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内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 久間 和生 サイバー社会における産業構造の変革と 科学技術イノベーション政策

サイバー社会における産業構造の変革と 科学技術 ...scj-info.nii.ac.jp/data/symposium09-02.pdf · 2017-11-12 · サイバー社会の到来で変わる産業構造

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内閣府 総合科学技術・イノベーション会議

久間 和生

サイバー社会における産業構造の変革と 科学技術イノベーション政策

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サイバー社会の到来で変わる産業構造

ICTの飛躍的発展・・・デジタル革命, 情報蓄積、情報処理、情報伝送の大容量化・高速化

産業構造の変遷

製品価値の変遷

サイバーフィジカルシステム

物理・化学等をベースとした イノベーション

ICTをベースとした イノベーション

実空間とサイバー空間を連携・統合したシステム

戦略・・・・ 強い産業をより強く 新たなシステム・サービス産業を創出 + ビジネスモデル構築 基盤技術の徹底強化 多様な人材育成

モノの性能、コスト、品質 モノ+サービス プラットフォーマーの出現

日本の 強み

日本の 弱み

複数システムを 統合したシステム

ハードウェア コンポーネント

ハードウェア +組み込み ソフトウェア

■ハイブリッドカー、燃料電池車 ■炭素繊維強化プラスチック ■LED照明 ■SiC/GaNパワーエレクトロニクス

■インターネット (e-mail、グーグル、アマゾン 他) ■GPS ■携帯電話、スマートフォン ■無人飛行機

■Industrie 4.0 ■GE :Industrial Internet ■自動走行システム

■e – F@ctory ■光ファイバ通信

フィジカルシステム

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第5期科学技術基本計画(平成28~32年度)答申より

1.未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創出の取組 2.経済・社会的課題への対応

世界で最もイノベーションに適した国の実現を目指し、「4つの政策の柱」と「2つの重要事項」に取り組む

新たな価値を積極的に生み出していく取組の強化として、チャレンジングな研究開発手法を普及拡大(PMの導入、挑戦を奨励する評価、ステージゲート制等)

(1) 未来に果敢に挑戦する研究開発と人材の強化

(2) 世界に先駆けた「超スマート社会」の実現 サイバー空間の活用等により、豊かな暮らしがもたらされる「超スマート社会」を 世界に先駆けて実現⇒「Society 5.0」として強力に推進

(1) 持続的な成長と地域社会の自律的な発展 「エネルギー・資源・食料の安定的な確保」、「超高齢化・人口減少社会等に対応する持続 可能社会の実現」、「ものづくり・コトづくりの競争力向上」 等 (2) 国及び国民の安全・安心の確保と豊かで質の高い生活の実現 「自然災害への対応」「食品安全、生活環境、労働衛生等の確保」「サイバーセキュリティの 確保」「国家安全保障上の諸課題への対応」 (3) 地球規模課題への対応と世界の発展への貢献

(4) 国家戦略上重要なフロンティアの開拓(海洋・宇宙)

(1)人材力の強化

(2) 知の基盤の強化

(1)オープンイノベーションを推進する仕組みの強化

(2)新規事業に挑戦する中小・ベンチャー企業の創出強化

(3)国際的な知的財産・標準化の戦略的活用

(4) イノベーション創出に向けた制度の見直しと整備

(5) 「地方創生」に資するイノベーションシステムの構築

(6)グローバルなニーズを先取りしたイノベーション創出機会の開拓

3.科学技術イノベーションの基盤的な力の強化 4.イノベーション創出に向けた人材、知、資金の好循環システムの構築

・産業界の人材・知・資金を投入した本格的連携、大学等の経営システム改革、国立研究 開発法人の橋渡し機能強化 等 ・セクター間の研究者移動数2割増、大学・国立研発法人の企業共同研究受入れ額5割増

起業家の育成、起業、事業化、成長段階までの各過程に適した支援、IPOやM&A増加等

・中小企業や大学等に散在する知的財産の活用促進 ・国際標準化推進と支援体制強化

◆4つの政策の柱

・様々なサービスや事業のシステム化と複数システムの連携協調 ・共通基盤的なプラットフォーム(超スマート社会サービスプラットフォーム)の構築に必要な 取組を推進 ・知的財産戦略と国際標準化戦略の推進、基盤技術の強化、高度人材育成

・若手研究者のキャリアパス明確化と、能力・意欲を発揮できる環境整備 ・大学と産業界等との協働による大学院教育改革、次代を担う多様な人材育成 ・女性リーダー育成・登用など女性活躍促進、女性研究者の新規採用割合増加 ・海外に出る研究者等の支援強化、外国人受け入れなど国際研究ネットワーク構築強化 ・分野・組織・セクター等の壁を越えた人材流動化を促進 ・・・等

(3)資金改革の強化

・学術研究と基礎研究の推進に向けた改革・強化(科研費改革 等) ・研究開発活動を支える共通基盤技術、施設・設備、情報基盤を強化、オープンサイ エンスの推進体制を構築 等 ・総論分数増加、トップ10%論文数割合の増加(10%へ)

・大学等の一層効率的・効果的な運営を可能とする基盤的経費の改革と確実な措置 ・公募型資金の改革 ・国立大学改革と研究資金改革との一体的推進

◆2つの重要事項 1.科学技術イノベーションと社会との関係深化 様々なステークホールダーの共創の推進。政策形成への科学的助言、倫理的・法制度的・社会的取組への対応。研究の公正性の確保。

2.科学技術イノベーションの推進機能の強化 ・抜本的な大学改革と機能強化 / 国立研究開発法人改革と機能強化 ・国際活動と科学技術外交との一体的展開、科学技術イノベーション政策の実効性の向上、 CSTIの司令塔機能を強化 ・政府研究開発投資の目標を設定(対GDP比1%、総額規模約26兆円)し、投資を拡充 2

「地球規模の気候変動への対応」、「生物多様性への対応」

13の重要政策課題ごとに、研究開発から社会実装までの取組を一体的に推進

新たな製品・サービス等に対応した制度見直し、ICT発展に対応した知的財産制度整備

地域主導による自律的・持続的なイノベーションシステム駆動

グローバルニーズ先取り、インクルーシブ・イノベーションを推進する仕組みの構築

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製品設計 生産設計

設備

保守

コントローラ

MES3

FA機器

領域①サプライチェーン

生産

工場(企業)

領域②エンジニアリング 領域③生産システム

1)製造現場の「見える化」で生産性向上を実現する三菱電機の ビジネスソリューション 2)ERP: Enterprise Resource Planning ,調達・生産・販売を管理する 3)MES: Manufacturing Execution System. 製造実行・実績収集を行う 4)三菱電機:CC-Link ,Siemens:Profibus, Rockwell: DeviceNet (3社ともにイーサネットベースの高速版も製品化している)

ERP2

我が国のスマートものづくり デジタル革命による設計、生産、流通システムの統合

CC-Link4…

<三菱電機㈱提供資料を一部加工>

e-F@ctory1

JIT

昇降機ビジネス

(三菱電機株式会社)

(トヨタ自動車株式会社)

鉄道ビジネス (株式会社日立製作所)

課題は “システムのICT化”と“プラットフォーム化”

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超スマート社会 サービスプラットフォーム

インターフェース、データフォーマット標準化

情報通信基盤 の開発強化

新サービス向け 規制・制度改革

標準的データ の活用 統合型材料開発

システム

エネルギー バリューチェーン

新たな ものづくりシステム

高度道路交通 システム

地域包括ケアシステム

自然災害に対する強靭 な社会

おもてなしシステム インフラ

維持管理・更新

スマート・フード チェーンシステム

地球環境情報 プラットフォーム

スマート生産 システム

セキュリティの 高度化・社会実装

人材の育成

新しい事業・サービス

〔測位・認証等の既存システムも活用〕

バリュー バリュー

バリュー

バリュー

バリュー

バリュー

バリュー

バリュー

バリュー バリュー

バリュー

バリュー

効率的な保守 タイミングの設定、タイムリーな保守部材の提供

必要な材料の 要求、ニーズに応えた材料の提供

カスタマイズケア、目的地までバリアフリー移動

エネルギー需給 の効率化、クリーンエネルギーの 安定供給

複数システムの連携・統合により得られる新しい価値の例

超スマート社会が生み出す価値(例)

システムの連携協調と創出される新しい価値のイメージ

4 出典:内閣府 政策統括官(総合科学技術・イノベーション担当)作成資料(2015年)

○人とロボット・AIとの共生 ○カスタマイズされたサービスの提供 ○潜在的ニーズを先取りしたサービスの提供 ○地域や年齢等によるサービス格差の解消 ○誰もがサービス提供者となれる環境整備

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現場 システム

クラウド

インターネット

サービス機能化・統合化

データ蓄積・抽出、アプリケーション

超スマート社会に向けたサービスプラットフォーム

システムA システムB

S A

S A

S A

S A

コンポー ネント

コンポー ネント

コンポー ネント

組織 コンポー ネント

=Cyber System(サイバー空間) =Actuator(アクチュエータ)

超スマート社会サービスプラットフォームのシステムイメージ

IoTシステム構築技術

ビッグデータ解析技術

デバイス技術

ロボット技術 センサー技術 アクチュエータ技術 バイオテクノロジー ヒューマンインターフェース技術 素材・ナノテクノロジー 光・量子技術

サイバーセキュリティ技術 サイバー空間に係る基盤技術

エッジコンピューティング

基盤技術

AI技術

ネットワーク技術

実空間に係る

基盤技術

=Physical System(現実空間) =Sensor(センサー)

C S P

A 5

出典:内閣府 政策統括官(総合科学技術・イノベーション担当) 作成資料(2015年)