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Jan 2019 Chapter 2,3 Rollers & Troughing sets 2,3 ローラ 架台 ラルメカ ローラ総合カタログ

ラルメカ ローラ総合カタログRULMECA 『Rollers and components for bulk handling』 ラルメカ ローラ総合カタログ Chapter 2,3「 Rollers & Troughing sets 」

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Page 1: ラルメカ ローラ総合カタログRULMECA 『Rollers and components for bulk handling』 ラルメカ ローラ総合カタログ Chapter 2,3「 Rollers & Troughing sets 」

Jan 2019 版

Chapter 2,3 Rollers & Troughing sets 第 2,3 章 ローラ & 架台

ラルメカ ローラ総合カタログ

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RULMECA 『Rollers and components for bulk handling』

ラルメカ ローラ総合カタログ

Chapter 2,3「 Rollers & Troughing sets 」 第 2,3 章 ローラ & 架台 2.1 あらゆる所で使われているラルメカ ローラ 2.2 ラルメカ ローラ、その特徴とデータ 2.3 ローラ選定の方法

2.3.1 速度に基づくローラ径の選定 2.3.2 許容荷重に基づくローラの選定

2.4 注文コード表記の仕方 2.5 ローラのタイプ

2.5.1 PSV タイプ(日本語版カタログ『PSV タイプローラ』を併せて参照ください)

PSV/1 (軸径 φ20, #6204) 60/63N, 76N, 89N, 102N, 108/114N, 127N, 133/140N, PSV/2 (軸径 φ25, #6205) 76N, 89N, 102N, 108/114N, 127N, 133/140N, 152N, 159N, 165N/168N PSV/3 (軸径 φ25, #6305) 76N, 89N ,102N, 108/114N, 127N, 133/140N, 152N, 159N, 165N/168N PSV/4 (軸径 φ30, #6206) 76N, 89N, 102N, 108/114N, 127N, 133/140N, 152N, 159N, 165N/168N PSV/5 (軸径 φ30, #6306) 89N, 108/114N, 133/140N, 159/165N, 191N PSV/6 (軸径 φ35, #6307) 89N,114N, 140N, 165N, 191/194N, PSV/7& PSV/7-FHD (軸径 φ40, #6308) 108/114N, 133/140N, 159/165N, 191/194N, 219N PSV/8 (軸径 φ45, #6309) 114N, 140N, 165N, 191/194N, 219N PSV/9 (軸径 φ50, #6310) 133N, 140N, 165N, 191/194N, 219N

この冊子は、ラルメカ総合カタログ(英語版) 4° rel. BU EN 07/03 の第 2,3 章『 Rollers & Troughing sets 』(全 187 頁)を一部割愛編集し、日本語化したものです。この中で各種

ローラの内、PSV、PL/PLF、及び、ガーランド等については個別に日本 JIS 規格に沿った

日本語版カタログを作成し配布できる体制を整えておりますので、お問い合わせいただきま

したら幸甚です。尚、ローラ総合カタログ (英語版 )はラルメカのホームページ

( www.rulmeca.com )からダウンロードできます。

2012 年 6 月

重荷重用『 PSV 』ローラ

耐腐蝕・PVC(塩ビ)仕様『 PL / PLF 』ローラ

目次

㈱ バルクワールド

Rollers & Troughing set

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2.5.2 PL/PLF タイプ(日本語版カタログ 耐腐蝕性『 PL 』を併せて参照ください) PL/2, PL/3, PL/4 (軸径 φ20, #6204) 90V, 110V, 140V PLF/1, PLF/5, PLF20 (軸径 φ20, #6204) 89N, 108N, 133N

2.5.3 MPS – M タイプ(英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください) MPS/1 (軸径 φ15, #6202) 50N, 60N, 76N, 89N, 102N M/1 (軸径 φ15) 50N, 60N, 76N, 89N, 102N

2.5.4 MPR タイプ(英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください) MPR/15 (軸径 φ15, #6202) 60N, 76N, 89N

2.5.5 RTL タイプ(英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください) RTL/1 (軸径 φ15) 60N, 76N, 89N

2.5.6 サイドローラ(英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください)

PS/G7 (軸径 φ20) 60N PS/G1 (軸径 φ20) 63N, 89N, 108N, 133N PS/G2 (軸径 φ25) 89N, 108N, 133N PS/G3 (軸径 φ30) 89N, 108N, 133N

2.6 ゴム付ローラ

2.6.1 インパクトローラ (日本語版カタログ『PSV タイプローラ』を併せて参照ください) MPS/1 89(60)NA, 108(69)NA PSV/1 89(63)NA, 108/114(63)NA, 133/140(89)NA, 159(89)NA PSV/2 114(63)NA, 108(76)NA, 133/140(89)NA, 159/165(89)NA PSV/3 108(76)NA, 133/140(89)NA, 159/165(89)NA PSV/4 133/140(89)NA, 159/165(89)NA PSV/5 133/140(89)NA, 159(89)NA, 159/165(108)NA, 180(108)NA, 194(133)NA, 215(133)NA PSV/6 133/140(89)NA, 159(89)NA, 165(108)NA, 180(108)NA, 194(133)NA, 215(133)NA PSV/7 159/165(108)NA, 180(108)NA, 194(133)NA, 215(133)NA PSV/8 159(108)NA, 180(108)NA, 194(133)NA, 215(133)NA

中重荷重用『 MPS 』ローラ

中重荷重用『 MPR 』ローラ

軽荷重用『 RTL 』ローラ

Rollers & Troughing set

注記:薄青字径は、英字総合カタログに記載のない管径ですが、ラルメカ(天津)で製造し供給しているタイプです。

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2.6.2 ゴムリング付リターンローラ

(日本語版カタログ『PSV タイプローラ』を参照ください) RTL/1 108(60)NG, 133(60)NG M/1 108(60)NG, 133(60)NG

MPS/1 108(60)NG, 133(60)NG PSV/1 108(63)NG/NL/NC, 133(63)NG, 133(89)NC/NL, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC PSV/2 133(89)NL/NC, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC PSV/3 133(89)NL/NC, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC PSV/4 133(89)NL/NC, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC PSV/5 133(89)NL/NC, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC PSV/6 133(89)NL/NC, 159(89)NL/NC, 180(108)NL/NC, PSV/7 180(108)NL/NC

2.6.3 ゴムスパイラルリターンローラ(英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください) MPS/1 108(60)NM, 133(89)NM PSV/1 108(63)NM, 133(89)NM, 180(89)NM PSV/2 133(89)NM, 180(89)NM PSV/3 133(89)NM, 180(89)NM PSV/4 133(89)NM, 180(89)NM

2.6.4 スチール製スパイラルリターンローラ (英語版 ローラ総合カタログ 併せて参照ください) 108S 133S

3.2 架台 3.4 自動調芯キャリア

(リターン)セット (英語版 ローラ総合カタログを

併せて参照ください)

3.6 ガーランド(吊下) 3.6.1 その特徴と利点 3.6.2 納入事例とその構成

(日本語版カタログ『 ガーランド 』 を併せて参照ください) GS/2 GS/3 GS/5

『 NG 』タイプ

『 NL 』タイプ

『 NC 』タイプ

『A3 M-30°』中荷重仕様

『A3 S-35°』重荷重仕様

Rollers & Troughing set

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2.1 Various industry uses

( あらゆる所で使われている ラルメカ ローラ )

新規のベルトコンベヤの建設の際、その総予算の中で ローラの占める割合は、通常、結構大きなものがありま す。高品質のローラを選択すれば、ユーザーにとっては ローラ寿命に於いて満足のいく結果をもたらしますが、 他方、プラントを請け負う施工者にとってローラの購入 価格が高くなる事は割の合わない結果となりがちです。

ローラの寿命やその軽快な回転は、高品質の原材料を 使い精密に作られた品質の高いローラであるかどうかに 大きく関連し、そして、ローラ寿命や低い回転抵抗がコ ンベヤのランニングコストに大きく影響する事は今日の コンベヤ業界に於いて認識されつつあり、その事は、 もはや常識になった感があります。

ローラの性能という観点で殊に重要な点は、ベアリン

グを保護するシール構造がどうなっているかです。 この点で、品質の高いローラを求める事が大切である

事に思い至った弊社ラルメカは、ローラの設計及び試作 を行い数々の厳しい実験を繰り返して、その質を追及し てきました。

そして、今や、ラルメカのローラは、全世界のあらゆる 原材料搬送ラインの現場で、その中には非常に過酷な使用 環境も当然多数ありますが、種々のタイプのローラが、 長年に亘って活躍しています。

ラルメカが製造するローラは、ISO、UNI,DIN、

AFNOR、FEM、BS、JIS そして CEMA 等の国際規格 及び主要国規格に則って製造されています。

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-鉱山 -化学&肥料 -製鉄 -セメント -硝子 -砕石 -水再生センター -トンネル

Rollers & Troughing set

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2.2 Rollers, technical designs and data

( ラルメカローラ、その特徴とデータ)

ラルメカ社のローラのすべてのタイプに共通した

特徴は、長寿命で、ローラを構成する高品質な部品

から成り、そして、高効率であると共にその経済性

がその特徴です。

ローラ管体

求められるニーズに適合するべく充分な管厚と

ローラ径からなるスチール管は、組み立てが理想的に

行えるよう管両端部は最高の精度で機械加工が施され

ます。又、ベアリングを保持する両端のハウジングは

次工程の溶接或いは深加締に適合するように考慮され

設計されています。

充分な強度で頑丈さを保つように設計されたハウ

ジングの肉厚は、ローラのタイプ毎にどの肉厚が最適

かをコンピューターで解析し選定した肉厚となって

います。

ベアリングを保持するハウジング部は、負荷がかかる

事に依って生じるシャフト及びベアリング間の”曲げ角”

を出来るだけ少なくするよう研究され設計されています。

そして、PSV タイプ等すべてのラルメカのローラは、

ハウジング内のベアリングとの勘合は M7 の公差で作ら

れており、この公差はローラ回転中のベアリングに

とって最適の嵌め合い公差です。

精密ベアリングは、最高の状態で回転できるように

ボール部でのラジアル剛性の観点から、C3 等級のベア

リングが採用されており、この等級は極めて厳しい

負荷状況があったりシャフトにたわみが大きく生じた

りしてもスムースな回転が損なわれないように配慮

された、ローラに最も相応しい等級です。

この C3 等級のベアリングは、今日、コンベヤに使用

されるローラで使われています。それは、上からの軸

方向に対する負荷に高い許容力があり、且つ、回転に

際しては低抵抗で回転するからです。

このように、潤滑を含めて総合的な観点で、ラルメカ

のローラは長い年月を円滑に回る事ができるように配慮されている長寿命のローラです。

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Max 許容たわみ

たわみ

図 1

図 2

ベアリング寿命

図 3

Rollers & Troughing sets

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シャフト

シャフトはローラに掛かる負荷を受け支えるパーツで、

シャフト径の選定は、その負荷がどのくらいか、及び、

そのローラの長さがどのくらいかに依って異なります。

シャフトの過度のたわみに依って生じるローラの過負荷

を避ける事は重要です。その過負荷はベアリングへの不

規則な負荷を与えますので、その負荷を減じるか

どうかで、そのローラが持つ寿命と直結します。

ラルメカの各タイプのローラは、カタログ記載各表に

記載されている Max 負荷である動荷重を保つよう設計

されており、その設定稼働時間は 3 万時間か 1 万時間

です。(それ以上の稼働時間を希求の場合は表 15 を参照

ください。) 尚、この設計基準は、ベアリングの損傷を

与えない程度の負荷がかかっている状態で、且つ、

”たわみ”が過度に生じていない条件下でのデータです。

バランス

ベルトコンベヤの速度が速くなると、ローラのバランスが取れているかどうかがとても重

要になります。殊に、高速への志向が高い昨今の場合は尚更です。

コンベヤ速度が速くない場合には、ローラのバランスが取れていなくても大して影響はあ

りませんが、中程度の速度、つまり、90~120m/分の速度になると、”揺れ”が誘発される恐

れがあり、それはベアリングの損傷を招くだけでなく、しばしば、架台からローラを飛び出

させようとまでさせる場合があります。

ラルメカの各種ローラは、ローラ管体の両端は高性能の機械で加工され、次工程の溶接は

数値制御された溶接機器で行われ、組み立て工程は厳密に管理されていますので、バランス

は完ぺきで、しかも、組み立て後のテストを実施していますので最高のバランスをお約束し

ます。

シールと潤滑

品質あるローラとは効果的なシール機構をもったローラと言っても過言ではありません。

綿密な検討と数々の実験、及び、あらゆる環境下での納入体験に基づくこれまでのラルメ

カの蓄積は、最適のベアリング回転環境を保証するラルメカ特有のシール機構の開発を可能

にさせました。

ラルメカのシール技術の特徴は、コンベヤのモーター出力と直結する低い回転抵抗と快適

な回転を損なわず、しかも、ベアリングを保護する確固としたシール性を有する処にありま

す。尚、ラルメカのローラは、PSV を含め、すべてのタイプが無給油式のローラです。

ラルメカのシーリング機構は、ベアリングにはリチウムグリースを十二分に充填する事で

ベアリングの寿命を長く保つ一方で、腐蝕や水分から守る事ができるように、大きなグリー

ス溜りを設ける設計思想で作られています。

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図 4

y = ベアリングたわみ角度

Rollers & Troughing sets

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ラルメカは長年に亘ってラボラトリー(テストルーム)を充実させており、専用の特製機器

を設置しさまざまな設定条件での恒久テストを行うと共に、ベルトコンベヤのローラの新た

な開発に向けて絶えまず取り組んでいます。

これらの機器で、各タイプのローラを以下のような観点から研究開発しています。

- 負荷&寿命

- (静止状態&回転状態での)ローラの密閉シール性

- 粉塵に対する密閉シール性

- 回転時&始動時でのローラの回転抵抗

- 雰囲気温度テスト マイナス 70℃~200℃ - 磁粉探傷検査方法やカラーチェックのテストを併用しての溶接方法

以下の幾つかの写真はラボラトリー(テストルーム)に設置してある主要機器とその風景を

紹介したものです。

例えば、負荷と寿命に関するテストでは、さまざまな速度と異なった負荷を与えての回転

でローラがどのように動くかの同じ共通テストを各タイプのローラで行い、ロードセルに依

って取られたデジタル信号のデータをコンピューターに送り解析します。

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Rollers & Troughing sets

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粉塵や水分の侵入に対する動荷重下での密閉シールの効果度についてのテストも重要な

課題です。

そのシール部を水か粉塵に浸された状態にすると共に、実際に架台に設置するのと同じ傾

きの状態にして、連続テストを行います。

回転抵抗を測定する機器もあります。そこでは、ロードセルに依るその抵抗の様子が映像

化されて映し出され、さまざまな速度と異なった負荷を与えての回転でローラがどのような

回転抵抗を示すかを見ます。

こうしたテストは、すべてのタイプのローラについて定期的に実施され、得られたすべて

のデータは、製造にあたっての日々の恒常的な品質管理に反映されると共に、次期開発製品

に向けてのソリューションのヒントになる実験データになります。

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Rollers & Troughing sets

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2.3 Selection method

( ローラ選定の方法 )

任意のコンベヤに於けるローラのタイプの選定にあたっては、次の 3 章で扱いますが以

下のファクターについて考慮する必要があります。

*搬送する原材料は腐蝕性がある原材料かどうか、又、研磨性があるかどうか

*当該ローラが使用されるプラントの環境稼働条件がどのようなものであるかどうか

研磨性ある原材料、それは例えば粘土とか花崗岩とか岩鉄といったものですが、そういう

原材料を搬送するコンベヤの場合、その原材料の搬送がローラ寿命に影響するハードな使用

になりますから、PSV タイプとか MPS タイプのシール性のよいローラを選定するとか、一

回り大きい径のローラを選定する事でローラ表面のベルトへの接触を少なくすると云った

方策が必要です。

又、腐蝕性ある原材料、例えば、岩塩とかケミカル含有原材料なら、腐蝕性物質に対し耐

久性があるとか、そうした原材料から守る工夫がされているローラの選定が必要です。

普通、ローラはスチール製ですが、そのローラ表面に幾層かの特殊塗装が施されていると

か、或いは、耐腐蝕の観点でゴム被覆されているローラもあり

ます。その他、耐腐蝕性に優れたプラスチックで構成された PL ローラもあります。(日本語版専用カタログ高耐腐食性『 PL 』 を参照ください。)

環境条件と云った場合、殊に、対象となるのは粉塵の多い搬送

物、例えば、セメントとか石灰石とか灰といったものです。この ような原材料を搬送する場合は、シール性の極めて優れた PSV タイプのローラの使用がお奨めです。

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Rollers & Troughing sets

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2.3.1 速度に基づくローラ径の選定 ベルトコンベヤの設計にあたっての重要な検討要素の一つとして、荷が載った状態下での

ベルト速度をどう決定するかがあった事は、既に前章で見た通りです。

そのベルト速度と使用するローラの直径の関係は、次の公式で毎分当たりのローラ回転数

を知る事ができます。

D = ローラ直径 [mm]

V = ベルト速度 [m/秒]

右表 15 は Max ベルト速度

及びローラ径との関係を回転数 [ r.p.m ] で示したものでよく

知られています。(この表から

600 回転/分±が目安な事が

解ります。)

ローラの選定に際し一回り大きい径のローラを選べば、コンベヤ始動時の慣性にはそれよ

り大きな力が必要となりますが、同条件下で比較すると、回転数が減り、ベアリングの摩耗

が少なくて済み、ローラの消耗が減り、ローラの回転抵抗値が下がり、ローラ及びベルトの

消耗度も減ると云ったメリットが生じる事は留意されてよい事柄です。

ローラ径の正しい選定にあたっては、ベルト幅についても併せて考察する必要があります。

表 16 は、ローラ径の選定にあたってのベルト幅毎の推奨径です。

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Rollers & Troughing sets

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2.3.2 許容荷重に基づくローラの選定 ベルトコンベヤに於けるローラ径の種類は、基本的に、ベルト幅、及び、トラフ架台のピ

ッチに依りますが、しかし、何よりそれにも増して、最も負荷のかかる場所でのローラの

Max 荷重がどのくらいかが重要な判断基準になります。

計画するコンベヤの負荷がどのくらいになるかは、プラントを設計する専門家が行う仕事

である事は言うまでもありません。しかしながら、基本的なコンベヤであれば、以下の各フ

ァクターを検討していく事でその値を得るが出来ます。

それにあたり、まず最初に明確にしなくてはならない事は、トラフ架台にかかる荷重の計

算とその決定です。これさえはっきりすれば、次に、1)トラフ架台の種類 (キャリア、リタ

ーン、インパクトごと)、2)キャリア/リターン架台のピッチ、3)架台の角度、4)搬送物塊状

の大きさ如何と云った下記リストに示す要素を順次に明確にしていけば、自ずと答えが導か

れます。つまり、誰もがキャリア/リターンのトラフ架台でのローラの Max 荷重を計算する

事で、その値を得る事ができます。

そして次に、その Max 荷重をベースに、そのコンベヤの 1 日当りの稼働時間(サービス係

数)やコンベヤ環境、使用ローラ径の違いと云った個々のコンベヤに依って異なる要素を加

味して、その数値を修正し、決定します。

このようにして導き出された負荷荷重値を、個々のローラが持つカタログに記載されてい

る個々のローラが持つ許容荷重値(その値は 3 万稼働時間を基に算出された値です。)と較

べる事で。最適ローラがどのローラ化かを選定できます。

尚、こうして導かれた結論は、理論上 3 万時間のローラ寿命時間を基にしたものですが、

ローラの寿命時間を 3 万時間よりもっと長くしたり短くしたい場合は、更に、表 22 の「ベ

アリング理論寿命に基づく係数」を使用して、その許容荷重を再計算する事で、期待する任

意の寿命時間を検討する事ができるプログラムとなっています。

この計算で使われるファクターには次のようなものがあります。

- lv = 搬送能力 t/h

- V = ベルト速度 m/秒

- ao = キャリア架台のピッチ m

- aU = リターン架台のピッチ m

- qb = メートル当りのベルト重量 kg/m

- Fp = 最も負荷荷重がかかるローラでのトラフ補正係数:表 17 参照

(当該架台のローラの角度に依って係数は異なります。)

- Fd = インパクト(衝撃)係数:表 20 参照

(当該コンベヤ搬送物の塊状サイズに依って係数は異なります。)

- Fs = サービス(稼働)係数:表 18 参照

- Fm = 環境係数:表 19 参照

- Fv = 速度係数:表 21 参照

- Fb = ベアリングの理論寿命時間に基づく寿命係数:表 22 参照

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Rollers & Troughing sets

Page 13: ラルメカ ローラ総合カタログRULMECA 『Rollers and components for bulk handling』 ラルメカ ローラ総合カタログ Chapter 2,3「 Rollers & Troughing sets 」

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Rollers & Troughing sets

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許容荷重の決定

ベルト速度とローラ回転数の関連をもってローラ直径を選定したら、次に、下記の公式を

使用してキャリア架台の中央ローラにかかる静止荷重 [ daN ] を求めます。

[ 1 daN = 10 N = 約 1.02kgf ]

次に、コンベヤの稼働条件は個々に違いますので、当該コンベヤでの実稼働条件を加味し

た架台に設置されたローラ上の動荷重 [daN] を求めます。

最後に、トラフ補正係数を乗じて、キャリア架台の中で最も負荷がかかるローラ( 架台の

中央にあるローラでローラ長が両端ローラと同じ場合)の許容荷重 [ daN ] を求めます。

リターンセットのローラにかかる負荷については、ローラに負荷がかかりませんから、次

の公式を用いて、まず、その静荷重 [ daN ] を求めます。

次に、当該コンベヤでの実稼働条件を加味してリターンローラの動荷重を次式から求めま

す。

最後に、リターンセットが 1 本ローラ式であれ 2 本ローラ式であれトラフ補正係数を

乗じて、ローラの許容荷重を求めます。

この計算で得られた Ca 及び Cr の値をもとに、カタログに記載のある各ローラの許容

荷重の値と照らし合せて、最適ローラを選定します。

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Rollers & Troughing sets

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事例: ここで、石灰石を搬送するコンベヤ事例をもって、ローラ及び架台をどのように選定する

かを、以下、示します。尚、この事例での搬送能力 Q は 2000 t/h、 その速度 v は 120 m/分(2 m/秒)で粉塵と水分が多い使用環境とし、搬送原材料の種類及びその物性特性と云った

データは、下記とします。

搬送物;石灰石

塊サイズ;100 ~ 150 ミリ

稼働時間;8 時間/日 ベルト幅;1200 mm ベルト重量;16 Kg/m キャリア架台ピッチ;1 m リターン架台ピッチ;3 m ローラ径;139.8 mm

両端ローラの傾斜角度が 30° のキャリア架台は、1200W のベルト条件で、且つ、必要搬

送能力 2000 t/h に見合いますから、それを選定します。 次に、キャリアセットの中央ローラの静荷重 ( daN ) は次式から求める事が出来ます。 [ 1 daN = 10 N = 約 1.02kgf ]

この結果を受けて、次に、個々のコンベヤ条件を加味した動荷重を次式から求めます。 この計算を基に、キャリア側トラフ架台の中央ローラの許容荷重は次式から求めます。

同じように、リターンセットのローラについても計算します。リターンローラの静荷重を

求める計算式は次式です。 次に、リターンセットに使用するローラの動荷重を求めます。

[ 1 daN = 10 N = 約 1.02kgf ]

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Rollers & Troughing sets

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故に、これから、リターンセットに使用するローラの許容荷重は次式から求める事ができ

ます。

尚、 Fp = 1 は 表 17 ( 9 頁) 『トラフ補正係数』のリターンセットの係数が 1 である事か

ら選択された数値です。

以上の計算から、キャリアローラ及びリターンローラに使用するローラの選定については、

この事例が粉塵と水分が多い使用環境を考慮して PSV タイプを選定し、又、キャリア架台

の許容荷重については、その使用環境から、その計算値と同じかそれ以上と見なして選定に

あたります。 まずキャリアローラについては、カタログ記載のローラ径 φ139.8 の許容荷重を示す各表

を検討し、軸径が φ25の PSV-2 がそれに見合う充分な許容荷重を持つと判断し、選定しま

す。 PSV / 2、25 Y 18、140 N、430(カタログ『 PSV 』R1110 版 8 頁 参照) 尚、キャリア架台については、同じく日本語版専用カタログ『 PSV 』に記載されている

1200W30°3 槽架台を選定するか、或いは、そのプラントが海外物件等であれば、ラルメカ

総合カタログ(英語版)記載の任意の架台タイプを選択し選定する事が可能です。

リターンローラについては、粉塵及び水分が多い使用環境を考慮して、ローラ表面に汚泥

等が付きにくいゴムリング付リターンを選択する事にします。 従って、上記計算結果に基づく充分な許容荷重を持つ PSV タイプのゴムリング付きリタ

ーンローラは、以下の仕様とします。 スチール製の直径 φ89 のローラにゴムリング外径 φ133 のゴムリングが付いたローラを

選択しますので、そのコードは下記になります。

PSV / 1、20 Y 14、133 NLY、1330(カタログ『 PSV 』R1110 版 16 頁参照)

尚、リターンブラケットについては、同じく日本語版専用カタログ『 PSV 』に記載され

ている 1200W リターンブラケットを選定するか、或いは、そのプラントが海外物件等であ

れば、ラルメカ総合カタログ(英語版)記載の任意のリターンブラケットを選択し選定する事

が可能です。 ところで、コンベヤ機長がとても長い場合、例えば、300m を超えるとかの場合は、リタ

ーンローラについては、ベルト中寄せの効果がある V 型 2 槽リターンセットを選択する事

をお奨めします。尚、その場合のローラコードは下記になります。

PSV / 1、20 Y 14、133 NCY、660(カタログ『 PSV 』R1110 版 17 頁参照)

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Rollers & Troughing sets

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2.4 Ordering code

( 注文コード表記の仕方 )

各ローラの寸法/仕様は、以下の表記コードで識別できるようになっています。

- ローラのタイプ + 分類Ⅰ& Ⅱ

- シャフト;ラルメカが通常仕様としている

加工溝型(右写真)か、或いは、次頁に示す

略号での加工形状に基づく寸法/仕様

- ローラ径及び管体;ラルメカが通常仕様と

している加工形状か、或いは、以下に示す

略号での加工形状に基づく寸法/仕様

- ローラ長さ C 寸法 ( mm )

例: PSV / 1, 20 Y□○○, 113 N□□, ○○○○

ローラのタイプ分類Ⅰ

シャフト/ベアリングに基づくタイプ分類Ⅱ

シャフト径 (d)

シャフト受幅寸法 (ch)

ローラ径 (D)

ローラ管体の仕様

シャフト取付寸法(C)

13

シャフト加工の仕様

*注記:切溝加工でのシャフト加工の

ニーズがある場合、ch 寸法が必要です。

事例:PSV/1, 20Y14, 133NLY, 1330

Rollers & Troughing sets

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ローラ管体の仕様

下表で最初の「略号」欄は基本的なローラ管体の仕様を表しています。 表中で追記仕様Ⅰ及びⅡとして製作できるローラ管体の仕様を表していますが、欄枠が同

じものは二つ同時に選択できません。 注文略号コードについては、例えば NTA のように、通常、下欄に沿って上から下の順で

記入します。

略号 追記 Ⅰ

追記 Ⅱ

内 容 注 記

N スチール管 UNI Fe 360 – DIN St 37 標準仕様 I ステンレス管 AISI 304 オプション V 硬質 PVC 管 – 色;グレー、色標 N.O. RAL 7011 標準仕様 S 鉄製スパイラル巻線 標準仕様 J 電気亜鉛メッキ仕様 – 色;銀灰色、膜厚 10 ミクロン 標準仕様 T リル酸被膜仕様 – 色;銀灰色、PA 11、膜厚 100~150 ミクロン 標準仕様 Y 脱脂処理後の塗装 1 回塗、暗赤色粉体塗装、膜厚 40 ミクロン オプション A インパクトローラ用、外周平面ゴムリング 標準仕様 G フラットリターンローラ用、先端のとがった形状ゴムリング 標準仕様 L フラットリターンローラ用、幾種類かのゴムリングを併用 標準仕様 C V 型リターンローラ用、幾種類かのゴムリングを併用 標準仕様 M 中央振り分け魚骨形状のヘリカル形ゴムリング 標準仕様 P 軟質塩ビ(PVC)被覆 – 色;グレー、ショア硬度 68 A オプション R ゴム被覆、耐候性有り、耐オゾン性有り、– 色;黒、

黒色熱加硫、 ショア硬度 70/75 A、膜厚;オプション可 オプション

略号 N で示す標準仕様の注文については、輸送時の錆発生を防ぐ目的でテクタイルオイル 100(Valvoline)のワックスを塗って出荷します。尚、錆を防げる期間は貯蔵した状態でおおよそ 6 ヶ月です。 尚、ゴムリングの使用環境温度は‐20~80℃の範囲です。

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Rollers & Troughing sets

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シャフト加工の仕様 シャフトの加工仕様には、下記のような種類があります。 基本仕様:シャフトはスチール製でその規格は UNI Fe 360 (DIN St 37) 略号仕様:J = シャフトはスチール製 Fe 360 で亜鉛メッキを施した仕様

I = ステンレス製シャフト AISI304 の仕様

F 切落仕様 d = 20 25 30 40 ch = 14 18 22 32 e = 4 4 4 4 g = 9 12 12 12 f = 13 16 16 16

Y 切溝仕様 d = 15 20 25 30 40

ch = 11 14 18 22 32

e = 4 4 4 4 4

g = 5 8.5 11.5 11.5 11.5

u = 4 4 4 4 4

f = 13 13 16 16 16

B キャップ付仕様 N G & Q d = 15 15 20 15 20

ch = 14 17 30 30 30

d1 = 20 20 35 37 37

e = 4 4 5 4 4

g = 9 9 10 9 9

f = 13 13 15 13 13

K ピン穴付仕様 d = 15 20 25 30 40

u = 7 10 12 16 16

f = 17 24 28 36 38

φ = 6.3 8.3 10.3 14.5 16.5

15

B =金属製キャップ、N =ポリカーボネイト製、G 及び Q =ナイロン製

( 注記:スチール製シャフト両端に各種キャップをかぶせる仕様です。)

Rollers & Troughing sets

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L ナット付ネジ仕様 d = 15 20 25 30

e = 16 16 17 18

m = 25 27 26 30

f = 41 43 43 48

M = 14 16 20 24

M ネジ仕様 d = 15 20 25 30

e = 8 8 8 8

m = 33 35 35 40

f = 41 43 43 48

M = 14 16 20 24

R ネジ穴仕様 d = 15 20 25 30 40

d1 = 20 20 25 30 40

f = 8 13 16 16 16

m = 18 20 25 25 25

M = 10 12 16 16 16

S 丸まま仕様 d = 15 20 25 30 40

f = 13 13 13 13 13

S1 段付丸まま仕様 d = 15 20 25 30 40

d1 = 注文寸法に基づく

f = 注文寸法に基づく

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Rollers & Troughing sets

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3.2 Choice of Troughing sets

( 架台の選定 )

架台の選定、殊に、新規コンベヤ計画の際の架台選定にあたっては次の事項の考察が必要です。

‐搬送能力 (t/h) ‐ベルト速度

‐ベルトの走行;一方方向のみか反転有りか ‐大塊搬送物のサイズ及びその安息角

‐雰囲気温度&環境 ‐負荷の程度,湿度,研磨性物質かどうか

‐当該架台のタイプ、適応性 ‐当該ベルトの重量

尚、上記の事柄についての考察にあたっては、第 1 章「テクニカル・インフォメーション」

を併せて参照していただく事をお奨めします。

ベルト幅の選定にあたっては、当該搬送物とベルト速度の相関表に基づいて選定を行いま

すが、その時、当該コンベヤの稼働状況に適した架台仕様の選定も、併せて、行います。

殊に、ローラの選定にあたり、使用環境が腐食性環境にあったり、搬送物が塩や化学物質

等である場合、架台の選定にあたってもその事を留意して選定します。と云うのは、このよ

うな場合、架台に一定膜厚のドブ漬亜鉛メッキを施す仕様が必要だからです。

搬送物重量を支える架台は、その重量の程度がイコール動荷重になりますから、軽荷重

か重荷重仕様のキャリア架台にするかどうかの仕様を決定すると共に、キャリ架台の設定ピ

ッチも決定します。

実際の選定にあたっては、架台の持つ許容荷重の基準に沿って選定しますが、経済原則に

依って Min ベルト幅を選定する事は云うまでもありません。

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Rollers & Troughing sets

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又、どういうタイプのリターン架台を選定するかも重要な事柄です。この時、ベルトが中央

に寄るタイプを選定するかとか、クリーナーを付けるかどうかも決めます。

実際の処、リターンローラは汚れが付着した返りベルトに接触し支えており、蛇行とか潜

在するいろいろな問題に直面しているので注意が必要です。

返りベルトに付着した搬送物の残滓は、ローラに 不均一に取り付いて、ベルトの蛇行を誘発すると

共に、早期のベルト損傷を招きます。

この残滓が付く状態は、ローラ管体を摩耗させるだけ

でなく、ローラ内のベアリング保護用シールに悪影響を

与えるので、より密閉性の高いシールを封入する必要を

招きかねません。

従って、それを避けるには、性能のよいベルトクリーナーを付けたり、自動の調芯装置(自動調芯リターンセット)を付けたり、ゴムリング付ローラ を取り付けて、ローラに残滓が付着して”団子”にならない ように除去しなくてはなりません。 ローラに取り付く搬送物残滓は、一旦取り付くと、 ”でこぼこ” 状態がだんだん大きくなり、普通、ローラ 中央部で団子状になります。 搬送負荷如何に依って適切なキャリア(リターン) セットを選定するには、RULMECA 総合カタログ 「第 1 章 ベルトコンベヤ&ローラ/プー

リ選定の手引き」の頁 28、1.5.5『接線力、動力、従動抵抗、ベルト重量、テンション、そ

して、そのチェック」の処で詳述してある“キャリアセット Ca ,リターンセット Cr1 の動

荷重のデータ”を使用します。

キャリア(リターン)セットに掛かる負荷は、搬送物自体の重量にローラの回転部重量を加

えた数値になりますから、その数値を基に、その値より大きい許容荷重をもったキャリア(リ

ターン)セットを表 23 から選定しますが、最終的には、架台自体の重量や、選定ローラの許

容荷重やローラ径も架台選定にあたり影響を与えますし、次の事柄も加味して選定します。

表 23 に示す各架台の荷重値 (kg) は、架台のベースとなるアングル部の許容荷重で、架

台を構成するその他の部品について考察されたものではありません。

架台タイプの A2S、A3L,及び A3M は中軽荷重用で、従ってフレームへの取付穴は両サイ

ド 1 ヶ所の仕様です。又、両サイドのブラケットは比較的軽量ですから”振れ”に依る損傷を

避ける為に、通常の負荷で、搬送物は小塊サイズで低速のコンベヤに使用します。

又、これらのタイプの架台は、大塊状の原材料を運び、落下位置が高いような載せ込み

ヶ所で、インパクトローラが使用されるような所には使用すべきではありません。

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Rollers & Troughing sets

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架台タイプの A3P、A3S は製鉄所や製鋼所向けの重荷重用で、フレームへの取付穴は両

サイド 2 ヶ所の仕様です。又、架台両端のブラケットはコの字形に補強されています。

従って、これらのタイプ架台は、大塊原材料搬送や予期しない負荷がありうる搬送があり、

高速で、且つ、負荷に依る“振れ”が生じても大丈夫な所で使用します。

尚、これらのタイプの架台は、Max 負荷向けとして設計された重荷重仕様のローラの取り

付けに相応しい架台である事は云うまでもありません。

19

注記:赤茶色の(xxx)は、架台の機種番号です。例えば、800W で φ114 径ローラを選択し、

その許容荷重が 200 ㎏[200daN/m]であれば、A3 P 1/5A がその推奨架台機種番号となります。

Rollers & Troughing sets

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3.4 自動調芯キャリア(リターン)セット プラント現場に依ってはベルトの蛇行現象で

稼働状況が思わしくなく、しばしば、困難に直面

する場合があります。このような場合、自動調芯

キャリア(リターン)セットがそのようなヶ所に取り

付けられ、蛇行を補正しベルトがコンスタントに

中央に寄る目的で設けられます。

この自動調芯キャリア(リターン)セットは、

キャリア(リターン)架台の一種で、図 5 のように、

コンベヤフレームに固定されている保持架台の上

を旋回リング装置が付いてローラ保持架台が回転

できるように設計された特殊架台です。

この旋回リング(大きな玉軸受)は、5~8°の範囲で 回転できるように設計されており、垂直荷重の負荷の 程度如何に依って、幾つかの機種がありますが、その機構 は、旋回リング内のテーパ状の円錐コロ軸受が横方向からの負荷や強くより回転させようと

する負荷を受け止め吸収する機構です。 自動調芯キャリア(リターン)セットを設置する場所は、帰りベルト側よりキャリア側に設

ける事が推奨され、そうした自動調芯装置を設けた方がよい場合にのみ設ける事をお奨めし

ます。 ベルトの負荷を補正する自動調芯キャリア(リターン)セット 自動調芯キャリア(リターン)セットの取付穴寸法とかは、互換性があるように、通常のキ

ャリア(リターン)セットと同じに作られています。

設置する場所は、通常、プーリから 15 メートルは離し、そして、その設置ピッチはおお

よそ 30 メートル毎に設置するのが普通です。

尚、機長の短いコンベヤに設置する事はお奨めできません。

ラルメカの自動調芯キャリアセットには、3 種類の機種があり、S タイプは頑丈なアーム

付の仕様、F タイプはブレーキのかかる機能が付いた回転アーム付の仕様、R タイプは反転

コンベヤ用に設計された、ブレーキのかかる機能が付いた回転アーム付の仕様で、ニーズに

依って選択できます。(尚、自動調芯リターンセットは、S タイプと F タイプの 2 機種から

お選びいただけます。)

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図 5

Rollers & Troughing sets

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3.6 Suspended sets

( 吊下タイプ:ガーランド )

世界中でのバラ物 (Bulk) 搬送産業の広がりの中、より大容量で、しかも、大塊状の原材

料の搬送ニーズが増えています。こうした潮流は、現場の各ニーズに即応した、頑丈な構造

を持つと共に、フレキシビリティを持ち、且つ、より高速のコンベヤ・ソリューションを求

める動きとなっており、そのニーズは日々強くなっています。 殊に、コンベヤに於いて最も注意を払う必要が ある箇所は載せ込みの箇所ですが、そのソリュー ションにあたり、ラルメカは“ガーランド(吊下)”

タイプ のキャリア(リターン)セットを開発しました。

この吊下方式は、コンベヤプラントを完全に止め

る事無しで手早く且つ簡単に据え付けでき、又、

日常メンテナンスが容易になるメリットがあります。 こうした理由から、ラルメカは数々の特徴を持つ吊下式 ”ガーランド”の実質的な研究と

開発に取り組み、それは、今やさまざまな現場で使われるようになってきています。

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Rollers & Troughing sets

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3.6.1 その特徴と利点 この吊下タイプ “ガーランド” は、チェーンのジョイントリンクを使用してローラと

ローラを繋げて負荷を支えるキャリア(リターン)セットです。

このローラとチェーンとの構成が、キャリア(リターン)セットの柔軟性とフレキシビリテ

ィをもたらし、結果として、常にベルト中央に負荷を保つよう働きます。

“ガーランド”の場合、そのコンベヤフレームへの取付方法は、一般に固定式の保持治具

での取付ですが、その他に、スプリングでの衝撃吸収機能を備えた保持治具での取付方法も

あります。

この”ガーランド”の特徴の要はキャリア(リターン)ローラを吊り下げる事で、図のように、

ベルト走行方向に於いて、且つ、左右の動きに於いて、「柔軟性」を保つ事にあります。

この動きが、搬送時の搬送物同士の軋轢がもたらす幾分かの動エネルギーを分散させる事

を助けます。

このようにして、負荷とストレスは吸収され抑えられ

ますので、ベルト及びローラの損傷は少なくなります。

市販の吊下セットには、他の固定式タイプもあり、

(例えば、スチールワイヤにベアリングが 2 個入った

回転体が回るタイプ)、それはそれで有用ですが、ラルメカの ”ガーランド” の場合は、言

うまでも無く各ローラにベアリングが 2 個入っており (従って、5 本ローラの連結式では 10個のベアリングで負荷を受ける事になります)、この事は、

ローラの円滑な回転を保証する充分な強度を持つ事

を意味します。

ちなみに、通常の架台式のキャリアセットと比較

すると、”ガーランド”には下記のような特徴があります。

- 搬送時の絶え間ない動荷重を吸収する結果、大塊サイズの原材料を搬送する場合は、殊

に、ゴムベルト及びローラの寿命を延ばします。

- ベルト中央に搬送物負荷が依る働きを示します。

- 搬送能力が改善されるので、同じベルト幅でも。搬送物の荷こぼれ無しで依り大きな搬

送能力が得られます。

- 依り高速が可能です。

- (蛇行等の負担が減り)メンテナンスに要する時間を少なくできます。

- コンベヤフレームに要する鋼材が少なくて済み、且つ、据付コストも少なくなります。

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Rollers & Troughing sets

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3.6.2 納入事例とその構成 吊下タイプの “ガーランド” は、大塊状の原材料及び鋭利で尖った原材料を搬送する高速

ラインでの使用に殊に効果があり、過度の積載に依って生じる振れを吸収する働きがありま

す。

又、吊下タイプのキャリアセットの持つフレキシビィティの特徴を示す事例として、次の事

があげられます。それは、従来の架台式のキャリアセットであれば避けられない過積載に依

るトラブルも、”ガーランド”であれば過積載状態が生じてもうまく適応できる事です。

図 6 吊下キャリアセット 図 7 吊下リターンセット

図 8 衝撃吸収用途の 3/5 本連結の吊下キャリアセット (ローラはインパクローラないし通常のローラ)

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Rollers & Troughing sets

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ラルメカは ”ガーランド” として、PSV, PL/ PLF タイプのローラの特性を生かし標準化

しています。その特徴についてはカタログの各ローラの頁で参照いただけます。

“ガーランド” としては、図 6 に示すように 2 本、3 本及び 5 本で構成されたキャリアロ

ーラから成るキャリアセットがあり、又、リターンセットとしては、図 7 のようにゴムリン

グ付かゴムリングが付かない普通のリターンローラから成る仕様があります。又、衝撃吸収

の用途向けとして、図 8 のようにインパクトローラか普通のキャリアローラから成る仕様

も製品化されています。

載せ込みヶ所での 5 本連結 ”ガーランド“ 先述したように、載せ込みヶ所ではローラ 及びベルトに大きな負荷がかかります。 こうしたヶ所では、通常の架台式と比較して、 “ガーランド”の大きな優位性が発揮されます。 と云うのは、このヶ所で生じる動荷重の実証 /研究から、5 本連結式の”ガーランド”が持つ 衝撃吸収度は、従来の架台式が持つ許容荷重と 比較して 2~4 倍ある事が解明されているからです。 尚、ご要望があれば、3 本或いは 5 本連結等にこだわる事無く、ご相談に応じますのでお

気軽にお問い合わせください。

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Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

新世代:HDPE ローラ ( HDPE=高密度ポリエチレン=管仕様 )

TOP/の 2 タイプ 軽快な回転を追求したタイプとシール性を

重視したタイプがあります。静電対応についてもご相談に応じ

ます。

パイプコンベヤ仕様ローラ

縦方向にも設置する等の特殊性に配慮して特別に

防塵防水性を考慮したオプションがあります。

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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( 1 daN = 1 Kgf )

Rollers & Troughing sets

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ラルメカ日本総代理店 ㈱バルクワールド

本社:〒274-0082 千葉県船橋市大神保町 189-4 TEL:047-401-0137 FAX:042-401-8386

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TEL:080-6541-5893 /0197-62-3432 FAX:0197-72-7614 ホームページ:www.bulkworld.co.jp

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