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トヨタの社会貢献活動

トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

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トヨタの社会貢献活動

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本冊子について

本冊子は、トヨタ自動車(TMC)をはじめとする国内外の事業体が取り組んでいる社会貢献活動事例を紹介しています。また、トヨタで行う社会貢献活動を広く多くの方に知っていただければという思いで「SMiLES」という冊子も発行しています。併せてご覧ください。

トヨタおよび国内外の連結子会社、関連会社など。対象範囲

豊田綱領 トヨタ基本理念 トヨタウェイ

トヨタ共通の価値観木の根

安定した経営基盤木の幹

もっといいクルマ果 実 いい町・いい社会果 実

持続的成長

トヨタグローバルビジョン Web https://global.toyota/jp/company/vision-and-philosophy/global-vision/

トヨタの社会貢献活動

社会貢献

SMILES

2011年3月に発表した「トヨタグローバルビジョン」は、2008年のリーマンショックによる赤字転落や2010年の一連のリコール問題への反省を通じ、「トヨタはどのような企業でありたいのか、どのような価値観を大切にしていくのか」を見つめ直し、全社で議論を尽くしまとめたものです。

お客様の期待を超える「もっといいクルマ」づくり、「いい町・いい社会」づくりへの貢献により、お客様・社会の笑顔をいただき、それを「安定した経営基盤」につなげることで良い循環を回し、社会と共に持続的な成長を目指します。

トヨタグローバルビジョン

人々を安全・安心に運び、心までも動かす。そして、世界中の生活を、社会を、豊かにしていく。

それが、未来のモビリティ社会をリードする、私たちの想いです。一人ひとりが高い品質を造りこむこと。

常に時代の一歩先のイノベーションを追い求めること。地球環境に寄り添う意識を持ち続けること。

その先に、期待を常に超え、お客様そして地域の笑顔と幸せにつながるトヨタがあると信じています。

「今よりもっとよい方法がある」その改善の精神とともに、トヨタを支えてくださる皆様の声に真摯に耳を傾け、常に自らを改革しながら、高い目標を実現していきます。

笑顔のために。期待を超えて。Rewarded with a smileby exceeding your expectations

社会貢献活動費

約190億円2018年度

人材育成社会・文化

その他 環境

交通安全

* トヨタ単体と主要子会社の連結ベース 海外事業体の実績は、2018年度平均 為替レートで円換算

1  Toyota’s Social Contribution Activities

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目次

基本的な考え方 P3-4

社会動向と社会貢献活動の歩み P33-34

幼児向け交通安全教材の贈呈 [日本]体験型交通安全イベント [日本]トヨタセーフティスクール [日本]「トヨタドライバーコミュニケーション」inモビリタ [日本]「トヨタドライバーコミュニケーション」inMEGAWEB [日本]神経シゲキ体操 [日本]トヨタ安全運転プログラム [ベトナム]「ホワイトロード」キャンペーン [タイ]体験型イベントなどを通じた交通安全啓発活動 [中国]トヨタ・コミュニティ・ファウンデーションの取り組み [オーストラリア]トヨタ安全教育プログラム(TSEP) [インド]TeamToyotaActivity [インド]児童対象の交通安全教育 [カンボジア]子ども向け交通安全意識向上活動 [トルコ]ティーンドライブ365 [アメリカ]トヨタ・アンド・ユー・キッズ [アルゼンチン]

交通安全 P12-17

[ハイライト] P5スペシャルオリンピックス

社会・文化 P21-25トヨタコミュニティコンサート [日本]トヨタ青少年オーケストラキャンプ [日本]トヨタミュージックライブラリー [日本]ウィーン・プレミアム・コンサート [日本]エイブルアートとの協業 [日本]トヨタロビーコンサート [日本]ネットTAM [日本]TPSによる企業や団体への効率的改善活動 [アメリカ]TPSによる中小企業や非営利団体への改善活動 [オーストラリア]TPSを活用した病院の改善活動 [ブラジル]FuentedeEsperanza財団を支援 [コロンビア]医療奉仕プログラム [フィリピン]災害義援金の寄付 [国内外]

ボランティア活動支援 P26-28トヨタボランティアセンター [日本]東日本大震災被災地復興支援活動 [日本]「TABLEFORTWO」プログラム [日本]アカウミガメの産卵地保全ボランティア活動  [日本]人工林での森林整備(間伐)ボランティア [日本]「チーム・トヨタ」でボランティア活動を通じた地域貢献を推進 [アメリカ]手作りキムチで愛を共有 [韓国]地元慈善団体への支援 [ベルギー ]

文化・展示施設 P29-30トヨタ鞍ヶ池記念館 [日本]トヨタ会館 [日本]豊田佐吉記念館 [日本]トヨタ博物館 [日本]トヨタ産業技術記念館 [日本]MEGAWEB [日本]

財団 P31-32トヨタ財団 [国内外]トヨタ女性技術者育成基金 [日本]トヨタ・モビリティ基金 [国内外]

環境 P6-11トヨタの森 [日本]トヨタ白川郷自然學校 [日本]豊森 [日本]トヨタ三重宮川山林 [日本]トヨタ環境活動助成プログラム [日本]TOYOTASOCIALFES!! [日本]トヨペットふれあいグリーンキャンペーン [日本]トヨタ・コスタ・ドス・コライス [ブラジル]バンプー・マングローブ林の再生と海岸クリーンアップ活動 [タイ]砂漠化防止の取り組み [中国]トヨタ環境・交通安全アカデミー [韓国]トヨタ・エコユース [インドネシア/マレーシア]欧州で世界規模の清掃活動に参加 [欧州]THEGREATPLANTHUNT [欧州14カ国]事業所周辺・敷地内で環境保全 [ベルギー ]全米都市対抗年間水保全チャレンジ [アメリカ]

人材育成 P18-20科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー [日本]聾学校児童のトヨタ見学会 [日本]トヨタ原体験プログラム [日本]豊田工業大学 [日本]MIRAIへつなぐ『夢の教室』in豊田 [日本]トヨタ助学金プログラム [中国]トヨタ親子学習プログラム [アメリカ]トヨタ・ティーチ [南アフリカ]

※海外事業体の活動は、英語表記でのアルファベット順となっています。

2  Toyota’s Social Contribution Activities

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トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発明協会に当時の金額で百万円の寄付を約束しました。佐吉が願ったような蓄電装置の発明は大変困難であり、いまも完成していませんが、その後の車載用蓄電池の進歩は、産業や人々の暮らしに大きな影響を与えました。こうした人々の幸福を願う佐吉の想いがトヨタの「社会貢献活動」の原点となり、佐吉の死後、自動車産業を興した喜一郎らにより「産業報国」「報恩感謝」という言葉で受け継がれ、その後「豊田綱領」や「トヨタ基本理念」、「トヨタグローバルビジョン」に織り込まれ、現在も脈々と受け継がれています。

基本的な考え方

基本的な考え方

トヨタ基本理念と社会貢献活動の基本方針

グローバル重点3分野

社会課題交通安全 人材育成 国際交流・

スポーツなど社会・文化

地域(各国)ニーズ 地域(各国)ニーズ

環 境

* 企業自らが、企画、立案し、場合によっては実施までを行う社会貢献活動

自主プログラム* ボランティア 寄付・協賛文化・展示施設の運営 財団を通じた助成

トヨタの社会貢献活動の手法

社会貢献活動の取り組み分野

社会貢献活動に対する基本的な考え方

トヨタは、「クルマづくりを通じて社会に貢献する」という理念を創業の原点とし、社会の持続的発展に寄与できるように努めてきました。本業を通じた社会貢献に加え、「環境」「交通安全」「人材育成」をグローバル重点3分野とし、各国・各地域の社会ニーズに応じて「社会・文化」などの分野を加え、トヨタの持つ技術やノウハウといったリソーセスを活用しながら、積極的に活動を進めています。さらに、「ボランティア活動支援」「自動車文化・モノづくり文化」を継承する取り組みなどを通じ、豊かな地域社会づくりの貢献に向け取り組んでいきます。

トヨタ基本理念抜粋(1992年制定) 社会貢献活動の基本理念(1995年制定)

目的 トヨタ自動車株式会社と関連子会社(以下トヨタ)は、豊かな社会の実現と、その持続的発展のため、積極的に社会貢献活動を推進します

取り組み姿勢 トヨタは、社会の幅広い層と力を合わせ、持てる資源を有効に活用しながら、次の世代を担う人材の育成と社会的課題の解決に向けた社会貢献活動に取り組みます

社員の参加 トヨタは、社員が一市民として主体的に行う社会貢献活動を支援します

情報開示 トヨタは、社会貢献活動の成果を開示し、広く社会と共有し、社会の発展に寄与することを目指します

グローバル展開 トヨタは、社会貢献活動基本理念をグローバルに共有し、各国・各地域の実情に合わせた社会貢献活動を展開します

人々の幸福を願う豊田佐吉の「想い」を原点とするトヨタの社会貢献活動コラム

豊田佐吉 豊田綱領

1.

2.

内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす

各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する

3  Toyota’s Social Contribution Activities

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基本的な考え方

取締役会

サステナビリティ会議

●社会貢献自主プログラム活動(環境、交通安全、人材育成、社会・文化)●従業員ボランティア活動の推進(トヨタボランティアセンター) ●NPO、NGOなどへの活動支援(寄付・協賛など)●自動車文化・企業文化の理解活動

[関連法人] ●トヨタグループ各社  ●トヨタ販売店  ●トヨタ財団  ●豊田工業大学  ●トヨタ・モビリティ基金

[関連施設]【 環 境 】 ●トヨタの森   ●トヨタ白川郷自然學校  ●トヨタ三重宮川山林【交通安全】 ●トヨタ交通安全センター モビリタ【文化施設】 ●トヨタ博物館  ●トヨタ産業技術記念館  ●豊田佐吉記念館  ●トヨタ鞍ヶ池記念館  ●トヨタ会館  ●MEGA WEB

●環境部〈環境分野の助成・教育活動〉●総務部〈地域渉外対応・     日本自動車工業会関係〉

社会貢献活動

[社会貢献推進部] [関連推進部署]

社会貢献活動の専門部署である「社会貢献推進部」が中心となって活動を展開しています。2015年4月より「コーポレート企画会議」において、さまざまな社会課題を踏まえて成長戦略・事業戦略を検討しています。社会貢献活動への取り組みは、同会議において、事業戦略とともに議論を行います。

トヨタは社会と協調し、事業活動を通じて社会・地球の持続可能な発展に貢献する取り組みを各地域で進めています。取り組みの根底にあるのは豊田綱領を始めとした企業理念であり、トヨタの考え方・価値観は国連の持続可能な開発目標(SDGs*)が目指すものと一致しています。

社会貢献推進部を中心とする推進体制

グローバル社会と協調した取り組み

推進体制・仕組み

海外推進体制

北米-欧州-アジア-中国の地域統括会社とトヨタ本社を結ぶネットワークを構築し、その強化を進めています。地域統括会社を核に、トヨタ本社と連携をとりつつ、地域方針・活動計画を審議します。

[ 海外 ] 地域統括会社を核とした海外の推進体制

推進体制

*1 TMNA :TOYOTA MOTOR NORTH AMERICA *2 TME :TOYOTA MOTOR EUROPE*3 TFfE :TOYOTA FUND for Europe*4 TMAP :TOYOTA MOTOR ASIA PACIFIC*5 TMCI :TOYOTA MOTOR (CHINA) INVESTMENT

米 国 TMNA*1が関連事業体と連携し、現地ニーズに応じた活動を推進

欧 州TME*2にて汎欧州プロジェクトを実施するとともに、各国事業体で現地ニーズに応じた活動を推進TFfE*3役員会にて、社会貢献活動の方向性決定や個別プロジェクトを審議、決定し、TMEに提案

アジア TMAP*4を事務局に、各国事業体が参加する社会貢献会議で活動の横展開や方向性を検討

中 国 TMCI*5が関連事業体と連携し、現地ニーズに応じた活動を推進

*SDGs(Sustainable Development Goals):2015年9月に150を超える首脳が参加した「国連持続可能な開発サミット」で採択された2030年までの新たな「持続可能な開発目標」で、17の目標と169のターゲットから構成されています。

4  Toyota’s Social Contribution Activities

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スペシャルオリンピックス(SO)とは、知的障がいのある人たちに日常的なスポーツトレーニングと、その成果発表の場である大会・競技会を、年間を通じて提供し、社会参加を応援する国際的なスポーツ組織です。SOの使命は、参加したアスリートが健康を増進し、勇気をふるい、喜びを感じ、家族や他のアスリートそして地域の人々と、才能や技能、友情を分かち合う機会を継続的に提供することです。トヨタはこれに賛同し、車両の貸与やボランティアの派遣などさまざまな活動で支援し、多様性に富んだ社会の実現を目指しています。

スペシャルオリンピックスの活動サポート

2017年11月、トヨタはSO国際本部との間で、2018年からの「グローバルパートナー」契約を締結。併せて、SOアスリートと健常者が同じチームを組んで参加する「ユニファイドスポーツパートナー」契約も締結しました。「同じチームメイトとして日頃の練習や試合を行うことは、お互いの友情を育み、相互理解を深める一番の近道である」という考え方に共感し、2018年から日本と米国を中心に活動しています。2018年7月、SO国際大会の50周年記念として、第1回

記念の地であるシカゴのトヨタ・パークで「ユニファイドフットボールカップ・シカゴpresentedbyToyota」が開催されました。米国トヨタ(TMNA)が「ユニファイドカップパートナー」としての大会スポンサーに加え、車両30台貸与、ボランティア104人を派遣し大会を支えました。男子日本選手団として、福島トヨペット店の従業員が所属する福島チームが参加し、また名古屋グランパスもパートナークラブとしてチームを支え大会を盛り上げました。

「グローバルパートナー」および「ユニファイドスポーツパートナー」契約を締結

ハイライト

4年に一度開催されるSOの夏季ナショナルゲーム(全国大会)が愛知県内9会場で行われました。全国から1,000人のアスリートが陸上競技やサッカー、卓球など13競技に参加。表彰式では、競技能力などによるクラス分けごとに参加全選手が登壇し、健闘が称えられました。また、トヨタスポーツセンターとスカイホール豊田の2会場では、当社従業員400人が運営スタッフとして、競技運営や各チームへのさまざまなサポートなどを行いました。従業員は、「競技に真摯に向き合いスポーツを心から楽しむこと」や、「一人ひとりが主体的に物事を考え行動することの大切さ」を、ボランティア活動を通して学びました。

“スペシャルオリンピックス2018愛知”をサポート・応援コラム

SO愛知大会表彰式

調印式の様子 ユニファイドフットボールカップに参加した男子日本選手団

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環境

環境

年間参加児童数:約4,000人累計来訪者数:約19万人2015年、「第3回みどりの社会貢献賞」受賞。

愛知県豊田市の市街地近郊にある社有林において、かつての里山をモデルに整備するとともに、環境学習のフィールドとして活用しています。1997年より一般公開された45haにおよぶ森林には、生きものの観察など自然に親しむためのエリアや、稀少な動植物の保全のためのエリアなどが整備されています。豊富な知識と経験を持つ専任のインタープリターが常駐し、地域の小学校を対象とする体験学習の受入れや、五感を使って自然を感じる様々なイベントを企画・実施しています。

より多くの方に環境に対する思いを深めていただくことを目的として、2005年に白川村・環境NPOと連携し、世界遺産白川郷にトヨタ白川郷自然學校を開校しました。自然や地域との共生を大切に、地域に根ざした環境教育プログラムを充実させ、広く展開しています。「大人はトレイルを歩こう。こどもは森でたくましくなろう。」をキャッチフレーズに、大人から子どもまで楽しめる四季折々の自然体験型環境教育プログラムを通じて、自然や生物の大切さを実感いただいています。

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「トヨタの森」 森づくりを通して持続可能な社会づくりに貢献

[ 事例紹介 ]

「トヨタ白川郷自然學校」 自然の叡智を大切に、地域に根ざした環境教育を展開

Web https://toyota.eco-inst.jp/

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

「環境」取り組みの基本的な考え方

「環境」分野では、環境学習、環境活動助成、環境緑化などを積極的に推進しています。特に森林は持続可能な社会の基盤であることから、社有林を適切な管理のもと、継続的に保有・保全しています。さらに、国内外で社会や地域との連携を重視した活動を進めているほか、従業員もボランティアとして自主的に地域環境の保全に取り組んでいます。

生きる力が身に付く「こどもキャンプ」 専任インタープリターによる自然体験プログラム

地域の小学生を対象とした自然体験プログラム

累計来校者数:約23万8,000人(2019年12月時点)宿泊者数約1万4,000人/年プログラム参加者数約1万2,600人/年「第2回いきものにぎわい企業活動環境大臣賞」「27年度青少年の体験活動推進企業表彰審査委員奨励賞」

6  Toyota’s Social Contribution Activities

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環境

戦後、日本の山には多数のスギ、ヒノキが植えられましたが、国内林業の衰退により整備が遅れた過密状態の森林が多く見られます。TMCは2007年に三重県多気郡大台町の山林1,702haを取得し、山林再生の取り組みを開始。間伐遅れの森林整備を重点的に行い、水源涵養など公益的機能を発揮できる森づくりを進めています。さらに、効率的な木材生産のため、整備の低コスト化や正確な資源情報に基づく森林管理を実施しています。また、整備した森林を活用した体験学習を行ったり、当山林で生産された木材をトヨタ会館などで活用しています。

TMCは世界初の量産型ハイブリッド車の発売や環境マネジメントシステムの構築、環境情報の積極的な開示などが評価され、1999年に国連環境計画の 「グローバル500賞」 を受賞しました。これは、「持続可能な発展」のための環境保護および改善に功績のあった個人や団体に与えられる賞です。この受賞を契機に、2000年度より、環境保全のための次世代を担う人材の育成や、実践的に環境課題解決に資するプロジェクトを推進する、民間非営利団体などの活動を公募、選考の上、助成しています。

2013年11月、「オーライ!ニッポン大賞」審査委員会長賞受賞。2014年4月、「第2回日経ソーシャルイニシアチブ大賞」企業部門ファイナリストに選定。「豊森なりわい塾」累計修了者数:約220人(2019年12月時点)

2010年、FSC®*森林認証を取得。2017年より森林の活用を目指す人を一般公募し、森林ビジネスを目指し活動を開始。

累計プロジェクト支援件数:413件(世界57以上の国・地域)

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「豊森」 都市と農山村の暮らしをつなぐ人材育成プロジェクト

「トヨタ三重宮川山林」プロジェクト 健全な森づくりと木材資源の活用

「トヨタ環境活動助成プログラム」 生物多様性と気候変動をテーマにした実践的な活動を支援

Web https://www.toyomori.org/

「豊森なりわい塾」グループディスカッションの様子

トヨタ会館での木材利用

ボッソウの野生チンパンジー(「緑の回廊」によってギニアの自然遺産ニンバ山を守る:助成団体緑の回廊)

ヘキサチューブ(苗木の保護具)を使った植樹

「豊森なりわい塾」フィールドワークの様子

山歩き、伐採見学、丸太切りなどの体験(昴学園高等学校の生徒さん)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

*FSC(ForestStewardshipCouncil®):環境団体、林産業者、先住民団体などにより 設立された「森林認証制度」を運営する非営利国際会員制組織

「豊森(とよもり)」は、「豊田市」、NPO法人「地域の未来・志援センター」、TMCの三者協働で取り組む地域づくりのプロジェクトです。2009年には農山村を起点とした人材育成講座「豊森なりわい塾」を開設。公募で集まった塾生は、フィールドワークや座学を通じて、森林資源や食と農、伝統や文化を学び、自分のスタイルに合った持続可能な暮らしを模索します。講座を終えた塾生の中には、都市から農山村に移住する人、都市に住みながら農山村に通い地域の活動に参加する人などさまざまで、こうした活動の組み合わせが、地域を支える力になってきています。

7  Toyota’s Social Contribution Activities

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環境

2012年に始まった「AQUASOCIALFES!!」が、2018年度に、もっと地域を、もっと未来を良くするために、「TOYOTASOCIALFES!!」に名称を変更しました。テーマは「次世代の環境のために」。川・湖・海・山での清掃活動、外来種駆除、植樹など、地域ごとに多様な活動を、TMCと地元販売店、NPO、地方新聞社などが連携し、企画・運営しています。なかには大学が運営母体となって、企業や販売店と連携する自発的な活動も拡大しています。さらには、大学がTSF参加を単位取得プログラムに認定したり、TSF活動をきっかけに県が環境回復費を予算化したりするなど、社会的波及効果も生まれています。

緑豊かな街づくりを目指し、地域に根ざした社会貢献活動として、公益社団法人国土緑化推進機構の協賛を受けて1976年より毎年実施しており、2019年で44年目を迎えました。全国各地区のトヨペット店が、「ふくしま(福島県産ソメイヨシノ)」など3種の苗や、トヨタが独自で開発した大気浄化能力の高い環境改善植物を各自治体へ寄贈するとともに、その他さまざまな緑化活動を自治体や地元の要望を踏まえて実施しています。また、全国各地で行われる寄贈式や植樹式には、一般社団法人国際文化協会の協力により、ミス・インターナショナル日本代表が「緑の大使」として参加しています。

累計開催回数:809回(47都道府県)累計参加人数:8万9,843人参加者平均年齢:34歳(2019年度実績)

累計植樹本数:約44万本

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「TOYOTA SOCIAL FES!!」(TSF) 「次世代の環境のために」をテーマにした、一般参加型地球環境保護・保全活動

「トヨペットふれあいグリーンキャンペーン」 全国トヨペット店とともに展開する、緑豊かな街づくり

Web http://toyotafes.jp/

忠類保育所の園児と植樹(帯広トヨペット)

ボランティアと従業員でエコメンテナンスツアー(名古屋トヨペット)

日本 主体:全国トヨタ販売店、地方新聞社、トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:全国トヨペット店、トヨタ自動車(TMC)

やまぐち森・里・川・海自然再生プロジェクト(山口県)

錦江湾、水辺と未来のプロジェクト(鹿児島県)

8  Toyota’s Social Contribution Activities

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2009年に自然生息地の川へ戻したマナティーから、2016年3月に初めて赤ちゃんが誕生。

(2016年3月時点)

環境

世界で2番目に大きい沿岸生態系保護区「コスタ・ドス・コライス」(41.3万ha)は、1997年にブラジル政府が保護区として指定しましたが、保護活動が十分ではなく、生態系の絶滅が危惧されています。

TDBは2009年に「ブラジルトヨタ基金」を設立し、2011年からこの地域の動植物の生態系保護、2014年から特にブラジルで絶滅の危機にある水生哺乳類マナティーの保護をサポートしています。さらにこのプロジェクトでは、地元学生に対する航海インフラの支援、地元大学による知識の習得、環境保護・保全活動と両立し得る経済活動の発展に向けた地域社会振興への投資を通じて、科学研究を支援しています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ・コスタ・ドス・コライス」プロジェクト 沿岸生態系の保護に貢献

自然生息地へ戻ったマナティーたち

ブラジル 主体:ブラジルトヨタ(TDB)

中国では、家畜の過放牧などによる砂漠化という深刻な問題を抱えています。TMCは2001年より、中国科学院などと共同で、河北省豊寧県シャオパーズ地区において砂漠化防止に向けた取り組みを実施。さらに、砂漠化の原因対策や地域住民の生活向上につながる植林を実施するとともに、支援終了後も住民によって活動が持続する仕組みを設けるなど、模索と試行錯誤を重ねることで「持続可能な植林」モデルを構築しました。2011年からはTMCIに活動主体を移し、現地事業体とともに従業員ボランティアによる植林など新たな取り組みを実施しています。

累計植樹数:約500万株累計緑化面積:3,500ha以上(2020年3月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

15年間にわたり砂漠化防止を支援

中国 主体:トヨタ自動車中国(TMCI)、トヨタ自動車(TMC)

プロジェクト開始前(2000年)のシャオパーズ地区

2015年の同地区

TMTは2004年、WWFタイおよびタイ王国陸軍と協力してマングローブ林再生プロジェクトを立ち上げ、サムットプラーカーン県の河口部にて、マングローブ植林と保全を続けて緑地面積を広げてきました。マングローブの残存率は90%まで定着し、生物多様性も向上しました。この活動はTMT社員・家族、関連会社、社会一般の環境に対する意識向上にもつながっています。

2019年にはIUCN(国際自然保護連合)との協力のもと、政府、大学、NGO、民間部門が参加しASEAN初の「B-DNA(生物多様性ネットワーク連合)」が組織されました。同年7月にアーディティヤホーンキティクン王女が「トヨタ・マングローブ林再生および海浜クリーンアップ」の総裁に就任され、王女参加のもと7,000人のボランティアで5万本のマングローブ植樹とプラスチック廃棄物収集・リサイクルが行われました。

累計参加人数:5万2,800人累計植樹本数:64万2,800本 累計削減CO₂:3万0,179トン(2019年12月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

バンプー・マングローブ林の再生と海岸クリーンアップ活動

タイ 主体:タイ国トヨタ自動車(TMT)

マングローブの植樹の様子 「トヨタ・マングローブ林再生および海浜クリーンアップ」の総裁に就任された王女

(中央の女性)

9  Toyota’s Social Contribution Activities

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環境

UMWTは2001年、本社周辺の中高等学校を対象に「トヨタ・エコユース」を開始。翌年からは全国から選抜された各校がチームを結成し、校内での節電や廃水処理など環境改善に取り組んでいます。UMWTは、学生に環境知識やトヨタ問題解決手法などを学ぶ機会を提供し、優秀な学校を表彰。2011年からは、地域の環境問題解決のため、参加校は地元コミュニティと連携することが必須となっています。2005年からは、TMMINとTAMが高校生を対象にインドネシア版「トヨタ・エコユース」を開始。これらの活動は、両国政府より教育的価値を高く評価され、積極的な協力をいただいています。

「WORLD CLEANUP DAY」は、2008年に北欧の国エストニアで始まった世界中で一斉に清掃活動が行われるクリーンアップイベントで、例年9月21日に実施され、150カ国以上約1,800万人が参加しています。TMEは2018年から、地域社会のごみ拾いに重点を置いたこの世界的なプロジェクトへの参加を各事業所で呼び掛けています。

2018年および2019年に開催されたこの活動に、欧州のトヨタ従業員2,000人以上が参加し、欧州各国で80トン以上のごみを収集しました。2019年にはグループ企業であるトヨタ紡織、トヨタマテリアルハンドリング、豊田通商にも参加を呼びかけました。

マレーシア累計:参加校209 参加者数:2,267人(学生&教員)インドネシア累計:参加校1,100 累計参加者数5万2,000人

(学生&教員)(2016年3月時点)

2018、2019年ごみ収集量:約80トン

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「トヨタ・エコユース」プロジェクト 中高生および地域コミュニティによる持続的な環境改善教育プロジェクト

欧州で世界規模の清掃活動に参加

インドネシア:宗教儀式ごみから作った       レンガを説明する学生

Toyota Balkans(Albania)

マレーシア:リサイクルセンターについて      説明する参加者 

Toyota France

インドネシア/マレーシア 主体:UMWトヨタ自動車(UMWT)、インドネシアトヨタ自動車(TMMIN)、トヨタアストラ自動車販売(TAM)

2006年に発足した「トヨタ環境・交通安全アカデミー」は、韓国児童安全財団とともに全国の小学校を訪問し、子どものニーズに応えるための、経験に基づいた交通安全と環境教育を提供するプログラムです。2006年4月、環境アカデミーがスタートし、2010年6月に交通安全アカデミーを追加。2つのプログラムを併せた「トヨタ環境・交通安全アカデミー」は、毎年40の小学校、約8,400人の子どもたちに実施されています。

2019年度参加小学校・児童数:40校、約8,400人累計参加数:551校、約12万7,000人

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ環境・交通安全アカデミー」 子どもの安全と環境意識向上に向けたプログラム

韓国 主体:韓国トヨタ自動車(TMKR)

横断歩道のわたり方を学習する小学生 衝突時のシートシミュレーターを使ってシートベルト着用の重要性を学習

欧州各国 主体:トヨタモーターヨーロッパ(TME)

10  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 12: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

環境

50の州から4万5,000人が参加。40万4,000件の宣言があり、今後一年間で、合わせて19億ガロンの水節約を宣言 (2016年3月時点)

TMEと環境教育財団が2015年11月に共同で発案したこのプログラムは、特定植物とそれに関わる種の生物多様性に焦点を当てることを目的としています。教員は、子どもたちが屋外に出て学校周辺の生物多様性をマッピングするよう指導します。このプログラムは、環境教育財団の基本理念である教育的要素やキュー王立植物園が開発した教材などを基に実践的な活動も織り込まれています。

ワイランド財団の環境意識啓発の取り組み「全米都市対抗水保全チャレンジ」を5年にわたり支援しています。市長の呼びかけに応え、参加を希望する人は、Webサイト『私の水宣言』で、自分が今後実行しようと思う「水や資源の節約」「CO₂排出抑制」などにつながる行動を選択式で宣言。その行動の1年間の効果をその場で知り、環境意識を高めます。「地球の日」のある4月はチャレンジ期間となり、市単位で住民の参加率を競います。最も参加率が高い市の参加者には、抽選で環境関連の賞品と合わせて新型「プリウス」が贈られます。

プログラム参加校数:732 参加教員数:5,900人以上参加児童数:7万5,500人以上 (2019年12月時点)

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「THE GREAT PLANT HUNT」 生物多様性 環境学習プログラム

「全米都市対抗年間水保全チャレンジ」 ワイランド財団とともに5年にわたり水の節約を啓発

14カ国 (ベルギー、ドイツ、イタリア、スペイン、デンマーク、スロべニア、ラトビア、トルコ、アイルランド、エストニア、セルビア、クロアチア、オランダ、ブルガリア) 主体:トヨタモーターヨーロッパ(TME)

アメリカ 主体:トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)

2008 ~ 2013年:「グリーンウェイズ・プロジェクト」実施2014年~:敷地内に棲む生物の種に関する初期調査および 「生物多様性の写真コンテスト」開催2017年~:年2回、刈り取られる草木を堆肥化2018年:TME本社に自然水の池を造成2019年:生物多様性に関する説明パネルを設置

2008 ~ 2013年、TME本社とザベンテムにあるテクニカルセンターをつなぐ約9kmの公道で、ごみ収集や植樹を行うボランティア活動「グリーンウェイズ・プロジェクト」を実施しました。2014年からは、本社とテクニカルセンターの敷地に生息する生物の多様性保護・促進に向けた取り組みとして、敷地内に棲む生物の種に関する初期調査を実施。2015年からは、敷地内に「インセクトホテル(虫の巣箱)」を設置したほか、TME従業員を対象に「生物多様性の写真コンテスト」を開催しました。

2017年からは、年に2回刈り取られる草木を堆肥化し、2018年にはTME本社に自然水の池を作りました。さらに2019年には、TME本社とテクニカルセンターに、従業員と来客向けの生物多様性に関する説明パネルを設置しました。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

事業所周辺・敷地内で環境保全

「生物多様性の写真コンテスト」における人気作品

テントウムシに興味を示す児童(photo ⓒ Naoise Culhane)

ベルギー 主体:トヨタモーターヨーロッパ(TME)

ベンチューラ市(2016年受賞市のひとつ)を指さす市長

11  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 13: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

国の春の「全国交通安全運動」に合わせ、全国の販売店などと協力して「幼児向け交通安全教材の贈呈」を1969年より実施しています。歩行中の交通事故死傷者数がもっとも多いのは7歳であることから、7歳を迎える子どもたちへの交通安全教材として、絵本・紙芝居を全国の幼稚園・保育所の新入園児向けに贈呈しています。幼児の交通事故に多い

「急な飛び出しの危険」や「道路の正しい渡り方」を分かりやすく説明しています。

交通安全

交通安全

2019年度絵本発行部数:約268万部 累計:約1億4,675万部2019年度紙芝居発行部数:約4.6万部 累計:約171万部

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「幼児向け交通安全教材の贈呈」 全国トヨタ販売店などと共同で、毎年春に展開

[ 事例紹介 ]

2019年度「幼児向け交通安全絵本・紙芝居」 キャラクターのひよこの『クック』と園児たち(トヨタ部品大阪共販)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)、全国トヨタ販売会社など

「交通安全」取り組みの基本的な考え方

地域に根ざした交通安全活動として、全国各地の自治体や企業、販売店などと連携し「体験型交通安全イベント」 を開催しています。ドライバー向けには、運転席からの死角範囲を確認したり、衝突被害軽減をサポートする安全技術を体験する場を設け、歩行者向けには、反射材の効果などを確認いただいています。ドライバーと歩行者双方の安全意識向上につなげています。

累計プログラム体験者数:約6万3,000人[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

体験型交通安全イベント

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

「交通安全」の領域では、「交通事故死傷者ゼロ」の実現に貢献するため、「人・クルマ・交通環境」の三位一体による交通安全の取り組みを進めています。なかでも、ドライバー、歩行者などの「人」に対する交通安全意識向上に向けた啓発活動は、1960年代から推進し、幅広い層に向けたさまざまな活動を継続して実施。昨今では海外事業体でも展開しています。

サポカー同乗体験(名古屋トヨペット) 死角の確認

12  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 14: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

交通安全

愛知県豊田市および静岡県のトヨタ施設周辺の年長園児を、トヨタ会館と「トヨタ交通安全センターモビリタ」に招いて、毎年開催している幼児向け交通安全教室です。トヨタ会館では、交通安全劇やクイズなどにより、楽しみながら交通ルールが学べます。「モビリタ」では、専用施設である特徴を生かし、実車を走らせ実際の交通環境を再現した中で「横断歩道の渡り方」や「飛び出しの危険性」を親子で学びます。こうしたプログラムは、園児自らが身近な危険について考え、“気づく能力”を育む内容となっており、地域では恒例の交通安全啓発活動として定着しています。

累計参加園数:3,957園 累計参加者数:27万1,814人(2019年12月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタセーフティスクール」 地域に定着した幼児交通安全教室

あんぜんマンによる指導(トヨタ会館) 横断歩道の渡り方(モビリタ)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

トヨタ独自の安全運転プログラムで、一般および企業のドライバー向けに開催しています。このプログラムは、実技形式で、正しい運転操作や車両の挙動、安全装備の正しい使い方などを学んでいただくためのものです。また、周囲の安全にも気を配るなど、安全意識の向上を目指しています。1987年に若年ドライバーの事故を低減する目的で始まり、その後、対象年齢や会場を拡大し、2005年に「トヨタ交通安全センターモビリタ」(富士スピードウェイ内)を開設し、「交通事故死傷者ゼロ」に向け、日々活動しています。

累計受講者数:約12.4万人(2019年3月時点)[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

「トヨタ ドライバーコミュニケーション」 in モビリタ 安全意識向上を目指した安全運転講習会

「トヨタ ドライバーコミュニケーション」in MEGA WEB

Web https://www.toyota.co.jp/mobilitas/

Web https://www.megaweb.gr.jp/

トヨタ交通安全センターモビリタ

インストラクター同乗で構内路を運転 自動(被害軽減)ブレーキ(PCS)実体験

ワインディング低ミュー路

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

お台場にあるモビリティのテーマパーク「MEGAWEB」では、気軽に参加できる1時間の安全運転講習を開催しています。初心者からベテランまで、一人ひとりに合った安全運転のコツを、インストラクターとのマンツーマンで学びます。ベーシックな運転講習に加え、「自動(被害軽減)ブレーキ(PCS)」や「踏み間違い時サポートブレーキ(ICS)」をお客様自身の運転で体験できるシニア向け講習も実施。機能作動時の状況を実体験いただくことで、安全技術を過信せず、万が一の事態にも落ち着いて対処できる技術を習得いただけます。

13  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 15: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

交通安全

神経シゲキ体操*は、日頃刺激していない体幹の運動神経を目覚めさせる体操です。子どもからご年配の方まで、激しいトレーニングをしなくても、全身の神経に必要なシゲキを与えることで身体をイメージどおりスムーズに動かすことができるようになります。また、神経をシゲキし、身のこなしがスムーズになれば、運転時のブレーキ・アクセルの踏み間違い、ハンドルの誤操作や判断の誤りなどの交通事故や、歩行時の転倒事故なども回避できる可能性が高くなります。

ベトナムでは、2015年に約2万3,000件の交通事故が発生、8,671人の方が命を落とすという厳しい交通事故状況でした。そこで、TMVは、ベトナム公安省交通警察局と共同で、ベトナム初の安全運転インストラクター養成に着手しました。ベトナム警察およびTMVから選ばれた候補生8人に対し、トヨタ自動車の講師が1年半にわたる訓練を実施、安全運転スキル、交通安全マインドを指導。バイクが主流のベトナムでは、候補生もクルマに乗る機会がほとんどなく、安全運転スキル習得のため、業務用車で日々自主訓練を積むなどして目標をクリアしていきました。訓練は運転実技以外にも、日本で実施している反射材やチャイルドシートの重要性、飲酒運転の危険、加齢に伴う身体変化など、交通安全に関わる幅広い知識を体験ツールで伝授、認定試験には全員が無事合格しました。

またTMVは、毎年行われる警察官内部トレーニングコースのために、2016 ~ 2019年に3台のカムリを交通警察局に寄贈。現在、年間500人の警官が訓練を受け、全国規模では2,000人に達しています。さらに2018年には、トヨタディーラーの67人が交通安全トレーナーとして卒業し、安全運転インストラクターとして認定されています。

2019年 5月:兵庫県「ゆうゆう学園(西播磨高齢者文化大学)」 (参加者約200人)2019年11月:東京モーターショー脳トレイベント (参加者約100人) 他

累計安全インストラクター認定者数:67人(2018年12月時点)累計警察官研修人数:2,000人

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「神経シゲキ体操」 運動神経をシゲキして、スムーズな身のこなしによる事故予防

「トヨタ安全運転プログラム」 ベトナム初の安全運転インストラクターの養成

ブラインドスポットの確認 反射材キーホルダー

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

ベトナム 主体:ベトナムトヨタ(TMV)

神経シゲキ体操のポスター

*神経シゲキ体操:徳島大学名誉教授の荒木秀夫先生が開発した体操で、正式名称は「コオーディネーション(Co-ordination)トレーニング」。荒木先生は、人間が持つ能力を巧みに組み合わせることでさらなる可能性を引き出す「コオーディネーショントレーニング」理論を確立し、全国の自治体や東京都の公立学校、さらにはトップアスリートなどにも指導に当たっています。

14  Toyota’s Social Contribution Activities

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若い世代の交通安全に対する意識を向上させることを目的に、2014年から始まった「トヨタホワイトロードキャンペーン」でのキャンパスチャレンジは、職業訓練校を含む全国の大学生が、交通事故を減らし、安全意識を醸成するための計画を立案するコンテストです。2019年は868の応募チームがあり、70の大学、約3,400人がコンテストに参加しました。最終ラウンドに合格した15チームには、立案した計画を実行するための費用2万バーツが付与されます。1位と2位に選ばれたチームは、日本への教育トリップが贈られ、日本国内のトヨタ産業技術記念館、トヨタ自動車博物館、トヨタ会館、モビリタをはじめ、交通事故調査およびデータ分析研究所である「ITARDA」を訪問し、交通安全に関する知識とノウハウを実体験します。さらに、4カ月間にわたる計画の実行をサポートするため10万バーツの賞金が付与されます。

交通安全

累積参加チーム数:3,480チーム累積参加学生数:約1万4,000人(2019年12月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「ホワイトロード」キャンペーン 大学生が立案する交通安全啓発コンテストの開催

タイ 主体:タイ国トヨタ自動車(TMT)

TMCAが地域コミュニティ貢献活動を統合するため2011年に設立したトヨタ・コミュニティ・ファウンデーション(TCF)は、交通安全に関する助成活動の一環として、NPO「ロード・セーフティ・エデュケーション(RSE)」の主要パートナーにもなっています。2001年から活動を続けるRSEはティーンエイジャー向けに、実践的で効果が高いワークショップなどを通じて、安全な交通社会の発展、交通事故による死傷者低減に貢献。ワークショップでは、免許取りたてのドライバーに対し正しい運転態度と習慣を身につけることを教えています。

累計で50万人以上の高校生が参加・受講(2020年3月時点)[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

トヨタ・コミュニティ・ファウンデーションによる交通安全活動支援

オーストラリア 主体:トヨタオーストラリア(TMCA)

中国ではクルマの保有台数の急増に伴い、特に大都市で渋滞や交通事故が頻発するなどドライバーや歩行者の交通安全意識・マナー向上が課題となっています。そこで2005年より、北京・上海などの大都市で交通安全に関する体験型イベントを実施。2015年からは、より多くの方々に関心を持っていただけるよう、交通安全の知識・マナーを分かりやすく織り込んだ物語、漫画、アニメを制作し、新たに開設したSNSや外部動画サイトへの掲載を実施しています。

累計参加者数:約3万人 累計アニメ視聴回数:約24万回累計SNS閲覧数:約7万回(2020年3月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

体験型イベントやソーシャルメディアなどを通じた交通安全啓発活動

飲酒ゴーグル着用体験

キャンパスチャレンジに入賞したチーム

絵本を読んでいる子ども

キャンパスチャレンジキャンペーンレポート

中国 主体:トヨタ自動車中国(TMCI)

プログラムの様子 タイヤの摩耗を確認する生徒たち

15  Toyota’s Social Contribution Activities

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交通安全

TKMは、子どもたちの交通安全の意識向上と道路ユーザーとしての責任感を醸成するため、2007年よりTSEPを開始しました。5 〜 9年生(10 〜 14歳)を対象としており、2018 〜 19年は、デリー、ムンバイ、バンガロールの約3万2,000人を対象としています。学習内容は、例えば5年生はクラスルームトレーニング、9年生は子どもの行動の変化と交通安全クラブの形成に焦点を当てたプログラムに取り組むなど、年齢層別の段階的アプローチにより交通安全の重要性が学べます。

知識の維持を評価するため、州および国レベルで、クイズやプロジェクト作業、交通安全テーマの寸劇などのさまざまなイベントが行われています。さらに、国連やWHO、政策立案者、全インド医科大学(AIIMS)、警察などのさまざまなステークホルダーに、子どもたちの努力をアピールできる機会を提供しています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

トヨタ安全教育プログラム(TSEP)を通じた子どもたちの安全意識の向上と行動変化

インド 主体:トヨタキルロスカ自動車(TKM)

累計参加児生徒数:77万人

セーフティパーク内での横断歩道歩行の体験学習

交通安全プロジェクトテーマ発表会

コインバートルにある小学校の安全モデル校認定式

テーマ発表優勝者の表彰式

TKMのビジョン「Grow India and Grow with India」に沿って、ビジネスパートナーと協力のもと、新プロジェクト

「Team Toyota Activity」を立ち上げました。これは、交通安全に関するモデル校の設定に焦点を当て、全国的に交通安全のノウハウを拡大する目的で開始されました。

この活動を実践するに当たり、子どもたちとスクールバスの運転手の意識向上トレーニングを行なうためのセーフティパークが設立されています。パーク内では、さまざまな交通安全の概念が説明されており、交通安全に関するさまざまなシナリオに沿った体験学習を通じて、交通安全のルールやマナーが子どもたちに身に付くようにしています。モデル校は、近隣の学校に交通安全の知識を広めるためのハブとして活用されます。

2018-2019年 は、M/s Roots Industries(TKMの サ プ ラ イヤー)の協力のもと、コインバトールにある小学校をモデル校に設定。これまで、デリー、ヒサール、バラナシ、レワリ、コチ、コルカタ、コインバトールに7つの安全モデル校を設立。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

ビジネスパートナーとともに、交通安全のノウハウを拡大する「Team Toyota Activity」

インド 主体:トヨタキルロスカ自動車(TKM)

カンボジアでは、交通事故死者数が年々増加し、社会の大きな懸念事項の一つになりつつあります。そのような状況をかんがみ、TCAMは交通事故減少に貢献すべく、2014年夏に交通安全プログラムを開始。大型商業店2カ所で子どもたちを対象に、交通安全専門家によるレクチャーやビデオ上映、交通警察による交通標識の説明、交通ゲームなどを実施しました。2015年10月には地方へと活動範囲を広げ、シェムリアップとバッタンバンの学校で児童を対象に実施。児童は、レクチャーの後、学んだ知識から正しい動き方を実践で見つけ出すゲームを行いました。

2014年度開催回数:2回 延べ参加人数:120人2015年度開催回数:2回 延べ参加人数:330人

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

児童対象の交通安全教育

ショッピングモールで交通ゲームに参加した子どもたち

バッタンバンの学校で交通安全について学ぶ児童たち

カンボジア 主体:カンボジアトヨタ(TCAM)

16  Toyota’s Social Contribution Activities

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交通安全

早期教育によって子どもの交通安全に対する意識を高めるため、2005年より、拠点を置くサカリヤ県の「全国交通安全週間」行事に参加。児童を対象とした「交通安全をテーマとした絵画コンテスト」は、子どもの交通安全意識向上と想像力育成に貢献しています。2010年からは、従業員の積極的なボランティアにより、小学2年生を対象とした交通安全教室を開始し、アニメで交通ルールを学んだり、シートベルトの使い方や夜間の視認性を実際に体験しています。

累計参加者数:7,000人以上(2016年3月時点)[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

子ども向け交通安全意識向上活動

横断歩道の渡り方を学ぶ子どもたち ゲームを通じて道路標識を学ぶ子どもたち

トルコ 主体:トヨタモーターマニュファクチャリングトルコ(TMMT)

米国では、自動車事故が10代の主要な死亡原因であり、なかでも10代で免許取得後、初年度は最も危険な年とされています。TMNAはこの事実に基づき、10代のドライバーが家族の協力を得ながら安全運転を学ぶ「ティーンドライブ365」を実施。Webサイト上で親子が安全運転について話し合うきっかけとなるさまざまなコンテンツの提供と、安全運転を啓発するビデオコンテストを開催しています。サイトを訪れた人は、運転中に起こりうる危険、事故を回避するための心得や技術を学べます。

ビデオコンテストの参加者数:1,500人以上ウェブサイトのアクセス数:43万2,049回(2016年3月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「ティーンドライブ365」 若者向けの交通安全教育を支援

安全運転啓発のビデオコンテスト

アメリカ 主体:トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)

TASAでは、2008年から交通安全プログラム「トヨタ・アンド・ユー」を展開しています。このプログラムは、安全運転をコンセプトに、プロの講師陣による理論的かつ実用的なセッションを通じて若者たちに責任ある運転のためのツールを提供しています。トヨタはこのプログラムを通じて、交通事故防止に直接的かつ間接的に貢献したいと考えており、内省の場での研修と啓発を行っています。新しいプログラムでは、サラテ市、カンパーナ市、サンペドロ市の教育機関に通う市の16~ 19歳の学生が、レクリエーション活動と研修を通じ交通安全を主軸として学びます。活動は2部に分かれており、まずは公道における脆弱なユーザーについて学び、次に、シミュレーター、ゲーム、視聴覚教材を使用して、公道におけるリスク要因や注意散漫、疲労、飲酒やドラッグ使用の弊害について学習します。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ・アンド・ユー」 子どもとティーンエイジャー向けの交通安全教育

シミュレーターやゲームを使って交通安全を学ぶ子どもたち

アルゼンチン 主体:アルゼンチントヨタ(TASA)

サラテ市参加人数:735人カンパーナ市参加人数:519人サンペドロ市参加人数:668人累計プログラム参加人数:3万168人(2019年12月時点、子ども/ティーンエイジャー)

17  Toyota’s Social Contribution Activities

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2019年度招待者数:101人累計開催数:47回累計招待者数:約4,200人

人材育成

人材育成

青少年の理科離れという社会的課題への取り組みとして、小学校高学年を対象とした科学工作教室を1996年から毎年開催し、子どもたちに「モノづくりの大切さ」や「科学の楽しさ」を伝えています。講師は社員である「トヨタ技術会*」の有志メンバーが務め、全国の科学館・博物館やトヨタの関連施設・事業体で、参加費無料のレクチャーを行っています。「空力ボディ」や「手作りハイブリッドカー」など、専門分野を生かして考案したトヨタオリジナルのプログラムで、子どもたちの創意工夫を引き出します。

全国47都道府県で累計約500回のレクチャーを実施、延べ3万4,000人の子どもたちが参加。

*トヨタ技術会:会員の技術向上および親睦を図り、さまざまな事業の技術分野の発展へ の寄与と地域社会への貢献を目的とする社内団体で、会員数は約3万人。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

[ 事例紹介 ]

「科学のびっくり箱! なぜなにレクチャー」 モノづくりの大切さを伝える科学工作教室

空力ボディプログラム 手作りハイブリッドカープログラム

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

「人材育成」取り組みの基本的な考え方

50年近く続く地域貢献活動で、販売会社と協力し、愛知、三重、岐阜、静岡の聾学校の児童をトヨタ本社に招き、トヨタ会館および工場の見学、作業訓練体験などを通じて、クルマとモノづくりへの理解を深めていただきます。この見学会では、聾学校を卒業しトヨタで働く先輩たちが仕事内容を説明するほか、組立作業訓練や「カイゼン」について学びます。こうした体験の中で、クルマへの興味と将来への夢を持ってもらえるような機会になることを目指しています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「聾学校児童のトヨタ見学会」 社員との交流を通じてクルマとモノづくりへの理解を

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

聾学校出身の従業員と一緒にトヨタ会館を見学

「人材育成」の領域では、トヨタの理念である「モノづくりは人づくりから」との考え方を踏まえ、次世代を担う人材の育成に向けて、就労・就学面での支援や、豊かな感性を育み、モノづくりの大切さを伝える活動をグローバルに推進しています。

18  Toyota’s Social Contribution Activities

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人材育成

身近なクルマを通じて、子どもたちの五感を刺激し、ワクワク・ドキドキするような体験ができる出張授業を、全国各地の販売店とともに取り組んでいます。対象となるのは小学4年生と5年生。理科や社会科の授業の一環として、「体感しながら楽しく学ぶ」をテーマに、実車も教材に用いてクルマの仕組み、環境や経済とのかかわりなどを紹介します。こうしたリアルな実体験の一つひとつのシーンが、原体験として子どもたちの心に刻み込まれるような活動になることを目指しています。

2019年度開催校数:414校 累計開催校数:4,093校2019年度参加者数:約2万1,000人 累計参加者数:約20万人

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ原体験プログラム」 全国トヨタ販売店と協力した、小学校への「クルマ」を題材にした出張授業

クルマと環境に関するゲーム形式の学習 実車を使用したクルマの仕組みの学習

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)、全国トヨタ販売店

豊田佐吉の遺訓「研究と創造に心を致し、常に時流に先んずべし」を建学の理念に、1981年に設立。教員1人に学生約10人の徹底した少人数制と、実験や実習を豊富に取り入れた体験型学修(実学)により、創造性に富む実践的な開発型技術者を育成し、開学以来の学生の就職率は100%を維持しています。2003年にはシカゴ大学と連携して「豊田工業大学シカゴ校」

(大学院大学)を開校し、情報科学分野での研究交流とレベルの高い国際化教育に取り組んでいます。2011年、キャンパス刷新計画をスタートさせ、新校舎は2020年に完成します。

一般学生の累計就職者数:1,194人* 社会人学生の累計卒業生数:1,514人*

*いずれも学部・修士の合計数

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「豊田工業大学」 国際産業リーダー育成に取り組む

Web https://www.toyota-ti.ac.jp/index.html

豊田工業大学 豊田工業大学 シカゴ校

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本サッカー協会が全国170の自治体と取り組んでいる「JFAこころのプロジェクト」。トヨタは2015年度から地元愛知県豊田市で開催される「夢の教室」に支援企業として参加。

トヨタの運動部選手や個人アスリートたちも夢先生として小学校を訪れます。夢先生は、体育館でのクラス全員で目標を目指すゲームや、教室で夢曲線*を使ったトークの時間を通じて、夢を持つことの素晴らしさ、努力を続けることや仲間の大切さを伝えます。

豊田市内の延べ220小学校474クラスで開催。トヨタ派遣の夢先生205人

(運動部、個人アスリート、技能五輪選手など)

*夢曲線:夢先生が、夢を追いかける過程で、どのような困難があったのか、そしてそれを どのように乗り越え、その際に何が得られたのかを示すもの

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

夢を持つことや仲間の大切さを子どもたちに伝えたい、MIRAIへつなぐ『夢の教室』in豊田

夢先生を務めたトヨタ自動車 森井大輝(パラアルペンスキー)

日本 主体:日本サッカー協会(JFA)、豊田市、中京大学、トヨタ自動車(TMC)

19  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 21: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

人材育成

中国の優秀な学生が、経済的な理由で大学進学・進級を諦めることのないように、TMCはTMCI・中国宋慶齢基金会と共同で「中国宋慶齢基金会トヨタ助学金プログラム」を2006年に立ち上げ、学生を支援しています。金銭的な支援に加えて、学生のチームワークや問題解決力の向上を促す学生自主活動、学生の視野を広げる日本への招聘などを実施しています。20校(各校10人)を対象に始めたプログラムは、2014年に対象を26校へと拡大。さらに人脈づくりの機会を提供するため、学生・卒業生・基金会・トヨタを含めたオンラインコミュニティを開設しました。

1991年以来、「全米家庭教育センター(NCFL)」による「親子学習プログラム」の全米展開を支援しており、各拠点それぞれのプログラム立ち上がり3年間、資金を提供しています。それをもとに、市やコミュニティは自分たちの共同基金を築き、長期的にプログラムの運営を継続していきます。英語習得に加え、安全、環境保護、お金に関する知識、現行の教育システム、交通や健康などの社会における重要課題に対して、親子が一緒に学び、取り組みながら地域社会の活動に参加しています。

恵まれない学習環境に置かれている小学校を対象に、教師のカリキュラム政策に対する理解向上と、これによる児童の学力向上を支援しています。教育分野の最新動向や進歩の共有も目的の一つです。2005年以降は、学校運営全般についての研修を強化し、「ガバナンスと人間関係」など10分野に力を入れています。2009年からは学校全体への支援アプローチが取り入れられ、4年周期で10校ずつ続けています。

累計支援者数:約3,000人(2020年3月時点)

プログラム展開範囲:31州56都市、280超の拠点援助総額:4,600万ドル以上(2016年3月時点)

支援実績数:418校、1,818人の教師、22万317人の児童(2016年3月時点)

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

「トヨタ助学金プログラム」 優秀な学生を多面的に支援

「トヨタ 親子学習プログラム」 米国社会の発展に貢献

「トヨタ・ティーチ」 より充実した初等教育の実現をめざし支援

元町工場の見学

親子で学習、ともに成長

担当指導員が学校を訪問して課題に対する対策の指導と進捗状況を確認

日本トリップにおける日中学生交流

カリキュラムに関するワークショップに参加する教師

中国 主体:トヨタ自動車中国(TMCI)、トヨタ自動車(TMC)

南アフリカ 主体:南アフリカトヨタ(TSAM)、南アフリカトヨタ財団

アメリカ 主体:トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)

20  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 22: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

社会・文化

社会・文化「社会・文化」取り組みの基本的な考え方

[ 事例紹介 ]

音楽を通じて地域文化の振興に貢献することを目的に、1981年より公益社団法人日本アマチュアオーケストラ連盟と連携し、日本各地で活動している地域に根差したアマチュアオーケストラを応援するクラシックコンサートです。クラシックの名曲・大作を中心とした公演をはじめ、オペラ、バレエ、映画音楽、アニメソングなど、さまざまなジャンルのコンサートを開催します。本格的なクラシックファンから、これまでクラシック音楽になじみのなかった方にも気軽に楽しんでいただいています。

累計開催公演数:1,710回 累計来場者数:約134万人[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタコミュニティコンサート」 ~あなたの街の演奏会(コンサート) ~ 音楽を通じて地域文化の振興に貢献

地元のゆるキャラも登場した「トヨタコミュニティコンサートin岩内(北海道)」

「指揮者体験コーナー」に参加した5歳の男の子(特別養護老人ホーム「千川の杜」開催時)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)、全国のトヨタ販売会社グループ

トヨタのメセナ*活動は、“いい町・いい社会”づくりを目指し、人の心を豊かにするクラシック音楽を中心としたプログラムを展開しています。「artsinhearts」は、トヨタのメセナ活動を表すブランドとして、2016年に制定。シャボン玉のように生まれ、膨らみ、集まってできた大きな感動のハートで、さまざまな円の集まりをは“感動の多様性”を表しています。

トヨタのメセナ活動 ~芸術文化活動への取り組み

*メセナ:芸術文化の擁護・支援を意味するフランス語

社会貢献活動のグローバルな重点領域に、日本では「社会・文化」の領域を加え、トヨタの持つノウハウやリソーセスを最大限に活用したプログラムを主に2つの分野で推進しています。芸術・文化分野においては、「地域文化振興」「若手育成」「裾野拡大」を重点にした音楽や舞踊などの活動を、社会分野においては、さまざまな人々が互いに尊重して支え合う社会づくりを目指し、地域とのコミュニケーション、地域社会との共生を目指し、メセナ、福祉、自立促進支援などの活動を行っています。

21  Toyota’s Social Contribution Activities

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社会・文化

1986年、「楽譜」のレンタルを行う 「トヨタミュージックライブラリー」 を開設。オーケストラ活動には欠かせない楽譜を無料で貸し出しています。最大6カ月間までの長期貸出、複数曲の同時貸出が可能で、楽曲検索から申し込みまでウェブサイト上でできることが特徴です。中学・高校・大学のスクールオーケストラから市民オーケストラにいたる幅広い方々にご利用いただいています。

交響曲、協奏曲、オペラ作品など、約300作品の豊富な楽曲を所蔵。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

トヨタミュージックライブラリー

Web https://www.toyota-music.com/

貸出している楽譜 トヨタミュージックライブラリーのホームページ

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

2000年に開始、これまで17回実施。累計公演開催数:124公演累計来場者数:約20万人

良質な音楽を多くの方々に低価格で鑑賞いただき、音楽を通じて豊かな心の醸成に寄与することを目的に、ウィーン・フィルおよびウィーン国立歌劇場のメンバーを中心に、約30人で特別編成されたオーケストラ「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」によるコンサートです。2007年からは公演期間中に音楽の感動をより多くの方々にお届けするために、次代を担う青少年を対象としたプログラム「ウェルカム・シート(コンサートへのご招待)」「公開リハーサル」「ふれあいコンサート(小・中学校、特別支援学校への訪問コンサート)」も実施しています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「ウィーン・プレミアム・コンサート」 世界トップレベルの音楽で豊かな時間を提供

公演の模様 ©AyumiKakamu

ふれあいコンサートの模様 ©AyumiKakamu

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

音楽を通じた青少年の育成を目的に、公益社団法人日本アマチュアオーケストラ連盟と連携して1985年から毎年実施している3泊4日の音楽合宿研修です。第一線で活躍するプロの音楽家を講師に招き、その指導のもとで全国から集まった青少年が「自分たち自身の手による運営」をモットーに演奏技術を学び、その体験を地元に持ち帰り地域のオーケストラ活動に生かすことが特徴です。2年を1クールとし、2年目にはその成果を発表する演奏会を開催します。これまでにキャンプに参加した卒業生たちは、各地域のオーケストラの中核となり活躍する人、プロの音楽家となる人と、それぞれの道で後進の指導にあたり活躍しています。

累計キャンプ参加人数:延べ6,000人以上2014年、公益社団法人企業メセナ協議会主催の「メセナアワード2014」において『文化庁長官賞』を受賞。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ青少年オーケストラキャンプ」 地域の文化の担い手となる若い人材を育成

キャンプ中の練習の様子

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

22  Toyota’s Social Contribution Activities

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社会・文化

「ネットTAM」は、全国各地における芸術文化の基盤整備、芸術文化に携わる人材の育成を目的に、2004年に公益社団法人企業メセナ協議会と協働して開設。月間アクセス数は約38万ページビューにのぼります。1996年より8年間実施した「トヨタ・アートマネジメント講座」のアーカイブをはじめ、コラム、求人情報、助成金情報、文献一覧、掲示板など、これから学ぶ方からアートの現場まで、幅広く活用いただける情報を集積。第一線で活躍される方々が、さまざまな角度から、アートの現場を伝えています。

2013年、アートに携わる人々の下支えをする活動が評価され、「メセナアワード」において『タムタムしま賞』を受賞。2020年 の 東 京 オリンピック・パラリンピックに向けて、2016年に「オリンピアード文化通信」を開設。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

Web https://www.nettam.jp/

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

東京オリンピック・パラリンピックネットTAMのウェブサイト

「ネットTAM」 アートに携わる人々を下支えするアートマネジメント総合情報サイト

TMC東京本社に近隣住民や福祉施設関係者などを招待し、コンサートを開催しています。主旨に賛同いただいたアーティストの協力を得て、幅広いジャンルの音楽を提供。地域の協力のもと、社員のボランティアを中心に手づくりで運営しています。また、来場いただいた方から、使用済み切手、ペットボトルのキャップなどを収集し、当社ボランティアセンターを通じて、タイ・ラオスの子どもたちの教育や、開発途上国に対する医薬品の供給などに役立てています。

1995年より開始、累計公演数:47回累計参加アーティスト数:238人 累計来場者数:延べ1万7,600人

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

「トヨタロビーコンサート」近隣の方々に気軽に音楽を楽しんでいただく東京本社ロビーでのコンサート

さまざまな人々が自分らしく生きられる社会の実現を目指し、障がいのある人の芸術活動(エイブルアート)を応援しています。1996年から2003年まで、NPO法人「エイブルアート」と協業で、全国各地で「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」を開催し、障がいのある人のアート活動の基盤づくりを行いました。現在では、ラッピングカーやMEGAWEBの壁画、スポークカバー(車いすのホイール)などの他、オフィスエレベーターのアートラッピングなど、アートやデザインを通した応援をしています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

エイブルアートとの協業 障がいのある人がアートを仕事にできる環境づくりを応援

名古屋オフィスシャトルエレベーターのアートラッピング

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

テーマ「夏祭り」梵天<和太鼓チーム>

23  Toyota’s Social Contribution Activities

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社会・文化

日系人が多いサンパウロ市からの協力要請を受け、2015年に「サンタクルス病院」の業務改善活動を病院スタッフと共同で開始。救急外来室の配置や診察のプロセスを調査した結果、診察を待つ間にスタッフや患者が同じ場所を何度も行き来しているなど、改善の余地がある課題が多数見つかりました。そこでレイアウトを変更し、新しい待合エリアを設置して連続的な動線を確保しました。この改善によって動線が短くなり、スタッフが患者を探す時間や、患者が診察室を探す時間が短縮され、診察の全体的な流れにおける待ち時間の削減につながりました。病院関係者は、病院の業務改善を行うことは人命救助にもつながるため、救急外来以外の場所でもTPSを活用し、継続的な改善に取り組みたいと考えています。

オーストラリアトヨタ(TMCA)は、2017年末の工場閉鎖決定後、さまざまな地域貢献を検討してきました。その1つの方法として、アメリカでのTSSCの活動を参考にTSSC-AUを設立しました。TSSC-AUのメンバーはトヨタのサプライヤーを支援してきたTMCA調達部のメンバーで、薬局での調剤時間の短縮やがんセンターでの患者さんの待ち時間短縮などを実現。立ち上がったばかりのセンターですが、メンバーは、50年間の現地での事業で培ったノウハウを地域のために生かしたいと熱い想いで取り組んでいます。

「TPSの開示による北米の製造業等への支援活動を行い、広く社会に貢献」を使命の一つとして、1992年ケンタッキー州レキシントン市にTSSCを設立。トヨタのサプライヤーに限らず、TPSの習得と実践により運営改善や顧客へのよりよいサービス提供を希望する熱意ある企業や非営利団体、政府機関に対し支援を行っています。2011年には非営利組織となり、公的機関や非営利団体への積極的支援に努めています。

医療分野では、救急処置室での待ち時間短縮や、倉庫の在庫削減支援を実施。またフードバンク、災害支援、教育、社会サービス、アート等をはじめとする非営利団体への支援も拡充しています。

患者の平均待ち時間:改善前より30分短縮 (2019年12月時点)

がんセンターでの患者さんの待ち時間を56%短縮。薬局での調剤処方箋作成の時間を85%短縮 (2020年3月時点)

個別工程改善活動実施数:314社以上(例:ニューヨーク市フードバンクの待ち時間短縮:1.5時間→18分)セミナー参加者数:4,300人以上 (2016年3月時点)

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

[ これまでの実績 ]

人命救助への貢献 ~トヨタ生産方式(TPS)を活用した病院の改善活動~

トヨタ生産方式(TPS)による中小企業や非営利団体への改善活動

トヨタ生産方式(TPS)による企業や団体への効率的改善活動

トヨタの工場で病院のエグゼクティブに対しTPSの考え方を紹介

ニューヨーク市フードバンク改善前は、空席があるにも関わらず、施設の外で列を作っている人がいた。改善後は、支援者のサポートもあり、より大勢の人が効率よく席につけるように改善されている

病院のメンバーと一緒に問題の解決策を検討

検査

待合室B

待合室A

検査 待合室C

改善前 改善後[移動距離:240m] [移動距離:160m]

受付

1

2

7

診察 薬

4・6すべて同じ待合室

3 5 8 10 12

9 11 13

14

受付

1

2

6

診察 薬

3

4 5

87 9 10

11

連続フロー壁 壁

受付、検査、診察、薬の受け取り待ちの患者さんがすべて同じ待合室で混在していたため、移動と時間のムダが多い

各プロセスに合わせた待合エリアを設置することで連続的な動線を確保し、移動と時間のムダを削減

待合室D

アメリカ 主体:トヨタ生産方式支援センター (TSSC)

ブラジル 主体:ブラジルトヨタ(TDB)

オーストラリア 主体:トヨタ生産方式支援センター オーストラリア(TSSC-AU)

24  Toyota’s Social Contribution Activities

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Fundafeとの協力で、4人に支援を行いました(2019年12月時点)

社会・文化

TMPFは1992年以来、医療サービスを利用できない地域住民に、年1回の医療および歯科治療を提供してきました。2018年に過去の医療ミッションを見直し、パートナーの医療ボランティア医師から、特に甲状腺腫、ヘルニア、乳房腫瘤、胆嚢結石症などの主要な外科手術を必要とする患者の治療にリソースを集中することを推奨されました。

過去10年間で地方自治体は大幅に改善され、基礎医学のニーズと小規模な医療プログラムに資金を提供できるようになったため、TMPFは財団が提案する大手術を受けた後、人生を変えるような変化が起きる患者にリソースの提供が可能となりました。手術前後の入院、手術費用、医薬品などは選択できる恩典としてTMPFによって提供されています。

甚大な自然災害が発生した際、何よりも「人命第一」「地域の復旧」を最優先に、TMCは支援活動を行っています。現地の被害状況を的確に把握しつつ、できる限り迅速に、災害支援車両の手配や、日本赤十字社、中央共同募金会、ジャパン・プラットフォームをはじめとする団体へ災害義援金を寄付しています。また、従業員募金やマッチングギフトも行っています。

近年の災害の頻発と被災者の避難形態多様化を背景に、災害発生後の早い段階から被災された方の生活再建のお役に立ちたいと考え、2018年3月から「TDRS(Toyota Disaster Recovery Support:トヨタ災害復旧支援)」と名付けた新しい活動を始めました。具体的には「車中泊」避難者への支援や支援人材の社内育成や災害ボランティアセンターの運営支援に向け、社内講座の受講済みボランティアコーディネーターの派遣します。

コロンビアトヨタは、障がいのある人のモビリティ問題を解消するため、2019年からリサイクル可能な素材をFuente de Esperanza財団(Fundafe)に寄付しています。Fundafeは、それらの素材をスクラップとして販売した収益で補装具を製作し、身体的および精神的なリハビリのための支援を必要とする人々に提供しています。

モデルでは、対象者の家族だけでなく、周囲の環境や社会も精神的なリハビリのプロセスに含まれます。これにより対象者は、新しい境遇に速やかに馴染むことができ、社会で直面する新たな課題に向き合う心の準備ができます。

平均30人の患者が地元の病院で診断サービスを受診(2019年12月時点)

【海外】2018年10月 インドネシア中部スラウェシ島地震2018年2月 台湾東部地震2017年9月 メキシコ南部中部地震

【国内】2019年10月 台風19号2019年9月 台風15号2018年9月 北海道胆振東部地震2018年7月 平成30年7月豪雨2017年7月 福岡県・大分県 平成29年7月九州北部豪雨災害2016年4月 熊本県 平成28年熊本地震

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

[ 2016-2019年実績 ]

[ これまでの実績 ]

「医療奉仕プログラム」 医療サービスを受けられない地域の患者への無料の外科的サービス

国内外における自然災害発生時に災害義援金の寄付などを実施

Fuente de Esperanza財団を支援 下肢に障がいがある人のためのモビリティソリューション

フィリピン 主体:フィリピントヨタ財団(TMPF)

コロンビア 主体:コロンビアトヨタ(Automotores Toyota Colombia S.A.S.)

国内外 主体:トヨタ自動車株式会社(TMC)

補装具を着用する支援対象者

25  Toyota’s Social Contribution Activities

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2011年3月11日に発生し、未曾有の被害となった東日本大震災。被災地の皆様が一日も早く平穏な生活を取り戻せるよう、トヨタグループ・関係会社では、発生3カ月後の2011年6月から岩手県気仙地区(大船渡市、陸前高田市、住田町)で、従業員による復興支援ボランティア活動を継続しています。

ボランティア活動支援

ボランティア活動支援「ボランティア活動支援」の基本的な考え方

従業員が自発的に取り組むボランティア活動を支援し、支え合える地域づくりを目指しています。日本では「環境」「災害」「福祉」「スポーツ」を重点分野として、地域を取り巻くさまざまな課題の解決につながるようなプログラムを関係先の協力の下で企画・実施するとともに、社外から寄せられるボランティア情報を社内に紹介しています。

ボランティア活動に参加している従業員は年間約3万人。新入社員や若手従業員対象の社内研修にも、ボランティア体験を織り込んでいます。

1993年に社内に設置され、従業員(家族・OB/OGを含む)を対象に、全工場・事業所と連携してボランティア活動の支援を行っています。「ボランティアに関心はあるが、敷居が高そうで踏み出せない」という従業員に対し、地域の団体から寄せられる活動への参加を呼びかけるとともに、社内で短い時間でできる簡単なボランティア活動の場を提供するなど、ボランティア参加のきっかけづくりをしています。

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ これまでの実績 ]

「トヨタボランティアセンター」 従業員が地域課題に取り組むきっかけとなるボランティア活動を支援

病院での車いす清掃

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

[ 事例紹介 ]

東日本大震災被災地復興支援活動

2011~ 2012年 交通機関や宿泊施設の復旧もままならない中、4泊5日の日程で、トヨタ自動車のボランティアサークル「大型車運転友の会」のメンバーが運転するバスや、各社の会社バスなどで、愛知県あるいは東京都から岩手県へ移動。現地の災害ボランティアセンターなどで活動を紹介していただき、瓦礫の撤去や仮設住宅の整備などをお手伝いしました。

2013~ 仮設住宅団地での整備や草刈りなどの生活支援のほかに、地元の行政や観光協会、NPOの方々にもご協力いただき、お祭りのお手伝いや子ども向け工作教室なども行い、現地の方々と、より深くふれあい、“人と人の交流”を行いました。最近では、現地ニーズの高い産業再建へのお手伝いとして、りんご農園、ワイナリーのぶどう畑での活動を行っています。

りんご園でのお手伝い(2015年)

漁港での養殖用漁具の整備(2011年)

[ 活動内容 ]

26  Toyota’s Social Contribution Activities

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2011~2019年度まで、本社・田原工場で約1,400人が参加。2019年4月の活動には240人が参加しました。

ボランティア活動支援

アカウミガメの産卵地として知られる愛知県渥美半島の表浜海岸は、天竜川供給土砂の減少などによって、砂浜の浸食が進み、生態系への影響が懸念されています。そこで、2011年から年1回、表浜海岸に近い田原工場と本社地区の従業員と家族100人以上が集まり、NPO法人「表浜ネットワーク」「あかばね塾」と協働し、砂浜で増えすぎた竹を伐採して、砂浜を保全する役割を果たす堆

たい砂さ垣がきなどを製作・設置しています。また

参加者全員で海岸清掃も行い、5月から産卵に来るアカウミガメを迎える準備をしています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「アカウミガメの産卵地保全ボランティア活動」 貴重な生態系を従業員の手で育む

竹を使って砂の飛散を防ぎ、アカウミガメの産卵に適した砂浜に再生

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

愛知県足助町(現愛知県豊田市)において、「森林を守ろう!」という有志が集まり、下草刈りや枝打ちなどを行う森林整備活動を2000年より開始しました。2008年には社内にボランティアサークル「トヨタ森林キーパーズ」(2018年8月独立後も連携を継続)を作り、愛知県豊田市と協定を結んで市有林の森林整備を協働で行うなど、活動の場を拡大しています。混み合った木を間引きし、森を健康にする間伐作業は、参加者自身も自然に浸って健康になることができます。また、整備した際の間伐材を利用し、地域の方々を対象とした工作教室などを開催しています。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「人工林での森林整備(間伐)ボランティア」 豊かで美しい森づくりに取り組む

健全な森林とするために、安全に十分配慮しながら間伐を実施

工作教室に参加した子どもたち

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

2008年からの累計は、活動回数641回、参加者数5,996人、人工林の間伐数9,073本。

認定NPO法人「TABLEFORTWOInternational」による、飢餓で苦しむアフリカの子どもたちへの支援と、従業員の生活習慣病予防を同時に行う「TABLEFORTWO」プログラムに賛同。2011年6月より毎週水曜日に、社内食堂でカロリーを抑えたヘルシーランチを食べると、従業員から10円、会社から10円を上乗せした合計20円を、アフリカの子どもたちの学校給食1食分として寄付しています。気軽な支援機会を提供し、多くの従業員のボランティア意識向上を図っています。

2015年5月、社内の全工場・事業所の食堂への導入を完了。2018年度の寄付金額約350万円(学校給食約17万食分)。2011年度からの寄付金額は累計で約2,450万円。

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

アフリカ諸国給食支援活動「TABLE FOR TWO」プログラムに参加

Web https://jp.tablefor2.org/

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

従業員食堂での喫食でアフリカの子どもたちの学校給食を支援

27  Toyota’s Social Contribution Activities

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ボランティア活動支援

キムチで愛を共有する社会貢献プログラムは、2012年に開始され、アプリケーションで選ばれたトヨタ週末農民が、自宅の庭で作ったキムチを恵まれない方たちに提供しています。TMKRの従業員も毎年このイベントに参加してキムチを作り、ホームレス支援施設の社会福祉法人「アンナ・ハウス」に届けています。

また、2019年には、頻繁に発生した台風の影響を受けた農家を支援するため、5,000万ウォンを韓国農業連盟に寄付しました。

TMKRボランティア累計人数:2,815人(2016年3月時点)[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

手作りキムチで愛を共有

韓国 主体:韓国トヨタ自動車(TMKR)、レクサス販売店

工場を設立以来30年以上、有志メンバーやその家族、友人のボランティア活動を促進。役員も活動に参加し、会社全体でボランティアを通じた地域貢献を推進しています。

TMNAのボランティア活動を評価する取り組みとして、有志メンバーの年間の活動時間に応じて、会社は従業員が指定した慈善団体に寄付を行う、「メンバー寄付プログラム」があります。また、「トップ・ボランティア」と呼ばれる地域社会に多大な貢献をした従業員の中から「コミュニティー・スター(ボランティア・オブ・ザ・イヤー)」を選び、表彰し、受賞者がボランティアを行っている団体に会社が寄付します。

【TEMA*単体の2015年実績】400人以上が計1万時間のボランティア活動を実施。5万7,000ドル以上を従業員が指定した団体へTEMAが寄付。

「トップ・ボランティア」の中で、TEMAは毎年、1万8,000ドルを寄付。(寄付先:地元のケンタッキーとミシガンの団体)

(2016年3月時点)

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「チーム・トヨタ」でボランティア活動を通じた地域貢献を推進

ボランティア緑化活動の様子 TEMA ボランティア・オブ・ザ・イヤーに選ばれた、Terence Proctorさん(情報システムマネージャー )

アメリカ 主体:トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)

* TEMA:トヨタモーターエンジニアリングアンドマニュファクチャリング

TMEの 従 業 員 は2017年 か ら、地 元 の 慈 善 団 体United Fund for Belgiumのために、TME本社とテクニカルセンターで寄付金を募る活動を支援しています。United Fund for Belgiumは、子どもの福祉、貧困緩和、障がいのある人の支援、社会的統合に関する地元プロジェクトへの資金提供に重点的に取り組んでいます。

社内の募金活動は、お菓子の販売からプロカメラマンによるポートレート撮影まで多岐にわたります。United Fund for Belgiumとその地元プロジェクトを支援するため、2017 ~2019年までに社内で5万ユーロ以上の寄付金が集まりました。

2017 ~ 2019年の寄付金:5万ユーロ以上[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

子どもの福祉、貧困緩和などに取り組む地元慈善団体への支援

ベルギー 主体:トヨタモーターヨーロッパ(TME)

手作りキムチを準備するTMKRの従業員

28  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 30: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

Web https://global.toyota/jp/company/profile/museums/sakichi/静岡県湖西市山口 113番2号 

Web http://www.toyota.co.jp/jp/about_toyota/facility/toyota_kaikan/index.html愛知県豊田市トヨタ町1番

Web http://www.toyota.co.jp/kuragaike/愛知県豊田市池田町南250番

「文化・展示施設」の基本的な考え方

トヨタは、先人たちの熱い思い「モノづくりを通じた社会への貢献」「時流に先んじた研究と創造」の精神を受け継いでいます。その精神や理念を、人とクルマの豊かな未来のために、自動車文化・モノづくり文化として継承していくことに力を注いでいます。

文化・展示施設

文化・展示施設

敷地内には、母屋や佐吉が研究を続けた納屋、佐吉の生家(1990年に復元)などがあります。また、佐吉が最初に発明した豊田式木製人力織機やG型自動織機、特許証などゆかりの品々の展示と、佐吉の生涯を描いた映画を通じて彼の志や情熱を感じ、親しんでいただけるようにしています。

環境・安全に関する最新技術や、トヨタ生産方式による高品質を目指したクルマづくりなど、トヨタの“今”がわかります。工場の見学受入窓口にもなっており、ツアーは日本語と英語で行っているので海外からのお客様にも好評いただいています。また地域貢献活動として、小学5年生の社会科見学受け入れや、年長園児を対象とした交通安全教室なども行っています。

創業者・豊田喜一郎と仲間たちが、わが国における本格的な自動車工業の確立に大いなる夢を抱き挑戦し、幾多の困難に立ち向かいつつ乗り越えた軌跡を、写真や映像、ジオラマ、実車で紹介しています。また、喜一郎が1933年に建てた別荘を記念館の一角に移築修復しており、往時を偲んでいただくこともできます。併設された鞍ヶ池アートサロンでは、トヨタ所蔵の絵画などを中心に企画展を開催しています。

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

豊田佐吉記念館 グループ創始者であり日本の産業の発展に寄与した佐吉の生涯を生誕の地で展示紹介

トヨタ会館 ビジョンや最新技術の情報発信と工場見学の受け入れ拠点

トヨタ鞍ヶ池記念館 創業期を支えた人々の夢と情熱の日々を、創業期の歩みとともに映像などで紹介

日本 主体:豊田佐吉記念館保存会(トヨタ自動車含め21社)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

[ 事例紹介 ]

設立 1988年10月

設立 1977年11月

設立 1974年9月

29  Toyota’s Social Contribution Activities

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トヨタのグローバルな環境・安全・モータースポーツなどの取り組みをはじめ、国内外のトヨタ車を紹介する「トヨタシティショウケース」、日米欧のヒストリックカーを展示する「ヒストリーガレージ」、子どもが運転の楽しさと交通ルールを学べる屋内走行体験ゾーン「ライドスタジオ」の3つのテーマ館と、トヨタの全乗用車に試乗することができる試乗コース「ライドワン」があります。その他、体験イベントも通じ、「クルマ文化の情報発信」を行っています。

Web https://toyota-automobile-museum.jp/愛知県長久手市横道41番100号

Web http://www.tcmit.org/愛知県名古屋市西区則武新町4丁目1番35号

Web http://www.megaweb.gr.jp/東京都江東区青海1丁目3番12号

文化・展示施設

自動車の発展に貢献した世界の名車約140台を展示し、世界と日本の自動車産業がどのように絡み合いながら進歩してきたかを紹介しています。実際に走ることのできる状態で動態保存しているのが特徴で、春と秋の走行披露で走る姿を確認できます。記念撮影などのため乗車可能な常設車両は3台あります。企画展をはじめ、クラシックカー・フェスティバル、学校向けプログラムなどで、自動車の歴史・文化に親しんでいただけます。

トヨタグループ発祥の地である旧豊田紡織本社工場跡に残されていた当時の建物を利用して建設。建築史的に評価された赤レンガの建物を、グループ全体の歴史的遺産として保存・活用し、「研究と創造の精神」と「モノづくり」の大切さを広く社会に伝えることを目的としています。トヨタグループの歴史とともに、繊維機械と自動車技術の変遷を本物の機械の実演や解説映像でわかりやすく紹介。2014年には自動車館創業期ゾーンをリニューアルしました。

[ 概要 ]

[ 概要 ]

[ 概要 ]

トヨタ博物館 世界の名車から自動車の歴史が学べる博物館

トヨタ産業技術記念館 繊維機械事業を基盤にクルマづくりの世界へ進出したトヨタの歴史を、実演を交えて展示紹介

MEGA WEB 東京・臨海副都心にある「見て、乗って、感じる」モビリティの体験型テーマパーク

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

日本 主体:トヨタグループ17社

日本 主体:トヨタ自動車(TMC)

設立 1989年4月

設立 1999年3月

設立 1994年6月

30  Toyota’s Social Contribution Activities

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トヨタ財団は、世界的視野を持って多領域にわたる時代の要請に対応した課題に取り組む研究や活動に対して助成を行うべく、1974年に設立されました。現在は、日本国内の地域コミュニティの活性化を目的に、地域資源を活用した仕事づくり・担い手の育成を図る活動への助成(国内助成プログラム)や、日本を含む東アジア・東南アジアが共有しつつある高齢化、多文化社会等の課題に着目して政策提言を行う活動への助成など、さまざまな助成プログラムを展開しています。

財団

財団

将来労働人口が減少していく中で女性の活躍は不可欠であり、また日本のモノづくりが、お客様の多様なニーズに応え続けるためには、さまざまな価値観を持った人材が必要です。しかし、製造業の女性技術者はまだまだ少ないため、もっと多くの女性技術者に活躍してほしいと考え、2014年にトヨタ女性技術者育成基金を設立しました。具体的には、①中高生に理工学系進路に興味を持ってもらうためのエンジニアキャリアの魅力紹介活動と、②理工学系に進学した女子大学生への奨学支援プログラムとして、奨学給付とともに現役女性エンジニアや志を同じくする仲間との交流を通じて、将来を考えることができる育成プログラムを行っています。

【理系キャリア紹介事業(高校生対象)2019年度実績】愛知県を中心に16校、のべ約2,400人(男女)の生徒へ出前講座を実施【奨学支援事業(工学系女子大学生対象)2019年1月時点】全国83大学、550人の学生に対して奨学支援を実施

[ 概要 ]

[ 概要 ] [ これまでの実績 ]

「トヨタ財団」 グローバルにNGO / NPOの活動を支援

「トヨタ女性技術者育成基金」 将来エンジニアを目指す高校生・理系女子大学生へのサポート活動

2018年度国内助成・研究助成プログラム助成金贈呈式

トヨタグループ女性エンジニアによる高校出前講座

村の文化について話し合うフィリピン山岳地方の子どもたち

2018年度奨学支援事業「リケジョの未来CAMP」に参加した工学系女子大学生

国内外 主体:公益財団法人トヨタ財団

国内 主体:一般財団法人トヨタ女性技術者育成基金(トヨタ自動車が設立、グループ8社が参加)

Web https://www.toyota-rikeijosei.or.jp/

31  Toyota’s Social Contribution Activities

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財団

国内外 主体:一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(TMF)

トヨタ・モビリティ基金は、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消をめざし2014年8月に設立されました。さまざまなNPO・研究機関などと連携し、世界のモビリティ分野の課題の解決に取り組んでいます。

[ 概要 ]

「トヨタ・モビリティ基金」 すべての人に移動の自由を

完了実施中

全世界

モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ下肢麻痺者向け補装具のアイディア発掘、開発支援Nesta(英国国立科学技術芸術基金が母体となって    設立されたNPO)

愛知県豊田市足助地区

中山間地域のモビリティモデルの構築

助成先 名古屋大学、東京大学

ロンドン(イギリス)

人工知能による都市交通マネジメント

助成先 アラン・チューリング研究所

バンコク(タイ)

交通渋滞の緩和

助成先 チュラロンコン大学、バンコク都

ダナン(ベトナム)

交通渋滞の未然防止

助成先 ダナン市人民委員会

ボストン並びに近郊(アメリカ)

起業家視点によるモビリティ課題解決

助成先 バブソン大学

ハラレ(ジンバブエ)

アフリカの農村におけるEVの活用

助成先 Mobility for Africa(NPO)

ベンガルールなど 6都市(インド)

地下鉄へのアクセス向上

助成先 World Resource Institute India

サンパウロなど 4都市(ブラジル)

都市中心部のアクセス改善

助成先 World Resource Institute Brazil

日本国内

水素基礎研究の公募

基礎研究助成(年間10件)

岡山県美作市上山地区

中山間地域のモビリティモデルの構築

助成先 みんなの集落研究所英田上山棚田団

岡山県赤磐市

車両データを活用した道路維持管理

道路維持管理の新たな手法を考える協議会

日本国内

地域の移動の仕組みづくり

助成先 公募による助成(約30件)

主な活動

トピックス

Web http://toyotamobilityfoundation.org/ja/

32  Toyota’s Social Contribution Activities

Page 34: トヨタの社会貢献活動...トヨタの社会貢献活動の原点は、トヨタ創業者 豊田喜一郎の父、豊田佐吉にさかのぼります。1925年、佐吉 は「人々の生活を豊かにする発明を支援したい」との想いから、画期的な「蓄電装置」の発明を促すため、帝国発

年表

社会動向と社会貢献活動の歩み

社会動向と社会貢献活動の歩み

科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー

1996~

トヨタ交通安全キャンペーン1969~

「トヨタ博物館」開館1989

1969

1974

1973

1975

1976

1979

•経団連企業行動憲章(1991)•経団連地球環境憲章(1991)

※斜体は世界的な動向

•阪神・淡路大震災(1995)ボランティア元年(1995)

第一次交通戦争 第二次交通戦争

高度成長期 公害問題 バブル経済 環境問題 バブル経済崩壊

「トヨタ交通安全キャンペーン」開始

「トヨタサマースクール」開始

「トヨタセーフティスクール」開始

「トヨペットグリーンキャンペーン」開始

「トヨタ子ども110番」開設(〜2009)

1981

1985

1988

1989

1990

1991

1992

1993

1995

経団連「1%クラブ」加入

米国「トヨタ

親子学習プログラム」開始

「クラシックカーフェスティバル」開始

「トヨタボランティアセンター」設立

「トヨタコミュニティコンサート」開始

「豊田工業大学」開校(1984年大学院設置、2003年シカゴ校開校)

「トヨタ青少年ミュージックキャンプ」開始(現トヨタ青少年オーケストラキャンプ)

「豊田佐吉記念館」開館

タイ「ホワイトロード」キャンペーン開始

1987

「トヨタ・ヤングドライバーズコミュニケーション」開始(現「トヨタドライバーズコミュニケーション」)

「社会貢献活動委員会」(豊田章一郎社長が委員長)を設置

「トヨタ博物館」開館

南アフリカ「トヨタティーチ」開始

「社会貢献活動理念」を制定

1994

「トヨタ産業技術記念館」開館

「トヨタ・ロビーコンサート」開始

1996

「科学のびっくり箱!なぜなにレクチャー」を開始

「トヨタ・アートマネージメント講座」開始(〜2004)

「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」開始(〜2004)

社会の動向(日本)

トヨタの主な社会貢献活動

トヨタの動向

1960~1970年代 1980年代

「トヨタ財団」設立

1990年代

•日本のGNP世界第2位(1968)

•経団連「1%クラブ」設立(1990)

•東京オリンピック(1964) •輸出自主規制の日米合意(1981)•プラザ合意(1985)

•モントリオール議定書発効(1989)

「聾学校児童のトヨタ見学会」開始

「トヨタ鞍ヶ池記念館」開館

1986

「トヨタミュージックライブラリー」開設

「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,シリーズ」開始

「トヨタふれあいコンサート」開始(〜2003)

マイカー時代 排出ガス規制石油危機

:環境   :交通安全   :人材育成   :社会・文化   :文化・展示施設   :その他

•工販合併(1982)

•北米でレクサスブランド設立(1989)

国内工場新増設による量産体制強化国内販売体制の拡充

海外生産の本格化

•北米での現地生産開始(1984)

•「トヨタ環境フォーラム」 初開催(1997)•初代プリウス発売(1997)

環境問題への全社取り組み

社会貢献活動の本格化 バブル崩壊後も社会貢献活動を継続

企業の社会貢献活動・メセナ活動への関心高まる

•トヨタ環境取組プランスタート(1993)

•「環境基本法」制定(1993)

1997

「トヨタの森」を一般公開

•初の高速道路開通(1964)

•国内自動車保有台数1,000万台超え(1967)•交通事故死亡者数過去最高の16,765人(1970)

•大阪万博(1970)

•「公益財団法人企業メセナ協議会」設立(1990)

•消費税導入(1989)•日本自動車工業会「交通安全特別委員会」(1989)

•トヨタ地球憲章(1992)•トヨタ基本理念(1992)

国内累計生産台数 500万台達成(1969) 5,000万台達成(1986)

100万台達成(1987) 500万台達成(1994)海外累計生産台数

1,000万台達成(1972)

33  Toyota’s Social Contribution Activities

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社会動向と社会貢献活動の歩み

•京都議定書発効(2005)

•「持続可能な開発目標(SDGs)」 国連で採択(2015)

新興国の台頭、グローバリゼーションの拡大 さらなるグローバリゼーションへ

1998

1999

「エコのもりセミナー」開始(〜2005)

「在日ブラジル人自動車整備技術修得コース」開始(〜2017)

「MEGA

WEB」オープン

2000

「トヨタ・チャイルドセーフティコミュニケーション」実施(〜2012)

「トヨタ環境活動助成プログラム」開始

2001

「トヨタ コレオグラフフィーアワード」創設(〜2016)

中国「砂漠化防止活動」開始

2004

「トヨタ・子どもとアーティストの出会い」開始(〜2015)

「ネットTAM」開設

2005

「トヨタ白川郷自然學校」開校

「トヨタ交通安全センター

モビリタ」設立

「社会貢献基本方針」を策定(P4掲載)

2006

「体験型交通安全イベント」開始

「あんぜんのこどもサイト『こどもビリタ』」開設

「社会貢献推進部」発足(従来活動していた部署を統合)

2007

「CSR委員会/社会貢献活動分科会」設置

フィリピン「熱帯雨林再生活動」開始(〜2013)

2009

「豊森」プロジェクト開始、「豊森なりわい塾」開講

2011

「TABLE

FOR

TWO」導入

1990年代 2000年代 2010年代

中国「砂漠化防止活動」Before

2001~2010

•東日本大震災(2011)•NPO法(1998)・・・NPO活動の活性化

「トヨタ三重宮川山林プロジェクト」開始

中国「トヨタ助学金プログラム」開始

2008

「トヨタ原体験プログラム」開始

2015

2016

トヨタグループ関係会社による「東日本大震災被災地復興支援ボランティア活動」開始

ブラジル「トヨタ・コスタ・ドス・コライス」プロジェクト開始

「トヨタ女性技術者育成基金」設立

「スペシャルオリンピックス日本」とナショナルパートナー契約締結

2014

「トヨタ

モビリティ基金」設立

2012

「TOYOTA

SOCIAL

FES!」開始

「MIRAIへつなぐ『夢の教室』in豊田」開始

2017

「スペシャルオリンピックス国際本部」とグローバルパートナー契約締結

2018

「TDRS(トヨタ災害復旧支援)」開始

After

•リコール問題(2010)

•国内でレクサス店の営業開始(2005)•CSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」(2005)•環境部発足(1998)

グローバリゼーションの急拡大

•中国での現地生産開始(2000)

※斜体は世界的な動向

若者のクルマ離れ

平成の大合併による新しいまちづくり(1999~2010)

•東京オリンピック、パラリンピック(2020) 招致に成功(2013)

•トヨタグローバルビジョン発表(2011)•ココロハコブプロジェクト(2011)

•トヨタ自動車東日本株式会社設立(2012)

•愛・地球博(2005)•ETCシステム全国運用開始(2001)

CSR元年(2003)

地球環境問題への関心が高まる

•世界の人口が60億人を突破(1999)

•リーマンショック(2008)

「環境」「交通安全」「人材育成」をグローバル重点領域に

1億台達成(1999) 1億5,000万台達成(2013)

1,000万台達成(1998) 3,000万台達成(2006) 5,000万台達成(2011)

34  Toyota’s Social Contribution Activities

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https://global.toyota/jp/sustainability/esg/social-contribution/

発行/2020年3月発行部署/社会貢献推進部

[加工製本]トヨタループスは、障がいのある方により多くの働く機会を提供するためにトヨタが設立した重度障がい者多数雇用事業所で、特例子会社に認定されています。トヨタ自動車の中で行っていた社内印刷、社内郵便物の受発信などの業務を受託業務として行っています。本冊子の印刷・製本はトヨタループスが行いました。

会社名 トヨタ自動車株式会社(TOYOTAMOTORCORPORATION)

代表者名 豊田章男

所在地 本社 東京本社 名古屋オフィス

愛知県豊田市トヨタ町1番地東京都文京区後楽1丁目4番18号愛知県名古屋市中村区名駅4丁目7番1号

創立 1937年(昭和12年)8月28日

資本金 6,354億円

主な事業内容 自動車の生産・販売

従業員数(連結) 370,870人

連結子会社数 608社

持分法適用会社数 63社

会社概要(2019年3月末時点)