100 101 ◆〈学力〉高い子「草食系」、低い子「野心的」?◆学力の低い生徒ほどチャレンジ精神が旺盛で将来の起業にも意欲的─。 10代の子供たちの学力と将来の夢や目標との関連性を分析した調査結果を、教育関連のNPO法人「次世代育成フォーラ↗ 姿姿食堂を営む両親の背中を見て育った。 「お客のために」汗を流す姿に憧れ、 自分もそうなりたいと願った。 金儲けや生活の糧としての塾経営ではない。 ただ、生徒のために、保護者のために。 そのひたむきな想いが、 彼らからの圧倒的な支持を掴む。 塾というのは、サービス業だ 10 連載 vol.020 1979年生まれ。京都市出身。(株)スタンダードカ ンパニー個別教室事業責任者としてゼロから個 別教室を立ち上げる。退職後の2008年7月、宝 塚市にて「個別教育フォレスト」を開業。低価格 と誠実なサービスが地域の人々の心を掴み、口コ ミで評判を高める。以来、入塾希望者が絶えず、 常にキャンセル待ちという人気ぶり。現在は、塾 開業希望者へのコンサルティングも行っている。 「個別教育フォレスト」WEBサイト http://www.kobetsu-forest.jp/ 教室ブログ「フォレストブログ」 http://ameblo.jp/kobetsu-forest/ 塾開業ブログ「29才で独立、個別指導塾を 経営している代表のブログ」 http://ameblo.jp/kobetsu-support/ 安多 秀司 HIDESHI YASUTA ↘ム・リスタ」(東京都文京区)が発表した。調査担当者は学力が高い子供ほど「草食系」と分析。調査は今年4月、主に進 学塾に通う首都圏や近畿地方など16都府県の中学生約1万8000人を対象に実施。 兵庫県 宝塚市 緑を配し、居心地のいい 教室を心がける

塾というのは、サービス業だ - r-partners.jpr-partners.jp/flyer/yasuda02.pdf · 塾えて、低価格と心あるサービス、それこそがフォ 結局、すべては「それが生徒や保護者のために

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Page 1: 塾というのは、サービス業だ - r-partners.jpr-partners.jp/flyer/yasuda02.pdf · 塾えて、低価格と心あるサービス、それこそがフォ 結局、すべては「それが生徒や保護者のために

100101 ◆〈学力〉高い子「草食系」、低い子「野心的」?◆学力の低い生徒ほどチャレンジ精神が旺盛で将来の起業にも意欲的─。10代の子供たちの学力と将来の夢や目標との関連性を分析した調査結果を、教育関連のNPO法人「次世代育成フォーラ↗�

両親の背中、勉強ギライな自分

全ての原点がそこに

 

どの学習塾も、目の色を変えて生徒確保に腐心

するこの時代。そんな中、常に入塾キャンセル待

ち状態という、目覚ましい盛況ぶりの塾がある。

 

個別教育フォレスト、塾長・安多秀司(三一)。

その驚くべき実績とは裏腹に「売上」への執着を

微塵も見せない好人物だ。童話「北風と太陽」に

例えるなら、明らかに太陽とでも言うべきか。

 

成功のカギは、その人柄からも

感じられる「他者に尽くす」心だ。

そしてその原点は、故郷で小さな食

堂を営む、両親の姿にあるという。

 

まだ宵の静けさが残る早朝、薄

暗い厨房で仕込みを始める。夜も遅

くまで片付けが続く。黙々とそんな

毎日を重ねる両親の背中を見て、素

直に「カッコいい」と感じた。

 

地道に頑張る姿、というよりは「ただ、お客さ

んに美味しいご飯を」という、心意気に憧れたの

だ。それは「誰かのために」という利他の心。そ

の精神こそが、安多の塾運営の根幹をなしている。

 

しかし、そんな安多も、母親には少しだけ反

発した。彼女は教育熱心で、安多が小さい時か

ら「医者になりなさい」と、過酷な勉強を課し

たという。自営業の辛さを知っているからこそ

の親心だが、反抗期の少年には、その干渉が重

いもの。母の熱心さに反比例するように、勉強か

ら距離を置いた。

 

そのせいか、中学受験で辛酸をなめ、いわゆる

スベリ止めの学校に入学。その後の成績下落も転

がる石の如くで、明らかに「できない子」だった。

 

だが振り返れば、そこに光明があったと感じる。

自分がそうだったが故に、今でも「できない子」

の気持ちが痛いほど分かるのだ。

「できない子」の想いを理解できる心遣いと、両

親から学んだ、利他の心。後に大きな「森(=フォ

レスト)」となる最初の種は、ここに蒔かれた。

食堂を営む両親の背中を見て育った。「お客のために」汗を流す姿に憧れ、

自分もそうなりたいと願った。金儲けや生活の糧としての塾経営ではない。

ただ、生徒のために、保護者のために。そのひたむきな想いが、

彼らからの圧倒的な支持を掴む。

んだか元気がない」など、少しでも何か感じたら、

細かに家庭と連携を取るようにしている。塾にい

る間は我が子の様子が分からないのだから、親と

しては非常に安心。とても喜んでくれているそう

だ。単なる成績アップという結果だけではない。

生徒と、保護者と、心で繋がっているのだ。

 

また、特筆すべきはその授業料の安さ。近隣相

場より、二~三割は安い。それに関しても「特別

にウチが安いのではありません。僕は、これが適

正価格だと思いますよ」と涼しい顔で語る。

 

塾である以上、成績アップは当然の務めだ。加

えて、低価格と心あるサービス、それこそがフォ

レストのホスピタリティ。「お客様あっての塾。塾

というのはサービス業です」と安多は言い切る。

 

結局、すべては「それが生徒や保護者のために

なるか?」という視点であり、そこに私欲は存在

しない。だからこそ、入塾希望が絶えないのだ。

 

その心を元に、現在は、塾開業を目指す人に

対するコンサルティングも行っている。宝塚の森

(フォレスト)から風に乗った種が、遠い街で「新

たな森」として芽吹いて行けるように。(敬称略)

塾というのは、サービス業だ

若手塾長のオンリーワン経営術

学習塾の新時代を切り拓く、塾長歴10年未満の期待の星に聞く

連載

vol.020

「お客のために」と精を出す両親

それが、この森の最初の一本だった

1979年生まれ。京都市出身。(株)スタンダードカンパニー個別教室事業責任者としてゼロから個別教室を立ち上げる。退職後の2008年7月、宝塚市にて「個別教育フォレスト」を開業。低価格と誠実なサービスが地域の人々の心を掴み、口コミで評判を高める。以来、入塾希望者が絶えず、常にキャンセル待ちという人気ぶり。現在は、塾開業希望者へのコンサルティングも行っている。

●「個別教育フォレスト」WEBサイトhttp://www.kobetsu-forest.jp/

●教室ブログ「フォレストブログ」http://ameblo.jp/kobetsu-forest/

●�塾開業ブログ「29才で独立、個別指導塾を経営している代表のブログ」http://ameblo.jp/kobetsu-support/

安多 秀司HIDESHI YASUTA

↘ム・リスタ」(東京都文京区)が発表した。調査担当者は学力が高い子供ほど「草食系」と分析。調査は今年4月、主に進学塾に通う首都圏や近畿地方など16都府県の中学生約1万8000人を対象に実施。

個別教育フォレスト

生徒や保護者に幸せを

ただ、そのためだけの塾として

「個別教育フォレスト」の定員は八〇名。これに

キャンセル待ちが続くが、枠を広げる気も、教室

を増やす気もない。生徒一人ひとりに細かに対応

するには、この数字が限界だと思うからだ。

 

講師にも「生徒の立場に立てる」利他の精神を

磨いてもらうため、教育コーチングの研修を施す

など、人材育成も熱心に行う。

「生徒への目配りを決して忘れない」と話し、「な

安多

秀司さん

兵庫県宝塚市

教室長の森さんと

緑を配し、居心地のいい教室を心がける