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2013年 5月17日(金)
会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター
【アロー教育総合研究所セミナー】
高校教員徹底研究報告書
高校の先生って、実はこうなんです小島:現場では、進路指導のノウハウや経験を積み重ねていくと
いうことができないんです。進路指導に携わる教員は数年で変わってしまう。「相手は何も知らないんだ」という考えのもと、高校訪問を行うべきなんです。
長崎:東京でもそれは一緒ですね。また、授業や事務作業が忙しくて、なかなか説明会に参加できないんです。高校訪問をして下さった場合も同じで、なかなか対面してお話を聞くことができない。重要なポイントをわかりやすく簡潔に伝えていただけると助かります。
染谷:教員は自分の出身大学についてはよくわかるんです。それ以外は知らない。教員も素人なんですよ。
田嶋:では、どうすれば高校教員に大学を見てもらえるんでしょうか?小島:高校訪問する担当者が重要ですね。来校してしっかり対
話する。短い時間の中で、「こういうパンフレットなんです。こういうところが魅力なんです」とわかりやすく伝えてくださると好感が持てます。いろいろ広報物が送られてきますけど、全て見きれないんです。大学案内のパンフレットでさえ見ている余裕がない。新聞や小冊子などは尚更です。指定校推薦入試の要項
ですとか、重要書類はわかりやすくしていただきたいですね。そもそも、どれが重要でどれが重要でないか、判断できる人間が少ないんです。その皺寄せが他の教員へ行き、広報物を読み込む時間の余裕がなくなってしまう。広報物は送られてきても、わかりにくいものはそのままゴミになってしまう可能性が高いということをご理解いただきたいです。
染谷:高校教員に見ないって言われても、大学側は作らなければいけないんですよ。
倉部:「送られてくるならこういうものがいい」という要望はありますか?
長崎:私は届いたものを「新聞や小冊子などの広報物」「大学案内のパンフレット」「指定校推薦入試の資料、願書」という具合に仕分けてしまいますね。指定校推薦入試の資料や願書など、重要なものには目を通します。
染谷:入試手続きに関する重要書類を送ったら、とある先生の机に放置されていた、などということもありますからね。送る側も不安ですよ。
小島:資料送付のやり方をもっと上手くできないですかね。同じものが何度も送られてくると、どれが新しいものなのかわからなくなる。セミナーやガイダンスの資料も来る。混ざって行方不明になってしまう。
長崎
晶彦氏
東京都立荻窪高等学校
進行:アロー教育総合研究所 �田嶋裕
小島
喜與徳氏
神奈川県立弥栄高等学校
パネルディスカッション
「高校教員徹底研究」第3部
● 高校教員徹底研究 報告書2
大学職員のコマッタさん染谷:「こういう高校訪問の仕方はやめてくれ」というものはあり
ますか。長崎:広報物の制作だけでなく、高校訪問までを代理店に丸投
げしているというのは嫌ですね。本当に広報する気があるんだろうかと思ってしまいます。それに加えて、宣伝だけで帰ってしまうのも困ります。「うちはこういう理念があって、こういうことをしたい。する予定だ」ということを語っていただけるといいです。こちらが必要とする情報を伝えてほしいんです。
小島:「この人、何しに来たんだろう?」っていう人、いますからね。訪問先の高校のことをたいして調べもせずに来る方とか、とてもつまらなそうに高校訪問をする方とか。この大学は本当に楽しいんだろうかと考えてしまいます。マイナスイメージがついてしまうんですね。学校によって攻め方を変えるのがいいと思うんです。若い人が行く、ベテランの人が行く。そして進路指導におけるキーとなる先生を押さえるんです。
長崎:東京12大学、首都圏私立17大学といった大学同士の組織がありますよね。あのような組織と高校が連携できたらいいですね。
小島:大学同士で、もっとラフな組織があるといいんですよね。高校とのつながりが生まれやすい。
倉部:進学校にとって、難関校や国公立に何人の生徒を合格させるかということが全てなんですよ。そんな先生に「高校3
●�進路担当の教員の役に立つような関係性を作っていきたいと思いました。
●高校の役に立ち、単なる宣伝で終わらない大学広報を考えるいい機会になりました。
●「人脈」「ネットワーク」を強くし、営業マンの意識を持って、学外に目を向けていきたいです。
●入試課で働く上で必要な心がけを再確認しました。
●やはり現場の声はいいですね!もっとたくさんの本音を聞きたいです。
●指定校推薦入試書類や進学相談会のお話は、入試担当者として参考にしていきたいです。
●現場の生の声を聞くことのできるセミナーを今後も開催してください。
●高校も大学も、一般企業以上の「タフさ」が必要と改めて感じました。
●入試広報のための高校訪問が逆効果になっていることもあるとわかりました。今後の訪問活動等を見直す必要があると実感しました。
●「自分の努力はまだ足りない」と感じました。本学の現状や目標を見直し、選んでもらえる大学になりたいです。
●アローのセミナーは、ネタが面白いので好きだ。
染谷
忠彦氏
女子栄養大学常任理事
倉部
史記氏
高校生の進路づくりプロデューサー
年の3月、受験したすべての大学に落ちてしまった。浪人だけはしたくない」という生徒にどんな大学を薦めますか?という質問をすると、その先生が本当にいいと思っている大学の名前が出てくるんです。
先生のハートをつかむために田嶋:高校教員のハートをつかむには、どうすればいいんでしょうか?染谷:大学の教職員はいわば「営業」なんですよ。高校訪問し
た際の態度も重要です。「もっと話したい。もっといてほしい」と思わせることです。その上で高校教員が求めている情報を提供することが大切なんです。
長崎:職員と親密な関係になることで、その大学のことを深く知る機会ができるんです。高校教員と大学の教職員とのつながりは、大事だと思います。
小島:ギブアンドテイクだと思います。こちらが求めている情報をいただけると、こちらも何か情報をお伝えしたいと思えます。求めている情報をいただけたときや、興味のある話題なら、どんどんお話を聞きます。そうやって関係性を築いていくことが、ネットワークを広げていく足掛かりになるのでしょう。
倉部:生徒をこの大学に入れて「一体どれだけ成長させてくれるのか」それがはっきりと見えることが何より大切だと思います。「この大学に送りだせば大丈夫だ」という信頼感・安心感が生まれます。そして「この入試広報の方も、自分たちと同じ気持ちで働いているんだ」と思える。私はそれが一番だと思います。
【参加者の声】
高校教員徹底研究 報告書 ● 3
調査報告「首都圏高校教員調査」 ~高校教員の実像~
第1部
首都圏の高等学校を直接訪問して実施した調査をもとに、進路指導に当たる高校教員の実像に迫った。「大学を卒業してすぐ教員になるケースが大半である」「大学関係の取り組みや制度に関する知識を、全員が持っているわけではない」「進路指導のノウハウに乏しい教員もいる」といった進路指導教員
を相手に、大学はどういったアプローチを行っていくべきなのかを分析。また「進路指導において困っていること・感動したこと・失望したこと・注目大学」といったアンケート結果をもとに、高校教員の心をつかむ入試広報について提言した。
●�高校教員の実情がわかり、非常に勉強になりました。
●「高校進路指導教諭の世間知らず」は、実は大学の入試広報にも言えること。日大の事例などは、参考になった。
●セミナーに出席にしてモチベーションが上がりました。
●問題解決型の広報というキーワードを深く受け止めなければならないと思いました。
【参加者の声】
報告:アロー教育総合研究所 �田嶋裕
「 進路指導の現場に必要な情報とは」第2部
●�学生募集に向けての考えが整理できました。
●良い学生をとるための入試方法はどうあるべきかをお聞きしたいです。
●「WEEKDAY�CAMPUS�VISIT」は我 も々やってみたいです。入試広報課と各キャンパスとで、しっかり連携したいと思いました。
●大学内部をしっかり調べ、他大学との違いをしっかり押さえておきたいです。
【参加者の声】
高校生の進路づくりプロデューサー �倉部史記 減少し続ける18歳人口、それに反比例して増え続ける学部・学科という現状を明らかにした。そのような状況下で、高校教員からすれば「7割の大学が一緒に見える」という問題点を指摘し、どのようにして自校の魅力を伝えていくか、その方法を分析した。また、これから重要となるのは進路指導ではなく、「自分の行動指針を作りながら生きていく力」を身につけるための「進路づくり」であり、進路づくりに必要な指導は従来の
進路指導とは大きく異なると解説。「WEEKDAY CAMPUS VISIT」*での事例を踏まえ、大学は自校の魅力・強み・理念・求める学生像を明確に高校生・高校教員に伝え、ミスマッチを減らすことが重要であると語った。
* 大学のキャンパスで高校生が大学生と同じ授業に参加し、大学の「普段の1日」を体験するプログラム。
株式会社アローコーポレーション http://www.allow-web.com
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▪関西支社〒541-0054 大阪市中央区南本町4-5-7東亜ビル11階�TEL:06-6281-3000 FAX:06-6281-3001
● 高校教員徹底研究 報告書4