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ドライバ心理
1. 運転を楽にすることは、ドライバの運転への注意を減らし、事故を増やす。→AT車とMT車の事故率比較
2. 逆に、ドライバに運転への注意を増やさせると、事故を減らす。→エコ運転による交通事故の低減
3. スペア容量モデルによる上記1,2の説明
4. スペア容量内での思考パターン→リスクホメオスタシス理論
ATとMTの事故率比較(全事故)
0
0.5
1
1.5
2
2.5
0 2 4 6 8 10 12
平成
車百
台あ
たり
の事
故数
AT事故率 MT事故率
ATとMTの事故率比較(死亡事故)
0
0.005
0.01
0.015
0.02
0.025
0 2 4 6 8 10 12
平成
車百
台あ
たり
の事
故数
AT事故率 MT事故率
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
正面衝突
追突
出 会 い 頭 衝 突
追越・追抜時 衝 突
進 路 変 更時 衝 突
す れ違 い 時 衝 突
左 折 時 衝 突
右 折 時 衝 突
横 断 時 衝 突
転 回 時 衝 突
後 退 時 衝 突
そ の 他
MT車
AT車
0 0.0005 0.001 0.0015 0.002
正面衝突
追突
出 会 い 頭 衝 突
追越・追抜時 衝 突
進 路 変 更時 衝 突
す れ違 い 時 衝 突
左 折 時 衝 突
右 折 時 衝 突
横 断 時 衝 突
転 回 時 衝 突
後 退 時 衝 突
そ の 他
MT車
AT車
人的要因別事故率比較(H12)
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6
1
3
5
7
9
11
13
15
17
AT車 MT車
人的要因別死亡事故率比較(H12)
0 0.0005 0.001 0.0015 0.002 0.0025
1
3
5
7
9
11
13
15
17
AT車 MT車
年齢別事故率(全事故H12)
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3
1
3
5
7
9
11
年齢
区分
事故率
AT事故率 MT事故率
年齢別事故率(死亡事故H12)
0 0.0005 0.001 0.0015 0.002 0.0025
1
3
5
7
9
11
年齢
区分
事故率
AT事故率 MT事故率
ATとMTの事故率比較のまとめ
1. 全事故においては、正面衝突を除きATの事故率はMTのそれの2倍高い。
2. 全事故における正面衝突の事故率は、ATもMTもほとんど変わらない。
3. 死亡事故でのATとMT事故率は、ほぼ同じ
値である。
ドライバ心理
1. 運転を楽にすることは、ドライバの運転への注意を減らし、事故を増やす。→AT車とMT車の事故率比較
2. 逆に、ドライバに運転への注意を増やさせると、事故を減らす。→エコ運転による交通事故の低減
3. スペア容量モデルによる上記1,2の説明
4. スペア容量内での思考パターン→リスクホメオスタシス理論
燃費向上率(%)と事故削減率(%)
0.00
10.00
20.00
30.00
40.00
50.00
60.00
70.00
80.00
90.00
100.00
0.00 5.00 10.00 15.00 20.00
燃費向上率(%)
事故
削減
率(%
)
N=165020社
ドライブレコーダ装着と交通事故
107.212265.158100万3.8 2km/ℓ装着後
370.37100万2.7km/ℓ装着前
使用差
(ℓ)使用燃料
(ℓ)走行距離
(km)
燃費
(km/ℓ)
埼ト協 実験結果報告書より作成
ドライバ心理
1. 運転を楽にすることは、ドライバの運転への注意を減らし、事故を増やす。→AT車とMT車の事故率比較
2. 逆に、ドライバに運転への注意を増やさせると、事故を減らす。→エコ運転による交通事故の低減
3. スペア容量モデルによる上記1,2の説明
4. スペア容量内での思考パターン→リスクホメオスタシス理論
運転に関する「注意」で占められている.
注意容量
注意容量とスペア容量
スペア容量
ドライバのスペア容量比較Ⅰ(正面衝突を除く)
運転に関する「注意」で占められている領域
MT車のドライバ AT車のドライバ
スペア容量が少ない この大きなスペア容量に他の注意が入り込み,Human Errorを誘発
・33%は前を見ているのに追突
追突事故の分析例
0
5
10
15
20
25
件数 構成比
車外への脇見
車内への脇見
注意の偏り
考え事
居眠り
予測・判断ミス
ドライバのスペア容量Ⅱ(正面衝突の場合)
運転に関する「注意」で占められている領域
MT車のドライバ AT車のドライバ
スペア容量が少ない MT車と同じスペア容量
ドライバのスペア容量比較Ⅲ(エコ運転の場合)
運転に関する「注意」で占められている領域
エコドライバ 普通のドライバ
スペア容量が少ない この大きなスペア容量に他の注意が入り込み,Human Errorを誘発
ドライバのスペア容量比較Ⅳ(ドライブレコーダ(DR)装着の場合)
運転に関する「注意」で占められている領域
DR装着ドライバ 普通のドライバ
スペア容量が少ない この大きなスペア容量に他の注意が入り込み,Human Errorを誘発
ドライバ心理
1. 運転を楽にすることは、ドライバの運転への注意を減らし、事故を増やす。→AT車とMT車の事故率比較
2. 逆に、ドライバに運転への注意を増やさせると、事故を減らす。→エコ運転による交通事故の低減
3. スペア容量モデルによる上記1,2の説明
4. スペア容量内での思考パターン→リスクホメオスタシス理論
各行動選択肢に期待される効用
リスクの目標水準
必要な調節[a-b=0]
知覚的技能知覚されたリスク水準
調節行動
結果として発生する事故率
意思決定の技能
車両操縦の技能
1
4
a
b
c
d
2
3
ef
比較器集約点
+
-
遅れフィードバック
リスク・ホメオスタシス理論
認知されたリスクと便益
0 1 2 3 4 5 6 7
アルコール
農薬
核プラント
商品添加物
合成甘味料
トランキライザー
エイズ治療薬
心臓手術
飛行機での旅行
抗生物質
便益
リスク
度合い
項目
予測される一般化純益=Y
期待される利得1 =y
期待される損失=2y
最適(目標)水準 リスクへの曝露水準
+
-
効
用
21 )1( yyY αα −+=一般化純益:
横断歩道コースか近道コースか
ジャスコ
鳥取環境大学
近道コース
横断歩道コース
横断歩道コース
近道コース
損益計算とスペア容量
運転や横断に関する「注意」で占められている領域
スペア容量が大きいので同時に複数作業が可能(注意散漫になりやすい)
少ないスペア容量
スペア容量が少ないので運転に集中できる
安全運転
1. 事故データ概観事故発生の様相→事故件数、走行距離と事故件数の関係
2. 事故発生メカニズム→PDSサイクルと負のスペア容量、魔の一瞬、Poisson分布、ハインリッヒの法則
3. まとめ
車対車
400,000
500,000
600,000
700,000
800,000
900,000
1,000,000
1,100,000
1,200,000
1,300,000
1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
西暦
5,000
7,000
9,000
11,000
13,000
15,000
17,000
19,000
全事故件数(左軸) 負傷者総数(左軸)
事故死者総数(右軸)
件数、人 人
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
西暦
億キ
ロ
全走行距離(全国)
100.0
110.0
120.0
130.0
140.0
150.0
160.0
170.0
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
西暦
件数
/1
億走
行キ
ロ
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
1億走行キロ当りの負傷事故数 同死亡事故数
死亡事故件数/1億走行キロ
1.03
1.035
1.04
1.045
1.05
1.055
1.06
1.065
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
西暦
人/件
1.2
1.22
1.24
1.26
1.28
1.3
1.32
1.34
1件あたりの死者数(左軸) 同負傷者数(右軸)
人/件
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005
西暦(年)
死亡
人数
(人
)
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
65歳以上 全合計 高齢者の割合
シートベルト着用率との関係
70
75
80
85
90
95
100
1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004
西暦
%
1
1.05
1.1
1 .15
1.2
1 .25
1.3
シートベルト着用率(%)
死亡事故一件当りの死者数
負傷事故一件当りの負傷者数
一件当りの負傷者数と着用率
70
75
80
85
90
95
100
1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004
西暦
着用
率(%
)
1 .2
1 .205
1.21
1.215
1.22
1.225
1.23
1.235
1.24
1.245
1.25
シートベルト着用率(%) 一件当りの負傷者数
一件当たりの死者数と着用率
70
75
80
85
90
95
100
1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004
西暦
着用
率(%
)
1 .03
1.035
1.04
1.045
1.05
1.055
シートベルト着用率(%) 死亡事故一件当りの死者数
人対車
事故類型別事故件数(人対車両)
-
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
5 7 9 11 13 15 17
平成(年)
件数
77,00078,000
79,00080,00081,00082,000
83,00084,00085,000
86,00087,000
対面通行中 背面通行中 横断歩道横断中
横断歩道付近横断中 その他横断中 路上遊戯中
路上作業中 その他 小計
類型別事故比率(人対車)
-
10
20
30
40
50
5 10 15
平成
%
対面通行中% 背面通行中% 横断歩道横断中%
横断歩道付近横断中% 横断歩道+付近 その他横断中%
路上遊戯中% 路上作業中% その他%
事故類型別・昼夜別交通事故件数
0
10
20
30
40
50
60
対面通行計 背面通行計 横断中計 その他
%
昼 夜 計
事故類型別・道路形状別交通事故件数
0
10
20
30
40
50
60
交差点内 交差点付近 交差点計 カ ーブ その他単路 単路 合計
対面通行 背面通行 横断中 その他
事故類型別・道路線形別交通事故件数
0.00
10 .00
20 .00
30 .00
40 .00
50 .00
60 .00
右カーブ 左カーブ カーブ 計 直線 その他 合計
対面通行計 背面通行計 横断中計 その他
歩行者のスペア容量(交差点内外の歩行者)
横断に関する「注意」で占められている領域
交差点外の歩行者 交差点内の歩行者
ドライバへの依存心が、横断に関する注意を減少させる。
スペア容量が少ない
安全運転
1. 事故データ概観事故発生の様相→事故件数、走行距離と事故件数の関係
2. 事故発生メカニズム→PDSサイクルと負のスペア容量、魔の一瞬、Poisson分布、ハインリッヒの法則
3. まとめ
Human Factor
・思い込み・とらわれ・興味・うっかり・能力の限界・錯覚
Human Error過程
注意の遅れ注意
操作遅れ
操作ミス操作
予測遅れ
判断ミス判断
知覚ミス
知覚遅れ知覚
運転行動モデル
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
Human Factor
Human Error
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
スペア容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
他の注意
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
他の注意
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
他の注意
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
負の容量
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
他の注意
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
他の注意
PDSサイクルとヒューマンエラー
Plan
DoSee
思い込みエラー
うっかりミス確認ミス
負の容量
魔の一瞬(遭遇要因1)ー因果連鎖型ー
魔の一瞬
魔の一瞬(遭遇要因2)ー複数要因同時発生且つ収斂型ー
魔の一瞬
6761
32
137
2 0
6066
36
127
1 00
20
40
60
80
0 1 2 3 4 5 6
事故件数
日数
実際の日数 Poisson
ポアソン分布
1. 発生確率が非常に小さく、かつ試行回数が非常に多い。
2. 例:・飛行機事故、・ガイガー計数管の読み頻度、・自動車のゲート到着台数、・大砲の当たる頻度、・プロシアの騎馬兵が馬に蹴られて死亡する頻度
二項分布からポアソン分布へ
1. きわめて一般的に成り立つ二項分布で、発生確率 と試行回数 の積を一定にしたまま0に近づけと、次のポアソン分布
が導かれる。
2. ポアソン分布では次式が成立する。
p
0)1(
→=≅−=
==
npnpnpnpV
npE
Q
λλ 平均値:
n
!/)( nenf nλλ−=
ハインリッヒの法則が導かれる
1 重大事故
29 軽い事故
300 ヒヤリハット事故
100万件の事故
約3000万件の軽い事故
3億件のヒヤリ・ハット約2700kmに1回の割合
ー交通事故の発生と対策ー
1. 事故発生確率 は人的要因、道路要因、車両要因と遭遇要因(時間的、場所的)とからなる。
2. 事故に遭遇しかけたとき、直ちにスペア容量が運転に関する注意で占められなければうっかりミス、チェックミスなどが発生し、事故に遭遇し、事故を起こす。
3. 人的要因を0にすれば遭遇要因があっても事故は0になるが、人的要因は0になり
えないから遭遇要因を減らすことも重要。
p
安全運転
1. 事故データ概観事故発生の様相→事故件数、走行距離と事故件数の関係
2. 事故発生メカニズム→PDSサイクルと負のスペア容量、魔の一瞬、Poisson分布、ハインリッヒの法則
3. まとめ
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
140,000
160,000
2000
2001
2002
2003
2004
西暦(年)
台数
カーブ警報装置
ブレーキ併用式定速走行装置
車線維持支援装置
ナビ協調シフト制御装置
居眠り警報装置
ナイトビジョン
被害軽減ブレーキ
前後輪連動ブレーキ(2輪車)
衝突安全と予防安全の心理的相違
1. 衝突安全装置の普及は、「人間は誰しもミスをする。→どんなに注意しても自分もミスをするだろう。」の心理に基づいている。
2. 予防安全装置が普及しないのは、「自分は事故を起こさない。」の意識に基づいている。
3. 「事故が起こらないように自分がどれだけ注意しても、事故に遭遇する可能性がある。」という心理に訴えないと、予防安全装置は普及しない。
本講演のまとめ
Easy Driveは事故を増やす
• AT車の事故率は、MT車のそれの2倍高い
(全事故、正面衝突を除く)
• AT車のドライバは、運転が楽になった分だけ
スペア容量が増え、注意散漫になりやすい。
• 逆に、エコ運転やドライブレコーダ装着車のドライバは、彼らのスペア容量が減り、運転に集中できるので事故が減る。
交通安全は歩行者と運転者で作る
• 歩行者に鈴をつけ、ドライバに気づきやすくさせるコンセプトや歩行者優先のコンセプトは、歩行者のスペア容量を増大させるので、却って、危険である。
• 「歩行者にも注意を集中させる」ことも進めるべきである。
• 次に、どれだけ注意しても事故に巻き込まれる可能性があるから、この可能性を除去できるsomethingを開発すべきである。
ご静聴ありがとうございました