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分析研究科
山本 央
パターン解析から見たダイオキシン類汚染の過去と現在
残留性有機汚染物質とダイオキシン類
害虫駆除剤のDDT類等
ダイオキシン類及びPCBを
含む12種が対象
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)
人や生物への毒性
難分解性
生物への蓄積性
長距離移動性
ダイオキシン類対策特別措置法
②
本日の内容本日の内容
パターン解析による汚染源推定
汚染事例の原因究明について
パターン解析について
都内の環境実態と汚染パターン
③
パターン解析の考え方
④
1②
4③
6⑦
⑧9
2,3,7,8-T4CDD
異性体
同族体
塩素
0
10
20
30
40
50
60
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
発生源A
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
“寄与率(%)”
発生源B 発生源C
パターン解析の考え方
0
10
20
30
40
50
60
70
80
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
環境中のパターン
④
⑤
大気中のダイオキシン濃度推移大気中のダイオキシン濃度推移(H12(H12~~H18H18年年))
28 166.8 2.9 3.5 2.4 2.9
30
60
0
インベントリ
0
10
20
30
40
50
ダイオキシン類総濃度(年平均)
H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年
(pg/m3)
8月 2月 8月 2月 8月 2月 8月 2月 8月 2月 8月 2月 8月
(g-TEQ/年)H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18
Co-PCB総濃度(年平均)
インヘ
゙ントリ
大気
濃度
環境大気のパターンと発生源のパターン
0102030405060
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
都内大気のパターン
%
⑥
0
10
20
30
40
50
60
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
02
46
81012
1416
1820
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
PCB製品パターン
焼却パターン
%
※PCB製品・・・PCBはコンデンサやト
ランスの誘電性流体、熱媒体、ノンカーボン紙、シーラントなどとして過去に使用された。1972年に製造禁止。
%
70~90%
底質(河川・海域) 土壌
毒性
等量
(pg-TEQ/g)
底質及び土壌環境の現況底質及び土壌環境の現況
(年度)
~近年の環境モニタリング調査結果から~
底質・土壌とも全サンプリング地点の平均値(環境局モニタリング)
⑩
都内都内底質底質中のパターンについて中のパターンについて
0
0.5
1
1.5
2
7F 8F
pg/m
3
大気/焼却パターン
6F5F4F8D7D6D4D 5D
⑨
12pg-TEQ/g
0.12pg-TEQ/g
0.33pg-TEQ/g 4.0pg-TEQ/g
25pg-TEQ/g
19pg-TEQ/g
都内都内土壌土壌中のパターンについて中のパターンについて
0
0.5
1
1.5
2
7F 8F
pg/m
3
大気/焼却パターン
6F5F4F8D7D6D4D 5D
⑧
12pg-TEQ/g
6.4pg-TEQ/g 52pg-TEQ/g
46pg-TEQ/g
18pg-TEQ/g
16pg-TEQ/g
都内環境中で見られるパターン都内環境中で見られるパターン
0
10
20
4D5D6D7D8D4F 5F 6F 7F8F
0
30
60
90
4D5D6D7D8D4F5F6F7F8F020406080100
4D5D6D7D8D4F5F6F7F8F
焼却パターン
CNPパターンPCPパターン 塩素処理パターン
0102030405060
#81
#77
#126
#169
#123
#118
#105
#114
#167
#156
#157
#189
PCB製品パターン
※PCP、CNP・・・過去に水田用除草剤として使用。
製造時の副生成物にダイオキシン類が含まれていた。
大気
底質
土壌
⑩
※過去に紙パルプ漂白や化学工業過程で生成。
時期 媒体 汚染レベル 特徴
2002年 中小河川の底質19,000
(pg-TEQ/g) 塩素処理パターン
2004年 公園土壌 630,000 塩素処理パターン
2005年 住宅地等土壌 590,000 塩素処理パターン
底質及び土壌の高濃度汚染事例底質及び土壌の高濃度汚染事例
2006年(平均値) 底質/土壌 16.7/4.7 -
環境基準 底質/土壌 150/1,000 -
⑪
河川底質で発見された汚染事例でのパターン解析例
0 100m
PCP(農薬) CNP焼却
塩素処理
都内の河川(H14)⑫
地点③ (農薬)
毒性等量(pg-TEQ/g)
5,800
550
46
130
110地点②(汚染源)
69
地点①
※地点④から地点⑥は地点③の上流及びその先で合流する河川を示す。
土壌・底質汚染の生物への移行土壌・底質汚染の生物への移行
➤底質汚染の魚類への影響中小河川底質での汚染事例最大濃度:19,000pg-TEQ/g
●サンプル汚染サイト内の食品分析(銀杏、みかん)
底質及び土壌汚染等のパターンは見られず。蓄積濃度も低かった。
➤土壌汚染の植物への移行土壌汚染事例最大濃度:590,000pg-TEQ/g
魚類のパターン
底質のパターン(T4CDF)
⑬
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
PCDDs%
PCDFsPCDFs
Co-PCBs
ダイオキシン類TEQ濃度の内訳
環境中で考えられる塩素使用例
土壌改良剤、土壌質調整、農薬土壌改良剤、土壌質調整、農薬細菌防菌剤(作物病対策、種子消毒)細菌防菌剤(作物病対策、種子消毒)
病原性微生物やウイルスによ病原性微生物やウイルスによる感染リスクの低減及び防除る感染リスクの低減及び防除
化学工場等における使用化学工場等における使用(使用後の廃棄物、埋設土)(使用後の廃棄物、埋設土)
埋設土に対する土壌調整埋設土に対する土壌調整底質等に対する殺菌消毒底質等に対する殺菌消毒(ウイルス感染症対策)(ウイルス感染症対策)
ダイオキシン類汚染との関係は??☛室内実験によって実際の事例を検証
⑭
塩素添加実験について
底質
次亜塩素酸Na溶液
pH調製
暗所の湯浴内で反応
ダイオキシン類測定へ塩素添加濃度
反応時間
反応温度
pH
底質の種類
⑮
添加濃度 高
I nj ect i on Vi ew Page 1DqData : e: \山本\Method Dat a\456-Chl or i nat i on-Sed-050604\456-Chl or i nat i on-Sed-050604Compound : T4CDFChannel : Aver age
20 24 28 32 36 40Retent i on Ti me ( mi n)
0
73693Intensity
Sumi da-Sed
20 24 28 32 36 40
Retent i on Ti me ( mi n)
1824
28432
Inte
nsi
250-5
20 24 28 32 36 40
Retent i on Ti me ( mi n)
0
1923356
Intensi
1500-5
20 24 28 32 36 40Retent i on Ti me ( mi n)
0
1648731
Intensi
25000-5
0
125853
Intensi
50000-5
塩素添加とダイオキシン類の生成
底質(塩素添加前)
250mgCl/L
1,500mgCl/L
25,000mgCl/L
T4CDFのクロマトグラム
1,2,7,8-2,3,7,8-
※酸性条件、反応時間8日、反応時の温度20℃
⑯
80000
40000
80000
40000
80000
40000
80000
40000
PC
DD
/Fsの
生成
濃度
塩素添加時のダイオキシン生成塩素添加時のダイオキシン生成
(pg/g)
⑰
1F 2F 3F 4F 5F 6F 7F 8F1D 2D 3D 4D 5D 6D 7D 8D
2,8- 2,3,8-1,2,8-
2,3,7,8-1,2,7,8-
11日日
22日日
44日日
88日日
※中性条件、塩素添加濃度1,500mgCl/L、反応時の温度20℃
2-
2,8-
1,2,8- 2,3,8-
2,3,7,8-1,2,7,8-
1,2,3,7,8-
O O
O
O
28 32 36 40 44 48
0
2,3,4,7,8-O
1F
2F
3F
4F
5F
O
塩素添加によるダイオキシン類生成の流れ
O
1
34678
9 Cl
⑱
O
塩素添加濃度、pH、反
応時間、水温に依存
反応進行度
パターンの変化
2
汚染サイトで見つかったパターン
⑲
塩素使用状況の推定
汚染底質のパターン
実験時のパターン
(pg/g)
汚染原因の究明
汚染原因の究明について
濃度分析パターン解析
塩素の使用条件、添加方法等の推定
土地の地歴堆積物、コア状況
土地利用、土壌の持ち込み、使用物
副生成物、反応生成物過去の利用物質(原料等)再現実験、モデル実験
プロセス、同時期の製造物
20
まとめ及び今後の方向
➤都内環境における汚染の現状→発生源対策の効果とPCB汚染
→土壌、底質等で見られる多種多様な汚染
➤局所的な高濃度汚染→底質・土壌で特徴的パターンの存在→汚染現象、汚染当時の状況を推定する基礎的資料
21
・・・高濃度汚染と使用例(過去の汚染、未把握の発生源)・・・土壌汚染対策、浄化修復と管理
☛☛都民が安心して暮らせる環境の創出