15
キンギョのメ -・ VJ 師事 - 実験 2 J I 頂応下における分光特性 目的 ω0 m までにわたってキンギョの分光感度特性曲線を測定し,その何ら タが微小分光光度計法によって求められたキンギョのt. t1 の吸収スベクトルと一致するかどうかを吟味する。 ( selectI ve a ptation) の手法によって ./ (91)

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キンギョのメ

-・マVJ

師事

-・・

実験 2 色JI頂応下における分光特性

目的 弁別符をJì]l 、て , 亦および 147の色光のJI~iJJt~条件で. 校長 4 1 0n ln カ

ら ω0口m までにわたってキンギョの分光感度特性曲線を測定し,その何ら

タが微小分光光度計法によって求められたキンギョのt.t1~"~ít(

の吸収スベクトルと一致するかどうかを吟味する。

( selectI ve a出 ptation)の手法によって、../

( 91 )

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F

- 2 -

クトルを行動的なレヘルにおいて分離する乙とを目的とする。

装置 図 1,C,光学系と弁別箱の配置を示す。光源はタンクステン ・ノ、ロ

ケンランフ (45W 事 6.3V)を用いた。単色光は Shimadzu-Bausch& Lomb

の回折格子型強ノJモノクロメータによって得た。モノクロメータの入口スリ

yトI1]は5.36mm,出口スリットrlJは1.50mIllo モノクロメータ (図 1,Cおける

MONO)の出口スリットと訓練用弁別箱の単色光刺激提示面との間Kは50

cmの距離かあり ,その聞に,NDフィルター (ND-F),コンデンサレン

ス‘(L),チョ ッハー (Ch),ダイアファラム (D)を図 1'C示すよう に配置

した。

P町)J

MONO P

L ch Di CHO k:>ET

Fig. 1. Diagrammatic representation

of optical system and appa ra tu~.

NDフィルターは Kodak社のゼ、ラチンフィルター (WrattenNo. 96)

で, 1つのフィルターは ビームの強伎を粗 く調整するために用い, もう 1つ

のフィルター は アルミ板の円板'C11枚の NDフィルターを 0.2logの

ステッフで円形状に配し, ビームの強度の微調整用に使用 した。コンデンサ

レンズは平行光をもたらすよう に位前づけ られ, チ ョッハ ーを動かす乙と に

よってダ イアファラムにあ る2つの正万形(一辺の長 さは10mm)の窓を通じ

て,弁別箱の左右 どちらか一万の刺激提示面K単色光を提示する ζ とを可能

にした 。モノクロメータからの光エネル ギーは 真空熱電 対放射 計

(RMD -1, EI本分光) によ って測光さ れた (その分光分布は,すでに第 1

報科の|刈2'Cぶしたので乙ζ では省時する )。

11頃応光は, スライドプロジェクター(ス ーハーキャビンE型)によ って得

た。フ ロジェクター(図 1における PROJ)は,弁別箱の前方30cmの距離

に図 1P:ぶすようにイ'J:i~'I: した。 11頃応光とモノ ク ロ メ ータからの平行光とのな

す anεula r sepa ra tionは約450

であった。

キンギョを光に条件づけるための弁別箱は, Mackintosh & Sutherland

(1965) によ って考案された装-置l乙ヒ ン トを得てつくられた。すなわち,長

( 92 )

• ~-

.. 』

句・ω

、.

-・・、

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キンギョの分光感度特性 (11) - 3 一

cm, r1J24cm,深 lさ 28cmの本槽で~ (J色の硬質塩化ビニール板を挿入する

乙と lζより, /Jく梢内部11ζ2つのコンパートメントを作った。 1つのコンノ、ー

ントは ,試行と試行の合聞に魚を拘留しておく窓 (図!における

り骨その大主さは13x 24 x :28cmで、あった。もう _"万のものい,

を選択する室(図 111乙おける C/-IO)で.そlの大主きは27

24 x 28cmで‘あった。これら 2つの室を分離する出化ビニール板の中央l乙

爪附の底から上万14cmのと乙ろを中心にしてt(:{径 6cmの円形のプてがあけら

1 . そ乙{乙ギロチンドァがとりつけられた。魚は, ギロチンドァの開閉 I~r.d: 7ζ |の円窓を通って自由民 2つの室を往来する乙とができた。

色順応光の提示而は '. 黒色のアルミ板lの Ji~'央部氏 , [.t':(筏 3cmの円を隣接し

て 2個穿孔し.それにトレーシングペーハーを張付けたもので,乙れを水:憎

の正面 (図 1Iにおける光学系民接した而)にとりつけ悶定した。乙れら 2個

の順応光提示而の |中央部の高さは , 水梢lの底から上プ~~j14cmのと乙ろに位iR し

た。したがって. ギロチンドァがとりつけられた円窓の中心と 11頂f~光促ぷ耐

の中心とは水梢の底から同一の高さに保たれた。さらに,乙れら 2つの順応

光提示面・のr4:1flij ([( (符.3cmをもっ 2円の端がお互に隣接する部分),乙.,{I:切

浮としてr1J3.5cm,高さ 28cmの黒色の硬質出化ビニール板(図 1における ];))

が|設iRされた。したがって,順応光の提示ltiiは,仕切墜をlい心にして左右両

側にそれぞれ円形をなし.モノクロメータからの単色光は,ダイアファラム

を通って一辺10mmのiE方形の形状をなして乙の円形の順応光のjj乙光学的K

5み夜ねられる乙と Kなった。

/1頂応のための色光は.:Kodak社のカラーフィルターと 1'/1)フィルんー

とを組み合せる乙とによってねた。 2締獄の順応光を佐川した。 1つは i111色

(No. 47B) で弁別箱の54示前iでの強度は約 3511'¥¥'/ c n1'であり , もう lつ

は濃い亦色 (No. 2的で約 O.7.fL¥V /crn'であった。

魚をIII色光i乙条件づけるために.左右rihj側のj順応光54示rf1iの中央部よりや

下側l乙,小さな自Jiおけを 1つずつ取付けられた。餌おけは灰色の出化ビニ

ール駁で・つくられており .その形はIrtJ 1. Ocm,一辺のi返さ 1..2cmの 2等辺三角

形からなる喫砲をしていた。餌おけの傾斜耐には凹型のくぼみがあり ,その

rll ,乙 ピンセットを依って市販の観賞魚則ベレッ卜が人れられた。ベレット 1

立の軍さは,平均 :2mgであった。餌おけの(!~]の深さは,会(lがギロ チンドァの

と乙ろから餌おけを観察しでもはlいっているぺレットが見えなし、ほど十分に

深くされた。

( 93 )

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- 4 -

手続 すべてのキンギョは,最初,明室におかれた弁別箱の餌おけから餌

を食べるように訓練され,次~C,暗室において色順応光だけを提示した条件

のもとで同じ訓練が行われた。最後iζ,順応光と単色光の同時提示のもと

で,測定さ れるある 1つの波長について,その波長のもつ最も強い光刺激K

矯正法により条件づけられた。学習基準は, 10試行連続正反応。試行間の間

隔時間は約30秒。光刺激の提示順序は Gellerman系列Kより 4試行連続同

側にな らないよ うに了.夫さ れた。乙の原学習がうえの学習基準に達するとた

だちに,次のような上下トラ ッキング法によ って関前の測定がなされた。す

なわち,魚が測定波長のある強度の光刺激に対して 2同連続11:反応を行なう

と,その刺激強度を 0.2jog単位でもって減じる。 もし魚が誤反応、をすれ

ば,ただちに同量の強度を土台す。乙の手続は,円形状i乙配Wtされた NDフ

ィルターの間転板を白!す乙とによって容易になされた。乙のテスト試行は

50,.._ 80試行続け ζれた。その他の手続は原学習の訓練試行と川じ。

実験動物は市販の体長13cm前後の和金 2匹 (以下,ζれらを G1, G 2と

rry・ぶ乙とにする)。実験は, 2匹とも,最初青JI民応光のもとで校長 690nm

より 510nm の万伯Ú~C 20 nmステッフで10個所,次に濃いぷJI民応光のも

とで 550nmより .410 nmの万向に 20nmステ ッフ で8個所の順序で行

った。 関似の測定は 1日1校長を原則とした。水品11は実験中20,_220

Cに保た

れた。関仙の計算は,反応の移行点にもとづく方法と精神測定関数にも とづ

く方法との 2つで行ったが, ζれら 2つの万法による結果には街意な差が

認められなかったので, ζ 乙では精神測定関数によって求めた闘舶の結果を

採用する。

u

z

u

J

H

H

、rAPZ引?ι'MZHH

u

-凶沼g

••

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BO

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2uututト

UMEEOU

結 果

テスト試行における実験結果の 1例を図 2'C示す。横路標にはテスト試行

の回数をとり,縦座標i乙は光学的濃度(optica 1 density)か日感 つで ある 。

図 2の反応ノ ¥1ターンは,すでに 公表さ れているカメ (Muntz & Sokol

(1967): や魚 rudd(Northmore (1968)ノ の反応ノ¥ターンに似ているのみ

ならず,人闘を用いた精神物理的実験のテータ たとえば, ('orn~weet

(1962), ~rl月 ( 1969 )J と酷似υているのか印象的である 。

各校長ーに対する光覚関 本実験においては,Wl分閥 (incrementthres-

hold)の算出になるJを求めるために,正規確率紙において横放校i乙光学的

濃度をとり,縦座標、'[11:反応、のハ一セントをフロ ットしたグラフカ刊し、られ

i出山

'トi

品弘

μ川

( 94 ) •

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一5 、‘JI

va--,

守EEA

,,E‘、-

キンギョの分光感度特性

ADAPTATION(Kodnk. No.26) RED G 1 1.0

1.4

1.8

450nm

2.1

50 ゐ030 20 10

1.0

530吋 n

21.

2,8

3.2 切40 30

TR凶LS20 10

T'he sVlnbol nda pt ation. red at ~\'avclength n t、vfor 。rdtlng T 9 Fig.

T

日 rrectreSlx)nSe and“一"incorrectres!め nnts repr +

Blue adapted Gl 99

• ーーー・ー

++ ++ ++

+ー++ ++ ++ ++ ++ ++ ++ ~ー++

+一一++ー++ー++++ ー ++ ー ・曲 一++ー

2.6

〉トー 3.0 あZ 12 w o 1.6ト-++

-t+ ++ ++ ++ +一 一 ++ ++ ++ ++ +

++ +ー++++ー++ー++ +ー++一 一 一 一+一

+ー

* VIP-↑

dnunununununununu

nヨ

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J

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οd↑Z凶

υαωa↑υ凶ggoυ

10

5

DENSlTY ト一一--t0.4 t句

aclaptcltion. l~hr(同・lengths (Il blu 、,¥'(1、lon tcn fUllctions for C; 1 Psvchornetric 3 Thesymbol 75 percent ~een. required for l nlens11〉relativ de抗ned e.)S the log

Fig.

hold i~

~xcl\.)ded f rOln d川 aanalysi‘・‘,,.‘

、za-----》,a

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,,‘ -B‘

l

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EO

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-E

・‘nt~ repr

• '

vs q0

・z‘‘

iE反応のハ一セントは,テスト 11試行においである一定の強さをもっ単色

光l乙対する正反応数を全試行間数で割ったものである。すなわち,図 2にお

縦144際の各刺激強度ごとに "‘十円反応の個数 Jを全テスト |試行を通じて

総計し,それを全テストi試行回数で割った舶が各強度l乙対する(.[反応のノ

た。

て一

かく~I を 54や解析の結果の l例を図3(乙示す。

9!5

アー乙のよう丈卜になる。セン

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- 6 -

すくするために,データのプロ ットは横座標に沿って適当にずらしである。

関値は図中の75%正反応に対応する刺激強度と定義した。データ点を結ぶ!汽

線は自の乙で引かれている。したがって,関値は乙の直線と75%正反応との(注2)

交点に位置する刺激値である。図中にある星印 (530nmの最強刺激)の刺

激は,闇値を歪ます危険があるためデータ処理から除外された。プロットさ

れた実測値を結ぶ直線 (精神測定関数)の形は, Thorpe (1971) によ って

求められたものとほぼ一致する。

乙のようにして グラ フ解法から求めた閥値は魚の角膜上における伯であ

り, 自の ocularmediaの特性を考慮していない。 したがって,網膜上での

閥偵を推定するために, Burkhardt (1966) によ って測定されたキ ンギョの

ocular mediaの相対分光透過率によ って各値を修正した。 分光感度の値は,

乙の修正された関値の逆数と定義した。

図 4,Cは赤JI頃応の条件下, 図 5,乙は青JI頃応の条件下でのGlとG2の分光

A』

v

t

叶,

4AI

、f』「,、,

F'IF荒川引

7h川宮

川川刷、〆

-lFd、14M出MH駒市川》《什》14

A-

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〉ト一〉一ト一

ωzωωω〉一ト《」凶

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-r、B凶・,,AW

--REF--

¥tS revrf

6~5 nm

~~1ral ! 。

Red adapted

o G 1

・G2

0

h

hh内川,知町|札制札匂札町川

崎引円、

'

1i

仏判

。英

語言内

GK足

x

h叫

400 450 5∞ WAVELENGTH (nm)

550

Fig. 4. Log rela tive 切 nsitivityfor G 1 and G 2 at red adaptation. The solid curve

represents the microspectr叩 hotometric da ta ! Ma rks (1965)) with the pωk wave-

lenght 455 nm.

( 96 ) •

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一7 、、,aJ

'aaza

va置且--の分光!長!笠特例ノ

l、

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G1

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伝-心10Z 比jIIf)

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凶〉一ト《

JUZにつ10 _J

100 550 600 650

WAVELE'NGTH (,nm) 5010

-2.0

lid cur.

and run

adaptation. Th

5) 'v..,ith 530

t blu

arks (1

2 1 and 一ra、.,,.、

••• nSluvlt

ric dal.a pectrophotonl

relali~

th

Lo 5 112

htalned :riJnentaH、j‘

•• ,

・圃峰

'圃圃咽

&置岨もnt repr dotted cu:rv h~ Th

nllcr

peak wave'len

ot

ha nisnl. 'In con nS,l(IVI

log

万わら,図 4でl

のと乙ろの感1!t'ゐ

30日m

3対感度を表

図5では波長

凶の。

Ify~ らかなように[刈から

n'ln,

である。

とで得ら

5

nnl 5

で求めた

体同じ傾向をあフ。

る明所説の条例'f17i乙いて

2の摂,Ij

円鋭{

ョのノって測定

行している。 図 4,乙

5)の微小分光光度計l乙

i7Bi.lえ側へ

ar:ks (1

約 20nm

24果l

れた分光感度にい,

ぷ錐(本受容器の

55 nrn) を表わす。

るため,JJミ順応光の' l~

えよう。

とで得

)."凶Jスペクトル

530 nnl と30口m

( '97 )

25 nnl a

げ a'l

の附近i乙

判:lijh線のピーク波

データ点の!日!を通る

?こ

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さi・

れら

8

吸収スヘクトルのピーク波長を,後者は緑錐体受容器のそれを,それぞれ表

わしていると考えられる。図中l乙描かれている実線のカーブは,図 4におけ

るのと同様, Mark5 による吸収スペクトルを表わす。すなわち,緑錐体

の吸収スペクトルは ピーク波長 えma.r == 530 nmをもち, 赤錐体のそれは

えma.r== 625 nmである。 乙の順応条件のもとでは, Gl,G2の分光感

度は吸収スヘクトルと一致しない。特iζ,赤錐体の吸収スヘクトルは,観測

値よりも広い帯域幅を示す乙とが注目される。欧|中の点線については,のち

'

l乙論述する。

一宇和tw

ニF

i

e

-

,r・・

υφお7・

考察

明所視のもとで求められた分光感度 (photopicspectral sensitivity)は,

分光的に明確に異なる若干の下位の系の出力によって決定されるかどうかが

常に問題になる。 ζれらの下位の系が 1つの明順応機能を生むためには,次

の2つの乙とが仮定されている。すなわち, 1)各下位の系はそれぞれ固有

の分光感度と重みづけ係数をもっている, 2)任意の波長に対する下位の系

の出力は,その波長に関する系の感度と重みづけ係数の大きさとの積によっ

ー、ιnvFFAH也NH弐U山

wm川

d

てきまる,の 2つである。

一般に加算モテψル (additivemodel)と呼ばれるものは,視覚に関する心

理物理的な文献に散在している。乙のモデルでは,下位の系は各波長におい

て線形的に加算操作する乙とが仮定されてしミる。加算モ デルは次のように定

式化されている。すなわち,

T,、、JT,とV

へd、司、、,、

k O

-b

V). ==rRぇ+gG).十bB).

乙乙で, vえは波長Jの光の相対分光比視感度を表わし,Rぇ, GぇおJび B). は汲'長えにおける 3つの下位の系の相対分光感度特性合表わす。 r,

gおよびbは Vえに寄与する各下位の系の重みづけ係数である。いままで

の諸研究から, R). ,ら および引は,事実上は 3種類の錐休に在る色素

の吸収スペクトルで、ある乙とが暗々lIHr.示唆されてきている。

Wald (1964)は,乙の加算モデルを用いて人間の明所視比視感度関数を

うまく説明している。キンギョの分光感度について言えば, Burkhardt

(1966)は ERG,r.もとづく感度曲線に加算モデルの適用を行い,モデルか

ら予想される理論的な曲線があまりにも広い帯域を呈する乙とを見出したた

( 98 )

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ンキ ョの分光!創立特性 (1 J ) 一

ム彼は錐体党谷協の市朗セ l~]ミG 民連結する機制 (couplingrnechan・

ism)は加算モテソレから示唆される操作ははしたがわな lいのではなt、かと tJ

い.乙のモデ・ルl乙挺聞を投げかけている。しかしー加算モデ、ルを支持する研

究もある。 )'ager (1967哩 1969)は,明所視と陥所視の条件のもとで,フ

ー土ヘラン 1ト条件づけの手法によってキンギョの分光感度曲線を求め,乙

1らの闘総は加

horpe (1'971)

1われの

ζよって

Bぇl乙{

をJt]t、ないで

ノモグラム色よの

ヘクトルの

1.00 Z '100

Q 90 トー。回α 80

UO 370

∞ <{ 160

芝 50コ茎 4'0:>< 霊:30

ILL 20 。10

,0 l-。hh |。26 25

デルによって適切に記述される乙とを見出している 0

2 Yager と川じ方法によって実験を行い,fGられた分光

ァルl乙 て十分に説明されるとしている。

別所視の分光!毒庄が 11ii己の1Ju't?

引乙説明されるかどうかが考'察された。その際, J~ ,). " G).

小分光光度計法による吸収スベクトル fMa:九(1965)

a rtna 11 (1 '953 )のノモグラム色ぷを採fllした。しかし ,

24 23

んIllJJ-) は微小分光光度計法による吸uvヌ

うl乙選ばれた。したがって, liUのえ

WAV,ELE,NGTH (nm) 6150 7∞750800

22 21 20 19 18 17 '16 15 14 13 12xl03

WAV:E NUMBER (crn')

."'lig. 16,. :Oa rlna H non1og宮:r問r悶arns for 巴old p ~ignlenl.s. Pcak

55 nnl f or J~ i. . wa velength for l~ ,). i 25口nrn叱1,事 530rnn for (む;Aaa剖n町M1虻叫仁dl

99 )

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札川駅

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爪川町

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(/) -1.0

比』〉

ト-q d-15 巴

えっO ...J -2.0

4《け

VFFAH也WH-nv品川町

m凶d

、ゃ,‘、lwT4-vベdw、T'h

700 650 500 550 600

WAVELENGTH (nm) 450 400

Fig. 7. Photopic 、 pc<:tral 、en~itjvlty f()r goldfish. The solid curvρrcprcs-

ents the re~ult~ In the previous experi町 nt:Ueno (1974) The d州 ed

curve repre~enis the lheoretlCal curve predirted f rom the addJtlve 01 cKicl,

whlch ha ~、 three sub-system~ ..,ho¥¥ln in Fig. 8.

nza.r は 625nm, G、えは 530nm, Bえは 455nm

ラム色素の分光分布を図示すれば図 6のようになる。

た係数の大きさは , r = 0.065, g=-O. 279 およひ

(r+g+b=l ,乙なる ように正規化すれば,r : g : h : O. 078 : O. 338 :

0_ 584)。係数i乙関する乙れらの数値とノモグラム色葉、の特性!日:l線カら予;告

される Vえの原論曲線は, 図 7における実線が示す通りである。

以上の長校長領域において,加算モテりレカ・ら予測される.f!JJ r論似と仰がIJ値との

聞のズレが若しい。

乙の結果は,加算モテツしに疑義を投げかける。加算モデルにもとす〈舟!論

曲線が 600nm 以上のデータと適合しない原因として,J勺, (;).およ v:Bえに使った吸収スペク トルの妥当性が上げられる。本実験においては, 図

4と図 5'e示 されているよう l'ζ,JI頂応光は BえとどjJ のIiE動フ、ペクトル伝

一応分|離するのに効果があ ったといえる。問題は Rえである。図 5におい

ピーク波長臼onm 寄与もつ観測された分光感度分布は,赤錐体受作~ð・

となり ,ζ れらの ノモク

政小 2乗法で指定され

てあーったb=ー:0482 L O

ゐBAH-

'B

・l

i

p-

tLHH

600 nm

て,

( 100 )

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かえCように

るかiζ狭い。われ

ると考える。加

の吸収スヘクト

ン 分光!創立特ド1:(11 11 -

映している と考えられる。しかしながら.閃から明

白のと る波長拙域はf¥1arksによ る吸収スベクトノ

1 ('cI '. 乙のJ庶民加算モデル i乙 Jl~ l、た lら の不適切さカ

アルの起小限|の修正として, JJJ lζノモグラム色

jしないでl'実験的l乙求められたぷ錐体受容掠の活動

スヘクトル舎使うのが 1つのやり fjであろう。 図 5lζおいてtitiかれている点

の分光分イTjは,乙のような視点から実験的l'乙導出した l勺 である。乙の

RAを IGlと BAのノモグラム色素の分光分布と比較するために作られた

が図18である。 RAの占める時域幅は明らかに狭くなっている。

WAVELE,NGTH (nm) 4'00 ,450 500 550 600 650 '70'0 750800

Z l'OO

9 910 トー

生80。lf) 7'0

∞ "<t: 160

芝50コ

芝 ,40

'>(

~ :30 芝

LL. 20 。1 0

句-、。、

0 12 xl03

2,6 25 24 23 22 :21 20 19 '18 1 '16 1'5 11. 1

'WAVIE NUMBER ( crnl )

T",o l)aJrtnaH nornogranl~ and on pen川l日川I口rncn川tel日川1バl仏I p.lgnlenl cur¥1

r町)Id品shcone pignlenL'i.

図?における点線は,図 8,乙示すような分光特性をも っ J~~ , ,G~

び BA67自iJ述、の加算モ デルi乙代入する乙とによ ってモ デルから予測される

聞論的な ¥1). のfl{(である。期待されるように,夫総lζ比して. 600 nn1以

上lの長校長領域でlの迎合j支は悩めてよい。点線lの VA も,夫総 (実験 1の

( 101 )

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'

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Vぇ)の場合と同様,最小 2乗法Kよって係数 r,gおよびbの値が推定さ

れており,それらは r==0.072, g ==0.195および b==0.514であった。正規

化すれば,r : g : b == O. 092 : O. 250 : O. 658となり, 実線の場合に比べて,

rとbの勺への寄与が大きくなっている。

THE ADDITIVE MODEL VERSION L~

1 Br

Bet、α~ioral Level PHOTOPIC

V入

頭i

託:

手ふド-

Cou同ingMechanism (B納 avioral)

ADDITIVE OPERATION

B G Action Spectrum ( Behavioral)ω

9 0.250

} 、.

.092

R e

50叩、?4∞mf∞7∞竺!告側 7∞I ~ , 、』・ー・.ι____..oT

: SELECTIVE : :A以 PTATION :

E記

ぅL

.• 、,u

R

,z' aιM

・J

・l ‘. -ーー・・・-----'

Fig. 9.

study.

Diagra mmatic representation of the additive modeJ considered in the present

恥ud

最後に,われわれの加算モデノレに対する考え方を要約した図 9をノメす乙と

にしよう。上に展開した論明からも明白なように,われわれは 3つの下校の

系 Rぇ, G). および引は, JI照応光用のフィルターを適切に選び,精神物則

的な方法を用いて行動的なレベルにおける活動スヘク トルの形で求めなけれ

ばならないと考える。すると当然の乙とながら,加算モデルにおける R).,

Cぇおよび引に関する線形変換も行動的なレベルでの演算操作になる。乙

ra

HH

恥叫

uu

h仙叫

( 102 ) •

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/ 分光!必!支持作 (11 1.3

しの加算性をfJ劫!日リレベルで・取扱うと曹市:みづ{

て一義的になる乙とはいうまでもない。

F・ . g

乙伐る。たとえ(1,

間の交 fl:作H:J

perling ,& Ha r¥¥'erth (1971)はれ色

のもとで しの '. 15の抑制的交 fl:作Jl1を見出している。

、.. .. ,

•• •• ‘

ー‘.息、•. '

E

・arden 197 (:1色 i乙よ勺て

V日 叩1J との

J色系(oppon-

1 ~) ,tl'乙 ~rjn nlJ と lu:minan ぞ試♂

t ている

2 の光l乙

ko'l (1967

るのは p:robit analysi 問いた研究

un untz ~ rthrnore (1970)などがあるカ

, .1;:,0.のよう伝子続でも|

法によってキンギョの取~-j'fÊt

arks (1965)のほかはー L.eibrnan

法によるデータ l乙{

3

である。

スヘクトルを測定した研究

! EntIne (1964)のものがある。

日が多い。たとえば. l¥1arksの

ベクトルは短波長側におL

lζ.需

I1lOJ 25 nm ~

111hの

ゲラム色

, それi乙私かか 月larksの,.1-:, :I)a rt.na 11の

比般的よい近似ぞンj とはtt(;}される。

乙乙で し?プ曹司』可・

a'

SE---EP

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