61
ポプスカイン 0.75%注 75mg/10mL ポプスカイン 0.75%注 150mg/20mL ポプスカイン 0.25%注 25mg/10mL ポプスカイン 0.25%注バッグ 250mg/100mL ポプスカイン 0.75%注シリンジ 75mg/10mL ポプスカイン 0.25%注シリンジ 25mg/10mL に関する資料 丸石製薬株式会社 第2部 2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

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Page 1: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

ポプスカイン 0.75%注 75mg/10mL

ポプスカイン 0.75%注 150mg/20mL

ポプスカイン 0.25%注 25mg/10mL

ポプスカイン 0.25%注バッグ 250mg/100mL

ポプスカイン 0.75%注シリンジ 75mg/10mL

ポプスカイン 0.25%注シリンジ 25mg/10mL

に関する資料

丸石製薬株式会社

第 2 部

2.7 臨床概要

2.7.6 個々の試験のまとめ

Page 2: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

個々の試験のまとめの化学構造式一覧表

略 号

(略 称) 化 学 名

(一 般 名) 構 造 式 由 来

レボブピバカ

イン

(-)-(2S)-1-butyl-N-(2,6- dimethylphenyl)piperidine-2-carboxamide monohydrochloride JAN(日本名):塩酸レボブピバカイン JAN(英名):Levobupivacaine Hydrochloride INN(英名):levobupivacaine INN(日本名):レボブピバカイン

原薬

3-ヒドロキシ体

1-butyl-N-(2,6-dimethyl- 3-hydoroxyphenyl) piperidine-2-carboxamide

N

CH3

CH3

NH

OCH3

H

OH

代謝物

4-ヒドロキシ体

1-butyl-N-(2,6-dimethyl- 4-hydoroxyphenyl) piperidine-2-carboxamide

N

CH3

CH3

NH

OCH3H

OH

代謝物

デスブチル体

N-(2,6-dimethylphenyl) piperidine-2-carboxamide

NH

CH3

CH3

NH

OH

代謝物

R体

(+)-(2R)-1-butyl-N-(2,6- dimethylphenyl)piperidine-2-carboxamide CH3

N

CH3

CH3

NH

OH

不純物

ブピバカイン

1-butyl-N-(2,6-dimethyl- phenyl)piperidine- 2-carboxamide monohydrochloride

CH3

N

CH3

CH3

NH

OH

・HCl

対照薬

ロピバカイン

(-)-(2S)-1-propyl-N-(2,6-dimethylphenyl) piperidine-2- carboxamide monohydrochloride

CH3

N

CH3

CH3

NH

OH

・HCl

対照薬

CH3

N

CH3

CH3

NH

OH

・HCl

Page 3: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

個々の試験のまとめの略号一覧表

略 号 (略 称)

内 容

ALP アルカリホスファターゼ ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ ANOVA 分散分析

ASA 分類 アメリカ麻酔学会(American Society of anesthesiologists)より作成された術前状態

分類 AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC 血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-10h 0~10 時間における血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-12h 0~12 時間における血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-24h 0~24 時間における血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-th 0~t 時間における血漿中濃度-時間曲線下面積 AUC0-∞ 0~無限大時間における血漿中濃度-時間曲線下面積 AV ブロック 房室ブロック A/G 比 アルブミン・グロブリン比 BUN 尿素窒素 Ca カルシウム CI 信頼区間 Cl 塩素 CL クリアランス CLd 分布クリアランス Cmax 最高血中濃度

CPK クレアチンホスホキナ-ゼ CV% 変動係数 CYP チトクロム P-450 F バイオアベイラビリティ FAS 有効性評価に関する最大の解析対象集団 GGT γ-グルタミルトランスペプチダーゼ HBs-Ag B 型肝炎ウイルス抗原 HCV C 型肝炎ウイルス HIV Ab HIV 抗体 HPLC 高速液体クロマトグラフィー(high-pressure luquid chromatography) HPLC-FL 蛍光検出器付高速液体クロマトグラフィ

IC50 50%阻害濃度 ITT 全例解析 K カリウム Kel 消失速度 Ki 阻害定数 Km ミカエリス定数 LEVO Plain 0.5%レボブピバカイン

Page 4: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

略 号 (略 称)

内 容

LEVO200 エピネフリン 1:200,000 含有 0.5%レボブピバカイン LEVO400 エピネフリン 1:400,000 含有 0.5%レボブピバカイン LDH 乳酸脱水素酵素 LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析法 LC/MS/MS タンデム型質量分析計付液体クロマトグラフィー MCH 平均赤血球ヘモグロビン量 MCHC 平均赤血球ヘモグロビン濃度

MCV 平均赤血球容積 MRT 平均滞留時間 MR8A2 塩酸レボブピバカイン Na ナトリウム NADPH 還元型ニコチンアミドアデニンヌクレオチドリン酸 NOS 他に特定されない(not otherwise specified):MedDRA(ICH 国際医薬用語集)日

本語版に収載されている用語(基本語)で用いられる略語 NPN 非蛋白性窒素 PFS プレフィルドシリンジ pH 水素イオン濃度指数 PPS 治験実施計画書適合集団 PR 心電図上で P 波の開始から次の QRS 群の開始までの時間 QRS 心電図上の QRS 群の持続時間 QT 心電図上で Q 波の開始から T 波の終わりまでの時間 QTc 心拍数補正 QT 間隔(時間) RE% 理論値と逆回帰濃度の差の割合 SD ラット Sprague Dauley(ラットの種類) Tmax 最高血漿中濃度到達時間 T1/2 消失半減期

T½ a1 第Ⅰ相における消失半減期 T½ a2 第Ⅱ相における消失半減期 T½ el 消失相の半減期 T1/2λ 分布相の半減期 VAS 視覚アナログ尺度(Visual analogue scale) Vd 分布容積 Vdβ β相における分布容積 Vmax 最大反応速度 Vss 定常状態における分布容積 V1 体循環コンパートメント γ-GTP γ-グルタミルトランスペプチダーゼ %diff 理論値と測定値の差の割合

Page 5: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

1

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

2.7.

6個

々の試

験の

まとめ

床試

験一覧

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

析法

の検

7 A

091

第5部

1巻

5.3.

1.4-

1 血

漿中

濃度

定法

の検

完了

完全な報

告書

析法

の検

9 A

111

第5部

1巻

5.3.

1.4-

2 尿

中濃

測定

法の

検討

完了

完全な報

告書

漿蛋

白結

11

03-8

6 第

5部

1巻

5.3.

2.1-

1 血

漿蛋

白結

合率

の測

ラット血

漿・イヌ血

漿・ヒト血

漿

及び

精製

蛋白

使用

完了

完全な報

告書

代謝

試験

13

16

0501

5部

1巻

5.3.

2.2-

1 代

謝に

関与

する

P450

分子

種の

ヒト肝

ミクロソーム使

完了

完全な報

告書

肝代

謝試

14

1648

8 第

5部

1巻

5.3.

2.2-

2 代

謝物

の同

定、

代謝

物生

成に

わる

P450

分子

種の

検討

ヒト肝

ミクロソーム使

完了

完全な報

告書

肝代

謝試

16

04-0

4 第

5部

1巻

5.3.

2.2-

3 レボブピバカインの

P450

分子

種に

対す

る阻

害作

の検

ヒト肝

ミクロソーム使

完了

完全な報

告書

光学

異性

変換

の検

18

1/93

2514

5部

1巻

5.3.

2.3-

1 光

学異

性体

への

変換

の有

無の

ラット及

びヒト肝

スライス使

完了

完全な報

告書

薬物

動態

20

PR

-LEV

-P1-

C

第5部

1巻

5.3.

3.1-

1 健

康成

人男

子に

おけ

る静

脈内

与時

の安

全性

び薬

物動

態の

オープン試

レボブピバカイン

0.

125,

0.2

5, 0

.5%

,

各8m

L (1

0, 2

0, 4

0mg)

脈内

投与

18

健康成人

男子

単回投与

完了

完全な報

告書

薬物

動態

26

PR

-LEV

-P1-

D

第5部

1巻

5.3.

3.1-

2 高

齢者

にお

ける

静脈

内投

与時

安全

性及

び薬

動態

の検

オープン試

レボブピバカイン

0.

25%

8m

L (2

0mg)

脈内

投与

6 健康成人

男子

(高齢者

単回投与

完了

完全な報

告書

代謝

物分

29

165

74

第5部

1巻

5.3.

3.1-

3 尿

中代

謝物

の水

酸化

部位

の同

オープン試

レボブピバカイン

40

mg

静脈

内投

4 健康被験

単回投与

完了

完全な報

告書

Page 6: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

物動

31

PR-L

EV-P

3-D

5部

1巻

5.3.

3.2-

1 患

者に

おけ

薬物

動態

及び

効性

・安

全性

検討

オープン試

レボブ

ピハ

゙カイ

0.25

% 6

mL/

hr×

48hr

続硬

膜外

投与

8 全身麻酔

により

腹部開腹

手術を

定してい

る患者

閉腹時よ

り48

時間の持

続硬

膜外投与

完了

完全な報

告書

薬力

40

PR-L

EV-P

1-A

5部

1巻

5.3.

4.1-

1 単

回皮

内投

与時

の安

全性

及び

所麻

酔効

果の

無作

為化

重盲

プラセボ対

レボブ

ピハ

゙カイ

ン 0

.25,

0.5

, 0.7

5%,

プラセホ

各0.

1mL,

皮内

6 健康成人

男子

単回投与

完了

完全な報

告書

薬力

43

PR-L

EV-P

1-B

5部

1巻

5.3.

4.1-

2 感

覚・運

動・交

神経

に対

する

酔効

果及

び安

性の

検討

無作

為化

重盲

対照

薬及

びプラセボ

対照

レボブ

ピハ

゙カイ

ン 0

.25,

0.5

, 0.7

5%,

ブピハ

゙カイ

ン 0

.5%

, プラセボ

, 各

5mL,

尺骨

神経

30

健康成人

男子

単回投与

完了

完全な報

告書

硬膜

外麻

有効

性・安

全性

物動

47

PR-L

EV-P

2-A

5部

1巻

5.3.

5.1-

1 至

適用

量の

検討

及び

患者

にお

る薬

物動

オープン試

治験

薬2濃

5用

レボブ

ピハ

゙カイ

0.5%

15,

20m

L 0.

75%

10,

15,

20m

L 硬

膜外

41

硬膜外麻

酔によ

下腹部あ

るいは

肢手術を

予定し

いる患者

単回投与

完了

完全な報

告書

硬膜

外麻

有効

性・安

全性

58

PR

-LEV

-P3-

A

第5部

1巻

5.3.

5.1-

2 有

効性

及び

安全

性に

おけ

るロピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ロピバカインと

もに

0.75

% 2

0mL

硬膜

外腔

レボブピ

バカイン

30

ロピバカイン

25

硬膜外麻

酔によ

下腹部あ

るいは

肢手術を

予定し

いる患者

単回投与

完了

完全な報

告書

術後

鎮痛

効性

・安

全性

68

PR

-LEV

-P2-

C

第5部

1巻

5.3.

5.1-

3 至

適用

量の

検討

オープン試

治験

薬2濃

7用

レボブ

ピハ

゙カイ

0.12

5% 4

,6,8

, 10m

L/hr×

21hr

, 0.

25%

4,6

,8m

L/hr×

21hr、

続硬

膜外

投与

69

全身麻酔

による

腹部開腹

手術を

定してい

る患者

閉腹時よ

り覚

醒確認後

21時

間までの

持続

硬膜外投

完了

完全な報

告書

術後

鎮痛

効性

・安

全性

79

PR

-LEV

-P3-

C

第5部

1巻

5.3.

5.1-

4 有

効性

及び

安全

性に

おけ

るロピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

手術

前硬

膜外

投与

:

レボブピバカイン・ロピバカインと

もに

0.7

5%

6~10

mL,

後持

続硬

膜外

投与

:

レボブ

ピハ

゙カイ

0.2

5% 6

mL/

hr×

21hr

,

ロピバ

カイン

0.2%

6m

L/hr×

21hr

レボブピ

バカイン

42

ロピバカイン

45

全身麻酔

と硬膜

麻酔の併

用によ

下腹部開

腹手術

予定して

いる患

手術前硬

膜外

麻酔、術

中追

加投与(

単回

投与)及

び覚

醒確認後

21時

間までの

持続

投与

完了

完全な報

告書

有用

性・利

便性

93

PR

-LEV

-PFS

-A

第5部

1巻

5.3.

5.4-

1 プレフィ

ルド

シリン

ジ

の有

用性

・利

便

性調

無作

為化

オープン試

シリンジ

・ポ

リエチ

レンア

ンプル・ハ

゙イア

ルに

よる

比較

有用性

12

利便性

40

麻酔科医

完了

完全な報

告書

Page 7: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

3

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

物動

97

0303

02

第5部

2巻

5.4-

1 健

康成

人男

子に

おけ

る静

脈内

与時

の薬

物動

及び

尿中

代謝

の検

討(

ブピバ

カインと

の比

較)

無作

為化

重盲

クロスオーバー

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

40m

g 静

脈内

投与

12

健康成人

男子

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

安全

薬物

動態

10

0 00

4801

5部

2巻

5.4-

2 心

血管

系に

対す

る効

果及

び薬

動態

にお

ける

ブ

ピバカインと

の比

無作

為化

重盲

クロスオーバー

レボブ

ピハ

゙カイ

ン・フ

゙ピバカ

インと

に0.

5%製

剤を

2mL/

min

で中枢

神経

系の

症状

が認

めら

れる

で、

ある

いは

投与

量が

150m

gに

達す

るま

静脈

内投

14

健康成人

男子

(外国人

持続投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

安全

106

0121

05

第5部

2巻

5.4-

3 Q

T分

散と

心電

図へ

の影

響に

いて

のブピバカイ

ンと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

初め

に0.

5%ブピバカイン投

与で

枢神

経系

の症

状が

認め

られ

用量

を求

め, そ

の用

量の

レボブ

ピバカイン又

はブピバカイン(

とも

0.5%

)を

静脈

内投

22

健康成人

男子

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

有効

性・安

全性

10

8 M

E040

0 第

5部

2巻

5.4-

4 脳

波に

対す

る有

効性

及び

安全

につ

いて

のブピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

3期

クロスオーバー

照薬

及び

プラセボ

対照

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

40m

g, フ

゚ラセボ

脈内

投与

11

健康成人

(外国人

持続投与

10

分間

完了

簡略化さ

れた報

告書

術後

鎮痛

剤併

有効

111

CS0

04

第5部

2巻

5.4-

5 0.

25%

レボブピ

バカインに

おけ

るモ

ルヒネ併

用時

の有

効性

につ

いて

単独

群・併

用群

モルヒネ単

独群

によ

る比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

手術

前硬

膜外

投与

: 0.

75%

レボフ

゙ピ

バカ

イン

6~12

mL

術後

持続

硬膜

外投

与:

0.25

%レボブピバカイン

4m

L/hr

(10

mL/

hrま

で増

加可

66

腹部大手

術患者

(外国人

手術前硬

膜外

麻酔及び

術後

24時間までの

持続硬膜

外投

完了

簡略化さ

れた報

告書

Page 8: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

4

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

後鎮

他剤

併用

効性

122

CS0

06

第5部

2巻

5.4-

6 0.

125%

レボブピ

バカインに

おけ

るフ

ェンタニル併

用時

有効

性に

つい

の単

独群

・併

群・フェンタニル単

群に

よる

比較

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

手術

前硬

膜外

投与

とし

0.75

%レボフ

゙ピ

バカ

イン

20m

L投

後 引

き続

き0.

125%

レボブピバカ

イン

4mL/

hrで

持続

投与

, 術

後は

自己

投与(

1時

間に

14m

Lま

で)

及び

速度

増加(

8mL/

hrま

で)可

66

整形外科

大手術患

(外国人

手術前硬

膜外

麻酔に引

き続

き持続投

し、術後

は自

己投与で

術後

24時間までの

持続硬膜

投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

術後

鎮痛

剤併

有効

性・安

全性

132

0307

42

第5部

2巻

5.4-

7 0.

125%

レボブピ

バカインに

おけ

るク

ロニジン併

用時

有効

性に

つい

の単

独群

・併

群・クロニジン単

群に

よる

比較

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

0.75

%レボフ

゙ピ

バカ

イン

15m

Lに

る硬

膜外

麻酔

の3時

間後

より

6mL/

hrで

24時

間持

続硬

膜外

96

股関節置

換術を

定してい

る患者

(外国人

24時間の持続

硬膜外投

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

他剤

併用

効性

・安

全性

139

0313

06

第5部

2巻

5.4-

8 0.

5%単

独群

・エ

ピネフリン

(1:

200,

000又

は1:

400,

000)

用群

にお

ける

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

0.5%

レボブピバカイン

15m

L 硬

膜外

117

背部手術

を予定

ている患

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

有効

性・安

全性

物動

146

0061

75

第5部

2巻

5.4-

9 0.

5%及

0.75

%レボブピ

バカインと

0.5%

ブ

ピバカインに

おけ

る有

効性

・安

性・薬

物動

態の

比較

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

15m

L 硬

膜外

88

下肢手術

を予定

ている患

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

有効

性・安

全性

15

3 C

S005

5部

2巻

5.4-

10

有効

性及

び安

性に

おけ

るブピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

0.75

% 2

0mL

硬膜

外腔

56

腹部大手

術を予

している

患者

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

帝王

切開

時の

効性

・安

全性

162

0306

32

第5部

2巻

5.4-

11

有効

性及

び安

性に

おけ

るブピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

0.5%

25m

L 硬

膜外

67

帝王切開

術を予

している

患者

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

Page 9: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

5

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

膜外

麻酔

王切

開時

の有

効性

・安

全性

170

CS0

01

第5部

2巻

5.4-

12

有効

性及

び安

性に

おけ

るブピ

バカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

0.5%

30m

L 硬

膜外

63

帝王切開

術を予

している

患者

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

出産

時分

娩痛

効性

・安

全性

物動

179

0302

76

第5部

3巻

5.4-

59

硬膜

外麻

酔時

薬物

動態

及び

効性

・安

全性

検討

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

0.25

% 1

0mL

追加

投与

は必

要に

応じ

て1回

10m

L、大

7回

まで

可能

膜外

169

硬膜外鎮

痛を行

出産妊婦

(外国人

単回投与

必要に応

じて

追加投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

無痛

分娩

にお

る有

効性

・安

188

0304

33

第5部

3巻

5.4-

60

Min

imum

loca

l an

alge

sic

conc

entra

tion推

定、

安全

性に

ける

ブピバカイン

との

比較

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

硬膜

外投

与:

レボブピバカイン

0.0

5~0.

11%

20

mL

ブピバカイン

0.0

5~0.

12%

20

mL

73

無痛分娩

を予定

ている妊

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

出産

時分

娩痛

対す

有効

性・安

全性

195

0307

58

第5部

3巻

5.4-

61

出産

時分

娩痛

対す

る有

効性

び安

全性

にお

るロピバカインと

比較

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

硬膜

外投

与: 2

0mL

レボブピバカイン・ブピバカイン

もに

0.11

%よ

り投

与開

始、

0.01

%刻

みで

増減

94

出産妊婦

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

薬力

204

0052

76

第5部

2巻

5.4-

13

尺骨

神経

ブロック

にお

ける

ブピバ

カインと

の効

力の

比較

無作

為化

重盲

対照

薬及

びプラセボ

対照

レボブピバカイン(

0.12

5, 0

.25,

0.

5%)

,ブピバカイン

0.5%

,

プラセボ

骨神

経溝

20

健康成人

男子

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

術後

鎮痛

有効

性・

安全

207

0304

75

第5部

2巻

5.4-

14

レボブピバカイン

3濃

度に

おけ

る有

効性

及び

安全

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

手術

前硬

膜外

投与

: 0.7

5%レボブ

ピバカイン

10~

15m

L,

術後

: 0.0

625,

0.1

25, 0

.25%

レボブピバカイン

500m

L 持

続硬

膜外

投与

98

整形外科

手術を

定してい

る患者

(外国人

手術時硬

膜外

麻酔及び

術後

24時間の持続

投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

腕神

経叢

ブロック

量反

応・安

性・薬

物動

214

0061

54

第5部

3巻

5.4-

15

用量

反応

・薬

動態

・安

全性

おけ

る0.

5%ブ

ピバカインと

の比

無作

為化

重盲

並行

群間

比較

レボブピバカイン

0.2

5, 0

.5%

ブピバカイン

0.5

%

各0.

4mL/

kg

腕神

経叢

投与

76

腕神

経叢

ブロック下

での手術

を予定

ている患

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

Page 10: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

6

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

試験

の種

該当 頁

治験実施

計画書の

識別コー

試験報告

を添付し

場所

験の

目的

験デ

ザイ

及び

対照

の種

被験

投与

方法

与経

被験

者数

健康被験

者又は

患者の診

断名

投与期間

試験の

進行状況

報告書の

種類

膜外

麻酔

物動

有効

性・安

全性

223

0304

54

第5部

3巻

5.4-

16

硬膜

外麻

酔時

体内

動態

及び

効性

・安

全性

検討

オープン試

硬膜

外投

与:

0.5%

レボブ

ピハ

゙カイ

ン 1

9mL

脈内

投与

: 重

水素

ラベルさ

れた

レボブピバカイン

0.05%

50m

L

15

硬膜外麻

酔によ

整形

・泌

尿器

科又

は下腹部

手術を

定してい

る患者

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

硬膜

外麻

薬物

動態

効性

・安

全性

230

0309

57

第5部

3巻

5.4-

17

硬膜

外麻

酔時

体内

動態

及び

効性

・安

全性

検討

オープン試

硬膜

外麻

酔: レボブピバカイン

0.

5% 3

mL+

0.75

% 1

5mL

静脈

内投

与: 重

水素

ラベルさ

れた

レボブピバカイン

0.0

5% 5

0mL

31

硬膜外麻

酔によ

整形・泌

尿器科

は下腹部

手術を

定してい

る患者

(外国人

単回投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

薬物

動態

23

5 01

1756

5部

3巻

5.4-

18

14Cレボブピバカイ

ン投

与時

の薬

動態

の検

オープン試

14Cレボブピバカイン

40m

g 静

脈内

投与

4

健康成人

男子

(外国人

持続投与

15

分間

完了

簡略化さ

れた報

告書

術後

鎮痛

物動

有効

性・安

全性

240

0310

70

第5部

3巻

5.4-

19

肝切

除術

を行

患者

にお

ける

ボブピバカイン長

期投

与時

の代

謝・薬

物動

態・安

全性

の検

オープン試

手術

時硬

膜外

麻酔

とし

てレボブ

ピバカイン

0.5%

2m

L+0.

25%

8m

L投

与後

引き

続き

0.1%

レボブピバ

カイン

+フェンタニル

5µg/

mLを

10m

L/hr

で持

続投

与し

、薬

剤は

0.2%

レボ

ブピバカインに

のみ

変更

可で

、投

与速

度は

15m

L/hr

まで

変更

12

肝切除術

を予定

ている患

(外国人

長10

日間ま

での持続

投与

完了

簡略化さ

れた報

告書

腕神

経叢

ブロック

効性

・安

全性

物動

246

PR-L

EV-P

2-B

5部

3巻

5.4-

20

至適

用量

の検

薬物

動態

オープン試

レボブピバカイン

,

, m

L

, ,

mL

腋窩

部神

経血

管鞘

神経

叢ブロックに

より上肢

手術を

定してい

る患者

単回投与

完了

完全な報

告書

浸潤

麻酔

効性

・安

全性

物動

256

PR-L

EV-P

2-D

5部

3巻

5.4-

21

至適

用量

の検

薬物

動態

オープン試

レボブピバカイン

%,

%,

%,

又は

mL

皮内

・皮

下・

筋膜

下投

全身麻酔

下で腹

鏡検査又

は腹腔

手術を予

定して

る患者

単回投与

完了

完全な報

告書

脊椎

麻酔

効性

・安

全性

26

3 PR

-LEV

-P2-

E 第

5部

3巻

5.4-

22

至適

用量

の検

討オープン試

レボブピバカイン

,

, m

L 脊

髄クモ膜

下腔

脊椎麻酔

下で下

部以下の

手術を

臥位にて

実施予

の患者

単回投与

完了

完全な報

告書

Page 11: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

7

1)血漿中レボブピバカイン測定法(試験 No.A091)の概要·······························添付資料 5.3.1.4-1 (1)試験方法概略

試験の標題:ヒト血漿中レボブピバカインの濃度測定方法の検討 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験実施期間:20 年 月 日~20 年 月 日 試験目的:ヒト血漿中レボブピバカインの濃度測定を実施するにあたり、試験委託者より開示され

た分析条件に基づく分析方法のバリデーションを行った。 試験方法:標準試料溶液 100µL を分取し窒素乾固(40℃)後、ヒトブランク血漿 100µL を添加し、

また、測定試料 100µL を分取し、適切な試料調製を行った後、LC-MS/MS によりレボブ

ピバカイン濃度を測定した。 標準物質、内標準物質: 〈標準物質〉 名称:Levobupivacaine hydrochloride 純度:100.5% ロット番号:D1249.2/99006 〈内標準物質〉 名称:Flecainide Acetate Salt 純度:99% ロット番号:040K4074 評価方法: 検量線用標準試料より得られたクロマトグラム上の測定対象標準物質のピーク面積と内標準物質

のピーク面積の比(内標比)を Y-軸に、濃度を X-軸にとり、 小二乗法による一時回帰直線式

(Y=aX+b,weight=1/X2)より検量線を作成する、検量線から測定試料中のレボブピバカイン濃度を

算出した。 同時再現性(測定内変動)は低・中・高 3 濃度の被験試料について同一測定内でそれぞれ 5 回測

定し、CV%(変動係数)値を求めた。日差再現性(測定間変動)は低・中・高 3 濃度の被験試料に

ついて同一測定内でそれぞれ 2 回、測定日を変えて 5 日間測定し、各測定日の平均値を用いて CV%(変動係数)値を求めた。測定値の再現性については CV%値で 15%以内(低濃度被験試料では 20%以内)であることを要した。 報告日:20 年 月 日

(2)試験結果

項目 結果 直線性 範囲: ブランク及び 10.16-2031ng/mL

測定点数: 9 点 y-切片: -0.006280 勾配: 0.001386 相関係数: 0.99006

同時再現性 3 濃度(40.62, 203.1, 1016ng/mL)×5 回 CV%(変動係数)=2.24-4.92 精度 日差再現性 3 濃度(40.62, 203.1, 1016ng/mL)×5 回 CV%(変動係数)=4.25-7.16

真度 3 濃度(40.62, 203.1, 1016ng/mL)×5 回 %diff=8.37-17.43 検出限界 1.896ng/mL (S/N 比=3) 定量限界 10ng/mL (CV%(変動係数)=3.03、%diff=18.46)

妨害物質 測定に影響を及ぼす夾雑物質は確認されなかった。 回収率 97.65-111.90%

選択性

希釈測定 %diff=5.31-11.42 定量範囲 10-2000ng/mL 安定性 保存安定性 凍結(約-20℃)保存条件下で保存 7 日後まで測定値に影響を及ぼさない

ことが確認された。

Page 12: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

8

項目 結果 凍結融解安定性 凍結融解 2 サイクルまで測定結果に影響を及ぼさないことが確認された。 オートサンプラ

ー上での安定性 オートサンプラー上で 24 時間放置後も測定に影響を及ぼさないことが確

認された。 精度管理 精度、真度、安定性の結果より、3 濃度の被験試料が、実検体測定時の

QC サンプルとして使用可能であることが確認された。

(3)結論 本測定方法はヒト血漿中レボブピバカインの濃度測定において 10ng/mL~2000ng/mL の範囲で有

効であることが確認された。

Page 13: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

9

2)尿中レボブピバカイン測定法(試験 No.A111)の概要 ··································添付資料 5.3.1.4-2 (1)試験方法概略

試験の標題:ヒト尿中レボブピバカインの濃度測定法のバリデーション 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験実施期間:20 年 月 日~20 年 月 日 試験目的:ヒト尿中レボブピバカインの濃度測定を実施するにあたり、試験委託者より開示された

条件に従い実施した予備検討の 終報告書に基づく分析法のバリデーションを行った。

試験方法:検量線用標準試料溶液又は測定試料 100µL を分取し、適切な試料調製を行った後、

LC-MS/MS によりレボブピバカイン濃度を測定した。 標準物質、内標準物質: 〈標準物質〉 名称:Levobupivacaine hydrochloride 純度:100.5% ロット番号:D1249.2/99006 〈内標準物質〉 名称:Flecainide Acetate Salt 純度:99% ロット番号:040K4074 評価方法: 検量線用標準試料より得られたクロマトグラム上の測定対象標準物質のピーク面積と内標準物質

のピーク面積の比(内標比)を Y-軸に、濃度を X-軸にとり、 小二乗法による一時回帰直線式

(Y=aX+b,weight=1/X)より検量線を作成し、検量線から測定試料中のレボブピバカイン濃度を算出

した。 同時再現性(測定内変動)は低・中・高 3 濃度の被験試料について同一測定内でそれぞれ 5 回測

定し、CV%(変動係数)値を求めた。日差再現性(測定間変動)は低・中・高 3 濃度の被験試料に

ついて同一測定内でそれぞれ 5 回、測定日を変えて 3 日間測定し、各測定日の平均値を用いて CV%(変動係数)値を求めた。測定値の再現性については CV%値で 15%以内であることを要した。理論

値との乖離については得られた被験試料の測定値の平均値が理論値の±15%以内であることを要し

た。 報告日:20 年 月 日

Page 14: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

10

(2)試験結果 項目 結果

直線性 範囲: ブランク及び 10.12-2031ng/mL 測定点数: 9 点 相関係数: 0.99944-0.99995 逆回帰濃度の真度: RE%=-15.07-6.80

測定内 3 濃度(20.31, 203.1, 1016ng/mL)×5 回 CV%(変動係数)=0.74-1.94 精度 測定間 3 濃度(20.31, 203.1, 1016ng/mL)×3 回 CV%(変動係数)=2.00-4.42 測定内 3 濃度(20.31, 203.1, 1016ng/mL)×5 回 RE%=3.20-4.63 真度 測定間 3 濃度(20.31, 203.1, 1016ng/mL)×3 回 RE%=-1.67-3.74

定量限界 10ng/mL (CV%(変動係数)=2.60、RE%=-3.62) 特異性 測定に影響を及ぼす妨害物質は確認されなかった。 回収率 99.39-114.78% 希釈測定 RE%=8.27-14.47 定量範囲 10-2000ng/mL

長期間の保存安

定性 約-20℃保存条件下で被験試料調製後 3 ヶ月の測定結果は判定基準を満たし

た。 短期間の保存安

定性 室温 24 時間放置後も測定結果に影響を及ぼさないことが確認された。

凍結融解安定性 凍結融解 3 サイクルまで測定結果に影響を及ぼさないことが確認された。

安定性

オートサンプラ

ー上での安定性 オートサンプラー上で 48 時間放置後も測定に影響を及ぼさないことが確認

された。 精度管理 精度、真度、安定性の結果より、3 濃度の被験試料が、実検体測定時の QC

サンプルとして使用可能であることが確認された。

(3)結論 本測定方法はヒト尿中レボブピバカインの濃度測定において 10ng/mL~2000ng/mL の範囲で有効

であることが確認された。

Page 15: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

11

3)14C-レボブピバカインのラット,イヌ及びヒトにおける in vitroでの血漿蛋白結合(試験No.PBC 03-86)の概要 ··························································································································添付資料 5.3.2.1-1

(1)試験方法概略 試験の標題:14C-レボブピバカインのラット,イヌ及びヒトにおける in vitroでの血漿蛋白結合 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験実施期間:20 年 月 日~20 年 月 日 目的:レボブピバカインのラット,イヌ及びヒトにおける血漿蛋白への結合性及びヒトにおける結合蛋

白種を明らかにするため、14C 標識したレボブピバカイン(14C-レボブピバカイン)を用いて in vitro で

の血漿蛋白結合率を測定する。 試験項目:

1)限外ろ過装置への非特異的吸着の検討 2)血漿中安定性の検討 3)血漿蛋白結合率の測定 4)ヒト精製蛋白結合率の測定

使用材料: ラット:雄性ラット イヌ:雄性ビーグル犬 ヒト:健康成人男性 3 名から採取し、調製した。

被験物質、ロット番号: 名称:14C-Levobupivacaine 放射化学的純度:99.88%(HPLC) 光学的純度:98.75% ロット番号:CFQ12703-20021116HK

統計学的処理:本試験において、統計学的処理(有意差検定等)は実施しなかった。 報告日:20 年 月 日

(2)試験結果 レボブピバカインのラット、イヌ及びヒトにおける蛋白結合率は、0.1µg/mL ではそれぞれ 71.1

±0.5%、94.3±0.4%及び 94.8±0.4%であり、10µg/mL では 61.1±5.0%、53.5±11.4%及び 74.5±0.2%

であり、高濃度で血漿蛋白結合の飽和がみられた。また、ヒト血清アルブミン、ヒト α1-酸性糖蛋

白及びヒトグロブリンに対する結合率は、レボブピバカイン濃度 0.1µg/mL でそれぞれ 49.7%、82.0%

及び 11.1%であり、10µg/mL でそれぞれ 53.7%、55.0%及び 8.3%であり、高濃度においてヒト α1-酸

性糖蛋白における蛋白結合の飽和が認められた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

12

14C-レボブピバカインの血漿及び精製蛋白に対する結合率(in vitro)

動物種 レボブピバカイン濃度

(µg/mL) 蛋白結合率

(%)

0.1 71.1 ± 0.5 ラット血漿 a)

10 61.1 ± 5.0

0.1 94.3 ± 0.4 イヌ血漿 b)

10 53.5 ± 11.4

0.1 94.8 ± 0.4 ヒト血漿 b)

10 74.5 ± 0.2

0.1 49.7 ヒト血清アルブミン c)

10 53.7

0.1 82.0 ヒト α1-酸性糖蛋白 c)

10 55.0

0.1 11.1 ヒトグロブリン c)

10 8.3 a)6 例分の血漿を 2 例ずつ混合した血漿を 3 例として測定し、平均値±標準偏差で示す b)3 例の血漿を測定し、平均値±標準偏差で示す c)3 回測定した平均値を示す

(3)結論 これらの結果から、14C-レボブピバカインの血漿蛋白結合率は使用したすべての動物種において、

高濃度(10µg/mL)のときより低濃度(0.1µg/mL)で高い結合率を示すことが明らかとなった。

また、ヒト精製蛋白への結合は、低濃度(0.1µg/mL)のときにはヒト α1-酸性糖蛋白との結合率が高く、

高濃度(10µg/mL)のときにはヒト血清アルブミン及びヒト α1-酸性糖蛋白と同程度結合することが示

唆された。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

13

4)ヒト肝ミクロソームを用いた 14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインの代謝に関与するチトクロムP450の検討(試験No. 160501)の概要····································································添付資料 5.3.2.2-1 (1)試験方法概略

試験の標題:ヒト肝ミクロソームを用いた 14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインの代謝に関与するチトク

ロムP450の検討 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験期間:19 年 月 日~19 年 月 日 目的:ヒト肝ミクロソームを用いて、14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインの代謝に関与するP450分子

種を検討する。 試験項目:

1)ヒト肝ミクロソームを用いた 14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインのNADPH依存性代謝 2)代謝物の生成阻害率の測定

使用材料:IIAM(International Institute for the Adxancement of Medicine)より入手 被験物質、ロット番号:

名称:14C-レボブピバカイン CFQ9713 14C-ブピバカイン CFQ1009

放射化学純度:14C-レボブピバカイン 96.06% 14C-ブピバカイン 96.24%

報告日:19 年 月 日

(2)試験結果 ヒト肝ミクロソームと 14C レボブピバカイン及び 14C ブピバカインをインキュベートすると、

NADPH に依存して代謝物が生成された。さらに、クロマトグラム上の保持時間約 20 分のピークで

示された代謝物の生成は、ケトコナゾール(CYP3A4 阻害剤)で約 76~79%、フラフィリン(CYP1A2

阻害剤)及びスルファフェナゾール(CYP2C9 阻害剤)で約 12~35%程度阻害を受けた。

ヒト肝ミクロソームを用いたチトクロム P450 によるレボブピバカイン

及びブピバカインの代謝に対する阻害作用 代謝物の生成阻害率 (%)

CYP 阻害剤 濃度 (µM)

CYP 分子種 レボブピバカイン ブピバカイン

フラフィリン 50 CYP1A2 13.8 35.0 スルファフェナゾール 100 CYP2C9 12.2 32.9 トラニルシプロミン 50 CYP2C19 0 0 キニジン 20 CYP2D6 0 0 ジエチルジチオカルバメート 50 CYP2E1 0 0 ケトコナゾール 5 CYP3A4 76.0 78.9 レボブピバカイン 125µM またはブピバカイン 62.5µM を各阻害剤と 30 分間インキュベーションした 4 個体の肝臓から調製したミクロソームをプールし、1 回測定した 代謝物生成阻害率は、クロマトグラム上の保持時間約20分のピークより算出した。

(3)結論 レボブピバカイン及びブピバカインともに NADPH 依存性の代謝を受けた。

レボブピバカインとブピバカインの代謝に関与する CYP 分子種は同様と考えられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

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5)ヒト肝ミクロソームにおける代謝物及び各代謝物生成に関与するチトクロムP450の分子種に関する検討 (試験No.ICR 16488)の概要·················································································添付資料 5.3.2.2-2 (1)試験方法概略

試験の標題:14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインをヒト肝ミクロソームとインキュベーショ

ンしたときの代謝物と、代謝物生成に関与するチトクロム P450 分子種の同定 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験期間:19 年 月 日~19 年 月 日 目的:14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインをヒト肝ミクロソームとインキュベーションした

ときの代謝物を同定する。また、チトクロム P450 選択的阻害剤存在下でインキュベーションし

た際の、CYP の代謝物生成への CYP の関与を検討する。 試験項目:

1) 14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインの代謝の検討 2) HPLC 及び LC/MS/MS による代謝物の同定 3)P450 選択的阻害剤による 14C-レボブピバカイン及び 14C-ブピバカインの代謝物生成率に対する

影響の検討 被験物質、ロット番号:

14C 塩酸レボブピバカイン:CFQ9713 14C 塩酸ブピバカイン:CFQ10009

統計学的処理:本試験において、統計学的処理は実施しなかった。 報告日:19 年 月 日

(2)試験結果 ①反応速度解析

1~20μM の 14C-レボブピバカインで 3-ヒドロキシ体の生成反応速度を測定した結果、Km は

22.9μM 及び Vmax は 55.2pmol/min・mg protein であった。14C-ブピバカインでは 3-ヒドロキシ体

の生成が少なかったため、反応速度解析は行わなかった。

②代謝物の同定

14C-レボブピバカインの検討では、クロマトグラム上に 3 種の主ピークが認められ、LC/MS/MS

により未変化体、3-ヒドロキシ体及びデスブチル体が同定された。また、14C-ブピバカインの検

討では、4 種の主ピークが認められ、LC/MS/MS により未変化体、3-ヒドロキシ体、デスブチル

体に加えて、4-ヒドロキシ体が同定された。

③CYP 選択的阻害剤の代謝への影響 CYP 選択的阻害剤を用いて、14C-レボブピバカインの主代謝物に関与する分子種を検討したと

ころ、3-ヒドロキシ体の生成には CYP1A2 が、デスブチル体の生成には CYP3A4 が関与すること

が示された。同様に、14C-ブピバカインにおいては、3-ヒドロキシ体及び 4-ヒドロキシ体の生成

は CYP1A2 が、デスブチル体の生成は CYP3A4 が関与することが示された。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

15

ヒト肝ミクロソームを用いたチトクロム P450 阻害剤による 14C-レボブピバカイン

及び 14C-ブピバカインの各代謝物生成に対する阻害作用 14C-レボブピバカイン 10μM の

代謝物生成率 (pmol/min・mg protein)

14C-ブピバカイン 1μM の 代謝物生成率

(pmol/min・mg protein) CYP 阻害剤

濃度 (μM)

CYP 分子種

3-ヒドロキシ体 デスブチル体 3-ヒドロキシ体 4-ヒドロキシ体 デスブチル体

コントロール a) - - 22.30 25.35 0.54 1.09 0.58 スルファフェナゾール a) 10 CYP2C9 22.53 15.47 0.54 0.79 0.70 トラニルシプロミン a) 10 CYP2C19 23.19 22.27 0.75 1.44 1.09 キニジン a) 20 CYP2D6 19.73 21.32 0.68 1.16 0.97 ケトコナゾール a) 1 CYP3A4 15.22 0.00 0.48 0.86 0.00

コントロール b) - - 18.36 14.71 0.42 0.55 0.64 フラフィリン b) 10 CYP1A2 0.00 20.31 0.00 0.00 0.96 ジエチルジチオカルバメ

ート b) 10 CYP2E1 20.49 17.13 0.39 1.05 0.89

トロレアンドマイシン b) 50 CYP3A4 15.40 0.00 0.44 0.63 0.00 a) 約 37℃で約 2 分間プレインキュベート後、NADPH を添加して反応を開始し、約 60 分間インキュベートした。 b) NADPH 存在下で、約 37℃で約 15 分間プレインキュベート後、基質を添加して反応を開始した。

(3)結論 14C-レボブピバカインの主代謝物は 3-ヒドロキシ体及びデスブチル体であった。また、14C-ブピ

バカインの主代謝物は 3-ヒドロキシ体、デスブチル体に加えて、4-ヒドロキシ体が確認された。 14C-レボブピバカインの代謝では、3-ヒドロキシ体の生成には CYP1A2、デスブチル体の生成に

は CYP3A4 が関与することが示された。また、14C-ブピバカインの代謝では、3-ヒドロキシ体及び

4-ヒドロキシ体の生成には CYP1A2、デスブチル体の生成には CYP3A4 が関与することが示された。14C-レボブピバカインの3-ヒドロキシ体への代謝は、Kmは22.9μM、Vmaxは55.2pmol/min・mg protein

となった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

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6)チトクロムP450 分子種に対する阻害作用(試験No. 04-04)の概要 ·············添付資料 5.3.2.2-3 (1)試験方法概略

試験の標題:レボブピバカインのチトクロム P450(CYP)阻害試験 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験実施期間:20 年 月 日~20 年 月 日 目的:ヒト肝ミクロソームプールを用いて、CYP の各分子種(CYP1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、

2E1 及び 3A4)に対するレボブピバカインの阻害作用を in vitro で検討した。また、阻害が認め

られた場合、該当する CYP 分子種についてレボブピバカインの IC50値及び Ki 値を算出した。

試験方法:ヒト肝ミクロソーム溶液にレボブピバカイン溶液、反応基質、緩衝液等加え、規定時間イ

ンキュベートした後、反応を停止させた。遠心分離後の上清を LC/MS/MS 又は HPLC-FLで分析した。

被験物質、ロット番号: レボブピバカイン:D1249.2/98003

統計学的処理:本試験では、有意差検定などの統計学的方法は用いなかった。 報告日:20 年 月 日

(2)試験成績 ①酵素活性の残存率 各 CYP の基質反応液に 1mmol/L のレボブピバカインを添加してヒト肝ミクロソームとインキ

ュベートしたとき、CYP1A2、2A6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1 及び 3A4 の酵素活性の残存率

はそれぞれ 18.71、96.34、70.10、72.33、36.43、6.21、64.06 及び 18.67%であった。酵素活性の残

存率が 50%以下であった CYP 分子種は CYP1A2、2C19、2D6、及び 3A4 であった。

②レボブピバカインの IC50値及び Ki値 ヒト肝ミクロソームに、それぞれ 3 濃度の CYP1A2、2C19、2D6、及び 3A4 の基質と 4 濃度の

レボブピバカインを添加し、一定時間インキュベートしたときの酵素活性を算出した。この酵素

活性の残存率から CYP1A2、2C19、2D6、及び 3A4 に対するレボブピバカインの IC50値を、Dixon

plot より見かけの Ki 値を算出した。CYP1A2、2C19、2D6 及び 3A4 に対する IC50 値は、それぞれ

13.1、284、5.22 及び 374 μM であり、また、これらの CYP 分子種に対する見かけの Ki値は、そ

れぞれ 252、360、9.73 及び 216 μM であった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

17

ヒト肝ミクロソームにおけるレボブピバカインのチトクロム P450 分子種に対する阻害作用

IC50 Ki CYP 分子種 基質

µM µM

CYP1A2 エトキシレゾルフィン 13.1 252

CYP2A6 クマリン >1000 -

CYP2C8 パクリタキセル >1000 -

CYP2C9 ジクロフェナック >1000 -

CYP2C19 S(+)-メフェニトイン 284 360

CYP2D6 ブフラロール 5.22 9.73

CYP2E1 クロルゾキサゾン >1000 -

CYP3A4 ミダゾラム 374 216 -:測定せず 数値はプールしたミクロソームを 3 回測定した平均値より解析して得られたものを示す

(3)結論 レボブピバカインは CYP1A2、2D19、2D6 及び 3A4 に対して阻害作用を示すことが示唆された。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

18

7)ラット及びヒトの肝スライスを用いたレボブピバカイン(S(-)ブピバカイン)の光学異性体変換(試

験 No. 1/932514)の概要·············································································添付資料 5.3.2.3-1 (1)試験方法概略

試験の標題:ラット及びヒトの肝スライスを用いたS(-)ブピバカインの光学異性体変換の検討 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験期間:19 年 月 日~19 年 月 日 目的:S(-)レボブピバカインをラット及びヒトの肝スライスとインキュベーションし、光学異性体であ

る R(+)ブピバカインへの変換の有無を検討する。 試験項目:

1)肝スライスを用いたインキュベーションによる S(-)ブピバカインの肝代謝の検討 2)ラット及びヒトの肝スライスを用いた光学異性体変換

使用材料: ラット:雄性の SD ラット ヒト:IIAM(International Institute for the Adxancement of Medicine)より入手

被験物質、ロット番号: 名称:S(-) ブピバカイン HCI:RD0064

報告日:19 年 月 日

(2)試験成績 ①レボブピバカイン(S(-)ブピバカイン)の肝代謝の検討

5μg/mL 及び 10μg/mL のレボブピバカインをラット及びヒト肝スライスと 2 時間インキュベー

ションした。

ラット肝スライスのインキュベーションでは、5μg/ml レボブピバカイン添加で 3.16μg/mL

(63.1%)残存し、10μg/ml レボブピバカイン添加では 8.30μg/mL(83.0%)残存していた。

ヒト肝スライスのインキュベーションでは、5µg/mL レボブピバカイン添加で 3.96μg/mL

(79.1%)残存し、10μg/mL レボブピバカイン添加では 7.73μg/mL(77.3%)残存していた。

したがって、レボブピバカインはラット及びヒト肝スライスによって代謝されることが示され

た。

②光学異性体変換の検討 ①の 2 時間インキュベーション後に生成した R(+)ブピバカインを測定したところ、ラット及び

ヒトいずれの肝スライスでも添加量に対して 3.3 あるいは 2.5%以下となり、このことから、R(+)

ブピバカインへの光学異性体変換は認められなかった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

19

ラット及びヒトの肝スライスを用いたレボブピバカイン(S(-)-ブピバカイン)の光学異性体変換 レボブピバカイン

(S(-)ブピバカイン) R(+)ブピバカイン

肝臓 添加濃度 (µg/mL)

インキュベーション時間 (h) 残存量

(µg/mL)

添加量 に対する% (残存率)

生成量 (µg/mL)

S(-)ブピバカイン 添加量に対する%

(生成率) 5 2 3.16 63.1 <0.17 <3.3

ラット 10 2 8.30 83.0 <0.33 <3.3 5 2 3.96 79.1 <0.13 <2.5

ヒト 10 2 7.73 77.3 <0.25 <2.5 数値は 2 回測定の平均値で示す

(3)結論 レボブピバカインをラット及びヒトの肝スライスとインキュベーションし、光学異性体である

R(+)ブピバカインへの変換の有無を検討した結果、いずれにおいても R(+)ブピバカインの生成は認

められなかった。したがって、生体内においてレボブピバカインは光学異性体変換しないものと考

えられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

20

8)第Ⅰ相試験 健康成人男子における単回静脈内投与薬物動態試験(試験 No.PR-LEV-P1-C)の概要 ··························································································································添付資料 5.3.3.1-1

(1)試験方法の概略 治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン注)薬物動態試験

-健康成人男子における単回静脈内投与(MR8A2-07)- 治験責任医師名: 治験実施医療機関: 公表文献:なし 治験期間:20 年 月 日~20 年 月 日 開発のフェーズ:

臨床薬理試験 目的:健康成人男子に 0.125%、0.25%及び 0.5% MR8A2 8mL(レボブピバカインとして 10mg、20mg

又は 40mg)を静脈内投与(投与速度:1mL/min)した時の体内薬物動態及び安全性を検討し

た。 治験方法:健康成人男子 18 例に MR8A2 注射液 8mL(レボブピバカインとして 10mg、20mg 又は

40mg をそれぞれ 6 例ずつ)を単回静脈内投与(投与速度:1mL/min)した(非盲検試験)。

被験者数(計画時及び解析時): 計画症例数 :18 例 投与症例数 :18 例 解析対象症例数:18 例

対象及び選択基準: 〈対象〉健康成人男子 〈選択基準〉

(1) 年齢が 20 歳以上、40 歳以下(スクリーニング検査前同意取得時を基準とする)の者 (2) スクリーニング検査時の体重が 50~80kg でかつ B.M.I.(B.M.I. : Body Mass Index=[体重(kg)]

/[身長(m)]2)が 18~27 の者 (3) スクリーニング検査時に行う検査で問題となる異常を認めなかった者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: 〈被験薬〉

治験薬名(コード名):MR8A2 一 般 名:塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名:(–)-(2S)-1-butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)-piperidine-2-carboxamide

monohydrochloride 剤 型:注射剤

〈用量及び投与方法〉 用量:第Ⅰ群:MR8A2 10mg(0.125% 8mL)

第Ⅱ群:MR8A2 20mg(0.25% 8mL) 第Ⅲ群:MR8A2 40mg(0.5% 8mL)

投与方法: インフュージョンポンプを用いて 0.125%、0.25%及び 0.5% MR8A2 注射液各 8mL(レボブ

ピバカインとして 10mg、20mg 又は 40mg)を 1mL/min の投与速度で前腕部皮下静脈に投与

した。治験薬投与時の被験者の体位は臥位とし、治験薬投与終了後 2 時間までは体位を変え

ないこととした。10mg[0.125%]投与群(第Ⅰ群)から試験を開始し、順次より高い投与量

群に移行した。なお、0.125%注射液は 0.25%注射液を生理食塩液で希釈して調製した。 〈ロット番号〉

MR8A2 0.25%バイアル:Lot.No.18311 MR8A2 0.5%バイアル :Lot.No.18312

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

21

治験スケジュール: 被験者は投与前日の午後から退院日の朝まで治験実施医療機関に入院し、治験責任医師又は治

験分担医師の管理下におかれた。投与日の朝、投与前に診察、検査、採血及び採尿を実施した後、

治験薬の投与を行った。治験期間中に、採血、採尿、自他覚症状及び問診・聴打診、理学的検査

(血圧、脈拍数、呼吸数、体温、心電図)、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査、尿検

査)を行った。なお、治験薬投与後 7 日に事後検査を実施した。 投与日:被験者識別コード 8)-01~8)-06※;20 年 月 日

被験者識別コード 8)-07~8)-12※;20 年 月 日 被験者識別コード 8)-13~8)-18※;20 年 月 日

評価基準: 薬物動態:未変化体及び代謝物に関する Cmax、Tmax、T1/2、CL、AUC、MRT 及び Vd 等の血漿中薬

物速度論パラメータ及び尿中の排泄量及び排泄速度等の尿中薬物速度論パラメータを評

価した。 安全性:自他覚症状、問診・聴打診、血圧、脈拍数、心電図、臨床検査等の結果による有害事象の

程度、頻度及び治験薬との因果関係等を総合して評価した。 解析手法: 薬物動態: 血漿中及び尿中薬物濃度等は投与群毎の要約統計量を計算した。また、被験者別と投与群別平均

値の時間推移グラフを作成した。 1)血漿中薬物動態

実測値に基づく Cmax、Tmax、T1/2、CL、Vd、MRT 及び AUC 他を計算した。薬物動態シミュ

レーションでは血漿中未変化体及び代謝物をコンパートメントモデルに当てはめ、Cmax、Tmax、

T1/2、AUC、CL、MRT 及び Vd 等の薬物速度論パラメータを推定した。更に、CL と投与量の

関連性についても検討を行った。血漿中未変化体の AUC0-24h 及び Cmax の用量相関性は単回帰

モデルに当てはめ検討した。 2)尿中薬物動態

項目毎に各被験者の推移を一覧表にまとめ、要約統計量を求めた。更に累積総排泄量、単位

時間当たりの排泄量を計算し、推移図にまとめた。また、投与量と未変化体及び代謝物の尿中

総排泄量より排泄率を計算した。 安全性: バイタルサインについては各測定時点において投与群毎に記述統計を行い、ベースラインからの

変化を一覧表にし、投与群毎に記述統計を行った。 心電図データについては各測定時点において投与群毎に記述統計を行った。 臨床検査値データについては各測定時点において投与群毎に記述統計一覧表及び推移図を作成

し、基準値を逸脱した異常値は一覧表にした。 有害事象のすべてを一覧表にした。 その他、安全性に関するデータについては観測項目毎に被験者別のデータ一覧表などを作成した。

報告書作成日:20 年 月 日

(2)試験成績 ①対象患者

健康成人男子を 18 例を対象に、レボブピバカイン 0.125%、0.25%、0.5%の 3 用量各 8mL を

1mL/min の投与速度で前腕部皮下静脈に投与され、全例が解析対象とされた。

※:新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

22

被験者背景(年齢、身長、体重及び B.M.I.) レボブピバカイン

投与群 10mg(0.125% 8mL) 20mg(0.25% 8mL) 40mg(0.5% 8mL) 全体

例数 6 6 6 18 年齢(歳) 22.8±1.2 23.2±3.3 24.7±7.5 23.6±4.6 身長(㎝) 167.67±6.26 171.38±5.88 172.68±2.48 170.58±5.32 体重(㎏) 59.57±4.77 62.67±3.99 62.32±6.33 61.52±5.02 B.M.I(㎏/㎡) 21.20±1.15 21.33±1.09 20.88±1.64 21.14±1.25 B.M.I(Body Mass Index)=体重(㎏)/身長(m)2 平均値±標準偏差

②薬物動態

a)血漿中薬物動態 静脈内投与後、血漿中未変化体濃度は速やかに低下し、各群の T1/2 の平均値は 0.125% 8mL

群で約 1.3hr、0.25% 8mL 群で約 2.1hr、0.5% 8mL 群で約 1.9hr であった。なお、投薬直後が Cmax

であり、その平均値は 0.125% 8mL 群で約 0.688µg/mL、0.25% 8mL 群で 1.271µg/mL、0.5% 8mL

群で 2.895µg/mL とほぼ用量依存的に増加した。血漿中には未変化体、代謝物 3-ヒドロキシ体

及びデスブチル体が確認された。なお、血漿中 4-ヒドロキシ体は検出限界未満であった。

健康成人男子における静脈内投与時の薬物動態パラメータ(未変化体)

投与群 Cmax (µg/mL)

Tmax (hr)

T1/2 (hr)

CL (mL/min)

Vd (L)

MRT (hr)

AUC0-24h (µg・hr/mL)

AUC∞ (µg・hr/mL)

10mg (N=6)

0.688 ±0.153

0.000 ±0.000

1.3228 ±0.2711

916.172±529.504

83.257 ±33.962

0.8345 ±0.2128

0.224 ±0.093

0.2578 ±0.097

20mg (N=6)

1.271 ±0.342

0.000 ±0.000

2.1403 ±0.3609

543.917±244.393

90.562 ±31.093

1.6138 ±0.3284

0.690 ±0.214

0.739 ±0.210

40mg (N=6)

2.895 ±0.898

0.000 ±0.000

1.8644 ±0.5836

501.889±131.715

75.062 ±27.154

1.4443 ±0.4294

1.405 ±0.354

1.484 ±0.388

平均値±標準偏差

健康成人男子における静脈内投与時の薬物動態パラメータ(代謝物・デスブチル体)

投与群 Cmax (µg/mL)

Tmax (hr)

T1/2 (hr)

CL (mL/min)

Vd (L)

MRT (hr)

AUC0-24h (µg・hr/mL)

AUC∞ (µg・hr/mL)

10mg (N=0) - - - - - - - -

20mg (N=5)

0.013 ±0.002

0.700 ±0.737

37.3631 ±41.6413

21.090 ± 9.591

41.111 ± 6.277

2.3505 ±0.8863

0.058 ±0.023

0.640 ±0.605

40mg (N=5)

0.025 ±0.008

1.900 ±3.412

10.0880*

± 3.2877

28.492*

±10.727 24.286*

±12.623 4.0746

±3.1595 0.226

±0.246 0.330*

±0.165 平均値±標準偏差、(*:N=4)

健康成人男子における静脈内投与時の薬物動態パラメータ(代謝物・3-ヒドロキシ体)

投与群 Cmax (µg/mL)

Tmax (hr)

T1/2 (hr)

CL (mL/min)

Vd (L)

MRT (hr)

AUC0-24h (µg・hr/mL)

AUC∞ (µg・hr/mL)

10mg (N=6)

0.028 ±0.010

0.250 ±0.000

1.6008*

±0.4765 175.793*

± 26.186 23.701*

± 4.336 0.6478

±0.2633 0.036

±0.019 0.077*

±0.027 20mg

(N=6) 0.043

±0.009 0.292

±0.102 1.9613

±0.3491 140.822

± 36.55224.346

± 8.074 1.1370

±0.3549 0.082

±0.035 0.125

±0.039 40mg

(N=6) 0.112

±0.039 0.292

±0.102 1.9818

±0.6121 171.906

± 35.35330.534

±15.587 1.5594

±0.4706 0.254

±0.078 0.308

±0.072 平均値±標準偏差、(*:N=5)

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

23

健康成人男子における静脈内投与時の血漿中薬物濃度推移(未変化体)

健康成人男子における静脈内投与時の血漿中薬物濃度推移(代謝物・デスブチル体)

健康成人男子における静脈内投与時の血漿中薬物濃度推移(代謝物・3-ヒドロキシ体)

b)尿中薬物動態 尿中には未変化体、3-ヒドロキシ体(Free 体及び抱合体)、4-ヒドロキシ体(Free 体及び抱

合体)及びデスブチル体が検出された。そして、0.5% 8mL 群の 0-48 時間の Total 尿中累積排

平均値±標準偏差

10

100

1000

10000

0 300 600

時間(min)

血漿

中濃

度(ng/m

L)

10mg

20mg

40mg

10

100

1000

0 300 600

時間(min)

血漿

中濃

度(ng/m

L)

20mg

40mg

10

100

1000

0 300 600

時間(min)

血漿

中濃

度(ng/m

L)

10mg

20mg

40mg

平均値±標準偏差

平均値±標準偏差

Page 28: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

24

泄率を平均値で比較すると、未変化体で約 0.125%、3-ヒドロキシ体で約 7.270%、4-ヒドロキシ

体で約 0.263%、デスブチル体で約 2.505%であり、3-ヒドロキシ体、デスブチル体、4-ヒドロキ

シ体、未変化体の順に高かった。

0-48 時間排泄尿で検討した結果、3-ヒドロキシ体の抱合体は Free 体の約 45 倍であり、抱合

体が主であった。4-ヒドロキシ体は血漿中には検出されなかったが、尿中には抱合体及び Free

体が濃度は低いが検出された。抱合体は Free 体の約 30 倍であり、大部分は抱合体であった。

このことから 3-ヒドロキシ体及び 4-ヒドロキシ体は体内で代謝を受け尿中に排泄されると考

えられた。デスブチル体は、血漿中濃度推移ではピーク値を示さず、尿中にもほぼ一定の割合

で排泄された。なお、尿中デスブチル体の Free 体及び Total はほぼ同じ排泄率であり、抱合体

はないと考えられた。

健康成人男子における静脈内投与時の尿中累積排泄率(未変化体) 尿中累積排泄率(%)

投与群 0-6 時間 0-12 時間 0-24 時間 0-48 時間

10mg (N=6)

0.317 ±0.188

0.323 ±0.179

0.323 ±0.179

0.323 ±0.179

20mg (N=6)

0.173 ±0.215

0.175 ±0.220

0.175 ±0.220

0.175 ±0.220

40mg (N=6)

0.108 ±0.115

0.119 ±0.127

0.125 ±0.137

0.125 ±0.137

平均値±標準偏差

健康成人男子における静脈内投与時の尿中累積排泄率(代謝物・デスブチル体) 尿中累積排泄率(%)

投与群 0-6 時間 0-12 時間 0-24 時間 0-48 時間 10mg

(N=6) 0.698

±0.292 1.138

±0.373 1.789

±0.809 1.899

±0.973 20mg

(N=6) 0.842

±0.180 1.360

±0.301 2.548

±0.774 3.014

±0.956 40mg

(N=6) 0.541

±0.709 1.052

±1.169 2.094

±2.350 2.505

±3.015 平均値±標準偏差

健康成人男子における静脈内投与時の尿中累積排泄率(代謝物・3-ヒドロキシ体) 尿中累積排泄率(%)

投与群 0-6 時間 0-12 時間 0-24 時間 0-48 時間

10mg (N=6)

5.581 ±1.923

6.479 ±2.458

6.732 ±2.528

6.732 ±2.528

20mg (N=6)

3.981 ±2.305

4.767 ±2.344

5.140 ±2.359

5.178 ±2.329

40mg (N=6)

4.992 ±0.460

6.543 ±0.701

7.139 ±0.882

7.270 ±0.957

平均値±標準偏差

健康成人男子における静脈内投与時の尿中累積排泄率(代謝物・4-ヒドロキシ体) 尿中累積排泄率(%)

投与群 0-6 時間 0-12 時間 0-24 時間 0-48 時間 10mg

(N=6) 0.178

±0.048 0.206

±0.059 0.206

±0.059 0.206

±0.059 20mg

(N=6) 0.175

±0.082 0.224

±0.080 0.245

±0.084 0.245

±0.084 40mg

(N=6) 0.168

±0.029 0.238

±0.035 0.263

±0.047 0.263

±0.047 平均値±標準偏差

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

25

③安全性 全例に有害事象は認められなかった。臨床検査項目では、基準値逸脱例が散見されたが、治験

責任医師により、いずれも臨床的異常変動ではないと判断された。

(3)結論 以上の成績から、本剤 10mg~40mg 静脈内投与で有害事象は認められず、静脈内投与時における

臨床耐用量と考えられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

26

9)第Ⅰ相試験 高齢者における単回静脈内投与薬物動態試験(試験 No.PR-LEV-P1-D)の概要 ··························································································································添付資料 5.3.3.1-2

(1)試験方法の概略 治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン注)薬物動態試験

-高齢者における単回静脈内投与(MR8A2-08)- 治験責任医師名: 治験実施医療機関: 公表文献:なし 治験期間:20 年 月 日~20 年 月 日 開発のフェーズ:

臨床薬理試験 目的:男性高齢者に 0.25% MR8A2 8mL(レボブピバカインとして 20mg)を静脈内投与(投与速度:

1mL/min)した時の体内薬物動態及び安全性を検討した。 治験方法:男性高齢者 6 例に MR8A2 注射液 8mL(レボブピバカインとして 20mg)を単回静脈内投与

(投与速度:1mL/min)した(非盲検試験)。 被験者数(計画時及び解析時): 計画症例数 :6 例 投与症例数 :6 例 解析対象症例数:6 例

対象及び選択基準: 〈対象〉男性高齢者 〈選択基準〉

(1) 年齢が 70 歳以上(スクリーニング検査前同意取得時を基準とする)の者 (2) スクリーニング検査時の体重が 50~80kg でかつ B.M.I.(B.M.I.: Body Mass Index=[体重(kg)]

/[身長(m)]2)が 20~27 の者 (3) スクリーニング検査時に行う検査で問題となる異常(加齢に伴う異常は除く)を認めなかった者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: 〈被験薬〉

治験薬名(コード名):MR8A2 一 般 名:塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名:(–)-(2S)-1-butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)-piperidine-2-carboxamide

monohydrochloride 剤 型:注射剤

〈用量及び投与方法〉 用量:MR8A2 20mg(0.25% 8mL) 投与方法: インフュージョンポンプを用いて 0.25% MR8A2 注射液 8mL(レボブピバカインとして 20mg)を 1mL/minの投与速度で前腕部皮下静脈に投与した。治験薬投与時の被験者の体位は臥位とし、

治験薬投与終了後 2 時間までは体位を変えないこととした。 〈ロット番号〉

MR8A2 0.25%バイアル:Lot.No.18311 治験スケジュール: 被験者は投与前日の午後から退院日の朝まで治験実施医療機関に入院し、治験責任医師又は治験

分担医師の管理下におかれた。投与日の朝、投与前に診察、検査、採血及び採尿を実施した後、治

験薬の投与を行った。治験期間中に、採血、採尿、自他覚症状及び問診・聴打診、理学的検査(血

圧、脈拍数、呼吸数、体温、心電図)、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査、尿検査)を

行った。なお、治験薬投与後 7 日に事後検査を実施した。

投与日:被験者識別コード 9)-01~9)-06※;20 年 月 日

※:新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

27

評価基準: 薬物動態: 未変化体及び代謝物に関する Cmax、Tmax、T1/2、CL、AUC、MRT 及び Vd 等の血漿中薬物速度論パ

ラメータ及び尿中の排泄量及び排泄速度等の尿中薬物速度論パラメータを評価した。 安全性: 自他覚症状、問診・聴打診、血圧、脈拍数、心電図、臨床検査等の結果による有害事象の程度、頻

度及び治験薬との因果関係等を総合して評価した。 解析手法: 薬物動態: 血漿中及び尿中薬物濃度等は要約統計量を計算した。また、被験者別と投与群別平均値の時間推移

グラフを作成した。 1)血漿中薬物動態

実測値に基づく Cmax、Tmax、T1/2、CL、Vd、MRT 及び AUC 他を計算した。薬物動態シミュレ

ーションでは血漿中未変化体及び代謝物をコンパートメントモデルに当てはめ、Cmax、Tmax、T1/2、

AUC、CL、MRT 及び Vd 等の薬物速度論パラメータを推定した。 2)尿中薬物動態

項目毎に各被験者の推移を一覧表にまとめ、要約統計量を求めた。更に累積総排泄量、単位時

間当たりの排泄量を計算し、推移図にまとめた。また、投与量と未変化体及び代謝物の尿中総排

泄量より排泄率を計算した。 安全性: バイタルサインについては各測定時点において記述統計を行い、ベースラインからの変化を一覧表

にし、記述統計を行った。 心電図データについては各測定時点において記述統計を行った。 臨床検査値データについては各測定時点において記述統計一覧表及び推移図を作成し、基準値を逸

脱した異常値は一覧表にした。 有害事象のすべてを一覧表にした。 その他、安全性に関するデータについては観測項目毎に被験者別のデータ一覧表などを作成した。

報告書作成日:20 年 月 日 (2)試験成績

①対象患者 男性高齢者 6 例を対象に、レボブピバカイン 0.25% 8mL を 1mL/min の投与速度で前腕部皮下

静脈に投与し、全例が解析対象とされた。

被験者背景(年齢、身長、体重及び B.M.I.) 項目 例数 平均値±標準偏差

年齢(歳) 6 75.5±4.1 身長(㎝) 6 161.93±5.53 体重(㎏) 6 58.20±5.44 B.M.I(㎏/㎡) 6 22.20±1.57

B.M.I(Body Mass Index)=体重(㎏)/身長(m)2 平均値±標準偏差 ②薬物動態

a)血漿中薬物動態 静脈内投与後、血漿中の未変化体濃度は速やかに低下し、 Tmax は 0hr、 Cmax は

1.292±0.1857µg/mL、T1/2は 2.4856±0.4881hr であった。血漿中代謝物として、3-ヒドロキシ体及

Page 32: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

28

びデスブチル体が確認されたが、4-ヒドロキシ体は検出限界未満であった。

男性高齢者における静脈内投与時の薬物動態パラメータ

項目 症例数 Cmax (µg/mL)

Tmax (hr)

T1/2 (hr)

CL (mL/min)

Vd (L)

MRT (hr)

AUC0-24h (µg・hr/mL)

AUC∞ (µg・hr/mL)

未変化体 6 1.292 ±0.186

0.000 ±0.000

2.4856 ±0.4881

379.953±48.882

73.643 ±12.378

1.9774 ±0.1275

0.890 ±0.121

0.979 ±0.145

デスブチル体 4 0.013

±0.002 4.000

±0.000 -* -* -* 3.0128±1.1089

0.077 ±0.038 -*

3- ヒ ド ロキシ体 6 0.044

±0.016 0.375

±0.137 3.0788

±0.5052 2.039*

±0.5730.530

±0.1361.8377

±0.49310.137

±0.080 0.206*

±0.089 *:消失相が 3 ポイントに満たなかったため算出せず。 平均±標準偏差

b)尿中薬物動態 尿中には、未変化体、代謝物の 3-ヒドロキシ体及び 4-ヒドロキシ体とそれらの抱合体、並び

にデスブチル体が検出された。0-48 時間排泄尿で検討した結果、3-ヒドロキシ体の Total は Free

体に比べ著しく高く、抱合体は Free 体の約 58 倍であった。この成績より、3-ヒドロキシ体は

主に抱合体として尿中に排泄されることが示された。4-ヒドロキシ体は、血漿中に検出されな

かったが、尿中には濃度は低いが検出された。また、4-ヒドロキシ体の Free 体はほとんどの症

例で検出されず、3-ヒドロキシ体と同様、多くは抱合体と考えられた。デスブチル体は、尿中

に徐々に排泄され、抱合体はなかった。0-48 時間の尿中累積排泄率を比較すると、未変化体が

約 0.26%、Total 3-ヒドロキシ体が約 6.38%、Total 4-ヒドロキシ体が約 0.27%、デスブチル体が

約 3.37%であった。

男性高齢者における静脈内投与時の尿中累積排泄率(%) 尿中累積排泄率(%)

項目 症例数 0-6 時間 0-12 時間 0-24 時間 0-48 時間

未変化体 6 0.189 ±0.099

0.243 ±0.133

0.262 ±0.157

0.262 ±0.157

デスブチル体 6 0.664 ±0.313

1.494 ±0.811

2.614 ±1.278

3.368 ±1.772

3-ヒドロキシ体 6 3.988 ±1.016

5.433 ±1.477

6.203 ±1.725

6.384 ±1.734

4-ヒドロキシ体 6 0.156 ±0.022

0.235 ±0.023

0.272 ±0.025

0.272 ±0.025

平均±標準偏差

③安全性 いずれの被験者でも有害事象は認められなかった。なお、臨床検査項目においては、基準値から

逸脱した数値が散見されたが、治験責任医師により、「全ての症例(項目)において投与後の異常

値(事後検査を含む)は、生理学的変動範囲と考え、臨床的異常変動とは判断しない」とされた。

(3)結論 男性高齢者(70 歳以上)6 例にレボブピバカイン 20mg を投与し薬物動態を検討した結果、未変

化体及び各代謝物の血漿中及び尿中の薬物動態は、先に実施した健康成人男子のそれと類似した。

しかし、薬物動態パラメータで T1/2 が延長傾向にあり、高齢者ではクリアランスの低下傾向が示唆

された。一方、男性高齢者 6 例で安全性を検討したが、本剤 20mg 静脈内投与では有害事象は認め

られず、臨床耐用量と考えられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

29

10)14C-レボブピバカイン静脈内投与後の尿中排泄代謝物に関する分析(試験 No. 16574)の概要 ························································································································添付資料 5.3.3.1-3

(1)試験方法概略 試験の標題:ヒト尿中の 14C-レボブピバカインの硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体の水酸化部位の

同定 試験責任者: 試験施設: 公表文献:未公表 試験期間:19 年 月 日~19 年 月 日 目的:ヒト尿中の 14C-レボブピバカイン代謝物の硫酸抱合体及びグルクロン酸抱合体の水酸化部位の

同定 試験方法:

1)14C-レボブピバカイン 40mg を健康被験者に静脈内投与する(別試験で実施済み) 2)投与後 0~24 時間の尿サンプルを HPLC で分析する 3)分離された代謝物について、LC/MS で分析する

被験物質、ロット番号: 14C-レボブピバカイン HCl:CFQ9713

統計学的処理:本試験において、統計学的処理は実施しなかった。 報告日:19 年 月 日

(2)試験成績 ①尿中代謝物の分析 投与後 0~24 時間の尿サンプルの HPLC 分析を行い、投与量の 38.9%に相当する 9 種の代謝物

分画をプールした。分離した各代謝物分画を LC/MS で分析した結果、代謝物 A はヒドロキシ体

の硫酸抱合体、代謝物 B はトリヒドロキシ体、代謝物 C 及び E はヒドロキシ体のグルクロン酸

抱合体、代謝物 G はジヒドロキシ体であった。その他の代謝物(D、F、H 及び J)はスペクトル

が弱く、いずれも投与量の 5%未満であったことからさらなる分析は実施しなかった。

14C-レボブピバカイン投与後の尿中代謝物

投与後 0~24 時間の尿サンプルの HPLC 分析結果 LC/MS 分析結果

分画 No. 代謝物記号 総放射活性に

対する% 投与量に 対する% 同定された代謝物

69-76 A 15.4 8.0 ヒドロキシ体の硫酸抱合体 51-58 B 13.2 6.9 ヒドロキシ体 35-41 C 9.5 4.9 ヒドロキシ体のグルクロン酸抱合体 12-17 D 7.9 4.1 - 42-47 E 7.9 4.1 ヒドロキシ体のグルクロン酸抱合体 18-22 F 6.2 3.2 - 83-89 G 5.6 2.9 ジヒドロキシ体 23-27 H 4.5 2.3 - 8-11 J 4.9 2.5 - 合計 38.9

-:未実施

3-ヒドロキシ体、4-ヒドロキシ体及びデスブチル体の標準物質を LC/MS で分析したところ、保

持時間はそれぞれ 54.4 分、52.3 分、35.5 分であった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

30

代謝物 A、C 及び E の脱抱合を行い、同様に LC/MS で分析したところ、すべての代謝物の保

持時間は 54.3 分であったことから、これらの代謝物は 3-ヒドロキシ体であることが確認された。

(3)結論 3-ヒドロキシ体の硫酸抱合体である代謝物 A、3-ヒドロキシ体のグルクロン酸抱合体である C 及

び E は、合計で投与量の 17%に相当することから、3-ヒドロキシ体が主代謝物と考えられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

31

11)第Ⅲ相試験 持続硬膜外投与薬物動態試験(試験 No.PR-LEV-P3-D)の概要 ························································································································添付資料 5.3.3.2-1

(1)試験方法の概略 治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン注)の持続硬膜外投与(術後鎮痛)における薬物動態試

験(MR8A2-11) 医学専門家名: 治験責任医師名: 治験実施医療機関: 公表文献:未公表 治験期間:20 年 月 日~20 年 月 日 治験のフェーズ:

臨床薬理試験 目的:全身麻酔による下腹部開腹手術を予定している患者を対象に、術後、0.25% MR8A2(塩酸レボ

ブピバカイン注)を 6mL/hr の速度で 48 時間の持続硬膜外投与を行い、血漿中及び尿中の薬物

動態を検討するとともに、有効性及び安全性についても確認する。 治験方法:治験薬 1 濃度 1 用量の非盲検試験 被験者数(計画時及び解析時): 計画時:目標症例数として 8 例 解析時:登録例数:8 例 有効性に関する 大の解析対象集団:8 例

薬物動態解析対象集団:8 例 治験実施計画書適合集団:7 例 安全性解析対象集団:8 例 対象及び選択基準: 〈対象〉全身麻酔による下腹部開腹手術を予定している患者 〈選択基準〉

(1) 性別は問わない (2) 年齢 20 歳以上(同意取得時)の患者 (3) 術前状態が ASA 分類 1~2 である患者

〈除外基準〉 (1) 高度な心疾患[心不全、心筋梗塞、心筋炎等]、肝疾患[肝不全症状(劇症肝炎)、肝硬変、肝腫瘍]、

腎疾患[ネフローゼ症候群、腎不全(急性および慢性)、尿毒症、水腎症]を有する患者 (2) 重篤な出血やショック状態にある患者 (3) 出血傾向のある患者 (4) 注射部位またはその周辺に炎症を有する患者 (5) 敗血症と診断された患者 (6) アミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴を有する患者 (7) 原因薬剤の特定されていない薬物アレルギーを有する患者 (8) 妊婦または授乳期の患者 (9) 同意の能力を欠く等により本人の同意を得ることが困難な患者 (10)6 ヶ月以内に他の治験薬の投与を受けた患者 (11)その他、治験責任医師または治験分担医師が本治験の対象として不適当と判断した患者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: <被験薬>

治験薬名(コード名) :MR8A2 一 般 名 :塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名 :(-)-(2S)-1-Butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)piperidine

-2-carboxamide monohydrochloride 剤 型 :注射剤

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

32

<用量及び投与方法> 硬膜外腔 用量:ボーラス投与:0.25% MR8A2 10mL (25mg)

持続硬膜外投与:0.25% MR8A2 6mL/hr×48hr (720mg)

投与方法:ボーラス投与として、手術前に留置し先端が硬膜外腔にあることを確認したカテーテル

より、10mL の 0.25% MR8A2 を閉腹時(腹膜縫合開始時)に約 30 秒間かけて投与した。

ボーラス投与に続き、留置したカテーテルより 0.25% MR8A2 を 6mL/hr の速度で 48 時

間まで持続硬膜外投与を行った。

併用禁止薬:

治験薬の評価に影響を及ぼすと思われる下記薬剤の投与は、原則として手術前より投与終了後 48

時間まで行わないこととした。ただし、硬膜外穿刺、Test Dose、気管内挿管、胃管及び導尿用カテー

テル等の挿入のための塩酸リドカイン(エピネフリン添加を含む)及び塩酸メピバカインは必要 小

量投与できることとした。鎮痛効果が不十分の場合はペンタゾシン 15mg の筋肉注射、体温上昇の処

置のためのジクロフェナクナトリウム坐剤は 1 回あたり 25mg を 2 回を限度として投与できることと

した。また投与開始後 21 時間以降については、必要に応じて非オピオイド鎮痛薬の使用を可能とした。

なお、有害事象の場合はこの限りではないものとした。

① 局所麻酔薬

② 全身麻酔薬

③ オピオイド鎮痛薬

④ 非オピオイド鎮痛薬

⑤ 他の治験薬 <ロット番号>

MR8A2 0.25%バイアル:43261

治験スケジュール 投与開始後# 投与終了後

2 4 6 21 30 48 24 48 検査・観察・

評価★

時 (時間) (時間)

7 日 以内

同意取得 ○

被験者背景 ○

治験薬投与 ↑

鎮痛薬の使用状況

痛覚神経遮断 ○ ○ ○ ○ ○ ○+

運動神経遮断 ○ ○ ○ ○ ○ ○+

術後疼痛に対する程度 ○ ○ ○ ○ ○ ○

鎮痛の満足度 ○

血圧・脈拍数 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

体温 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

心電図モニター

心電図記録☆ ○ ○ ○ ○ ○ ○

臨床検査 ○* ○

有害事象

概括安全度 ○

採血 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 薬物濃度

採尿(蓄尿) ○

↑:閉腹時(腹膜縫合開始時)にボーラス投与を行い、引き続き、持続投与を行う #:ボーラス投与開始時を 0分とする *:同意取得後、投与前 7日以内に実施

★:各検査は規定時刻±10分以内に実施

☆:心電図観察中に異常所見が見られた場合においても心電図紙に出力 +:投与終了後 24時間で効果が消失している場合は実施しない

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

33

評価項目: 薬物動態:

(1) 血漿中薬物濃度(未変化体) (2) 未変化体及び代謝物の尿中排泄量、累積排泄率、総排泄率、代謝物研究

有効性: (1) 鎮痛薬の必要量(投与開始後 0~4,4<~8,8<~21 及び 0~21 時間のペンタゾシンの必要量) (2) 鎮痛薬の投与回数 (3) 鎮痛薬を必要とするまでの時間 (4) 無痛域(鎮痛が得られている皮膚分節数) (5) 運動神経遮断の程度 (6) 術後疼痛の程度 (7) 鎮痛の満足度 (8) 運動神経と痛覚神経の分離遮断の程度

安全性: (1) 有害事象及び副作用 (2) 臨床検査値、血圧・脈拍数、体温、心電図 (3) 概括安全度

解析手法:

薬物動態:

血漿中薬物動態として、実測値に基づく要約統計量を計算した。また、尿中薬物動態として、実測

値に基づく要約統計量を計算し、尿中未変化体及び代謝物の濃度と尿量から未変化体及び代謝物の排

泄量を計算した。さらに、投与量に対する未変化体及び代謝物の尿中排泄量より排泄率を計算した。

有効性:

鎮痛薬の必要量、投与回数、鎮痛薬を必要とするまでの時間、無痛域、運動神経遮断の程度、術後

疼痛の程度、の記述統計量を算出した。鎮痛の満足度については、「満足であった」以上の割合を算

出した。

安全性:

副作用及び有害事象について、発現例数、発現件数及び発現率を算出した。症状名と程度及び因果関係

による集計を行った。臨床検査値は、記述統計量を算出し、投与前後で Wilcoxon 符号付順位検定を行

った。血圧、脈拍数及び体温については記述統計量を算出した。心電図は異常の有無を集計した。概

括安全度を集計し、「安全である」以上の割合を集計した。

報告書の日付:20 年 月 日

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

34

(2)試験結果 ①症例の内訳

登録例数

8 例

大の解析対象集団(FAS) 安全性解析対象集団 薬物動態解析対象集団 8 例 8 例 8 例

PPS 不採用例

1 例*

治験実施計画書適合集団(PPS) 7 例

②対象患者 目標症例とした 8 例の被験者が本治験に組み入れられた。全例に規定された治験薬投与時間「48

時間の投与が実施され、中止・脱落例はなかった。

患者背景 症例数 8

性別 男 4(50.0) 女 4(50.0)

年齢(歳) 59.4±15.25 身長(cm) 158.8±8.65 体重(kg) 55.3±7.21 BMI 22.01±2.877 ASA 分類 1 3(37.5) 2 5(62.5) 手術適応疾患の領域 一般外科 8(100.0) 手術部位 下腹部 8(100.0) 合併症の有無 なし 2(25.0) あり 6(75.0) 前投薬の有無 なし 4(50.0) あり 4(50.0) 穿刺の麻酔薬 塩酸リドカイン 8(100.0) 穿刺の部位 L1-2 8(100.0) 手術時間(hr) 3.88±1.312 全身麻酔時間(hr) 4.58±1.487 手術適応疾患名 S 状結腸癌

(直腸癌を除く)3(37.5)

クローン病 1(12.5) 直腸癌 3(37.5) 嚢腫 1(12.5)

平均値±標準偏差 ( ):%

*他の鎮痛薬使用

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

35

③薬物動態 a)血漿中薬物動態 血漿中未変化体濃度は投与開始後から上昇し、投与開始後 48 時間に 2.933±1.451µg/mL に達

した後、投与終了後 24 時間で 1.665±1.787µg/mL、投与終了後 48 時間で 0.634±0.695µg/mL に

低下した。投与開始後 48 時間における被験者 8 例の血漿中未変化体濃度の範囲は 1.462~

5.581µg/mL であった。

血漿中未変化体濃度の推移(平均値±標準偏差)

b)尿中薬物動態 測定対象とした未変化体と全ての代謝物(デスブチルブ体、3-ヒドロキシ体及び 4-ヒドロキ

シ体)が 8 例全例の尿中に検出された。投与開始時から投与開始後 21 時間までは、3-ヒドロキ

シ体の排泄量が も多く、投与開始後 21 時間以降、その排泄量は徐々に減少した。デスブチ

ル体の排泄量は投与開始時から投与開始後 21時間までは 3-ヒドロキシ体よりも少なかったが、

投与開始後 21 時間から投与終了後 24 時間で増加し、投与終了後 24 時間から 48 時間において

減少したが、投与開始後 21 時間以降尿中排泄物中 も多くを占めた。未変化体と 4-ヒドロキ

シ体の単位時間当たりの排泄量はいずれの時間帯においてもデスブチル体及び 3-ヒドロキシ

体に比較して少なかった。

投与開始時から投与終了後 48 時間の尿中累積排泄率は、デスブチル体、3-ヒドロキシ体、未

変化体及び 4-ヒドロキシ体がそれぞれ、9.37±4.617、4.54±2.528、0.46±0.349 及び 0.34±0.120%

であり、これらを合計した投与開始時から投与終了後 48 時間の尿中総排泄率は 14.70±3.579%

であった。

未変化体及び代謝物の尿中累積排泄率と尿中総排泄率 尿中累積排泄率(%) 投与開始時~

投与開始後 48 時間 投与終了後~

投与終了後 48 時間 投与開始時~

投与終了後 48 時間 例数 8 6 6 未変化体 0.22±0.146 0.26±0.217 0.46±0.349 デスブチル体 4.14±2.699 6.07±3.187 9.37±4.617 3-ヒドロキシ体 2.98±2.002 1.73±0.639 4.54±2.528 4-ヒドロキシ体 0.21±0.076 0.14±0.066 0.34±0.120 未変化体+代謝物 7.55±2.469 8.20±3.367 14.70±3.579

平均値±標準偏差

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

0 24 48 72 96

投与開始からの時間(hr)

血漿

中未

変化

体濃

度(n

g/m

L)

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

36

④有効性 a)鎮痛薬の必要量

ペンタゾシンが投与された症例は 7 例中 5 例であり、ペンタゾシンの 高投与量は投与開始

後 21 時間で計 90 mg であった。

鎮痛薬の必要量(mg) N 平均値 標準偏差 中央値 最小 最大 Q1 Q3

投与開始後 0~4時間 7 6.4 8.02 0 0 15 0 15 投与開始後 4<~8時間 7 8.6 11.80 0 0 30 0 15 投与開始後 8<~21 時間 7 12.9 16.04 15 0 45 0 15 投与開始後 0~21 時間 7 27.9 31.74 15 0 90 0 45

b)鎮痛薬の投与回数 投与回数は「なし」が 2 例、1 回が 2 例、2 回、3 回及び 6 回が各 1 例であった。

c)鎮痛薬を必要とするまでの時間 ペンタゾシンが使用された 5 例中 3 例は投与開始後 1 時間 15 分以内に、他の 2 例はそれぞ

れ、投与開始後 9 時間及 10 分び 13 時間に初めてペンタゾシンが投与された。投与開始後 21

時間の血漿中未変化体濃度とペンタゾシンの必要量との関係は明確ではなかった。

鎮痛薬の投与回数

鎮痛薬投与回数 N %

0 2 28.6 1 2 28.6 2 1 14.3 3 1 14.3 6 1 14.3

d)無痛域(鎮痛が得られている皮膚分節数) 投与開始後の各測定時間に 7 例全例で無痛域皮膚分節が認められ、その平均皮膚分節数は 7.6

~8.9 であった。投与終了後 24 時間では 2/6 例に無痛域の皮膚分節がみられたが、投与終了後

48 時間では無痛域の皮膚分節が認められた例はなかった。

無痛域の皮膚分節数

N 平均値 標準偏差 中央値 最小 最大 Q1 Q3 投与開始後 2 時間 7 7.6 1.99 7 5 11 6 9 投与開始後 4 時間 7 7.7 2.36 7 5 11 5 10 投与開始後 21 時間 7 8.9 3.29 9 4 14 6 11 投与開始後 48 時間 7 8.6 3.69 9 4 15 5 10 投与終了後 24 時間 6 0.5 0.84 0 0 2 0 1 投与終了後 48 時間 6 0.0 0.00 0 0 0 0 0

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

37

e)運動神経遮断の程度 運動神経遮断の程度では投与開始 2 時間から投与終了後 48 時間までで Bromage Scale 1 以上

の運動神経遮断がみられた被験者は 7 例中 3 例であった。1 例は投与開始後 21 時間に Bromage

Scale 3の運動神経遮断が、他の 2例(投与開始後 2及び 21時間、投与開始後 4時間)ではBromage

Scale 1 の程度の運動神経遮断がみられた。

運動神経遮断の程度

N % Bromage Scale0 6 85.7 投与開始後 2 時間 Bromage Scale1 1 14.3 Bromage Scale0 6 85.7 投与開始後 4 時間 Bromage Scale1 1 14.3 Bromage Scale0 5 71.4 Bromage Scale1 1 14.3

投与開始後 21 時間

Bromage Scale3 1 14.3 投与開始後 48 時間 Bromage Scale0 7 100.0 投与終了後 24 時間 Bromage Scale0 6 100.0 投与終了後 48 時間 Bromage Scale0 6 100.0

f)術後疼痛の程度 術後疼痛の程度を評価した VAS の平均値は安静時で投与開始後 2 及び 4 時間において、25.4

及び 20.1 であったが、投与開始後 21 時間の 6.4 から投与終了後 48 時間の 1.9 と大きく減少し、

疼痛はほとんど問題にはならなかった。咳嗽時及び体動時では投与中及び投与終了後 48 時間

まで強い痛みを感じた例もあったが、平均 VAS 値は投与開始後 2 及び 4 時間に比較して投与

終了後 24 及び 48 時間で減少した。

術後疼痛の程度(VAS による評価) N 平均 標準偏差 中央値 最小 最大 Q1 Q3

投与開始後 2 時間 7 25.4 19.05 22 1 50 6 45 投与開始後 4 時間 7 20.1 21.58 13 0 54 4 47 投与開始後 21 時間 7 6.4 5.26 6 1 15 2 12 投与開始後 48 時間 7 6.6 9.31 2 0 22 0 18 投与終了後 24 時間 6 2.0 2.00 1 0 5 1 4

安静時

投与終了後 48 時間 6 1.8 3.54 0.5 0 9 0 1 投与開始後 2 時間 7 40.0 31.03 37 1 72 9 71 投与開始後 4 時間 7 37.1 30.52 23 0 74 11 68 投与開始後 21 時間 7 44.0 39.28 32 1 96 5 93 投与開始後 48 時間 7 43.4 23.01 49 12 74 17 65 投与終了後 24 時間 6 22.0 8.94 21 12 33 14 33

咳嗽時

投与終了後 48 時間 6 25.3 22.44 19 7 68 10 29 投与開始後 2 時間 7 34.0 22.24 39 1 60 14 58 投与開始後 4 時間 7 35.4 27.51 23 0 71 13 63 投与開始後 21 時間 7 31.9 21.94 41 2 55 5 52 投与開始後 48 時間 7 24.3 18.40 25 2 50 5 43 投与終了後 24 時間 6 20.5 23.26 13.5 4 67 8 17

体動時

投与終了後 48 時間 6 14.7 16.62 7 3 45 3 23

g)鎮痛の満足度 鎮痛の満足度では 6 例中 3 例が「満足であった」と評価した。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

38

鎮痛の満足度

非常に 満足であった

満足で あった

まずまずであった

不満足 であった

判定 不能 計 満足率

(%)a) 95%

信頼区間

0 3 2 1 0 6 50.0 11.8~88.2a)「満足であった」以上の割合

⑤安全性

a)有害事象・副作用 有害事象は 8 例中 7 例に 15 件発現した。有害事象の内訳は感覚減退、悪心、嘔吐、背部痛、

血圧低下が各 2 例 2 件、単純ヘルペス、化膿、肛門周囲炎、硬結、血小板数減少が各 1 例 1 件

であった。有害事象の程度では、軽度が 4 件及び中等度が 11 件で高度のものは認められなか

った。これらの有害事象はいずれも無処置又は加療により消失した。

本治験では、死亡例、重篤な有害事象及び投与中止に至る重要な有害事象は認められなかった。

副作用は 8 例中 5 例に 7 件発現した。副作用の内訳は感覚減退、悪心及び血圧低下が各 2 件、

嘔吐が 1 件であった。副作用の程度では、軽度が 3 件及び中等度が 4 件であった。これらの副

作用のうち、感覚減退 2 件及び血圧低下の 1 件は無処置で、その他の 4 件は加療により消失し

た。

有害事象 0.25%6mL/hr (N=8)

すべての

有害事象

関連の否定

できない有害事象

7 5 有害事象発現例数 (87.5%) (62.5%)

有害事象発現件数 15 7 1 単純ヘルペス

(12.5%) 1

感染症および寄生虫症

化膿 (12.5%)

2 2 神経系障害 感覚減退 (25.0%) (25.0%)

2 2 悪心 (25.0%) (25.0%)

1 肛門周囲炎 (12.5%)

2 1

胃腸障害

嘔吐 (25.0%) (12.5%)

2 筋骨格系および結合組織

障害 背部痛

(25.0%) 1 全身障害および投与局所

様態 硬結

(12.5%) 2 2 血圧低下

(25.0%) (25.0%) 1

臨床検査

血小板数減少 (12.5%)

MedDRA/J8.0 で集計 因果関係「関連なし」以外のものを関連の否定できない有害事象として取り扱った。

Page 43: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

39

b)臨床検査値(血液学的検査・血液生化学的検査・尿検査) 臨床検査値では有害事象と判定された血小板数減少の 1 件を除いて、投与前後で臨床的に問

題となる変動を示したものはなかった。

c)バイタルサイン・心電図 血圧の平均値は開腹時に上昇し、投与開始後低下する傾向がみられ、2 例で血圧低下が副作

用と判定された。脈拍数は投与開始以後、平均値で大きな変動はなく、臨床的に問題となる脈

拍数の変動がみられた例はなかった。体温は投与開始後に上昇したが、これは手術後の一般的

な現象と考えられた。心電図では、投与開始後に新たに異常所見が発現した例はなかった。

d)概括安全度 概括安全度では 8 例中 3 例で「安全である」と判定された。

概括安全度

安全である ほぼ 安全である

安全性に 問題がある 安全でない

判定 不能 計 安全率

(%)a) 95%

信頼区間 3 2 3 0 0 8 37.5 8.5~75.5

a)「安全である」の症例の割合

(3)結論 術後 0.25%レボブピバカイン 6 mL/hr 48 時間の持続硬膜外投与において、血漿中未変化体濃度は

投与開始後 48 時間に 2.933±1.451µg/mL に達し、投与終了後 48 時間で 0.634±0.695µg/mL に低下

した。投与開始時から投与終了後 48 時間の尿中累積排泄率は、デスブチル体、3-ヒドロキシ体、未

変化体及び 4-ヒドロキシ体がそれぞれ、9.37±4.617、4.54±2.528、0.46±0.349 及び 0.34±0.120 %

であり、これらを合計した尿中総排泄率は 14.70±3.579%であった。

持続硬膜外投与を行った第Ⅱ・Ⅲ相試験における 0.25%レボブピバカイン 6 mL/hr 群と同様の術

後鎮痛効果が認められ、安全性においても特に問題は認められなかった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

40

12)第Ⅰ相試験 皮内丘疹試験(試験 No.PR-LEV-P1-A)の概要 ·······················添付資料 5.3.4.1-1 (1)試験方法概略

治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン)第Ⅰ相臨床試験 -皮内丘疹試験(MR8A2-00)-

治験責任医師名: 治験分担医師名:

治験実施医療機関: 公表文献:未公表 治験期間:19 年 月 日~19 年 月 日 治験のフェーズ:

第Ⅰ相 目的:健康成人男子に MR8A2 0.25%、0.5%、0.75%及びプラセボを左右前腕部の各 2 ヶ所計 4 ヶ所に

それぞれ単回皮内投与した時の安全性及び局所麻酔効果を検討する。 治験方法:左右前腕部の各 2 ヶ所計 4 ヶ所に 4 投与量(0.25%、0.5%、0.75%レボブピバカイン及びプ

ラセボ)のそれぞれ 0.1mL を無作為に割り付け、単回皮内投与した(総投与量 1.5mg)。

被験者数(計画時及び解析時): 計画症例数 :6 例 投与症例数 :6 例 解析対象症例数:6 例

対象と被験者選択基準: 〈対象〉健康成人男子 〈選択基準〉

(1) 年齢が 20 歳以上、40 歳以下の日本人男性 (2) 標準体重[(身長-100)× 0.9]の±20%の範囲にあり、体重が 50~80kg の者 (3) 治験責任医師がスクリーニング検査結果より、本治験の被験者として適格であると判断した者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: 〈被験薬〉

治験薬名(コード名):MR8A2 一 般 名:塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名:(–)-(2S)-1-butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)-piperidine-2-

carboxamide monohydrochloride 剤 型:注射剤

〈対照薬〉 プラセボ:生理食塩液 〈用量及び投与方法〉

用量: 被験薬の種類 含有量(1 アンプル中) Lot No. 0.25%アンプル レボブピバカインを 25mg/10mL 含有 9701 0.5% アンプル レボブピバカインを 50mg/10mL 含有 9701 0.75%アンプル レボブピバカインを 75mg/10mL 含有 9701 対照薬:プラセボ(1 アンプル中生理食塩液 10mL 含有) 9701

投与方法: 盲検化された治験薬レボブピバカイン 0.25%、0.5%、0.75%及びプラセボを 0.1mL ずつアルコ

ール消毒後の左右前腕部の手首から肘の間の各 2 ヶ所に約 7cm の間隔を置いてツベルクリン用

1mL シリンジ及び 25G 注射針を用いて皮内注射した。なお、投与前に注射予定の箇所に印を付け

ておきその印に注射を行った。 治験スケジュール:被験者は投与前日の午後から退院日の朝まで治験実施医療機関に入院し、治験責

任医師の管理下におかれた。また、投与後 7 日目に通院にて事後検査を受けた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

41

投与日: 被験者番号 12)-01~12)-03※:19 年 月 日 被験者番号 12)-04~12)-06※:19 年 月 日

評価基準: 有 効 性:局所麻酔効果の判定(Pin-Prick 法) 安 全 性:以下の診察・諸検査結果により安全性を評価した。 注射部位の変化(注射部位写真撮影も実施) 診察 理学検査:血圧、脈拍数、呼吸数、体温、心電図 臨床検査 血液学的検査:赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数、白血球数、白血球分画(好

中球桿状核、好中球分葉核、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)、MCV、MCH、MCHC

血液生化学的検査:総ビリルビン、AST、ALT、AL-P、γ-GTP、LDH、CPK、総蛋白、アルブミ

ン、総コレステロール、トリグリセライド、グルコース、BUN、クレアチニ

ン、尿酸、Na、K、Cl、Ca、A/G 比 尿検査:比重、沈渣、定性(糖、蛋白、潜血、ケトン体、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン)

解析手法: 安全性:注射部位の変化について頻度集計を行った。その他、安全性に関するデータについては観測

項目ごとに被験者別のデータ一覧表などを作成した。 有効性:局所麻酔効果の評価結果について頻度集計を行った。また、50%回復時間の集計も行った。

報告日:20 年 月 日 (2)試験成績

①対象患者 健康成人男子全 6 名が対象とされ、計画に従いレボブピバカイン 0.25%、0.5%、0.75%の 3 用

量及びプラセボが同一被験者の左右前腕部それぞれ 2 ヶ所計 4 ヶ所に皮内投与された。

患者背景 平均値±標準偏差 例数 6 年齢(歳) 21.5±1.4 身長(㎝) 174.00±5.97 体重(㎏) 64.67±5.43 肥満度(%) -2.52±10.18 肥満度=体重÷〔(身長-100)×0.9〕×100-100

②有効性 局所麻酔効果について局所麻酔効果発現時間、最大効果発現時間、50%回復時間の 3 種の指標

が検討された。プラセボ群では、局所麻酔効果発現時間並びに 50%回復時間を特定し得たのは 1

例のみであった。0.25%、0.5%、0.75%の被験薬投与群では、0.75%投与群の 1 例で、効果発現時

間の遅れにより局所麻酔効果発現時間並びに 50%回復時間が特定できなかった。被験薬投与群で

特定し得た各指標の平均値は、局所麻酔効果発現時間は 0.25%で 8.58±9.58 分、0.5%で 5.42±9.80

分、0.75%では 5.50±10.90 分であり、最大効果発現時間は 0.25%、0.5%、0.75%でそれぞれ 17.00

±19.33 分、12.00±11.30 分、42.17±69.62 分であり、50%回復時間は低濃度から順にそれぞれ 66.67

±40.95 分、167.50±109.17 分及び 222.00±138.46 分であった。いずれの指標についても、個体間

のばらつきが大きいものの 50%回復時間については用量依存的に回復時間が遅延(麻酔効果の持

※:新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

42

続時間の延長)する傾向を認めた。

局所麻酔効果 0.25% 0.5% 0.75% 局所麻酔効果発現時間(分)

8.58±9.58 (N=6)

5.42±9.80 (N=6)

5.50±10.90 (N=5)

大効果 発 現時間(分)

17.00±19.33 (N=6)

12.00±11.30 (N=6)

42.17±69.62 (N=6)

50%回復時間(分)1) 66.67±40.95 (N=6)

167.50±109.17 (N=6)

222.00±138.46 (N=5)

平均値±標準偏差 1) 治験薬投与から局所麻酔効果発現を経て 後に局所麻酔効果が 4 ヶ所中 2 ヶ所観測された

時点、もしくは 後の局所麻酔効果の観測が 2 ヶ所を越える場合にあっては、その次の評価 時期との中間時点までの時間。

50%回復時間

③安全性

有害事象は認められず、注射部位の変化として皮内注射を行ったことによると考えられる投与

初期の一過性の炎症を伴わない軽度の発赤が認められたのみであった。実施されたバイタルサイ

ン(体温、血圧、脈拍、呼吸数)、臨床検査、12 誘導心電図で認められた変化はいずれも臨床的

に意義のある変化ではなく、本試験に用いられた用量(0.25%、0.5%、0.75%各 0.1mL:塩酸レボ

ブビバカインそれぞれ 0.25mg、0.5mg、0.75mg 相当量)の単回皮内投与の安全性が確認された。

注射部位の色の変化 0.25% 0.5% 0.75% プラセボ 症例数 6 6 6 6 発赤 3(50%) 3(50%) 3(50%) 2(33.3%) 蒼白化 0(0%) 0(0%) 0(0%) 0(0%)

N(%)

(3)結論 本薬の局所麻酔効果を 50%回復時間を指標としたとき、用量依存的な持続時間の延長が得られる

ことが確認された。また本試験で用いられた用量の範囲では注射部位の変化を含め安全性に問題と

なる所見は認められなかった。

0

50

100

150

200

250

300

350

400

プラセボ 0.25% 0.5% 0.75%

(分)

Page 47: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

43

13)第Ⅰ相試験 尺骨神経ブロック試験(試験 No.PR-LEV-P1-B)の概要·········添付資料 5.3.4.1-2 (1)試験方法概略

治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン)第Ⅰ相臨床試験 -尺骨神経ブロック試験(MR8A2-01)-

治験責任医師名: 治験分担医師名:

治験実施医療機関: 公表文献:未公表 治験期間:20 年 月 日~20 年 月 日 治験のフェーズ:

第Ⅰ相 目的:健康成人男子に MR8A2 0.25%、0.5%又は 0.75%を上腕部尺骨神経周囲に単回皮下投与した時の

感覚・運動・交感神経に対する麻酔効果及び安全性を検討する。なお、参考として 0.5%塩酸ブ

ピバカイン及びプラセボとも比較検討する。 治験方法:被験薬 3 用量(濃度)について 0.5%塩酸ブピバカイン並びにプラセボを対照とし、置換ブ

ロック割付により無作為に割り付け、単回皮下投与した(被験薬濃度は段階的に上げてい

く)。(投与は原則として左腕、ただし左利きは右腕) 被験者数(計画時及び解析時): 計画症例数 :30 例 投与症例数 :30 例 解析対象症例数:30 例

対象と被験者選択基準: 〈対象〉健康成人男子 〈選択基準〉

(1) 年齢が 20 歳以上、40 歳以下の日本人男性 (2) 標準体重[(身長-100)×0.9]の±20%の範囲にあり、体重が 50~80kg の者 (3) 治験責任医師がスクリーニング検査結果より、本治験の被験者として適格であると判断した者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: 〈被験薬〉

治験薬名(コード名):MR8A2 一 般 名:塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名:(–)-(2S)-1-butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)-piperidine-2-

carboxamide monohydrochloride 剤 型:注射剤

〈対照薬〉 対照薬名(商品名):塩酸ブピバカイン注( ) 一 般 名:Bupivacaine hydrochloride 化 学 名:(2RS)-1-Butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)piperidine-2-

carboxamide hydrochloride monohydrate 剤 型:注射剤

〈対照薬〉 プラセボ :生理食塩液

〈用量及び投与方法〉 用量: 被験薬:MR8A2 種類 含有量(1 アンプル中) Lot No. 0.25%アンプル レボブピバカインを 25mg/10mL 含有 9701 0.5% アンプル レボブピバカインを 50mg/10mL 含有 9701 0.75%アンプル レボブピバカインを 75mg/10mL 含有 9701

Page 48: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

44

対照薬:塩酸ブピバカイン( )

種類 含有量(1 バイアル中) Lot No. 0.5% バイアル 塩酸ブピバカインを 100mg/20mL 含有 00390

プラセボ:生理食塩液

種類 含有量(1 アンプル中) Lot No. 10mL アンプル 生理食塩液 10mL 含有 9701

投与方法: 盲検化されたレボブピバカイン 0.25%、0.5%、0.75%、0.5%塩酸ブピバカイン及びプラセボ 5mLを、上腕の軸に平行に尺骨神経溝まで、25G ディスポーザブル注射針(ショートベーベル)を挿

入して投与した。 治験スケジュール:被験者は投与前日の午後から退院日の朝まで治験実施医療機関に入院し、治験責

任医師の管理下におかれた。また、投与後 7 日目に通院にて事後検査を受けた。

投与日:被験者番号 13)-01~13)-05※;20 年 月 日、被験者番号 13)-06~13)-10※;20 年 月 日、

被験者番号 13)-11~13)-15※;20 年 月 日、被験者番号 13)-16~13)-20※;20 年 月 日、

被験者番号 13)-21~13)-25※;20 年 月 日、被験者番号 13)-26~13)-30※:20 年 月 日 評価基準: 有効性:局所麻酔効果の判定

感覚神経能:Pin‐Prick 法等 運動神経能:小指の外転運動検査 交感神経能:皮膚温度測定

安全性:以下の診察・検査結果により安全性を評価した。 注射部位の変化(変化のある場合は写真撮影も実施) 診察 理学検査:血圧、脈拍数、呼吸数、体温、心電図 臨床検査

血液学的検査:赤血球数、ヘマトクリット、ヘモグロビン、血小板数、白血球数、白血球分画

(好中球桿状核、好中球分葉核、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球)、MCV、

MCH、MCHC 血液生化学的検査:総ビリルビン、AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDH、CPK、総蛋白、アルブミ

ン、総コレステロール、トリグリセライド、グルコース、BUN、クレアチ

ニン、尿酸、Na、K、Cl、Ca、A/G 比 尿検査:比重、沈渣、定性(糖、蛋白、潜血、ケトン体、ウロビリノーゲン、pH、ビリルビン)

解析手法: 有効性: 主要評価項目(局所麻酔効果)については、各製剤毎に記述統計を行い、95%信頼区間を算出した。

また、参考として 0.5%塩酸ブピバカイン(対照薬)と各濃度のレボブピバカイン(被験薬)との比較、

及びプラセボと各濃度のレボブピバカイン(被験薬)の比較のために t-検定を用いて検討した。 なお、適用する仮説検定はすべて有意水準 5%の両側検定とし、検定の多重性に関する第一種の過誤

の調整は行わなかった。 安全性:

有害事象及び副作用の発現例数・件数を集計し、臨床検査値、臨床検査異常値、理学検査、診察結

果及び注射部位の変化については、記述統計や集計を行い、総合コメントを含めすべての観察項目に

ついてデータの一覧表も作成した。 報告日:20 年 月 日

(2)試験成績

①対象患者 健康成人男子全 30 名を対象に、5 例(ブロックサイズ)×6(ブロック数)で、レボブピバカ

※:新薬承認情報提供時に置き換え

Page 49: ポプスカイン0.75%注75mg/10mL ポプスカイ …...13 160501 第 5 部 1 巻 5.3.2.2-1 代謝に関与する P450 分子種の 検討 - ヒト肝ミクロソーム使用 -

2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

45

イン 0.25%、0.5%、0.75%の 3 用量、対照薬の 0.5%塩酸ブピバカイン、及びプラセボ(各 5mL)

を 6 例ずつ、上腕部尺骨神経周囲に単回皮下投与され、全例が有効性および安全性解析の対象と

された。

患者背景 レボブピバカイン

0.25% 0.5% 0.75% 塩酸ブピバカイン

0.5% プラセボ

例数 6 6 6 6 6 年齢(歳) 24.3±2.3 23.0±1.8 22.3±1.2 23.8±1.8 26.5±8.4 身長(㎝) 168.60±3.65 174.08±4.41 174.08±2.90 169.98±6.34 173.15±2.89 体重(㎏) 63.82±5.49 64.25±6.32 67.25±6.86 64.88±5.81 66.67±8.36 肥満度*(%) 3.53±9.77 -3.35±11.61 1.07±11.76 3.38±9.20 1.35±12.97 *肥満度=体重÷[(身長-100)×0.9]×100-100 平均値±標準偏差

②有効性

Sensory touch(綿棒による触覚の認識能)による麻酔効果持続時間においてレボブピバカイン

0.5%(6.500±4.824 時間)及びレボブピバカイン 0.75%(10.132±5.753 時間)は、対照薬の 0.5%

塩酸ブピバカイン(0.833±0.816 時間)に比べ有意に長く(p<0.05、p<0.01vs.対照薬)、また、

プラセボ(0.083±0.204 時間)に対しても有意に長かった(ともに p<0.01vs.プラセボ)。Sensory

pain(注射針による痛覚の認識能)による麻酔効果持続時間においてレボブピバカイン 0.5%

(12.563±2.950 時間)及びレボブピバカイン 0.75%(13.194±3.445 時間)はプラセボ(0.681±

0.983 時間)に比べ、有意に長かった(ともに p<0.01vs.プラセボ)。なお、参考に“感じない”

を麻酔効果「有」として集計した場合も同じ傾向であった(統計的検定は実施せず)。Motor(小

指の外転運動検査による運動能)による麻酔効果持続時間においてレボブピバカイン 0.5%

(11.000±2.437 時間)及びレボブピバカイン 0.75%(12.757±3.553 時間)はプラセボ(0.167±

0.408 時間)に比べ、有意に長かった(ともに p<0.01vs.プラセボ)。また平均皮膚温度差増加度

においてレボブピバカイン 0.5%(1.086±0.725℃)及びレボブピバカイン 0.75%(1.089±0.666℃)

はプラセボ(-0.094±0.086℃)に比べ、有意に高かった(ともに p<0.01vs.プラセボ)。

有効性に関する成績 レボブピバカイン

0.25% 0.5% 0.75% 塩酸ブピバカイン

0.5% プラセボ 項目 効果有

平均値/例数*3 標準偏差値

効果有 平均値/例数*3 標準偏差値

効果有 平均値/例数*3 標準偏差値

効果有 平均値/例数*3 標準偏差値

効果有 平均値/例数*3

標準偏差値 触覚の認識能(綿棒)

1/6 1.049 2.569

5/6 6.500* ## 4.824

6/6 10.132** ## 5.753

4/6 0.833 0.816

1/6 0.083 0.204

痛覚の認識能(注射針)*1

3/6 5.618 6.908

6/6 12.563 ##2.950

6/6 13.194 ##3.445

5/6 7.042 5.971

4/6 0.681 0.983

痛覚の認識能(注射針)*2

2/6 1.417 2.458

5/6 7.167 5.234

6/6 9.465 5.309

2/6 0.750 1.255

1/6 0.049 0.119

麻酔効果持続

時間(時間) 運動能(小指

の外転運動) 3/6 4.979

5.712 6/6 11.000 ##

2.437 6/6 12.757 ##

3.553 5/6 6.903

6.301 1/6 0.167

0.408 平均皮膚温度差 増加度(℃)

0.435 0.614

1.086 ##0.725

1.089 ##0.666

0.815 0.662

-0.094 0.086

**:p<0.01,*:p<0.05;塩酸ブピバカインとの比較 ##: p<0.01,#:p<0.05;プラセボとの比較 痛覚の認識能(注射針)*1:Pin-Prick 法“鈍く感じる”・“感じない”を麻酔効果「有」として算出 痛覚の認識能(注射針)*2:Pin-Prick 法“感じない”を麻酔効果「有」として算出.統計的な検定は実施せず 効果有/例数*3:効果の認められた例数/検査全例数

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

46

痛覚ブロックの作用持続時間(分)

③安全性 注射部位の色の変化として、皮下投与時に注射針が局所の血管を損傷したために生じた出血に

よるものと考えられる注射部位周辺の発赤が 1 例(レボブピバカイン 0.75%)認められたが、対

照薬の 0.5%塩酸ブピバカイン、プラセボを含め上腕部尺骨神経周囲に単回皮下投与後に有害事象

(投与部位の炎症、腫脹及び壊死を含む)は認められなかった。実施された理学検査(血圧、脈

拍数、呼吸数、体温)、臨床検査及び 12 誘導心電図において、いずれも臨床的に有意な変化は

報告されず、本試験に用いられたレボブピバカインの各用量(0.25%、0.5%、0.75%)の単回皮下

投与の安全性が確認された。

(3)結論 レボブピバカインの局所麻酔効果を麻酔効果持続時間(触覚の認識能、痛覚の認識能、運動能)

及び平均皮膚温度差増加度を指標とするとき、用量 0.5%及び 0.75%でプラセボに比べ有意な局所麻

酔持続効果が確認された。また、本試験で用いられた用量の範囲では注射部位の変化、心電図所見

の変化を含め、安全性に問題となる所見は認められなかった。

0.25%レボブピバカイン 0.5%レボブピバカイン 0.75%レボブピバカイン ブピバカイン プラセボ

平均±S.D. n=6

0

200

400

600

800

1000

1200

(分)

平均値±標準偏差

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

47

14)第Ⅱ相試験 硬膜外投与試験の(試験 No.PR-LEV-P2-A)の概要················添付資料 5.3.5.1-1 (1)試験方法の概略

治験の標題:MR8A2(塩酸レボブピバカイン注)の硬膜外麻酔における第Ⅱ相臨床試験 (MR8A2-02)

医学専門家名: 治験調整医師名: 治験責任医師名: 他計 5 名 治験実施医療機関: 他 5 施設 公表文献:未公表 治験期間:20 年 月 日~20 年 月 日 治験のフェーズ:

第Ⅱ相 目的:硬膜外麻酔により下腹部あるいは下肢手術を受ける手術患者を対象に、0.5%及び 0.75% MR8A2

(塩酸レボブピバカイン注)の有効性及び安全性をもとに推奨用量を検討するとともに薬物動

態についても検討した。 治験方法:治験薬 2 濃度 5 用量について、低濃度、低容量から高濃度、高容量へ段階的に移行するオ

ープン試験法 被験者数(計画時及び解析時):目標症例数として各群 10 例 計 50 例 組み入れ例数:41 例(第Ⅰ群:10 例、第Ⅱ群:8 例、第Ⅲ群 8 例、第Ⅳ群 8 例、第Ⅴ群 7 例) 解析対象例数:

PPS 集団 37 例(第Ⅰ群:9 例、第Ⅱ群:7 例、第Ⅲ群 8 例、第Ⅳ群 7 例、第Ⅴ群 6 例) FAS 集団 41 例(第Ⅰ群:10 例、第Ⅱ群:8 例、第Ⅲ群 8 例、第Ⅳ群 8 例、第Ⅴ群 7 例) 安全性解析対象集団 41 例(第Ⅰ群:10 例、第Ⅱ群:8 例、第Ⅲ群 8 例、第Ⅳ群 8 例、第Ⅴ群 7 例)

対象と被験者選択基準: 〈対象〉硬膜外麻酔による下腹部あるいは下肢手術を予定している患者 〈選択基準〉

(1) 性別は問わない。 (2) 20 歳以上、65 歳未満の患者 (3) 術前状態が ASA 分類 1~2 である患者

〈除外基準〉 (1) 高度な心疾患[心不全、心筋梗塞、心筋炎等]、肝疾患[肝不全症状(劇症肝炎)、肝硬変、肝

腫瘍]、腎疾患[ネフローゼ症候群、腎不全(急性及び慢性)、尿毒症、水腎症]を有する患者

(2) 重篤な出血やショック状態にある患者 (3) 出血傾向のある患者 (4) 注射部位又はその周辺に炎症を有する患者 (5) 敗血症と診断された患者 (6) アミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴を有する患者 (7) 原因薬剤の特定されていない薬物アレルギーを有する患者 (8) 妊婦又は授乳期の患者 (9) 同意の能力を欠く等により本人の同意を得ることが困難な患者 (10)6 ヵ月以内に他の治験薬の投与を受けた患者 (11)その他、治験責任医師又は治験分担医師が本治験の対象として不適当と判断した患者

治験薬、用量及び投与方法、ロット番号: 〈被験薬〉

治験薬名(コード名):MR8A2 一 般 名:塩酸レボブピバカイン(Levobupivacaine hydrochloride) 化 学 名:(–)-(2S)-1-butyl-N-(2,6-dimethylphenyl)-piperidine-2-

carboxamide monohydrochloride 剤 型:注射剤

〈投与経路・用量〉:硬膜外腔

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

48

用量:第Ⅰ群:MR8A2 0.5% 15 mL(75 mg) 第Ⅱ群:MR8A2 0.5% 20 mL(100 mg) 第Ⅲ群:MR8A2 0.75% 10 mL(75 mg) 第Ⅳ群:MR8A2 0.75% 15 mL(112.5 mg) 第Ⅴ群:MR8A2 0.75% 20 mL(150 mg)

第Ⅰ群から投与を開始し、順次より高い濃度・容量群に移行する。従って各医療機関において

は第Ⅰ群より 2 症例ずつ実施し、第Ⅴ群までの投与(計 10 例)実施した。 投与方法: 硬膜外腔に Test dose として治験薬 3 mL を投与後 3 分間観察し、安全性を確認しながら治験薬の残

量を約 1 分間で注入した。 併用禁止薬: 治験薬の評価に影響を及ぼすと思われる下記薬剤の投与は、原則として手術前より禁止した。ただ

し、硬膜外針の穿刺を行う際の局所麻酔薬は、塩酸リドカイン又は塩酸メピバカインを必要 小量投

与できることとした。また、術中に鎮静の目的で使用するジアゼパム、ミタゾラムは使用しても差し

支えないが、麻酔効果の判定が可能な用量とすることとした。なお、やむを得ず投与する場合は、1回あたりクエン酸フェンタニル 0.1mg 又はペンタゾシン 15mg とした。更に術後の鎮痛薬は NSAIDs、やむを得ない場合はペンタゾシン 15mg とした。

① 局所麻酔薬 ② 全身麻酔薬 ③ オピオイド鎮痛薬 ④ 非オピオイド鎮痛薬 ⑤ 他の治験薬

〈ロット番号〉 MR8A2 0.5%バイアル:Lot.No.18312 MR8A2 0.75%バイアル:Lot.No.18313

治験スケジュール: 投与後#

0 5 10 15 20 25 30 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 6 9 24検査・観察 評価項目 投与前

(分) (時間) 7 日 以内

同意 ○ 治験薬投与 ↑(Main dose 投与終了) 背景因子 ○

痛覚神経遮断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 運動神経遮断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

消失まで

1 時間毎 満足度 ○

手術施行に対

する評価 ○

血圧・脈拍数 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 心電図モニタ (手術終了時まで) 心電図記録 ○ ○ ○ ○ ○(手術終了時) 臨床検査 ○* ○ 有害事象 概括安全度 ○

採血 (血中濃度用) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

*:投与前 1 週間以内(同意取得後)に実施 #:投与後の各検査の実施について、投与後 30 分までのものは規定時刻の±2 分以内に、投与後 1 時間以降 5 時間までのものは±5 分以内に、6 時間以降のものは実施±10 分以内に実施する。

評価項目: 有効性: 〈主要評価項目〉

Th10 の痛覚神経遮断の作用持続時間 〈副次的評価項目〉

1) L1、S3 の痛覚神経遮断の作用持続時間 2) 痛覚神経遮断(発現頻度、作用発現時間、作用持続時間、麻酔の固定時間、

麻酔の減少時間、麻酔の広がり、経時変化) 3) 運動神経遮断(発現頻度、作用発現時間、作用持続時間、経時変化)

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

49

4) 満足度 5) 手術施行に対する評価

安全性: 〈主要評価項目〉

副作用発現率(因果関係が否定しえない有害事象の発現頻度) 〈副次的評価項目〉

1) 血圧・脈拍数、心電図、有害事象、臨床検査値 2) 概括安全度

薬物動態: 血漿中未変化体濃度

解析手法: 有効性: 主要評価項目の Th10 の痛覚神経遮断の作用持続時間について、投与群ごとに記述統計量を求めた。

また、副次的評価項目の神経遮断の発現頻度については投与群ごとに発現率を求め、作用発現時間、

作用持続時間、麻酔の固定時間、麻酔の減少時間については記述統計量を求めた。神経遮断の経時変

化については各観察項目を数値化し、投与群ごとに記述統計量を求め、経時グラフを作成した。 痛覚神経遮断の麻酔の広がりについては、投与群ごとに皮膚分節ごとの例数を求めた。 満足度は「満足であった」以上の割合を投与群ごとに求め、手術施行に対する評価では「著効」の

割合を求めた。 安全性: 主要評価項目として副作用について投与群ごとに発現頻度を集計し、発現率を算出した。 副次的評価項目として、血圧・脈拍数は、推移及び各観察時点での値を各投与群別に比較し、投与

前値に対する各観察時点での変動を各群内で検討した。心電図は観察期間ごとに異常の有無をまとめ

た。 有害事象は、MedDRA(4.0 J)に準拠して読み替え、一覧表を作成するとともに事象ごとに発現頻

度を集計し、症状別、因果関係別についても集計した。 臨床検査値は、観察時点ごとに実測値の記述統計量を算出した。また、異常変動については、項目

別、因果関係別に発現頻度を集計した。 概括安全度については、各投与群における「安全である」の率を算出し、投与群間で比較した。

薬物動態: 被験者ごとの血漿中未変化体濃度推移を図表で示し、実測値に基づく解析を行い、薬物動態学的パ

ラメータを算出し記述統計量を用いて要約した。 報告日:20 年 月 日

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

50

(2)試験成績 ①症例の内訳

登録例数

41 例 0.5% 15mL

0.5% 20mL

0.75% 10mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL

10 例 8 例 8 例 8 例 7 例

大の解析対象集団(FAS) 安全性解析対象集団 41 例 41 例

0.5% 15mL

0.5% 20mL

0.75% 10mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL 0.5%

15mL 0.5% 20mL

0.75% 10mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL

10 例 8 例 8 例 8 例 7 例 10 例 8 例 8 例 8 例 7 例

PPS 不採用例 4 例

0.5% 15mL

0.5% 20mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL

1 例*2 1 例*2 1 例*1 1 例*2

治験実施計画書適合集団(PPS) 37 例

0.5% 15mL

0.5% 20mL

0.75% 10mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL

9 例 7 例 8 例 7 例 6 例

②対象患者 本試験に組み入れられた症例は 41 例(0.5% 15mL 群 10 例、0.5% 20mL 群 8 例、0.75% 10mL

群 8 例、0.75% 15mL 群 8 例、0.75% 20mL 群 7 例)であり、全ての被験者が計画された投与を完

了した。

患者背景(PPS) 投与群 0.5% 15mL 0.5% 20mL 0.75% 10mL 0.75% 15mL 0.75% 20mL 全体

症例数 9 7 8 7 6 37 性別 男 2(22.2) 4(57.1) 3(37.5) 3(42.9) 1(16.7) 13(35.1)

女 7(77.8) 3(42.9) 5(62.5) 4(57.1) 5(83.3) 24(64.9)年齢(歳) 43.4±13.10 41.0±11.53 43.5±16.25 40.9±11.13 41.3±11.91 42.2±12.39身長(cm) 158.6±8.23 161.9±8.55 159.8±9.75 161.9±12.40 157.0±4.65 159.8±8.82体重(kg) 59.1±11.70 66.4±13.51 57.1±15.62 55.1±11.48 54.3±5.89 58.5±12.37合併症 なし 6(66.7) 3(42.9) 5(62.5) 3(42.9) 4(66.7) 21(56.8) あり 3(33.3) 4(57.1) 3(37.5) 4(57.1) 2(33.3) 16(43.2)ASA 分類 1 6(66.7) 4(57.1) 4(50.0) 2(28.6) 3(50.0) 19(51.4) 2 3(33.3) 3(42.9) 4(50.0) 5(71.4) 3(50.0) 18(48.6)手術時間(分) 99.1±53.19 70.9±43.20 88.0±46.26 91.3±44.10 84.2±42.16 87.5±44.93手術部位 下腹部 5(55.6) 4(57.1) 4(50.0) 4(57.1) 3(50.0) 20(54.1) 下肢 4(44.4) 3(42.9) 4(50.0) 3(42.9) 3(50.0) 17(45.9)針穿刺 L3-4 8(88.9) 6(85.7) 7(87.5) 7(100.0) 6(100.0) 34(91.9)部位 L2-3 1(11.1) 0 (0.0) 1(12.5) 0(0.0) 0(0.0) 2(5.4) L4-5 0(0.0) 1(14.3) 0(0.0) 0(0.0) 0(0.0) 1(2.7)

平均値±標準偏差 ( ):%

*1:併用禁止薬の使用 *2:主要評価項目データの欠測

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

51

③有効性 a)Th10 の痛覚神経遮断効果

Th10 の痛覚神経遮断の作用持続時間の平均値は、0.5% 15mL 群 226.4 分、0.5% 20mL 群 302.5

分、0.75% 10mL 群 281.3 分、0.75% 15mL 群 290.0 分、0.75% 20mL 群 348.0 分であり、濃度、

容量に比して増加する傾向がみられた。Th10 の発現頻度では、投与容量が も少ない 0.75%

10mL 群が他群に比して低かった。Th10 の作用発現時間の結果から、20mL 投与群(0.5% 20mL

群、0.75% 20mL 群)が速やかに効果発現(12.5 分、12.0 分)する傾向がみられた。

Th10 の痛覚神経遮断効果 発現頻度 作用発現時間 作用持続時間

投与群 評価例数 a (%) 評価例数 平均値±標準偏差(分) 評価例数 平均値±標準偏差(分)

0.5% 15mL 9(7) 77.8 7 22.1±29.98 7 226.4±111.61 0.5% 20mL 7(6) 85.7 6 12.5±2.74 6 302.5±93.95

0.75% 10mL 8(4) 50.0 4 18.8±8.54 4 281.3±172.84 0.75% 15mL 7(7) 100.0 7 22.9±17.04 7 290.0±108.55 0.75% 20mL 6(5) 83.3 5 12.0±8.37 5 348.0±151.23

a ( )内:発現例数

b)L1、S3 の痛覚神経遮断効果 L1、S3 の痛覚神経遮断の作用持続時間において概ね濃度、容量に応じて増加する傾向がみ

られた。

L1、S3 の痛覚神経遮断効果 発現頻度 作用発現時間 作用持続時間 皮膚

分節 投与群 評価例数 a (%) 評価例数 b 平均値±標準偏差(分) 評価例数 c 平均値±標準偏差(分)

0.5% 15mL 9(9) 100.0 9 9.4±6.35 8 278.8±93.19 0.5% 20mL 7(7) 100.0 7 10.7±3.45 7 392.1±96.13 0.75% 10mL 8(8) 100.0 8 6.9±2.59 8 443.1±150.59 0.75% 15mL 7(7) 100.0 7 11.4±3.78 7 477.1±74.55

L1

0.75% 20mL 6(6) 100.0 6 10.8±5.85 6 444.2±221.57 0.5% 15mL 9(6) 66.7 4 15.0±10.80 3 240.0±13.23 0.5% 20mL 7(7) 100.0 7 15.0±5.77 7 327.9±137.81 0.75% 10mL 8(7) 87.5 5 21.0±8.22 4 371.3±126.32 0.75% 15mL 7(6) 85.7 6 18.3±4.08 6 486.7±168.48

S3

0.75% 20mL 6(6) 100.0 6 15.0±5.48 6 545.0±121.12 a ( )内:発現例数 b:手術中の欠測により作用発現時間が算出されなかった症例を除く c:手術中の欠測により作用発現時間又は作用消失時間が算出されず、作用持続時間が算出されなかった症例を除く

c)痛覚神経遮断の麻酔の固定時間、麻酔の減少時間 痛覚神経遮断の麻酔の固定時間(痛覚神経遮断域が 大になるまでの時間)・減少時間(痛

覚神経遮断域が 大から 2 分節減少するまでの時間)を表に示した。各投与群の麻酔の固定時

間は 25.8 分~45.0 分の範囲、麻酔の減少時間は 113.6 分~239.2 分の範囲であり、投与量に依

存したものではなかった。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

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痛覚神経遮断の麻酔の固定時間・減少時間 麻酔の固定時間 麻酔の減少時間

投与群 評価例数 平均値±標準偏差(分) 評価例数 平均値±標準偏差(分)

0.5% 15mL 9 40.0±40.70 7 113.6±99.82 0.5% 20mL 7 45.0±48.73 6 177.5±48.14

0.75% 10mL 6 25.8±17.44 6 239.2±122.08 0.75% 15mL 7 37.9±27.21 5 183.0±98.46 0.75% 20mL 6 32.5±22.30 6 232.5±189.62

d)痛覚神経遮断の麻酔の広がり 痛覚神経遮断の 大の麻酔の広がりを表に示した。頭側への広がりは、濃度、容量による依

存的な傾向はみられなかったが、C8 までの広がりがあった。尾側では S5 まで広がる症例が多

く、0.75%投与群においては 21 例中 18 例に S5 までの広がりが認められた。

痛覚神経遮断の最大の麻酔の広がり 投与群 0.5% 15mL 0.5% 20mL 0.75% 10mL 0.75% 15mL 0.75% 20mL 評価例数 9 7 8 7 6

C8 0 0 0 0 1 Th1 1 0 0 0 0 Th2 2 1 0 0 0 Th3 0 0 0 0 0 Th4 2 1 1 0 0 Th5 0 0 0 1 0 Th6 0 1 1 4 0 Th7 0 0 1 0 0 Th8 1 1 1 2 3 Th9 0 2 0 0 1 Th10 1 0 0 0 0 Th11 2 1 3 0 0

頭側

Th12 0 0 1 0 1 L1 0 0 0 0 0 L2 1 0 0 0 0 L3 0 0 0 0 0 L4 1 0 0 0 0 L5 0 0 0 0 0 S1 0 0 0 0 0 S2 1 0 1 1 0 S3 2 0 1 0 0 S4 0 0 0 0 0

皮膚分節

尾側

S5 4 7 6 6 6

e)痛覚神経遮断の経時変化 各皮膚分節を数値化し、遮断効果の上限及び下限について投与群ごとに各観察時間における

記述統計量を算出し、経時グラフを示した。各群とも 30 分までは時間経過とともに遮断域が

広がっていき、3 時間あたりから狭くなる傾向がみられた。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

53

第Ⅰ群

第Ⅱ群

第Ⅲ群

第Ⅳ群

第Ⅴ群

5 10 20 30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 24分 分 分 分 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間

C6C7C8Th1Th2Th3Th4Th5Th6Th7Th8Th9Th10Th11Th12L1L2L3L4L5S1S2S3S4S5

投与後時間

図 2 痛覚神経遮断の経時変化(Mean±SD) (PPS集団)

皮膚分節

0.5% 15mL0.5% 20mL

0.75% 10mL

0.75% 15mL

0.75% 20mL

痛覚神経遮断の経時変化

f)運動神経遮断効果 運動神経遮断の発現頻度、作用発現時間、作用持続時間、経時変化の結果から、0.75%投与

群(0.75% 10mL 群~0.75% 20mL 群)が 0.5%投与群(0.5% 15mL 群~0.5% 20mL 群)に比して

治験薬の効果が強く発現する傾向がみられた。

運動神経遮断効果 発現頻度 作用発現時間 作用持続時間

投与群 Bromage Scale 評価例数 a (%) 評価例数 b 平均値±標準偏差(分)評価例数 c 平均値±標準偏差

(分) 1 以上 9(3) 33.3 3 16.7±5.77 3 303.3±140.12 2 以上 9(2) 22.2 1 10.0 1 15.0 0.5% 15mL

3 9(0) 0.0 0 - 0 - 1 以上 7(3) 42.9 3 13.3±5.77 2 270.0 2 以上 7(1) 14.3 1 15.0 1 285.0 0.5% 20mL

3 7(1) 14.3 0 - 0 - 1 以上 8(6) 75.0 4 18.8±7.50 4 371.3±62.90 2 以上 8(5) 62.5 3 45.0±25.98 3 295.0±60.62 0.75% 10mL

3 8(1) 12.5 1 20.0 1 250.0 1 以上 7(5) 71.4 5 16.0±8.94 5 482.0±143.42 2 以上 7(4) 57.1 3 55.0±56.35 3 325.0±237.85 0.75% 15mL

3 7(2) 28.6 1 120.0 1 360.0 1 以上 6(5) 83.3 4 18.8±2.50 4 491.3±124.52 2 以上 6(3) 50.0 3 33.3±23.63 3 506.7±117.30 0.75% 20mL

3 6(2) 33.3 1 60.0 1 300.0 Bromage Scale 1=足を伸ばしたまま上げることができない(ただし、膝は曲げることができる)。 Bromage Scale 2=膝を曲げることができない(ただし、足を動かすことは可能)。 Bromage Scale 3=足首を曲げることができない(足や膝を動かすこともできない)。 a ( )内:発現例数

b:手術中の欠測により作用発現時間が算出されなかった症例を除く

c:手術中の欠測により作用発現時間又は作用消失時間が算出されず、作用持続時間が算出されなかった症例を除く

Bromage Scale の記述統計量を投与群別に求め、運動神経遮断の経時変化を図に示した。各群

とも 1 時間あたりまでは遮断が広がっていき、その後狭くなっている傾向がみられた。また、

投与群と経時的な運動神経遮断の強さに用量依存的な傾向が認められた。

(平均±SD) 平均値±標準偏差

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

54

運動神経遮断の経時変化

g)痛覚神経遮断及び筋弛緩の満足度 痛覚神経遮断の満足度において 0.75% 15mL 群(85.7%)、0.75% 20mL 群(83.3%)で高い満

足度が得られた。筋弛緩の満足度は、50.0%~66.7%の範囲内であり、投与群間に臨床的な差は

ほとんどみられなかった。

満足度 区分 投与群 非常に満足であった 満足であった まずまずであった不満足であった 計 判定不能 満足率(%)

0.5% 15mL 3 1 2 3 9 0 44.4 0.5% 20mL 3 2 2 0 7 0 71.4

0.75% 10mL 2 2 3 1 8 0 50.0 0.75% 15mL 4 2 1 0 7 0 85.7

痛覚神経 遮断

0.75% 20mL 3 2 0 1 6 0 83.3 0.5% 15mL 2 4 1 2 9 0 66.7 0.5% 20mL 1 3 1 2 7 0 57.1

0.75% 10mL 1 4 1 2 8 0 62.5 0.75% 15mL 2 2 2 1 7 0 57.1

筋弛緩

0.75% 20mL 2 1 2 1 6 0 50.0 満足率:「満足であった」以上の割合

h)手術施行に対する評価 0.5%20mL 投与群、0.75%15mL 投与群及び 0.75%20mL 投与群において 50%以上の著効率が

認められた。

手術施行に対する評価 投与群 著効 有効 やや有効 無効 計 判定不能 著効率(%)

0.5% 15mL 3 1 3 2 9 0 33.3 0.5% 20mL 4 2 1 0 7 0 57.1 0.75% 10mL 2 4 0 2 8 0 25.0 0.75% 15mL 4 3 0 0 7 0 57.1 0.75% 20mL 3 2 0 1 6 0 50.0

著 効:本剤のみ、または鎮静薬の投与により手術が可能であった。 有 効:鎮痛薬を併用することによって手術が可能であった。 やや有効:局所浸潤麻酔を併用することによって手術が可能であった。 無 効:治験薬による遮断の効果が認められず、他の麻酔法に切り替えた。 判定不能:中止あるいは脱落などの理由により判定が困難であった。

0

1

2

3第Ⅰ群

第Ⅱ群

第Ⅲ群

第Ⅳ群

第Ⅴ群

10 20 30 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 24分 分 分 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 時 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間 間

Bromage Scale

運動神経遮断

投与後時間

図 3 運動神経遮断の経時的変化(Mean±SD) (PPS集団)

~ ~~~

0.5% 15mL0.5% 20mL0.75% 10mL0.75% 15mL0.75% 20mL

(平均±SD) 平均値±標準偏差

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

55

④安全性 a)有害事象・副作用 本治験で観察された有害事象は合計 21 例 40 件であった。高頻度に観察された有害事象は悪

心 8 例 9 件、血圧低下 8 例 8 件、嘔吐 4 例 4 件、尿中ブドウ糖陽性 4 例 4 件などであった。各

投与群の有害事象発現率は 0.5% 15mL 群 60.0%(6/10)、0.5% 20mL 群 50.0%(4/8)、0.75% 10mL

群 25.0%(2/8)、0.75% 15mL 群 62.5%(5/8)、0.75% 20mL 群 57.1%(4/7)と用量依存性は認

められなかった。有害事象の程度は、軽度 16 件、中等度 24 件であり、死亡例は認められなか

ったが、重篤な有害事象(0.5% 15mL 群:呼吸抑制、治験薬との因果関係は「関連ないともい

えない」)が 1 例 2 件認められた。

副作用は合計 8 例 14 件認められた。その内訳は、血圧低下(5 例 5 件)、悪心(2 例 2 件)、

呼吸抑制(1 例 2 件)、嘔吐、洞性徐脈、悪寒、鼻閉、出血が各 1 例 1 件であった。副作用発

現率は、0.5% 15mL 群 40.0%(4/10)、0.5% 20mL 群 0.0%(0/8)、0.75% 10mL 群 12.5%(1/8)、

0.75% 15mL 群 12.5%(1/8)、0.75% 20mL 群 28.6%(2/7)であり、用量依存性は認められなか

った。

重篤な有害事象の経過

【呼吸抑制 因果関係:関連ないともいえない】

識別コード 001※ (60 歳女性、14 cm、5 kg)の被験者は、右膝関節軟骨損傷に対する手術

時の硬膜外麻酔として 20 / / 、9:20 より L3-4 間から 0.5%レボブピバカイン 15mL が投与された。

手術開始前、痛覚は低下していたが、膝屈曲時に疼痛を訴えたため、プロトコールに規定の効果不

十分の対応として、10:25 にクエン酸フェンタニル 100µg を投与した。投与 5 分後(10:30)より、

無呼吸、酸素飽和度 72%と低下したため、下顎保持、酸素投与を行い 10:50 に呼吸数は 16 回/分に

回復した。11:02 に再び疼痛を訴えたため、クエン酸フェンタニル 100µg を投与した(25µg ずつ 2

分間隔で投与)。約 6 分後(11:08 頃)より 3 分間の無呼吸を認めたため、気道確保、酸素投与を

行った。その後約 40 分間呼吸数は 10 回/分以下であったが、11:51 には呼吸数が回復した。

痛覚神経遮断域:投与後 30 分(9:54):右側 T5-S1、左側 T5-S3

投与後 1 時間(10:24):右側 T4-T10、左側 T5-T10

(T11 以下は術野のため不明)

投与後 1.5 時間(10:54):右側 T2-T10、左側 T4-T10

(T11 以下は術野のため不明)

投与後 2 時間(11:24):左右とも T1-T10

(T11 以下は術野のため不明)

投与後 2.5 時間(11:54):右側 T4-T10、左側 T6-T10

(T11 以下は術野のため不明)

投与後 3 時間(12:24):右側 T4-S1、左側 T7-L5

効果消失:右側投与後 7 時間、左側投与後 8 時間

手術時間:20 / / 10:33~12:01

※:新薬承認情報提供時に置き換え

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

56

有害事象 0.5%15mL

(N=10) 0.5%20mL

(N=8) 0.75%10mL (N=8)

0.75%15mL (N=8)

0.75%20mL (N=7)

すべての

有害事象

関連の

否定

できない

有害事象

すべての

有害事象

関連の

否定

できない

有害事象

すべての

有害事象

関連の

否定

できない

有害事象

すべての

有害事象

関連の

否定

できない

有害事象

すべての

有害事象

関連の

否定

できない

有害事象

有害事象発現例数 6 4 4 0 2 1 5 1 4 2 (60.0%) (40.0%) (50.0%) (0.0%) (25.0%) (12.5%) (62.5%) (12.5%) (57.1%) (28.6%)有害事象発現件数 14 8 5 0 3 1 11 2 7 3

神経系障害 頭痛 1 1 (12.5%) (12.5%) 心臓障害 洞性徐脈 1 1 (12.5%) (12.5%) 血管障害 出血 1 1 (10.0%) (10.0%)

低酸素症 1 1 (12.5%) (12.5%) 鼻閉 1 1 (10.0%) (10.0%) 呼吸抑制 1 1

呼吸器、胸郭およ

び縦隔障害

(10.0%) (10.0%) 胃腸障害 悪心 1 1 2 3 1 1 1 (10.0%) (12.5%) (25.0%) (37.5%) (12.5%) (14.3%) (14.3%) 嘔吐 2 1 1 1 (20.0%) (10.0%) (12.5%) (14.3%)

発疹(Rash) 1 皮膚および皮下組

織障害 (12.5%) 1 筋骨格系および結

合組織障害 背部痛

(12.5%) 悪寒 1 1 全身障害および投

与局所様態 (14.3%) (14.3%)臨床検査 1

血中ビリルビン増

加 (10.0%) 1

血中乳酸脱水素酵

素増加 (14.3%) 血圧低下 4 3 2 1 2 1 (40.0%) (30.0%) (25.0%) (12.5%) (28.6%) (14.3%) 尿中ブドウ糖陽性 2 1 1 (20.0%) (12.5%) (12.5%) 白血球数増加 1 (14.3%) 因果関係「関連なし」以外のものを関連の否定できない有害事象として取り扱った。 MedDRA/J8.0 で集計

b)臨床検査値・バイタルサイン 異常変動と認められた臨床検査値は「尿中ブドウ糖陽性」4 件、「血中ビリルビン増加」、

「白血球数増加」、「血中乳酸脱水素酵素増加」各 1 件であった。治験薬との因果関係はいず

れも「関係なし」と判定された。投与前後の平均値の比較では、統計的に有意な項目が認めら

れたが(p<0.05:Wilcoxon1 標本検定)、いずれも臨床的に問題となる変動ではないと考えら

れた。また、血圧と脈拍についての変動も、統計的に有意な時期が認められたが(p<0.05:対

応のある t 検定)、用量依存的な傾向は認められなかった。心電図については、モニター心電

図異常が 5 件観察され、そのうち 1 件は有害事象「洞性徐脈」(関連ないともいえない)と判

定された。

c)概括安全度 安全率(「安全である」の割合)は 0.5% 15mL 群 60.0%、0.5% 20mL 群 100.0%、0.75% 10mL

群 87.5%、0.75% 15mL 群 87.5%、0.75%20mL 群 71.4%であり、投与量に依存したものではなか

った。

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2.7 臨床概要 2.7.6 個々の試験のまとめ

57

概括安全度

投与群 安全である

ほぼ安全である

安全性に問題がある

安全でない 計 判定不能 安全率(%)

0.5% 15mL 6 0 4 0 10 0 60.0 0.5% 20mL 8 0 0 0 8 0 100.0 0.75% 10mL 7 0 1 0 8 0 87.5 0.75% 15mL 7 0 1 0 8 0 87.5 0.75% 20mL 5 1 1 0 7 0 71.4

安全である:副作用なし。 ほぼ安全である:副作用を認めたが、無処置で改善した程度。 安全性に問題がある:副作用を認め、何らかの処置が必要であった程度。 安全でない:副作用により治験の中止が必要であった、又は中止すべきであった程度。 判定不能:副作用以外による中止あるいは脱落などの理由により、十分なデータが得られず安全性評価が

困難であった。 安全率:「安全である」の割合

⑤薬物動態 血漿中未変化体濃度は 0.33~0.50 時間で Cmax に達し、9.7~16.2 時間の T1/2 で血漿中より消失

した。クリアランスは 14.0~17.9L/hr であった。Cmax 及び AUC は用量の増加に伴い増大する傾

向を示したが、用量依存性は明確ではなかった

血漿中薬物動態パラメータ

投与群 評価 例数

Cmax (µg/mL)

Tmax (hr)

T1/2 (hr)

CL (L/hr)

Vd (L)

MRT (hr)

AUC0-th (µg・hr/mL)

AUC0-∞ (µg・hr/mL)

0.5% 15mL 10 0.868

±0.323 0.325 ±0.237

11.2 ± 5.9

14.0 ± 4.2

205 ± 77

10.5 ± 5.6

5.338 ±1.538

5.896 ±2.095

0.5% 20mL 7 0.881

±0.311 0.357 ±0.134

11.8 ± 5.6

15.1 ± 3.8

255 ±114

10.8 ± 5.7

6.398 ±1.548

6.916 ±1.516

0.75% 10mL 8 0.722

±0.162 0.344 ±0.129

9.7 ±6.2

15.7 ± 5.4

201 ± 96

9.4 ±5.6

4.936 ±1.103

5.205 ±1.520

0.75% 15mL 8 0.987

±0.195 0.500 ±0.327

10.0 ± 5.9

17.3 ± 3.7

232 ± 91

9.6 ±6.3

6.273 ±1.045

6.768 ±1.483

0.75% 20mL 7 1.055

±0.435 0.429 ±0.278

16.2 ±12.9

17.9 ± 8.3

312 ±113

17.4 ±17.0

7.917 ±2.382

1.0705 ±6.181

平均値±標準偏差

(3)結論 有効性評価項目において、主要評価項目である「Th10 の痛覚神経遮断の作用持続時間」では、濃

度及び容量に応じて効果が増強する傾向がみられ、運動神経遮断効果では、高濃度群(0.75%)に

おいて効果が強く発現する傾向がみられた。また、0.75% 15mL 群及び 0.75% 20mL 群はいずれの評

価項目に対しても至適用量と考えられる結果であったが、Th10 の作用発現時間において 0.75%

15mL 群が 22.9 分であったのに対し、0.75% 20mL 群は 12.0 分とより速やかに効果を発現する傾向

がみられた。

安全性評価項目では、重篤な有害事象が 0.5% 15mL 群で 1 例認められたものの、投与群と安全性

評価の諸項目(有害事象・副作用、臨床検査値、バイタルサイン、概括安全度)には用量相関的な

傾向は認められなかった。

これらの結果を総合し、有効性及び安全性を考慮した推奨用量は、濃度 0.75% 容量 20mL と結論

した。