6
総論 同時改定に向けた準備・対策 準備万全で迎えよう! 介護サービス別改定対策 通所リハビリの対応 通所介護での対応 訪問リハビリテーションの論点 介護老人保健施設の役割 リハビリテーション専門職の対応 シーティングでどこまで座位は改善できるのか 自立座位困難な方を座位可能にするリハビリ 座位の安定性、座位姿勢改善のトレーニング 座位可能性の限界 座位からの起立訓練 座位訓練に役立つ自助具・福祉用具 【リハビリ現場系】 Rehabilitation News 介護分野の言語聴覚士からのアドバイス 高齢者の姿勢・生活動作を改善する シーティング・ポジショニング リハ職のための介護の奥義 失語症から ST へ こんにちは訪問 ST の平澤です ! 歩行能力の維持・改善につながる リハビリのすすめ方 高齢者への基本リハ すぐに出来る ! 使える ! 自助具&リハビリツール 【居宅系】 リハ職が住宅改修で知っておきたいポイント  訪問リハのスゴ技 こんなときどうする? 知っておきたい訪問リハのマナー 特集 1 特集 2 連 載 3 23 27 31 37 40 46 52 54 58 65 68 74 109 133 70 87 91 113 118 123 127 134 136 81 94 101 105 【実用・実践系】 疼痛の方のためのリハビリ ご利用者との毎日の話ネタ  意欲低下・消極的な方への意欲を引き出す コミュニケーション術 老健のプロフェッショナル技  【認知症の方への対応】 松下教授のここが知りたい! 認知症の方へのリハビリ  リハ職が現場で悩む認知症の方への対応Q&A 【マネジメント】 リハビリ職に求められる 連携のためのマネジメント力 介護現場におけるリハ職のための リスクマネジメント 高齢者リハのエビデンス 読者の広場(リハージュプラス)  リハ職の役割がカギ ! 介護・医療同時改定に向けた準備と対策 座位への挑戦 ~座ることから活動が始まる~ Vol. 3 2018.1 リハージュ …………………………… 7 11 13 15 18 …………………………………………………………………… ………………………………………………………………………… ……………………………………………… …………………………………………………………… ………………………………………… ………… ………………… ………………… …………………………………………………………………………… …………………………………………………………………… ………………………………… …………………………………………………………………………… ……………………… ………………………………… ………………………………………………………… ……… ………………………………………… …………………………………………………………………………… ……………………………………………………………… …………………………………………………… ……………………………………………………… …………… ……………………………………………… ………………………………………………… …………………………………………………………… …………………………………… ………………………………………………………… ……………………………………… …… …………… ………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………… Vol. 3 リハージュ 1 

リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

  • Upload
    others

  • View
    4

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

● 総論 同時改定に向けた準備・対策

準備万全で迎えよう! 介護サービス別改定対策 ● 通所リハビリの対応 ● 通所介護での対応 ● 訪問リハビリテーションの論点 ● 介護老人保健施設の役割 ● リハビリテーション専門職の対応

シーティングでどこまで座位は改善できるのか自立座位困難な方を座位可能にするリハビリ座位の安定性、座位姿勢改善のトレーニング座位可能性の限界座位からの起立訓練座位訓練に役立つ自助具・福祉用具

【リハビリ現場系】Rehabilitation News

介護分野の言語聴覚士からのアドバイス

高齢者の姿勢・生活動作を改善するシーティング・ポジショニング

リハ職のための介護の奥義

失語症から ST へ こんにちは訪問 ST の平澤です !

歩行能力の維持・改善につながるリハビリのすすめ方

高齢者への基本リハ

すぐに出来る ! 使える !自助具&リハビリツール

【居宅系】リハ職が住宅改修で知っておきたいポイント 

訪問リハのスゴ技

こんなときどうする?知っておきたい訪問リハのマナー

特集 1

特集 2

連 載

3

232731374046

52

54

58

65

68

74

109

133

70

87

91

113

118

123

127

134136

8194

101

105

【実用・実践系】疼痛の方のためのリハビリ

ご利用者との毎日の話ネタ 

意欲低下・消極的な方への意欲を引き出すコミュニケーション術

老健のプロフェッショナル技 

【認知症の方への対応】松下教授のここが知りたい!認知症の方へのリハビリ 

リハ職が現場で悩む認知症の方への対応Q&A

【マネジメント】リハビリ職に求められる連携のためのマネジメント力

介護現場におけるリハ職のためのリスクマネジメント

高齢者リハのエビデンス

読者の広場(リハージュプラス) 

リハ職の役割がカギ !介護・医療同時改定に向けた準備と対策

座位への挑戦 ~座ることから活動が始まる~

Vol.32018.1リ ハ ー ジ ュ

……………………………

711131518

……………………………………………………………………

…………………………………………………………………………

………………………………………………

……………………………………………………………

…………………………………………

…………

…………………

…………………

……………………………………………………………………………

……………………………………………………………………

…………………………………

……………………………………………………………………………

………………………

…………………………………

…………………………………………………………

………

…………………………………………

……………………………………………………………………………

………………………………………………………………

……………………………………………………

………………………………………………………

……………

………………………………………………

…………………………………………………

……………………………………………………………

……………………………………

…………………………………………………………

………………………………………

……

……………

…………………………………………………………………………………

………………………………………………………………………

 

Vol. 3 リハージュ 1 

Page 2: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

特集1

平成30年度の介護報酬改定は、診療報酬改定と同時に行われます。高齢化に伴い膨れ上がる介護・医療費の適正化に向け、これまでの仕組みが大きく見直されると考えられます。また、自立支援・重度化防止の観点からますますリハビリの重要性が増してくるといわれています。本特集では、予想される改定の方向性を踏まえたリハビリ現場における準備と対策について紹介します。

通所介護での対応 ~ 機能強化型通所介護の目指すポイント ~株式会社Work Shift 代表取締役  高木 綾一 

訪問リハビリテーションの論点医療法人社団寿量会 介護老人保健施設清雅苑 副施設長  野尻 晋一 

介護老人保健施設の役割医療法人社団寿量会 介護老人保健施設清雅苑 副施設長  野尻 晋一 

リハビリテーション専門職の対応一般社団法人 日本作業療法士協会 会長  中村 春基 

通所リハビリの対応株式会社Work Shift 代表取締役  高木 綾一 

準備万全で迎えよう! 介護サービス別改定対策

同時改定に向けた準備・対策総論

日本通所ケア研究会 会長  妹尾 弘幸 

介護・医療同時改定に向けた準備と対策

リハ職の役割がカギ!

※2017年10月末現在での情報を基にしています。

2 リハージュ Vol. 3

Page 3: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

32 リハージュ Vol. 3

Page 4: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

82 リハージュ Vol. 3

肩以外の柔軟性を確保

肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける

肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋肉をほぐし、筋肉のバランスを整えていく必要があります。 肩関節の筋肉には、肩の奥に存在する深層筋のインナーマッスルと、外側に存在する強い筋肉のアウターマッスルに分けることができます。 肩に痛みがあると、姿勢が悪くなり身体の動きが固まってしまうため、呼吸も浅くなります。そうするとさらにアウターマッスルが硬くなり、インナーマッスルが効きにくくなるためバランスが悪くなります。 そのため肩関節の痛みを取るには、肩以外の柔軟性を確保→肩関節周囲の筋肉を緩める(アウターマッスルを中心に)→肩の筋肉を使いやすくする(インナーマッスルを中心に)、という基本的な流れを押さえると理解しやすいと思います。今回はこの順番で自主トレーニングをお伝えします。

肩甲胸郭関節の滑りを出すことにより、姿勢を整えやすくする前後に5回ずつ

肩以外の柔軟性を確保

肩関節周囲の筋肉を緩める(アウターマッスルを中心に)

肩の筋肉を使いやすくする(インナーマッスルを中心に)

肩関節のケアの流れ

無理をしないように、軽い負荷から始めてください。

頻度は目安になりますが、継続できる回数で行ってください。

目的

頻度

背骨を意識しながら肩甲骨を内側・外側に動かす

肩甲骨を外に広げるときは、手を組み背中を丸める。肩甲骨を内側に近づけるときは、手を後ろで組んで上に引き上げる

Page 5: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

新オレンジプランでは、認知症のリハビリテーション(以下、リハビリ)を「実際に生活する場面を念頭に置きつつ、有する認知機能等の能力をしっかりと見極め、これを最大限に生かしながら、ADL(食事、排泄等)やIADL(掃除、趣味活動、社会参加等)の日常の生活を自立し継続できるよう推進する」と定義しています。認知症のリハビリというと、どうしても認知機能に意識を向けてしまいがちですが、前述の定義に従ってADLやIADLに焦点を当てた、具体的なリハビリに目を向ける必要があります。

認知症の進行に合わせたリハビリ

松下教授のここが知りたい!

第3回 認知症の人のリハビリの実際(ADL・IADL自立度アップに向けて)

認知症の方への

森ノ宮医療大学保健医療学部 作業療法学科

教授 松下 太

図1 アルツハイマー型認知症の経過と生活障害 Sclan SG et al. Int Psychogeriatr. 1992;4 Suppl 1:55-69.より引用一部改変

FAST 3:境界 4:軽度 5:中等度 6:やや重度a b c d e

7:重度a b c d e f

IADL

ADL

複雑な仕事、未知の場所への旅行

買い物、金銭管理(金融機関での貯金の引き出しなど含む)

安全な自動車運転

TPOに併せた服の選択、清潔を保つための入浴

更衣動作

入浴動作、入浴完全拒否

排泄の後始末

尿失禁

便失禁

言語機能

歩行

座位保持

Vol. 3 リハージュ 113 

Page 6: リハージュ 2018.1 Vol82 リハージュ Vol.3 1 肩以外の柔軟性を確保 肩甲骨を外に広げる 肩甲骨を内側に近づける 肩関節のケアの流れ 肩以外の柔軟性を確保しつつ、肩関節周囲の硬い筋

 これを機に、通所リハ利用者全員の排便状況についてアンケート調査を行ったところ、30名余りの方が「便通が良くない」「排便後の残便感がある」などと回答し、薬でコントロールをしていることが分かりました。そこで便秘改善を目的とするグループ「おなかすっきりクラブ」をつくり、3ヶ月コースで取り組む参加者を募りました。Aさんとご主人にもこの企画を説明し、参加してもらうことになりました。

 まず簡単な問診によるチェックリストを使用して便秘タイプを把握します。Aさんは機能性便秘のうち、弛緩性便秘であることが分かりました。

「おなかすっきりクラブ」で便秘改善の取り組みをレクチャー

「便括ルール」のスライド例

 週1回の「おなかすっきりクラブ」では、11の「便活ルール」を伝えています。「便活ルール」は、日常生活での取り組みが継続しやすいものにしています。主に自律神経を調整する内容で、特に夜間に副交感神経を優位にし、朝には交感神経がしっかりと働くよう、体内リズムを整えることを目的としています。 これらがなぜ効果的なのか、絵や文字で分かりやすく説明したものをスライドと冊子にしました。スクリーンに投影して説明をし、また自宅でも家族と見ることができるよう、A5サイズの冊子にしました。冊子の表紙には厚紙を重ねて帆布を貼り、大切にしていただけるよう特別感を演出して、「おなかすっきりクラブ」の日には忘れず持参していただくようにしました。

① 「おなかすっきりクラブ」を始動

② 便秘タイプの確認

③ 便活ルール(便秘改善のための11種類の取り組み)のレクチャー

便秘改善プログラム

運動不足や生活全般の活動量の不足が、腸の蠕ぜん

動どう

運動を低下させている要因のひとつになっていると考えられました。

朝にコップ一杯の水を飲む朝日を浴びる

(朝起きたらカーテンを開ける)バナナ1本でもいいから朝食を摂る腸に刺激を与える食のリズムを守る 1対2の呼吸を10回行う 就寝3時間前には夕食を済ませる 38~40℃の湯で半身浴を15分行う 30分のウオーキングが理想。もしくは電車では立つ、階段を使う腸のゴールデンタイム(0時以降)までに就寝する眠りにつくタイミングの癒しにこだわる 朝、ゆっくりトイレに入れる30分の余裕を作る

「便べ ん

活か つ

ルール」(便秘改善のための11の取り組み)

1.2. 3. 4. 5.6.7. 8.

  9.

  10. 

11.

120 リハージュ Vol. 3