, .

周囲の人との がうまくいかない

結果,社会との .

そのために .

関係の障害

理解が得られない

ニーズが充足できない

対応ができない

関係も切れる(孤立)

「関係」

18

支援の基本的な考え方

当事者に (強さ,潜在的な力)がある

その力が 理由がある

多くの場合,その理由は にもある

それを (障壁)という

バリアを ⇒力(パワー)は発揮

※これを という

(そのために)一緒に考え,行動する

ストレングス

発揮できない

環境

バリア

除去

エンパワメント

Page 4: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

4

19

利用者の する

何らかの理由によって

「当たり前」の市民生活ができない

これを という

それは につながる

そのような状況の改善を図る

ソーシャルワーカーは 何をする専門職?

生活を支援

生活問題

人権侵害

20

個人の生活の全体像

個人 社会関係

関係の中で

ニーズを

充足する

社会・環境 他者や制度を含む

社会的自己実現

ニーズ(needs)を

持っている

環境との間で発揮される力

パワー(power) 潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

21

個人とニーズ(needs)

個人

ニーズ(needs)を

持っている

ニーズ

人間が社会的に生きて いくために必要不可欠な基本的欲求

これが充足されないと個人の尊厳が守れない

複数ある

障害があっても同じ

22

個人の潜在的な力 (ストレングス:strength)

個人

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

ストレングス

「強さ」「力」といわれる

人間に潜在的にあるもの

障害があってもある

23

社会・環境

社会・環境 他者や制度を含む

24

社会関係

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

Page 5: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

5

25

環境との間で発揮される力 パワー(power)

個人

社会・環境 他者や制度を含む

環境との間で発揮される力

パワー(power) 潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

社会関係

26

ニーズが充足される

個人 社会関係

関係の中で

ニーズを

充足する

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

環境との間で発揮される力

パワー(power) 潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

27

社会的自己実現が達成される

個人 社会関係

関係の中で

ニーズを

充足する

社会・環境 他者や制度を含む

社会的自己実現(その人らしい生活の実現)

ニーズ(needs)を

持っている

環境との間で発揮される力

パワー(power) 潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

28

「生活のしづらさ」

何らかの理由で . 病気や障害がきっかけになることが多い

具体的には?

生活をするときにうまくいかない

自分の思うようにいかない

人との関係がうまく作れない

社会のルールがうまく守れない

生活が「しづらくなる」

29

生活のしづらさの原因は?

の問題

その人自身の問題

の問題

その人を取り巻く環境の問題

環境=周囲の人,社会の仕組み etc…

個人と環境の関係( )の問題

その人が環境とうまく関係が作れない

個人

環境

社会関係

30

生活のしづらさへの支援

個人の問題

その人自身へ働きかける

環境の問題

環境に働きかける

個人と環境の関係(社会関係)の問題

関係に働きかける

Page 6: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

6

31

支援とは?

その人にはその人なりの がある

意見はその人の である

その する

意見が言えるようにその人を .

*指導・援助も大事

*でも,それだけではよくない

意見

持っている力

意見を尊重

支える

32

個人の問題(1)

病気や障害によって生活がしづらい

求められること

病気や障害をより良い状態にする

そのためにはその人を変える

33

個人の問題(2)

具体的に何をするの?

薬の服用,手術を受ける(医療が対応)

カウンセリング

◇面接をする

◇問題を明らかにする

◇対応の仕方を変える

訓練

◇リハビリテーション

34

環境の問題(1)

環境の対応が悪いので生活がしづらい

求められること

環境をより良い状態にする

そのためには環境を変える(作る)

*他者に働きかけて,他者を変える

*制度に働きかけて,制度(サービス)を変える

*なければ,制度(サービス)を作る

35

環境の問題(2)

具体的に何をするの?

周囲の人に働きかける

◇周囲の人を変える

◇周囲の人にカウンセリングをする

◇心理教育を使う(SSTの活用)

制度に働きかける(ソーシャルアクション)

◇社会に対してアピールする

◇市民・行政・議会に働きかける 36

社会関係の問題(1)

• 関係が悪いので生活しづらい

求められること

関係をより良いものにする

そのためには関係を変える

◇関係そのものに働きかける

◇間に入り調整をする

Page 7: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

7

37

社会関係の問題(2)

具体的に何をするの?

*一緒に話し合う場を作る

*問題を一緒に考える

*それぞれができることを見つけ出す

*意見を言う

*互いの意見を代わりに言う( )

*その人が意見を言えるように支援する

アドボカシー

38

「個人の問題」と見ると

障害があるのは個人の問題

◇障害を しよう

◇ をして仕事ができるようにしよう

*職業訓練

*リハビリテーション

克服

訓練

39

「環境の問題」と見ると

障害者の就労に対する考えの誤解・偏見

(働いてはいけない,働けるはずがない)

会社が .

社員の障害者に対する .

障害者が働ける .

障害があっても働ける .

家族の .

など

雇ってくれない

理解がない

場所がない

仕組み・制度がない

理解がない

40

「社会関係の問題」と見ると

障害があっても を考える

互いに補い合う方法を考える

接することで,学び,障害者を理解する

障害者の特徴にあった .

障害者が求めていることを .

困ることを見つけて改善方法を .

そのために .

働ける方法

仕事を見つける

相手に言う

相談する 交流する

41

生活問題のきっかけ 病気・障害など

個人

病気

障害など

42

生活問題が起こる状況 その1(個人側)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(powerless)

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

病気

障害など

Page 8: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

8

43

生活問題のきっかけ 人権侵害・抑圧など

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

人権侵害・抑圧など ②

44

生活問題が起こる状況 その2(環境側)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(powerless)

人権侵害・抑圧など

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

45

生活問題が起こる状況(全体像)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

社会的自己実現

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(powerless) 病気

障害など

人権侵害・抑圧など

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

46

ソーシャルワーカーの対応(1)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(powerless) 病気

障害など

①個人への関わり ソーシャルワーカー

(SWr)

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

47

対応の種類

個人

①個人への関わり ソーシャルワーカー

(SWr) 1)個人援助

ケースワーク

2)集団援助

グループワーク

3)地域援助

コミュニティワーク

48

地域

対応の焦点の違い

グループ

個人

ソーシャルワーカー

(SWr)

Page 9: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

9

49

パワーが発揮できない状況(1)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

環境との間で発揮される力

パワー(power)

病気

障害など

力が発揮できない

パワーレス(powerless)

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

ニーズ(needs)を

持っている 50

個人

社会・環境 他者や制度を含む

環境との間で力が発揮される

エンパワー(empower)

エンパワメント

ソーシャルワーカー

(SWr) ①個人への関わり

病気

障害など

ニーズ(needs)を

持っている

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

51

パワーが発揮できない状況(2)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

力が発揮できない

パワーレス(powerless)

ニーズ(needs)を

持っている 人権侵害・抑圧など

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

環境との間で発揮される力

パワー(power)

52

①対応を変える

他者から尊重される

②対応を作る

制度・サービスを創る

ソーシャルワーカーの対応(2)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ソーシャルワーカー

(SWr) ②環境への関わり

ニーズ(needs)を

持っている 人権侵害・抑圧など

53

アドボカシー

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(power less)

人権侵害・抑圧など

ソーシャルワーカー

(SWr) ②環境への関わり

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

54

ソーシャルワーカーの対応(全体)

個人 社会関係

社会・環境 他者や制度を含む

ニーズ(needs)を

持っている

力が発揮できない

パワーレス(power less)

病気

障害など

①個人への関わり

ソーシャルワーカー

(SWr) ②環境への関わり

人権侵害・抑圧など

潜在的な力

(ストレングス:strength) を持っている

Page 10: ソーシャルワーク ソーシャルワーク専門職は、 と …ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7 5 25 環境との間で発揮される力 ニーズが充足される

ソーシャルワーク実習入門 2011-4-7

10

55

ケアマネジメントの充実を

している利用者が対象

を持っている

サービスを適切に利用することが必要

(サービス = ニーズを充足するための方法)

本人の する

ニーズが充足できなければ, をする

改善で対応できない時には, .

する

地域で生活

複数のニーズ

意向を尊重

改善

サービスを創設

56

その人の できるように支援する

支援を行う人

社会福祉の専門職

専門職以外の人

協力体制が大切

協力体制を円滑にする をする

本人の する

支援を行うときの注意点

力が発揮

連携

意思を尊重