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甲府市国民健康保険保健事業実施計画 データヘルス計画 (平成 28年度~平成 29 年度) 平成 28年4月 甲府市 国民健康保険課

データヘルス計画 - Kofu...活用してPDCAサイクル*2に沿った効果的かつ効率的な保健業の実施を図るための保健業の実 施計画(データヘルス計画)を策定した上で、保健業の実施及び評価を行うものと

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甲府市国民健康保険保健事業実施計画

データヘルス計画

(平成 28年度~平成 29年度)

平成 28年4月

甲府市 国民健康保険課

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目 次

第1章 計画策定にあたって

1 策定背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

2 計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

3 計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

第2章 基本情報

1 人口動態等統計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2 介護保険の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

第3章 医療費からみた疾病の状況

1 受診状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9

2 入院及び外来の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・10

3 男女別・年齢階級別生活習慣病の状況・・・・・・・・・12

4 人工透析をしている患者数及び医療費の推移・・・・・・16

5 地区別被保険者に対する各疾患の患者割合について・・・17

第4章 特定健診からみた状況

1 受診率・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

2 有所見者状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

3 生活行動状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

4 健診受診時の疾患別医療受診状況・・・・・・・・・・・28

第5章 保健事業の整理

1 特定保健指導・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29

2 糖尿病の早期発見及び重症化予防事業・・・・・・・・・30

3 ポピュレーション事業・・・・・・・・・・・・・・・・32

4 保健事業に対する住民アンケートの結果・・・・・・・・33

第6章 健康課題と取組の方向性

1 健康課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37

2 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

3 目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

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4 対策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

第7章 今後取り組む保健事業

1 生活習慣病重症化予防対策事業・・・・・・・・・・・・39

2 生活習慣病予防対策事業・・・・・・・・・・・・・・・41

3 生活習慣病予備群の改善・コントロール対策事業・・・・44

4 医療費適正化に向けての事業・・・・・・・・・・・・・46

第8章 その他

1 個人情報の保護・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

2 計画の公表・周知・・・・・・・・・・・・・・・・・・47

3 本計画評価及び見直し・・・・・・・・・・・・・・・・47

4 円滑な実施のための事項・・・・・・・・・・・・・・・47

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1

第1章 計画策定にあたって

1 策定背景

近年、特定健康診査の実施や診療報酬明細書(レセプト)の電子化の進展、国保データベース(K

DB)システム等の整備により、保険者が健康や医療に関する情報を活用して被保険者の健康課題の

分析、保健事業の評価等を行うための基盤の整備が進んでいます。

こうした中、「日本再興戦略」(平成 26年 6月 14日閣議決定)においても、「全ての健康保険組

合に対し、レセプト等のデータの分析、それに基づく加入者の健康保持増進のための事業計画として

「データヘルス計画」の作成・公表、事業実施、評価等の取組を求めるとともに、市町村国保が同様

の取組を行うことを推進する。」とされ、保険者はレセプト等を活用した保健事業を推進することと

されました。

これまでも、保険者においては、レセプト等や統計資料等を活用することにより、「特定健康診査

等実施計画」の策定や見直し、その他の保健事業を実施してきましたが、今後は、さらなる被保険者

の健康保持増進に努めるため、保有しているデータを活用しながら、被保険者をリスク別に分けてタ

ーゲットを絞った保健事業の展開や、ポピュレーションアプローチ*1から重症化予防まで網羅的に保

健事業を進めていくことなどが求められています。

こうした背景を踏まえ、国民健康保険法(昭和 33年法律第 192号)第 82条第 4項の規定に基づき

厚生労働大臣が定める国民健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針(平成 16年厚生労働省

告示第 307号。以下「保健事業実施指針」という。)の一部が改正され、保険者は健康・医療情報を

活用してPDCAサイクル*2に沿った効果的かつ効率的な保健事業の実施を図るための保健事業の実

施計画(データヘルス計画)を策定した上で、保健事業の実施及び評価を行うものとされました。

そこで、甲府市では、被保険者のさらなる健康保持増進に努めるため、生活習慣や健診データ、国

保レセプトデータなど各種データを基に、健康課題について明らかにし、優先度を考慮に入れながら

ターゲットを絞った保健事業を展開するための、『データヘルス計画』を策定します。データの収集

にあたっては、個人情報保護に十分配慮し、生活習慣病の発症予防から重症化予防まで視野に入れた

保健事業を実施します。

*1 ポピュレーションアプローチとは 対象者を一部に限定せず集団全体を対象とすることです。

*2 PDCAサイクルとは 事業を充実・改善していくための進め方。 Plan(計画)→Do(実施)→Check(評価)→Act(改善)を繰り返し行うことで、事業の質の向上、継続的な改善をすることができます。

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2

2 計画の位置づけ

この計画は、健康・医療情報を活用してPDCAサイクルに沿った効果的かつ効率的な保健事業の

実施を図るための保健事業の実施計画であり、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本

21(第2次))」に示された基本方針を踏まえるとともに、「特定健診等第2期実施計画(平成

25~平成29年度)」、「第六次甲府市総合計画(平成28~平成37年度)」及び、「第3次健

やかいきいき甲府プラン」の「甲府市保健計画(平成27~平成31年度)」における評価指標を用

いるなど、それぞれの計画との整合性を図ってまいります。

3 計画期間

計画期間は、医療費適正化計画の第2期の最終年度である平成29年度までとすることが望ましい

とされていることから、計画期間は、平成29年度までを第1期とします。

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3

H22 H23 H24 H25 H26

甲府市高齢化率 24.6 24.7 25.2 26.1 26.9

山梨県高齢化率 24.1 24.2 24.7 25.7 26.6

全国高齢化率 23.0 23.3 23.7 24.7 25.6

20.021.022.023.024.025.026.027.028.0

第2章 基本情報

1 人口動態等統計

①人口・人口動態統計・国民健康保険加入率

平成26年3月31日現在、甲府市の人口は193,812人です。国民健康保険の被保険者は

53,663人で、人口に占める割合は27.7%です。年齢別加入率は、0歳~54歳までは30%

以下で、年齢が高くなるにつれて加入率は増加する傾向にあり、特に60歳以降で加入者数、加入率

とも急増しています。(特定健診、特定保健指導の対象者である40歳~74歳の被保険者は

37,522人、加入率42.1%)第二次ベビーブーム世代が高齢者となると国民健康保険加入者

の増加に伴い、医療費の増加が見込まれ、支える世代の負担の増大が予想されます。医療費を抑制す

るためにも、支える世代の負担を増やさないためにも40歳代が健康に老後を迎えられることが課題

となります。(図1)

65歳以上の高齢者数は52,188人(高齢化率26.9%)で、4人に 1人が高齢者となって

いる状況です。各年4月1日現在の高齢化率を見ると、甲府市は全国や県よりも高く、年々上昇して

います。(図2)反対に、年少人口(0歳~14歳)と生産年齢人口(15歳~64歳)は、第二次

ベビーブーム世代期(昭和46年~昭和49年生)以降減少が続いています。出生率は全国より低く、

県より若干高く推移していますが、少子化の傾向は続いています。(図3)

図1 国民健康保険被保険者の加入者数と加入率(H26.3.31現在)

図2 高齢化率の推移(山梨県高齢者福祉基礎調査より)

00.20.40.60.81

010002000300040005000600070008000

国保被保険者数 その他被保険者数 国保加入率

男性0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000

0歳~ 4歳

10歳~14歳

20歳~24歳

30歳~34歳

40歳~44歳

50歳~54歳

60歳~64歳

70歳~74歳 女性

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図3 甲府市出生数と出生率の推移

甲府市をブロック別に見ると、人口分布では、新興住宅地として開発が進み人口が増加している南

ブロックが突出して高く、甲府駅に近く中心部に位置する中央ブロックが他ブロックに比べて少ない

です。高齢化率を見ると、中央ブロックと北ブロックは30%を超え、高齢化が進んでいます。医療

機関は、中央、南ブロックの診療所数が他のブロックと比較し多く、偏在しています。(図4)

国民健康保険の被保険者のブロック別加入率は、地域差は見られません。(図5)

図4 甲府市のブロック別状況(人口、高齢化率:H26.3.31現在)

H21 H22 H23 H24 H25

甲府市出生数 1,564 1,551 1,510 1,464 1,482

甲府市出生率 8.1 8 7.9 7.7 7.6

山梨県出生率 7.8 7.8 7.6 7.5 7.4

全国出生率 8.5 8.5 8.3 8.2 8.2

6.877.27.47.67.888.28.48.6

1,4001,4201,4401,4601,4801,5001,5201,5401,5601,580 人

中央富士川・新紺屋相生・春日・朝日

20,377 34.3 2 48

東琢美・東・甲運里垣・玉諸

36,574 25.6 3 29

西貢川・石田池田・新田・穴切

35,976 27.2 2 29

南伊勢・湯田・国母大国・山城・大里中道・上九一色

64,637 23.1 3 47

北北新・相川千塚・羽黒千代田・能泉・宮本

36,248 30.6 4 25

193,812 26.9 14 178

一般診療所数

合  計

人口65歳以上高齢化率

病院数(精神科含)

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図5 地区ブロック別の人口と国民健康保険加入率(H26.4.1現在)

②死亡数・死亡率の推移

死亡率は、ばらつきがみられます。

全国、山梨県と比較すると、甲府市は

全国より高く、山梨県より低い率で推

移しています。

平成25年の死亡率は、甲府市

10.8%、山梨県11.3%、

全国10.1%です。(図6)

③死因順位

甲府市の死因順位を生活習慣関連疾患に着目すると、平成21~25年の5年間、心疾患が2位を

占めています。脳血管疾患は、平成21年は4位でしたが、平成22~25年は3位となっています。

甲府市の特徴として、心疾患、脳血管疾患及び腎不全などの生活習慣病が上位を占めています。また、

全国では糖尿病は上位に入っていませんが甲府市では、平成22年、23年及び25年に10位であ

り、平成23年、24年には大動脈瘤も入っています。

全国、山梨県と比較すると、いずれも死亡順位2位までは過去5年間、同じ状況です。また、平成

21年を除き、上位6位までは山梨県と甲府市で同様の傾向でした。(表1)

また、男女別年齢階級別死因を見ると、40歳代以降に脳血管疾患、心疾患といった生活習慣関連

疾患が多くを占めていることが分かります。特に40歳代、65歳~69歳での男性の上位に糖尿病

が55歳~59歳での女性の上位に腎不全があがっており、生活習慣が関連して起こる疾病や、それ

が重症化して、若い年齢からの死因につながっていることが考えられます。(表2)

36,536 35,976

65,581

35,754

19,965

29% 28%27% 27%

28%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

東部 西部 南部 北部 中央

人口

加入率

図6 死亡数死亡率の推移

9.5

10.8 10.4

11.210.810.1

10.911.1

11.4 11.3

9.19.5

9.9 1010.1

8

8.5

9

9.5

10

10.5

11

11.5

12

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

H21 H22 H23 H24 H25

市・死亡数 県・死亡数

市・死亡率 県・死亡率

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表1 甲府市・山梨県・全国における死因順位

甲府市 山梨県 全国 甲府市 山梨県 全国 甲府市 山梨県 全国1 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物

2 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患3 肺 炎 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 肺   炎4 脳血管疾患 肺炎 肺   炎 肺 炎 肺 炎 肺   炎 肺 炎 肺 炎 脳血管疾患5 老 衰 老 衰 老   衰 老 衰 老 衰 老   衰 老 衰 老 衰 不慮の事故6 腎 不 全 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 老   衰7 不慮の事故 自殺 自   殺 腎 不 全 自殺 自   殺 自 殺 自 殺 自   殺8 自 殺 腎不全 腎 不 全 自 殺 腎不全 腎 不 全 大動脈瘤及び解離 腎不全 腎 不 全9 肝 疾 患 慢性閉塞性肺疾患 肝 疾 患 肝 疾 患 肝 疾 患 慢性閉塞性肺疾患 腎 不 全 糖尿病 慢性閉塞性肺疾患

10 敗 血 症 糖尿病 慢性閉塞性肺疾患 糖尿病 糖尿病 肝 疾 患 糖尿病 慢性閉塞性肺疾患 肝 疾 患

甲府市 山梨県 全国 甲府市 山梨県 全国 生活習慣関連疾患

1 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物

2 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心 疾 患 心疾患 心 疾 患3 脳血管疾患 脳血管疾患 肺   炎 脳血管疾患 脳血管疾患 肺   炎4 肺 炎 肺 炎 脳血管疾患 肺 炎 肺 炎 脳血管疾患5 老 衰 老 衰 老   衰 老 衰 老 衰 老   衰6 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故 不慮の事故7 大動脈瘤及び解離 自殺 自   殺 自 殺 自 殺 自   殺8 腎 不 全 腎不全 腎 不 全 腎 不 全 腎 不 全 腎 不 全9 自 殺 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患 肝 疾 患 慢性閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患

10 肝 疾 患 大動脈瘤及び解離 肝 疾 患 糖 尿 病 糖尿病 大動脈瘤及び解離

H23

H25歴年/順位

歴年/順位

H24

H21 H22

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表2 男女別年齢階級別死因順位

④選択死因別死亡率(平成25年度山梨県医務課動態統計第28表選択死因(人口10万対))

山梨県と比較し、多いのは「悪性新生物」(甲府市308.5、山梨県294.9)と「肝疾患」

(甲府市14.8、山梨県12.2)、少ないのは「心疾患」(甲府市134.0、山梨県150.8)

です。

甲府市の死因順位で、40歳代、65~69歳の男性の上位にある糖尿病について見ると、山梨

県は14.9で全国5番目という高い状況であり、甲府市14.3とほぼ同等の値であることから、

甲府市の糖尿病による死亡数が多いことがわかります。糖尿病の多くは、日常の生活習慣の改善等

により予防できる疾患にもかかわらず、死亡順位が高いということは、非常に重要な問題であると

受け止めなければならないと考えます。

1位 2位 3位 4位 5位男:疾病名 男:疾病名 男:疾病名 男:疾病名 男:疾病名

40歳~44歳 悪性新生物 自殺消化器系疾患心疾患

糖尿病神経系疾患不慮の事故

45歳~49歳

悪性新生物肝疾患脳血管疾患自殺

糖尿病神経系疾患循環器系先天奇形不慮の事故

50歳~54歳 悪性新生物 自殺心疾患脳血管疾患その他呼吸器系疾患

55歳~59歳 悪性新生物 心疾患脳血管疾患敗血症不慮の事故

60歳~64歳 悪性新生物 脳血管疾患心疾患ウイルス性肝疾患その他呼吸器系疾患

65歳~69歳 悪性新生物 心疾患 その他呼吸器系疾患糖尿病肝疾患その他神経系疾患

70歳~74歳 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患 不慮の事故 その他の呼吸器系疾患

75歳~ 悪性新生物 心疾患 肺炎 脳血管疾患 その他呼吸器系疾患

1位 2位 3位 4位 5位女:疾病名 女:疾病名 女:疾病名 女:疾病名 女:疾病名

40歳~44歳

大動脈瘤および解離脳血管疾患悪性新生物先天性奇形

45歳~49歳悪性新生物自殺

ヘルニア及び腸閉塞

50歳~54歳 悪性新生物

心疾患脳血管疾患不慮の事故ヘルニア及び腸閉塞筋骨格系及び結合組織の疾患

55歳~59歳 悪性新生物脳血管疾患肺炎

腎不全心疾患

60歳~64歳 悪性新生物 心疾患脳血管疾患その他の新生物

大動脈瘤及び解離不慮の事故その他内分泌栄養及び代謝疾患

その他消化器系疾患その他神経系疾患

65歳~69歳 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患 大動脈瘤及び解離

70歳~74歳 悪性新生物脳血管疾患自殺

  肺炎心疾患不慮の事故

75歳~ 悪性新生物 心疾患 脳血管疾患 老衰 肺炎

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2 介護保険の状況

平成25年度の65歳以上人口に対する認定率は、甲府市20.2%と山梨県(16.9%)よ

り高い状況です。

平成25年度末に実施した甲府市介護サービス利用者満足度調査(介護サービス利用者のうち

2,000人に発送し、901人回答)によると、介護・介助が必要になった原因は、骨折・転倒

が 1番多く、次いで高齢による衰弱、認知症となっています。また、脳血管疾患や心臓病、糖尿病

といった生活習慣に起因する疾患が原因としてあげられています。(図7)

図7 甲府市介護サービス利用者満足度調査による介護が必要になった原因(複数回答)

%

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第3章 医療費からみた疾病の状況

1 受診状況

平成26年5月の1か月間の医療費は、約11億300万円(内、歯科:約1億500万円)で、

被保険者1人あたりの医療費は20,508円です。1か月間のレセプト件数は46,830件で、

受診率(人口100人あたりの受診件数)は87.0件となっています。被保険者の年齢別に見る

と、レセプト件数・医療費とも、乳幼児期に高くなっていますが、学童期になると下がりその後

30歳代後半から徐々に上昇し60歳代前半から急激に上昇しています(図8)。

図8 年齢階級別医療費と受診件数(医科のみ)

1件あたりの医療費は、山梨県と比較すると、40歳代前半60歳代前半で高額になっています。

受診率は、全年齢で山梨県より高率になっています。また、生活習慣病にかかる医療費は、20歳代

前半、40歳代前半、50歳代前半、60歳代前半で高くなっています。

40歳代前半では1万円、50歳代前半では約1万6千円高くなっています。(表3)

表3 1件あたりの医療費と受診率県との比較(医科のみ)

年齢

0~4 5~9 10~14 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39

1件あたり

の医療費

医科総合

(円)

甲府市 15,169 7,642 9,489 9,415 17,793 22,609 21,136 18,547

山梨県 15,354 9,112 9,198 10,957 16,642 22,496 21,668 24,471

受診率

(%)

甲府市 96.0 81.8 51.0 26.3 23.6 33.9 37.6 41.7

山梨県 93.9 71.7 48.4 27.5 25.9 32.4 34.9 37.7

1件あた

りの生活

習慣病の

医療(円)

甲府市 9,578 43,126 16,422 13,921 66,918 12,845 31,979 22,186

山梨県 35,642 89,896 32,248 15,217 20,492 19,344 52,452 34,658

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

0

5

10

15

20

25

30

35

医療費(左軸)

件数(右軸)

千万円 件

H26.5 国民健康保険レセプトより

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年齢 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74

1件あた

りの医療

費医科総

合(円)

甲府市 31,718 26, 835 32,854 32,956 32,274 26,058 25,142

山梨県 29,053 28,768 33,614 33,367 30,882 29,157 27,876

受診率

(%)

甲府市 44.0 46.9 54.8 62.0 77.3 97.7 123.3

山梨県 38.7 43.9 50.7 57.0 71.1 87.4 111.0

1件あた

りの生活

習慣病の

医療(円)

甲府市 48,286 30,691 49,849 29,085 32,191 24,063 21,272

山梨県 38,430 40,731 34,038 30,703 24,937 24,569 23,246

※遺伝的、先天性疾患を含む 山梨県ホームページより

2 入院及び外来の状況

1か月の外来件数は45,890件で件数総計の98%を占め、入院件数は940件で2%と

なっています。さらに、医科のみを疾病分類別で見ると、入院は、精神疾患、骨折、悪性新生物

が上位を占め、脳梗塞、腎不全がそれに続いています。外来では、高血圧性疾患が最も高く、次

いで脂質異常症などの栄養及び代謝疾患、糖尿病になっています。

1か月の医療費は、入院が約4億8140万円で医療費総計の43.6%を占めており、1か月

の総医療費に占める割合は高くなり、入院 1件あたりの医療費は極めて高額となっていることが

わかります。(表4)

表4入院と外来の割合からみた件数と医療費(平成 26 年 5 月分国保レセプトより)

件数 医療費(円)

入院 外来 入院 外来

医科 936(2.4%) 38,370(97.6%) 480,295,150(48.1%) 517,757,800(51.9%)

歯科 4(0.1%) 7,520(99.9%) 1,139,830(1.1%) 104,635,330(98.9%)

計 940(2.0%) 45,890(98.0%) 481,434,980(43.6%) 622,393,130(56.4%)

総計 46,830 1,103,828,110

入院では精神疾患、悪性新生物、骨折に次いで腎不全、脳梗塞があげられます。

(表5-1,2)

入院の上位にある腎不全及び脳梗塞について詳しく調べると、腎不全の95.5%、脳梗塞の

89.7%の方に、高血圧、糖尿病、脂質異常のいずれかの基礎疾患がある事がわかりました。腎

不全では糖尿病を持つ方が77%、高血圧症を持つ方が86%と生活習慣病が高い割合を占めてい

ました。また、生活習慣病の重複状況を見ると、糖尿病と高血圧症を重複している方が40%、糖

病と高血圧症と高脂血症を重複している方が27%で、生活習慣病を重複している方の割合は

67%でした。脳梗塞では、糖尿病の方が40%、高血圧症の方が79%、高脂血症の方が62%

を占めていました。生活習慣病の重複状況では糖尿病と高血圧症を重複している方が13%、高血

圧症と高脂血症を重複している方が27%、糖尿病と高血圧症と高脂血症を重複している方が

27%と生活習慣病を重複している方の割合は67%を占めており、腎不全、脳梗塞ともに生活習

慣病を重複している方の方が多いことがわかりました。脳梗塞の入院理由は、急性期の治療が

35%、リハビリテーションが41%、長期入院が21%でした。

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11

表5-1 入院(医科のみ)の疾病分類別件数(平成26年5月分国保レセプトより)

疾病 件数 入院計に対する割合

1 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害 170 18.2%

2 骨折 49 5.2%

3 その他の悪性新生物 43 4.6%

4 脳梗塞 31 3.3%

4 腎不全 31 3.3%

計 324 34.6%

表5-2 入院(医科のみ)の疾病分類別医療費

(平成26年5月分国保レセプトより)

疾病 医療費(円) 入院計に対する割合

1 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害 66,357,400 13.8%

2 その他の悪性新生物 28,170,460 5.9%

3 骨折 26,192,260 5.5%

4 腎不全 24,182,490 5.0%

5 脳梗塞 23,684,390 4.9%

計 168,587,000 35%

外来では、医療費において腎不全が最も高く、次いで、高血圧性疾患、糖尿病となっています。

注目すべきは、外来の腎不全で、件数は上位に入っていませんが、医療費は全体において1位で

あり、1件あたりの医療費が高額であることがわかります。また、糖尿病も件数、医療費ともに3

位であり、生活習慣病に関連した疾患が上位を占めています。(表5-3、4)

外来の医療費が最も高く、1件あたりの医療費が突出して高い腎不全で外来受診している40~

50歳代の方について詳しく調べたところ、9割が人工透析を行っていることが分かりました。ま

た、人工透析を行っている方の9割に糖尿病と高血圧症の既往がみられ、6割以上が糖尿病の悪化

による腎不全から人工透析となっていました。腎不全と診断されてから1年たたずに人工透析が開

始される方もみられました。

そのことから、外来での高血圧、糖尿病、栄養代謝疾患が重症化することで、脳梗塞や腎不全と

いった入院につながっていると考えられ、重症化させない取組が必要であると考えられます。

表5-3 外来(医科のみ)の疾病分類別件数(平成26年5月分国保レセプトより)

疾病 件数 外来計に対する割合

1 高血圧性疾患 5,542 14.4%

2 その他の内分泌、栄養及び代謝疾患 1,909 5.1%

3 糖尿病 1,763 4.6%

4 屈折及び調節の障害 1,493 3.9%

5 皮膚炎及び湿疹 1,382 3.6%

計 12,089 31.5%

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表5-4 外来(医科のみ)の疾病分類別医療費(平成26年5月分国保レセプトより)

3 男女別・年齢階級別生活習慣病の状況

男女別の生活習慣病が医療費全体に占める割合の変化を見ると、男性は40歳代から倍以上増加

しさらに60歳代でまた倍増します。女性は男性に比べ20歳代後半からと早い年齢で増加し始め、

ゆるやかに増加しており、60歳代から急激に増えています。生活習慣病の医療費は男女とも40

歳代から増え始め60歳代からは医療費全体の3割を占めています。(図9)

図9 男女別生活習慣病の医療費が全体に占める割合(医科のみ)

1,000 490 544 301 456

356

577 1,006 2,426

1,642 1,730 2,687

4,894 7,170

10,014

4 63

5 11 48

13

39 123 615 579 1,521

1,261

3,770

4,538

4,474

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

50.0%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

医療費(生活)

医療費(生活除

く)

%全体に占める

割合

万円男性

940 398 318 195 398 1,163 1,047 975 1,454 1,585 1,559 2,432

5,248 7,855

10,254

1 6 15 9 52

17 95 30 187 330 453 650

1,831

3,506

4,446

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

医療費(生

活)

医療費(生活

除く)

%全体に占

める割合

万円

女性

疾病 医療費(円) 外来計に対する割合

1 腎不全 71,127,760 13.7%

2 高血圧性疾患 50,840,810 9.8%

3 糖尿病 23,620,310 4.6%

4 その他の内分泌、栄養及び代謝疾患 20,810,720 4.0%

5 統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性害 19,640,930 3.8%

計 186,040,530 36.0%

H26.5 国民健康保険レセプトより

H26.5 国民健康保険レセプトより

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男女別年齢階級別外来通院医療費を見ると、色塗りした部分は生活習慣病関連疾患であり40歳

以上になると生活習慣病関連疾患で占める割合が増加します。男女ともに腎不全と高血圧性疾患が

高く、男性の40歳~69歳までの第1位は腎不全であり、55歳~69歳までの第2位は高血圧

性疾患、女性の55歳~74歳までの第1位は高血圧性疾患で、45歳~49歳55~69歳まで

の第2位は腎不全です。男女ともに、若く働き盛りの40歳代から腎不全を発症しています。

(表6)

表6 性別年齢階級別外来通院医療費(平成26年5月外来診療分(医療費順))

生活習慣病関連疾病別に医療費を見ると、生活習慣病関連疾患は全レセプト件数の23.5%を

占めています。医療費が最も高かったのは腎不全で9,531万円(医療費全体の8.6%)次い

で高血圧性疾患で5,131万円(医療費全体の4.6%)でした。(図10)

図10 生活習慣病関連疾病別の医療費(入院+外来)

男:疾病名 女:疾病名 男:疾病名 女:疾病名 男:疾病名 女:疾病名

0歳~4歳 喘息 喘息 その他の急性上気道感染症 その他の急性上気道感染症 急性気管支炎及び急性細気管支炎 急性気管支炎及び急性細気管支炎

5歳~9歳 アレルギー性鼻炎 屈折及び調節の障害 喘息 アレルギー性鼻炎 その他の急性上気道感染症 喘息

10歳~14歳 その他の損傷及びその他の外因の 屈折及び調節の障害 屈折及び調節の障害 その他の損傷及びその他の外因の アレルギー性鼻炎 アレルギー性鼻炎

15歳~19歳 その他の損傷及びその他の外因の その他の損傷及びその他の外因の その他の皮膚及び皮下組織の疾患 屈折及び調節の障害 その他の神経系の疾患 その他の急性上気道感染症

20歳~24歳 統合失調症、統合失調症型障害及 その他の損傷及びその他の外因の その他の損傷及びその他の外因の その他の皮膚及び皮下組織の疾患 皮膚炎及び湿疹 異常臨床・検査所見で他に分類さ

25歳~29歳 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及 その他の損傷及びその他の外因の その他の損傷及びその他の外因の その他の新生物 乳房及びその他の女性生殖器の疾

30歳~34歳 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及 喘息 乳房及びその他の女性生殖器の疾 その他の損傷及びその他の外因の その他の新生物

35歳~39歳 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及 その他の神経系の疾患 その他の神経系の疾患 その他のウイルス疾患 その他の新生物

40歳~44歳 腎不全 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及 乳房の悪性新生物 炎症性多発性関節障害 気管,気管支及び肺の悪性新生物

45歳~49歳 腎不全 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及 腎不全 高血圧性疾患 その他の新生物

50歳~54歳 腎不全 腎不全 その他の内分泌,栄養及び代謝疾 その他の新生物 統合失調症、統合失調症型障害及 統合失調症、統合失調症型障害及

55歳~59歳 腎不全 高血圧性疾患 高血圧性疾患 腎不全 統合失調症、統合失調症型障害及 乳房の悪性新生物

60歳~64歳 腎不全 高血圧性疾患 高血圧性疾患 腎不全 糖尿病 その他の内分泌,栄養及び代謝疾

65歳~69歳 腎不全 高血圧性疾患 高血圧性疾患 腎不全 糖尿病 乳房の悪性新生物

70歳~74歳 高血圧性疾患 高血圧性疾患 腎不全 脊椎障害(脊椎症を含む) その他の悪性新生物 乳房の悪性新生物

 生活習慣病疾患

外来/医療費1位 2位 3位

9,531

5,131

3,003 2,717 2,668 1,944

1,467 1,309 696

218 7 0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

H26.5 国民健康保険レセプトより

万円

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生活習慣関連疾病別件数及び1件あたりの医療費を見ると、腎不全は受診件数249件と少ないも

のの1件あたり医療費は382,772円と極めて高く、反対に高血圧性疾患は 1件あたり医療費

9,255円と低いものの、受診件数が5,544件と多いため、高額になっています。(図11)

図11 生活習慣病関連疾病別件数及び 1 件あたりの医療費(入院+外来)

主な生活習慣病関連疾病の年齢階級別受診件数を見ると、腎不全以外の生活習慣病は40歳頃か

ら増え始め、60歳代で急増しています。腎不全については40歳代から増加し、60歳~65歳

頃をピークに減少に転じています。(図12)

249 52 122

365 482 384 79

1,783 1,921

6

5,544

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

0

5

10

15

20

25

30

351件あたり医療費(左軸) 件数(右軸)

万円 件

H26.5 国民健康保険レセプトより

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図12 生活習慣病関連疾病別年齢階級別受診件数と医療費

(H26.5国民健康保険レセプトより)

0

100

200

300

400

500

600

700

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

0~ 5~ 10~15~20~25~30~35~40~45~50~55~60~65~70~

糖尿病

糖尿病 医療費 糖尿病 件数

0

100

200

300

400

500

600

700

0

100

200

300

400

500

600

700

800

脂質異常 医療費 脂質異常 件数

脂質異常

0

10

20

30

40

50

60

70

80

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

0~ 5~ 10~15~20~25~30~35~40~45~50~55~60~65~70~

腎不全 医療費 腎不全 件数

腎不全

万円 件

万円 件

遺伝的、先天性疾患

も含みます。

万円

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4 人工透析をしている患者数及び医療費の推移

甲府市の人工透析の患者数を見ると、平成24年度の231人を最高に平成25年度ではやや減

少しており、新たに人工透析を行う患者数は概ね増加傾向にあります。入院では、件数が年々増加

しており、医療費は平成22年度に減少したもののその後年々増加し、1件あたりの医療費は平成

25年度に約84万円と過去5年間で最も高くなっています。外来では、件数、医療費、1件あた

りの医療費が平成23年度に最も高くなって以降減少傾向にあります。入院と外来の合計では、件

数は平成23年度をピークに減少し、医療費は増減を繰り返しており、1件あたりの医療費は平成

25年度が過去5年間で最も高い約43万円となっています。(表7)

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

0

200

400

600

800

1000

1200

心疾患 医療費 心疾患 件数

心疾患

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

脳血管疾患 医療費 脳血管疾患 件数

脳血管疾患

万円 件

万円 件

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人工透析を行っている方のうち入院の件数、医療費、1件あたりの医療費が増加しており、入院

や外来の医療費でも上位にある腎不全の入院理由について詳しく調べたところ、透析に必要なシャ

ントの設置や狭窄など透析に関連するものが36.4%、網膜症や壊疽による下肢切断やリハビリ

などの糖尿病合併症によるものが18.3%、脳血管疾患やリハビリが 13.6%、末期腎不全

が13.6%でした。

このように、生活習慣病は40歳代から増え始め、高額な医療費が必要となる腎不全が比較的若

い40歳以降の男性からみられるということ、その原因として糖尿病の悪化や高血圧性疾患、脂質

異常症の生活習慣関連疾病を重複して持つ方の割合が高いこと、腎不全以外の網膜症や下肢切断、

脳血管疾患など重症化した疾病に繋がっていることから、若いうちからの生活習慣の改善や生活習

慣病発症や合併症の発症を予防する取組が必要と考えられます。

5 地区別被保険者に対する各疾患の患者割合について

外来受診件数及び健診有所見者(検査数値が基準値以外の所見がある者)数が多い高血圧と糖尿

病について、平成25年度国保レセプト件数(地区別)と平成25年4月1日現在高齢化率(65

歳以上)を参考に分析したところ、次のような特徴が見られました。

高血圧及び高

血圧関連疾患

・女性より男性の患者割合が若干多いが、伊勢地区のみ女性が多い

・地域差はあまりなく、40%前後の患者割合となっている

糖尿病及び糖

尿病関連疾患

・全地区とも、女性より男性の患者割合が高い

・地域によって差があり、低い地区は能泉18%、宮本21%、千代田21%、

湯田24%、高い地区は中道34%、玉諸33%、上九一色33%、朝日

32%、里垣32%となっている

高血圧も糖尿病も高齢化率が高いからといって被保険者に対する患者割合が高いわけではないと

いうことが分かりました。糖尿病については、玉諸地区のように高齢化率が18.3%比較的若い

世代が多い地域であっても患者割合が高くなっており、湯田地区は高齢化率が34.5%と高いが

患者割合は低くなっています。

地区別に高血圧患者割合を見たとき、高い順に能泉地区45%、羽黒地区40%、穴切地区・伊

勢地区39%、新田地区・千代田地区・千塚地区・北新地区38%とういう状況でした。甲府市の

中でも北ブロックの地区での高血圧患者割合が高いという結果でした。同じく地区別に糖尿病患者

割合を見ると、高い順に中道地区29%、上九一色地区27% 玉諸地区26%、朝日地区・里垣

地区25%という状況でした。

ブロック別に血圧での受診件数の多い病院を見ると、地区内にある病院を受診していることがわ

かりました。

表7 人工透析患者数・レセプト件数・医療費の推移

件数 医療費(円)1件あたり医療費(円)

件数 医療費(円)1件あたり医療費(円)

件数 医療費(円)1件あたり医療費(円)

H21 205 11 266 205,633,100 773,057 2,067 784,996,970 379,776 2,333 990,630,070 424,616H22 208 8 253 165,293,410 653,334 2,155 814,559,170 377,986 2,408 979,852,580 406,916H23 228 15 277 208,278,100 751,906 2,504 967,211,170 386,266 2,781 1,175,489,270 422,686H24 231 11 298 217,718,990 730,601 2,262 860,057,460 380,220 2,560 1,077,776,450 421,006H25 222 14 303 255,250,250 842,410 2,236 847,852,950 379,183 2,539 1,103,103,200 434,464

「山梨県の医療費データ」~感じる「糖尿病」データ集より~

合計外来入院

年度患者数 (人)

再掲)

新規患者数(人)

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第4章 特定健診からみた状況

<特定健診>

目 的:内臓脂肪型肥満(メタボリックシンドローム)に着目し、生活習慣病を予防することを目

的とする。

対 象:甲府市国民健康保険の被保険者で、年度末年齢が40歳~74歳の方

内 容:問診、医師の診察、身体測定(身長、体重、腹囲、BMI)、血圧、尿検査、血液検査(血

中脂質、肝機能、血糖、貧血、腎機能)受診方法:集団健診、個別医療機関健診

1 受診率

甲府市の特定健診受診率は20%台後半で伸び悩んでおり、どの年齢階級でも低率な受診率とな

っていますが、特に40歳~50歳代の働き盛り世代の受診率が低率です。

(平成25年度:40歳代:18.9%、50歳代:22.0%

平成24年度:40歳代:18.4%、50歳代:21.4%)(表8)

表8 特定健診受診率の変化 特定健診・特定保健指導実施結果総括表より

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

特定健診

受診率

甲府市 26.60% 28.90% 28.10% 26.10% 26.90% 27.60%

山梨県 34.70% 36.50% 37.50% 37.60% 38.90% 39.90%

男性

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

特定健診

受診率

甲府市 23.00% 25.00% 24.50% 22.50% 23.20% 23.80%

山梨県 30.70% 32.50% 33.70% 33.90% 35.20% 36.10%

女性

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

特定健診

受診率

甲府市 29.80% 32.40% 31.30% 29.30% 30.20% 31.00%

山梨県 38.60% 40.40% 41.10% 41.30% 42.60% 43.70%

また、男女別に比較すると全年代で男性が低く、特に60歳代前半では約10%男性の受診率が低

くなっています。(図13)

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図13 甲府市特定健診年代別男女別受診状況

受診率をブロック別に見ると、北部が最も高く21.2%となっており、他は17.7~18.8%

となっています。(表9)

未受診の理由としては、平成23年度未受診勧奨電話調査によると「定期的な検査または通院

(46.0%)」の割合が最も高く、また若い世代ほど「多忙(14.3%)」を理由としています。

受診率向上のためには、未受診者に対して今後も健診の必要性を周知していくほか、医療受診者から

健診データを受領する方法など、他機関との連携についても検討していく必要があります。(図14)

13.0% 13.8% 14.5%16.2%

20.1%

27.3%24.8%13.4% 14.8%

17.0% 16.0%

21.3%

26.9% 26.2%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

0200400600800

100012001400160018002000

甲府市特定健診年代別受診状況(男性)

H24受診者数 H25受診者数 H24受診率 H25受診率

15.7%18.5%

20.5%23.7%

31.2%33.5%

26.4%16.4%19.1% 20.2%

24.7%

31.1%34.5%

28.4%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

0200400600800

100012001400160018002000

甲府市特定健診年代別受診状況(女性)

H24受診者数 H25受診者数 H24受診率 H25受診率

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表9 平成26年度ブロック別特定健診受診率

図14 平成23年度特定健診未受診勧奨電話調査結果

2 有所見者状況

平成25年度の特定健診における有所見者状況(表10)を見ると、最も多いのはHbA1c

(60.7%)、次いでLDLコレステロール(56.0%)、収縮期血圧(35.8%)となってい

ます。山梨県と比較すると、HbA1c、LDLコレステロール、尿酸、尿蛋白、クレアチニンの項

目で甲府市が高率となっています。男女別に比較すると、LDLコレステロール以外全ての項目で、

男性の有所見者が女性より多くなっています。男女ともに多いのは、HbA1cとLDLコレステロ

ールです。(図15)

表10 平成25年度特定健診有所見者状況(山梨県との比較)

5,681 1,068 18.8

10,476 1,968 18.8

10,197 1,809 17.7

17,782 3,146 17.7

9,483 2,015 21.2

53,619 10,006 18.7

受診率特定健診受診者数

国保被保険者数

合計

中央

西

健康だから

6.5%多忙のため

14.3%

健診の必要性を

感じない

3.8%

面倒だから

9.5%

定期的な検査、

または通院

46.0%

職場で受診

0.7%

費用がかかる

0.7%

その他

2.9%

無回答

14.4%

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図15 平成25年度特定健診項目別性別有所見割合

有所見者が多い項目について、年代別に山梨県と比較をすると、HbA1cは年齢とともに高率と

なっており、全年代で甲府市が高くなっています。また、50歳代の後半には受診者の半数以上で

HbA1cが高値となっており、血糖値の高い方が多いことがわかります。

LDLコレステロールは、50歳代後半の有所見率が最も高く、山梨県と比較すると40歳代前半

の有所見率が高くなっています。また、40歳代50歳代では最も高い有所見項目になっています。

収縮期血圧(最高血圧)では、HbA1cと同様に、年齢とともに高くなっており、山梨県と比較す

ると40歳代後半から50歳代で甲府市が高くなっています。腹囲及びBMIでは、年代による変化

は少なく、全年代で甲府市が低くなっています。BMIや腹囲など、自覚できる項目は山梨県より低

いですが、自覚できないHbA1cやLDLコレステロールの有所見率については甲府市が高い傾向

にあることがわかります。(表11)

表11 平成25年度特定健診年齢階級別有所見者割合(山梨県との比較)

有所見者が多い項目について、年代別・男女別に比較するとHbA1cは男女とも年齢を重ねる

ごとに有所見率は高くなっており、男性が早い年代から有所見率が高い状況です。しかし、45歳

からは男女ともに山梨県の値を超えており、50歳代後半では男女の差がなくなり、5%以上有所

見率が高くなっています。LDLコレステロールについては、男性の有所見率が40歳代前半で最

も高くなっており、女性では50歳代後半から60歳代で高くなっています。女性は年齢とともに

有所見率が高くなっていきますが、50歳代をピークに減少しています。収縮期血圧については、

全年代で男性が女性より5~20%高くなっており、男女とも年齢とともに有所見率が高くなって

45.3%

23.9%

42.4%

22.3%

61.1%

2.9%

24.3%

7.9%

52.1%

16.7%

23.5%

10.8%

17.7%

6.3%

23.7%

37.2%

12.4%14.5%

31.3%

11.0%

60.9%

0.7%

12.0%

1.5%

58.8%

8.5%5.8%

1.3%

11.4%

0.5%6.3% 6.9%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

平成25年度特定健診項目別性別有所見率男 女

甲府市(%) 山梨県(%) 甲府市(%) 山梨県(%) 甲府市(%) 山梨県(%) 甲府市(%) 山梨県(%) 甲府市(%) 山梨県(%)40~44歳 26.4 23.3 48.3 43.6 14.9 15.4 25.2 25.6 22.2 2345~49歳 35.2 30.1 48.4 48.6 21.2 20.2 23.7 26.6 21 23.750~54歳 43.8 39 57 57.4 26.7 24.9 26.6 27 20.8 23.155~59歳 56.2 49.1 62.8 62 31.4 30.4 23.4 25.4 19.3 20.960~64歳 63.4 55.7 61.1 60.7 35.5 35.5 23.8 27 16.1 20.465~69歳 66.9 60 58.6 56.5 39.1 39.6 26.6 28.3 18 20.370~74歳 69.7 60.8 51.8 51 42.6 44.8 27.2 29.1 17.8 21.2

腹囲 BMIHbA1c 収縮期血圧LDLコレステロール

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います。腹囲については、全年齢を通じて男性は女性の3倍以上の有所見率になっています。BM

Iについて、男性は40歳代前半の有所見率が一番高く年齢とともに減少していますが、女性より

高率になっています。女性は年齢とともに高くなる傾向にありますが、1割程度にとどまっていま

す。(図16)

図16 平成25年度特定健診性別年齢階級別有所見割合

32.0%

39.2%

46.8%

56.8%63.6%

63.7%

71.7%

21.6%

31.8%

41.2%

55.7%

63.3%

69.0% 68.2%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

41~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳

性別年齢階級別HbA1c有所見者割合

男性 女性

60.2%

52.9%55.7%

53.4% 53.2% 53.4%

47.2%

38.0%

44.5%

58.2%

68.8%65.4%

62.1%

55.3%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65~69歳70~74歳

性別年齢階級別LDLコレステロール有所見者割合

男性 女性

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19.5%

28.5%34.4%

43.5% 44.2%46.7% 46.9%

10.8%14.8%

20.1%23.6%

30.7%34.1%

39.4%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65~69歳70~74歳

性別年齢階級別収縮期血圧有所見者割合

男性 女性

43.2%38.8%

45.0% 46.3% 47.4% 46.4% 44.5%

9.5% 10.7% 10.7% 8.9% 10.7% 13.4% 14.4%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65~69歳70~74歳

性別年齢階級別腹囲有所見者割合

男性 女性

34.6%28.9% 29.1% 29.9%

23.4% 21.6% 20.3%

11.5%14.2% 13.7% 12.6% 12.0%

15.7% 15.9%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65~69歳70~74歳

性別年齢階級別BMI有所見者割合

男性 女性

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3 生活行動状況

平成25年度20~74歳甲府市健康診査結果から、運動習慣のない方と歩行速度が遅い方の割合

が男女とも50%を超えています。また、毎日の飲酒習慣がある方は全体で17.9%で男性の飲酒

習慣のある方が圧倒的に多く24.9%となっています。喫煙習慣も男性が多く24.3%です。

20歳から体重10kg以上増加は、特に男性が多く、就寝2時間前の夕食の摂取や早食いの習慣

も男性が多い状況です。一方、睡眠不足を感じている人の割合は、男性より女性に多いことがわかり

ます。(図17)

図17 H25年度20~74歳男女別健康診査問診項目

多かった生活習慣を年代別に見ると、男女とも若い年代ほど運動習慣がない方が多く、20歳代、

30歳代の女性では90%を超えています。

飲酒習慣は、どの年代も男性が高く、特に50歳代から35%を超えています。女性では40歳代

と50歳代が高く、10%を超えています。

睡眠不足は、女性の30歳代が約46%、40代が43%、男女とも20歳代が約42%となって

おり、若い世代ほど睡眠が取れていないと感じています。

早食いは20歳代から40歳代の男性で高くなっています。同じ食習慣では、朝食を抜く人は20

歳代男性で42.9%、女性で39.1%となっており、若い方ほど朝食の欠食者が多い状況です。

夕食後の間食は20歳代女性で42.2%、40歳代女性で30.2%、30歳代男性で29.1%

となっています。

20歳から10kg以上の体重増加は、男性では30歳代で35%を超えています。女性では

40歳代で20%となり、その後は同じ割合で推移しています。また、1年間の体重の増減は20歳

代で男性61.9%、女性45.3%にみられ、30歳代で男性32.0%、女性27.5%となっ

てからは男女とも年齢とともに減少しています。(図18)

10.0

17.1

34.6 24.9 24.3

16.3 18.0

31.9

9.2

28.3

54.2 55.2

29.7

3.9

15.8 19.6

6.7 6.4 9.1

20.6 24.4

5.7

35.2

59.2 57.7

22.8

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

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図18 平成25年度健康診査年代別男女別生活習慣の状況

HbA1cについて、5.5%以下(正常)と5.6%以上(高値)に分けて生活習慣を比較し

ました。(図19)

全ての年代に共通していることは、20歳から10kg以上の体重増加がある方は、HbA1c

が5.6%以上の方に多い状況です。特に40歳代前半では、HbA1c5.6以上の方の4%が

20歳から10kg以上の体重増加がみられています。

40歳代に多い、早食いの習慣は、40歳代と50歳代で5%程度、他の年代では3%程度Hb

A1cが高めの方に多くみられます。夜の間食については、50歳代以上の年代でHbA1c

5.6以上の方が高い割合となっています。

図19 HbA1c正常群・高値群における年齢階級別生活習慣の状況

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4 健診受診時の疾患別医療受診状況

健診の結果から有所見者の多い、糖尿病、高血圧及び脂質異常について、健診値が「受診勧奨レベル

(治療が必要な数値)」の方の医療受診状況をみました。

脂質異常症については、健診時に治療を受けていない方の割合が高く、健診後に治療につなげること

が必要です。(表12-1)

糖尿病と高血圧については、それぞれ治療していても、健診データが受診勧奨レベルにある方の割合

が高くみられています。これらについては、重症化予防を考えていくうえで医療機関での内服等の治療

に加え、個々に合った生活習慣改善の一層の取組が必要と考えられます。

(表12-2・3)

表12-1 平成26年度特定健診においてLDLコレステロールが受診勧奨値以上の者における

脂質異常症治療の割合(H26年度特定健診受診者とH26年5月レセプトとの突合)

糖尿病、高血圧、

脂質異常症の治療なし 脂質異常症で治療中

脂質異常症以外の

生活習慣病治療中

70.5% 11.4% 18.1%

表12-2 平成26年度特定健診においてHbA1cが受診勧奨値以上の者における

糖尿病治療の割合(H26年度特定健診受診者とH26年5月レセプトとの突合)

糖尿病、高血圧、

脂質異常症の治療なし 糖尿病で治療中

糖尿病以外の

生活習慣病治療中

22.4% 54.1% 23.5%

表12-3 平成26年度特定健診において血圧が受診勧奨値以上の者における高血圧治療の

割合(H26年度特定健診受診者とH26年5月レセプトとの突合)

糖尿病、高血圧、

脂質異常症の治療なし 高血圧で治療中

高血圧以外の

生活習慣病治療中

49.3% 40.8% 9.9%

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第5章 保健事業の整理

1 特定保健指導

事 業 名:特定保健指導

目 的:対象者が自らの身体状況を認識するとともに、健康的な生活習慣の重要性に対する理

解と関心を深め、生活習慣改善に向けて行動変容できる。

対 象:次の表のいずれかの要件をみたす者。

ただし、高血圧、糖尿病、脂質異常症で内服している者は除く。

腹囲 追加リスク

④喫煙歴

対象

①血糖②脂質③血圧 40~64歳 65~74歳

(男性)85cm以上

(女性)90cm以上

2つ以上該当

積極的支援

動機付け支援 1つ該当

あり

なし

上記以外で

BMI25以上

3つ該当 積極的支援

動機付け支援

2つ該当

あり

なし

1つ該当

内 容:6か月後の改善を目標とし、保健師、管理栄養士が個別に合った生活習慣改善の面接

指導を行う結果説明会を開催している。その後の6か月間の取組の中で電話、手紙

等で支援を行っている。また、スムーズな取組が行えるよう運動教室、栄養教室を

開催している。3か月間以上の継続支援が行えた対象者には評価検査【身体測定(身

長、体重、腹囲、BMI)、血圧、尿検査、血液検査(血中脂質、肝機能、血糖、貧血、

腎機能)】、アンケート調査を実施し、取組への評価をする機会としている。

表13 特定保健指導実施率の年次推移

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

保健指導

実施率

甲府市 10.5% 12.3% 20.3% 31.5% 28.6% 33.5%

山梨県 34.5% 36.1% 37.6% 41.7% 42.9% 46.3%

評 価:特定保健指導は、個別性を重視しニーズにあった指導を選択できるよう工夫をしてい

る。また、アンケート調査により、事業としての評価をし、次年度への取組に反映さ

せている。特定保健指導実施率は、集団健診においては、高い割合(初回参加率:

69.5%)を示しているが、個別健診受診者は、結果が手元に通知をされることか

ら、指導へとつながらないことが考えられ、そのために実施率が低い結果(初回参加

率:20.0%)となっている。今後、個別健診受診者の特定保健指導の実施のあり

方を検討していく必要がある。

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2 糖尿病の早期発見及び重症化予防事業

(1)健診受診者

①糖尿病で治療中の者

事 業 名:糖尿病治療者に対する重症化予防事業

目 的:糖尿病治療中だがコントロール不良な者に対し、生活習慣改善を促し重症化を予防

する。

対 象:5 月~11 月の集団健診受診者で糖尿病で内服をしていない HbA1c7.0 以上の者(42

人)の内、9月と 11月のレセプトで糖尿病の受診歴がある者(15人)

内 容:訪問にて保健指導

実 績:H26年度より実施

対象者 15人

訪問指導実施者 11人

電話指導実施者 4人

指導実施時の様子

医 療:受診継続 15 人中 8 人(内服 2 人)、医師に治療不要と言われた 15 人中 2 人、自己

判断で中断 15人中 1人、糖尿病以外での受診 3人、不明 1人

生活習慣:運動実践 9人、栄養実践 11人、実践なし 2人(実践あり 13人複数回答)

指導結果:指導済み 13人・継続支援 2人

半年後の受診継続 12人(80%)(H27年 5・6月レセプトより)

評 価:指導実施時において対象者の半数近くは、受診しておらず、高血糖であることの自

覚はあった。指導後においては、15 人中 12 人は糖尿病で受診、15 人中 13 人は、

生活習慣に何らかの行動変容がみられた。指導後の受診状況やコントロール状況に

ついて評価し、今後の指導につなげていく必要がある。

②糖尿病で未治療の者

事 業 名:糖尿病医療受診勧奨事業

目 的:糖尿病の早期治療及び重症化を予防する

対 象:5月~11月の集団健診受診者で糖尿病の内服をしていない HbA1c6.5以上

(受診勧奨値)の者(75人)の内、9月と 11月のレセプトで糖尿病の受診歴がな

い者(38人)

内 容:訪問にて、受診勧奨及び保健指導

実 績:H26年度より実施

対象者 38人

訪問指導実施者 本人 22人・家族 1人

電話指導実施者 本人 11人・家族 1人

未対応者 3人

指導時の様子

医 療:健診後に糖尿病で受診しその後も受診継続している 7人(内服 1人)

健診後に受診したが、医師に治療不要と言われた 7人、

健診後に受診しその後自己判断で中断した 7人、

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31

未受診 14人

生活習慣:運動実践 23人、栄養実践 19人、実践なし 9人

指導結果 指導済み 31人、継続支援 4人

半年後の受診継続 7人から 13人に増(34.2%)(H27年 5・6月レセプトより)

評 価:指導により、半年後の受診割合が増加していることから、未受診であることの理

由等分析し、今後の受診勧奨につなげていくことも必要。

事 業 名:糖尿病予備群に対する生活習慣改善事業①

目 的:高血糖状態の改善

対 象:HbA1c6.0~6.4(基準値以上~受診勧奨値未満)の者

内 容:説明会にて保健指導を実施し、希望者には、運動、栄養教室を用意

実 績:H20年度より実施している事業についてH25年度より対象者を変更、H25年度

対象者124人についてH26年度健診結果により評価説明会参加者105人(84.7%)、

説明会未参加者 19人(15.3%)

H26年度健診受診をした者の HbA1c の評価

評 価:結果説明会(保健指導)の参加の有無により、結果の改善の差が見られるため、

参加率を上げていく工夫は必要。しかし、結果説明会(保健指導)の参加したも

のの、翌年の結果が悪化している者も3割いるため、経年的な数値の変化を捉え

たより対象者に合わせた指導内容の検討が必要。

事 業 名:糖尿病予備群に対する生活習慣改善事業②

目 的:高血糖状態の改善

対 象:HbA1c5.6~5.9(基準値以上~受診勧奨値未満)の者

内 容:集団健診結果に通知を同封して、生活習慣改善を喚起や運動教室を案内。希望者

には運動教室を実施。

実 績:H24年度より実施

H24年度 H25年度 H26年度

通知回数 1 1 1

通知者 34 人 619人 628人

参加者 0 人 14 人 8 人

会場数 1 1 1

評 価:毎年評価を行い、通知内容や実施内容の検討をしているが、参加者に結びつかな

い状況。通知自体を対象者への注意喚起の機会と捉えた内容を検討すると共に、

実施会場数の増加や来やすい会場を検討する。事業内容についても対象者が興味

を持てるよう検討する。

説明会参加者 説明会未参加者

H26年度健診未受診者 27 人(25.7%) 6 人(31.6%)

H26年度健診受診者 78 人(74.3%) 13 人(68.4%)

HbA1c5.9 以下まで改善 16 人(20.5%) 2 人(15.4%)

H25年度より改善 10 人(12.8%) 2 人(15.4%)

変化なし 23 人(29.5%) 5 人(38.5%)

悪化 29 人(37.2%) 4 人(30.7%)

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(2)健診未受診者

事 業 名:特定健診受診勧奨事業

目 的:生活習慣病の早期発見及び重症化予防

対 象:特定健診未受診者(40歳~74歳)

内 容:通知による受診勧奨

実 績:H26年度 9月 約 28,000人に勧奨通知

H27年度 11月 約 24,000人に勧奨通知

評 価:毎年、勧奨通知を発送しているが受診率の向上に繋がらない状況。通知内容や実施内

容、実施時期、実施回数を検討する。

3 ポピュレーション事業

生活習慣病予防や健康の保持・増進を目的とし、事業の展開をしています。

平成27年度までは、まちなか健やかサロンとして、糖尿病予防についての食事・運動を学ぶ「スト

ップ・ザ・メタボ教室」や、運動習慣を付けるために3B体操をメインとした「スマイル・スマイル」、

子ども・その両親を対象とした事業として「親子生活習慣見直し教室」を実施しました。また、平成2

8年度からは、健康談話室として、早期からの取組の必要性を意識した、「元気っ子くらぶ(食育教室)」

「親子のびのび教室(親子で3B体操)」を毎月実施します。(まちなか健やかサロンは平成28年3月

30日で終了。まちなか健やかサロンの後継である健康談話室が新たに開始され「元気っ子くらぶ(食

育教室)」「親子のびのび教室(親子で3B体操)」を毎月実施。)また、「ウォーキング教室」の開催や

「ウォーキングマップの作成と活用」、若年層(概ね40歳代まで)を対象にした事業として、「ヘルス

アップ事業」を展開しています。その他、健診結果や国民健康・栄養調査の結果をもとに、甲府市や山

梨県の特徴を踏まえ、地区組織を対象とした研修会やそれを広めるための各地区における健康教室等を

適宜行っています。

(表14)ポピュレーション事業実績一覧

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評 価:特定健診の受診率が低いこと、レセプト等の結果により症状が悪化してからの医療受診

となる可能性が考えられること、また保健事業への参加者が固定化していることや参加

者が少ないことから、1次予防として若いうちから健康に関心が持てるように、情報周

知の工夫や各事業の参加者拡大への対策が必要です。さらに、各事業内容についても、

評価を踏まえて、より効果的な事業展開ができるよう、見直していくことも必要と考え

ます。住民のニーズに合った事業が実施できるよう、今後も地域住民の声を聞きながら

身近な場での健康づくりにつなげられるよう検討していく必要があります。

4 保健事業に対する住民アンケートの結果

平成26年7月に甲府市で行った「甲府市保健計画策定に係るアンケート調査」(成人男女

3,000人(無作為抽出)に発送、回収数892人)によると、健診を受けたと回答した721人

のうち、半数以上は「病気の早期発見や予防のため」と回答しています。また、自分の健康状態を考

えるのは「具合が悪くなった時」が最も多く、次いで「節目の年齢になった時」、「子どもが生まれ

たとき」という回答状況でありました。

健診結果を今後の健康づくりに活かすには、健康教室等へ参加するということに比べ、健診結果が

わかりやすくなっていることや、医師に相談できる機会があることを期待していることがわかりまし

た。

教室等の開催場所としては、駐車場の整備されている場所を望む方が最も多く、次いで徒歩で行ける

場所での開催を望む方が多い状況です。

健康に関する教室やイベントでは、2割程度の方は無回答でしたが、料理教室やウォーキング教室

への関心が高くなっています。また、健康づくりのために取り組みたい運動としては、ウォーキング

が圧倒的に多く、次いで筋力トレーニングやヨガ、水泳となっています。

ポピュレーション事業として既に実施している教室の中には、アンケート結果から市民の要望があ

る教室も含まれていますが、参加者数が少ない現状も見られ、開催場所や内容を検討しながら市民に

参加してもらえるような教室の開催や情報発信をしていく必要があります。

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図20保健計画策定に係るアンケート調査結果より(H26.10実施)

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以上、保健事業の整理から明らかになった継続すべきことや改善すべきことを念頭に、次章以降で健

康課題と取組の方向性、今後取り組む保健事業の検討をします。

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第6章 健康課題と取組の方向性

現在、国民健康保健事業は、今までにない変革期を迎えております。

平成30年度から都道府県が保険財政運営を行うことや、公費負担を拡充して、財政基盤を強化する

ことで、構造的問題への対応を図るとした「持続可能な医療保険制度を確立するための国民健康保険法

等の一部を改正する法律」が成立し、その中で、生活習慣病の予防に取り組むなどして医療費を抑制す

る自治体に対する支援制度として「保険者努力支援制度」が創設されました。

更には、糖尿病患者数が増加している中、その重要性から厚生労働省において、「糖尿病性腎症重症

化予防プログラム」を策定し、糖尿病性腎症の重症化予防について、その取組を全国に横展開して、行

政と医療関係者とが協力・連携体制を構築していくことが何より重要であるとしております。

本市におきましても、国民健康保健事業の健全な運営を図り、被保険者の安定した生活と健康を支え

るため、被保険者の健康保持増進・医療費の適正化に取り組み、データヘルス計画において、レセプト

データ・健診データを基に、精度の高い分析と関係者との密な連携を図る中で、被保険者に合った保健

指導等を行います。

今回、医療データ、健診データから分析された健康課題では、健康状態に生活習慣が大きく関わって

きていることがわかります。

その中でも生活習慣が特に大きく関わっているのは高血糖状態、高血圧状態及び、脂質異常状態です。

高血糖状態・高血圧状態・脂質異常状態は、生活習慣の改善等による長期にわたる管理が必要であり、

重症化するとより重篤な疾患へと移行しやすくなります。高血糖状態は、糖尿病の発症を引き起こし、

悪化すると腎症となり腎不全、人工透析へとつながり、食事制限や水分制限、高額な医療費が必要とな

り日常生活での支障が生じます。また、高血圧状態や脂質異常状態は血管に負担がかかることで、動脈

硬化を促進し、心臓、脳、腎臓をはじめとする全身の血管への負担を増強させ、心筋梗塞といった心臓

疾患、脳梗塞や脳出血といった脳血管疾患、腎硬化症、腎炎といった腎臓疾患から腎不全に移行します。

高血糖状態同様に日常生活に様々な制限が生じ、生活の質を保てなくなります。これらは、年代を追う

ごとに有所見や医療費が上昇しており、日頃の生活習慣の積み重ねが影響を及ぼしていることから、若

いうちから健康を意識する人を増やしていく必要があります。

以上のことから、生活習慣病の各レベルに対する現状と課題をまとめ、これまで実施してきた保健事

業を整理し総合的な課題を抽出し、更にこれらの課題に対する目的、目標及び取組の方向性(対策)を

導き出しました。

1 健康課題

(1)糖尿病、高血圧症、脂質異常症の医療を受けながらもコントロールが不良な被保険者に対して、

腎不全や脳梗塞などへの重症化予防が必要である。

(2)健診で高血糖、高血圧、脂質異常状態にあり治療が必要な被保険者に対し、腎不全や脳梗塞な

ど重症化した状態になるのを防ぐため、生活習慣の改善と併せて受診する必要がある。

(3)特に40歳代、50歳代の被保険者が健診を受診し、自ら健康な生活習慣に気づき、取り組む

ことにより糖尿病や高血圧症、脂質異常症の発症を予防する必要がある。

(4)40歳代以前の若い世代に対して、生活習慣病の発症を予防するには、健康的な生活習慣が大

切であることを啓発する必要がある。

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2 目的

○被保険者が自分自身の健康状態を理解し自主的に健康増進及び疾病予防に取り組むことで健康

寿命の延伸を図る 。

○生活習慣病の発症予防と重症化予防 。

3 目標

(1)糖尿病の発症と重症化の防止

(2)40歳代、50歳代の健診受診率の向上。

(3)高血糖、高血圧、脂質異常者の数値の改善

4 対策

(1)生活習慣病重症化予防対策事業

・糖尿病・糖尿病性腎症重症化予防事業

・腎機能評価の充実と支援

・医療機関との連携

(2)生活習慣病発症予防対策事業

・40歳代、50歳代への健診受診勧奨

・かかりつけ医による情報提供

・健診を受診しやすい体制の整備

・職域との連携

・健康についての効果的な情報発信

(3)生活習慣病予備群の改善、コントロール対策事業

・対象者に合わせた健康支援 、特定保健指導

・運動習慣、食習慣の改善(継続)に取り組める体制づくり

・医療機関との連携強化

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第7章 今後取り組む保健事業

1 生活習慣病重症化予防対策事業

(1)実施内容

①糖尿病・糖尿病性腎症重症化予防事業

生活習慣病の医療費は、男女とも40歳代から増え始め60歳代からは医療費全体の3割を

占めています。特に外来の医療費においては、腎不全が第1位となっている。腎不全で外来受

診している40~50歳代の方の9割が人工透析を行っており、人工透析へ移行する新規患者

は増加しており、それに伴う医療費は、平成25年度において過去最高額となっている。

また、人工透析を行っている方の9割に糖尿病と高血圧症の既往がみられ、6割以上が糖尿

病の悪化による腎不全から人工透析となっている状況にある。

(P11・12表5-3、P17表7)

このような状況を踏まえ、本市では、レセプトデータ・健診データを基に、より精度の高い

分析を行う中で、被保険者に合ったきめ細かな保健指導等を実施し、糖尿病、糖尿病性腎症の

重症化の防止に繋げていくこととする。

ア 実施計画

実施

年度 対 象 者 内 容

実施

期間 評 価 指 標

平成 28

年度

・レセプトデータ、

健診データを分析

し抽出した対象者

(糖尿病性腎症顕

性腎症期)

糖尿病・糖尿病腎症

の重症化予防・人工

透析移行予防を目

的に保健指導

8 月

・抽出対象者における

保健指導実施率

・指導対象者における

新規人工透析導入者

平成 29

年度

・レセプトデータ、

健診データを分析

し抽出した対象者

(糖尿病性腎症顕

性腎症期)

・継続 8 月

・抽出対象者における

保健指導実施率

・指導対象者における

新規人工透析導入者

イ 目標値

年度 平成 28年度 平成 29年度

新規人工透析移行者数 新規人工透析移行者の減少 前年度より減少

ウ 評価時期

各年度末

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②腎機能評価の充実と支援

腎臓機能の低下をより早い段階で判断し、人工透析への移行を未然に防ぐ。

ア 対象者

19歳以上基本健診・特定健診受診者

イ 実施計画

実施年

度 内 容

実施

期間 評 価 指 標

平成 28

年度

・健診項目に eGFR(糸球体ろ過量)

の追加

・集団健診受診者のうち、eGFR 要

精密検査者に適切な受診勧奨と

受診状況の確認、栄養や生活面

のアドバイス

6月~

3月

・特定健診における eGFR検査者

・集団健診での要精密検査者の

精密検査受診率

平成 29

年度

継続

個別健診での実施については、集

団健診精検者数を見ながら実施す

6月~

3月

・特定健診における eGFR検査者

・集団健診での要精密検査者の

精密検査受診率

ウ 目標値

年度 平成 28年度 平成 29年度

eGFR検査者数 eGFR検査の実施 前年度に対して増加する

受診勧奨者の精密検査受診率 80% 90%

エ 評価時期

各年度末

③医療機関との連携

ア 実施計画

糖尿病・糖尿病性腎症重症化予防事業について保健指導を実施する際には、かかりつけ医

と連携した保健指導を実施できるよう、十分協議の上、推進体制を整備していく。

山梨県慢性腎臓病予防推進事業での病診連携の体制整備状況を随時把握、確認しながら、

必要時医療機関と連絡調整等行い、重症化予防につなげる。

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2 生活習慣病発症予防対策事業

(1)実施内容

①40歳代、50歳代向け受診勧奨

医療費のデータから40歳代前半から生活習慣病の有病者が増加しており、腎不全への移

行も40歳代からみられるにもかかわらず、特定健診の受診率は40歳代、50歳代が特に

低調となっている。特定健康診査を受けることで、生活習慣病の早期発見、早期予防につな

げるため、40歳代、50歳代を重点とした勧奨を行う。

(P19表8、P20図13)

ア 対象者

40歳代、50歳代健診未受診者

イ 実施計画

実施年度 内 容 実施期間 評価指標

平成 28 年

40歳代 50歳代向け受診勧

奨通知の発送

8月

・特定健診受診率

・40歳代、50歳代の特定健診

受診率

・受診勧奨した者の受診状況

①40 歳代 50 歳代の未受診

者に 7 月末から8月はじめ

にかけて、通知による受診

勧奨(新規実施)

②8月末から 9 月はじめに

かけ、全年代の未受診者に

圧着ハガキによる受診勧奨

申込みはあるが、未受診の

者への電話受診勧奨

(新規実施)

9月~11月

平成 29 年

実績を評価のうえ改善ま

たは継続

8月

9月~11月

・特定健診受診率

・40歳代、50歳代の特定健診

受診率

・受診勧奨した者の受診状況

ウ 目標値

(国の保険者努力支援制度における評価指標に基づく目標値)

項 目 平成 28年度 平成 29年度

特定健診受診率 38.4% 38.4%

エ 評価時期

各年度末

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②かかりつけ医による情報提供

平成23年度に実施したアンケート結果から、特定健診を受診しない理由に「定期的な

検査または通院」という回答が46%という高い割合であった。(P21図14)糖尿病

で通院していて、特定健診を受けていない方の検査結果データをご本人の承諾を得た上で、

主治医が市へ提供していただく仕組みがあり、データを提供していただくことで特定健診

を受診したとみなすことができることから、今後もその仕組みを活用する中で協力医療機

関の拡大を図る。

ア 対象者

定期的に生活習慣病での医療機関受診がある、特定健診未受診者

イ 実施計画

実施年度 内 容 実施

期間 評 価 指 標

平成 28年度 協力医療機関が多ければ

提供データも増加するこ

とから、既に情報提供が

ある医療機関は引き続き

協力、新規協力医療機関

を拡大していく。

12月~

3月

・情報提供者数

・抽出した対象者数に対する情報提供者

数の割合

平成 29年度 12月~

3月

・情報提供者数

・抽出した対象者数に対する情報提供者

数の割合

ウ 目標値(情報提供割合 H26:17.8%、H27:14.1%)

平成 28年度 平成 29年度

抽出者に対する情報提供者の割合 18.0% 19.0%

エ 評価時期

各年度末

③特定健診受診率向上、情報発信への取組

特定健康診査受診率向上に向け、これまでは、郵送での申込みのみであったが申込みが

できる場所、機会を増やす。また、イベント等を利用し特定健康診査の情報発信、申込み

を受け付けていく。情報提供についても、他事業所健診のデータを提供していただくこと

で特定健診を受診したとみなすことができることから平成28年度より事業者が実施した

健診データの提供を依頼していく。

ア 対象者

全年代

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イ 実施計画

項 目 対象者 内 容 実施期

間 評価指標

健診受診

勧奨

40歳以上 ・健診の効果、健診の実施内容について

見やすく理解しやすい案内通知の作成

5月 健診受診率

健診を受

診しやす

い体制の

整備

40歳以上 申込みしやすい環境をつくる(新規実

施)

5月~

11月

・ハガキ申

込者数

・ハガキ申

込者の受診

・保健事業実施会場(各地区で健康衛生

課主催で行っている事業の外、健康衛

生課が参加する各種イベント)でのハ

ガキ申込み受付

・国保窓口へのハガキの設置及び申込受

19歳以上 集団健診の実施

・若い時期からの健診受診行動の習慣化

6月~

11月

39歳以下の

受診率

30歳以上 人間ドック、脳ドックの実施 5月~

3月

ドック受診

者数 ・若い時期からの健診受診行動の習慣化

・選択肢を広げ、より受診しやすい体制

づくり

40歳以上 個別健診の実施 7月~

1月

個別健診受

診者 ・自分の都合に合わせて受けやすい体制

づくり

・かかりつけ医での健診受診体制づくり

職域との

連携

消防団 事業者健診の情報提供依頼(新規実施) 情報提供者

商工会及び

加盟事業所

事業者健診の情報提供依頼(新規実施) 情報提供者

健康につ

いての効

果的

な情報発

乳幼児の保

護者

子どもを通じて自分の健康に関心を持

ち、健診受診につながる情報提供(新規

実施)

通年 特定健康診

査受診率

全市民 地区の特性や住民ニーズを把握しなが

ら、地区担当保健師と地区組織との協働

により、健診及び健康に関する情報提供

通年 特定健康診

査受診率

血糖簡易

測定事業

20歳以上 健康意識の向上や健診、医療機関受診へ

の動機付けを目的に HbA1c値を簡易測定

する(新規実施)

イベン

ト時

特定健康診

査受診率

ウ 評価時期

各年度

エ 評価時期

各年度末

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3 生活習慣病予備群の改善・コントロール対策事業

(1)実施内容

①対象者に合わせた健康支援・特定保健指導

高血糖状態、脂質異常、高血圧は相互に関連し、より重篤な疾患につながる危険性があること

から、これらの数値を改善する必要があります。この3項目の中でも、本市は糖尿病の方が多い

状況にあるので、HbA1c(高血糖)の改善を優先して取り組む。

(P21表10、P22図15)

妊娠糖尿病の方は、将来糖尿病を発症するリスクが血糖正常妊婦に比べ高率であり、出産後も

肥満の防止などが必要なため指導対象者に新たに加えることとした。

また、HbA1c6.0から6.4の者への指導は平成25年度から取組んでいるが、保健指

導実施後一定の改善がみられるものの、指導終了後翌年の健診では指導を受けた者の3割強が悪

化しているため、指導による生活習慣改善が持続できていないということが考えられる。そのた

め、指導終了後の生活も見通した、指導内容の検討をする必要がある。

そして、全年代を通して運動不足であることは共通であるが、20~30代の若い世代では朝

食を抜く習慣が多く、50~60代の中高年層では飲酒習慣が多い傾向にあり、生活習慣病の割

合も高くなっている。(P25図17)こうした年代の傾向を把握した上で、今まで以上に個人の

生活習慣に合わせた保健指導の実施をしていく。

ア 実施計画

対象者 内 容 実施

時期 評価指標

妊娠糖尿病の既往

のある妊産婦

保健情報の提供と生活改善への支援 通年 ・対応者数

・対応率

集団健診受診者で、

HbA1c5.6~5.9の者

・健診結果と共に運動教室の開催通知

の発送

・運動教室の開催と同時に高血糖に関

する栄養教室の開催

8月~

3月

月 1回

・教室参加者数

・参加者の、翌年度の

HbA1c数値の変化

集団健診受診者で、

HbA1c6.0~6.4 の者

又は、集団・個別健

診受診者で、メタボ

リック症候群の者*

・健診結果説明会・メタボリックシン

ドロームの人は特定保健指導での

保健師、管理栄養士による個別相談

・運動教室、SAT システム栄養相談の

開催

*SAT システムとは:フードモデルを

利用した栄養診断システム

8月~

3月

・説明会参加率

・教室参加者数

・指導後の生活習慣の

変化(6か月後アンケート)

・参加者の翌年度の

HbA1c 数値の変化、メ

タボ該当状況

・特定保健指導実施率

*4メタボリック症候群とは

腹囲やBMIが基準値以上で血糖、脂質、血圧の追加リスクがある者。

イ 評価時期

各年度末

事業実施年度の翌年度9月

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ウ 目標値(国の保険者努力支援制度における評価指標に基づく目標値)

項 目 平成 28年度 平成 29年度

特定保健指導実施率 44.2% 44.2%

②運動習慣・食習慣の改善(継続)に取り組める体制づくり

健診結果と問診による生活習慣状況との関連をみても、運動習慣のない者が半数以上みられ、

特にHbA1c高値の方は早食いや夕食後の間食をするといった生活習慣の方が多くみられて

いる。(P25~P28)今までも高血糖状態者向けの運動教室の開催をしてきたが、1つの会

場に限局されており、参加者も伸び悩んでいたため、会場の見直しと運動の継続性を支援できる

教室を開催することとした。また、保健計画アンケートにおいて、ウォーキングに関心のある方

が多く見られたため、(P36図20)ウォーキング教室の開催とウォーキングできる場の提供

を行うこととした。

各年代の特徴や傾向を把握した上で、今まで以上に個人の生活習慣に合わせた保健事業の実施

をしていく。

ア 実施計画

対象者 内 容 実施時期 評価指標

集団健診受診者で、

HbA1c5.6以上の者

又は、集団・個別健

診受診者で、メタボ

リック症候群の者

① 運動教室の継続実施

実施回数を増やし、参加しや

すい会場を選んで開催。

② 通知を通して対象者が

高血糖状態であることで日常

生活改善の必要性の動機づけ

8月~3月

月 1回

・教室参加者数

・継続参加人数

・ 運 動 習 慣 の 変 化

(6か月後アンケート)

・健診結果で経年的な

HbA1cの変化

全市民 ウォーキングマップを活用し

たウォーキング推奨

*ウォーキングマップとは:

市内小学校区ごとのウォーキ

ングコースを紹介した冊子

通年 ・マップの配布数

全市民 ウォーキング教室の開催 年4回 ・教室参加者数

イ 評価時期

各年度末

事業実施年度の翌年度9月

③医療機関との連携強化

ア 実施計画

対象者 内 容 実施時期 評価指標

市内医療機関 甲府市の健康課題や現状を知ってもらうた

めの情報提供

年 1~2回 実施回数

イ 評価時期

各年度末

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4 医療費適正化に向けての事業

レセプトデータ、健診データを活用し医療費適正化に向けて、次の事業を実施する。

(1)重複受診者への適切な受診指導

レセプトデータ等を活用して、同一疾患で複数の医療機関を重複して受診している被保険者に

対し適切な受診の指導を実施する。

(2)ジェネリック薬品の使用促進

レセプトデータに基づき、ジェネリック薬品を使用した場合の具体的な自己負担の差額に関して

被保険者に通知する。

(3)重複服薬指導

レセプトデータにより同一医薬品を重複して処方されている被保険者の発生状況を把握し、医

療機関への情報提供など適切な対応を図る。

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第8章 その他

1 個人情報の保護

甲府市は、特定健診等で得られる健康情報及びレセプト情報の取扱いについては、個人情報の保護

に関する法律及びこれに基づくガイドライン並びに甲府市個人情報保護条例等を踏まえ対応を行いま

す。その際には、受診者の利益を最大限に保証するため個人情報の保護に十分な配慮をした上で、効

果的・効率的な保健事業を実施します。

2 計画の公表・周知

本計画は、甲府市の健康課題・及び課題への取組を示したものであり、ホームページで公表し周

知を図ります。

3 本計画評価及び見直し

毎年、保健事業の実施状況について評価し、必要に応じて改善を行います。また、改善の際には

山梨県国民健康保険団体連合会に設置される保健事業支援・評価委員会の指導・助言を受けるものと

します。なお、目標の達成状況を踏まえ、必要に応じて事業内容の見直しを行います。

4 円滑な実施のための事項

本計画の保健事業を運営するにあたり、関係部署が共通認識を持ち、連携を図り課題解決に取り組

みます。また、山梨県、山梨県国民健康保険団体連合会、医療機関等との連携を図り、計画を推進し

ます。

Page 52: データヘルス計画 - Kofu...活用してPDCAサイクル*2に沿った効果的かつ効率的な保健業の実施を図るための保健業の実 施計画(データヘルス計画)を策定した上で、保健業の実施及び評価を行うものと

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甲府市国民健康保険 甲府市データヘルス計画

平成 28年4月 発行

発行 甲府市 国民健康保険課

〒400-8585 甲府市丸の内1-18-1

電話:055-237-5373

FAX:055-227-5291